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【confess】 小西洋之議員罵倒された事件がどれだけ深刻な話なのか。
チダイズム 2018/04/18 19:25
4月16日の夜、民進党の小西洋之議員が国会議事堂の前で、30代の自衛隊・統合幕僚幹部の3等空佐に「オマエは国民の敵だ」「オマエの国会の活動は気持ち悪い」と罵声を浴びせられる事件が起こりました。たかだか罵声を浴びせられたぐらいで、どうして新聞の1面トップになるのか。ナイフで腹でも刺したならともかく、罵声を浴びせられるぐらいはよくある話だろう。そう思う人もいるかもしれません。また、ネトウヨに至っては、事の深刻さをまったく理解せず、相変わらず「小西洋之が国民の敵なのは、その通り!」とホザき続ける始末なので、この話がどれだけ深刻なのかをわかりやすく解説したいと思います。
■ 愛国や保守を名乗る言論人が、まったく理解していない深刻さ
これは「月刊正論」というネトウヨの皆さんが大好きな雑誌に寄稿している自称・ITジャーナリストのオジサンのツイートのスクリーンキャプチャーです。「月刊正論」と言えば、「お花畑ニッポンで徴兵制を語る」などという特集を組み、およそ一般社会では通用しないようなニート風味のオジサンたちが集まって「愛する日本を守るためには徴兵制が必要だ」というユニークな珍説を繰り広げる雑誌なのですが、こういう雑誌に喜んで寄稿しているオジサンたちは、自衛隊のことが大好きなくせに、今回の事件の「事の深刻さ」をまるで理解していないので、「小西洋之は日本の敵で、圧倒的多数の自衛隊員がグッと我慢している」と言い放っています。つまり、戦前・戦中のように軍が国をコントロールする世界になってもよろしいと発言しているに等しいのです。ここまで来ると、北海道の富良野や美瑛に匹敵するレベルの広大なお花畑がネトウヨの脳味噌に広がっていると言えます。ラベンダーがとってもいい香り。参考までに今回の事件は、放った言葉が「安倍首相頑張れ」だったとしても問題ですし、ましてや小西洋之議員でなくても、国会議員に「国民の敵だ」と言い放ってしまったことは、自衛隊が暴走する可能性を示唆しています。かねてから「自衛隊のシビリアンコントロールは絶対だ」と言われていますが、ここまでネトウヨに毒されているとすると、いつか安倍政権が倒れた時に自衛隊のメンバーが武力を持って「安倍政権じゃないとダメだ」と国会を占拠するようなことが起こっても不思議ではありません。「たかだか罵声を浴びせたぐらいで騒ぎすぎだ」と思うかもしれませんが、それは事の深刻さをまったく理解していないアホだからです。どうしてこれが深刻な問題なのか。それは日本の歴史において、過去に軍隊がクーデターを起こし、日本を戦争に導いてしまった事件があるからです。小学校や中学校で習う基礎的な歴史の話になるので、大人に向かって解説するような話ではありませんが、ネトウヨをこじらせてしまった偏差値30のオジサンにも分かるように解説したいと思います。
■ 海軍青年将校に首相が暗殺された「五・一五事件」
実は、軍を文民がきっちりと統制する「シビリアンコントロール」がしっかり機能していなかった戦前の日本では、たびたび青年将校らが暴走し、政治家を暗殺したり、クーデター未遂を起こすような事件が発生していました。中でも有名なのが、当時の犬養毅首相が海軍青年将校たちによって暗殺された「五・一五事件」です。1932年(昭和7年)に起こった事件ですが、武装した海軍青年将校たちが首相官邸に突入し、当時の犬養毅首相を殺害してしまいました。ポイントは、この事件がたった数十人の海軍青年将校によって行われた犯行であり、海軍全体による組織的な犯行ではないということです。現代で置き換えるならば、自衛隊が組織全体で起こした犯罪ではなく、一部の過激な考え方をしている自衛隊の一部メンバーが起こしたクーデターであるということ。ネトウヨは自衛隊のことを「災害復興のために頑張ってくれる人たち」と思っているかもしれませんが、彼らは確かに「武力」を持っていて、武力を正しく使う義務を背負っているのです。これは警察官が拳銃を持っていて、正しく拳銃を使うことが義務づけられているのと同じ。使い方を間違えると19歳の新人警察官が説教された上司に腹を立てて発砲し、殺してしまう事件が起こるのです。自衛隊が持っているものは拳銃1丁ではありません。だからこそ、しっかりと暴走しない運用が求められるのです。
■ 陸軍青年将校がクーデターを起こそうとした「二・二六事件」
歴史の授業では、犬養毅首相が暗殺された「五・一五事件」とともに、「二・二六事件」というのも習います。「二・二六事件」とは、「五・一五事件」から4年後の1936年(昭和11年)に、今度は陸軍青年将校たち総勢1483名によって起こされたクーデター未遂事件のことです。4年前は数十人で当時の首相を暗殺しましたが、わずか4年間で1483人もの軍人たちが国家転覆を狙うことになったのです。明治維新の頃のような天皇陛下に忠誠を誓う国家にしようと、右翼団体が中心となって「昭和維新」という言葉を掲げ、首相官邸や新聞社、警視庁などを襲撃し、当時の大蔵大臣や陸軍大佐などが殺害されました。平成の世になっても「維新」という言葉がもてはやされていたりしますが、この事件に象徴されるように政治家が軍隊をコントロールできなくなってしまい、日本は第二次世界大戦へと足を踏み入れることになってしまったのです。
■ これらの事件の反省を生かして、今はどうなっているのか
軍隊が政治的な思想を持つようになると、先ほどご紹介した「五・一五事件」や「二・二六事件」のように、その政治的な思想に基づいてクーデターを起こしてしまう可能性があります。だから、自衛隊員は法律で「政治的中立」を守らなければならないことになっていて、政治活動に参加することが制限されています。選挙権こそありますが、特定の候補を応援することはできないし、政治的な発言をすることも許されていません。特定の政治家や政治団体を応援することはできず、自分たちで政治団体を立ち上げることもできないのです。軍隊が暴走してしまうと、その武力が「日本を守るため」ではなく、考え方の違う日本国民に対して向けられるようになり、それは民主主義による政治ではなく、武力による恐怖政治に変わってしまう可能性があるからです。世の中には北朝鮮のように、政府と軍が一体となっているような国もありますが、近代的な民主主義国家では軍隊が暴走しないように、しっかりとした「シビリアンコントロール(文民統制)」が機能しているのです。
■ 小西洋之議員が統合幕僚幹部から罵声を浴びせられた「四・一六事件」
これらの話を踏まえ、小西洋之さんが30代の統合幕僚監部から罵声を浴びせられた事件について考えてみましょう。事件直後に著述家の菅野完さんが小西洋之さんにインタビューしていますが、小西洋之さんは国会議事堂を出たところで、たまたまマラソンをしている時に小西洋之さんの存在に気づいた30代の統合幕僚監部の男性が「オマエは国民の敵だ」「オマエの国会の活動は気持ち悪い」と罵声を浴びせ、周囲にいた警察官にたしなめられても、それを続けていたというのです。この事件が「四・一六事件」と呼んでもおかしくない深刻な事件であることに、皆さんは気づいたでしょうか。
まず、この30代の統合幕僚監部の男性は「自衛隊員が政治的中立でなければならない」という大原則を理解していません。そして、もっと大きなことは、この自衛隊員が自分の立場をわきまえず、小西洋之議員に対して罵声を浴びせることを「正義」だと思っているということです。教育勅語を教える森友学園の小学校を作るために安倍昭恵夫人が名誉校長になるほど日本会議の思想を色濃く反映させている安倍晋三さんが総理大臣になってからというもの、政権にお近づきになって仕事が欲しい自称ジャーナリストのポンコツをはじめ、本来ならニート同然の無能野郎どもが加計学園や防衛大学校の客員教授になっていたりするので、かねてからこんな事件が起こるのではないかと懸念されていましたが、いよいよ具現化されてしまったと言っていいかもしれません。とても深刻なのは、日頃から最前線のネトウヨ教育が施されているせいで、30代の統合幕僚監部の男性だけがおかしいのではなく、同様の自衛隊員が大量増殖しているのではないかと危惧されるところです。というのも、統合幕僚監部は陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊を束ねる部署で、自衛隊全体のコンプライアンスなどを司る部署です。まさに自衛隊全体の「司令塔」とも言うべき役職であり、この男性は軍隊で言うところの「少佐」に値するポジションにいるため、部下と呼ぶべき組織をまとめ上げる人物ということになります。どこぞのネトウヨに染まったアホの一般人が罵声を浴びせるのであれば「国会あるある」の一つにカウントされるのでしょうが、統合幕僚監部の3等空佐が自分から身分を名乗り、国会議員に対して「国民の敵」と発言してしまうのですから、どれだけ大きな問題なのかが分かると思います。しかも、よりによって小西洋之さんが罵声を浴びたというのは、完全なネトウヨ思想に基づくものと推測されます。おそらく彼はネトウヨが嫌っている辻元清美さん、蓮舫さん、山尾志桜里さんのような人たちに出くわしても同じような行動に出たかもしれません。まさに、衆院選の最終日に秋葉原で見た「朝日新聞、死ね」の人たちと考えていることがまったく同じ。いよいよ陸海空の自衛隊を束ねる役職のエリート幹部が脳味噌をネトウヨに毒され、自分がやっていることの分別もついていないのですから、これは「シビリアンコントロール」のメルトスルーです。
■ 「国民の敵」という発言について小西洋之議員が感じたこと
小西洋之さんは、事件翌日に菅野完さんのインタビューを受け、「国民の敵」と言われたことについて、「彼の頭の中で自衛隊こそ国民の守護者であり、それに害を及ぼしている国会議員を『国民の敵』であると。恐ろしいことですよね」とコメントしています。ネトウヨは小西洋之議員のことをバカだと思って見下しているのだと思いますが、実は、小西洋之議員の最終学歴は東京大学教養学部卒。ろくすっぽ勉強していなかった安倍総理がディベートで勝てるような相手ではなく、そうとあれば揚げ足を取るしかないので「亡命しろ!」などと言っているのですが、統合幕僚監部の3等空佐に対し、小西洋之さんはこのように言っています。
「安倍総理の集団的自衛権の解釈変更は、方法論理ですらないペテンだ。絶対の憲法違反であることを証明して、信念を持って国会で追及している。なぜそんなことをしているのか、私は国会で何度も実は言っているんだけれども、自衛隊員の命を守るためだ。自衛隊員がこんなペテンの、絶対の憲法違反の戦争に駆り出されて殺されてしまう。その家族が悲嘆の涙に暮れる。そんなことを国会議員である以上は絶対に許しちゃいかん。そういう思いでやっているんだということは彼に伝えはしたんですが、それが届いているかどうか」
偏差値の低いネトウヨの皆さんは「反日パヨク」の一言で片付けてしまうため、本当は小西洋之という国会議員が自衛隊の命に真摯に向き合っている人物であることはまったく伝わっていませんが、自分たちにとって都合の良い情報だけを信じてきたから、こんなに情弱のバカになってしまっているのです。このたびアメリカがシリアの攻撃を始めるとしていますが、もしアメリカが反撃に遭った時には集団的自衛権を行使することになり、日本の自衛隊がアメリカのためにシリアで命を落とすことになるかもしれないのです。「日本を守る」と言いながら、実際にはアメリカのために死ぬ。今回、統合幕僚監部の3等空佐は、それを止めようとしている小西洋之さんの議員活動に対して「国民の敵」と表現したのです。
■ 選挙ウォッチャーの分析&傾向
小西洋之さんは、2016年に千葉県選挙区で選出された民進党の参議院議員です。参議院の任期は6年で解散はありませんので、次の選挙は2022年ということになります。2019年にも参院選はありますが、半分が選挙で入れ替わることになるため、小西洋之さんの任期はあと4年残っています。実はこの事件、まだまだテレビや新聞、インターネット上のニュースサイトでは小さく扱われています。これこそ日本という国が落ちるところまで落ちている証拠ですが、本当は政権がひっくり返るレベルの非常に大きな事件であることは、皆さんに伝えておかなければなりません。少しずつ自衛隊の暴走が始まっているのかもしれません。[了]
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