2019.10.28 米軍が手先の戦闘集団を替えるタイミングでバグダディ殺害の話が浮上
アメリカの特殊部隊がダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)を率いてきたとされているアブ・バクル・アル・バグダディを殺害したと宣伝している。 このアル・バグダディが何者かは明かでない。イスラエルのスパイだという噂もあるが、ムスリム同胞団の出身だという説もある。ムスリム同胞団はバラク・オバマ大統領が2010年8月に出したPSD-11で手駒として使うことにした歴史的にイギリスと関係の深い団体だ。 ダーイッシュは2004年にAQI(イラクのアル・カイダ)として組織され、06年にISI(イラクのイスラム首長国)が編成された際の中核になったと言われている。 2010年にISIのリーダーになったのがアブ・バクル・アル・バグダディ。2013年に活動範囲がシリアへ拡大、ダーイッシュと呼ばれるようになった。2014年に売り出された当時のダーイッシュは残虐性を演出、アメリカ軍のシリア空爆の口実に使われる。 実のところ、戦闘集団の名称は曖昧だ。2005年7月にロビン・クック元英外相が指摘したように、アル・カイダとはCIAの訓練を受けたムジャヒディンの登録リスト。つまり傭兵の名簿だ。何かプロジェクトが決まると、そのリストに載っている傭兵が集められる。そしてタグがつく。 2011年春にオバマ政権はそうした傭兵を使い、リビアやシリアへの侵略戦争を始めた。これを内戦と呼ぶことはできない。 この侵略戦争にはアメリカのほか、サウジアラビア、イスラエル、イギリス、フランス、カタール、トルコなどが参加、特殊部隊を潜入させたり、傭兵を雇っている。つまり、傭兵グループにはいくつかの系統がある。 リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は2011年10月に倒された。侵略軍は空軍としてのNATO軍と地上軍としてのアル・カイダ系のLIFGが中心で、その後、戦闘員は武器と一緒にシリアへ移動する。 この段階でアメリカ/NATOがアル・カイダ系武装集団を手先として使っていることが隠せなくなるが、その前にオバマ政権はアル・カイダのトップだとされていたオサマ・ビン・ラディン殺害を演出している。 リビアやシリアで戦争が始まって間もない2011年5月、パキスタンでアメリカ海軍の特殊部隊NSWDG(通称DEVGRUまたはSEALチーム6)がオサマ・ビン・ラディンを殺害、死体は空母カールビンソンから海に葬られたということになっているのだが、科学的な人物の特定作業も行われていない。 ビン・ラディンが隠れていたという住居の近くに住む人びとは、銃撃戦を見ていない。埋葬を目撃したというカールビンソンの乗組員も見当たらない。しかもビン・ラディンを襲撃したとされる特殊部隊メンバーはその3カ月後、ヘリコプターが墜落して死亡したという。 重度の腎臓病を患っていたビン・ラディンはその前に死んでいるという情報もある。例えば、エジプトで出されているアル・ワフド紙は2011年12月26日付け紙面でオサマ・ビン・ラディンの死亡を伝えている。 アメリカの特殊部隊がオサマ・ビン・ラディンを殺害したという話は怪しいのだが、それでも「テロリストの象徴」をアメリカが殺したということで、それまでのテロリスト話は一区切りついた。リビアでアル・カイダ系武装集団の話が出てきても西側の有力メディアは大きく取り上げず、オバマは「穏健派」を支援していると宣伝していた。それが間違いだと警告したのがアメリカ軍の情報機関DIAだ。 2014年に売り出されたダーイッシュもほかのアル・カイダ系武装集団と同じようにイスラエルを攻撃しない。エルサレム・ポスト紙によると、2013年3月から16年5月までイスラエルの国防大臣を務めたモシェ・ヤーロンは在任期間中、そうした武装集団と会っている。 本ブログでは何度も書いたように、ダーイッシュとアメリカとの関係は深い。例えば、アメリカ空軍のトーマス・マッキナニー中将は2014年9月、アメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで語っている。 またマーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語っている。2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べた。 そして2015年8月、アル・ジャジーラの番組でダーイッシュの勢力を拡大させた責任を問われたマイケル・フリン元DIA局長は自分たちの任務について、情報の正確さをできるだけ高めることにあると反論。その情報に基づいて政策を決定するのはバラク・オバマ大統領の役目だと指摘している。 アル・カイダなる武装集団は存在せず、オサマ・ビン・ラディンは戦闘集団を指揮していなかったが、アル・バグダディも戦闘を指揮していないとする話がある。 例えば、ドイツのシュピーゲル誌によると、ダーイッシュを操っていたのは2014年1月に死亡した元イラク空軍大佐のサミル・アブド・ムハンマド・アル・フリファウィ、通称ハジ・バクルで、この人物が残した文書にはシリア北部で「カリフ制国家」を樹立する詳細な計画が書かれ、情報活動、殺人、拉致などの手法も記され、虐殺は「狂信者」の行為ではなく、元情報将校による冷徹な計算の元で行われていたのだという。 また、イランの義勇兵組織バスィージのモハマド・レザ・ナクディ准将に言わせると、ダーイッシュの司令部はイラクのアメリカ大使館。イラクのアリ・アクバル大隊の司令官はダーイッシュとアメリカ軍が定期的に連絡を取り合っていることを通信傍受で確認したとも伝えられていた。 現在、アメリカ軍はイラクの西部で軍事力を増強、ジハード傭兵を集め、シリア東部の油田地帯を占領し続ける意思を示している。クルドを手先として使えなくなりつつある現在、再びダーイッシュやアル・カイダ系武装集団で戦った人びとを使う必要が生じ、その準備としてアル・バグダディの殺害を演出した可能性もある。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910280001/ ▲△▽▼ 侵略に失敗、シリアからの撤退に追い込まれたアメリカ軍 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812220000/ 2018.12.22 櫻井ジャーナル アメリカ軍のシリアからの撤退は事実のようだ。2010年8月にバラク・オバマ大統領がPSD-11を出して始まった中東から北アフリカにおける体制転覆作戦。シリアの場合、2011年3月からサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を傭兵として使った侵略戦争という形だった。 2011年2月に始まったリビアにおける侵略戦争ではNATO軍とアル・カイダ系武装集団のLIFGが連携してムアンマル・アル・カダフィ体制を倒し、カダフィ自身は惨殺、現在のリビアは暴力が支配する破綻国家だ。 アメリカはリビアと同じようにシリアも破壊しようとしたが、その前に立ちはだかったのがロシア。 オバマ政権はDIA局長としてダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の出現を警告していたマイケル・フリン中将が2014年8月に、戦争に消極的だったチャック・ヘイゲル国防長官が2015年2月に、オバマ政権が支援していたアル・カイダ系武装集団を危険だと認識していたマーチン・デンプシー統合参謀本部議長が2015年9月にそれぞれ解任され、アメリカは戦争体制に入った。NATO/アメリカ軍の直接的な軍事介入への道が敷かれたと見られたのだが、デンプシー解任の5日後にシリア政府の要請を受けたロシアが軍事介入、アメリカなどが送り込んだ傭兵を敗走させる。 この軍事介入で戦況は一変し、ダーイッシュやアル・カイダ系武装集団の支配地域は急速に縮小していった。そこでアメリカはクルドを懐柔し、新たな傭兵にしたのだが、トルコがアメリカから離反したこともあり、アメリカの好戦派が思い描くようには進んでいなかった。 そうした中、イスラエル軍はシリアに対する空爆を続けてきたが、今年(2018年)9月にシリア沖でロシア軍の電子情報支援機Il-20が撃墜され、その責任はイスラエルにあるとしてロシア政府は防空システムのS-300 PMU-2をシリア政府軍へ引き渡した。それ以来、イスラエル軍機はシリアを攻撃していない。領空外からミサイルを発射する戦闘機の撃墜をシリア軍にロシア政府は認めたと言われている。 シリア軍は6基から8基のS-300を受け取り、そのうち2基はユーフラテス川沿いのデリゾールに配備されたと言われている。アメリカはこの地域にジハード傭兵を集め、ロシア軍事顧問団の幹部、バレリー・アサポフ中将が戦死している。アメリカ軍機による空爆で少なからぬシリア軍兵士も殺された。 今後、アメリカ軍機から攻撃を受けたならシリア軍はS-300で反撃する可能性が高く、そうなるとアメリカ側に犠牲が出る可能性が高い。イスラエル軍と同じで、アメリカ軍は軽々しく動けなくなった。これもアメリカ軍が撤退する一因だと見られている。 ただ、アメリカ軍は中東全域から撤退するわけでなく、再派兵もあり得るのだが、とりあえず撤兵は良いニュース。ロシアや中国に対する好戦的な姿勢を隠そうとしないジェームズ・マティス国防長官が来年(2019年)2月一杯で辞任するという話もとりあえず悪くない。 ▲△▽▼ 2018.12.24 シリアの体制転覆に固執する侵略勢力は米軍の撤退に反発する ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)問題に関するアメリカ大統領特使のブレット・マクガークが辞任を表明した。ドナルド・トランプ大統領がアメリカ軍を撤退させると表明したことへの抗議だという。シリアへの侵略を継続するべきだとマクガークは主張しているわけだ。 ダーイッシュが売り出されたのは2014年。1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧、その際にトヨタ製小型トラック「ハイラックス」の新車を連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が世界に伝えられ、広く知られるようになった。
アメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などで武装集団の動きを知っていたはずだが、何もしていない。また、このトヨタ車はアメリカ政府がFSA(自由シリア軍)、つまりシリア侵略のために送り込まれた傭兵部隊へ提供したものだと言われている。
ダーイッシュは2004年にAQI(イラクのアル・カイダ)として組織され、06年にISI(イラクのイスラム首長国)が編成された際の中核になったと言われている。2010年にISIのリーダーになったのがアブ・バクル・アル・バグダディ。2013年に活動範囲がシリアへ拡大、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)と呼ばれるようになった。2014年に売り出された当時のダーイッシュは残虐性を演出、アメリカ軍のシリア空爆の口実に使われる。
シリアではアル・カイダ系武装集団としてタハリール・アル・シャームが知られている。以前はアル・ヌスラと呼ばれていたが、2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)がバラク・オバマ政権へ提出した報告書によると、アル・ヌスラはAQIと実態は同じ。シリアで活動する場合、名前を変えているだけだという。
2011年10月にムアンマル・アル・カダフィ体制をNATO軍とアル・カイダ系のLIFGが倒した後、リビアからアル・カイダ系の戦闘員がシリアへ移動していることを西側のメディアも報道していた。
そこでオバマ大統領はシリアで支援しているのは「穏健派」だと弁明するが、DIAはそうした集団の存在を否定する。反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団で、戦闘集団としてアル・ヌスラ(AQI)の名前を挙げている。つまり、組織の流れを見るとタハリール・アル・シャームもダーイッシュも同じということになる。
しかし、2005年7月にロビン・クック元英外相が指摘したように、アル・カイダとはCIAの訓練を受けたムジャヒディンの登録リストにすぎない。プロジェクトが計画されるとそのリストから傭兵が集められ、さまざまなタグがつけられるということだ。タグは簡単に付け替えることができる。ちなみに、アラビア語でアル・カイダは「ベース」を意味、「データベース」の訳語としても使われる。
こうした傭兵をシリアへ送り込んだ国にはアメリカのほか、サウジアラビア、イスラエル、イギリス、フランス、カタール、トルコなどが含まれる。その傭兵を倒すという口実でシリアを侵略したのだが、2015年9月30日にシリア政府の要請で軍事介入したロシア軍によって傭兵部隊はほぼ壊滅、その過程でカタールとトルコは離脱、必然的に傭兵間での戦闘も引き起こされた。
そこでアメリカ、イギリス、フランスはシリアへ地上部隊を侵攻させ、クルドを利用してユーフラテス川の北側を占領してきた。これはイスラエルやサウジアラビアの意向でもある。そうした侵略勢力やその手先はアメリカ軍をシリアから撤退させるというトランプ大統領の決定に反発している。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812240000/
▲△▽▼ 2018.12.30 米好戦派は傭兵の再派兵を望み、イスラエルは米軍の引き戻しを図る(1/2) ドナルド・トランプ米大統領がアメリカ軍の撤退を決めてからアメリカをはじめとする西側の政府や有力メディアから批判の声が上がっている。理由のひとつとされているのはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の復活だが、この武装勢力を出現させた責任はアメリカ政府にある。 ダーイッシュはジョージ・W・ブッシュ政権がイラクを先制攻撃した翌年、2004年にAQI(イラクのアル・カイダ)として組織された。2006年にISI(イラクのイスラム首長国)が編成された際の中核になったと言われている。 この戦闘グループは2013年に活動範囲をシリアへ拡大、シリアのSやレバント(地中海の東部沿岸地方)のLを加えてISISやISILと表記されるようになった。ただ、これは英語式の表記。アラビア語風に表現するとダーイッシュになる。
その翌年、ダーイッシュは売り出された。まず1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧、その際にトヨタ製小型トラック「ハイラックス」の新車を連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が世界に伝えられて広く知られるようになった。
アメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などで武装集団の動きを知っていたはずだが、何もしていない。また、このトヨタ車はアメリカ政府がFSA(自由シリア軍)、つまりシリア侵略のために送り込まれた傭兵部隊へ提供したものだと言われている。
ダーイッシュの売り出しにアメリカやその同盟国が関与していることはアメリカの軍人も認めている。例えば、2014年9月にトーマス・マッキナニー空軍中将はアメリカがダーイッシュを組織する手助けをしたと発言した。
その当時、アメリカ軍のトップである統合参謀本部の議長を務めていたマーティン・デンプシー大将はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で語り、同じ年の10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると述べた。2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと語っている。
また、2012年7月から14年8月までアメリカ軍の情報機関DIAの局長を務めていたマイケル・フリン中将は退役後の15年8月、アル・ジャジーラの番組へ出演した際にダーイッシュが勢力を拡大できたのはバラク・オバマ政権の政策があったからだと指摘している。その発言はフリンがDIA局長だった時代、2012年8月にDIAがバラク・オバマ政権へ出した報告書に絡む質問を受けて出てきた。(つづく) https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812300000/
米好戦派は傭兵の再派兵を望み、イスラエルは米軍の引き戻しを図る(2/2) マイケル・フリン中将が局長になった翌月の2012年8月、DIAはホワイトハウスへシリア情勢に関する報告書を提出している。その中でDIAは穏健派の存在を事実上、否定した。 つまり、シリアで政府軍と戦っているのはサラフィ主義者、ムスリム同胞団、アル・カイダ系のアル・ヌスラ(報告書はAQIと同じと指摘している)だというのだ。
報告書はさらに、オバマ政権が反政府軍を支援し続けるなら、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があると警告していた。この警告はダーイッシュという形で2014年に現実となり、それが理由でフリンは解任された。
売り出された直後のダーイッシュは残虐さをアピール、それを根拠にしてオバマ政権はシリアに対する一方的な空爆を始めた。侵略行為以外の何物でもない。
リビアでは地上のアル・カイダ系武装集団LIFGとNATO軍の空爆でムアンマル・アル・カダフィ体制を崩壊させた。オバマ政権はシリアも同じパターンに持ち込もうとしたのだろう。その前にアメリカ政府は化学兵器話をでっち上げて空爆を始めようとしたが、これは失敗している。
アメリカ軍は空爆でシリアのインフラを破壊、市民を殺害する一方、ダーイッシュなどの武装勢力へは物資を「誤投下」。サラフィ主義者の支配地域は拡大、シリアのバシャール・アル・アサド政権は追い詰められている。
オバマ政権はそうした中、2015年に政府を戦争体制へシフトしていく。2月に国防長官を戦争に慎重なチャック・ヘイゲルから好戦的なアシュトン・カーターへ、9月に統合参謀本部議長をマーティン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代させた。デンプシーはサラフィ主義者やムスリム同胞団を危険だと考えていたが、ダンフォードは違った。
ロシア政府がシリア政府の要請を受けて軍事介入したのは統合参謀本部議長が交代になった5日後の9月30日のことだ。ロシア軍はアメリカ軍と違ってダーイッシュやアル・カイダ系武装集団を本当に攻撃しはじめ、そうした勢力の支配地域は急速に縮小していく。トルコ軍機を使ってロシア軍機を11月24日に撃墜、ロシア側を脅したが、逆効果だった。
オバマ大統領がムスリム同胞団を使い、中東や北アフリカで体制転覆プロジェクトを始めるように命令したのは2010年8月のこと。PSD-11を出したのだ。
しかし、ジハード傭兵を使った侵略の計画は正規軍による軍事侵攻が生きず待っていた2007年当時から作成されている。同年3月5日付けニューヨーカー誌で調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは、アメリカ、サウジアラビア、そしてイスラエルがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を始めたと書いている。
その記事の中で引用されたジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院のバリ・ナスルの説明によると、資金力のあるサウジアラビアは「ムスリム同胞団やサラフ主義者と深い関係」があり、そうしたイスラム過激派を動員することができるとしている。「一旦その箱を開けて彼らを外へ出したなら、2度と戻すことはできない。」とも警告している。
アメリカの議員や有力メディアはアメリカ軍の撤退でダーイッシュが復活すると主張しているが、アメリカ軍の代わりにジハード傭兵を再び送り込むべきだと言っているに等しい。
イスラエル軍はそうした中、12月25日にシリアの首都ダマスカス周辺へミサイルを撃ち込んだ。ロシア政府によると16機が発射され、そのうち14機はシリア軍に撃ち落とされたという。
そうした攻撃に対し、イスラエルでの報道によると、ロシア政府は12月26日、これ以上空爆を続けるとシリア軍はS-200をイスラエルに向けて発射すると警告したという。25日にイスラエル領内の人がいない地域にミサイルが撃ち込まれているが、これは意図的なものだとロシア側は言っているようだ。
イスラエル軍がシリアへの攻撃を再開した場合、ミサイルや航空機の撃墜だけでなくイスラエル領内を攻撃するという警告だが、もしこれが現実になった場合、アメリカ国内ではアメリカ軍をシリアへ再侵略させ、あるいは攻撃を始めるように求める扇動が展開される可能性がある。(了) https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812300000/ ▲△▽▼
[馬渕睦夫さん][今一度歴史を学び直す] 6-7- 石油目的のイラク戦争と東欧のカラー革命「アラブの春」の実態 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=9ayQK3ht6yM&list=PLSdGrK6XTr5iYvuiF_2TQaKUPeOMoJiPT&index=7&app=desktop
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