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日本が対北朝鮮外交で疎外されているもう一つの理由
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2018-04-11 天木直人のブログ
富坂聡(とみさかさとし)というジャーナリストがいる。
中国を専門にしたフリージャーナリストであり、テレビなどで一緒になったことがあるが、その分析はまともで鋭い。
いまでは立派な外交評論家でもある。
その冨坂氏が、きのうの夕刊フジ(4月11日号)で、日本は対北朝鮮外交で厳しい環境に置かれていると要旨次のように指摘していた。
すなわち、いま大きく動いている主要国間の北朝鮮に対する外交は、それらの国々の外交ルートではなく情報機関によって行われていると。
CIA中心で行われている米国はもとより、韓国も中国もそうだと。
つまり各国の情報系の判断が一致して事態が大きく動いている可能性があるというのだ。
もしそうだとしたら情報の受け皿がない日本にとっては厳しい環境が続くと。
正しい指摘だ。
日本外交が遅れを取っている最大の理由は対米従属であり、しかも米国の国務省としかパイプがない事が大きな理由であるが、もう一つの理由は、まさしく情報機関とのパイプがない事であるのだ。
その冨坂氏が、拉致問題について、安易にアメリカの協力を得ようとすることの危険性について次のように述べている。
すなわち、日本として受け入れがたい拉致被害者に対する調査結果を、拉致問題の事情をよく理解しない米国の仲介によって飲まされる可能性があると。
これもまた私が書いた通りだ。
北朝鮮はもはや解決済みだと言い続けている。
その北朝鮮が、トランプ大統領にあらたな生存者を認め、日本に帰国させると言うはずがない。
非核化が最大の関心事であるトランプ大統領が、それ以上に拉致問題に関するディールを日本の為に行うはずがない。
そして、トランプ大統領に出来なかった事を、安倍首相がその後の日朝首脳会談で金正恩と出来るはずがない。
このままいけば、拉致被害者家族が泣かされて終わる事になる。
それだけではない。
拉致被害者が帰ってこないまま、巨額の資金協力のツケだけが日本に回されることになれば日本外交の受けるダメージは計り知れないと冨坂氏は警告している。
その懸念もまた私が書いた通りだ。
誰かがその事を拉致被害者家族に教えなくてはいけない(了)
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