2018年5月25日(金) 「働き方」きょう採決狙う 衆院厚労委 野党「徹底審議を」 過労死を増やす「働き方改革」一括法案について、衆院厚生労働委員会の高鳥修一委員長(自民党)は24日の理事懇談会で、自民党理事の提案を受けて、25日の同委で1時間半の質疑を行った上で、質疑終局・採決を行う日程を職権で決めました。与党は、これ以上遅れると、成立が危ぶまれると、「採決ありき」の姿勢をあらわにしています。 野党側は、まだ審議は不十分であり、採決は到底受け入れられないと反対。日本共産党の高橋千鶴子議員は、「野党が一貫して求めてきたのは、徹底審議だ」と厳しく批判しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-25/2018052502_03_1.html 2018年5月25日(金) 見切り発車の採決するな 厚労委員長の解任決議案否決 高橋氏賛成討論 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-25/2018052502_06_1.jpg (写真)賛成討論する高橋千鶴子議員=24日、衆院本会議 「働き方改革」一括法案の採決をめぐり緊迫した事態がつづくなか、野党が提出した高鳥修一厚生労働委員長の解任決議案の討論が24日の衆院本会議で行われました。 日本共産党の高橋千鶴子議員は、賛成討論に立ち(要旨4面)、高鳥委員長がこの間開かれた厚労委の半分にあたる10回も委員長職権で開催してきたことなどをあげて「法案を今国会で成立させるためだけに職権を乱用し暴走してきた」と厳しく批判。法案をめぐって野党が指摘した課題は山積みしているとして、「これらが解決しないままの見切り発車的採決は絶対にしてはならない」と強調しました。 高橋氏は、裁量労働制のデータねつ造が発覚し、異常値2割が削除され、数値が激変したことなどを示し、「法案は撤回し、労働政策審議会に(審議を)差し戻すべきだ」と主張。さらに、「過労死ライン」の長時間労働に国がお墨付きを与える残業時間の「上限規制」、労働時間法制から完全に除外する「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」の問題点をあげ、「まさに過労死促進法と呼ぶべきものだ」と強調しました。 高鳥委員長の解任決議案には、日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党が賛成しましたが、自民党、公明党、維新の会の反対多数で否決。政府・与党は、25日の衆院厚労委での法案採決を狙っており、引き続き緊迫した事態が続きます。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-25/2018052502_06_1.html 2018年5月25日(金) 高鳥衆院厚労委員長解任決議案 高橋議員の賛成討論(要旨) 日本共産党の高橋千鶴子議員が24日の衆院本会議で行った高鳥修一衆院厚生労働委員長解任決議案への賛成討論(要旨)は次の通りです。 高鳥委員長はこの間、働き方改革法案の今国会成立のためだけに職権を乱用し暴走してきました。まさに「首相案件」だからです。委員会を10回も職権で開催し、17時間23分は空回しでした。重要広範議案の生活困窮者支援法案では、与党のみで参考人質疑、採決まで行ったのです。
今は国会全体の異常事態です。森友・加計疑惑、日報、どれ一つとっても国権の最高機関で平気でうそをつくなど、国の土台そのものが崩れています。何より厚労省こそ年金記録の再委託問題、裁量労働制データねつ造、野村不動産の過労死隠しなどの原因者です。 まず、裁量労働制のデータねつ造問題は解決していません。企画業務型裁量労働制の拡大部分は法案から削除され、元となった2013年度労働時間等総合実態調査の2割のデータを削除しました。旧データを加工した資料は労政審だけでも11回活用されています。例えば労使協定で年間の残業を1000時間超としている事業場のうち、実際に1000時間超の残業があったのは旧データで3・9%だったのに、精査で48・5%へと激増。法案の骨格をなす根拠資料を影響ないとしてよいはずがありません。 裁量労働制の実態調査を新たに行うといいますが、労政審に諮る時期すら示せませんでした。「高度プロフェッショナル制度」の対象労働者を検討するうえで実態調査は必須です。データねつ造で、厚労省は外部有識者を含む監察チームを発足させましたが、その中間報告さえ出せない状況です。法案は撤回し、労政審に差し戻すべきです。 「働き方改革」法案で、総理は「過労死をなくします」「同一労働同一賃金を実現します」と何度も強調しました。特別条項付き三六協定を結べば実質青天井になっていた残業時間に、罰則付きの上限規制を設けるという70年ぶりの大改正のはずでしたが、出されたのは、厚労省自身が過労死ラインと認めてきた単月100時間、連続する複数月平均で80時間を上限とし、国が過労死にお墨付きを与えるものです。労働時間法制から完全に除外する「高度プロ」制度は、年104日の休日さえ与えれば、連続48日間勤務、しかもそれを1日24時間ぶっ通しで働いても違法とならない、過労死促進法です。 「同一労働同一賃金」で、いわゆる均等待遇の対象となるパート労働者はわずか1・5%にすぎず、格差を固定化するだけです。 大切な家族を失った苦しみを二度と誰にも味わわせたくないと訴えてきた過労死家族の会のみなさんが、過労死防止に逆行する「高度プロ」「働き方改革」法案に反対だと明確に表明しています。家族の声、働く人々の声に耳を貸さず一方的な運営で採決に踏み切ろうとする高鳥委員長には、その職責を果たす資格がありません。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-25/2018052504_02_1.html 2018年5月25日(金) 採決許されない「働き方」法案 危険性浮き彫りに 政府・与党は、「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度)を柱とする「働き方改革」一括法案について、25日にも再び採決強行を狙っています。しかし、審議をすればするほど危険性や欠陥が浮き彫りになっており、採決など許されないことは明りょうです。(田代正則) データ削除でやり直し必要
法案の「出発点」となった労働時間データで、2割ものデータが虚偽だとして削除されました。 最集計したところ、一般労働者で年間残業1000時間超の三六協定を結んだ事業所で、その通り残業させた事業場は、旧データの3・9%から48・5%に激増しました。 安倍晋三首相は、日本共産党の志位和夫委員長に「実際はこんなに(三六協定の上限まで)残業していない」と答弁(2015年2月)していましたが、覆りました。高プロ対象者を検討する上で重要なデータとなる裁量労働制の実態調査も、データねつ造の原因究明もこれからです。法案は撤回し労働政策審議会に差し戻すしかありません。 遺族の声無視論拠も破たん 長時間労働に歯止めのない高プロの危険性が明らかとなり、論拠も破たんしました。 加藤勝信厚労相は、残業100時間相当で医師面接があると言いますが、そのまま働かせ200時間になってもよいと認めました。 「働くもののいのちと健康を守る全国センター」事務局長の岩橋祐治全労連副議長は、「産業医では止められない。監督官のチェックが高プロではできなくなる」と参考人質疑で指摘しました。 安倍首相は「時間ではなく成果で評価されたい人もいる」と言いますが、参考人質疑で全労連も連合も過労死家族の会も反対。経団連は賛成ですが、賛成企業は28%と少数(共同調査)。加藤氏が「要望を聞いた」という労働者は、たった12人でした。 共産党の高橋千鶴子議員の質問で、高プロは成果をあげても報酬が増えるとは書いておらず、業務量はあらかじめ決められており、減らせないことが明らかになりました。 安倍首相は過労死遺族との面会も拒否しており、高プロに反対する遺族らの声を無視したまま採決に突き進むなど許されません。 上限に抜け穴厚労相認める 残業の上限規制は単月100時間、平均80時間という「過労死ライン」を容認していますが、月をはさめば30日で150時間以上の残業も可能など抜け穴があることを、加藤氏が認めました。 首相が強調する「同一労働同一賃金」は法案に言葉もなく、「格差是正」といっても現行と変わらないことも同省は認めました。 パートで正社員と同等待遇になるのはわずか1・5%。有期雇用は無期雇用に転換した労働者と比較するので正社員との格差は放置されることも明らかとなり、欠陥法案というしかありません。 実効性ある法案にするには、撤回・徹底審議こそ不可欠です。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-25/2018052505_02_1.html
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