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通常国会の焦点…安倍政権が目論む“人づくり革命”の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/221884
2018年1月25日 日刊ゲンダイ 文字起こし
無償化に胸を張り(C)日刊ゲンダイ
一体全体、どんな「人」をつくる気なのか。安倍首相が通常国会の目玉政策に掲げる「人づくり革命」。その柱は「教育の無償化」だ。施政方針演説で安倍は「どんなに貧しい家庭に育った子供たちでも、高校、高専にも、専修学校、大学にも進学できるチャンスを確保します」と胸を張ったが、ペテン首相の甘言にダマされてはダメだ。
■無償化の代償は「お国のために貢献しろ」
教育無償化で想定される国の支出額は年間8000億円で、予算規模は現在の十数倍に膨らむ。「カネを出せば、口も出す」で、国の負担が増えるほど、教育現場にアレコレ横やりを入れてくるに違いない。早速、安倍は施政方針演説で無償化の対象となる大学の絞り込みについて、こう言いきっていた。
「社会のニーズにしっかりと応えられる人材を育成できるよう、学問追究のみならず人づくりにも意欲を燃やす大学に限って、無償化の対象といたします」
既に安倍はあからさまな教育現場への国家権力の介入を隠そうともしていないのだ。無償化の対象大学は政権の胸ひとつで決まる。つまり政権が掲げる「人づくり」の方針に従わない大学は切り捨てるという「排除の論理」である。
何より問題なのは、安倍が考える「社会のニーズにしっかりと応えられる人材」の具体像だ。「持続的な経済成長を実現させる」と豪語してきた安倍にとって、教育は「実学重視」。安倍政権は国立大に文学・人文科学系学部や大学院の廃止に加え、「社会的要請の高い分野」への組織転換を求めている。メシのタネにならない文系学生なんて「いらねえ」というわけだ。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう指摘する。
「12年末の政権返り咲き以来、安倍首相の掲げる経済政策の根底にあるのは、一貫して『高度成長期の夢よ、もう一度』。首相が育てたいのは、高度成長を実現させる人材だけなのでしょう。子供たちを等しく無償で教育を受けさせる代わりに、そのあとは社会でしっかり働き、経済成長に貢献し“お国を全力で支えろ”という発想です。人づくり革命の旗振り役が文科相でも厚労相でもなく、マッキンゼー出身の茂木経済再生相なのも『経済成長最優先』の表れ。人づくり革命とは、国民ひとりひとりの豊かな人生を助けるような人道主義的政策では決してない。むしろ、国民は必ず国に寄与しろという考えは、全体主義への憧憬すら感じ取れます」
施政方針演説で安倍が「多様な学び」と猫なで声で訴えた高齢者や女性の「リカレント教育」(学び直し)の充実も同様だ。人生を充実するために、もう一度学んでもらおうという発想はなく、あくまで再就職に向けた職業訓練に過ぎない。老いも若きも「お国」の成長のために、ひたすら働けということだ。
怪しい政権が企む「人づくり」の正体みたり。多くの国民にとって、国家の教育への介入など余計なお世話である。
評価されるのは“お国”への貢献/(C)共同通信社
老若男女が24時間死ぬまで働くブラック国家 |
国民を「経済成長の駒」としか見ていない「上から目線」の政権がもうひとつ、通常国会で推進するのが「生産性革命」だ。こちらは経済成長最優先の発想がよりロコツで、「働き方改革」と称して悪名高い「残業代ゼロ法案」や、過労死を増やすと懸念されている「裁量労働制の拡大」などの成立を目指している。
こんなムチャクチャな法案が与党の数の力で押し切られたら、働く人々は奴隷も同然となる。今以上に重労働を課せられ、給料は増えずに搾取されるのは目に見えている。まさに「お国のために、24時間死ぬまで働け」――。待ち受けるのは、日本社会全体の総ブラック企業化だ。
しかも、安倍が唱える「革命」には利権のにおいが漂う。リカレントの充実にせよ、小3からの英語必修化にせよ、教育への過剰な介入により、新たな指針を次々と打ち出し、予算を手厚くすれば必ず“税の甘い蜜”に群がる連中が出現する。
安倍政権による大学入試改革で、2020年度から民間業者による英語の資格・検定試験が導入される予定だ。民間業者に莫大な教育予算がつぎ込まれるのは必至で、安倍の“お友だち”や自民党の文教族議員らは、恐らく今から手ぐすね引いていることだろう。
「人づくり革命の予算は総額2兆円規模。自民党のベテラン議員は『“人づくり”の冠をつければ、どんな予算案も通ってしまう』とあきれていました。かつて東日本大震災の復興予算が遠く沖縄の国道整備に使われるなど多額の流用が問題となりました。人づくり予算でも同じデタラメが起こる懸念は消えません」(鈴木哲夫氏=前出)
国民を「お国」のために死ぬまで働かせ、権力の中枢に近い政官業のインナーサークルだけが甘い汁を吸う――。「人づくり革命」なんて厚かましい言葉は、いかがわしい動きから国民の目をくらますためのカムフラージュとしか思えない。
■稼ぐが勝ちと愛国心が入り交じるグロテスク
人づくり革命がさらに恐ろしいのは、先に鈴木哲夫氏が指摘した通り、全体主義のにおいもプンプンすることだ。
今年は明治維新から150年。安倍は施政方針演説で明治期に活躍した偉人の“美談”を繰り返し語り、「明治への憧れ」をにじませた。明治政府は「富国強兵・殖産興業」の国是で民衆を上から押さえつけ、人権や民主主義を無視した軍国主義、帝国主義、そして天皇中心の国家主義にひた走った。そんな時代への「反省」を口にせず、安倍はこれでもかと礼賛するばかり。異様だ。
エコノミストの高橋乗宣氏は「『革命』とは、根本から改めること。安倍首相にとっての『人づくり革命』とは、戦後に花開いた自由な民主教育をひっくり返したいのではないか」と喝破していたが、安倍のオツムの中が「明治への憧憬」にとらわれているのは間違いない。
何が何でも経済成長最優先で、過去最大5兆1911億円の防衛予算案を計上し、トランプ米政権から高額兵器を買い漁る。やっていることは「富国強兵・殖産興業」そのもので、まるで「大日本帝国の再現」という妄想に取りつかれているかのようだ。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言った。
「安倍政権の手によって、この春から『道徳』が全ての小学校で正式な教科となります。施政方針演説で、安倍首相は『公共の精神を培う』と強調し、学習指導要綱で『国や郷土を愛する心』などを求めています。そのため、道徳の教科書検定で『郷土愛不足』を理由に『パン屋』を『和菓子屋』に書き換えさせるバカな騒ぎもありましたが、何せ『教育勅語を学校教材として使うことを否定しない』との閣議決定をためらわない政権です。笑ってはいられません。安倍政権が掲げる『公共の精神』とは、愛国心や忠誠心を重んじる戦前倫理の復興なのではないか。教育無償化によって国家の介入が強まれば、今以上の押しつけ教育となり、“お国”のために都合のいい人材だけが評価されていく。こうした一種の『洗脳』の始まりを危惧しています」
そもそも権力側が施政方針で「教育無償化」や「リカレント教育の拡充」などを庶民へのアメ玉のごとく並べ立てること自体、フザけている。その裏に透けて見えるのは「これだけ“施し”を与えたのだから、お国に貢献するのは当然」という前時代的で傲慢な上から目線の政治姿勢だ。
「稼ぐが勝ち」の新自由主義的発想と愛国心が入り交じったグロテスクな“アベ流”人づくりが、この通常国会で予算を伴い動き出そうとしているのだ。国民も「無償化」や「多様な学び」の美辞麗句に潜む危険なワナに、そろそろ気づかなければ、日本は全体主義国家へ一直線だ。
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakutenshi) 2018年1月25日
【怪しい政権が企む“人づくり”の正体】
『国家の介入など余計なお世話ではないか』
「ペテン首相が“多様な学び”などと猫なで声で訴えていたが、その裏に見え隠れする“教育”への異常な執着と無償化による洗脳の懸念」
「上から目線の人づくりには利権と全体主義のにおいがプンプンだ」 pic.twitter.com/3uFLihGHBr
怪しい政権が企む「人づくり」の正体 国家の介入など余計なお世話ではないか ペテン首相が猫なで声で「多様な学び」などと訴えていたが、その裏に見え隠れする「教育」への異常な介入と無償化による洗脳の懸念 無償化の代償は「お国のために貢献しろ」(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/mljW0hnDKq
— KK (@Trapelus) 2018年1月25日
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