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報告会で判決を批判する岩月氏(中央)ら弁護団(2018.1.31筆者撮影)
元記事http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1947186.html
環太平洋連携協定(TPP)の違憲確認などを求めた「TPP交渉差止・違憲訴訟」の控訴審判決が1月31日、東京高裁で言い渡され、杉原則彦裁判長は損害賠償請求を棄却するとともに違憲確認を却下した。ただし、種子法廃止の背景にTPP協定があることを否定しなかった。
同訴訟は2015年5月に起こされ、原告1580人が@TPP交渉の差し止めA同交渉の違憲確認B国家賠償の3点を求めてきた。17年6月に@とAを却下、Bを棄却する判決が出され、原告が控訴。同年11月8日に第1回口頭弁論が開かれただけで結審していた。直ちに申し立てた裁判官忌避も却下されている。
控訴審では17年1月に被告の国がTPP協定の締結行為を完了したこと受け、@の交渉差止(途中から締結差止)を取り下げるとともに、同協定によって種子法廃止や遺伝子組み換え食品の激増、水道法や行政不服審査法の改正などすでに権利義務関係に影響が生じているとの補充主張を加えている。
この日の判決は主文を読み上げ、わずか1分で閉廷した。原判決取り消しや損害賠償などいずれの控訴請求も棄却するとともに、違憲確認を却下。被控訴人の訴訟費用も控訴人の負担とした。
損害賠償請求棄却の理由については1審判決を踏襲し、「TPP協定はいまだ発効しておらず、控訴人らの権利義務または法律関係に何らかの影響を及ぼすような法規範は存在しない」「被控訴人と控訴人との間に具体的な権利義務ないし法律関係が創設、変更等されたものでもない」などとしている。
違憲確認についても「その主張の実質は、TPP協定の規定内容自体の違憲確認を求めるものというほかないから、確認の利益が認められず、不適法」などとして1審同様、司法判断から逃げた。
一方、TPP協定と国内法改正との関係を問うた補充主張部分に関して、新たな言及があった。種子法廃止について「背景事情の1つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」としながら、構造改革や規制改革の気運を挙げて「TPP協定の発効の有無と関連なく法改正が行われ、施行が予定されているもの」と苦しい釈明をしている。
水道法や行政不服審査法の改正、遺伝子組み換え食品の増加については「TPP協定との直接的な関連性を認めるに足りる証拠はない」として、法的利益侵害の訴えを退けている。
報告集会で控訴人弁護団共同代表の岩月浩二氏は、「そもそも立証させる機会を奪っておいて、直接の関連性を認める証拠がないという言い方は不当なもの。種子法については規制改革会議の議論を無視できなかったから、背景事情としてTPP協定を挙げたのだろう。結論先にありきの判決」と糾弾した。
同じく共同代表の山田正彦・元農水相は「関係のあるなしはTPP協定の交換文書や付属書、あるいは規制改革会議の議事録などを調べて初めて『背景にあるが』となるのに、証拠調べもせず、矛盾した判決文になっている。こんな司法が許されるのか」と怒りを露わにした。
控訴人代表の池住義憲氏は「今日は裁判が何なのか、あらためて疑問が湧き上がった。裁判は権利侵害や経済的不利益、心理的苦痛などの救済を求める場。ところが内容を吟味し、国側の反論を聞き、私たちが反論する機会すら奪っていきなり結審。そして今日のひどい判決。憲法で保障された公正な裁判を受ける権利が侵害されている」と裁判の在り方を問題視した。
報告会には控訴人・弁護団ら70人ほどが参加。討議の結果、上告することを決めた。
裁判官の名前が非公開に
東京高裁・地裁では1階の受付カウンターでその日の裁判一覧表が閲覧できる。同日訪れたら、紙のファイルから電子モニター端末に変わっていた。表示される画面には、かつてあった裁判官の名前の欄がない。受付係員に紙のファイルを請求すると、一部だけあり、差し出された。
しかし、TPP交渉差止訴訟を担当する高裁第12民事部など大半の民事訴訟と全ての刑事訴訟から裁判官名が消えている。係員に理由を尋ねると、「電子化に伴う」と説明された。
第12民事部を訪ねると、担当職員は「うち(同部)では裁判官名を書かないようにした」と説明した。理由をただすと「裁判体が変わることがあるので、国民に誤解を与えないように」と答える。突然体調を崩したりすることがあるとのことだった。
16年11月14日の1審第6回口頭弁論では、当日朝、筆者がファイルを見て裁判長が交代したことを知り、原告弁護団に報告。更新を知らされていない原告側が更新手続きを要求し、1期日延長。結審予定だった裁判が越年したことがあった。グローバル資本に隷従する司法は、これを邪魔に感じたのかもしれない。
門前集会の開かれていた東京高裁前。マイクを取るのは池住氏(2018.1.31筆者撮影)
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