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国民は望んでいるのか 取りつかれたような首相の改憲妄動
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220920
2018年1月10日 日刊ゲンダイ 文字起こし
地元会合でも改憲に意欲マンマン(C)共同通信社
政権の屋台骨を揺るがすアベ友疑惑の噴出で鳴りを潜めていた安倍首相が新年を迎えた途端、憲法改正に向けてアクセルをぶんぶんと吹かし始めた。年頭所感で〈本年は、明治維新から、150年の節目の年です〉と切り出し、〈本年は、「実行の一年」であります。昨年の総選挙でお約束した政策を一つひとつ実行に移してまいります。2020年、さらにその先を見据えながら、安倍内閣は、新たな国創りに向けて、国民の皆様と手を携え、改革を力強く進めていく決意です〉などと表明。安倍が言う〈昨年の総選挙でお約束した政策〉とは、悲願である改憲の年内国会発議と国民投票による承認、そして東京五輪が開催される2020年の新憲法施行だ。
安倍はかつて日本国憲法を押し付け憲法だと敵視し、「いじましいんですね。みっともない憲法ですよ、ハッキリ言って」と切り捨てた。あれから5年、首相の座に返り咲いた安倍の首相在任期間は通算で2200日を超え、戦後3位の長期政権に浮上。9月の自民党総裁選で3選すれば歴代最長が視野に入る。無風再選を狙う権力亡者は、自分が新たな憲法と国家をつくる使命を負っていると勘違いしているのではないか。
■支持率下落、3選支持3割割れ
まるで何かに取りつかれたかのような安倍の企みを世論も敏感にかぎ取っている。NHKの世論調査では、内閣支持率は先月から3ポイント減の46%に下がり、不支持率は2ポイント増の37%に膨らんだ。安倍政権5年間の取り組みを「あまり評価しない」「まったく評価しない」が総じて40%を占め、安倍の総裁3選に「賛成」は28%に低迷。自民党憲法改正推進本部は戦力不保持を定めた9条2項と自衛隊明記をめぐり、2012年にまとめた党改憲草案に沿った「9条2項削除」と、安倍が昨年の憲法記念日にブチ上げた「9条2項維持」でモメているが、「憲法9条を変える必要はない」が最多の38%に上った。
法政大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「年明け以降、安倍首相の改憲をめぐる発言には一種の執念を感じます。安倍首相は当初、自民党改憲草案に沿った憲法改正を目指していましたが、焦点の自衛隊明記をめぐって実現の可能性が低いとみて軌道修正を図った。それによって憲法改正そのものが目的化していることが改めて浮き彫りになりました。初めて憲法を改正した首相として実績を残し、歴史に名を刻みたい。安倍首相の宿願はこの一点に尽きます。そのためには平然とウソをつく。自衛隊の存在を憲法に書き加えれば平和国家を支えてきたこの国の礎は崩れ落ちてしまうのに、何も変わらないと強弁する。何も変わらないのなら、なぜ憲法に手を加える必要があるのか。安倍首相の手法こそ、いじましくみっともないですよ」
「党に任せる」=「私が決める」/(C)日刊ゲンダイ
幹事長が公言「安倍総裁のため」「まっしぐらに改憲」 |
改憲スケジュールをめぐり、22日に召集される通常国会の大幅延長、あるいは秋の臨時国会での発議が公然と伝えられている。来年に持ち越せば天皇退位が控えている上、夏の参院選で発議に必要な改憲勢力が3分の2を割り込むリスクをはらんでいるためだ。遅くとも秋の臨時国会で発議すれば、そこから60〜180日に行われる国民投票を退位前の来年冒頭までに行うことができる。そう逆算して改憲日程を勝手に描く首相の不気味な言動もさることながら、その妄言を礼賛する自民党の空気も異常だ。
5日の党仕事始めで安倍が「(自民党結党から)60余年が経過し、意味合いは変わったが、国の姿・理想の形をしっかりと考え、議論していくのは、私たちの歴史的な使命ではないかと思う」「占領時代に作られた憲法をはじめ、さまざまな仕組みを安定した政治基盤の中で変えていくことだ」と気勢を上げると、二階幹事長は「みんなで団結して、自民党のためにやろう、安倍総裁のためにやろうと、こういう気持ちをみなぎらせていただいていることを、心からうれしく思う」と呼応。その後の記者会見でも「首相の方針に従ってまっしぐらに改憲の方向で努力していくのは当然だ」と発言し、異論を封殺した。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「米軍と一緒に戦える国を目指す安倍首相は特定秘密保護法、安保法、共謀罪法を強引に通して国民監視強化や情報統制をする態勢を整え、集団的自衛権行使も容認させることで憲法9条を実質的になし崩しにしましたが、画竜点睛を欠くとでも考えているのでしょう。9条が存在する限り、時の政権による軍拡路線は常に整合性を問われ、違憲訴訟から逃れることはできません。日米同盟の信奉者にとって、日米安保条約に基づく政策の実行を阻む9条は邪魔で仕方がない。名実ともに9条を潰さなければ、後世に評価されることはない。安倍首相の頭の中はそうしたうわ言でいっぱいなのかもしれません」
■近づく明治憲法の天皇大権
自衛隊明記は最高指揮官である首相の権限を明治憲法の天皇大権に近づけるものだ。現状、憲法に根拠を持たない自衛隊の活動限度には裁判所のチェック機能が働くが、その活動が憲法上、揺るぎないものとなれば裁判所の干渉の余地は狭まり、自衛隊法に基づく首相の最高指揮監督権と防衛出動命令権が強化されてしまう。明治憲法下で天皇が独占した「陸海軍への統帥権」「編成・予算決定権」「宣戦権」に匹敵する巨大な権限を、暴走首相に与えかねない。
権力を監視するはずの大マスコミが、その恐ろしさを知らないはずがない。ところが、安倍自民による圧力と抱き込みで牙を抜かれ、イカれた政権の改憲妄動を無批判に垂れ流し。正月のおとそ気分を引きずってもいるのか、連日暇ネタで紙面を埋める異様な世相である。
「〈戦争が廊下の奥に立つてゐた〉という銃後俳句が知られていますが、今この国は〈戦争が背広を着て官邸の椅子に座っている〉とでも言うべき状況です」(五十嵐仁氏=前出)
ハタと気が付いた時には戦争の渦中に置かれている。そんな恐ろしい現実を引き寄せていいのか。
国民は望んでいるのか 取りつかれたような首相の改憲妄動https://t.co/apvNHZrvcm
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2018年1月10日
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