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(回答先: 「他人の得が許せない」人々が増加中 心に潜む「苦しみ」を読み解く 投稿者 中川隆 日時 2019 年 10 月 15 日 16:35:58)
犬猫をたくさん飼った末に起きた「惨状」の数々 多頭飼育が崩壊した現場で何が起きているか
村田 らむ 2019/10/24
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e7%8a%ac%e7%8c%ab%e3%82%92%e3%81%9f%e3%81%8f%e3%81%95%e3%82%93%e9%a3%bc%e3%81%a3%e3%81%9f%e6%9c%ab%e3%81%ab%e8%b5%b7%e3%81%8d%e3%81%9f%ef%bd%a2%e6%83%a8%e7%8a%b6%ef%bd%a3%e3%81%ae%e6%95%b0%e3%80%85-%e5%a4%9a%e9%a0%ad%e9%a3%bc%e8%82%b2%e3%81%8c%e5%b4%a9%e5%a3%8a%e3%81%97%e3%81%9f%e7%8f%be%e5%a0%b4%e3%81%a7%e4%bd%95%e3%81%8c%e8%b5%b7%e3%81%8d%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e3%81%8b/ar-AAJg5t6?ocid=ientp#page=2
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「寂しいから」という理由でペットを飼い、飼い主のエゴによってペットが犠牲になってしまう多頭飼育崩壊の悲惨な現場とは?
まれに「犬や猫の多頭飼育が崩壊した」というニュースが流れることがある。
多くはブリーダーや動物園の経営が立ち行かなくなり、多くの犬や猫が犠牲になったというものだ。「胸が痛い」と感じる人もいれば、自分とは関係なく、どこか遠くの地域で起きている話だと思っているかもしれない。
現実には、自分には思いもよらない隣家で多頭飼育崩壊が起きていてもまったくおかしくない。
多頭飼育崩壊の現場をよく目にするのは、清掃業の人たちだ。
ゴミ屋敷、事故物件などの特殊な清掃を専門にする「まごのて」の佐々木久史社長に話を聞いた。
動物虐待に等しいゴミ屋敷での多頭飼育の現場
「ゴミ屋敷でペットを飼っている人は意外と多いですね。ほとんどは猫です」
清掃現場ではゴミの間を猫が歩いていることは珍しくない。当然、排泄物の始末などはしていないので、部屋の至る所に糞や尿が落ちている。衛生面は最悪で、清掃員にとってはつらい仕事になる。
そもそも“部屋をキレイに保つ”という最低限の自分の世話ができないのに、ペットが飼えるわけがない。はっきり言って動物虐待だ。
「掃除をしていたらゴミの下からピーピーという音がずっと鳴ってることがありました。電子機器が鳴っているのかと思ったら、鳥かごがいくつも埋まっていました。なんと4羽の鳥がゴミの下で生きていました」
エサを与えるときは、ゴミの上から適当にまいていたという。周りに散らばった鳥のエサを目当てにゴキブリなどの虫が集まっていた。
これくらいのレベルのゴミ屋敷は珍しくない。多頭飼育崩壊の現場は熟練のスタッフでも心が折れそうになるほど、酸鼻を極めるものだという。
「多頭飼育崩壊の部屋の清掃依頼は平均すると月に1件くらいですね。ただ、重なる月は5件を超えることもあります。依頼数は、徐々に増えていると実感しています。
例えば代表的な例として、猫2〜30匹、ウサギ数十羽を団地で飼っていた部屋の清掃がありました」
この現場には著者(村田らむ)も同行した。
エレベーターのない4階建て公営団地の4階が現場だった。
もちろんペットの飼育は禁止されている。すでに住人は引っ越しをすませ、ペットも運び出された後だと聞いていた。
汚物にまみれた部屋
室内に入るとまず、排泄物の臭いが強く鼻をついた。とてもきついアンモニア臭だった。
猫は放し飼いにされていたらしく、壁やふすまはビリビリに破られていた。
床にはおびただしい数のゴミ袋が放置されている。中に入っているのは猫やウサギの糞などが多い。家財道具も残っていたが、どれも汚物で汚れていた。
壁に吊るされたハエ取り紙には、びっちりと黒い大きいハエがついている。部屋の片隅には、殺虫剤の空き缶が山のように積まれていた。いくらハエ取り紙を吊るそうが殺虫剤をまこうが、元を絶たねばハエの数は減らないだろう。住人が退去した後も、ハエはたくさん残っていた。
その現場ではエレベーターがなかったためゴミを持って1階まで降りなければならなかった。糞は水分を含むために非常に重たい。長年かけてたまった糞の片付けは、かなりの重労働になる。
そして、なにより驚き、心が痛んだのは、部屋に堆積したゴミに、依頼者の子どもとみられる写真や、子ども用のおもちゃなどが混ざっていることだった。
「このすさまじい汚部屋の中で子どもを育てていたんだ……」
と思うと、胸がギュッと苦しくなった。
だが室内には寝具はなかった。「どこで寝ていたのだろう?」と探していると、ベランダに布団が敷いてあるのをみつけた。部屋には住んでいられなくなって、ベランダで寝ていたのだろう。あまりに悲惨な光景だった。
清掃が終わって物はなくなった。清掃前よりは薄らいだものの部屋にはきつい臭いが残っていた。畳はまるで土のようになっていたし、壁も猫の引っかき傷で、これでもかというくらい傷んでいた。
「あの物件レベルになると、汚れや臭いを取るには、内装を解体しないと無理ですね。骨組み以外、全部解体して清掃します。古い団地の場合、そこまでするメリットがないので、封鎖して“開かずの間”にしてしまっているかもしれません。
先日、清掃に行った現場は、同じレベルの汚れ方の多頭飼育崩壊の物件でした。この物件ではまだ住人も猫も住んでました。
田舎町の3階建てアパートの3階だったんですが、駐車場に車を停めた時点で、すでに悪臭が漂ってきていました」
部屋に近づくにつれ臭いはひどくなった。ドアにはまるで、一昔前のサラ金の嫌がらせのように、
「掃除をしろ」
など、おそらく近隣の人たちが書いたのであろう張り紙が貼られていた。家主は大家からも退去を迫られていたそうだ。
クロークを開けると猫みっしり
ドアを開けると無数の大きなハエが、わんわんと飛び回っていた。口を開けているとハエが入ってきそうなくらいだったので、手で口元を押さえながら話さなければならなかった。
部屋に足を踏み入れると、ずぶりとスネのあたりまで埋まった。長年にわたりたまった糞が堆積しているのだ。
清掃を始めたが、猫は見当たらなかった。「どこに行ったのだろう?」と思いながら清掃を続けていた。そしてダイニングのクロークを開けると中にはみっしりと猫が並んでいた。そしてコンセントは入っていない冷蔵庫の中にも、猫がずらっと潜んでいた。猫たちはみんなよく似ていた。
最初は野良猫を1匹拾ってきただけだったが、その後出産してどんどん増えていったという。
「住人は女性とその息子さんでした。耐えられなくなった息子さんからの依頼でした。
3LDKの部屋に40匹の猫を飼っていたようです。とにかくひどい状況でした。糞を外に出しても、畳はもうブヨブヨに腐っていました。普通の感覚では、住み続けられる状況ではなかったですね」
その現場では一部は病気になっていたものの、猫たちは生きていた。
しかし猫が亡くなっているケースもある。
「一人暮らしの男性が、10匹の猫を飼っていた現場の清掃に行きました。その人は比較的ちゃんと猫を飼っていたんですが、ある日突然警察に捕まってしまったんです。
10匹の猫たちは部屋に置き去りになってしまいました」
逮捕された男性の父親は、部屋の状況を把握していたがしばらく放置していた。そして2周間ほど経った後に、まごのてに相談の電話をしてきた。
「そんなに時間が経っているから、おそらく全頭死んでいるだろうと思って覚悟して現場に行きました。すると荒れた室内に、猫が1匹だけ生き残っていました」
現場には猫同士で共食いをした形跡が見受けられた。生き残ったその猫は、歯は抜けて毛もボサボサなボロボロの老猫に見えた。
依頼をしてきた男性の父親に電話をすると、なぜか怒っていた。
「俺は猫なんか大嫌いだから、適当に外に捨てておけ!!」
と怒鳴られた。
もちろん、そんなことはできない。とりあえず会社に持ち帰り面倒を見ることにした。
「動物病院に連れていっても老猫だと診断されました。しばらくしてから刑務所から出所した家主に聞いたところ、まだ6歳だということでした。まだまだ若い猫だったということにビックリしました。
その猫は、生物にとってあまりに過酷な経験をしたために一気に老けてしまったのかもしれません。結局、その猫は元飼い主に返されることはなく、現在はまごのてのスタッフが大切に飼っています」
遺書には「猫ちゃんたのむ」
ペットを遺し、飼い主が亡くなってしまうケースも後を絶たないという。
とある自殺現場には、机の上に
「すみません 死にます 猫ちゃんたのむ」
遺書はマジックペンでなぐり書きされていた。遺された猫たちが結果どうなったのかは追跡されていないが、結果的に殺処分されてしまった可能性は高そうだった。
また老人の孤独死の現場では、猫や犬の死体も一緒に見つかる場合が多いという。飼い主の横で寄り添って死んでいる犬を見ると、清掃員たちはとても哀しい気持ちになる。
多頭飼いはどちらかというと猫が多いが、もちろん犬の多頭飼いもある。
「1年半住んだ汚部屋を掃除してほしいという依頼がありました。しかし写真を見ると、とても1年半で汚したとは思えない状況でした。荒れ放題で、10年は放置した部屋に見えました」
現場に行くとその部屋では8頭のダルメシアンが飼われていた。ダルメシアンはディズニー映画『101匹わんちゃん』のモデルとしても有名な、白黒のぶち模様が特徴の大型犬だ。
最初はオスメスの2頭だったのだが、子ども6頭を産んで合計8頭になってしまった。
「お金持ちの大きな家でしたが、食事以外の面倒は見ておらず部屋はボロボロでした」
散歩もさせてもらえず、狭い部屋に閉じ込められたストレスで壁や床は剥がれていた。ダルメシアンは体重30キロにもなる。尿や糞の量は人と変わらないほど出る。それが8頭分となればすごい量だ。それが毎日床に垂れ流しになり、放置されていた。
当然、床板は腐っていた。回復するのが不可能なレベルに家屋は傷んでいた。
「結局、最初の2頭以外の6頭は全部、保健所で殺処分したそうです。かわいそうで、聞いてられなかったですね」
以前、ブリーダーをしていたというおじいさんの部屋には大量のカゴが並んでいた。室内には50匹のチワワがいた。
「歳をとって身体が動かなくなったから、もうブリーダーはやめたい。殺処分はしたくないから、欲しい人に譲りたい」
という内容のSNSに発表したところ、20匹のもらい手がついた。
それ以降もだらしなく飼っていたため、知らぬ間にチワワ同士が交尾してしまい20匹増えてしまった。
「生まれて1回も外を歩いたことのない犬たちが暗い部屋の中にいるのを見るのは、本当につらいです。あまりにひどくて、思わず怒りがわいてしまうこともあります」
犬がいることをつい忘れて出かけたまま…
多頭飼いではないのだが、犬の飼育崩壊であまりにひどい依頼があったという。
若い女性が、アパートの1室で小型犬を飼っていた。ある日、恋人と初の旅行に出かけることになった。犬は部屋に置き去りにしていた。依頼主は電話で、
「旅行にウキウキしていて、犬がいることをつい忘れて出かけてしまいました。旅行の途中で思い出しました」
と言った。
「耳を疑いました。どう考えても、犬が家にいることを忘れてしまう、なんてありえませんよね? あきれて物も言えませんでした」
依頼主は、犬がいることを思い出しても家には帰らなかった。逆に
「部屋で犬が死んでいるかもしれないと思ったら、怖くて帰れないんです。もう1カ月帰っていません。どうなっているか確認してください」
と依頼してきた。
「どういう神経でそんな依頼をしてくるのか、本当に理解できませんでした。
現場に行くと、もちろん犬は死んでいました。アパートの中でエサも水もなく、飼い主を待ち続けて死んだかと思うと、本当に怒りを覚えました」
ここまで無責任ではないにせよ、結果的に部屋に放置されて犬や猫が死んでいるのは珍しいことではないという。
引っ越しの際、部屋に置いてけぼりにされたペットもいる。多くは水を欲しがり、流し台の上で息絶えていた。
「清掃業をしている人は、感情と実務を切り離して考えるクセがついています。汚い物を見るたびに、心が折れてたら作業になりませんからね。ただ、ペットの悲惨な末路だけはいくら回数を重ねてもなれることがありません。
そして表面に出ているのはほんの一部だと感じています。飼育崩壊している家、部屋は皆さんの想像以上にたくさんあると思います」
ペットは余裕がある人でなければ飼ってはいけない
ならば、どうすれば多頭飼育崩壊の悲劇を減らせることができるのだろうか?
犬のレッスンを中心にしたトレーニングや、ドッグホテルなどを経営する、「SKYWAN! DOG SCHOOL」代表取締役の井原亮さんに話を聞いた。井原さんは、ペットのしつけ教室の講師も務めている。
「まず自分のことを知らない人が多いんですね。自分が本当にペットを飼える状況なのかを知らなければなりません。
ペットは余裕がある人でなければ飼ってはいけません。体力、家屋、お金、時間に余裕があって、はじめて飼えるんです」
確かに「寂しいから」という理由で、飼い始めるのはあまりに無責任だ。そして1匹ではなく多頭飼いする人はさらに崩壊するリスクが高くなる。
一般的に何頭までならきちんと犬、猫を飼うことができるのだろうか?
「犬の場合、われわれのようなトレーニングを仕事にしている者でも1人2頭ですね。3頭になると厳しくなります。もちろん飼えないわけではないですが、十分に行き届いた世話ができなくなるんです。
犬を飼うということは、ご飯を考え、医療を考え、そして散歩させてあげなければなりません。それって人間の赤ちゃんを育てる労力と変わらないんです。しかも動物は、ずっと赤ちゃんのまま(のようなもの)です。たとえば2歳児を10人育てるって、普通に考えたら無理ですよね?
猫は犬とは違い、散歩の手間がありません。エサとトイレと清潔さを保てばいいので、犬よりは飼えるとは思いますが、それでも3頭が限界じゃないでしょうか? それ以上は、目が行き届かなくなると思います」
「買いたい」人を拒むことはできないジレンマ
現在、街には野良犬はほとんどいないため、犬はペットショップで購入して手に入れる人が多い。ペットショップで犬を衝動買いしてしまう人は少なからずいる。
「クレジットカードでもローンでも犬を買うことはできますからね。人によっては、歯止めが利かなくなるんです。
ダックスフントを14頭飼った人がいました。その人は『全色そろえたい』と言っていました。犬はオモチャではないですから、そういう感覚で衝動買いするのはよくありません」
そういう危険そうな客には、販売を断りたいところだが、ペットショップ側は「買いたい」と言っている人に「売りません」とはなかなか言えないのが現状だ。
「デパートなどに入っているペットショップが『犬を買いたい』という客に対し販売を断った場合『商品を買うと言ったのに、販売してもらえなかった』とデパートにクレームが入る場合があります。その結果、店が注意をされることもあります」
客に「売れ」と言われたら、問答無用で売らざるをえない。そのことで悩んでいるペット業界の人も多いという。
一方で、そういう客を「上客」と捉え売りつけようとする、たちの悪いペットショップも存在するのが現実だ。
犬は商品であり、その生命はあまりにも軽んじられている。
猫は犬とは違い、野良猫(地域猫)に餌付けをすることからはじまる場合が多いという。
最初は公園などで猫にエサをやるだけだが、だんだん部屋に入れ始める。そしていつの間にか、家の中は猫だらけになっている……というパターンだ。
猫は犬以上に多頭飼育する人がいる。
数十頭の猫を飼う人も決して珍しくはない。本人はボランティアのつもりだったりするが、近隣住民は非常な迷惑をこうむる。そして結果的に猫たちも不幸な道をたどる場合が多い。
それでは、どうすれば多頭飼育崩壊問題を減少させられるだろうか?
ライセンス制を導入すべき
「飼い主をライセンス制にするのは必要だと思います。
ペットを飼育できる環境にいることは大前提です。ペット不可のマンションで犬猫を飼ったりするのは、もちろんダメです。
海外では、ペットを飼育前に飼い方のセミナーを受けなければならない国もあります。飼う主が飼育に関して最低限の教育を受ける必要はあります。
また年齢を考慮したほうがいいです。犬猫は15〜20年生きます。ならば飼い主が新たな犬猫を飼い始めるとすれば50代が限界じゃないかと思います。中には家族が、祖母祖父に犬猫をプレゼントするケースもあります。老人に犬猫の世話は難しいです。結果的に全員が不幸になるケースも少なくありません。
ペットを飼える環境と経済的余裕があり、飼育する知識を持ち、飼い主も十分に健康な人にだけライセンスを発行すれば、飼育崩壊の悲劇は減ると思います。
ただライセンス制が現実に施行されるかというと、なかなか難しいとは思います」
多頭飼育崩壊問題には、決定的な解決法がないのが現実だ。ペットを飼う人、一人ひとりに求められるのは一生世話していく覚悟だろう。ペットは決して、人間のためのオモチャや道具ではないのだ。
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e7%8a%ac%e7%8c%ab%e3%82%92%e3%81%9f%e3%81%8f%e3%81%95%e3%82%93%e9%a3%bc%e3%81%a3%e3%81%9f%e6%9c%ab%e3%81%ab%e8%b5%b7%e3%81%8d%e3%81%9f%ef%bd%a2%e6%83%a8%e7%8a%b6%ef%bd%a3%e3%81%ae%e6%95%b0%e3%80%85-%e5%a4%9a%e9%a0%ad%e9%a3%bc%e8%82%b2%e3%81%8c%e5%b4%a9%e5%a3%8a%e3%81%97%e3%81%9f%e7%8f%be%e5%a0%b4%e3%81%a7%e4%bd%95%e3%81%8c%e8%b5%b7%e3%81%8d%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e3%81%8b/ar-AAJg5t6?ocid=ientp#page=2
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