マスコミは官僚に逆らえないから女性記者のセクハラされたという訴えを無視したんだろ 今のマスコミ総動員での安倍降ろしも官僚の指示でやってるんだ 2018年4月18日 デフレの原因ここにあり 〜福田氏「醜聞」騒動が示す財務省の虚偽隠蔽体質〜 From 藤井聡@内閣官房参与(京都大学大学院教授) https://38news.jp/economy/11841
今、世論を賑わせている「福田財務省事務次官」の醜聞騒動。 これについて今・・・・ 「財務省が福田淳一次官のセクハラ疑惑を巡って 報道各社の女性記者に調査への協力を要請し、 麻生太郎財務相が被害申告のない場合のセクハラ認定は難しいと発言」 したことへの批判が拡大しています。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201804/CK2018041802000133.html 「野党にとどまらず、 与党幹部や閣僚もこぞって声を上げ、 安倍政権の土台を揺るがしている。」 とのこと。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201804/CK2018041802000133.html 実際・・・ 「こっちから辞めるべきではないか、 とわざわざ助言するというより、 本人や財務省が考えるべきことだ。」 (自民党の二階俊博幹事長) 「記者から協力を得るというのは違和感がある。 被害を受けた人に『出てきてください』というのは、 ちょっと違うのではないか」(公明党の石田祝稔政調会長) 等、与党からも批判が相次いでいます。 https://mainichi.jp/articles/20180418/k00/00m/010/100000c メディアからの批判も激しく、 左派系の朝日新聞や東京新聞は、 「恫喝に等しい」 https://www.asahi.com/articles/ASL4K578TL4KULFA01W.html 「人権感覚が問われる事態」 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201804/CK2018041802000133.html と報じ、保守系の産経新聞も 「財務省は醜聞の擁護者か」 https://www.sankei.com/column/news/180418/clm1804180001-n1.html との論説を公表しています。 そして、ハラスメントの音源を公表した当事者の新潮は、 今回の財務省の対応の根源に、 「組織防衛を最優先」 する態度があると断じています。 https://www.dailyshincho.jp/article/2018/04170600/?all=1&page=4 今、政権に対しては、福田氏醜聞騒動のみでなく、 公文書改竄問題や首相案件メモ問題、防衛省日報問題等 について、様々な批判が集中する状況です。 これらの諸問題にはもちろん様々な組織や人物が関わっており、 その原因を「一つ」に特定できません。 しかし、今回の福田事務次官の「醜聞騒動」の 最大の直接的原因は財務省の「虚偽・隠蔽」体質にある と言わざるを得ません。 それは、まさに、森友問題に関わる「公文書改竄問題」と同様。 要するに、最強官庁とも言われる財務省の 「強力な公権力に基づく嘘ツキ体質」が、 (1)佐川理財局長の国会でのウソを誘発し、 (2)そのウソを隠蔽するための「公文書改竄」を誘発すると同時に、 (3)福田事務次官に自身の醜聞を「事実と異なる」と断定させた、 との解釈が十二分に成立してしまうわけです。 無論、この(3)については、 福田氏側がそれをウソだとは認めてはいませんが、 今日の福田氏・財務省に対する激しい種々の批判は、 「お前ら、いつまでそんなバレバレのウソ、言い続けてんだ?」 という趣旨のものである事は論を待ちません。 さらに恐ろしいのは、 これらの「ウソ」や「隠蔽」がいずれも、 行政の強力な「公権力」を活用する形で行われているという点です。 行政権を駆動せしめる力を持つ公文書の改竄は、 行政権の濫用そのものですし、 今回の福田氏醜聞についての財務省側の対応は、 「記者や報道機関等への公権力をかざした圧力」そのものです。 財務省には強大な公権力が付与されていますが その公権力は「予算編成権」と「徴税権」。 そして「納税者」である報道機関はその「徴税権」者である財務省に、 「弱み」を握られている基本構造が厳然とあるのです。 したがって、財務省側が各報道機関の幹部に、 「お前ら、もしバラしでもしたら、 俺たちは “徴税権”を使って、税査察くらいいつでもできるんだから、 後でどうなっても知らないぞ?」 という「雰囲気」を醸し出すだけで、 納税者である報道機関は震え上がり、 さらなるセクハラを告発できなくなる――― という「圧力」がかかることになるわけです。 ここで重要なのは、その圧力を産み出すには、 「雰囲気」だけで十分であって、 直接「ばらすな!」と命ずる必要は何も無い、という点にあります、 実際、筆者が現場の記者達を対象に行った、 「メディア忖度実証研究」によれば、 そうした圧力が、とりわけ「財務省」においては強烈であることが、 「学術的」な視座から明らかにされています。 https://policy-practice.com/db/3_181.pdf とりわけ今回のように、 「財務省の記者クラブ各社に、 セクハラ被害にあった女性記者に名乗りを上げるよう依頼する」 という、 「恫喝的」 https://www.asahi.com/articles/ASL4K578TL4KULFA01W.html とすら言われる態度を目にすれば、 萎縮する報道機関が出てきたとしても致し方ありません。 ・・・・ ところで筆者は、 この財務省の今回の反応を目の当たりにしたとき、 戦慄を覚えざるを得ませんでした。 筆者の主観を申し上げればこうです。 『なんと・・・・ 財務省とは、科学的に福田氏本人である確率が 極めて高いと判断される「音源テープ」を公開しているにもかかわらず、 「それはウソだ!」と断定するような組織なのか・・・ だとすれば、 「消費増税で景気が悪くなり税収が減る」と言うデータや、 「PBを無理に改善すると、さらに財政が悪化する」というデータや、 「財政拡大をすると、景気が拡大し、税収が増える」というデータや、 「累積債務がどれだけ増えても金利=破綻リスクは増えない」というデータ・・・ そういった「データ=事実」をどれだけ公開しても、 「なるほど、そうなんですね」と言う筈はないだろう、 彼らはきっと、こちら側こそが「ウソだ」と言い続けるのだろう。 だとすれば、事実に基づいた政策を提言する学者達は、 一体何を、どうすればいいというのか・・・」 つまり今回の騒動に筆者は戦慄を覚えると同時に、 「絶望」にも似た気分に苛まれたのでした。 言うまでも無く、デフレを終わらせ、 豊かな成長ある日本を実現するためには、 財務省の皆さんのお力が何としても必要です。 にも関わらず、肝心のその財務省が、 重大な事実や真実を隠蔽し続けるのだとすれば、 豊かな日本が実現することはもう、あり得ない、 ということになるのでしょうか・・・・ もちろん、官邸や他の省庁や報道機関に問題がないとは言いません。 しかしそうした他の関係者に瑕疵があるからといって、 財務省が「免罪」されることにはならないのです。 一見、単なる下らない下世話なスキャンダル騒動に見えますが、 この問題は、日本国家にとって、 本当に深刻な問題を浮き彫りにするものなのです。 まずは本メルマガの読者だけでも、 その「構造」を俯瞰的立場からご認識いただきたいと思います。 追伸1:財務省の体質故に継続し続けるでデフレ。結果、我が国は「衰退途上国」と化しました。ご関心の方は是非、「週刊ラジオ表現者」、ご覧下さい(「チャンネル登録」もよろしく御願いします!)。 https://www.youtube.com/watch?time_continue=347&v=hGG9RjxS7JY 特定政府組織による組織防衛のための「公文書偽造」は、相当に「野蛮」な犯罪です。2018.03.12 From 藤井 聡(表現者criterion編集長・京都大学教授)
(1)今回の財務省の公文書書き換えは、相当恥ずかしい話 今回の森友問題におきます「財務省による公文書偽造」問題を耳にしたとき、心の底から残念な気持ちになりました。 そして、その「疑惑」が、 「学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書が書き換えられたとされる疑惑で、財務省は10日、書き換えを認める方針を固めた。」 森友文書 財務省書き換え、佐川氏が指示 12日国会報告 ―――という形で事実と「確定」した今、日本人として心の底からホントに恥ずかしい、と感じました。 一言でその理由を言うと、そんな事をする政府を持つような国は、野蛮な国だ、と言われてしまうからです。 これがまだ、中国やロシアや北朝鮮なら、そういうこともあるだろう、と言うコトになるでしょう。 なぜなら、そんな「全体主義的な国」では、政府のこういう横暴がまかり通るのは、世の常だからです。 いわば、学校のクラスの札付きのワルがそんなコトしても、まぁ、あいつだからなぁ、と言う話。そもそもそのワルは、クラスの秩序それ自身にケンカを売り続けているような奴です。 ところが日本はそんな「札付きのワル」とは正反対。 むしろ日本は、センセの言うことに対して何も文句をいわず、優等生としてお利口さんに振る舞おうとしている、目立たない、田舎から来たマジメ生徒、のような存在。 そんなマジメ生徒の取り柄はマジメであることだけな訳ですが―――その生徒がナント、札付きのワルのような滅茶苦茶ワルイことしてた、というのが、今回の事件です。 このクラスの常識からいって、「政府自らが、自分が権威付けている公文書を、自分自身の保身のために書き換えちゃう」なんて振る舞いは、札付きの超不良しかやらないような、スゴイ極悪行為。 それは財務省が「偽札」を勝手に印刷して政府財源にしちゃうようなものです。 いわばブッチャーやタイガー・ジェット・シンもびっくりの、リングに果物ナイフを持ち込むようなド反則。 しかもそんなド反則やったのが、今までセンセ達に媚び売りまくってきた「チョードマジメ君」な訳ですから、こいつは「うわっ、キッモーーッ」と評判激オチになるのは必至なのです。 この問題を「たいしたことないよ」とあまり気にしていない国民も多いようですが、そういう皆さんにはまず第一にこれがどれくらい恥ずかしいことなのか、ということをしっかりとご認識して頂きたいと思います。 (2)強烈な国家権力を発動させる「公文書」を、偽造するのは重罪です じゃぁ、なぜ、これがそれほど酷い反則なのか、ということについて、簡単に解説しておきたいと思います。 そもそも「公文書」というものは、時に「暴力的」とも言いうる程の「物理的な権力」を発揮させる強力なパワーを持つもの。 例えば「逮捕状」という公文書は、警察を動かし、一人の人間の自由を拘束し、場合によって死刑にすることすらできる強烈なパワーを持っています。 「日本円」という(日本銀行が作成した)公文書があれば、売ってるものなら、モノであろうとサービスであろうと、何でも手に入れることができます。 言うまでも無く、そのパワーの源は「政府」。 つまり公文書は「政府という強力な実力組織を動かす命令書」の様なものなのです(PS3)。 だから、そんな公文書を「偽造」するということは、「政府という恐竜を騙して、自分の好きなように動かしてしまう」という様な恐ろしい詐欺行為なのです。 したがって、公文書を偽造すれば、「1年以上10年以下」の懲役というとても重い罪を負うことになるわけです(これは、実態的にはおおよそ「窃盗」や「殺人未遂」とおおよそ同水準です)。 (3)財務省による公文書偽造は、とりわけ重い犯罪 さて、公文書偽造は通常、「個人」が国家権力を私益のために利用する、というものです。 が、今回の場合は「公文書を発行する主体の、財務相自身が偽造した」という罪ですから、通常の公文書偽造とは比較にならない程に、罪深いものです(ちなみにその場合の罪名は「虚偽公文書作成罪」となります)。 そもそも、この偽造(書き換え)がバレずに成功していれば、「財務省」は世論や国会、場合によっては司法当局からの批判や捜査をかわすことができていた訳です。 つまり財務省は実際に、この公文書の偽造を通して、「省としての利益」を得たと解釈せざるを得ません。 だとすると財務省は国益ではなく、自らの組織の利益を得るために、国家権力を使って公文書を偽造したと疑われる状況なのです。つまり、超強力な行政権限を持つ財務省自身が、自分たちの「組織」のために、自身の権力を使って詐欺を行った、ということになるわけです。 だからもしこれが本当だとすれば、それは法律など度外視して、気に入らない人物の暗殺や粛清をやってのける金正恩やプーチンと何ら変わらない、恐ろしい政治暴力行為だと言うことも可能となります。 それくらいに本件は、凄まじく重い犯罪なのです。 今回の事件に関わった財務省職員が一人、自殺されていますが、それは、「行政のプロからすれば、今回の公文書偽造がどれほどに凄まじい重罪なのか」を、間接的に証明している可能性も十分考えられるのです。もし、その罪がさして大きなものでないなら、その職員は自殺せずとも済んだかも知れないのですから―――。 (4)野蛮でありたくないなら、「常識」を取り戻すことが必要です。 だとするならわれわれ日本人は、なぜそんなことが起こったのかを考える責務があります。 この組織的犯罪の根はやはり「財務省固有の組織風土」にあるのかそれとも他にあるのか、もしそうならその風土を形成している構造は一体何なのか(例えば、政府内における財務省への権力の一極集中構造等)、そしてそれを是正するにはどうすべきなのか―――そういった事を考え始めることが必要でしょう。 ・・・ただしそれ以前に、今回の事件がどれほど重罪なのかということを、そして、それが国際的な常識に照らして考えたとき、凄まじく恥ずかしいことなのだということを、日本国民がしっかりと認識することが必要です。 さもなければ、日本は本当に「野蛮な国」なのだということになってしまいます。 日本が「野蛮」の誹りを受けることを防ぐための第一歩は、「思想」ないしは「常識」の次元において、一人ひとりがそうした当たり前の認識を形成することなのです。 PS1:この問題はまさに、「クライテリオン=規準」の問題なのです。こうした問題を深く考えるためにも、是非、「表現者クライテリオン」に手に取ってみて下さい。 https://www.fujisan.co.jp/product/1281687591/ PS2:今日の「週刊ラジオ表現者」は、まさにこのメルマガの問題と同じテーマ。ブルーハーツの『イメージ』を紹介しつつ、今の日本人が如何に、いろんな下らないものの「奴隷くん」になっているのかを―――お話します。 https://the-criterion.jp/category/radio/(←明日までにはこちらにアップロードします) PS3:今回偽造されたのは、「直接の命令文書」というよりは、「政府の正当性を明らかにする証明書」という趣旨のものでした。ですがその「証明」ができなければ実力組織が動かせなくなる、のですから、それもやはり「間接的な命令書」の意味を持っていると解釈可能です。 https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180312/ 「保守思想」があれば、「改竄事件」の中に「日本の危機の本質」が見えてきます。2018.03.19 From 藤井 聡(表現者criterion編集長・京都大学教授)
昨今、世間をにぎわせている「公文書改竄」問題。
これは「先進国」として相当恥ずかしい話――― というのは、先週お話差し上げたとおり。 https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180312/ しかも本件、今後の話の展開如何によっては、 消費増税の行方や財務省の組織の見直し、 安倍内閣の存続、ひいては、「日本の将来」を左右する可能性すら 考えられる状況に今、至りつつあります。 何といっても今の日本、 「内閣支持率」(というか世論)なるものが政局を決定づける力を持ち、 かつ、その「内閣支持率」が暴落しつつあるからです。 https://mainichi.jp/articles/20180318/k00/00e/010/193000c ―――とはいえ、それはいかに「政局」に結びつこうとも、 やはり、こんな話は下世話で下らない話に過ぎず、 「崇高なる保守思想」とは何の関係もないじゃないか、 と思う方も多いのかもしれません――― が、それは完全な間違い。 むしろ、「保守思想」で考えるからこそ、 この改竄問題は「下らない話」などでなく、 見過ごしてはならない「重大な問題」であることが明確になります。 そもそも「保守思想」の本質は、「危機との対峙」。 どんな生命も精神も共同体も、 「迫りくる危機」を無視していれば瞬く間に滅び去り、 「保守」できなくなるからです。 そして、そんな「危機」と対峙するために絶対必要なのが、 「状況把握」能力。 動物だって虫だって、はたまた崇高な精神だって国家だって、 「状況の正確な認識」ができなければ、 「危機」を知ることができず、 早晩、滅び去るほかありません。 したがって、「保守思想」が板についてくれば、 「状況把握」に長けていくことになります。 そして、「状況を把握する」ために絶対必要なのは、 「できるだけ、大きな視点から、ものごとを見つめよう」 という態度。 つまり、保守思想には「大局観」が必須なのです。 同時に、「状況把握」のためには、 「どういう風に、動いているか、その動き方を考えよう」 という態度も必要です。 つまり、保守思想は常に、物事の「ダイナミズム」(動態性)を捉えようとします。 ・・・・などと書くと少しややこしく思えてきますが、これは要するに、 「生き残りたいと思う奴は、『本能的』に 物事がどうやって動いていくのかを、 大きな視点で捉えようとし続ける」 という話。 そして、これこそが、保守思想の神髄、なのです。 ちょうど、山火事になったら、 山の動物が一斉に逃げ出す、ようなものですね。 彼らは本能的に危機を察知できるのですが、それは、 彼らが常に、「動態」としての「大局」を、 モニタリング(=監視)し続けているから、なのです。 つまり今回の「改竄問題」を「下らない話」と無視するようでは、 他の動物なら気が付く「小さな山火事の兆候」を見過ごし、 逃げ遅れて死んでしまうことになる―――というお話なわけです。 ・・・ ということで、今回の「改竄事件」をじっくりと考えていきますと、 まず見えてくるのが、 「財務省には、とにかく組織防衛のために情報操作をする体質がある」 という現実。 何といっても、組織防衛(今回は、佐川答弁の弁護)のために、 「公文書改竄」という悪質な法律違反さえやっちゃうのですから、 その情報操作体質たるや、尋常なものではありません。 (この体質を思想的に深く把握したい方は、下記書籍を参照ください https://bookmeter.com/books/9709348 ) 同時に、より「大局的」な視点から眺めれば、 「財務省の情報操作が、今の日本のデフレを導いている」 ということも見えてきます。 そもそも財務省はとにかく、 「安定財源の消費増」の「増税」を行い 「あらゆる予算をカット」することを 「最も重要な、組織的な目的」としています。 そして彼らにはすさまじい「情報操作」体質がある以上、 そんな重要な組織目的である「増税や予算カット」のためなら、 間違いなく、情報操作をしています。 そして実際、そんな情報操作が成功し、 「増税」と「予算カット」が行われ、 その必然的帰結として、日本のデフレ不況が続いているのです。 つまり、「財務省の情報操作が、今の日本のデフレを導いている」というわけです。 (この構図に「ホンマか?」と疑いを感ずる方は、 例えば下記書籍をしっかりとお目通しください。 https://www.amazon.co.jp/dp/4594077323 ) ・・・そして最後に、 「今の日本のあらゆる「危機」は、デフレによってもたらされている」 というのは周知の事実。 貧困も格差社会も、地方消滅も、 日本の技術力や国防力や外交力や政治力や財政力の低下、 さらには、「日本の自主独立性」の低下もまた、 「デフレ」が導いているのです。 (この構図にご関心の方は是非、下記書籍を参照ください https://goo.gl/xkQukg ) 以上をまとめると、次のような話が見えてきます。 ・財務省は「増税と予算カット」を目的とする組織。 ・同時に、彼らはすさまじい情報操作をやる。 (←今回の改竄事件で検証済み) ↓ ・だから、財務省は増税と予算カットのために情報操作をしている。 ↓ ・結果、現実に、「増税と予算カット」が進行。 ↓ ・結果、デフレが進行。 ↓ ・で、そのデフレのせいで、日本にあらゆる危機が生じている。 (←今ココ) ・・・ということで、 最強の力を持つ財務省の「情報操作」体質が、 今の日本の危機を導いている、 という「大局」が存在しているのです! もちろん、財務省の情報操作ごときに 皆が騙されなきゃ危機にはなってないわけですから、 全ての危機の責任が財務省にあるとまでは言いません。 ですが、もしも財務省にこんなに激しい「情報操作」体質が無ければ、 日本の危機はここまで深刻でなかったこともまた、間違いないのです ・・・・じゃぁ、なぜ、財務省に、 そんな恐ろしい「情報操作」体質がはびこり、かつ、 そんな情報操作ごときに騙される程に 国民が劣化しているのかと言えば・・・ 「日本が戦争に負けて反植民地になって、 男どもが皆、『虚無主義』=『ニヒリズム』になったから」 という構図があるからです。 つまり、戦争に負けてニヒリズムが広がったから (つまり、男どもの「やる気」が何かにつけて失せたから) 今の危機が広がっている、という次第なのですが――― この点については、また別の機会にお話ししたいと思います。 (ちょうど今、浜崎さん中心に進めている 表現者クライテリオン・文学座談会シリーズ「対米従属文学論」は、 それをテーマに対話を重ねています。乞うご期待!) いずれにせよ、今日はたった「2000字」程度で、 マクロ経済学と組織社会学と全体主義論がつまったお話をいたしましたので、 細部で納得いただけない方もいるかもしれません。 が、そういう方は是非、 要所要所で紹介した書籍を じっくりご覧いただきたいと思います。 そしてそういう「細部」にこだわり続けることも必要なのですが、 「大局的」に考えることは何よりも大切なのであり、 それこそが「保守思想の神髄」なのです。 で、その「大局的」に考えるというのが一体どういうことなのかについて―――その雰囲気だけでも、本メルマガを通して知ってもらえると有難く思います。 詳しくは、「表現者クライテリオン」をご購読くださいw https://www.fujisan.co.jp/product/1281687591/ https://the-criterion.jp/ PS 今週の「週刊ラジオ表現者」は、まさに、本日描写した「危機」から、日本が抜け出す鍵、についてお話しています。題して 「日本人、『勇気』がないと、一生奴隷です。」 是非、御聴取ください(ちなみに今週の一曲は「紅蓮の弓矢」です!)。 https://the-criterion.jp/category/radio/ (←明日までにはこちらにアップロードします) https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180319/ 今回の「公文書改竄」事件は、デフレを放置しながら改革しまくった必然的な帰結です。2018.03.26 From 藤井 聡(表現者criterion編集長・京都大学教授)
過日、縁あって、「陸上自衛隊高等工科学校」の 卒業式に出席いたしました。
この学校は、現存する唯一の「正式」の自衛隊の高等学校。 生徒は高校生であると同時に、 公務員として給与が支給される「自衛隊員」でもあります。 その卒業式は実に2時間にも及ぶもので、 「防衛大臣」や「陸上自衛隊幕僚長」、 「与党幹事長」や数々の国会議員が臨席し、 「内閣総理大臣」からも長文の祝電が届く、 おそらくは日本で最も厳かな、 (某来賓の言葉を借りるなら) まさに「日本一の高校の卒業式」。 この学校の生徒は、 中学卒業と同時に親元を離れる事を決意し、 完全寮制で盆と正月の短い帰省以外は全て、 24時間、徹底的に管理され、訓練された者達。 日本中の高校生が、 「高度大衆社会の一消費者」として 膨大な時間と若者の精力をスマホやゲームなどの 「商業的消費行為」に費やしている現状に鑑みれば、 そこはまさに「月の裏側」の様な別世界。 式の最後の卒業生の長い長い「答辞」で、 「この三年間、つらいことしか無かった筈なのに、 思い出されるのは、同期達の笑顔しかありません」 との言葉を耳にした時、 壇上で臨席されている防衛大臣以下、 多くの来賓が感涙にむせいでおられたように見えたのは――― 恐らく見間違えではなかったと思います。 そんな式典が終わり、 生徒達はそれぞれのクラス(というか、彼ら曰く「区隊」)に戻り、 指導官達からの次のような「最後の訓示」が 申し伝えられる席にも立ち会いました。 「大切なことは三つだけだ。 一つに上司を敬え、 二つに同僚を大切にしろ、 三つに後輩のしりは全てお前達がふいてやれ。」 「どんなにつらい仕事も、 お前達の役に立たないことなど一つも無い。 現場で役に立たない経験なんて、何一つない。」 「どんな時も、 自分には一体何が差し出せるかを、 常に考え続けろ。」 それを耳にした部外からの同席者達は 「何と立派な・・・」と感嘆していましたが、 本来なら、これらの言葉は、 自衛隊に限らずどんな世界でも守るべき、 当たり前の話ばかり―――とも言い得るもの。 実際、少し前の日本なら、 これらは全て「常識」として皆に共有されていた 「規準=クライテリオン」だった筈、です。 ・・・・で、そんないくつもの訓示の中に、 次のようなものもありました。 「自衛隊で何よりも大切なのは、規律だ。」 この訓示を申し述べた指導員はこの後にすぐに、 その理由を次のように説明しました。 「自衛隊は武器を持っている。 そんな組織で規律が無くなれば、 とんでもないことになるのは分かるだろ。」 なんと当たり前な話(!)。 ただ、この言を耳にしたとき、 即座に思いが至ったのが、 今回の財務省の公文書の偽造/改竄事件です。 財務省には強大な権力があります。 その権力は、日本経済を活性化させることも 衰退させることもできる程の強大なもの。 だからその強力な力が暴走し、 国家や国民生活を破壊するような事があってはならないのであって、 だからこそ彼らには「規律」が絶対必要なわけです。 故に、今回の「下らない」文書改竄/偽造事件は、 「恐ろしい」話なわけですが・・・ 「規律の重要性」はもちろん、 自衛隊や政府に限った話ではありません。 政治家だって強大な力を持つわけですから、 規律・規範は絶対必要。 学者やジャーナリズムにしても、 その発言には「実際の政治的影響力」が宿り得るのですから、 規律・規範は絶対不可欠。 そんなの当たり前―――ですが、 その「当たり前」が溶け始めているのが、現代日本、 だという次第です。 ちなみにこういう、規律や規範が溶けてしまった状況は、 学問の世界では「アノミー」状況と呼ばれています。 「無規範状態」「無規制状況」などと言われますが、 シンプルに言うならそれは「何でもあり状況」。 で、今の日本は、 (最強官庁が公文書を改竄したり、 政治家がウソを言っていることがばれた後でも、そのウソをつき続けたり、 世界最先端と言われる科学者がデータを改竄して学術誌に投稿する程までに) 酷い「アノミー=何でもあり状況」に陥ってしまった、 というわけです。 なんでこんな事になっちゃったのか・・・・ それこそ、「アノミー=何でもあり状況」という概念を提唱した、 社会学者エミール・デュルケームの重大な関心事でした。 彼は、「経済危機」や「急激な社会変動」があると、 世間は「アノミー=何でもあり」に陥っちゃうと論じていますが・・・ これはいずれもモロ、今の日本に当てはまりますね。 戦争に負けて米軍に占領されてから一貫して、 日本社会は激しく変わり続けてきましたが、 とりわけここ20年は、「改革」の嵐が吹き荒れ、 社会変動が急激に進んでいます。 同時に20年もデフレ不況が続いています。 ですから、デュルケームの理屈から言うなら、 今の日本が止めどなく「アノミー=何でもあり」化しちゃうのも当然だ、 と言うことになるわけです。 ですから、今回の「公文書改竄問題」を考える時、 第一に それは「恥ずかしい話だ」という事でもありますし、 https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180312/ 第二に 「そんな恥ずかしい状態があるから、 今の日本は衰え続けている」ことも見えてくるのですが、 https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180319/ 第三に 「こうなっちゃったのは、 20年間アホみたいに改革やりまくって、 デフレ不況放置し続けた結果、 社会が『アノミー=何でもあり状況』になっちゃったからだ」 ということも、 あわせて認識する必要があります。(←今回のポイント) 何と言ってもそれが分かれば、 今、必要なのは、 とっとと財出やってデフレ脱却して、 馬鹿馬鹿しい改革なんて全て辞めちゃうことだという「処方箋」が、 即座に見て取れることになるからです。 それができれば今の日本も、 かの「陸上自衛隊高等工科学校」の百分の一や千分の一程度には 「非アノミー」な空気になって、 随分よい国になる筈なんですが――― なかなかそうならないのがホントに、残念です。 なので、地道にこういう「思想戦」「言論戦」を 一歩ずつ重ねる以外に、道はない、 ということになるわけですが、 だからこそ、私達は今、一人でも多くの日本の方々に、 本メルマガや、表現者クライテリオンを、読んでもらいたい―――と、 心から祈念している、という次第です。 ついては是非、周りの方にも『表現者』、紹介して差し上げて下さいね。 http://fujisan.co.jp/pc/web-hyogensya ・・・・ということで、 三回にわけてお話した 「ホント、アホらしい『公文書改竄』問題を、 じっくりと考えてみるシリーズ」を、 一旦これで区切りにしたいと思います。 次週はまた、別のネタ、お話したいと思います。 ではまた、来週! 追伸1:表現者クライテリオン、是非、定期購読御願いします!http://fujisan.co.jp/pc/web-hyogensya 追伸2:最新のラジオ表現者、「日本人、勇気がないと、ずっと奴隷です」は、下記からお聴き頂けます。是非、ご覧下さい! https://www.youtube.com/watch?v=et6T_6sQC3A https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180326/
●財務省の意向に反した政策を取ると、必ず時の総理大臣を引きずり降ろそうとする動きが始まるのを知っていますか?実際、森友・加計問題もその省 庁がリークしたと言われています…
●なぜ三橋貴明がテレビの収録で「国の借金は存在しない」と喋ると絶対にカットされるのでしょうか?誰かにとって不都合なことでもあるんでしょうか? ●第二次安倍政権になって日本人は7%も所得が減ったのを知っていますか?そしてなぜか野党の批判はモリカケに終始し、このことを批判材料にしません…なんらかの思惑が働いているのでしょうか? 【経済討論】財務省主導の経済でいいのか?日本[桜H30-4-14] - YouTube 動画 https://www.youtube.com/watch?v=s8y0fk90-OQ
◆経済討論:財務省主導の経済でいいのか?日本
パネリスト: 安藤裕(衆議院議員) 高橋洋一(嘉悦大学教授・「政策工房」会長) 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員) 藤井聡(京都大学大学院教授・内閣官房参与) 松田学(東京大学大学院客員教授・元衆議院議員) 三橋貴明(経世論研究所所長) 渡邉哲也(経済評論家)
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