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「この国民にしてこの政府」だが 安倍政権とは違うぞと叫びたい
https://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/f1ca066b00bbb0fd0e0bae2d805e9ae5
2018年04月30日 世相を斬る あいば達也
以下の朝日のコラムが面白い。今の安倍政権は「卑」だと言うが、まさに正しい。本当であれば、まさに“正論”と言いたいのだが、最近は“正論”という言葉を口にする時、妙な恥じらいがあるので、「正しい」と書くようになってきた。一国の長である内閣総理大臣の、“しっかりと、丁寧に、謙虚、真摯(しんし)、うみを出し切る”、“美しい国へ”、”「教育基本法、憲法をつくり変えていくこと、それは精神的にも占領を終わらせることになる」“、”信なくば、立たず“etc
極めつけは、
“私や妻が関係していたという事になれば、これはもう、えーまさに、これはもう、私は総理大臣も、それはまあ、間違いなく、総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきり申し上げておきたい”
“妻に確認したら、そのようなことは申し上げていないということだった”
“30年来の、友人である、私と加計さんはまさに、ばくしんの友”
“哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳。予想通りでした”
“日本人の命、すべからく、国の最高責任者である私にあります”
“妻はですね、妻は、その私は公人でありますが妻は私人なんですよ。”
“拉致問題前進へ司令塔となって全力で取り組む”
とまぁ、虚言が紛れ込んだ発言ばかり、とても日本人とは思えない酷さなので、「この国民にしてこの政府」と言われても、承服できない。
安倍首相だけが、この虚言の持ち主ならいざ知らず、麻生財務相や小野寺防衛相、菅官房長官、下村元文科相、河野外相etcなわけだ。「この国民にしてこの政府」と言われる根拠は、ある程度の範囲では、当たっているだろうが、議院内閣制の場合、国民は、政府を直接選択することは出来ないので、必ずしも、全面的な責任を負うわけではないように思う。政権政党を選択すると言っても、ビックリするような連立を組まれた場合、政権政党の選択でも、全面的に国民の選択に全責任が及ぶものではない。つまり、政権政党や政府を、実際に国民は選ぶことなど出来ない仕組みなのだから、政府と国民は鏡のような関係だという言説は極論に過ぎない。
筆者が一番気持ち悪く思っていることは、「観光立国“お寺でミュージカル、遺跡のパワースポットでヨガ。アイデア次第で観光客を集めるキラーコンテンツに生まれ変わる。」と言っている安倍の方向が、政治の宗教接近である。この中で、奇妙な点は、靖国神社を含む”神社“はキリスト教やイスラム教、仏教と違い”宗教ではない!“と主張している点だ。政教分離という概念はよく判るが、”政教連携“という言葉を編み出し、何かにつけて、神社を、現代人の生活の中のイデオロギー的地位に押し上げようとする魂胆が見え見えなのが気にかかる。
現代ビジネスの岡本北大準教授のレポートが興味深い問題を提起している。そのレポートは、末尾に参考URLを掲載しているので読んでおいて貰いたい。要するに、岡本氏の問題提起によると、≪日本政府観光局によると、2017年の訪日外国人観光客数が2869万人となり、過去最大となった。前年比で19.3パーセントという驚異的な増加である。そして、こうした観光客を呼び寄せるべく、各地で様々な試みがなされている。中でも筆者が注目したいのは、宗教の観光利用である。≫と安倍政権の観光立国の方向が、宗教の観光資源化に向かっているという指摘である。
岡本氏は続けて、≪当初は、建造物や文化財といった対象が物であることを明示する言葉が使われているが、時とともに「霊場」「仏国土」「信仰」「神宿る」といった積極的に宗教性を示す言葉が用いられるようになっているのだ。もちろん、こうした傾向が、即、世界遺産の宗教化や政教分離違反だと言いたいわけではない。登録物件が増えるにつれ、後続物件は自身の個性を強く示す必要があり、踏み込んだ表現を用いざるを得ないのだろう。とはいえ、観光振興が理由だとしても、宗教を伝統文化や精神文化と安易に言い換えてしまうことには違和感を抱く。≫と続く。
安倍政権の望む“国家神道”と言う思想が、宗教ではないという強弁は、成り立たないわけではないが、神社の宮司らの行っているお祓いなどは、あきらかに宗教行為にほかならない。つまり、宗教法人として認可されている神社仏閣の宗教法人主と、地域観光が一体になることで、(政教連携)という、オタメゴカシな「政教分離」否定論を展開している。仮に、神道が宗教でないというならば、まずは、彼らから、宗教法人格をはく奪した上で、実行するのが最低限の礼儀である。
Wikipediaによると、宗教法人は≪・統計上の分類――宗教法人は統計上、神道系・仏教系・キリスト教系・諸教に分類される。「諸教」とは、それ以外の3つに分類されないあらゆる宗教(例えば、イスラム教(宗教法人日本ムスリム協会)など)のことである。≫(Wikipedia抜粋)、となる。安倍政治の向かう方向には、常に、欺瞞と姑息が同居しており、粗野にして卑なる景色は一層鮮明になるばかりだ。日本国民も、粗野で冷淡な国民性を垣間見るが、まだ、筆者の知る限り「卑」ではないが、安倍政権には「卑」が、彼方此方、或いは日増しに垣間見えるに至っている。
≪ 改ざん・セクハラ…「この国民にしてこの政府」重い警句
昭和映画の名匠だった小津安二郎の言葉が、このところ胸に浮かぶ。
「人間は少しぐらい品行は悪くてもいいが、品性は良くなければいけないよ」
これは小津の生き方の芯であり、人を見る基本でもあったらしい。小津の求めた品性とは、いわば精神のたたずまいであろう。「品行は直せても品性は直せない」としばしば口にしたそうだ。
言葉遊びのようにも聞こえるが、言われてみれば品行と品性のニュアンスは違う。二つの語を並べて小津が示した人間像を、城山三郎さんの小説のタイトルを借りて表すなら「粗にして野だが卑ではない」となるだろうか。
新幹線開業時の国鉄総裁だった石田礼助の生涯を描いた一冊である。私欲に迷わず、権力に媚(こ)びず、在任中に勲一等を贈ると言われて「山猿だから勲章は合わない」と固辞した人物だ。
城山さんは言い訳をしない人間を好んだと聞く。かつてお会いしたとき、流行語にもなった秀逸なタイトルに話が及んだ。「見るからに卑のにじむ人がいますが、そういう人に限って美学とか矜持(きょうじ)とかいう言葉を好んで口にしたがるようです」と苦笑していたのを思い出す。
◇
城山さんも小津も天上から嘆いているに違いない。この国の権力の中枢はいま、荒(すさ)んだ「卑」の景色の中にある。
国民は自分たちの程度に見合う政府しか持てないと、往々言われる。「この国民にしてこの政府」というきつい警句が議会制民主主義の本場英国には残る。
その言葉に照らして、いまの永田町と霞が関に目を向ければ、私たちはこのレベルなのかとげんなりさせられる。中枢を担う政治家や官僚から、これほど横柄で不誠実な「言い逃れ」を聞かされ続けた歳月があっただろうかと思う。
たとえば首相である。加計問題について、うそつきと言うなら証拠を示せと国会で力みながら、愛媛県の文書については「コメントする立場にない」とはぐらかす。森友問題の国有地売却価格への認識も、不都合な事実が表面化するや曖昧(あいまい)に翻した。類する場面は一再ではない。
公文書の改ざんも発覚した。「記憶の限りでは会っていない」と言う側近官僚は疑念にまみれている。あるはずのものをないと言い、ないと言っていたものが出てくる。そうした中で首相は言葉だけで「信なくば立たず」を繰り返す。
言(こと)を弾丸にたとえるなら、信用は火薬だと明治生まれの作家、徳冨蘆花が自伝小説に書いている。火薬がなければ弾丸は透(とお)らない。すなわち言葉は相手に届かない。かみしめるべき例えだろう。
しっかりと、丁寧に、謙虚、真摯(しんし)、うみを出し切る――首相が並べたてる常套句(じょうとうく)はもはや、国民に届いていく力を失いつつある。そこへ露見したセクハラ疑惑が政官中枢の惨状に輪をかける。
◇
非暴力抵抗を説いたインド独立の父ガンジーの暗殺から今年で70年になる。
「立派な運動はいずれも、無関心、嘲笑、非難、抑圧、尊敬という五つの段階を経るものである」というガンジーの言葉は、理不尽とたたかい抜いた人の不屈の意志を示してやまない。
それとともに、たたかう人々を勇気づける。最後の「尊敬」とは勝利の異名である。#Me(ミー)Too(トゥー)を合言葉にセクハラ根絶を訴える運動が、早く尊敬を勝ち取るときが来るのを願うばかりだ。
それにしても政権周辺の体たらくはどうだろう。当事者は見苦しく弁解し、財務大臣は薄ら笑いを浮かべ、ある議員は抗議する女性議員らを「セクハラとは縁遠い方々」とあざけった。首相側近の元文科大臣は告発を犯罪呼ばわりした。
見えてくるのは、道理や人道というものへの暗さと、仲間内の論理で思考が尽きてしまう狭量ぶりだ。かばい合う。かくし合う。異論を言う者を見下す。思い上がった「権力の仲間内」という意識と構造が今の政治風景から透けている。
ガンジーを精神的に支えた詩聖タゴールが言っている。「人間の歴史は、侮辱された人間が勝利する日を、辛抱強く待っている」。深い洞察を思うとき、粗野にして卑なる景色はいっそう露(あら)わだ。
≫(朝日新聞デジタル:編集委員・福島申二)
Cf:≪日本で急速に進む「宗教の観光利用」の危うさに気づいていますか 「政教連携」なんていうけれど…≫
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54478
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