http://www.asyura2.com/18/senkyo238/msg/170.html
Tweet |
松陰神社には初詣客の長い列が=山口県萩市で2日、伊藤智永撮影 毎日新聞
「平成の薩長土肥連合」だと!何がメデタイ?
http://85280384.at.webry.info/201801/article_61.html
2018/01/06 23:52 半歩前へ
▼「平成の薩長土肥連合」だと!何がメデタイ?
「明治150年 何がめでたい」?と毎日新聞の伊藤智永が“官軍”を痛烈に批判した。同感だ。
関東や東北をはじめ、かつて“賊軍”と呼ばれた地域の皆さんはぜひ一読願いたい。明治150年は、安倍晋三が言い出したのだそうだ。いかにも野郎らしい。
「平成の薩長土肥連合」などという言葉使い自体が挑発的だ。いくらイベントにしても、不快極まりない。
こう言うことをやられると、江戸っ子のへそ曲がりの私などは、「てやんでー、薩長土肥には絶対、行くものか。コン畜生め」、と反発したくなる。
***************
伊藤智永が言った。
正月の山口宇部空港に降りたら「平成の薩長土肥連合」と書かれた看板が見えた。今年の明治維新150年にかけて、鹿児島(薩摩)、山口(長州)、高知(土佐)、佐賀(肥前)4県が観光客誘致で協力するらしい。
しゃれの類いとはいえ、「勝てば官軍」の代名詞だけに、無邪気にはしゃぎすぎると、苦々しく思う人もいるだろう。
明治150年を言い出したのは安倍晋三首相である。戦後70年の2015年8月、山口県に里帰りした際、50年は長州軍閥を代表する寺内正毅、100年は叔父の佐藤栄作が首相だったと紹介し、
「私は県出身8人目の首相。頑張って平成30年までいけば、明治維新150年も山口県の安倍晋三が首相ということになる」
幕末・明治初期にできた官軍・賊軍差別の今に引きずる根深さは、靖国神社に祭られるのは誰かという線引きに限らない。
福島第1原発事故をきっかけに広く意識されるようになったが、原子力発電所17カ所54基の大半が賊軍地域に偏っているのも、たまたまにしては不自然だ。
官軍地域に原発があるのは西南戦争や佐賀の乱で明治政府に逆らった土地だし、山口県・上関は反対運動で工事中断中である。
戦後の政府が意図的に配置したとは言わないまでも、経済発展から長年取り残された地元が「自発的な誘致」へ政策誘導された疑いは容易に拭えない。
昨年秋時分に居酒屋で、いくつか気骨ある地方紙が
「明治150年に異議あり」
「平成の奥羽越列藩同盟を」
という統一テーマで特集記事を企画中と小耳にはさんだ気がしたのは、空耳だったか。
* *
明治150年を言い出したのは安倍晋三首相である。戦後70年の2015年8月、山口県に里帰りした際、50年は長州軍閥を代表する寺内正毅、100年は叔父の佐藤栄作が首相だったと紹介し、
「私は県出身8人目の首相。頑張って平成30年までいけば、明治維新150年も山口県の安倍晋三が首相ということになる」
と語った。地元向けリップサービスだったにせよ、長期政権への野心をそんたくした菅義偉官房長官は国の記念行事と位置づけた。
「歴史の評価は史家に委ねる」という決まり文句はどこへやら、「お上からお仕着せの官製祝賀」が実現するわけだ。手放しの長州礼賛には釈然としないが、この際なので近代日本の歩みを50年刻みで振り返ってみよう。
●明治50年の1918(大正7)年は、シベリア出兵が始まり、初の大規模大衆闘争である米騒動が広がった。お祝いどころか明治国家体制の曲がり角である。
シベリア出兵には、後の日本軍の弱点が集約されている。大陸侵略、かいらい政権工作、虐殺、逐次出兵、撤兵の遅滞、戦争目的と戦意の喪失、国際的孤立……。
日清・日露戦争を軍国明治の栄光とすれば、退廃と迷走と挫折はここに始まった。
政党無視の寺内政権は
「非立憲超然内閣」
と呼ばれ、同年、初の政党内閣である原敬政権に代わった。立憲主義は、100年前も日本政治の主要な課題だった。
寺内が首相に就いたのは、併合した韓国の初代朝鮮総督として武断政治を断行した功績だったが、米騒動で退陣し、翌年には半島全土で3・1独立運動が起きる。
海外派兵と植民地支配と民衆蜂起が渦巻く転換期だった。
●明治100年の68(昭和43)年は高度経済成長真っ盛り。大学紛争もあったが、米騒動の広がりはない。佐藤首相は沖縄返還で戦後に幕を引こうとしていた。
遠くなりゆく戦後を見送りながら政府が記念式典を挙行したのは、近代を問い直すためではなく、明治の偉大さをよりどころに、中央教育審議会が打ち出した
「正しい愛国心をもつ、期待される人間像」
にふさわしい国家イメージを描き直すことにあった。
それを権力による押しつけとばかりは言えない。同年、NHK大河ドラマで司馬遼太郎作「竜馬がゆく」が放映され、「坂の上の雲」の新聞連載が始まった。
明治維新を青春物語として享受する歴史の消費の仕方は、大衆の欲望が支え、今や一種の国民説話になっている。歴史もまた民主化され、世俗化するのだ。
* *
山口県萩市へ向かった。
「明治維新胎動之地」
の碑が建つ松陰神社の駐車場には関西や九州ナンバーの車、細い参道に1時間待ちの参拝者の列。並ぶ傍ら著作集をのぞいてみる。吉田松陰は、尊皇攘夷(じょうい)の先に「海外侵略」の必要を説いた。
「蝦夷を開墾し、カムチャツカ・オホーツクを奪い、琉球を参勤させ、朝鮮を攻めて朝貢させ、満州の地を割き、台湾・ルソンを収め、漸次進取の勢いを示せ」
弟子たちの明治日本は、師の予言をなぞった。北海道開拓、樺太領有、琉球処分、台湾・朝鮮植民地化、満州事変、フィリピン占領。誤った先見性に息をのむ。
明治維新は偉大な革命だ。でも美しい物語では、核・ミサイル、慰安婦問題で袋小路にはまる150年後から先を照らし出せない。
関連記事
安倍暴政批判に直結する明治維新再評価の動きー(天木直人氏)
http://www.asyura2.com/18/senkyo238/msg/163.html
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK238掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK238掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。