天皇陛下の退位に伴う皇太子さまの新天皇即位を披露する祝宴「饗宴（きょうえん）の儀」について、政府は平成の代替わりの時よりも縮小する方向で検討に入った。前回は４日間で計７回、国内外から３千人近い賓客を招いたが、今回は回数と招待人数をともに減らす方向。時代に合わせた簡素化に加え、新天皇、皇后両陛下の負担軽減を図る狙いがある。

　饗宴の儀は、２０１９年５月１日に即位する皇太子さまの即位の礼の一つとして、同年秋に国事行為として行う方針だ。前回は１９９０年１１月に行われ、各国元首や国内の三権の長、閣僚、国会議員、知事、都道府県議会議長ら計約２９００人が参列した。

　政府が２７日に公表した「式典準備委員会」（委員長＝菅義偉官房長官）の第２回会合（２０日）の議事概要によると、出席者が前回の饗宴の儀について「昼夜にわたり計７回も行われた」と指摘。「現在の時代情勢を踏まえ、儀式の本質は失わないようにしつつ、検討していくことがよいのではないか」と発言していた。

　首相官邸幹部は「前回の饗宴の儀は天皇、皇后両陛下にとっても大きな負担だった。簡素化が望ましい」と語る。準備委が３月中旬に取りまとめる基本方針を踏まえ、具体的な祝宴の回数や賓客の範囲について検討を進める。

　また、政府が国事行為として検討している９儀式のうち、皇位継承順位第１位の「皇嗣（こうし）」となる秋篠宮さまが、皇太子待遇であることを内外に示す立皇嗣（りっこうし）の礼の「宮中饗宴の儀」についても、宮内庁内に見送り論がある。見送る場合は、皇位継承に伴う国事行為は計８儀式となる。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13379684.html

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