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国会を開いて閉じても綱渡り/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805300000160.html
2018年5月30日8時55分 日刊スポーツ
★今国会での政権の目玉は「働き方改革関連法案」。厚労省のデータ改ざん発覚から既に混迷を極めていたが、過労死の家族会との面会を、かたくなに拒んだ首相・安倍晋三の対応も、褒められたものではない。また衆院厚労委員会の、再度のデータ改ざん発覚を放置したままの強行採決も、禍根を残した結果になった。29日、同法案は衆院本会議で採決され参院へ送られる予定だったが、衆院議院運営委員会の理事会は、30日に衆院厚労委で野党が2時間質疑することで折り合い、本会議採決は31日に先送りすることになった。
★自民党国対関係者は「鳴り物入りの法案はデータ改ざんで小さな法案になったし、高度プロフェッショナル制度に対して否定的な与党議員も多い。ただ、この法案を上げなければ『今国会はなんのための国会だったのか』となってしまう。しかし日程が窮屈だ。首相はカナダサミット前に日米首脳会談も予定していて、外遊する6月は、審議がままならない。参院送致後、直ちに趣旨説明、委員会付託が行われても委員会は週2回。20日までの会期では4日間しか審議できない。1日4時間審議の4日で16時間しかない」。
★それに加えて統合型リゾート実施法案、いわゆるカジノ法案とTPPの審議が停滞気味。ギャンブル依存症対策法が衆院で上がったが、カジノ法案の本体はまだ。TPPも参院ではまだ上がっていない。官邸は野党の森友・加計疑惑追及にうんざりで、早く国会を閉じたいが、延長は必至。その会期幅が問題だ。
★国会を閉じれば、自民党内は直ちに自民党総裁選モードに突入する。「森友・加計で今後何が飛び出すか分からない。余裕を持たせて7月上旬から中旬までの延長幅にしたい。それ以上延ばすと、今度は総裁選に影響する」(自民党ベテラン議員)。国会を閉じれば党内政局。開いていれば野党の追及。目玉の働き方改革を通し、カジノ法案まではまとめたい首相。綱渡りは続く。(K)※敬称略
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