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(回答先: タルティーニ 『悪魔のトリル』 投稿者 中川隆 日時 2020 年 2 月 20 日 23:14:52)
ジョヴァンニ・バティスタ・ヴィオッティ ヴァイオリン協奏曲第22番イ短調
ボベスコのヴィオッティ ヴァイオリン協奏曲第22番イ短調
Viotti, Violin Concerto No 22, Bobesco
Violin : Lola Bobesco
Staatliche Philharmonie Rheinland-Pfalz
Kurt Redel
Lola Bobesco, 1921-2003 2004年8月7日
ジョヴァンニ・バティスタ・ヴィオッティは、1755年にイタリア北部のフォンタネット・ポーで生まれたヴァイオリニスト兼作曲家だ。ガエターノ・プニャーニを師として主にパリを中心に演奏活動を展開し、マリー・アントワネットお抱えの楽士としてフランス革命の前まで活躍した。ヴァイオリニストとしてのヴィオッティは、フランスのヴァイオリン奏法に強い影響を与え、フランコ・ベルギー奏派の開祖と見做されることもある。
フランス革命以後は、ロンドンに滞在して一時ワインの貿易商人に転身し、パリに戻ってもワイン貿易の商売を続けたが、多額の負債を抱えて失敗し、1819年にパリ・オペラ座の音楽監督としてフランス楽檀に復帰をするも、昔日の栄光を取り戻すことはなかったという。
作曲家としては29曲ものヴァイオリン協奏曲を作ったことで知られる。
その中でもNo.22の協奏曲は、愁いを帯びた美しいメロディで特に知られ、19世紀になってからもヨハネス・ブラームスが贔屓にしていたという話が伝わる。
今日でもヴァイオリン学習者の間では上級の課題曲として広く知られている。
このヴィオッティのヴァイオリン協奏曲No.22を、ルーマニア出身の名手、ローラ・ボベスコの演奏で聴く。
一緒に収録されたNo.23もNo.22に劣らぬ名品であり、ヴァイオリン学習者が良く取り上げているのだが、ボベスコの演奏を耳にすれば、これらが学習者の練習曲に過ぎないという見解を改めざるを得なくなるであろう。
ボベスコの独奏は、ヴィオッティの書いた典雅なメロディを一音一音歌い上げる丁寧なもの。
No.22 の第一楽章で管弦楽による主題提示が終わり、独奏が登場する際の気品は、麗しき貴族の令嬢の一瞥を受けるような心地がする。すべての音に纏綿とヴィヴラートがかけられているのだが、それが全く嫌味にならず、しっとりとした情感に聴き手は感じ入るほかない。ぐいぐいと作品を引っ張っていくような能動的な推進力には欠けるものの、それを補って余りある演奏の気品に、何の非を打つ必要があろうか。
No.22 が雨に濡れた朝靄を思わせるとすれば、No.23 は、その雨が上がり、少しずつ日が差し込んでくる情景が思い浮かぶ。その情景を壊さないような繊細な配慮を感じさせるボベスコの独奏は、この曲を演奏する上での一つの模範である。
ライン・パラティナ国立管弦楽団(ライン国立フィルハーモニー管弦楽団)を指揮して伴奏をつけるクルト・レーデルも、ボベスコに寄り添う古雅な雰囲気を纏う。
No.22 の冒頭など、通常であれば、イ短調主和音を単純に鳴らすのだが、レーデルの場合は響きを漸強させた後に減衰させるという処置で音楽的にまろやかな流れを作り出している。自己主張をせず、ひたすらボベスコが自然な呼吸で演奏できるように寄り添う献身的な伴奏も、この演奏の仕上がりの美しさに花を添えている。
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ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティの《ヴァイオリン協奏曲第22番イ短調》G97,Wl-22は1795年、あるいは1797-98年にロンドンで作曲されたヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲。
作者のヴァイオリン作品の代表作の一つで今日演奏される最も有名なもの。
三楽章構成で、ヴァイオリンの演奏技巧を発揮させながら、技巧に流れない中間楽章も含む。 全体的にイタリア風な旋律の美しさによって、独奏ヴァイオリンを十二分に活躍させるとともに、ハイドン・サイズのオーケストラを用いる事によって、従来独奏に対して従属的な地位にあった伴奏をそれと同位に引き上げようとしており、近代協奏曲への先がけが見える。
ブラームスやヨアヒムはこの曲の賛美者である。
ブラームス自身はベートーヴェンのコンチェルトよりもこの曲を好み、ヨアヒムのヴァイオリンと彼のピアノで何回も合奏を楽しんでは、その度に感激していたという。
またベートーヴェンもヴィオッティの作品はよく知っており、影響を受けたといわれている。
楽器編成
独奏ヴァイオリン、フルート1、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦楽五部
作品の内容
第1楽章 Moderato イ短調
古典的なソナタ形式。4分の4拍子。
冒頭のTuttiでイ短調主和音を提示し、愁愛に満ちた第一主題が始まる。イ長調の新しいテーマを出した後、優雅な第二主題をホ長調で歌う。次に、改めて独奏ヴァイオリンが第一主題を弾くが既に変奏されており、小結尾は長3度下のハ長調に急激に転調し、展開部に入る。16分音符にトリルをつけた華やかな装飾で第二主題を再現する。再現部の第一主題はオーケストラに現れ、ソロがそれを装飾する。イ長調の主題も歌われるが、第二主題はもはや再現されず、カデンツァに入る。全体的に移弦の技術も効果的で、largamenteの表示通り鷹揚に演奏される。
なおカデンツァはヨアヒムやイザイのものが有名。
また、クライスラーやヴィェニャフスキも残している。
演奏者が自作のカデンツァを弾くことも多い。
第2楽章 Adagio ホ長調
3部形式。2分の2拍子。落ち着いた緩徐楽章。
第一ヴァイオリンが静かに第一主題を出し、ソロが変奏しながらロ長調に移っていく。中間部は短く、オーケストラがホ短調の楽句を奏し、やがて再現部になるが、ホ長調の第一主題はソロに受け持たれる。
非常に通りがよく美しい楽章であるので、(本来中間楽章にはつけない慣例を破って)やはりヨアヒムがカデンツァを遺している。
第3楽章 Agitato assai イ短調
ロンド形式。4分の2拍子。急速な終楽章。
ロンドの終曲である。魅力的なロンド主題がソロに提示され、オケのTuttiが続く。新しい旋律がやはりイ短調で美しく歌われたあと、ロンド主題から派生した副主題がハ長調で現れ、長い経過句に入る。 やがてロンド主題の再現となり、副主題にもロ短調で現れたあと走句がやってくる。次にオーケストラがロンド主題を再現し、伴奏を伴う短いカデンツァの後、ソロが主題を再現しコーダへと続く。 高音域と移弦のテクニックを披露する。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヴァイオリン協奏曲第22番_(ヴィオッティ)
- パガニーニ 24のカプリース 作品1より 「第24番」 中川隆 2020/3/02 19:14:32
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