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安倍政治打倒体制構築が2018年の最重要課題
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2018年2月20日 植草一秀の『知られざる真実』
2018年は次の総選挙に向けて勝負の年になる。
来年、2019年夏には参院選がある。そして、その前に統一地方選がある。
これらはすべて連動するものだ。
安倍政権与党が衆参両院で議席定数の3分の2を上回る議席を占有している。
これを背景に傍若無人の暴政を展開している。
「衆参ねじれ」が発生しているときは、参議院が重要なブレーキの役割を果たした。
「ねじれが悪い」と喧伝されたが、いまの暴政と比べれば衆参ねじれの方がはるかに良質だった。
「ねじれ解消」が叫ばれたのは2013年夏の参院選の局面だ。
この情報誘導でねじれが破壊されて、暴政がもたらされた。
昨年10月の総選挙で安倍政権与党に投票した主権者は、全体の24.6%に過ぎない。
主権者の4分の1しか安倍政権与党に投票していない。
自民単独では17.9%。6人に1人しか投票していないのだ。
その安倍政権が日本政治を私物化して暴政の極致を形成している。
維新を除く野党に投票した主権者は全体の25.2%だった。
安倍政権与党に投票した主権者よりも多い。
しかし、獲得した議席の比率は25.6%だった。自公が67.3%の議席を確保したことと比較して対照的だ。
「民意と議席配分のねじれ」の方がはるかに深刻な問題である。
理由は明白だ。小選挙区制度下の選挙で、自公が候補者を1人に絞り込んだのに対して、反安倍陣営が複数の候補者を擁立したからだ。
このために票が分散して自公が多数議席を占有してしまった。
だから、「安倍政治を許さない!」陣営が候補者を一本化することが何よりも重要なのである。
ただし、ここで重要なことがある。
安倍自公以外が単純にひとつになればよいというものではない。
基本政策が真逆なのに、候補者を一本化するというのは「野合」でしかない。
前回総選挙直前に大同団結が実現する可能性が垣間見えた。
「安倍政治打倒」を最優先課題と位置付けて大同団結するのであれば、意味のある選択であったと考えられるが、希望と民進党の前原代表が主導しようとしていたのは、「第二自公の創設」に過ぎなかった。
このことが鮮明になったために、希望は完全に失速したのである。
民進党からの合流に際して、希望側は「踏み絵」を用意した。
「踏み絵」を踏んだ者だけが希望に合流できるとした。
この行為によって、「安倍政治打倒」での大同団結は雲散霧消したのである。
野党陣営の最大の問題は、旧民進党が「隠れ自公」と「反自公」の混合物だったことだ。
このために、反安倍政治での野党共闘が構築できなかったのである。
しかし、不幸中の幸いで、希望が馬脚を現したことで、この問題を解消する動きが発生した。
これが立憲民主党の創設である。
原発・憲法・消費税で、安倍政治に対峙する勢力と、安倍政治を補完する勢力との分離が進展し始めたのである。
これを完遂し、反安倍陣営の連帯、大同団結を実現することが求められている。
ところが、この重要な工程が、凍結されてしまっている。
希望、立憲民主、民進党、無所属に分離された状態で、フリーズしてしまっているのだ。
このフリーズ状態で2019年に移行すれば、主権者の4分の1の支持しか得ていない安倍自公政権が存続してしまう。
いま求められていることは、旧民進党の完全分離を実現することである。
言い方を変えると、敵側の狙いは、野党勢力の分断を図ることだ。
野党をあいまいな状態にとどめ置く。
与党だか野党だか分らない状況を温存する。
これが、野党の大同団結を妨げるもっとも効果的な手法だ。
そのための工作部隊が「連合」なのである。
そして、その「連合」自体が、「反安倍勢力」と「安倍補完勢力」の混合物なのである。
この「あいまい」状況を完全に払拭して、「反安倍自公」の連帯の体制を構築すること。
これが2018年の最大の課題である。
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