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「「外国人、単純労働にも門戸 政府案「25年に50万人超」
【イブニングスクープ】
経済 政治
2018/5/29 18:00日本経済新聞 電子版
政府が検討している新たな外国人労働者受け入れ策の原案が29日、明らかになった。日本語が苦手でも就労を認め、幅広い労働者を受け入れるのが特徴だ。2025年ごろまでに人手不足に悩む建設・農業などの5分野で50万人超の就業を想定する。日本経済が直面する深刻な人手不足を背景に、単純労働分野における外国人への事実上の門戸開放に踏み切る。
政府は6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に最長5年間の新たな就労資格を設ける方針を明記する。今後原案を基に、詳細な条件などを詰める。
これまで日本の外国人受け入れ政策は、治安面などへの配慮から高度な専門知識を持つ外国人に限定してきた。実質的な単純労働分野の受け入れは約70職種の技能実習生にとどめ、他の就労資格と厳格に区別していた。
技能実習制度は最長5年の研修を認めるものの、研修期間を終えると本国に帰国しなければならず、人手不足に悩む企業側からは不満が出ていた。
政府は人手不足に対処するため2019年4月以降に技能実習の修了者は最長5年の就労資格を得られるようにする。
それでも人手不足が想定されるため、さらに門戸を広げる。移民政策とは異なるが政府の外国人受け入れ政策の大きな転換となる可能性がある。
19年4月に建設、農業、宿泊、介護、造船業の5分野を対象として「特定技能評価試験」(仮称)を新設し、合格すれば就労資格を得られる。各職種ごとの業界団体が国が求める基準をもとに、日本語と技能の試験を作成し実施する。
日本語能力の基準は原則、日本語能力試験の「N4」とする。「N1」〜「N5」の上位から4番目で「ややゆっくりとした会話がほぼ理解できる」水準だ。同試験を運営する日本国際教育支援協会によると「300時間程度の学習で到達できる」という。
建設と農業は「N4まで求めない」として、さらに日本語が苦手な人でも受け入れる。例えば農業では「除草剤を持ってきて」という質問に該当する写真を選択できれば採用する。
技能試験は各業界団体が実施している実技の検定試験などでの代替を想定。基本的な作業が可能か確認する。
これにより政府は25年までに5分野で約50万人超の受け入れを目指す。建設では25年に78万〜93万人程度の労働者が不足する見通しで、計30万人の確保を目標にする。農業では高齢化で23年までに4万6000〜10万3000人程度の労働者が不足する。新資格で2万6000〜8万3000人程度を受け入れる。
介護分野でも、25年度末に55万人の人材を新たに確保する必要があり、政府は報酬拡大などの手当てを講じている。国内では足りず年1万人程度を海外から受け入れる。
50万人超を受け入れれば、17年時点で127万人だった外国人労働者は大きく増える。政府は日本の15〜64歳の生産年齢人口が40年度に18年度比で約1500万人減ると試算している。人手不足は日本経済が抱える最大の課題となりつつあり、日本商工会議所は「これまでの原則に縛られず、開かれた受け入れ体制を構築すべきだ」と政府に要望していた。
安倍政権は12年の発足以来、技能実習生などで約60万人を増やした。ただ、技能実習制度を巡っては待遇への不満から失踪などの事例が目立ち、慎重な運用を求められていた。」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31103490Z20C18A5MM8000/
参考
書評 『ルポ ニッポン絶望工場』 著・出井康博(長周新聞)
https://www.chosyu-journal.jp/review/8033
少子高齢化で労働力不足が深刻となっている日本社会では今、外国人労働者の増加が続いている。しかし、彼ら留学生や技能実習生たちがなにを思って来日し、どのような生活を送っているのか、最近でこそとりあげられることも出てきたが、実態はまだまだ知られていない。一昨年出版された本書は、2007年から約10年にわたって彼らが働く現場の取材を重ねてきた著者が、なまなましいインタビューを通じて、「現代の奴隷」ともいうべき外国人労働者の実態から、不法就労や犯罪に至る背景を明らかにし、その問題を提起している。
著者は、取材のなかで日本に憧れを持ってやってきた若者たちが、やがて愛想をつかして去って行く姿、「親日」から「反日」へと変わっていく現象を何度となく目にしてきたとのべている。「留学生」や「実習生」などといって日本へと誘い込み、都合よく利用して、さまざまな手段で食い物にする―。そんな事実に気づいたとき、彼らは絶望し、日本への反感を募らせるのだと。静かに日本を去って行く者もいれば、不法就労に走る者、なかには凶悪な犯罪を起こす者もいる。そうした事態を著者は「自分たちを食い物にしてきた日本社会に対し、彼らの“復讐”が今まさに始まろうとしている」と指摘する。
(中略)
著者は、ピンハネ構造には官僚機構も加わっていることを告発している。実習制度を統轄する公益財団法人「国際研修協力機構」がそれだ。この組織は実習制度が現在の形になる2年前の1991年に設立され、法務、外務、厚生労働、経済産業、国土交通省の5つの中央官庁が所轄している、法務省出身の鈴木和宏理事長、厚労省出身の新島良夫専務理事をはじめ、各省庁の天下り先でもある。ここが受け入れ先企業や監理団体などから年間13億円近くを徴収しているが、何の役にも立たない、単なるピンハネ機関と化しているのだという。
受け入れが認められた約70の職種の多くが単純労働ばかりで、「国際貢献」や「技能移転」など建前に過ぎないと指摘する著者は、新たな監視団体をつくるよりこのピンハネ構造を改めなければ、すでに日本を離れていった中国人のように、今後世界各国で人手不足が見込まれるなか、日本は彼らから見捨てられることになると指摘している。
本書では介護士受け入れの失敗や日系ブラジル人の問題など各方面にわたって詳しく論じている。「留学生30万人計画」や「技能実習制度」など、嘘と建前で塗り固め、外国人を都合よく利用し、食い物にし続けるのなら、いずれ日本が見捨てられていく―。そう指摘する著者の言葉には説得力がある。
(株式会社講談社、189ページ、840円+税)
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