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“圧力一辺倒外交”惨めな結末 金正恩に翻弄される安倍政権
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/228233
2018年5月1日 日刊ゲンダイ 文字起こし ※タイトルは紙面による
無為無策(C)日刊ゲンダイ
南北会談は単なる形式的なセレモニーではない、と対外的にアピールする狙いもあるに違いない。
「完全な非核化により、核のない朝鮮半島の実現という共通の目標を確認した」
世界中が注目した韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による首脳会談から4日。北の国会に当たる最高人民会議の常任委員会は30日、30分の時差がある南北時間を統一するため、5月5日から北の標準時をソウルに合わせることを決定した。金正恩が首脳会談の会場控室で、ソウル、平壌時間を示す2つの時計を見て「時間から先に統一しよう」と提案したのを受けた対応という。
「標準時の統一」は、単に時計の針を前後に動かせば済む話じゃない。学校や職場など、あらゆる国民生活に直結するからだ。とりわけ韓国は世界の金融市場とも密接に連携しており、変更となれば一大事だ。そのため、北が韓国に譲歩したのだろう。これまでの強硬路線からは想像できない柔軟な姿勢だが、首脳会談から1週間も経たないスピード決定にも驚いた。南北統一に対する金正恩の並々ならぬ意欲を、韓国や首脳会談を控えた米トランプ政権に示した効果は絶大だろう。
1990年の東西ドイツ統一から28年経ち、極東アジアの民族分断国家である「韓国」と「北朝鮮」の統一実現に向けた動きが一気に本格化してきたと言っていい。
■北が求める日朝対話の見返りは100億〜200億ドルの経済支援
「いつでも日本と対話する用意がある」。南北会談で金正恩はこうも語っていたというが、北が日朝対話の可能性を示唆した狙いは容易に想像がつく。拉致問題の解決と引き換えに、大規模な経済支援を獲得したいからだ。
朝鮮労働党は4月20日の中央委員会第7期第3回総会で、核開発と経済建設を同時に進める「並進」路線から、経済建設に総力を集中する方針へと転換した。米朝会談でも、この方針転換を踏まえた体制運営が説明されるとみられている。
しかし、相手は「米国第一主義」や「保護貿易」を訴えるトランプ政権だ。仮に核放棄への道筋を付けたとしても、北の希望に沿う形での経済支援を得るのは難しい。となれば、金正恩が今後のインフラ整備などで必要になる巨額なカネを引き出す交渉相手に日本を挙げるのはごく自然な流れだ。
安倍首相も「北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、(2002年の)日朝平壌宣言に基づいて不幸な過去を清算し、国交正常化への道も開けてくる」と訴えているからだ。北はすでに1965年の日韓国交正常化に伴う経済支援を参考に、日朝国交正常化が実現した場合は100億〜200億ドル(約1兆900億〜2兆1800億円)の支援が見込める――とソロバンをはじき、拉致問題の対応について検討を始めたとされる。
「安全保障は米国」「経済支援は日本」。金正恩は国ごとに協議・交渉する内容を変える綿密な戦略を描き、そうやって相手国の歓心を誘い、自国に有利な条件を引き出す。まさにタフネゴシエーターの名にふさわしいシタタカぶりではないか。コリア国際研究所所長の朴斗鎮氏はこう言う。
「金正恩は韓国を後ろ盾にして思い通りにコトを運ぼうとしている。例えば、即時の核廃棄を訴えていた米国は、中国やロシアが『段階的な非核化』に理解を示す中で、徐々に態度を軟化させています。おそらく、支持率が低いトランプ政権が中間選挙を控えて米朝会談を政治利用するだろうと判断し、韓国政府を通じて揺さぶりをかけているのだと思います。日米を知り尽くした北が今後、水面下であらゆる外交交渉を仕掛けてくると思います」
金正恩委員長と文在寅大統領(C)AP
日朝会談も拉致問題も米韓に頼る以外、戦略がない安倍外交 |
英大手ブックメーカーによると、今年のノーベル平和賞受賞者の予想(日本時間の29日夜)で、金正恩と文大統領の南北首脳が1・67倍と断トツ人気だ。
「恐怖政治」で国民を弾圧し、側近だろうが肉親だろうが容赦なく殺害してきたとされる金正恩がノーベル平和賞受賞とはブラックジョークにもホドがある。しかし、文大統領の行動力は受賞に値すると評価されても不思議じゃない。北に対して平昌冬季五輪の参加を呼び掛けるなど、南北融和ムードづくりに努めつつ、初の米朝会談の橋渡し役も担ってきたからだ。近代民主主義国家の「平和外交」のあるべき姿とも言えるが、対照的なのが安倍外交だ。
南北会談の実現を探る韓国政府に対し、当初、安倍政権は「ほほ笑み外交」などと批判。平昌冬季五輪開会式に出席した安倍が文大統領に「北への圧力強化」を直談判する場面もあった。「対話のための対話は意味がない」「最大限の圧力」などと、ナントカの一つ覚えのように繰り返し、南北融和に冷や水を浴びせ続けてきたのだ。
ところが、今や、気が付けば韓国、中国はもとより、「完全に一致」と豪語していたトランプ政権までも「対話路線」に舵を切った。はしごを外されて赤っ恥もいいところだ。
■「蚊帳の外ではない」と蚊帳の外でいっている
振り上げていた拳の収めどころに困ったのか、最近の安倍は「圧力」発言を封印。文大統領との電話協議後の会見でも「具体的に北朝鮮が行動を取るよう、我々も努力をしていこうということで一致した」なんてビミョーに軌道修正し始めた。つい3カ月前は「圧力強化」を直談判していた相手に対して、どのツラ下げて言っているのか。恥ずかしい限りだ。「一致した」なんて言われた文大統領もいい迷惑だ。
結局、地球儀俯瞰外交なんて格好つけていた安倍外交の中身は空っぽ。日朝会談も拉致問題も米韓に頼る以外、ナ〜ンの戦略もない。そんな安倍とは違って北の外交は二枚も三枚も上手だ。「対話」をチラつかせながらも、揺さぶりを掛けるのを忘れていない。4月29日の党機関紙「労働新聞」は蚊帳の外に置かれた安倍政権をこう酷評していた。
〈朝鮮半島を取り巻く外交の流れから追い出され、心穏やかではない日本〉〈安倍は米国行脚でも、ボスにしがみつき、核問題と一緒に「拉致」問題まで出しながら、対朝鮮制裁圧迫を物乞いした〉〈自分の眉に火が付いたように慌てふためき、我々に対する「最大限の圧力」や「核ミサイル放棄」を言って、くどくどと言いながら歩き回っているざまは、実に見るに堪えない〉
いやはや、もはや完全に足元を見透かされている。日朝首脳会談前からこの調子じゃあ、実現しても先が思いやられる。振り返れば、安倍が昨秋に「国難突破」と言って衆院解散を強行した理由のひとつが「北の脅威」だった。「米朝開戦で日本に武装難民が押し寄せる」「ミサイル発射を伝えるJアラートが鳴ったら建物に身を隠せ」などと喧伝され、2018年は選挙どころじゃないみたいな雰囲気だったが、一体何だったのか。まるで真逆の展開じゃないか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「安倍政権が本気で北朝鮮問題と向き合ってこなかった事実が今、ハッキリしたのです。これまでやってきたのは、北との緊張関係をあおり、政権維持に利用してきただけ。だから、いまだに何ら北との外交ルートを築けず、他国頼みなのです。南北会談や米朝会談が決まったことに安倍首相は『蚊帳の外ではない』と蚊帳の外で言っている。世界の笑いものです」
惨めの一言に尽きる。
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakutenshi) 2018年5月1日
【安倍政権 金正恩に完全白旗】
『単細胞の「圧力」外交 惨めな敗北』
「誰の目にもハッキリした金正恩のしたたかさと文大統領の行動力」
「そんな南北会談に冷や水を浴びせ続けてきた首相はいつの間にか、“圧力”発言を封印し、軌道修正しているが、今や世界の笑いもの」 pic.twitter.com/EPn1J0rECn
このまま亡命か
— 安倍真理教内閣壊滅大作戦 (@kKcNDPsKM7KeJSp) 2018年5月1日
政治&外交レースにおいては、安倍も麻生も河野も世耕も、自分たちがとうの昔に周回遅れのランナーなってしまっていた事実にようやく気付いたようですね。追いつくのはもう無理、政権交代してリスタートしてもらうしかないでしょう。
— みおつくし (@natsukusa1953) 2018年5月1日
辛辣過ぎる…と思いきや事実しか書かれていないという笑えない状況
— 饒速日 (@poverty_liberty) 2018年5月1日
この人、圧力一辺倒の出口戦略をどう考えていたんだろ?
一国を預かる身なのだから、当然オプションは持ってますよね…
北朝鮮、圧倒的勝利、安倍完全なる敗北。
— ドクターエメットブラウン (@dp_pbz) 2018年5月1日
早く交代しないといけません。頼みのトランプ大統領にも相手にされず孤立感そのもの。これ以上日本を貶めることはありません。国会議員は与野党問わず急がないといけない。
— siro (@siro9998) 2018年5月1日
パーでんでん(云々)🤣🤣🤣👍 pic.twitter.com/wouCzNiSOE
— Elf branch CM 3 D 2 (@Elf2018branch1) 2018年5月1日
普通 外交といえば、相手方を上手く自分のペースに巻き込み、ずる賢さ したたかさが要求されるのに今の安倍外交は相手のペースに巻き込まれオベツカばかりではないか、史上最低の破廉恥外交だ。北から「対話する用意がある」と先に言われた時点でアウトだよ。もうこれ以上 拉致被害者家族を騙すなよ😡
— 37KESu (@37KESu1) 2018年5月1日
“圧力一辺倒外交”惨めな結末 金正恩に翻弄される安倍政権 https://t.co/F6YK6dbvl2 #日刊ゲンダイDIGITAL
— crossmedia (@tabloidpaper) 2018年5月1日
安倍政権 金正恩に完全白旗 単細胞の「圧力」外交 惨めな敗北 誰の目にもハッキリした金正恩のしたたかさと文大統領の行動力 そんな南北協議に冷や水を浴びせ続けてきた首相はいつの間にか、「圧力」発言を封印し、軌道修正しているが、今や、世界の笑いもの(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/1tHiy1R7Xq
— KK (@Trapelus) 2018年5月1日
#共謀罪はイラナイ #立憲主義を守ろう 又、外遊ですね。呆れる!
— ミーシャ (@dfcup114) 2018年5月1日
世界の笑いもの、、ゴキブリどもめ、早く駆除!!
— Tosukana JP (@tosukana) 2018年5月1日
安倍首相は国際社会と連携して経済制裁解除してません。日刊ゲンダイなんて所詮タブロイドでしょ。
— kaori777 (@kaori7775) 2018年5月1日
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