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“強要罪”と同義なシステム 安倍・内閣人事局は“忖度強要”
https://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/b9bbc92e6626e23edf87edfe2f33197e
2018年05月15日 世相を斬る あいば達也
国民の常識的な感覚からすると、「内閣人事局」と云うシステムそのものが、人事権を持つ最高責任者・安倍首相に「忖度」をしないと、官僚としての地位が危うくなると感じさせる装置である。あきらかに官僚らに対して、強迫観念を植えつけ、監視管理しているのだから、これは、広義の意味で強迫や強要と云う観念の入る余地はある。
当該官僚たちに、「忖度」の強要を強いられていると感じさせるに足る状況を作り上げているとなると、「内閣人事局」というものは、それ自体が、行政官僚の自由を奪い、最高権力者の私的利益誘導の為に、行政官僚が働くことになる。考えてみると、そもそも、行政官僚達は、主権者である国民から見て、公僕なわけであるから、その公僕を、安倍晋三らは、私的に流用したことになる。つまり、主権者の、憲法上定められた権利を侵害したことになる。「内閣人事局」は、安倍官邸が粘土細工のようにして作り上げた、官僚らに対しての“忖度強要システム”なのだ。公僕である、行政官僚制度を安倍官邸が冒涜したことになるわけで、とどのつまりは、主権者国民の権利を侵害したと云うことになる。
安倍は国会で偉そうに、いや、子供の喧嘩のような言い訳をしていた。参議院予算委員会でのことだが、自民党の塚田議員の質問に対して、「忖度されたか否かは、される側にはわかりにくい面がある。私はおもねる意味での忖度を求めていない」と、隠れた“忖度強要システム(内閣人事局)”に触れることはなかった。安倍首相が、官僚らに忖度を求めることなどあり得ないのは当然だ。既に、システム的に「忖度」が織り込み済みの土俵の上で相撲をとっているのだから、行政官僚らは、コロコロと、みずから一敗地に塗れるのである。
いわゆる、国会、官邸では、霞が関を巻き込んだ”八百長相撲”が行われていると断じて良いだろう。安倍首相は、得意気な顔で、こうも言った。玉木議員が「日本の総理が嘘をついているかも知れない、と思って質問するのは哀しい」との挑発に「嘘つきと明確に言うなら証拠を出せ」と、内閣人事局と云うシステムそのものが、証拠隠滅機能を作動するようになっているのだから、証拠は、その都度「消滅」させるような立てつけになっていると云うことだ。つまり、八百長政権であることは、安倍晋三が百も承知なのである。
このシステマチックな「忖度強要装置(内閣人事局)」をみごとに乗りこなしているのが安倍官邸と云うことになる。それでは、国民は、この「忖度強要装置(内閣人事局)」のシステムで、私利私欲を自由闊達に起動することを認めざるをえないのだろうか、あまりにも無力感があり過ぎる。公僕である行政官僚に、単なる一時の政権が、「忖度」強要できるシステムと云うものは、どこかに不法行為の臭いがある。専門家ではないので、法的な意味合いを充分に解明できないが、一政権の意のままに、公僕を支配管理する機能は、“違憲”なのではないのか?まぁ、行政訴訟になると、残念ながら勝ち目は少ないのだが?。
ただ、一つだけ、打開の道は残されている気がする。柳瀬秘書官(当時)が、官邸で、加計学園関係者と会ったことは認めておきながら、愛媛県や今治市の職員と会ったことを、否定も肯定もしなかった点である。特に、国家戦略特区に認定された今治市がポイントだ。つまり、戦略特区に指定された今治市が、戦略特区諮問会議以前に、首相側近の柳瀬秘書官(当時)と会っていたとなると、公務員あっ旋利得の犯罪と云う具体的可能性があることだ。
現に、今治市の菅良二市長は、今治市が官邸で会った人物や、その時の会話の内容を明かしていない。国家戦略特区WGの議事録も、99%黒塗りで隠ぺいされている。その理由が、前述の、公務員あっせん利得罪に触れる危険があるからに違いない。特区としては、愛媛県ではなく、今治市の存在が大きいわけだから、愛媛県の備忘録と柳瀬氏の参考人招致での発言を照らし合わせ、更なる傍証を合わせて問題視すれば、あっせん利得に限定されず、法に触れる可能性はある。推測だが、愛媛県の備忘録の書き込みは詳細であり、ICレコーダーを参考にしないと書ききれないものと思われる。最後の決め手が、またまたICレコーダーと云うハプニングがあるかもしれない。
たしかに、「忖度強要装置(内閣人事局)」は、想定通りの機能を発揮しているが、なにせ人間のやることだから、完璧はあり得ない。佐川宣寿氏の公文書改ざんや偽証罪が適用される可能性はあるわけだし、柳瀬氏には、あっせん利得罪乃至は贈収賄の疑いが出てくるわけである。迫田氏にしても、まだまだ安全圏とは言えない。上手の手から水が漏れる可能性は、これからもあるだろう。まぁ、最終的には、東京地検特捜部、大阪地検特捜部のお手並み拝見というところだろうか。これも幾分あてにはならない。結局は世論かな?世論にしても、20代30代には安倍信者が多いので、幾分心細いが……。
以下は、安倍首相が、ひどく意識して、「前川さんにも直接命じたことはない」などと、正義の味方のような扱いで引っ張り出された前川喜平氏の「首相の盟友に絡む話を柳瀬氏が耳に入れていないなど絶対に嘘」(週刊朝日)と云う見出しのレポートを参考掲載しておく。前川氏が、ここまで断言するのだから、やはり、安倍は嘘つきだ!
≪独占 前川喜平氏「首相の盟友に絡む話を柳瀬氏が耳に入れていないなど絶対に嘘」〈週刊朝日〉
衆院予算委員会は14日午前、安倍晋三首相が出席し、集中審議を行った。「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、柳瀬唯夫元首相秘書官(現経済産業審議官)が2015年に学園関係者と計3回も官邸で面会をしたことについて、首相は「国家の重大事でもない限り、(柳瀬元秘書官から)途中段階で説明を受けることはほとんどない」と主張。また、「誰一人として私から何らの指示も受けていないことがすでに明らかになっている」「獣医学部はすでに開学し、20倍の倍率となるなど成果を出している」などと強調し、自身の関与を否定した。野党側は柳瀬答弁に対し、「事実と異なる」と訴えた愛媛県の中村時広知事、加計孝太郎理事長、柳瀬元首相秘書官らの国会招致を引き続き、求めている。加計疑惑の渦中にいた前川喜平前文科事務次官が「絶対に嘘」と茶番劇を斬る。
* * *
柳瀬氏の答弁は、ごまかしに満ちている。初めから加計ありきという安倍首相の方針は明確にあったはずだし、二人の間ではそうした明らかなやり取りが絶対にあったに違いない。秘書官は首相の側にいるのが仕事で、一緒に飯を食い、雑談をし、なんでも話す間柄。首相と秘書官との間には誰もおらず、直接のやり取りが交わされる。そんな間柄であるはずなのに、首相の盟友に絡む話を、首相自身の耳に入れていないなど、絶対に嘘。虚偽答弁も甚だしい事態だ。
結局、柳瀬氏の答弁の中に、明確な証拠は何一つなかった。全ての答弁が、論理を一般論にすり替えるか、「記憶がない」と逃げるかの2択で、極めて不自然。答弁によって、愛媛県の文書の信ぴょう性がむしろ明らかになったようなものだ。
愛媛県の文書の中には、「加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があった」「対応策について意見を求めたところ、今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよいとの助言があった」との記述もある。首相と下村(博文)大臣(当時)との間で明確なやり取りが交わされていることの証拠であるし、首相の一連の答弁が虚偽だという証し。記述内容を否定したところで愛媛県側が事実を捻じ曲げる理由など何一つない。
柳瀬氏はもう、「これは私ではない」と念じながら、自分自身を演じる局面にいるのでは。ここまでくれば、もはや普通の精神状態ではいられないだろう。何とか演じきったそのときに、もしまだ安倍政権であれば得られるかもしれない“ご褒美”欲しさ以上に、本当のことを言ったときの仕打ちが怖いというのが本心では。そこまで首相をかばうほど、本当に恩義があるのか?と問いたい。そこまでかばう必要は、もうないだろうと。
官邸側は、国家戦略特区の前例に当たる千葉県成田市の医学部新設と同じ理屈でいけば、加計学園の獣医学部新設も通るだろうと踏んでいたのだろう。こうしたことを考えた黒幕は、(加計学園問題をめぐって、当時文部科学事務次官だった私に、“総理は自分の口からは言えないから、私が代わって言う”と迫った)和泉洋人首相補佐官だと思う。彼は特区の制度を作った張本人で、この制度の隅から隅までを知っている人物。彼は理屈が作れることをわかった上で知恵を出したのではないか。
一国民視点で言えば、安倍政権は即刻やめるべき。これだけ動かぬ証拠がそろっているのだから、嘘を認めろと強く思う。退陣に追い込むには支持率を下げるしかないが、20〜30代の若い男性を中心に「安倍信者」がいるから厄介。この流れは非常にファシズム的で、全体主義に傾斜している。こうした権力者の嘘を見破れない若者について考えると、翻って教育に問題があったのかもしれないと、今、非常に危機感を抱いている。(本誌・松岡かすみ)
≫(AERA dot:※週刊朝日 2018年5月25日号より加筆)
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