菅野沖彦先生の理想の音はモニタースピーカーの広帯域でフラットな音 プロ用と偽るモニタースピーカー https://procable.jp/setting/06.html
ずいぶん前からのことと思います。プロが誰も使ってもいないのに、プロ用、モニタースピーカーなどと名乗る商法が、あちこちで目立ちます。下記の項目には、海外レコーディングなどでも活躍されているレコーディングエンジニアのかたからの、「生の証言」を掲載させていただきました。 我々は「音」から、それがプロ用のモニタースピーカーとしては、それらのスピーカーが役に立たないことは知っています。また国内のどのプロスタジオもその種のスピーカーは使っていないことは、レコーディングエンジニアのかたから聞いて知っていましたが、世界の事までは分かりません。世界単位で実際に活躍されているプロのかたの証言を読まれなければ、それが真実であることは、誰にも分からないことと思います。私がいくら違います、プロ用ではありませんと言っても、継続的になされているウソの宣伝効果は、あまりにも深く、皆さんを洗脳しています。 なお、放送局で使われているプロ用スピーカーなどという宣伝は、そのスピーカーが良いことの何の証明にもなりませんので、その種の宣伝も見限ってください。放送局のレベルというのは、放送さえしていればいいところであって、音の良さについての知識など、我々オーディオマニアのレベルと似たようなものです。それが信頼できるプロのレベルのものであるか否かは、プロのレコーディングエンジニアのレベルから見てどうかという問題に絞りませんと、問題の本質は見えてきません。 ■レコーディングエンジニアのかたのプロ用モニタースピーカーについての証言
「9.11(注:アメリカテロ攻撃の日)以降、保険料の増加にともない、(本当の理由はさだかではありませんが)海外RECが激減しましたので、私もしばらく行ってませんが、B&W は見た事ないですね。 当時、メジャーだったA&M、ウエストレイク、レコードプラント、等(注:米国のメジャースタジオの名前です)、スタジオでもスモールはほとんど NS10M だった記憶が、、、日本のスタジオでもお目にかかったことはないと思います。」 以上、その証言です。 ■レコーディングエンジニアのかたが、なぜ、「スモールモニター、NS10M」と、証言されているのか 現代プロスタジオは、YAMAHA NS10M を代表とする、スモールモニタースピーカー全盛の時代です。それが良いからではありません。使い慣れているものが、それしかないからです。それと、もう一つの大きな理由は(こちらのほうが肝心なことですが)、優れたプロ用のラージモニタースピーカーが、世界中、皆無だからです。 したがって、プロ用とうたわれているラージモニタースピーカーがスタジオにあったとしても、レコーディングエンジニアで、それらの音を信用している人は、ただの一人もいないのだと、知ってください。 優れたプロ用モニタースピーカーが必要であれば、スタジオとて、30年以上前のものを持ってこないといけません。ところで、モニタースピーカーを選んでいるのは、現代では、レコーディングエンジニアではありません。スタジオの経営者側のほうです。 スタジオも、企業化、資本主義化、利益優先型になり、経営者側が、客が多く集まる米国スタジオの真似ばかりしているうちに、ボロいモニタースピーカーばかりになってしまったといういきさつがあります。従って、私の言う生音そうろうのスタジオの音というのは、25年から30年以上も前のことです。ただ、現代でも、それに似た音は、例えスモールでも出しているところはあります。メジャースタジオには、それは期待できません。むしろ、レコーディングエンジニアのかたが、ご自分でセッティングされている個人スタジオのほうが、圧倒的に、信頼できます。 レコーディングエンジニアという人種は、それほど音に対して厳しく、緻密で、能力の高い人たちです。彼らが本気になれば、それが自宅の一室だったとしても、メジャースタジオより音が圧倒して良くなるのは、当然のことです。 ■自宅録音をされているかたが気をつけるべきこと 自宅録音をされているかたは、十分注意されてください。新品のプロ用モニタースピーカーに、百万円もかけてはなりません。それよりは、NS10M でいいのでしょう。それだけの価値のある優れたプロ用モニタースピーカーが、新品では一つも無くなってしまっています。 時代をさかのぼって中古から探せば、当然その種のものはあります。それにつきましては中古オーディオ屋さんの詳しいかた、正直なかたに、話を聞かれたうえで入手されるのが正解です。また、スモールモニターでも、YAMAHA NS10M より良いものはあります。レコーディングエンジニアのかたがたが、NS10M を使う理由は、ただ一つだけです。どこに行っても置いてあるため、使い慣れているからです。信用できるからではありません。 注意すべきは、品質低下の現象が起きているのは、スピーカーに限る(特にプロ用スピーカー)ということです。プロ用アンプは今のもののほうが昔のものより良いです(民生用アンプについては論外であり、往年の WE の真空管アンプ、プロ用アンプに、全てことごとく劣ります)。他のジャンルで、超一流品が少なくなってきているものは、小型の高級ミキサーや、チャンネルディバイダー類です。しかしそれらは、超一流でなくとも、それ相応に安価になってきていますから、問題はありませんし、プリアンプなどよりは、優れています。 なお、プロ用と名乗るプロ用でないものは、スピーカーに限らず、アンプ等にもありますので、注意が必要です。 次の項目では、なぜ録音の生命線であって、最重要であるはずのプロ用モニタースピーカー環境が、こんなに哀れな事態にまで陥っていってしまったのか、なぜ、YAMAHA NS10M しか使われないことになってしまったのか、その歴史的背景について知っている事を記述します。 https://procable.jp/setting/06.html 10倍以上の値段の民生用の B&W のスピーカーが3万円の JBL JRX115(PA用のJBL)に大幅に負けたとの報告がありました! JBL や B&W には、モニタースピーカーという触れ込みの、民生用の商品も非常に多くありますが、真っ赤なウソであり、モニターとして使えるものなど、一つもありませんので、厳重に注意してください! そもそもスピーカーメーカーというものは、WE、アルテック、EVのプロ用部門のスピーカー(オーディオ屋扱いのものは除外します。この点、JBLにはオーディオ店扱いのボロいものもありますので、話がややこしくなるのです。)は超一流ですから特殊な例外として・・、それ以外のメーカーにつきましては、
1)ろくなチャンネルディバイダー(クロスオーバー)を作る能力もない。 2)超一流メーカーを買収しても、それをダメにしてしまう(これははっきり書きます。JBLです。あの超一流のウーレイ社を買収して、完全にダメにしてしまいました。) 3)バイワイヤーなどという、全く根拠もないデタラメな「よたっている」スピーカーしか造れないメーカーが、ぞろぞろ存在している。 という程度です。
注:) バイアンプ仕様のスピーカーのほうは、理にかなっていて、プロ仕様の健全なスピーカーです。プロが使う「奥の手」であるバイアンプの、格好だけを真似したものがバイワイヤーであり、「ま・ま・ご・と」です。「ままごと」なのですから、そのような「よたっているもの」ならば、数万円でいいはずです。それが百万円や二百万円なのですから、もはや「異常」としか言いようがありません。 ■ダメなスピーカーの特徴を箇条書きにします。 ただ、安ければ構わないでしょう。それでも音は出ますし音楽は楽しめます。それが異常に高額であれば、不審なことではありますが、「デザイン代金」だと考えて納得するしかありません。でないと、買われてしまっていた場合、やりきれません。 1)能率が、やたらと低い(80dB代)。 2)トールボーイ(コストのかかるウーファーが小さいうえに材料も少ないゆえ、安価になるはずです)。 3)ウレタンエッジ(スピーカーの外周がゴムみたいなもの、又はウレタンであるものは、非常に安価なボロ、つまりゴミです)。 4)バイワイヤリング、又は、トライワイヤリングをうたっているもの(格好をつけているだけです)。 5)小型スピーカーで、高額なもの(ほとんどがデタラメだろうと想像します。しかし安ければ問題ないでしょう)。 さて、上記のような程度の低いスピーカーを、「プロ用モニター」などと、偽って宣伝しているのですから、悪質です。本当にタチが悪い。プロに無料でプレゼントして、たった一人でも「セミプロ程度の人」が、自宅で使っていれば、プロ用と宣伝している。レコーディングスタジオに、わざとプレゼントして、使い道もなく置いてあるだけのものを、プロ用と宣伝している。放送局に無料でプレゼントして、たった一組、放送局が使っていれば(放送局に機材の善し悪しは分かりません)、プロ用と宣伝している。この悪質な「風説の流布」、これぞ告発されるべきであり、我々が「オーディオ地獄」に叩き落とされてきた、「元凶」そのものだと言えます。
■バロメーター
カーステレオ用の、16センチウーファーとツィーターが一つになっている、ツーウェイの一発もののスピーカーユニット、能率92dB程度のものさえ、昔から、二個で1万円少々です。これを値段のバロメーターにされるといいでしょう。カーステレオ用もオーディオ用も、スピーカーなど、大差あろうはずがありません。 いづれにせよ、技術的に、スピーカーメーカーは、あまり、あてになりません。我々は入手した後、自分で上手に使う必要性があります。それでも、ここでご紹介する機種は、タフネスさ、能率の高さ、クロスオーバー周波数などから、相当に良いほうの部類のもののはずです。
民生用のスピーカーは、それが一本100万円のものですら、どれもこれも、ボロいウレタンエッジで、10年もするとボロボロになってしまって、音的にも、プロ用レベルのものに較べますと、大幅に劣っているものが大半である。
一方、プロ用スピーカーは、昔ながらのコストのかかる方法、つまり、回りがギザギザになっている、ギャザードエッジというスピーカーで、非常にタフなものです。30年でも40年でも、そのまま使えます。 往年の WE やアルテックに勝るものとは思えませんが、かなり、迫れるのではないかと想像していいます。 それほどのスピーカーが、安価なのに、ボロくて「よたっている」ようなものが100万円や200万円などと、スピーカーの世界も、一体全体どうなってしまっているのか・・・・・、 なお、高域の周波数は、16,000ヘルツまで出ていれば十分と、考えてください。1940年代のJBLの超名機、ハーツフィールドなどは、4インチのドライバーであるため、12,000ヘルツまでですが、生音を再現するに十分過ぎるほど、超高性能なものです。 ただ、モニター用途のものは、昔から20,000ヘルツまで出していますから、そのあたりは、プロのかたがたの検証が必要です。 ということは、10万ヘルツまで出ると音がいいなどというのは、真っ赤な「デ・タ・ラ・メ」だった、ということです。 我々は、コウモリではありません。 いづれにしても、10万ヘルツまで出るはずのものが、iPODに大幅に負けているという証拠が上がってしまっているのですから、その種の「能・書・き」については、相手にしないほうがいいでしょう。
三流の学者の論文を取り上げては(三流の学者はデタラメであろうがなかろうが有名になろうとします)、それが利益になるとみるやいなや、業界全体が無茶苦茶なことを始め、皆さんを、三流論文のデタラメな内容で、洗脳してしまいます。
「オーディオ業界」など、例外はあるのかもしれませんが、そのほとんどが、○○○建築事務所であり、○○○○○などと似たようなものなのかもしれないと、想像してみてください。 無茶苦茶なことばかりしていても「逮捕劇」が起きないのは、人命にかかわることではないからだというだけです。 ■「スタジオモニター」という言葉 一体全体、いつからのことなのか、スピーカーメーカー側が、「スタジオモニター」というジャンルに区分けしてスピーカーを売るだけで、ボロいものでも高額に売れることに、気づいてしまった時期があったのだと、思われる節があります。 そのため、使い物にもならない高額なスタジオモニターばかりが、世に、はびこってしまう結果になっています。 さて、それでは、PA用、つまりSR用のスピーカーは、スタジオモニターとして使えるのだろうか、スタジオモニターではないのだろうと、疑問を抱かれるかたも、おられることと思います。 それは、本末転倒であり、錯覚であり、勘違いです。 日本国内で、最良の録音ができていた30年ほど過去の、二大スタジオは、日本コロムビアと、ビクタースタジオでした。これは、日本で最も良い録音がなされていた頃のことです。日本コロムビアは、PA用のアルテックA7を天吊りにして、モニターとして使っていました。ビクタースタジオは、アルテック612Aでした。結局のところ、PA用とスタジオモニターとで、どちらが優れているのか、というような疑問は、全く無意味です。 「どのスピーカーが・・・、完璧なフラットで、最も優れているのか。」 問題は、これに絞られます。というよりも、これだけであって、他に基準はありません。 スタジオモニターと名乗る、非常に高額な「悪質商法」には、重々ご注意ください。 スタジオモニターなどという「ジャンル」にとらわれていますと、スピーカーメーカーの思惑通りに踊らされ、墓穴を掘って、墜ちることになります。 モニタースピーカーの音は、生々しくなくてはなりません。生ライブのCDを再生したときには、目前でライブが行われているのと同等の音が出るくらいに、ちょうどそのくらいでなくてはなりません。目前でベースドラムを演奏しているように、目前に人がいるようにです。シミュレーションのようであって、それで妥協してはなりません。生音そのもののようでないといけません。それではじめて、そのモニターは信用できます。優れたマイクの性能は、我々の想像以上、いや、それよりも遙かに高いものです。それはあたかも、耳のごとしです。 ■超重要事項 (基本中の基本事項)
これは非常に重要なことです。いくら良いアンプを使っても、いくら良いスピーカーを使っても、「音の焦点」を合わせなくては、「あてずっぽう」になってしまいます。悪いものを良い、良いものを悪いというような、グツグツの世界、混沌の世界に、彷徨い込んでしまいますし、いくら良いスピーカーを入手しても「宝の持ち腐れ」になってしまいます。音の焦点という「罠」・「縄目」を抜ける方法につきましては、次の項目、28)音の焦点(基本中の基本)のほうに、詳しく記述しております。 ■追記致します。 SR用という意味についての問い合わせが多いため、記述しておきます。 Sound Reinforcementの略で、SRです。音の拡大、音の強化という意味であって、サブウーファーだの、リアスピーカーだのというような意味ではありません。 昔はPA用スピーカーと言っていました。PAとは、Public Address の略で、公衆への講演という意味です。 双方とも、同じ用途、ジャンルのもので、言い方が変わっただけです。 アルテックA7やA5は、PA用スピーカーであったわけです。その用途と同じ用途のものを、現代ではSR用スピーカーと言っています。 PA用もSR用も、双方ともコンサートホール、ライブハウス、映画館等、それにて金銭を取る場所で使うためのものですので、「プロ用」スピーカーというわけです。 ■ドライバーの使い方(盲点) 重要な基本事項を書き漏らしていました 。 高域を受け持つドライバーは、自分に真正面を向けてはいけません。とかく我々は、直接音を聞いたほうがクオリティーが高いと錯覚しがちです。それは間違いです。ドライバーの場合には、指向性が強く、自分に向けると、もろに高域が襲ってきます。これにより、高域がきつ過ぎる現象が起きます。高域を受け持つドライバーの中心線は、自分の両サイド、又は上部を通過するくらいでいいくらいです。ドライバーの場合は特殊であって、「反響音」を聞かなくてはなりません。反響音のほうが、直接音を聞くよりも、クオリティーは高くなります。これは普通のスピーカーのツィーターなどとは全く違っているがゆえ、この種の強力なドライバーを備えたスピーカーの場合には、「盲点」になりがちです。 ■追記いたします。 JBL JRX115もいいのなら、その上位機種の125はどうでしょうかという問い合わせが、当初は、かなりありました。125のほうは、インピーダンス4Ωで、さらに38センチウーファーが二発付いているものです。ということは、ただでさえクラウンD45なり、クラウンD75Aのダンピングファクター400という数字が、200に下がってしまうことを意味します。それで二発の38センチウーファーを駆動しなければならないということは、38センチウーファー一発につき、ダンピングファクター100しか、入れられないことにになってしまいます。400と100の違いですから、その差は、歴然としています。 何を選ぶ時でもそうですが、高いもの、上位機種のほうが良かれというような発想は、「音」に限っては、ことごとく、脳内から、捨て去ってください。 125の用途は、片チャンネルだけで、直列に二台のスピーカーを接続しておいてインピーダンス8Ωにしておいて、左右合計、四発使います。これは、映画館などの用途のものです。自宅では害になるだけだと認識ください。上記の用途は、片チャンネルだけで、1500、2000のダンピングファクターのアンプを使って鳴らすしかないのです。それは、ハイパワーのアンプになりますから、クラウンの一級品とて、よほど音量を上げないと、音質的に、D45、D75Aに、軽く、実にかんたんに、負けるのです。 インピーダンスとダンピングファクターのことにつきましては、一項目づつ設けて、詳しく説明していますので、サイトをしっかり読まれ、ご自分で、その種の判断は「抜け目なく」されてください。400÷2÷2=ダンピングファクター100というだけの計算に過ぎません。 これはどなたも自分でできるはずです。 鬼門コーナーをくまなく読まれれば、ご自分で全て判断できるようにしてあります。一字一句、漏らさず読まれてください。そしてまずは、ご自分で考えてください。 ご自分の身は、ご自分で、守りきってください。 ■スーパーウーファー (サブウーファー)
ということは、スーパーウーファー(サブウーファー)も、家庭で使うには、4Ωのスピーカーでは、まったくダメだということです。パンパンに張っている46センチのプロ用スピーカーを駆動するには、ダンピングファクター400が必要です。又は、ドイツ規格による、100が必要です。8Ωのスーパーウーファー(サブウーファー)は、EV(エレクトロボイス)のものにはありますので、スーパーウーファーは、EV(エレクトロボイス)のスピーカーから選ばれてください。 JBLには、4Ωの46センチのスーパーウーファーしかありません。それではダメだということです。 下記のEVのスーパーウーファーがそれです。 能率100dBの、8Ω、46センチウーファーを備えたスピーカーです。 EV(エレクトロボイス)スーパーウーファー TX1181 https://procable.jp/products/ev_tx_1181.html これは当店でも販売しております。スピコン、配線方法等、詳細に聞いてくださったうえで、お使い下さい。映画館で実際に使われている現物がこれです。最強のスーパーウーファーです。 私にははじめから分かっていたことです。JBLや民生用 B&W などというのは、素人相手の5流品であるということです。 一体全体、スピーカーという世界でも今までどういうことが起きてきていたのか、はじめてご覧になったかたは「ご自分の頭で」考えてみて下さい。 https://procable.jp/setting/27.html 因みに、今迄のプロ用モニタースピーカーで一番評価が高かったのは
Western Electric の映写室モニター TA7388
でしょうか。 詳細は Western Electric 20cm フィックスドエッジ・フィールド型フルレンジスピーカーユニット TA-4189 http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/971.html
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ヤフオク スイス デュアル 楕円フルレンジ・スピーカー・システム
これ程ずば抜けた音質はそう滅多にはない!圧倒的である! ダメダメ・スピーカー JBL4343 なんかとは比較にならないスケール 迫力 リアリティー ハイ・スピード! 『これほど抜群の音質はそう滅多にはない!圧倒的である!』 スイス DUAL/デュアル 西ドイツ工場製 完全オリジナル 楕円フルレンジ・スピーカー・システムの完動中古品のペアです
スピーカー・ユニット:
最大の特徴はエッジがコーン紙の延長でできているフィックスド・エッジである エッジの材質が音質の大半を決めてしまう非常に重要な要素である 極めて大事なことなので再度言います 「エッジが音を決める!」 このフィックスド・エッジならウレタンやゴム系のように経年変化でボロボロに朽ち果てることは無い それだけではない ウレタンやゴム・エッジより能率が高く、最も重要な過渡特性(音の立ち上がりと立ち下がりのこと)が抜群によい これが最強無敵で抜群の音質の根拠である 製造後およそ40年以上が経過しているというのにエッジ、コーン紙、フレーム、マグネットすべて新品のようにとてもきれい 昔使用していた 38cm・4wayの JBL4343 はわずか10年でエッジはボロボロに朽ち果ててしまった 今となっては ただの箱であり下駄箱にもならない これは本当にスピーカーであったのであろうかと思う プロ用と称していたこのスピーカーは評論家の瀬川冬樹氏がステレオ・サウンド誌で べた褒めしたため一世を風靡したものである この JBL4343 はほとんどの大小メーカー及びほぼ100%の全国の販売店に採用され、考えられないほど多くのマニアが購入した オーディオ界始まって以来の極めて異常な現象が全国で起きたのである エッジがボロボロに朽ち果てるものでこの評論家と雑誌社は大儲けしたという話は有名だ。 ところが、瀬川冬樹氏はある問題で資産のすべてを失い、ガンでアッという間に旅立ってしまった 46歳という若さであった スイス デュアル 西ドイツ工場製 完全オリジナル 楕円フルレンジ・スピーカー・システム
音質: 極めて質の高い本格的な音を聴くことができる この音質こそが本物の真の音楽を聴くことができる音である ずば抜けた音楽表現力がある これは薄っぺらい安物の音ではない 例えると、特上の にぎりやサーロイン・ステーキである 並みとは旨さや旨味の密度がまるで違うのである 旨いものを食べたとき 旨味が口いぱいに広がるような そういう音である クラシックだろうがジャズだろうがボーカルであろうが抜群によく鳴ります なぜならフィックスド・エッジだからである ライブ盤では部屋いっぱいに音が広がり あたかもその会場にいるようだ 演奏者の息使い、ライブ会場の空気感まで明瞭に再生でき、実に楽しく音楽が聴ける ヴォーカル、ピアノ、ベース、ヴァイオリン はあまりにも生々しい真実音である シンバルはツイーターがついているかのような鳴り方である バスドラやベース、チェロは踊るようによく弾み、ふくよかでありながらよく締まって、ボケずに音の輪郭や音程が明瞭に聴き取れて気持ちがよい 低音の量感は申し分なく、質も極上である 目の前で自分のために唱ってくれているような、そして、演奏をしてくれているかのようで手を伸ばすと届きそうな感じさえする この盤はどう鳴るだろう、あの盤はどうだろうと、次々音楽が聴きたくなる音です 音の品位がよく、格調高く、彫りの深い音です 音楽の歓びや哀しみ、心を熱くする音楽表現力が抜群に優れている ときには あたかも美しい女性の瞳が潤んでいるかのような表現力にウットリする 愛を燃やし、心を溶かし、綿みたいな雲の乗って深い感動の世界で時を忘れて朝まで聴いてしまう 心に染み入り夢心地の幸せに満たされる とくにジャズはノリノリとなり、跳ね、踊り スイングし、エネルギーが爆発する 声は張りがあってよく通り生のような真実音 オーケストラは立体感があり、トゥッティにも優れていて生を彷彿とさせる 堂々たる鳴りっぷりである フィックスド・エッジのため音量を絞ってもつまらない音にならず いい音で鳴る これが最も大事なことである そして、「音が矢のように飛ぶ!」
フィックスド・エッジの音の特徴は超ハイ・スピードに音が飛ぶことである こうゆう音は聴いていて気持がよい それだけではない 微弱信号が楽々再生できることである これが最も重要であり大事なことである では「飛ぶ音」 とは一体どんな音なのか。言葉で正しく伝えるのは難しく これは体験してみないと分からない音かもしれない WE(Western Electric) や Siemens の劇場用スピーカーは まず音が矢のように飛ばなければ使い物にならない なぜなら、最後部の客席まで 例えば大地を揺るがす大砲のとどろきから 恋人のささやきや 虫の音(ね)まで かすかな音も明瞭に届けなければならない 1982年 当時大流行していた JBL 4343 (38cm・4way 60万円した) を使用していたが これがまったく音が飛ばない プロ用であると宣伝していたが 官僚の国会答弁と同じ「ウソ」であることが後に分かったのである 当時日本中の中〜上級者が瀬川冬樹という一人の評論家とステレオサウンドという雑誌社の「ウソ」に引っかかったのである JBL4343 を購入した多くのマニアが騙されたのである 日本オーディオ史上初のマニア、販売店、多くの業界関係者、多くの大小メーカーを巻き込んだ大事件に発展していった 瀬川冬樹氏の急死と共に JBL4343 への熱病は急速にしぼんだ Accuphase の M100 500W×2 で鳴らしていたが これまた、まったく音が飛ばないアンプであった この飛ばない柔なアンプが100万円したのである この時「音が飛ばない」スピーカーとアンプがあることが分かった 60万円のスピーカーも100万円のアンプもまったく飛ばなかったのである 飛ばない同士の組み合わせは最悪であった あゝ160万円の授業料である この当時のコンポーネントとしては最高級の組み合わせであったが、バカなことをしていたものである では一体「飛ばない音」とはどんな音なのか それは、スピーカーのまわりに音がまとわりつき 、聴き手に音が矢のように飛んでこない そして、たいてい低音が引きずるように重く、特にドスン ドスンというような質のよくない低音は気分が悪くなり 聴くに耐えない。JBL4343 がこのような低音であった こんな低音ならないほうがましだ いくらボリュームを上げても飛ばない音は絶対に飛ぶことはない ボリュウームの問題ではないからだ 例え小さな部屋で小音量で聴く場合であっても この「飛ぶ音」はがぜん威力を発揮する 優れた 「音が飛ぶ」スピーカーは音量を絞っても「つまらない音」とはならない なぜなら、音楽の旨味成分である微細なニュアンスや倍音等の微弱信号も楽々再生できるからである 単なる大音量なら大抵のスピーカーは鳴る ところが、微弱信号はどんなスピーカーでも再生できる訳ではない。ここが一番重要なところである 出来のよくないスピーカーほど微弱信号の再生が不可能となるため「つまらない おおざっぱな音」となり 大事なニュアンスが伝わらなく音楽にならないため面白くも何ともない 『スピーカーの優劣を判定するには音量を絞って微弱信号の再生ができるかどうかを聴くとすぐ分かる』 一度「飛ぶ音」を経験すると飛ばない音はもう聴く気がしないであろう それにしても、JBL4343 も Accuphase も高価なだけに あゝ本当に「罪深い」と思う 例えばこの盤では:
ジャズ・ヴォーカルの名盤「ヘレン・メリル ウイズ クリフォード・ブラウン」(米Emarcy) ヘレン・メリルのハスキーで洗練されたセンスとしっとりした情感やデリケートな表現が心に伝わって 自分のために唱ってくれているようで、手を伸ばすと届きそうな感じさえする 昔小さなライブ・ハウスでまじかで聴いたことがあるが、そのときを彷彿とさせるリアルさである フィックスド・エッジによりずば抜けた美しい音質となっているのが大きな歓びである あゝ深い感動の世界だ! https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/o237764088 ▲△▽▼
ヤフオク 独 SIEMENS COAXIAL 過去3ヶ月の「 COAXIAL 」の統計データ情報 「COAXIAL」 に関する落札商品は全部で 98 件あります。 平均落札価格 9,532 円 最高落札価格 146,000 円 最低落札価格 100 円 独 SIEMENS COAXIAL/シーメンス コアキシャル 25cm 同軸2ウエイ・スピーカー・システム 平面バッフルの完動中古品のペアです。 コアキシャルは上級者の間で あまりにも有名である。 この音を聴くと他のスピーカーは雑魚(ざこ)同然に思うであろう。 コアキシャルは終生の伴侶≠ニなりうるスピーカーである。 コアキシャルはオイロダインと同じフィックスド・エッジである。 このエッジならウレタンやゴム系のように経年変化でボロボロに朽ち果てることは無い これが本物のプロ用である 昔使用していた 38cm・4way の JBL 4343 はわずか10数年でエッジはボロボロに朽ち果ててしまった 今となっては ただの箱であり下駄箱にもならない これは本当にスピーカーであったのであろうかと思う。 プロ用と称していたこのスピーカーは評論家の瀬川冬樹氏がステレオ・サウンド誌で べた褒めしたため一世を風靡したものである。 エッジがボロボロに朽ち果てるものでこの評論家と雑誌社は大儲けしたという話は有名だ ところが、瀬川冬樹氏はある問題で資産のすべてを失い、ガンで46歳という若さでアッという間に旅立ってしまった あゝ無常 哀れなり SIEMENS COAXIAL の音質: まるで次元の違う別世界の音である この劇場用の音はいくら言葉で説明しても実際に聴かないと分からないかもしれない この音を聴くと他はあまりにも柔(やわ)で聴くに耐えないであろう 生々しい真実音、圧倒的リアリティー、高解像力、高音楽表現力、超ハイ・スピードである 抜群の高音楽表現力により、実に楽しく音楽が聴ける 聴き手の心を揺さぶり感動の世界で幸福感に満たされる これらは他のいかなるスピーカーとも大きく異なっている クラシックだろうがジャズだろうがボーカルであろうが抜群によく鳴ります なぜなら、音の立ち上がりや立ち下がり のことを過渡特性というが これが抜群によいからです 過渡特性のよくないスピーカーからいい音を引き出すことは不可能と言ってもよい ライブ盤では部屋いっぱいに音が広がり あたかもその会場にいるようだ 演奏者の息使い、ライブ会場の空気感まで明瞭に再生できる ヴォーカル、ピアノ、ベース、ヴァイオリン は生々しくあまりのリアルさにゾクッとする バスドラやベース、チェロは踊るようによく弾み、ふくよかでありながらよく締まって、ボケずに音の輪郭や音程が明瞭に聴き取れて気持ちがよい ヴォーカルは目の前で自分のために唱ってくれているようで手を伸ばすと届きそうな感じさえする 声は張りがあってよく通り生のような真実音 この盤はどう鳴るだろう、あの盤はどうだろうと、次々音楽が聴きたくなる音です 音の品位がよく、格調高く、彫りの深い美しい音です 音楽の歓びや哀しみ、心を熱くする音楽表現力に極めて優れている 音楽の感情表現力が凄いのである 他のスピーカーではこうはとても行くまい ヴァイオリンもピアノも響きがキリッとしていて、しなやかでリアリティがある ジャズは「水を得た魚」のようであり、エネルギーが爆発する すさまじさがある オーケストラは立体感があり、トゥッティにも優れていて生を彷彿とさせる 堂々たる鳴りっぷりである フォルティッシモでは部屋の空気を揺るがす強烈なパワーに本当に鳥肌が立つ 最も大事なことは、 本当にいいスピーカーは必ずかすかな音や演奏者の息使い、会場の空気感まで明瞭に再生できる 音量を絞ってもつまらない音にならず いい音で鳴るのが本当に優れたいいスピーカーである そして、「音が矢のように飛ぶ!」 こうゆう音は聴いていて気持がよい。 では「飛ぶ音」 とは一体どんな音なのか。 言葉で正しく伝えるのは難しく、これは体験してみないと分からない音かもしれない。 ウエスタンやシーメンスの劇場用スピーカーは まず音が矢のように飛ばなければ使い物にならない。 なぜなら、最後部の客席まで 例えば大地を揺るがす大砲のとどろきから 恋人のささやきや 虫の音(ね)まで かすかな音も明瞭に届けなければならない。 1982年 当時大流行していた JBL 4343 (38cm・4way 60万円した) を使用していたが、これがまったく音が飛ばない。 プロ用と称しながら玩具同然である。 Accuphase の M100 500W×2(この超弩級ハイパワー・アンプは100万円した)で鳴らしていたが これまた、まったく音が飛ばないアンプであった。 玩具同然のアンプであったと言わざるを得ない。 100万円の玩具である。 この時「音が飛ばない」スピーカーとアンプがあることが分かった。 飛ばない同士の組み合わせは最悪であった。 この当時のコンポーネントとしては最高級の組み合わせであったが、バカなことをしていたものである。 では一体「飛ばない音」とはどんな音なのか。 それは、スピーカーのまわりに音がまとわりつき 、聴き手に音が矢のように飛んでこない。 そして、たいてい低音が引きずるように重く、特にドスン ドスンというような質のよくない低音は気分が悪くなり 聴くに耐えない。JBL4343 がこのような低音であった。 こんな低音ならないほうがましだ。 いくらボリュームを上げても飛ばない音は絶対に飛ぶことはない。 ボリュウームの問題ではないからだ。 例え小さな部屋で小音量で聴く場合であっても この「飛ぶ音」はがぜん威力を発揮する。 優れた 「音が飛ぶ」スピーカーは音量を絞っても「つまらない音」とはならない。 なぜなら、音楽の旨味成分である微細なニュアンスや倍音等の微弱信号も楽々再生できるからである。 単なる大音量なら大抵のスピーカーは鳴る。 ところが、微弱信号はどんなスピーカーでも再生できる訳ではない。ここが一番重要なところである。 出来のよくないスピーカーほど微弱信号の再生が不可能となるため「つまらない おおざっぱな音」となり、大事なニュアンスが伝わらなく音楽にならないため面白くも何ともない。 『スピーカーの優劣を判定するには音量を絞って微弱信号の再生ができるかどうかを聴くとすぐ分かる。』 一度「飛ぶ音」を経験すると飛ばない音はもう聴く気がしないであろう。 それにしても、JBL4343 も Accuphase も高価なだけに あゝ本当に「罪深い」と思う。 https://aucfree.com/items/u190943639 ▲△▽▼
JBLは4341をやや大きくした、後継機種4343を発売した。 4343の用途は何であったのか?いまだによく分からない。 4343はプレイバック・モニター用途と言うが、スタジオで4343を見たこともないし、使った話も聴かなかった。 _____ イシノラボ/マスターズ店長の連載 JBLを愛した男たち 2010年1月2日掲載 https://www.ishinolab.com/modules/doc_serial/audio_history_japan/serial001_040.html JBLの設立は1946年に遡る。創業者、ジェームス・バロー・ランシングは1949年9月24日、自ら、命を断ってしまった。以後、共同経営者だったビル・トーマスが社長となって、JBLは次第にスピーカ会社として発展していく。日本への輸入は、当初、河村研究所であった。1965年、サンスイはJBLと輸入総代理店契約を結び輸入を開始する。
1952年にはホーンレンズを取りつけた175DLHが誕生している。1954年には傑作“ハーツ・フィールド”が製品化されている。そして、1957年には、今なおあこがれの“レンジャー・パラゴン”が登場し、1988年までの31年間生産が継続された。(1971年、私がJBLを訪問したときも、パラゴンはハンドメードに近いかたちで日系アメリカ人の方がリーダーとなって、キャビネットの製作、スピーカユニットの組み込みがおこなわれていた。)そこに働く方達の誇らしげな顔を、いまなお思い出す。1960年には、最高級家庭用スピーカとして“オリンパス”が製品化されている。私が、JBLをオーディオ誌で知ったのはこの頃であったが、超高価で、夢のまた夢、そのまた夢の存在であった。 私が入社した1969年からオリンパスを聴いたが、サウンドが硬く、大した感動はなかった。ただ、大変美しい仕上げで、組格子のカバーがユニークであった。また、新宿、三幸町のショールームには、JBLのひととおりの高級スピーカシステム、ユニットが展示されていた。 評論家の皆さんも、この頃、ショールームで眺め、聴いて、特に、その素晴らしさに惚れて、無理してお金を算段して、購入したとの昔話を聞く。故、瀬川さん、山中さん、そして、オーディオ評論界の第一人者、菅野さん達であったと思う。 そうこうしているうちに、私は、スピーカ設計課に配属されて、さっそく、SP150の設計担当をやらせてもらうことになった。そのとき、傍らで、先輩エンジニアが薄型スピーカ(ドロンコーン付き)を設計していた。SL−5,7の2機種であった。とても格好が良く、大したものだと思ったが、それの元ネタはJBLのトリムラインであった。期待に反して、SLシリーズは大して売れなかった。 SP−150の設計過程において、ランサー77も聴いたが、能率が悪いスピーカだ、というくらいで、これも、感動は無かった。 しばらくして、SP LE8Tを比較試聴する機会があった。これも、能率の悪いスピーカだな!と言うのが第一印象であった。けれども、コーン紙に吹き付けてある白い物質は何だろう?ということになったが、取引のあるユニットメーカー(松下,フォスター,昭電)に聞いてみたが、分からないということであった。 このダンプ材がLE8Tのサウンドの秘密のひとつでもあった。また、ボイスコイル径は2インチあって、フルレンジ、8インチスピーカユニットにしては、非常識に大きかった。大きくなると、ボイスコイルのインダクタンスが大きくなって、高域になると、インピーダンスが上昇して、高域が出にくくなるのだ。また、コーン紙の中心には、大きなアルミダイアフラムをコーン紙に貼り付けてあった。ダイアフラムの裏には、ウレタン系のダンプ材が貼り付けてあり、共振防止を図って、なかなか配慮されていると感じた。 さすがに、LE8Tだけでは超高域が足りず、LE25のようなコーンツイータ(JBLではダイレクトラジェータと呼ぶ)を付加して2ウエイ構成にすると、バランスが取れてきた。 SP150の設計、アメリカ向けスピーカの設計を完了したあと、スピーカ関係の研究開発に携わることになった。そこで、再び、LE8Tにめぐり合った。 すなわち、フルレンジユニットはどのようにすればうまく設計出来るかのテーマであった。LE8Tのコーン紙を外してみると、まず、ボイスコイルは、他のように2重巻きではなく、占積率が100%と言えるエッジワイズ線を採用していた。従って、巻数はやや少なめであるので、巻線によりインダクタンスは少なく、従って、高域におけるインピーダンス上昇は、ボイスコイル径が大きいにも関わらず、かなり抑えられていた。 さらに、磁気回路を外してみると、ポールピースにはメッキが施されていて、磁気的にショートリングが施され、高域におけるインピーダンス上昇が抑えられるようになっていて、なるほど、JBLは凄いと感じた。実際、当時JBLの工場見学では、ボイスコイルはボイスコイルだけを独立して巻いて、筒状になったコイルを輪切りにして、それをボイスコイルボビンに装着していた。 これをもってして、フルレンジユニットとして、卓越した技術力であった。コーン紙エッジは当時、ホワイト系ラバーエッジで、共振周波数は充分下げられていたが、この重さで、効率は88dB程度に下がってしまったのは仕方ないことであった。そのサウンドはやや、JBLとしては大人しいもので、当時、若かった私には物足りなく感じた。 何とか、まずは真似をしてLE8Tレベルに到達しようと頑張ってみたが、当時ではとても部品メーカーがついてこれず、試作は勘弁して下さい!と言う始末であった。 さて、当時のサンスイ社内でのJBL販売体制は、JBL販売課があり、そのスタッフはJBLに心酔している男たちで締められていた。例えば、サンスイのショールームでJBLを聴いた社員が、どうしてもJBLの販売に関係したいと志願した男が主体であった。極端に言えば、JBLに命をささげた男もいた。 JBL販売課長であったS氏はチェロを弾く音楽、オーディオ大好き人間であった。オーディオフェアの前夜のJBLブース作成で徹夜して、会場で、くも膜下出血で倒れ、帰らぬ人となった。また、JBLのプロモーションを担当したM氏は北海道出張中、千歳空港内で脳出血に倒れ、帰らぬ人となった。お2人ともお酒が好きで、飲みだすとJBLの話が止まらない男であった。 私は、JBLは凄いと思ったが自分で使う気にはなれなかった。自宅では、自作3WAYシステムで頑張っていた。 1972年になって、私はスピーカ設計を離れて、今度は、当時サンスイが創りだした4chシステム開発促進部に携わることになり、ここで4chサウンドを聴くことになったのであったが、そこで衝撃的出会いがあった。アメリカでのサウンドプロモーションで、発売されたばかりの4320を使ったのであった。その場に立ち会った上司は、帰国して、我々に“JBL4320を4台、部で買うことにした。凄くエキサイティングなサウンドだ!”と興奮して語った。 しばらくして、4320が4台届いた。早速開けて見ると、何と、1台、ツイータの穴を塞ぐ板がついていない、穴があいたままになっていた。仕方なく板で穴を塞ぐことにした。アメリカの製造センスはラフだな!と嘆いたが、音が出て、腰を抜かした。 当時は、ここの部署はプロ用エンコーダの開発をしていたので、試聴用にレコード会社のマスターコピー、放送局の音楽ソーステープがたくさんあったし、オープンデッキはAMPEX AG440の4ch、2chの2台、プロ用マシンが揃っていた。 このような高品位の音源に対し、JBL4320の再現性がすばらしく、軽々とした中低音、立ち上がり抜群のホーンによる中域、高域と素晴らしかった。 しばらくして、各レコード会社のモニタースピーカは一時期、JBL4320が独占していた時期があった。ここにいたって、私はどうしても欲しくなった。お金がないから仕方なく国産イミテーションキャビネットにJBLユニットを取り付けて楽しんでみたものの、やはり、違うサウンドであった。これを諦めて、弟に譲って、今度は本物の入手に奔走した。やはり新品は買えず、何とかして知り合いのスタジオ技術者から中古JBL4320をやっとの思いで入手。ようやく満足を得て、その後、コーン紙の張替をしながら、今なお私の工房で稼動している。 社外では、POPS録音にかけては第一人者の当時東芝EMIミクサー、行方洋一さんも大のJBLファンであったし、JBL4320には惚れていた。行方さんはJBL4320を購入されて土浦の自宅に設置し、スーパーツイータ、JBL2405に1μのフィルムコンを付けて、3WAY構成にして楽しまれていた。私はご自宅に何度も伺って、その素晴らしいサウンドを聴かせていただいた。POPS、ジャズ、SOUL、SL、花火音などを心行くまで聴かせてくれた。 行方さんは当時、渚ゆう子のレコーディングを担当されていたので、渚ゆう子の情報は何かと入った。(私は渚ゆう子の大ファンで長女には“ゆう子”と名付けたほどである!)そうして、渚ゆう子がリサイタルをおこなうことになり、そのPA(SR)エンジニアは行方さんが担当することになった。行方さんから、“PA機材をどうしよう!”という相談があった。お話を伺うと、会場は新宿、厚生年金会館大ホールとのことであった。 PAスピーカーはJBL4320を特別に使いたい、アンプはタフなサンスイ BA5000が安心と言う。そこで、上司にお願いして、JBL、サンスイのPRになるからと言うことで許可を貰った。勿論、運搬、据付までは社員を動員するわけにいかず、私が担当することにした。当日は、休日、18:30開演であったから、14時頃から搬入、セッティングをスタートした。4320は縦置きに2台を積み重ねで、L/Rで4台使うことにし、BA5000もブリッジ接続で、1200W、の2台で4320をドライブすることになった。4320は本来、レコーディング・モニター用であったから、SRに使うことはまずない。渚ゆう子の透き通ったボーカルがホールに満ちたとき、渚ゆう子はいいなあ!と思うと同時に、4320は何て素晴らしいと惚れ直してしまった。 私のこのお手伝いのお礼に渚ゆう子からのサイン入りのレコードをいただいた。それにしても、4320のパフォーマンスは今聴いても凄い。 オーディオ評論家では菅野沖彦さんが一時期、4320を自宅試聴室で使っていた。私が伺ったとき、菅野さんがご自身で録音した宮沢明子、名古屋フィルのピアノコンチェルトを聴かされた。私は4320に惚れていたので感激して聴いていた。菅野さんはそれほど4320にはご執心ではなかった。その次に伺ったときは、4320は設置されていなかった。 さて、どうして、4320は程なくしてレコーディング会社で使われなくなったか?それはJBL側にあったように思う。4320のあとに4325を発売して、レコーデイング現場をやや混乱させてしまった。その後、4333Aが出てきたりして、JBL内部で技術的に葛藤してたのではないかと思う。 4320の強いて言う物足りなさは、重低音の不足にあった。重低音を出そうとすると、振動系を重くしなければならない。そうすると、軽々とした中低域が薄れてきてしまう。 結局、JBLは重低音優先の道を選択した。4333Aのウーファはボイスコイルボビンにアルミリングウエイトをつけたのであった。(このことは、サンスイのSP100/200でやっていたし、SP150でも数グラムのリングウエイトを付加している。) このお話は、JBL4341につながっていく。 故、瀬川冬樹さんのお宅では、当時、日本に1台しかなかった4341をメインに使っていた。このサウンドを聴かせていただいて、それほど大きくないキャビネットに38cmウーファを入れて、よくまあこれだけの低音がでるなあ、さすがに使い方がうまいと感心したが、振動系を重くしたウーファを採用し、重くなった中低域を避ける意味で、ミッドバス・ユニット追加して、4WAY構成にしたことに秘密があったように思う。 しばらくして、JBLは4341をやや大きくした、後継機種4343を発売した。4343の用途は何であったのか?いまだによく分からない。4343はプレイバック・モニター用途と言うが、スタジオで4343を見たこともないし、使った話も聴かなかった。 瀬川さんはすぐ、4343に買い換えた。ちょうど自宅を新築されて、広い試聴室に置いてあった。パワーアンプはA級25Wのマークレビンソンをブリッジ接続で2台使っていた。さすがの瀬川さんも4343には苦労したと思う。まず、低音がゴロンとしたサウンドでまとまらない。これは水平使用出来るように、ウーファ位置がキャビネットの下端、ギリギリについていたので、低音が床に反射しておかしくなってしまうのであった。スピーカスタンドを使うと、響きが薄くなってしまう。瀬川さんがさんざんトライして、試聴室の長辺側に4343を設置して、壁との距離を微妙に調整して、ついに最適なサウンドバランスを獲得した。その苦闘記をオーディオ誌に切々と書いた。 その効果が大きかったせいもあろう。4343は高額であったにも関わらず、物凄い量で全国的に売れ始めた。4畳半に住む若者が4343を買って、寝るスペースを狭くして4343にかじりついて聴いている話は、営業からよく聞いた。とてもバランスの取れたサウンドではなかったであろうが、所有する喜びが大きかったのであろう。 そうそう、あまりにも4343が有名になったので、あやかって、HPのオーディオアナライザーのモデル名は4343にしたとの話を聞いたことがある。 4343を平行輸入した会社は大儲けをしたと言う話は本当であったらしい。サンスイの国内販売部門はJBLがないと赤字であったが、JBLのおかげで元気であった。 オーディオ誌各社の試聴室でのスピーカは4343で占められた。また、オーディオメーカーの試聴用スピーカは4343が多かった。さらに、部品会社にも4343が置いてあることが多かった。サンスイでは社内では1台使われていたが、アンプの音質決定には4343ではなく、ずっと4320であった。(私がサンスイを退いて、そして上司もサンスイを退いてから、B&W 803に代わったらしい) 私が聴いた中では、1990代、LUX社試聴室設置の4343は極めて反応の良いサウンドを発揮していて、後続のJBLエレベスト9500をはるかに凌駕していた。これは主に使っていた優秀エンジニアのO氏(後にブリッジオーディオを主宰)の使いこなし上手だと思う。 アルニコ・マグネットの枯渇、そして、フェライトマグネットの採用 1970年代、アフリカ、ザイール内戦が勃発して、コバルトの供給が極端に逼迫した。それ以前からアルニコマグネットの価格はじりじりと上がって、価格の安いフェライトへの移行がスピーカ各社進行していた。そんなわけで、TANNOY、ALTECなどのメーカーもフェライトマグネットに切り替えざるを得なくなってきた。 それでは、アルニコマグネットとフェライト系マグネットはどう違うのだろう。簡単に言うと、磁気抵抗が小さいのがアルニコ、大きいのがフェライトである。(ちなみに、最近、強力マグネット材料と言われているネオジウムもフェライト系の性質を示す。) 現在の学術レベルでも、スピーカにおいて、フェライトとアルニコとのサウンドの差異はうまく説明できていない。でも、オーディオに少し興味があれば、聴いてみれば、好みは別として、差異は指摘できるはずである。切れ味良く、ひずみ少なく聴こえるのがアルニコと言われているし、私もそう思う。 JBL技術陣は、アルニコマグネットの入手難、音質とのはざまで、ついにフェライトマグネットへの切換を決断する。切換えるからには、フェライトマグネットに最適な磁気回路があるべきと、研究・検討を重ねた結果、ついにSFGと称する新開発磁気回路を開発した。その主な特徴はポールピース、ヨーク形状を微妙に変更し、磁気回路によるひずみの改善を実現した。(近年、一部に電流ドライブアンプなるものが評価されているが、電流ドライブアンプを用いると、磁気回路によるボイスコイル電流ひずみが非常に改善(一桁以上)されるメリットがあると言われている。) JBLは次々と磁気回路をフェライトに切り替えていった。4343は4343Bとなった。JBL技術陣も相当、気になっていたと思われ、わざわざ都内のホテルで発表会を兼ねた技術講演会を開いたほどであった。 ちなみに、当時のサンスイスピーカはすべてフェライトに切り替わっていたし、他社も、YL、ゴトー、エール音響とかのホーンドライバーを作っている会社以外は切り替わったと言って良かった。 JBL技術陣の最大目的は、JBL4343の最大評価者である瀬川冬樹さんに納得してもらうことであった。ゲイリー・マルゴリスをチーフとする説得チームは、瀬川さん宅に夜間訪問して、瀬川さんお使いの4343のウーファユニットを外し、新型フェライトマグネット採用のユニットを取りつけて、瀬川さんに聴いて貰った。そのトライアルは深夜にも及び、瀬川さんはOKを出した。彼等はほっとしたことであろう。 でも、サウンドが変わったことは否定できなかった。フェライトマグネットを採用した4343Bは売れには売れたが、以前よりも売れなくなってきたのは仕方がないように思えた。 そうなると、JBLにとって4343は売上に大きな部分を占めるから、このままで良いはずはなかった。彼等はそれならば、フェライトマグネットを採用することによってユニットコストが下がるから、コストダウンした4343を作ろうということになった。 それは仮称4343CLASSICと呼んでいた機種であった。これなら定価は¥10万以上安くできそうであった。それが、4344であった。 一方、ホーン・ドライバのフェライト化も進めざるを得なかった。これはユーザであった評論家Oさんにテストして貰い、OKをいただいたが、後になって元のアルニコに戻されて、今なお健在に動作している。 このころになって、JBLは買収されたシドニー・ハーマン(元、商務長官)の影響が大きくなってきていた。また、サンスイのほうも、アルニコからフェライトに移行して思うように売れなくなってきて、友好関係が少しほころんできたような状況でもあった。 そして、ついにハーマンはすでに設立済みの日本法人、ハーマン・インターナショナルに販売権を移行することを決定、サンスイに通告した。 サンスイは、くるべきものが来たということであったが、非常な痛手であった。具体的には、社内のJBL販売課のスタッフの落胆ぶりは深刻であった。 過半数のスタッフはハーマンインターナショナルに転職したかたちでサンスイを去ることになってしまった。それ以降のJBLの動きは私が説明することもなく、JBLに関する書籍を読めば詳細に述べられている。ハーマン・インターナショナルに移った男たちも定年を迎える年齢になった。世は無常なりの言葉をかみ締めたい。 以上の文章のなかで私は渦中の当事者ではなかったので、憶測、間違いもあるかも知れないが、オーディオファンとして、JBLファンとして、書いたつもりである。 JBLは、今なお有力なスピーカブランドであることには間違いないが、ともすれば、ヨーロッパ勢の攻勢を受けている感がある。攻勢とは、技術的には、音場研究とかユニット開発において、他社はJBLとは異なった道を歩んで、異なったすばらしさを発揮しているような気がする。 次回は、またアンプ開発の話に戻りながら、オーディオ評論とその流れ、影響について記してみたい。ここまで読んでいただき、感謝に耐えません。 https://www.ishinolab.com/modules/doc_serial/audio_history_japan/serial001_040.html
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- モニタースピーカーの堕落- https://procable.jp/setting/07.html ■モニタースピーカーは、いつのまにやら、堕落してしまいました。
優れたモニタースピーカーが製造されなくなって、その代わりが出来るほどの優秀なモニタースピーカーが、その後、たったの一つも出てこなかったというのが、その原因です。 1950年代から60年代の、マイルス・デイビスの時代までさかのぼってみます。マイルス・デイビスやジョン・コルトレーンが、レコーディング・スタジオでプレイバックされる音を聞いていた、そのモニタースピーカーは、アルテック(altec)612A(通称、銀箱)です。38センチ口径の604という型番のアルテックの同軸ユニットが入ったモニタースピーカーです。その612Aモニタースピーカーを設計開発したチームの中には、誰もが知る人物がいました。当時、アルテック(altec)社に勤めていた、JBLさん、James B.Lancingさんです。 アルテック社は、WE社、つまり、ウェスタン・エレクトリック社の技術部門が独立して出来たメーカーです。アルテック社内で往年のウェスタンエレクトリックの技術を勉強したJBLさんが、その後アルテック社を退職してから作ったメーカーがJBL社ですが、この話は本論からはずれます。 アルテックのチームとその一員だったJBLさんは、そのとき一点の曇りもない、完璧なスタジオモニタースピーカーを設計することに成功しました。それが、アルテック612Aという604という型番のユニットの入ったモニタースピーカーです。604ユニットは、38センチ口径です。モニタースピーカーには、38センチ口径のユニットが必要不可欠であったということです。 38センチというと、低音を思い浮かべるかたが多いと思います。それは大きな間違いであって、当時のモニタースピーカー用途の38センチという口径のユニットは、中域をしっかり出して、「生音と等身大の音」を出し、間違いのないミックスダウンをするためのモニタースピーカー、つまりそれが、38センチ口径のモニタースピーカーです。勿論、低周波も出す能力もありますので、低域以下の低周波数帯域のミックスダウンにも失敗はあり得ませんが、中域はそれ以上に重要です。中域再生のため、ウーファー部は1500ヘルツ、ボーカル帯域までをも、しっかり出す能力を持っています。 上記のアルテック612Aスタジオモニタースピーカー(銀箱)は、1940年代から使われはじめ、その後長年に渡って米国スタジオの標準となり、その後、日本国内も、それに習って、アルテック612A(銀箱)が標準となりました。米国のジャズのほとんど、その後のロックなども、アルテック612A(銀箱)をモニタースピーカーにしており、それが基準です。1970年代頃までは、米国では、それが続いていたものと思われます。 日本の音楽の黎明期は、それよりずっと遅れてスタートしています。アルテック612Aとそのユニット604のモニタースピーカーが標準になったのは、1960年代後半くらいからでしょうか。604Eか、604-8Gユニットくらいの時代からでしょう。アルテック612Aモニタースピーカーが使われていたのは、1980年代くらいまででしょう。 実は今でもマスタリングスタジオが使っているモニタースピーカーは、アルテック604ユニットであったりします。最終的には、今でもアルテック604をモニタースピーカーにして音を聞いて、マスターを作る段階で、スタジオの間違ったミックスを修正しているというのは、本当のことです。これはマスタリングスタジオにもよるものと思われますが、東京四ツ谷にある、多くのレコード会社が信頼しているマスタリングスタジオは、今もアルテック604がモニタースピーカーに入っていると、そのオーナーさんと仲の良いエンジニアのかたから聞いています。 その後のスタジオモニタースピーカーは、おそらくJBLに移行したものと思われます。別のメーカーも入っていたのかもしれませんが、そのあたりは、詳しくありません。 重要なことは、メインモニタースピーカーの信頼性が、アルテック612Aに比較して、低くなっていったのと併行して、YAMAHA NS10Mがスタジオに入っていったということです。当時、「ラジカセ」というものが、非常に多く使われるようになり、非常に多くの若者はじめ米国国民がラジカセで音楽を聴くようになっていました。NS10Mの役割は、当時、二つありました。 ■YAMAHA NS10Mがモニタースピーカーとして使われた本当の理由 1)ラジカセで聞く人たちがいかなる音で聞くのかを、チェックするためです。 つまり、ラジカセの代表、それに近いものとして、割と素直な性質のYAMAHA NS10Mが、それ専用のモニタースピーカーとして選ばれたということです。これがNS10Mがスタジオに入っていった最たる理由です。 2)おおざっぱな音決めのためです。 卓の上に置いて、至近距離でミックスダウンするわけですから、今では二亜フィールドのモニタースピーカーと言われている、この手の使い方は、使いやすいのです。おおざっぱな定位などを最初に決めるため、NS10Mは「簡・易・的・な」モニタースピーカーとして使われました。もちろんNS10Mくらいのモニタースピーカーでは、信頼性が全くありませんので、最後には、ラージモニタースピーカー、ミドルモニタースピーカーなど、いろいろな種類のモニタースピーカーで検証して、音決めしていたものと思われます。 このあたりの時代で、モニタースピーカーを取り巻く環境が、すでに何かがおかしくなってきていることが分かります。というのは、1959年のマイルスやコルトレーンのジャズが、つまり、アルテック612Aモニタースピーカーでミックスダウンされた完璧な録音が、ラジカセでしっかり鳴らないなどということは、あり得ないことだからです。それが鳴らないのであれば、それはラジカセメーカーの責任なのですから、そんなことを、NS10Mなどをモニタースピーカーにしてまでチェックしていること自体、時間の無駄でしかなかったはずです。 モニタースピーカーの品質が落ちていき、メインモニタースピーカーを全面的に信頼できなくなってきていたからこそ、無意味なことでも、せざるを得なかったと言えます。 その後、さらにメインモニタースピーカーの信頼性は、時代とともに低くなっていき、ミドルモニタースピーカーにもろくなものがなくなってしまいました。というより、ミドルサイズには、最初からろくなモニタースピーカーは、一つたりとも、歴史上、登場していないのが実態です。 そして現代に至って、YAMAHA NS10Mだけが、無惨にもスタジオに取り残されてしまいました。役に立というが立つまいが、取り残されてしまった。だからNS10Mなどが(民生用のスピーカーに過ぎないものが)、モニタースピーカーなどと呼ばれていたのです。 ■ミックスダウンの課程 自宅録音のかたも、プロのかたも、NS10Mをモニタースピーカーにしてのミックスダウン時には、次の課程を経ているはずです。 1)非常に録音の良い、優れたミックスダウンのイメージ、数枚のリファレンスCDの音が、頭の中にあります。理想とする録音です。それはおそらく数枚のCDでしょう。 2)そのリファレンスCDの音に近くなるように、モニタースピーカーの音を「目を凝らすように神経質に聞いて」、ミックスダウンしていきます。 3)プレイバックして、何度も聞き直し、良く分からなくなった時には、リファレンスCDを、そこでプレイバックしてみて、1枚で分からなければ、二枚のCDをプレイバックしてみて、ボロであろうがなかろうが、とにかくそこにあるモニタースピーカーを通して、どこがそれと違うのかを確認して、リファレンスCDの音に、時間をかけて似せていきます。 上記の方法を、NS10Mをモニタースピーカーに使う場合のミックスダウン時には、100%の確率で、取られていることと思います。頭の中は、音の足し算と引き算で埋め尽くされているはずで、そこにエネルギーの大半が吸い取られていきます。 その作業をしていること、しなければならないことこそ、そのモニタースピーカーが信頼できない品質のものである証拠です。 優れた本物のラージモニタースピーカーは、聞いた通りの音に録音されます。最も音楽が素晴らしく聞こえるようになる、まさにそのポイントに向かって録音するだけで、リファレンスの必要などありません。モニタースピーカーで聞いた通りの音が、マスターに刻まれていくからに他なりません。 また、NS10Mのように、爆音でミックスダウンする必要もありません。普通の音でプレイバックしたときにこそ、生音に近い等身大の音が出てきますから、全く無理がありません。等身大の生音という概念は、ミックスダウンには、非常に重要です。モニタースピーカーから「生音」が出ていれば、それイコール、完全に信用できるという、誰にでも分かる非常に単純なことです。ということは、NS10Mくらいのものではモニタースピーカーとは言えないということです。 そこにある音、人の存在、又は楽器の存在、音楽全体の存在が、よりいっそう気持ち悪いほどに生々しくなるように、さらに音楽が最も魅力的になるように、イコライジングしながらミックスダウンしていくだけです。 そして、その通りの生々しい信号が、マスターに刻まれていきます。それを再現しきれるオーディオ装置の有無などは、関係のないことで、間違いのないミックスダウンこそが最重要です。プロはどなたも最良のミックスダウンを望んでおられます。 ミックスダウン時の失敗や後悔、あそこはこうしておいたほうが良かったかな、というような、あとから来る迷いも、優れたモニタースピーカーさえあれば、一カ所もあり得ないミックスダウンになるであろうことは、プロのレコーディングエンジニアのかたならば、即座に理解されますでしょうし、作業が非常に早く、まったく合理的であることも、理解されますでしょう。 優れたラージモニタースピーカーが、早く出現することを願って止みません。プロのレコーディングエンジニアのかたは、集中力、気力等、並はずれて非常に優秀なかたがたばかりなのですが(今まで出会ってきたプロのかたは例外なくそうでした)、いかんせん、モニタースピーカーの環境が悪すぎます。一億五千万円もするニーブやスチューダーの卓(ミキサー)に、YAMAHA NS10Mしか接続されていないなどということは、異常事態です。 例えスタジオの経営側が、ラージモニタースピーカーは、これこれの46センチウーファーのものを壁に埋め込んで、背後からの反射をも防いでいる、これは米国のどこそこのメジャースタジオと同じであるなどと宣伝していたところで、レコーディングエンジニアのかたがた本人が、それらを全く信用できないものとして見限っており、全くあてにもせず、気分転換にしか使われていないようなことでは、それらは、ろくなモニタースピーカーではなく、使い慣れたNS10Mのほうがまだましだということで、今もNS10Mだけがスタジオに取り残されているのです。 ■結論 「多くの人がラジカセだから、それにミックスダウンの音を合わせておこう。」又は、「多くの若者がiPODでイヤフォンで聞いているから、それに合わせてミックスダウンの音を合わせておこう。」 それは、非常に問題のある、「ムダ」、「ムラ」、「ムリ」、トヨタ生産方式で言えば、仕事の三大悪であり、絶対に許されない考え方です。 真のプロフェッショナルのかたは、今まで書いたことから、すでに理解されていることと思います。そのような考え方は、二流の考え方です。 プロフェッショナルは、責任を持って、徹底的に正確な信号をマスターに刻み込むこと、それが最高の仕事であり、最高の結果を生みます。 皆が使う音源、風潮に合わせるなどということは、どうでも良いことです。プロのかたは、100年後にも、その音源が最高の音源であって欲しいはずです。 そのときに使われているものがラジカセなのかiPodなのか、そんなことは分かりません。完璧なフラットが出るものを誰もが使う時代が来ているのかもしれません。そのような時代は来ていないかもしれませんが、そんなことはどうでも良いことです。 最高の録音を再現できないとしたら、それはラジカセ側の責任であい、iPod側の責任、未来の再生機材の責任であるということです。 レコード会社側の、二流の考え方に、プロのかたは妥協してはなりません。それでは二流の録音しかできません。 ■さらに、上記の二流録音がもたらす結論を明確にしておきます。 徹底的に正確な信号を録音した一流の音源があるとします。かたや、iPodやラジカセに合わせた録音があるとします。両者をiPod、ラジカセで聞くとします。いづれが良い録音に聞こえるかは、明白なことです。 誰が聞いても前者を選びます。 これで、十分でしょう。 ■注意点 アルテック612A(銀箱)というモニタースピーカーの名前、アルテック604ユニットというモニタースピーカー用のユニットの名前を出さざるを得ませんでした。素人のかた、オーディオのかたは、WEのフィールドスピーカーと同様、これにも近寄らないでください。これによって、いかに多くの熟練したオーディオマニアのかたが泥沼に陥ってしまわれたことか、それはまさしく吸血鬼のごとしです。一生涯かけてもセッティングできないかもしれない、非常に危険なプロの道具です。 セッティングしきれるのはプロだけと想像します。アルテック612Aというモニタースピーカーは、セッティングしきってこそ、はじめて上記のような、聞いた通りの録音がしていけるものであり、セッティングが不完全ですとかえって混乱してしまうことになります。あまりにも正確に信号を増幅してくるからこそ、一個のXLRプラグ、一本のケーブル、一個の電源プラグ、アンプ、卓などの選択ミス等、一つも許されません。もろにその間違いを出してきますので、その原因はプロのかたにしか皆目分からないはずですし、オーディオ用のプリアンプやパワーアンプくらいのものでは、とうてい鳴るものではありません。したがって、アルテック612A(銀箱)の本当の音、本当の能力は、オーディオ界では、オーナーであれオーディオ店であれ、ただの一人も知らないはずです。 趣味に使うには、あまりにも過酷で、かつ、デリケート過ぎる、本物中の本物のモニタースピーカーなのです。 オーディオは、プロのレコーディングとは違います。趣味です。趣味として割り切って、誰にでもお勧めできるモニタースピーカーは、能率90dBから93dBほどの、30センチか、38センチのウーファーのPA用スピーカーです。(EV(エレクトロボイス)のTX1152レベルになりますと、性能も高く信頼性も高いPA用スピーカーが、モニタースピーカーとして使える最高のものになります。) 低域のチェックには、38センチウーファーのスピーカーが必要不可欠なのですが、TX1152は、38センチウーファーものです。あら探しには、現代の小型のスモールスピーカーが必要です。それは、プロのスタジオさんなどに、どれがいいかを聞いて下さい。 アルテックは、A7、又はA5のほうが、よほどに安全な部類のものですが、アルテックA7にしたところで、過酷なことになるのは当然だという認識と覚悟がいります。これらもモニタースピーカーとして使えないことはありませんが、EV(エレクトロボイス)SX300や、TX1152などに比べますとモニタースピーカーとしては、クロスオーバー周波数の問題を抱えていますから、モニタースピーカーとしては、電源を良くした場合には、音の焦点の調整が難しいですから、非常に使いにくいです。アルテックA7につきましては、スピーカーの能率という項目でも、触れています。 プロケーブル注:)現代のモニタースピーカーにつきまして(2014/12/29記述)
★現代は、デジタルレコーディング全盛の時代になりました。そして、アナログ時代より音 が良いのではないかというほどのデジタルレコーディングすら可能になってまいりました。 それとともに、モニタースピーカーの環境も、やっと変わってきましたので、追加して、修 正すべきところは、修正します。先の記述と合わせて読まれますと、「モニタースピーカー」 の役割というものが、より理解出来るだろうと考えております。 ラジカセの全盛期の頃のスモールモニターというのは、ラジカセの音をスタジオで確認する 為のものであった事は、前述した通りです。 しかし、現代のスモールモニターは、用途が全く違ってきています。現代のラージモニター では、優れたものも出て来ております(目から火が出るほど高額ですが)が、そのような 高額なものを買うまでもなく、用途は同じなのですから、EVのTX1152を、低域専用のモニ タースピーカーにしたほうが十二分どころか、そちらのほうが用途に向いているくらいです。 しかし、TX1152も含めまして、それらのラージモニターで音楽を聞きますと、どれもこれも、 欠点が隠れて、良く聞こえてしまうという、ラージモニターは、ほぼ例外なく、モニターと しては致命的な欠陥も、同時に持っています。スモールモニターも、プロが使えるレベルの ものとなりますと、非常に高額です。 信頼性の高い、「パワードモニター」ですと、安いものでも、16センチウーファーもので、 一個7万円、二個で、14万円から、15万円します。これで一番安価なものです。が、安 価でも非常に高性能です。 それらの役割は以前の小型モニタースピーカーとは全く違っており、しかも、皆さんに縁の あるオーディオ用のものとは種類が全く違うものですので、決してオーディオ用のスピーカー をモニタースピーカーとしては、使わないで下さい。 (気を付けて下さい!!、オーディオ用と私が書いているスピーカーというのは、JBL のモニタースピーカーという名前で売っているもの、一つ残らず、全てを含みます。 B&Wもそうです。 それらは、単なるオーディオ用に過ぎません。モニターとウソをついているのは、 より多く、販売したいだけの事です。) 何というおそろしいことを彼らはしているのでしょうか! さて、話題を元に戻します。現代の、本物の、小型のモニタースピーカー(パワードモニター)、 それらは、現代のデジタルレコーディングの「あら探し」に向いているものになります。 勿論、セッティングはきちんと出しておかなくてはなりません。完璧なフラットでないと、 意味が無いのです。 そうしますと、それらのモニタースピーカー(パワードモニター)は、あらを探すのに、適切 なものへと変貌します。そして、よりフラットなレコーディングが可能になるのです。 ★このあたり、10Mの時代とは、全く意味が違ってきていますので、注意してください。 そして、超低域だけは、ラージモニターで確認するという、いわば、分担作業です。そうい う方向へと、レコーディング環境も変化してきております。 あら探しも出来て、超低域の確認も同時に出来る38センチもののウーファーを備えたものが 現代にもあれば一番いいのですが、その種のものは、残念ながら、一本だけで、200万円 前後もします。二本で、消費税も込みで、ざっと400万円でしょう。その価格帯のもので は、採算の取れるプロのスタジオしか導入出来ないでしょう。 最大注意事項:)パワードモニター(アンプ内蔵のモニタースピーカー) が、おそらく、共通して持っている特徴につきまして。
現代のモニタースピーカー(パワードモニター)は、あら探しに向いていると書きました。そ れは、壁コンセントに来ている、通常100Vで接続しておいて、おおむね、フラットにセッティ ング出来た場合です。 現代のスモールモニタースピーカーの9割までが、アンプ内蔵型、つまりは、パワードモニター と呼ばれるものであり、音の焦点のセッティングは、一見不可能に見えます。 ただ、抜け道があります。それらのスピーカーを使われる時には、他の 機材には、ダウントランスやダウン&アイソレーションなど、優れた電 源を出来るだけ使っておいて、パワードモニターだけを、壁コンセント に来ている、通常100Vから取ってあげて下さい。 それで、最善の録音環境が整うと思います。 が、おおむね!、おおむねではありますが、どのみちミックスダウンやマスタリングの作業 というのは、メジャーレコード会社(ソニーミュージックや、エイベックスや、ヤマハなど) の仕事を請け負っているレベルのプロのエンジニアの力を借りなくては、うまくいく筈が無 いほど、レベルの高い作業です。
ただレコーディングエンジニアというだけではダメです。現役で、ソニーやエイベックスなど の、メジャーレコード会社の仕事を請け負っているレベルのエンジニアか、専門の会社でない と、依頼しても満足するものは出来上がりません。 さてその際、出来るだけプロのエンジニアに任せる以前の段階で、優れた音源を作っておい たほうがいいのは、言うまでもありません。そのほうが、短い時間で、音楽が完成する、す なわち、コストが安くつくのです。 そして、音の濃さ、デジタルの濃さというのは、自宅でレコーディン グする時にこそ、決まってしまうのです。 その時には、200Vからの、又はアイソレーション系の、良い電源を使 い、デジタルロスを最小限にしなければ、音を濃くするチャンスは、 いくらプロにその後任せても、もうやって来ないのです。 さらには、意外にも、プロのエンジニアは、音の濃さには全く無関心 なケースが多いのです。ミックスダウン、マスタリングにおいてはプロ ですが、音の濃さや、音の焦点については、素人さんなんです。 ということは、絶対に(絶対に!!)、録音ルートだけは、パワード モニターを使ったとしても(パワードモニターは壁コンセントの100V から取ってください)、他の録音機材全て(録音ルート)には、200V からのダウン&アイソレーション級の、非常に良い電源を使ってあげ て下さい。 つまり、ラージもスモールも、最善の「濃い音」の録音には、 「録音ルート」だけは、必ず最善の電源を使って下さい、とい うことです。 注:)パワードモニターの場合には、モニタールートには、そこまで良い電源を使ってはいけ ません。録音結果の音の濃さには、関係の無い部分でもあります。
録音ルートと、モニタールート、この違いは、素人さんでも理解出来る筈の事ですので、決し て混同しないで下さい。そして、理論を、理解してください。この程度の事が理解出来ないの であれば、自宅レコーディングは最初から無理です。 モニターしている音が薄いからといって、録音されている音が薄いとは限らないでしょう。こ の基本だけは、必ず理解してください。そして、あら探しの出来るパワードモニターを使って 下さい。 ダウン&アイソレーション級の電源は、あくまでも、録音ルート、そして、モニタールートに は、通常100V。それで、完璧です。音も非常に濃い音で録音されます。 でないと音の焦点が、キンキンになってしまって、せっかくの良質なパワードモニターが、使 えなくなります。 ★その際、モニタールートへの電源は、何でもいい、というよりは、 壁コンセントから取った100Vのほうが、パワードモニターには向い ている、と、しておきます。
パワードモニターは、アンプ内蔵です。要するに、わざと、内蔵アン プには、100V電源を、送ってやって、音の焦点が普通になるように、 取りはからって下さい、ということです。 そうするだけで、音の焦点が一発で決まりますし、音源が濃いので、 モニター環境に狂いが生じる事もあり得ません。目的が録音だから、 これは成立することです。 オーディオの場合には、すべての電源を、ダウン&アイソレーション から取るのが理想ですが、これはレコーディングです。 オーディオとレコーディングは別物です。ただし、録音ルートは、 何度も書きますが、デジタルが欠落してはいけませんので、すべて、 ダウン&アイソレーション級の電源から取ってあげてください。 ★要点をまとめます。
自宅録音のかたは注意してください。本当に良いレコーディングをしようと思っ たら・・・、 最後は凄くハイレベルなプロの力が必要であるということと、モニター スピーカーには、プロ用、つまり、あら探しに向いている、プロ用のパワードモニターを、 壁コンセントの通常100Vから取っていただくということ、他の機材は、予算が許す限り、 最高の電源(理想は、200Vのダウン&アイソレーション級のトランスなど)から電気を取 るということ、そのあたりが、濃密な音で録音出来て、さらには、モニターで躓かないコツ です。 そして間違ってもオーディオ用のスピーカーだけは、モニター用として 使ってはならないことだけは、しっかりと、記憶しておいて下さい。 特に、JBL や、B&W などのモニター(と名乗っているスピーカー) では、全くダメですので、その点は注意してください。 現代の本物のプロ用のパワードモニターは、非常にマニアック なものです。 プロケーブル注:)ただし、これは録音用、マスタリング用ですので、 オーディオのかたが入手しても、つまらない音だと思うだけでしょう。 オーディオのかたは、安易に、入手しないで下さい。 https://procable.jp/setting/07.html
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