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退任あいさつで漏らした杉山外務事務次官の軽口は更迭ものだ
http://kenpo9.com/archives/3156
2018-01-20 天木直人のブログ
きょう1月20日の毎日新聞が一段の小さな記事で書いた。
外務省の杉山晋輔事務次官が19日退任し、政務担当外務審議官の秋葉剛男氏が後任の次官に就任したと。
そこまでは単なる人事交代の記事だ。
しかし私の目の止まったのは、その後に続くつぎのくだりだ。
交代式で杉山氏は、北朝鮮の核・ミサイル問題などの対応に追われた約1年半を振り返り、「心の底から、天井が抜けたような開放感を味わっている」とあいさつしたというのだ。
「もうミサイルが飛んできても電話を取る必要はなない。昨夜はぐっすりと熟睡できた」と職員を笑わせたという。
この発言は看過できない不謹慎な発言である。
杉山氏は退職してただの人になるのではない。
29日から駐米大使として赴任するのだ。
うれしさのあまり、うっかり軽口をたたいたつもりだろうが、これは本省を離れ、東京を離れれば、後は遊んでいられると言っているようなものだ。
そしてそれは実態を見事に表している。
およそ大使の仕事は、真面目にその任務を遂行しようとすれば、体がいくつあっても足らないほど大変だが、手抜きをしようと思えば、いくらでも手抜きのできる仕事なのだ。
杉山氏は、念願の米国大使を手に入れたから、後は気楽に仕事を流すと言っているようなものなのだ。
ただでさえ北朝鮮有事がささやかれている時である。
米国が先制攻撃をしたら、その責任は在米国大使にも大きくかかって来る。
そんな重要な人事を託した杉山氏が、こんな軽口をたたいたのだ。
メディアは大騒ぎをすべきだ。
野党は国会で追及すべきだ。
こんな発言をするような人物を、そのまま大使にすることは、他の主要国ではまずありえない。
安倍首相の人事は一事が万事である。
みずからに忠実なものばかりを重用し、楯突くものは正論であっても受け付けない。
まともな外交ができるはずがない(了)
外務省 杉山晋輔・前外務次官が「開放感」
https://mainichi.jp/articles/20180120/k00/00m/010/102000c
毎日新聞2018年1月19日 20時27分(最終更新 1月19日 21時10分)
杉山晋輔・前外務次官
外務省の杉山晋輔事務次官(64)が19日退任し、政務担当外務審議官の秋葉剛男氏(59)が後任の次官に就任した。交代式で杉山氏は、北朝鮮の核・ミサイル問題などの対応に追われた約1年半を振り返り、「心の底から、天井が抜けたような開放感を味わっている」とあいさつ。「もうミサイルが飛んできても電話を取る必要はない。昨夜はぐっすりと熟睡できた」と職員を笑わせた。29日に駐米大使に就く。
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