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他国冷ややか 好戦首相が和平の機運を妨害する危険な図式 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/228684
2018年5月10日 日刊ゲンダイ
安倍首相とネタニヤフ・イスラエル首相(C)AP
安倍晋三首相が大型連休前半に中東各国を歴訪した際、「中東の安定と和平に貢献したい。イスラエル、パレスチナの双方に建設的な関与を働きかけたい」と語ったことに驚いた人は多かったのではないか。旧知のアラブ研究者がメールでこう怒っている。
「いま安倍が仲介して、ここまでこじれたイスラエル・パレスチナの交渉を再開させることは不可能だし、それ以前の目前の緊急課題として、イラン核合意を壊そうとするネタニヤフ・イスラエル首相の情報謀略に対して欧州が必死で闘っている最中に、何をノンキなことを言っているのか」と。
ネタニヤフは4月30日、イランが核開発を続けていることを示す5万5000ページの書類と183枚のCDを入手したとして、「イランは嘘をついた」と大々的に発表した。
これは、トランプがイラン核合意を破棄するかどうかを決める期限としている5月12日を前に、米国を反イランの方向に引き込むことを狙った挑発で、当のイランは「すでにIAEAも把握している古い資料で、子供じみている」(ザリフ外相)としているし、欧州も「目新しいものではない」(英BBC)と冷ややかに受け止めている。前出の研究者が言う。
「この切羽詰まったイラン核合意をめぐる外交には日本の出番はないし、誰もそれを期待していない。そんな中で中東に出掛けて行って空疎な言葉を吐くよりも、まずは朝鮮半島の『安定、和平に貢献』するために『建設的な関与』をすることが日本の役目ではないですかね」
しかし残念なことに、安倍政権は朝鮮和平のプロセスでも何の建設的な役割を果たすことができずに置いてきぼりになっていて、その腹いせかどうか、ネタニヤフも顔負けの情報謀略を用いて妨害しようとさえしてきた。
河野太郎外相が3月31日の講演で「北朝鮮がトンネルから土を運び出し、次の核実験の用意をしている」と発言したのが一例で、この河野発言に対し、世界的に有名な北情報分析サイトである米ジョンズ・ホプキンス大学の「38ノース」は衛星写真付きで「そのような動きはなく、活動は減っている」と反論し、中国外務省も「朝鮮半島の緊張緩和に各国が努力している時に、足を引っ張ることのないように」と不快感を示した。
今やネタニヤフと安倍が好戦派の筆頭で、その2人が何とかしてトランプを和平を破壊する方向に導こうとしているという危険な図式である。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
【永田町の裏を読む/高野孟】安倍晋三首相が大型連休前半に中東各国を歴訪した際、「中東の安定と和平に貢献したい。イスラエル、パレスチナの双方に建設的な関与を働きかけたい」と語ったことに驚いた人は多かったのではないか… https://t.co/wwyLEprZIk #日刊ゲンダイDIGITAL
— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2018年5月9日
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— ⛵️motty⛵️ (@novtnerico) 2018年5月9日
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