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日銀の金融緩和はアメリカの出口戦略に協力していただけだった
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/369.html
投稿者 中川隆 日時 2019 年 4 月 23 日 12:10:14: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 本当かな? リーマン危機から10年、膨らみ続ける世界の借金の先に見える崩壊の危機 投稿者 中川隆 日時 2019 年 4 月 23 日 08:41:44)


日銀の金融緩和はアメリカの出口戦略に協力していただけだった


今の日本ですが、出口戦略が何処にも無いのですよ、
すってんてんの丸裸になるまで止めるとの何かの手段が一切ない。

賭博と同じで戦争と言うのは始めるのは簡単だが、止める決断が難しい。

ましてや負けているとなおさら止められないのです。

ボロ負け状態だと、(止めると損害が確定するので)もっと止められない。


▲△▽▼

日銀の「総括検証」の意味 2016年9月22日

日銀ももうこれ以上金融緩和を続けてアメリカにお金を流せなくなってしまった


リーマン危機以降、世界の株価と不動産価格は、中国のように当局が強く関与する「政治的」な相場になっています。

日本では、日銀や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、郵貯・かんぽによる、直接的な株買いがありあます。これらが「政治的」と言う所以です。

安倍首相は 2012年10月から数十兆円の「円売り・ドル買い」で、$1=80円の円高を120円付近にまで下げたのです。

資金残高129兆円(16年3月)の年金基金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立法人)は、事実上わが国のSWS(国家ファンド)です。ノルウェーの$5775億(57兆円)の2.2倍の規模で、1位の米国社会保障年金信託基金に次ぐものです。

2014年10月には、運用の基本ポートフォリオ(分散投資)で、国内株式と外国株式の構成比を、ともに25%へと倍増しています。

外国債券も15%に増やしたのです。外国証券と言っても、90%は米国のものでしょう。

GPIF は株式で約15兆円、米国債で10兆円の買いを行っているのです。
両方で、25兆円のドル買い、つまり米国への資金供与です。


2012年10月に、民主党の自滅から安倍政権が確実になって以降、50兆円くらいのジャパンマネーが米国に行っています。

(注)ドル買の超過分、日本の資金を米国に与えることと等しい

政府の円安誘導の方法は、政府が動かせる資金での、市場に買い主体を公開しないドル買いです。

$1=80円から120円(2016年2月まで)の円安の時期までに、50兆円の円安誘導が行われています。
http://www.mag2.com/p/money/23106/4
http://www.mag2.com/p/money/23106/5

日本政府が財政出動するか消費税を下げれば 2%のインフレ位すぐに達成できるけど、そうすると日本の金はすべて国内投資に使われてアメリカには流れなくなってしまうからね


アメリカ株が今までずっと上がって来たのはすべて日本からの資金が原因

実質実効為替レートでは80円以下が適正価格のドル円が125円の円安になっていたのは GPIFが日本の円をドルに変えてアメリカ株を買っていたから


日銀と財務省が消費税上げに拘っていたのは

消費税を上げないと日本の金はすべて国内投資に使われてアメリカには流れなくなってしまうから


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最後の年金資金までつぎ込むアベノミクスの狂乱バブル相場 2015年06月04日

週明けの6月1日、日経平均は12連騰し、時価総額(東証1部)は初の600兆円超えとなった。

株高頼みのアベノミクスは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日銀など公的マネーを総動員して“見せかけの株高”をつくり出した。

この歪み切った官製相場によって、時価総額は安倍政権がスタートした12年12月の約290兆円から、わずか2年半足らずで倍増したのだ。

『非公開の年金積立金の運用実体』

二年半も続く日銀による異次元の金融緩和にともなう株式の官製バブル相場であるが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は組織トップの理事長一人の専決処分でアメリカのファンドに一切の運用を委ね経産省からも非民主的方法を批判され改善を求められいる。

厚生年金保険や国民年金など約130兆円の公的年金の積立金を管理運用しているGPIFの会計ですが、『運用委員会議事録作成及び公表要領にもとづき、7年を経過した後公開予定である』と事実上非公開扱いになっている。(130兆円もの大金だが博打につぎ込めば到底7年も持たない)

フクシマの5年前(2006年)にアメリカの原発メーカーのWH(ウエスチング・ハウス)を買収した東芝は粉飾決算が発覚して倒産寸前に追い込まれるが、アメリカに騙されて『ババ抜きのババ』を掴まされた。

その上場廃止寸前のゾンビ企業東芝を、米大手投資会社「ブラックロック」が株を買い占めて、東芝の株価暴落を食い止めている。

倒産企業の株の買い支えという到底勝ち目の無い無謀極まる大博打の原因は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国内株式の運用を委託しているのが『外人』のブラックロックだった。

破綻して当然の企業を日本国政府が『外人』の隠れ蓑を使って、公的資金で無理やり延命させている構図なのである。

『ハゲタカファンドと自民党(日本政府)のグロテスクな二人三脚(メルトダウン)』

ブラックロックは、2004年に郵便貯金と簡易生命保険の投資顧問会社となっている。

4月21日付けロイター通信によると2009年12月から5年4カ月もの長期間日本のゆうちょ銀社長として君臨した井澤吉幸氏が5月18日付でブラックロック代表取締役会長に就任(天下り?横滑り?鞍替え?大出世?)すると発表している。

(松下政経塾1期生でブラックロック代表取締役社長である出川昌人は4月30日付で退任する)

日本人が誰も知らない間に、日本の財布ともいえる『郵貯』がメルトダウンして、ブラックロックと融合していたのである。

典型的な『外人投資家』(ハゲタカファンド)であるブラックロックですが、なんと、あの『郵政改革』が旗印の小泉純一郎首相以降の自民党(政府)と一体化して、日本人のおカネを、外人が勝手にギャンブルに流用している極限の腐敗体制が出来上がっていたのである。

『日本の「異次元の金融緩和」(アベノミクス)とは、アメリカFRBの金融緩和の尻拭い(QE4)だった』

2007年のアメリカのサブプライムローンの破綻とそれに続く2008年のリーマンショックにより世界的な信用不安の発生から、世界規模で金融収縮が起こり、世界の資本主義経済は未曾有の大混乱に陥った。

アメリカが誇った新自由主義経済の最新理論と高等数学を使った金融工学なるものは、実はサラ金とネズミ講が合体したような代物であり、最初は少し儲かるが最後にはほぼ全員大損すると言う国家ぐるみの詐欺だったのである。

この世界的信用不安の後始末を任されたのが『チェンジ』のスローガンのオバマ大統領であるが、資本主義の全般的危機は深刻である。

目玉政策だった公的健康保険の導入はティーパーティなどの草の根宗教右派の反対で骨抜きにされ、戦争経済からの脱却にはマケイン上院軍事委員長など軍産複合体からの猛烈な巻き返しで、抜き差しならない苦境に陥っている。

ドルの発券銀行であるFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)は輪転機をグルグル回す『金融緩和』(QE)を断続的に実施して市場に大量のドルを溢れさせるが、株価の上昇(バーチャル経済)には繋がるが、一向に景気や雇用(リアルな経済)が回復しない。

ところがQEを止めると折角回復した株価が暴落し、世界規模の不況(世界恐慌)の心配があり副作用を承知で続けていたが、とうとうQE3で限界に来て止めてしまう。その後始末を任されたのがアベノミクスの『異次元の金融緩和』だったのである。

世界の基軸通貨のドルの発券銀行であるアメリカのFRBと日本銀行では基礎体力が桁違いであるが、何故か行っている『金融緩和』の規模が同じだった原因とは、そもそも日本のアベノミクスとは『QE4』(擬装されたQE3の続き)のことだったので、規模が同一になるし、実施時期も2012年12月とアメリカのQE3の終了とピッタリ同一だったのである。

輪転機をフル回転させ紙幣を大増刷するアメリカ(FRB)のQEも、その劣化コピーである日本のアベノミクスも、目的は単に株価を吊り上げてプラシーボ効果で見かけ上だけ景気が回復している風に世間を欺くことだったのである。

(偽薬でも麻薬でも何でも良いから、とにかく景気回復を印象付けるのが目的だったが、今は長く続け過ぎた結果猛烈な副作用で薬物中毒の状態に陥っている)


『生みの親の浜田宏一の「アベノミクスはネズミ講」との驚愕の爆弾発言』

半年前の2014年11月18日、GDPマイナス成長が発表されるや安倍晋三首相による解散、12月14日の総選挙が唐突に発表される。

GDPショックによる唐突な意味不明な解散劇と同じ日付で、アベノミクスの生みの親で安倍晋三首相の経済ブレーンでもある浜田宏一エール大学名誉教授の『アベノミクスはネズミ講だった』とのロイター通信の英文記事が世界中に配信されている。

このロイター記事の浜田教授の『ネズミ講』の部分はズバリPonzi schemeとなっており、丸々『出資金詐欺』である。

生みの親の浜田宏一が世界に向けて『アベノミクスはネズミ講』との、身も蓋もないぶっちゃけ話を行ったのですから、本来ならこの時点で完全に安倍自民党は『終わっている』。

ネズミ講では短期間では儲かったと思わせることが出来るが長期間、持続的には原理的に成り立たない。

続ければ続けるほど最後には全員が大損する。

そもそもが議論の余地が無い悪質な金融詐欺(犯罪行為)なのである。
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/170658f48c3c90557ffd59aa63e815f8

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リーマン危機以降、世界の株価と不動産価格は、中国のように当局が強く関与する「政治的」な相場になっています。

日本では、日銀や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、郵貯・かんぽによる、直接的な株買いがありあます。これらが「政治的」と言う所以です。

安倍首相は 2012年10月から数十兆円の「円売り・ドル買い」で、$1=80円の円高を120円付近にまで下げたのです。

資金残高129兆円(16年3月)の年金基金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立法人)は、事実上わが国のSWS(国家ファンド)です。ノルウェーの$5775億(57兆円)の2.2倍の規模で、1位の米国社会保障年金信託基金に次ぐものです。

2014年10月には、運用の基本ポートフォリオ(分散投資)で、国内株式と外国株式の構成比を、ともに25%へと倍増しています。

外国債券も15%に増やしたのです。外国証券と言っても、90%は米国のものでしょう。

GPIF は株式で約15兆円、米国債で10兆円の買いを行っているのです。
両方で、25兆円のドル買い、つまり米国への資金供与です。


2012年10月に、民主党の自滅から安倍政権が確実になって以降、50兆円くらいのジャパンマネーが米国に行っています。

(注)ドル買の超過分、日本の資金を米国に与えることと等しい

政府の円安誘導の方法は、政府が動かせる資金での、市場に買い主体を公開しないドル買いです。

$1=80円から120円(2016年2月まで)の円安の時期までに、50兆円の円安誘導が行われています。
http://www.mag2.com/p/money/23106/4


米国の経常収支赤字は年54兆円規模

米国の経常収支は、年$5400億(54兆円)の赤字を続けています。

リーマン危機前の$8000億(2006年)に比べれば、2009年から半減しましたが、2016年から再び増加傾向です。


米国の赤字は、経常収支の黒字(資金流入になる)が大きい中国と日本が、合計で1年に$5400億(54兆円)規模のドル買いをすべきことを示します。
http://www.mag2.com/p/money/23106/5

日銀の追加緩和を決めるのは誰? 闇株新聞 2016年01月27日


日銀の政策決定会合における金融政策は、日銀総裁・副総裁(3名)に6名の審議委員を加えた9名の多数決で決定されることになっています。

ところが審議委員のうち2名が学者枠(元官僚を含む)で総裁・副総裁に絶対に反対しないため(そもそも反対しそうな学者は審議委員に任命されません)、常に過半数の5名は確保されている「出来レース」でしかありません。


 それでは「絶対に可決される金融政策案」はいったい誰が考えるのでしょう?

一応、日銀は国会や政府や官邸から独立していることになっているので、黒田総裁と岩田・中曽副総裁が「各位」の意向を忖度(そんたく)して事務局とすり合わせ(理屈を後付けで考えて)作成しているはずです。

 それではこの意向を忖度すべき「各位」とは誰(どこ)のことなのでしょう?

 これは歴史的に変遷しており、過去には例えば三重野総裁時代(1989年〜1994年)のように「総裁の鶴の一声」で決まっていた時期もあったようですが、現在の黒田体制では

「 1が旧大蔵省、2が米財務省、あとはなし」

のはずです。

 したがって黒田総裁の就任以来の金融政策は、「異次元」量的緩和と「もっと異次元になった」量的緩和しかありませんが、すべて旧大蔵省の意向であり、具体的には消費税を10%にすることと、日銀を財政ファイナンスンするための巨大な財布にすることでしかなかったはずです。

 2 の米財務省は、もともと旧大蔵省のカウンターパーティーであり、米財務省の意向を旧大蔵省が自らの省益(日本の国益ではありません)に照らし合わせて(巧みに脚色して)受け入れるものです。

拒否することはなく、2001年〜2006年の量的緩和と、2014年10月の追加量的緩和は米財務省の意向だったと考えます。


米財務省は普通であれば米国政府(ホワイトハウス)の意向を受けていますが、オバマ政権のルー財務長官は最近見たことがないほど無能で何もできません。またホワイトハウスのカウンターパーティーは官邸で旧大蔵省ではないため、現在はホワイトハウスの意向も米財務省の意向も日銀(旧大蔵省のことですが)に届きにくいはずです。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1637.html


なぜ「円高政策」に転換すべきと考えるのか? 闇株新聞 2016年01月15日

世界の金融政策で見るとリーマンショック直後の 2008年10月から 2013年5月頃までは、積極的な金融緩和や通貨安による景気刺激効果があったはずです。少なくとも景気が拡大するという期待感はあったため、それなりの効果がありました。

 この 2013年5月 とは何だったのか?ですが、米国では量的緩和(QE3)の真っ最中だった時期ですが、そこでバーナンキFRB議長(当時)がその QE3 を縮小する必要性を初めて表明した時期です。

 そこで世界経済にとって積極的な金融緩和と通貨安が効果的でなくなったというわけでもありませんが(後から検証するとその通りだった可能性がありますが)、

実は日銀が「始めて」積極的な金融緩和(「異次元」量的緩和)に踏み切った時期とは、そのわずか 1か月前の 2013年4月4日 のことでした。

 もちろん日銀の「異次元」量的緩和は株高・円安をもたらし、基本的には今でも日本では(たぶん欧州でも)金融緩和・量的緩和=株高・通貨安と認識されたままです。

 実際に米国は、少し遅れて 2014年 1月 から QE3 を縮小して同年 10月に終了してしまいました。

日銀は逆に同じ 2014年10月 に「もっと異次元に」追加量的緩和を行い、現在も(そしてたぶん 2017年4月の消費増税のさらにあとまで)継続するはずです。

 現在は誰の目にも世界経済は減速しており(潜在成長率が世界的に低下しており)、物価上昇率も大きく低下しています。その中で黒田日銀総裁は本日(1月14日)も「2%の物価目標達成のためには何でもする」と息巻いていますが、これは 2008年〜2013年当時のアナクロ的な発想です。

 本日は10年国債利回りが一時 0.19%と史上最低利回りを更新しました。
日本の国債に10年間投資して利回りが 0.19%しかないなかで、いくら国債は元本リスクがないといっても物価が 2%上昇するほど日本経済の潜在成長率(あるいは期待収益率)が高いはずがありません。

 こういう時期に中途半端な物価上昇目標を掲げるので安直な便乗値上げが続き、景気拡大効果が乏しい(ほとんどない)量的緩和を続けるので円安となり、せっかくの原油など資源安の恩恵が消費者に行き渡らないだけでなく、そこへ消費増税の負担が加わります。

 考えるまでもなく「誤った物価上昇目標」「誤った異次元・量的緩和」「誤った円安政策」となります。足元では1ドル=117円台となっていますが、世界の金融市場が小康状態となると日本では基本的に円安予想(期待)が大きいため、再び対外投資が拡大して中途半端な円安に戻る可能性もあります。

 歴史的に見ると昨年までのような「気が狂ったような」対外投資が拡大した後は、必ず将棋倒しのような急激な円高に見舞われているため、ここはあまり過度な円安予想(期待)に適度なブレーキをかけておく必要もあります。これも「円高政策」に転換すべきと考える理由の1つです。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1627.html


日銀の追加量的緩和の「効能」は剥げ落ちてしまった 闇株新聞 2016年01月21日


表題にある日銀の追加量的緩和とは 2014年10月31日に「唐突」に発表されたもので、そこから「本格的に」円安と株高が加速していきました。

追加量的緩和直前の円相場(円高)は 1ドル=105.18円で、日経平均(安値)は 14532円だったのですが、そこから公的資金を含む機関投資家の「狂ったような」外貨資産買いと日本株買いで 2015年6月には 1ドル=125.86円、日経平均(高値)が 20868円となりました。

 さらにこの日銀の追加量的緩和をきっかけに、中国人民銀行や ECB を含む数多くの中央銀行が追加金融緩和や量的緩和に踏み切り、世界的な株高となりました。

 今から考えると日銀が「唐突」な追加量的緩和に踏み切った 2014年10月とは、FRB の量的緩和が完全に終了して、そろそろ利上げが取り沙汰されていた時期だったため、米国の景気減速を和らげるため「日本に追加量的緩和を要請した」とも考えられます。

完全に旧大蔵省傘下となった日銀も消費増税(当時は 2015年10月から 10%になる予定だった)へのアシストとなると考えたのでしょう。

 そのおかげもあってか NYダウも2014年10月の安値・16117ドルから、2015年5月には18312ドルの史上最高値まで上昇していました。

 また少し遅れて 2014年11月から中国人民銀行が本格的な金融緩和に踏み切り、上海株式は 2014年10月の安値・2290ポイントから、2015年6月には 5166ポイントの高値となりました(2007年には 6000ポイントをこえていたため史上最高値ではありません).

 そこから 2015年8〜9月にかけて人民元の下落をきっかけに中国経済の不安、上海株式の急落などで世界の株式は急落したのですが、まもなく中国が「小康状態」を取り戻したように見えると(実際は何も解決していなかったのですが)、世界の株式市場も昨年末にかけて安心して「かなり」回復していました。日経平均も昨年12月1日に20012円となりました。

 そこへ本年初めから(あるいは昨年末から)再度の中国経済の不安、上海株式の急落、さらには原油価格の一層の急落となり、日経平均を含めた世界の株式市場は急落しています。今回は FRBこそ利上げしていますが、日銀、ECB、中国人民銀行などはまだまだ金融緩和・量的緩和を継続しています。

 それでは中国経済、上海株式、原油価格などが「小康状態」となれば(いくらなんでもそのうち「小康状態」にはなるはずです)、日経平均は昨年末にかけてと同じように上昇し、円相場も円安となるのでしょうか?

 つまり表題にあるように、日銀の追加量的緩和の「効能」がすでに剥げ落ちてしまっていると考えます。そうなると(すぐにという意味ではありませが)円相場については 1ドル=105円台、日経平均については 15000円割れまで視野に入れたレンジまで覚悟しておくべきと考えます。

 別に過激なことを言っているわけではなく、今回の日銀の追加量的緩和の「効能」が完全に剥げ落ちると、その辺のレンジに戻ってもおかしくないからです。

 じゃあ、日銀がさらなる追加量的緩和に踏み切ったらどうなのか?ですが、現在のように世界経済が収縮しているときには、総需要拡大策である金融緩和・量的緩和の「効能」はありません。同じように 2%の物価上昇目標も無意味です。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1632.html

米国と心中したい日本のQE拡大 2014年11月5日   田中 宇
https://tanakanews.com/141105japan.htm


 10月31日、ちょうどハロウィンの日に、日本銀行は、円を増刷して日本国債を買い支えるQE(量的緩和策)の拡大を発表した。

日銀は、これまでのQEで年に50兆円の日本国債を買い支えてきたのを、80兆円に拡大する。これは、日本政府が年間に新規発行する国債の総額とほぼ同じだ。

日本は今後、財務省が発行する国債のすべてを(財務省出身の黒田が支配する)日銀が買い取る自家消費(自画自賛、自作自演)の国になる。

これまで国債の大口購入者だった公的年金基金(年金積立金管理運用法人)は、国債購入を日銀にゆずり、その分の資金で国内と海外の株式、海外の債券を買い増しする。

この買い増しへの期待から、日本と米国などの株価が急騰した。

世界各国の年金基金のほとんどは最近、金融市場のバブル崩壊を懸念してリスク回避に動いているなか、日本の公的年金だけは逆方向で、株や債券を買い増してリスクを拡大している。


 日銀がQE拡大を発表する2日前、米連銀がQEをやめた。

連銀はQEで、7月に350億ドル、8月に250億ドル、9月に150億ドルを増刷して米国債などを買い支えた後、10月に増刷をゼロにした。

一方、日銀はQE拡大で今後、年に30兆円を増刷するが、この額は1カ月あたりのドル建てに換算すると200億ドル強だ。

連銀のQEの最後の方の規模を、そのまま日銀が引き継ぐ感じになる。

連銀のQEがドル増刷で、日銀のQEは円増刷という為替の問題はあるが、為替相場も事実上日米などの当局が管理しており、当局にとって為替は問題でない。

米国のQEを日本が引き継いだといえる。


 日銀の黒田総裁が10月末にQEの拡大を発表する2週間前、日銀の早川英男元理事は

「(あまり意味がない)インフレ率2%という目標を深追いせず、市場が反乱を起こす前に、黒田総裁は勝利宣言をしてQEをやめて勝ち逃げをした方が良い」

という趣旨の発言をしている。しかし黒田がやったことは、勝ち逃げと全く逆方向の、米連銀が危険回避のためにやめたQEを日本が引き継ぐという、他人のリスクを追加で背負い込む行為だった。

(日銀はメンツ捨て「勝ち逃げ」、年内に緩和縮小表明をー早川氏)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2014-10-14/NDFCC66S972U01


 日銀はQEを拡大する理由について、米連銀のQEを引き継いだのではないと言っている。
日銀はQE拡大について、日本経済をデフレから救うためと発表している。

 QEは、実体経済回復の効果がなく、金融バブルや貧富格差の拡大など害悪ばかりが大きいことを、米国の上層部も認めつつある。

QEが「良いこと」から「悪いこと」に転換していく瞬間に、米国はQEをやめ、日本はQEを増額した。

QEは、株や債券の相場を短期的に押し上げる。

これまで、相場が下がりそうになったら米連銀がQEで介入してくれるという安心感が市場にあり、それが株と債券の高騰の源泉になっていた。

米国がQEをやめた後、日本が引き継がなかったら、金融のバブル崩壊、特に株の世界的な急落が起きていたかもしれない。

日本は自滅的なQE拡大を発表したことで、米国と世界のバブル崩壊を救ったことになる。ただし、この救済は短期的な効果しかない。

 米政府の財政力や連銀の信用創造力は、リーマン危機から現在までの金融延命策でかなり使われ、余力が少ない。こんご米国のバブルが崩壊した場合、救済しきれず、金融システムが崩壊したまま、ドルや米国債の信用失墜につながる可能性が高まっている。

おそらく米国はすでに「流動性の罠」にはまっており、金融政策の効力が失われている。米国は今後、金融を膨張から緊縮の方向に舵を切る際、とても危ない状態になっていく。たぶん、これは米国覇権の終わりになる。中露などBRICSや非米的な途上諸国は、米覇権の終わりに備え、貿易決済の非ドル化や政府の金備蓄の増強に精を出している。

 これら非米諸国と対照的な姿勢を採っているのが、対米従属一本槍の日本だ。

日本は対米従属を続けるため、多極化への対応を一切拒否し、BRICSの(隠然とした)盟主である中国とも、尖閣土地国有化などの策を通じて意図的に仲を悪くしている。

先進国の中でも英国やドイツ、豪州などは、中国との関係を強化して多極化に備えている。日本だけは逆方向で、対中国関係の冷却維持に熱心だ(安倍首相は最近、中国首脳と対話したいと表明しているが、おそらく周囲からの圧力をかわすためのふりだけだ)。

日本は、ドルや米国債が崩壊して米国覇権が失われると「無条件降伏」の状態になる。

この無条件降伏を避けるため、黒田日銀は、自滅覚悟の特攻隊的なバンザイノミクスでQE拡大を宣言した。

(終戦直前の特攻隊の敵だった米国を、いまの日本が自滅覚悟で守っているのは、全くもって歴史の悲劇だ。英霊たちは陛下が下賜した千鳥ヶ淵の骨壺の中で嘆いている。

その嘆きを無視して対米従属に固執する人々こそ、自国を米国の軍産や金融界に安値で売る「売国奴」である。

覇権の多極化が不可避になっている今、日本が対米従属からうまく手を引きつつ、中国やロシアと良い関係を持つべきと考えるのが愛国者の筋だ)

 日銀は、01−06年にもQEをやっていた。
QEを世界で最初にやったのは日本だ。

90年代の日本のバブル崩壊後、それまで政府の要請を受けて日本国債を全て引き受けていた銀行や生保の国債買い支えの余力が低下し、仕方がないので日銀が国債を買い支えていた。

当時、日銀のQEは米国側から不健全な行為と批判されていた。

しかしリーマン危機の後、打つ手がなくなった米国自身がQEを始めた。

そして米国がQEの不健全さに耐えられずにやめていく中で、対米従属という政治的な理由から、安倍政権になって再び日本はQEをやっている。

 日銀は、QEを今後10年続ける予定だ。10年も持つのか疑問だ。

すでに書いたように、日銀がQEによって発行済み日本国債の半分を保有するようになる4年後の2018年の前後までに、日本のインフレ率が5%以上になって歯止めがかからなくなるか、米国で金融崩壊が起きるのでないか。

 英国のテレグラフ紙の記事は、QEが害悪ばかりの政策だと酷評した後、日米だけでなく英国やEUの中央銀行も、総額の差こそあれQEをやっていると指摘し、先進諸国の中央銀行はQE以外に金融システムを延命する策がないので、米連銀はいずれQEを再開せざるを得ないと予測している。

 米連銀がQEを再開するのかどうかわからないが、どちらにしても、QEは長期的に金融システムの悪化、先進国経済の破綻、米覇権の崩壊にしかつながらない。

EUは多極化の側に転換して生き延びるかもしれないが、日本はたぶんもう無理だ。官僚機構に潰された09年の鳩山小沢の試みあたりが最後の機会だった。やがて非常に悪い時代がやってくる。今よりもっとひどいことになる。そのことを政府やマスコミは全く無視している。ほとんどの国民は何も知らない。悲しい状況だ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2014-10-14/NDFCC66S972U01


2016年01月30日 ガタガタになっていたアメリカ経済とマイナス金利

アメリカで発表されました以下の経済指標を事前に日米で協議した結果が、日銀のマイナス金利導入決定だったはずです。

商務省発表:

1)12月の耐久消費財受注(対11月比)が、事前予想は −0.6%だったものが実際には −5.1% となり、2014年8月以来の大幅な落ち込みを記録。

2)第4四半期のGDP速報値が前期比+0.7%(年率換算)となり、第3四半期の+2.0%(年率換算)から急減速


もし、日銀がマイナス金利を導入せず、今までの金融緩和をするとしていれば、恐らくニューヨークダウは暴落し、かつドルも急落していたはずです。

それほど今回商務省が発表した2つの指標の内容が悪かったのです。

アメリカ FRB は景気が回復しているとして利上げに動きましたが、実際には回復どころか、悪化してきている訳であり、

このまま2つの統計が発表されれば、政策の失敗として追及される恐れがあったために、日銀と連携し、今までアメリカ側から求められてきて拒否してきたマイナス(ネガティブ)金利を日銀が導入したと見るのが妥当となります。


この日銀のマイナス(ネガティブ)金利導入で、日本もヨーロッパも NYダウも大幅に上昇しましたので、まずは政策当局者からすれば、「ご同慶の至り」となるのでしょうが、金融の専門家からすれば、見方は違ってきます。

かなり辛辣な意見が多いのです。
そのために、発表後、日経平均が物凄い乱高下をしたのです。

その理由は、現在続いています日銀の金融緩和は年間 80兆円の国債を買い入れるという内容ですが、実際にはこれ以上国債買い入れを拡大できる状況ではなくなっているのです。

日銀が年間 80兆円の国債を買い入れるとなれば、償還分を入れれば総額で 120兆円余りの国債が必要ですが、実際に発行される国債は 122兆円余りとなっており、このままいけば新規に発行される国債のほぼ100%が日銀に行くことになり、今回金融緩和を実施しようにも国債買い入れを増額できなかったのです。

即ち、日銀は景気の悪化、円高の進行を受けて、打つ手がなかったことになるのです。

そこに飛び込んできたのがアメリカからの「要請」で、これは日銀にとり願ってもない「要請」だったはずです。

ところが、このマイナス(ネガティブ)金利効果は事実上効果がなく、かえって「もはや打つ手がない」と表明したのも同然であり、今後金融市場が混乱した際には、何もできない状況に直面することになりかねません。

また金融機関からすれば、今回のマイナス(ネガティブ)金利で、利ザヤは更に減る訳であり、今までは保有してきた国債を益出しして何とか決算上はお化粧できていましたが、今や売れる国債が枯渇してきており、これ以上益出しできないところに、マイナス(ネガティブ)金利であり、金融機関にとってはこれから「地獄」を見ることになります。

ヨーロッパではドイツ銀行が 9000億円余りの赤字を発表していますが、実際にはこの数倍の赤字が潜んでいるとも言われており、それはデリバティブ損となりますが、これは日本の金融機関にとりましても対岸の火事ではないのです。

アメリカを救うために導入したマイナス(ネガティブ)金利ですが、持てるカードをすべて使ってしまった以上、日銀は今後打てる弾がない「戦」に出ていくことになります。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/


2016-02-17
誰も経験したことのない日銀のマイナス金利が昨日から始まって、銀行も利ザヤが稼げないのでたいへんだろうと思うけれど、出てくる結論は、

余ったお金は米国に持って行って米国債を買う

という判断しかできないように思う。


今までは銀行のポートフォリオ上、海外に投資する額は「ここまで」と決まっていたはずだが。そう言っていられないのが実情ではないか?

MMFの取り扱いも停止、他に収入の道を探さねば。


もっとも日銀の当座預金にブタ積みされているものについては0.1%の利益はこれまで通り保証されているから、それはそれでありがたいものの、そのブタ積み額はこれからは増えないので、手をこまねいているわけにはいかない。


この際海外投資の枠を上げるか?ということくらいの話し合いは行内で行われているに違いない。それで、出てくる結論はやはり米国債か?!


ということで、米国債価格はウナギ登り。つまり、米国の長期金利は下がってきている。


長期金利が下がってきているので、FOMCでの利上げも非現実的と言わざるを得ない。


米国が利上げをすると、世界のお金は米国に流れてきてやはり米国債が買われるので、結局米国債が上がって金利が下がる。

だから世界中さらに利下げ可能になって日欧のマイナス金利が進む。


日米金利差、欧米金利差は結果的に縮まるから円高に、ユーロ高に。
http://ameblo.jp/win-sugita/entry-12129748258.html


米国長期金利は下がるよね〜(米国債は上) 2016-02-01

日銀のマイナス金利導入で、日銀の当座預金から出てきたお金は日銀の思惑通り国内に出回るか?


銀行の採算で考ええばそれはないですよね〜。

じゃ、どこへ?

それはドルを買って米国債を買いに行くんでしょう!
http://ameblo.jp/win-sugita/entry-12123777510.html


米国債はまだ買われそう。 2016-02-08
日銀のマイナス金利導入後はドルを買って米国債を買いに行っているようです。
http://ameblo.jp/win-sugita/entry-12126391794.html


178 : 山師さん 2016/01/29(金) 13:01:44.73 ID:8pmsWgXI

つーかさ、アメリカが引き締めた分の金を日本に出させようってことじゃねえの、これ。
お前らホント怒らないの?


568 : 山師さん2016/01/29(金) 14:49:27.02 ID:XEGvuY6H
>>178
だねえ。

アメリカが引き締めた。日本が高値をつかめ! 
アメリカはソフトランディングするぞ^ってことだね。

究極の売国奴であり アメリカポチの安倍黒田。影の竹中のやりそうなこと。

そこを読んでおくべきだったわ。
まさかの-金利やりやがった。

これで日本のできること もうないだろ。
アクセル踏んで 消費税でブレーキだもん。

エンスト起こすぜ。


358 : 山師さん 2016/02/16(火) 08:10:56.97 ID:nPjVb++0

日銀の量的緩和って実はアメリカのためにやってるのね
金融機関が日銀に国債を買ってもらったお金
そっくり米国債と米株に使われて、日本株は売ってる
マイナス金利も、さらに買い増せっ、、、と勘繰ってしまう


359 : 山師さん 2016/02/16(火) 08:13:54.35 ID:wgMb2XCy

日本は戦争に負けた
いまもその構造下であるのか
なるほどー


360 : 山師さん 2016/02/16(火) 08:18:05.23 ID:hmM0AGrM

増税も金融緩和もステイツに貢ぐ為!?


362 : 山師さん 2016/02/16(火) 08:22:09.68 ID:hE1rfv2U

あのー
GPIFでも外国株で25%運用枠があるんですけどー^^


363 : 山師さん2016/02/16(火) 08:30:07.42 ID:Hm0wRSUP

日本銀行株式会社の株主は?


364 : 山師さん 2016/02/16(火) 08:37:23.53 ID:nPjVb++0
>>363
55%は政府だけど40%個人とw
なに隠してるんだろうね


366 : 山師さん 2016/02/16(火) 08:40:39.85 ID:mwhb8YxG

>なに隠してるんだろうね

ロスチャが筆頭株主だという事さ

_______


岩上安身が経済アナリスト菊池英博氏に聞く 2014.11.22

2014/11/22 【イントロ】岩上安身による経済アナリスト・菊池英博氏インタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=qbUECOJEv3c


日本は米国の「財布」:FRBからの金融超緩和「要求」と黒田日銀
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208225


岩上「『第一の矢』の異次元の金融緩和ですが、ベース・マネーの増加分はアメリカのヘッジファンドへ流れて投機の原資になっています。日本国内の実体経済には回っていません。

 先生の御著書

そして、日本の富は略奪される--アメリカが仕掛けた新自由主義の正体 2014/1/31
菊池 英博 (著)


の第6章、214ページですが、

『アメリカの金融緩和縮小(出口)の補充として利用される日本の超金融緩和

という項目があります。

ここの書き始めに、

『2013年3月頃の日本では、安倍首相が「金融緩和を一段と進め、私の考えに合う人を日本銀行総裁に選びたい」と公言していた』

とありますね。つまり、安倍さんは、黒田さんを起用する前にこういうことを公言していたということですね。


▲ 菊池英博『そして、日本の富は略奪される』(ダイヤモンド社, 2014)p.214より

 さらに続けて、

『こうした時期に、アメリカのバーナンキFRB議長は、「アメリカ以外の国が金融緩和を進めてくれれば、両国にとって利益になる」と発言している』

と書かれています。

 先生はバーナンキを直接ご存知なので、メディアを通した発言だけではなく、彼の腹の内がどういうものだったのか、理解されていたのだろうと思うのですね」

菊池氏「その記事は日経に出たものですね。2013年3月31日付けに出ています。だからバーナンキから個人的に聞かなくても。バーナンキはこの発言を欧州でしました。

 その記事を読んで、私はピーンときました。なるほどと。バーナンキはもう(金融緩和を)縮小したいのだと。その後、日本に金融緩和をさせて、日本からのマネーをウォール・ストリートに供給させれば、米国は縮小できる、ということを考えているなと」

岩上「先生は『バーナンキ発言は、日本財布論を強めて、日本に金融超緩和を要求してきたサインだった』と書かれておられます。

 本来は合理的な経済政策というものがありうるはずですね。ところが、どうもいつもいびつでおかしなことが起こったりする。そういう時に、国内の論理だけで考えていると、つじつまが合わないことがいっぱいあるわけですね。

やはり、外側からいろいろな要求があったり、振り回されたりしている。
それに対して、日本の支配的なエリート、とりわけ財務省であるとか、官僚たちが応えようとする。

そういうことで、おかしなつじつま合わせの経済政策をやるということが根本にあるということですね」


日銀がヘッジファンドへバクチ資金を提供


岩上「皆、株高を喜んでいますが、儲けているのは外国人投資家ですね」


菊池「さらに、安倍さん自身が、株を高くしておけば自分の支持率も上がると考えているフシがあります。だから金融緩和をする。安倍さんや黒田日銀総裁でもヘッジファンドに流れるとは考えていなかったのでは。

 金融緩和をとなえるのは浜田宏一さんですね。黒田さんはそれに従っているのだと思います。しかし浜田さんは 10年間日本にいませんでした。私は浜田さんとは面識がありますが、小泉構造がどんなにひどいものだったかご存知ないのです。私以外の人も言っていることです。

 日本は福井日銀総裁の時代にすでに充分に金融緩和をしていました」


岩上「ゼロ金利まで金利が下がってしまえば、それ以上どんなにお金がジャブジャブあってもしょうがない、誰も借り入れし投資をしないということですね」


菊池「証券会社の方はこういうことは分かっている。
外資に回っているのは日銀マネーです。その円で外資はドルを買います。
円安になり輸出業者はもうかるというのは物事の一面しか見ていません」


岩上「多くの企業はすでに生産拠点を海外に移しているので、円安効果は出ませんね。円安によって原料輸入価格も高騰しますね」


菊池「エネルギーも多くを輸入に依存です」


岩上「あらゆるものの値段が上がります。いわゆるリフレ派はこれを喜んでいたわけですが、賃金が増えていたわけではないですね」


菊池「黒田さんになってマネタリー・ベースで125兆円増えた。一方マネー・ストックが43兆円増加。この差額82兆円がヘッジファンドに流れ投機資金となりました」


岩上「世界経済と一体化してのバブルです。乱暴なやり方をすれば、大暴落です」


菊池「私は株のことはよく知りませんが、このままいけばいつか暴落します。
日本のほうが先に下がるかもしれない。日銀自身が株を買っていることにも驚かされました」

岩上「異次元緩和は、安倍政権を援護射撃するバズーカ砲というわけですね。
浜田さんはアベノミクスは失敗していないとしています」


菊池「失礼ではありますが、正気の沙汰ではないと思います。
危惧するのはいずれ日本の株が下がること。
また、今は高い国債の価格が下がったときに、日銀が買い支えることができるか分かりません」


岩上「米国でもマネタリー・ベースを増やしても、マネー・ストックは増えないということですね」

菊池「バーナンキは『金融をいくら緩和しても、 実体経済がよくなるということは理論的に言えない』と言っています」


菊池「バーナンキは金融を緩めましたが、実体経済はよくならない。2013年6月には金融緩和の縮小を宣言。その後のG20で米国は批判にさらされます。バーナンキは責任をとり、辞任を決意します」

岩上「米国のヘッジファンドのバクチに日本が協力している構図です」


菊池「一番問題なのは、日本の中央銀行のお金で協力しているという点です。黒田さんには量的緩和のあとの出口戦略がない。浜田さんはもっと緩めろと言っている。失礼だが、どうされたの、と思わざるをえません」


岩上「異次元緩和の元祖であるバーナンキが、異次元緩和で経済はよくわからないと、失敗を認めているわけですね」


菊池「彼は責任を取った分だけ偉い。日本は米国の失敗の後追いをしているのです」


岩上「菊池先生はケインズを再評価するのですか?」


菊池「ある意味で米国はケインズの政策をとっているのです。レーガン政権は軍事ケインジアンでした。クリントンは財政支出をどんどんして、道路整備、学校を作った。これもケインズ的と呼べるものです。

 子ブッシュは軍事ケインジアンへ回帰。オバマになり米国の財政はよくなっている。米議会の予算調査局の調査では、乗数効果は3年で2.5という数字が出ています。

 米国の今の凋落の原因は、レーガン政権期の新自由主義的な政策があります。クリントン時代に少し回復しましたが、子ブッシュ政権期に戦争をやり、ドンと落ちました。共和党政権は軍事ケインジアン。民主党はドメスティック・ケインジアンとも呼べるものです」


岩上「米国の後追いをする日本には、軍事への傾斜というシナリオがあるようにみえます」


菊池「憲法9条を守り、永世に平和国家の看板をおろさない。ただ、私は防衛のための防衛力を強化することには賛成です。このあり方では、スイスが一番のよい例です」
 

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コメント
1. 中川隆[-10659] koaQ7Jey 2019年4月23日 12:10:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1407] 報告

安倍「官製相場」の正体。国民生活が疲弊し対米従属は加速する=吉田繁治 2016年10月20日
http://www.mag2.com/p/money/24781


2012年12月に発足した安倍内閣はアベノミクスを標榜し、株価上昇をその支持基盤としてきました。あれから約4年、いよいよ「株価政権」の総括検証をすべき時期が来ています。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

※本記事は有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』2016年10月19日号を一部抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した内容(約5,000文字)もすぐ読めます。

なぜ株価は景気を反映しなくなったのか?官製相場の欺瞞を斬る

安倍首相の「スタートダッシュ」

消費税10%法案を通した野田民主党の自滅により、自民党は2012年12月、3年4ヶ月ぶりに政権に復帰しました。首相自ら「アベノミクス」と呼ぶところの、安倍政権の経済・金融政策の始まりです。

安倍首相は前回の失敗から、「スタートダッシュが肝心」と決めていました。自公政権が確実になった12年10月に明らかになったのは、

◾脱デフレの大きなマネー増発策
◾10年で200兆円の国土強靱化の公共投資

でした。日銀法を改正し、独立権を奪ってでも、マネーを増発させるという強いものだったのです。

国土強靱化は、財政赤字を200兆円分拡大して危険だ、という財務省の反対で消えました。東日本大震災の復興予算として、別途、28兆円の政府支出が必要だったからです。

マネー増発を推進するミッションを持ち、黒田総裁・岩田副総裁体制になった日銀は、異次元緩和(量的・質的金融緩和)を開始します。

量的緩和は、金融機関がもつ国債を買ってマネーを増発する政策です。質的緩和は、日銀が日経平均(株式ETF=上場投信)とREIT(不動産投信)を買いあげて、価格を上げるものです。

日銀による株買い(ETFの購入枠は6兆円/年)、これは普通、中央銀行が禁じられていることです。

恐慌の研究家である前FRB議長のバーナンキは、「日銀がケチッャプを買えば物価上がる」と言っています。あるいはヘリコプターでお金をばらまけばいいとか、ニコリともしないで異常なことを言う。

日銀が増刷した円で店頭商品を買えば、需要の超過になり物価は上がります。車を100万台(3兆円)、住宅を100万戸(30兆円)買ってもいいが、さすがにそれはできない。そこで株を買う。

日銀の株買いは迂回(うかい)して行われた

金融機関は、国債をはじめとする債券と貸付金で預貯金や基金を運用しているので、余分な現金は持ちません。

量的・質的緩和を政策にした日銀が、郵貯、年金基金(GPIF)、かんぽがもつ国債を買う。政府系金融と基金(GPIF)はそこで得た円で、日米の株とドル国債を買う。ワンクッションおいていますが、日銀が直接に日米の株を買い、米国債を買うことと同じです。

日銀は直接買うETF(年6兆円の枠)以外に、迂回路をとり数十兆円の株買いを行ったと言えます。方法はごまかしめいて姑息ですが、マネーの流れとしては露骨です。

日銀は量的・質的緩和として、円を下げ、株を上げ、インフレに誘導する「可能な手段の全部」をとってきたのです。

株価上昇は、株主の資産(東証一部時価総額511兆円 ※16年10月18日時点)を増やします。同時に企業の増資コストを下げます。資産が増えた株主は、資産効果で消費を幾分か増やします(しずくのようにわずかなのでトリクルダウンという)。百貨店で、100万円級の機械式時計が売れたのが、この資産効果です。

株価は理論的には、企業の将来の税引き後の予想純益を、期待金利(リスク率を含む株式益回り:6.6% ※16年10月18日時点)で割ったものと等価です。これが表現するのは、株価は企業の予想純益の結果ということです。

しかし多くの人々には、「株価が上がった→景気がよくなったからだ」と理解されます。下がっていた血圧が輸血で上がったから健康に戻った、と思うような本末転倒ですが、投資家と上場企業は歓迎します。支持率が上がるので、政府与党も喜ぶ。

株価が下落し、支持率も低くなった前回の反省を踏まえた安倍首相は、スタートダッシュで円安の誘導、株価の上昇に躍起になりました。円安の誘導は、輸出を増やし、株価を上げるためでした。

マネーの流れ

ヘッジファンドは保有しているドル国債を日本に売り、得た円で、出遅れていた日本株を買う。そして実は、総資金量が420兆円と日銀よりも巨大な政府系金融(現在名ゆうちょ銀行、かんぽ保険、GPIF:総資金量420兆円)は、日銀に国債を売って得た円で、米国債も買っています。

公的年金の残高139兆円(15年12月)を運用しているGPIFの、15年12月のポートフォリオ(分散投資)は、「円国債38%、国内株23%、外国債券(主は米国債)14%、外国株23%」です。

※日銀がGPIFの国債を買いあげる→GPIFは得た現金で国内株、米国債、米国株を買う→GPIFに米国債を売ったヘッジファンドはそのマネーで日本株を買う

マネー運用には遅滞が許されないので、この迂回路取引がコンピュータの中で、一瞬で起こります。

安倍政権の初年度だった2013年には、外国人(ヘッジファンド)からの15.1兆円もの巨大買い越しがありました。

外国人の売買は、東証一部の年間売買額460兆円のうち320兆円(約70%:16年7月水準)です。国内勢(金融機関と個人投資家)は、1990年のバブル崩壊後の損失の累積で資産を減らしたため売買がとても少ない。国内勢の売買は140兆円です。

他方、多くがオフショア(タックスヘイブン:租税回避地)からであるヘッジファンドの売買が320兆円です。東証はこのヘッジファンドの支配下です。

ヘッジファンドの日本株買いと、円先物売りのマネーの多くは、GPIFにおけるような迂回路をとって日銀が買い続けている、政府系金融の国債の現金化から来ています。

安倍政権前から始まっていた「官製相場」

政治相場(あるいは官製相場)は、14年10月末に発表された「日銀の追加緩和」と「GPIFの運用方針の変更」から始まったように言う人が多い。

しかし、マネーの流れを比較貸借対照表で調べると、安倍政権が始まる前の12年の10月から秘密裏に開始されています。最初は、円安介入のための30兆円の政府系金融マネーでした。

※総資金量420兆円の政府系金融3機関が、日銀に国債を売ったマネーで、米国債を30兆円買った→米国債を売ったヘッジファンドが日本株買い/円の先物売りを行った

安倍政権が確実になる前、12年9月の日経平均の予想PER(加重平均)は、1ドル80円台の円高の中で12倍付近と低かった。米国ダウのPERは15倍と3倍高かった。

上場企業(東証一部2000社)においては、輸出製造業の株価シェアが大きい。円安/ドル高になると、利益が数倍に増えます。このため、円安で日本の株価は上がり、円高で下がる基本性格があります。

通貨の低下は、普通、国力(政治力)と経済力の低下を示します。しかし日本では、ドルでは同じでも円での輸出価格が上がる。このため、上場企業の利益が増える予想がたち、株が買われます。
(注)予想PERは、株価の時価総額を次期予想純益で割った株価/収益倍率であり、株価の高さ、低さを判断するための指標です

PERが15倍なら将来15年分の、未実現の企業純益を株価が含んでいます。16年10月の日経平均の加重平均のPERは、14.3倍付近です。単純平均のPERでは18倍と高い。日経平均は、ユニクロ(ファーストリテイリング)の34倍のような高PER銘柄を含むからです。

2016年10月現在、日経平均は1万7000円付近です。米国ナスダックの予想PER(単純平均)は現在21.9倍で、バブル価格の水準です。他国をあげると、インド18.2倍、英国17倍、米国ダウ16.8倍、上海総合14.4倍、ドイツ13.3倍、ロシア6.8倍です。

円安誘導という名の「米国債買い」を実行

安倍政権誕生の2ヶ月前、1ドル77円(12年9月)だった円は、その2ヶ月前から下がりはじめ、10月に80円、11月に83円、12月には87年円と13%の円安になっています。続く13年1月に92円、2月には93円と下がり、6月には岩盤に見えていた100円も超えたのです。
(注)円安のピークは、15年6月の125.8円です。16年2月のマイナス金利以降は、逆に円高になり16年10月は104円付近です

円安は、世界の外為市場(円の売買が日量120兆円:2016年)での「円売り/ドル買い」が「円買い/ドル売り」を超過することで起きます。なぜ50%(1ドル120円)もの円安になったのか?

ここで、財務省の外貨準備($1.26兆:126兆円:16年10月)は、目立つので使われなかった。かわりに、ゆうちょ銀行、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、かんぽに、推計30兆円の「円売り/ドル買い」を行わせたのです。

前述のように、日銀がゆうちょ、年金基金、かんぽがもつ国債を買い、政府系3機関は、そこで得た円で、円安誘導を目的にしたドル債買いを実行するわけです。

さて、米国政府は、為替介入を行う国を「為替操作国」と強く非難します。しかし、円売り/ドル買いで得たドルで米国債を買うと途端に沈黙します。この理由は何でしょうか?

アメリカ政府の債務は2000兆円

米政府の総債務(自治体と社会保障の債務を含む)は、日本国債の2倍の$20.0兆(2000兆円:16年)に膨らんでいます。米国債も$15兆(1500兆円:同年)に増えています。

財政赤字は毎年、$7000億付近(16年度は$7130億)です。17年には、公的医療費($2.8兆:280兆円:12年)の増加で、赤字は$1兆を超えるでしょう。

米国の人口ピラミッドは、日本の10年遅れです。医療費では診療単価が約2.5倍高く、総額で$2.8兆(280兆円:12年)です。3.2億人の国民の、健康な人を入れた1人あたり年間医療費は$9000(90万円)です。

日本の医療費は、40兆円で1人あたり31万円/年。米国は1人あたりで3倍も多い。米国の医療費は信じられない高さです。盲腸の手術や流産で200万円とか…日本は世界的には医療費は安い。

米国政府は、この高すぎる医療費のため、日本の10年遅れで高齢者が増えるとつぶれます(ほぼ確定でしょう)。

米国は、新規国債のうち50%は、経常収支が黒字の中国と日本に売らねばならない。米国内では50%分しか買い手がない。米国は、海外からマネーを借りる構造を続けています。円でドル国債を買うことは、マネーの流れとしては米国への貸し付けです。

経常収支の赤字国は、感覚では逆ですが、資本収支では黒字になります。資本収支の黒字とは、マネーが流入することであり、現象形は、海外の金融機関が米国債、株、社債、MBS(住宅ローン担保証券)を買って、ドル預金をすることです。

わが国の民間では、国内の運用先がない三菱UFJグループ(総資産281兆円:16年6月)が、米国運用を増やしています。米国経済は、海外資金が大挙して引き揚げるとひとたまりもない。このため、米国はユーロや円より約2ポイントは高い金利を続けねばならない。

米国が利上げしなければならない本当の理由

米国が14年10月に、3回行った量的緩和(QE:$4兆:400兆円)を停止し、2015年12月にFRBが0.25%利上げした本当の理由は、金利が低いままだとドル債が売られ、海外から来たマネーが逃げる恐れがあったからです。逃げはじめてからの利上げでは、間に合わない。

米政府とFRBが、日本に金融緩和を強く勧めるのも、米国債と株を買ってもらうためです。異次元緩和にも米国への資金環流という条件がついていました。リフレ派は亡国のエコノミストに思えます

リーマン危機のあと、400兆円のドルを増発した3度のQE(08年〜2014年)でマスクされていた米国の「大きな対外不均衡」は、今も世界経済における根底の問題であり続けています。

米国の対外総債務は、$20兆(2000兆円)、対外資産を引いた純負債は$8.8兆(880兆円)と巨大です(15年末)。

一方で日本は、官民で948兆円の対外資産をもち、対外債務は609兆円です。339兆円の純資産があります(15年末:財務省)。経常収支が黒字になり、バブル経済で世界ナンバーワンと言われた1980年代以来、企業と金融機関が営々と貯めてきたものが、対外純資産になっています。

関連して言うと、中国は、公式には$2.1兆(210兆円:14年)の対外純債権国とされています。しかし、15年と16年に民間で起こった「元売り/ドル買い」に対抗して、政府が行った「元買い/ドル売り」により、今は、純債務国に転落していると推計できます。

2015年12月で$3.3(330兆円)とされている外貨準備では、銀行の持ち分と政府の持ち分が二重に計上されています。中国の4大銀行は、全部が国有です。選挙と議会制度がない共産党国家・中国の経済統計には、かつてのソ連と同じ問題があります。

ヘッジファンドによる円売り・日本株買いのカラクリ

アベノミクスとは、インフレを目標にした、

1.日銀の国債買いによる通貨増発
2.ドル買い/円売りによる円安誘導
3.政府系金融とGPIFによる日本株買いと米国債買い


です。

2%のインフレを目標にしたのは、年金・医療費・介護費(社会保障費)が年率3%(3兆円)で増え続け、それが国債の増発に繋がって、債務比率(政府総債務1277兆円/名目GDP505兆円=253%)が拡大することを防ぐためです。

分母の名目GDPが年率で3%以上増え続けないと、債務比率が大きくなり、近い将来の財政破綻が確定するからです(名目GDPの下限目標=実質GDP1%+インフレ率2%)。

仮にインフレになっても、企業所得と税収が増える中で世帯の所得が増えない場合、国民の生活は苦しくなっていきます。年金支給額が固定されている年金生活者3100万人(15年:厚労省)と、円安では企業所得が減る多くの中小企業の雇用者4100万人(06年:経産省)、合計で7200万人は、インフレで実質所得が減ります。

しかし、それらは構わない。政府にとっては、差し迫る財政破綻の防止がはるかに大切だとされたのです。

円安と株価上昇には有効だった量的・質的緩和

需要が増えることによる物価上昇に効果がなかった量的・質的緩和は、12年末から15年までの円安と株価上昇には有効でした。13年と14年の物価上昇は、円安での輸入価格上昇が主因です。世帯消費と企業の設備投資は増えていません。

東証では、年間420兆円の売買額の70%が、オフショアからのヘッジファンドによるものです。国内の個人投資家と金融機関は、90年からのバブル崩壊、00年のIT株崩壊、08年9月からのリーマン危機で3回の大きな損失を被ったことから、売買額が30%に減っています。

個人投資家700万人の多くは、上がるときは損失を回復するため売り越す、下がるときは難平(なんぴん)買いで買い越すという行動を取ります。

2012年末以降の日本株式市場の売買構造

このため、わが国の株価を決めているのは、70%のシェアになったヘッジファンドの売買です。


1.ヘッジファンドが買い越せば上がり、売り越せば下がる

2.下がっては、政府と投資家が困る

3.ヘッジファンドが売り超になると、3つの政府系金融(総資金量420兆円)と日銀(同459兆円:16年10月)が買いをいれる

という単純な基本構造が、2012年末から2016年10月まで続いているのです。

しかし2016年は、政府系金融と日銀の買いに対する株価上昇の反応が鈍い。この理由は、

1.アベノミクスによる株価上昇が政治相場(または官製相場)であることを皆が知った

2.このため二番目に大きな売買シェアを持つ個人投資家(700万人)が、政府系金融に追随した買いを入れなくなった

ことにあります。


米国の後追い。2015年から日本でも自社株買いが増加している

1日平均売買額が2.9兆円(15年平均)だったものが、2.3兆円(16年7月)に減った現在の東証一部で、大きく増えているのは自社株買いの4.3兆円です(16年1月〜9月)。

これは、事業法人の買い超に含まれます。年間では5.7兆円の買い超になるでしょう(13年1.5兆円、14年2兆円、15年3兆円)。

自社株買いは、市場で流通する株式数を減らします。会社利益は同じでも、1株あたり利益は上がったようになり、株価も上がります。タコが自分の足を食べることに似たこの自社株買いは、上場大手企業が留保利益で将来投資をせず銀行預金として貯まった、現金100兆円で行われています。

自社株買いでも、買いが増えれば株価は上がるので「株価上昇という形の株主配当」とされています。経営者が株主サービスとして行うのです。問題は、自社株買いは、いつまでも続けることはできないことです。

米国の2012年以来の自社株買いは、とても大きい。16年の第一四半期で$1820億(18.2兆円)です。年間では73兆円という巨額です。米国では、日本よりはるかに個人株主の要求度が高い。株価が1年も下がり続ければ、資産を失った株主により、株主総会で経営者が追放されます。

このため、経営者は米国FRBの量的緩和と、わが国と同じ将来投資の少なさから滞留したキャッシュフローで、年間73兆円もの自社株買いで事実上の減資をしているのです。

時価総額で世界一のアップル($6091億=60兆円:16年9月)は、社債を発行しゼロ金利マネーを得て、それで巨額の自社株買いを行っています。米国のダウやナスダックの大手企業の株価は、大きな自社株買いで20%から30%は高値になっているでしょう。

本稿執筆時点のダウは1万8161ドル、ナスダックは5243ポイントで史上最高値圏です。過去10年の純益を元にしたシラーP/Eレシオ(26.6倍:16年10月)が示すように、数十%のバブル性があると見ることができます。株価維持のために膨らみすぎた自社株買いの減少があれば、下がります。

自社株買いは、政府主導の官製相場と同じく、3年も5年もと続けることはできません。事実、2016年は米国の自社株買いはピークアウトして、今後は減少する傾向も見えます。

米国の自社株買いの傾向に注目してください。これが減ると、米国株は下がります。米国株が下がると、日本と欧州にも即日に波及します


株価が景気を反映しなくなった理由

ポートフォリオ投資とHFT(超高頻度売買)を組み合わせた売買シェアが、60%まで増えています。10年代の国際金融は、ネットワークで、リアルタイムに連結されているからです。

世界中の国債や株の売りも買いも、コンピュータ画面で一瞬です。株と債券の金融市場は、インターネットで変容しています。売買を叫ぶ「場立ち」があった「のどかな市場」ではない。

それでなくても、わが国の日経平均は米国ダウの子供です。米国株を売買しているヘッジファンドがポートフォリオ(分散投資)で、日本株をたとえば12%と一定割合にしているからです。米国株が下がると、ポートフォリオの中の米国株が減少します。かわりに、12%枠と決めている日本株の構成比が上昇します。これでは日本株の下落リスクが大きくなる。

株価罫線を分析するトレンド理論(傾向理論)とは違う、ランダムウォークの理論では、向こう3ヶ月で10%上がる確率があるときは、10%下がる確率も同じです。このため、ポートフォリオでのリスクが、コンピュータが自動計算する数値で大きくなる。

従って、米国株が下がると日本株を売って減額調整するプログラムが組み込まれています。ヘッジファンドのほとんどの売買で行われているHFT(超高頻度売買)がこれです。人間は関与せず、現物・先物・オプションの売買を組み合わせ、瞬時に売買が行われます。

ファンドマネジャーの関与は、ポートフォリオの割合(パラメータ)を変えるときです。以上の売買構造が増えたため、日米の株価の動きは同時化します。日米だけではない。

世界の株式市場(時価総額6000兆円:世界のGDPの1倍)が、ほとんど瞬間連動して動きます。基礎的な経済指標によるファンダメンタル理論(端的に言えば、景気がよくなると株価が上がる)は、ほとんど関係がなくなっているのです。
http://www.mag2.com/p/money/24781

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日銀の量的緩和政策は失敗に終わった…目的を果たせなかったのはなぜか=吉田繁治 2018年12月25日
https://www.mag2.com/p/money/612611


日本には現在、4,099兆円の金融資産があります。この資産はどこでどのように使われているのでしょうか。その内訳の詳細から今後の展望について解説します


日本にある4,099兆円のマネーは、どのように投資されているのか

すべての金融資産は、国内と海外の誰かの負債である

当メルマガでは前回、資金の供給源になる世帯(1,848兆円)、企業(1,176兆円)、政府が管理する金融資産(572兆円)と、日銀の負債(503兆円)の内容を見て行きました。

わが国の合計では、現金、預金、株式、証券の合計で4,099兆円のマネーがあるのです。後編では、この4,099兆円が、どの主体に、どんな理由で貸し付けられているのか(=投資されているのか)を見て行きます。

(注)株式も、企業にとっては返済の順位がもっとも低く、解散のときに純資産から返済される「劣後債の負債」です。株の利益配当は、借り入れの金利に相当します。株主にとっては、持ち株は金融資産ですが、企業にとっては預かり資本になる負債です。国債を含む証券は、返済順位が高い優先債です。株も証券も、その持ち手から発行元への貸付金です。この貸付金は、持ち手にとっては金融資産、借り手にとっては負債です。預金は持ち手の金融資産ですが、銀行にとっては負債です。

「すべての金融資産=国内と海外の誰か負債」という構造をもっています。金融資産が価値をもつには負債が返済できるものであり、利払いもできることが必要です。

返済できない負債は、価値の低い不良債権になります。4,099兆円になった金融資産が価値を保ち続けるには、借り手が、増えた負債の返済ができ、利払いができるという条件がなければならない。

この点で、政府の負債である国債はどうでしょう。国債が増えたため、政府は1%以下の低い金利しか払えない。普通の金利は3%から5%ですが、その金利になると、政府は利払いのための借り入れが増えるという「破産の過程」にはいります。

企業は、1985年からの日銀の金融緩和を起点とした土地バブルの時期、返済できない借り入れを増やして、土地を買いました。担保だった土地は1992年から下落し、銀行の貸し出しが、銀行の自己資本合計を超える不良債権になった(約200兆円)。この不良債権のため、1998年の金融機関が倒産する金融危機に至ったのです。

政府の対抗策は、ゼロ金利と国債を買う量的緩和と、銀行への資本注入でした。2008年の米国のリーマン危機と同じです。


企業はその後、借り入れによる増加設備を抑え、借り入れの返済をしました。一方で、負債がどんどん膨らんだのが、政府部門です。

わが国の負債

(1)世帯の負債は318兆円(2018年6月末)

世帯の負債は、住宅ローンと自動車ローン、カード、消費者ローンなど318兆円です。住宅ローンは、2018年で193兆円と集計されています(住宅金融支援機構)。1年に21兆円(130万件)くらいが貸し出されています。平均残存期間は約10年です。

日本の世帯の負債は少ない。一方で、世帯の金融資産は、1,848兆円ですから、「1,848兆円−318兆円=1,530兆円」が負債を引いた純金融資産。1世帯当たりでは2,886万円です。

(2)企業部門の負債は1,736兆円

世帯の貯蓄を借りる企業部門の負債は、借入金と証券(株式を含む)で1,736兆円です。

借入金    396兆円
証券    1,031兆円(うち上場株式589兆円)
その他負債  307兆円(買掛金など)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
負債合計  1,736兆円

負債総額は1,736兆円です。ただし企業は金融資産を1,176兆円持っているので、純負債は560兆円(平均2.2億円)と少ない。

前述したように、土地バブル崩壊以降、設備投資を抑えて、キャッシュフロー(=減価償却費+利益−税金−配当)で、借入金の返済をしてきたからです。

国の資金循環では、GDPの成長期の正常な姿は、
・世帯の預金の増加分を、
・企業が銀行から借り、
・設備投資をすることです。
1980年年代までの資金循環がこれでした。

【世帯の預金と国債発行】
1990年代からは、世帯の預金は1年に約40兆円も増えているのに、企業は借り入れをしない。

誰が預金増加を吸収したのか?政府の国債です。政府が国債を発行して預金増加を吸収し、資産バブル崩壊後のGDPが減少する経済への対策としての公共投資を行った。90年代の10年で400兆円の公共投資というおおきなものでした。90年代から、政府の国債の増発が1年に40兆円と大きくなっています。

・1990年代の10年は、公共投資のための国債発行
・2000年代からは、増えた社会保障費(特に年金、医療費)の支払いが主目的の国債発行


政府の負債は1,291兆円

1990年代から、企業に代わって30兆円から40兆円/年で増えてきたのが、政府の負債です。

【GDPの原理】
「所得=消費+貯蓄」です。「GDP=消費+投資=需要」です。「貯蓄=投資」にならないと貯蓄に見合う投資がない。ケインズが指摘した需要不足から経済は不況になり、失業が増えます。つまり、貯蓄の増加に見合う借り入れがあり、借り入れが投資にならないと、経済は不況化します。


2000年代は企業の借り入れ増は減り、設備投資が減りました。企業は、資金不足の部門から資金余剰のある貯蓄の主体になったのです。

世帯と企業の貯蓄の増加(30兆円〜40兆円/年)を吸収したのは、正常な経済のときの企業ではなく、財政が赤字の政府部門でした。

政府は、国債という負債証券を発行して余剰貯蓄を吸収し、それを財政支出(政府需要)に使いました。

毎年、30兆円から40兆円も大きくなった政府の負債は、2018年6月時点で以下です。

【政府の負債】
借入金     159兆円(金融機関からの借り入れ)
国債残高   1,087兆円(日銀所有が471兆円:営業毎旬報告)
その他負債    46兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
政府負債合計 1,292兆円

前稿で述べたように、政府は572兆円の金融資産を「管理」しています。この金融資産は、例えば年金基金(残高170兆円:18年9月末)のように、国民が保険として給料から天引きされて納めてきた国民の所有資産です。政府のものではない。政府はそれを管理しているだけです。

政府管理の金融資産572兆円を政府の負債1,292兆円から引いて、政府の純負債は720兆円とするエコノミストがいます。これは、「所有と、管理での専有」を区分できない誤りです。政府の負債は、1,292兆円から自治体と政府の日銀当座預金を引いたものとみるべきでしょう。


税収を上回る財政支出で、政府負債は年30〜40兆円の赤字に

<政府負債の問題は、償還がなく増え続けること>

政府負債の問題は、税収を上回る財政支出のため、構造的な赤字が1年30〜40兆円で続くことです。

政府の借り入れは毎年30兆円から40兆円は増えていきます。1%分が2.2兆円になる消費税に換算すると、財政赤字は16%分に相当します。

現在、日銀のゼロ金利策のため国債の利払いは9兆円と、とても少ない(2018年度)。残高となっている既発国債の、平均の約定金利が0.9%に低下しているからです。

<利払い額はむしろ減ってきた>

1990年から、国債の残高は6倍に増えましたが、日銀の金利の低下策のため利払い費は変わっていないのです。

政府が国債発行の抑制をしないのは、国債の残高が増えても金利低下のため、一般会計からの国債の利払い額が増えないためでもあります。借金を6倍に増やしても金利が下がって利払いが減った企業と同じです。

<日銀の保有国債は43%>

2012年4月からの量的緩和(日銀が金融機関から国債を買って通貨を発行)のため、国債の1087兆円(地方債を含む)のうち、日銀の保有が471兆円に増え、日銀の構成比は、43%に増えています。

日銀は2019年も、国債を40兆円買い増すでしょう。日銀の国債所有は「471+40兆円=511兆円」になる。毎年の新規国債の発行分に相当する国債は、日銀が買い取っているのです。

新発債分の国債は、事実上、市場引き受け(金融機関の買う受け)ではない。日銀が全額を買い取っているため、金融市場の資金収支では、国債が発行されいないことと同じです。

<出口政策は不可能>

リーマン危機のあとの大きかった金融緩和からの出口政策として、利上げをしている米国FRBと、量的緩和を停止したユーロのECBの方針に反して、日銀は国債の買いを停止して「出口政策」に向かうことはできない。

日銀が国債の買い上げ額を順次減らすテーパリング策を採ると、
・マイナス金利(8年債以下)
・0.093%の金利(10年債)
・0.347%の金利(15年債)
・0.953%の金利(40年債)
である国債の金利が高騰します


(注)国債価格は、金利1%の上昇につき8%(80兆円)下落します。


民間金融機関は日銀が買ってくれない限り、マイナス金利、0.1%の金利、0.3%の金利の国債を発行額分、買うことはない。

<ゼロ金利の国債への入札がある理由>

現在、例えば0.1%の約定金利の国債に金融機関が入札しているのは、直後に、日銀がそれより低い金利で(=国債価格は額面より高く)買ってくれる量的緩和を続けているからです。この買いがあるので、低い金利の国債を買っても日銀への売りで利益が出るからです。

日銀が出口政策に転じ、国債を増加買いしなくなれば、利下げによる国債価格上昇の利益はなくなります。逆に、金利上昇による国債価格の下落リスクが、高まります。国債の利益は、発行金利のみになります。マイナス金利の国債は、買った側が利払いをしなければならない。直接に損をする国債を買うことは、ない。

現在のマイナス金利と超低金利の国債は、もっていれば日銀が買ってくれるという期待から売れているのです。試みに、日銀が国債の買いを2019年4月から停止と発表してみて下さい。
市場の金利は、ほぼ1か月で3%に向かって上がり、国債価格は平均で24%下がるでしょう。

<金利の上昇と既発国債の下落:1%で81兆円>

さらに、出口政策で金利が上がると、1,087兆円の既発国債は1%の金利の上昇につき、7.5%(=81兆円)は価格が下がります。

国債の持ち手(儀日銀と金融機関)には、金利1%上昇につき81兆円の国債時価の保有損が生じるのです。

既発国債の価格下落と金利の上昇(借換債と新発債(合計149兆円:2018年)、利払いの増加による政府財政の破産を避けるためには、日銀は国債の買い増し(=量的緩和)を続けねばならない。

<政府の予定>

政府が語らない予定は、物価の上昇と所得の上昇(=税収が増える)、および消費税の増税により、次第に40兆円の財政赤字を減らして年度予算の国債依存を低下させていくことでしょう。

2019年には、円金利の大きな上昇はない。あっても、わずかでしょう。財政破産もない。2020年はどうか、2021年は?となると怪しくなります。政府財政は、金利が3%になるだけで破産に向かうからです。


対外純投資324兆円(2018年6月末)

日本は、
・貿易収支は時々赤字になっても、年間では黒字である(4.0兆円:2017年)
・海外投資の利回りと海外生産からの所得が約20兆円(2017年)ある
・ほぼ、両者を合計した額である、経常収支は22兆円の黒字です(2017年)
※参考:財務省 国際収支の推移

<国の経常収支と、資本収支の関係>

経常収支の黒字分が、資本収支(現金の流れ)では出超になって赤字になります。経常収支+資本収支=国際収支=0、です。海外の国債の買い、証券・株の買い、海外工場へ投資は資本(=マネー)の海外流出であり、国の資金収支では赤字になります。

(注)メディアや評論家が時々、国際収支が黒字というのは、経常収支というべきことの間違いです。

日本は経常収支の黒字のため海外へ資本を流出し、その資金の赤字の結果が対外資産の残高になっています。株を買うと現金が減る(現金収支は赤字)ことと同じです。一方、借り入れは、資金収支ではお金が入って来るので黒字になります。貸付は現金が減るので、資金収支では赤字です。


海外から日本への投資は、日本にとっては対外負債です。以下のような内容です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
対外資産 998兆円   対外負債 674兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
海外証券   574兆円    円証券  392兆円
対外貸付   156兆円    借入金  181兆円
その他    286兆円    その他  101兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
対外純資産  324兆円

この対外純資産の残高324兆円が、資金上では円の海外流出分です。これは対外純貸付といっても同じです。ドル国債を買うことは、米国政府に対する貸付と同じことです。

<円の海外流出>

1995年以降の日本は、世界で一番金利が低い。このため、比較金利(イールドスプレッド)の高いドル国債、ユーロ債を買って来ました。

株も同じです。米国株の値上がりが大きかった。このため、銀行と投資家が米国株を買った。これらの合計が、上表の海外証券574兆円です。

海外貸付の増加も、国内の貸付金利(0.6%)より海外の金利の高いからです(三大メガバンク)。


その他の主なものは、工場の直接投資です(174兆円)。国内の生産コストが高いので、海外生産をするようになってきたのです。

トヨタでは、国内の生産が319台、海外生産が582万台と、1.8倍です。日産はもっと多い。国内生産は102万台、海外生産は4.7倍の474万台です。ホンダも、海外生産が5倍です(2017年)。

これが工場の直接投資です。海外の販売が大きな自動車では、海外工場での生産がはるかに多くなっています。
※参考:自動車産業ポータル 2017年 日系メーカー世界生産台数

2000年以降、国内の設備投資を増やさず、海外に工場投資をしてきたのが日本です。

対外資産998兆円、対外負債674兆円の結果が対外純資産324兆円です。金利の低い円は、海外に324兆円純流出したのです。

長期金利は、「実質GDPの期待成長率+期待物価上昇率」です。1995年以降の23年間、円の金利は世界1低い。これは、日本GDPの成長期待と物価の上昇予想が、主要国で一番低いということです。

(注)タックスヘイブン目的の、海外からの資本流入が多いため、利下げしてスイスフランの買いを抑制しているスイスと並んで低い。スイスの10年債の利回りは-0.159%です。

<海外(特に米国)のための異次元緩和だったのか>

このゼロ金利のため、円は海外に流出しました。日銀の量的緩和の目的は、国内の銀行貸し付けを増やして、企業の投資と世帯の商品需要を増やして、物価を上げることでした。

しかし、国内の貸付の増え方は、異次緩和前の2%〜3%増と同じであり変化がない。異次元と銘打った量的緩和は、2%の物価上昇という政策目的の達成には、完全に失敗しています。

代わりに、経済成長力が日本より高いために、金利のつく海外への貸付と証券購入が増えました。「日銀は海外(特米国)のために量的緩和を行った」と言えるくらいでした。

ここまでは、日本の資金循環の2018年6月時点での残高と、内容の動きです。

次回メルマガでは、金利と国債価格のカギになっている日銀の異次元緩和の先行きを予想します。通貨変動(円高、円安)を含んで、日本経済のカギにもなるものがここにあるからです。米国FRBとECBの金融政策も関連します。


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異次元緩和から6年目、ついに地銀が赤字となる段階に来た=吉田繁治 2019年2月27日
https://www.mag2.com/p/money/643676

1997年に世界の先頭を切って国債のゼロ金利を行った日本。6年経った現在、さまざまな副作用ともいえる出来事が顕在化されつつあります。詳しく見ていきましょう


原因は1997年からの日本が世界の先頭を切った国債のゼロ金利

危機状態になったわが国の地銀

地銀は海外情報網が少なく、メガバンクのような海外運用はできない。マイナスからゼロ金利の円国債と、平均金利で0.76%の貸し金が本業の利益です。このため、105行の地銀のうち、2期連続で「本業が赤字」になっているのが半分です。

メディアは「銀行の危機」は破産になるまで報じません。報道されると預金取り付けになることがあるからです。銀行の信用は「情報」で作られています。


それにしても1995年まで、「銀行の赤字や危機」は非常識なことでした。1997年以降、変わったのです。原因は、1997年からの日本が世界の先頭を切った国債のゼロ金利です。

銀行にとって「本業以外の利益」は、買ったときより価格が上がって含み利益がある国債を売る益出しでした。ところがこれも、マイナス金利〜ゼロ金利で、国債価格が上がりきっているので、2018年からは買ったあとに価格が上がることでの含み益はなく、益出しにならなくなったのです。

期待金利で価格が決まる国債は、低金利に向かうときは、価格が上がって売却利益も出ます。しかし金利は、マイナスや0%以下には下げることができない(0%の限界という)。

・金利が横ばいになると、国債価格も買ったときと同じです。
・金利が0.1ポイントでもでも上がる傾向になると、保有している国債価格は下がって、売却損が出ます。

国債をもつ金融機関は、「円国債は満期までもつ」として、市場の時価での決算計上を逃れています。ところが証券業協会のデータで主体別の売買高を見ると、民間金融機関からは年間で130兆円の売りがあり、平均残存期間8年の国債を3年で売っています。
満期まで持つというのは、およそ、嘘の申告です。
※参考:日本証券業協会


決算書の偽装ですが、国債を発行している財務省の下部機構である金融庁が認めているので、問題になってはいません。お手盛りの決算書です。

<2016年8月が起点だった>

マイナス金利が導入された2016年8月以降、国債で損が出るようになってきたのは地銀、メガバンク、保険会社に共通です。マイナス金利のとき、国債は最高価格になるからです。

(1)長期金利が下がっていた2016年8月までは、国債の益出しができました。

(2)マイナス金利に日銀が誘導した2016年の8月以降に買った国債は、金利がわずかに上がっても価格は下がって、逆に、損を出すようになっています。

現在の8年債までのマイナス金利と10年債のゼロ金利は、国債での「今後、これ以上はないバブル価格」を示すものです。

日銀が5年で400兆円も買い上げたことが原因で、「バブル価格」になってしまったのです。(10年債金利:09年〜18年)


<異次元緩和の副作用>

地銀の赤字、保険会社の利益難は、2%のインフレを目的にしている異次元緩和の副作用です(2013年4月から約6年になります)。

2017年2月に出した『財政破産からAI産業革命へ(PHP研究所』で、日銀が異次元緩和を続けることができるのは、ゼロ金利により「銀行が赤字になるときまで」と書きました。

2018年には実際に、地銀の半分が2期連続の赤字になっています。今後、本業が黒字に転換する見込みは、(全く)ありません。

銀行と保険会社は、「海外と国内の投資信託の販売手数料」に希望を託していまが、これは「一時的な幻」で終わることです。


<ヘッジファンドの元本も減少>

世界の投資家と金融機関から300兆円の元本資金を集め、約10倍のレバレッジで3,000兆円の投資信託を作っているヘッジファンドの元本資金に「引き揚げ」が起こっているからです。

原因は、簡単なことです。「ヘッジファンドが5%以上の利益を出せず、世界の株価が下がった昨年10月からは、運用益がマイナス」だからです。

損をする投資信託からは、投資家が預託資金を引き揚げるのが当然でしょう。投資信託も、株価が上がるとき増えるものです。

<メガバンクは円高の損>

仮に1ドル105円の円高(5%)になると、円安で恩恵を受ける三大メガバンクも「本業+本業外の経常利益」が赤字になるでしょう。

米国債の2%の金利利益(イールドスプレッド)が、「5%のドル安/円高」だとマイナス3%になり、一瞬で吹き飛んで2%の損が出るからです。


メガバンク合計で150兆円の米国での運用があるとすると、「5%のドル安/円高」での損は3兆円です。金利の利益の実現には、時間がかかります。しかし通貨変動の利益と損は、一瞬で生じます。

総じて言えば、異次元緩和のマイナス金利、ゼロ金利の副作用から「銀行が赤字から脱却できない時代」になりました。

金利が上がれば銀行と保険会社の利益が回復するかと言えば、そうではない。そのときは、2016年までは益出しができた国債600兆円の価格が下がるからです。銀行の赤字は、金融危機の新たな火種です。

金利の上昇と国債価格に問題(偽装)がある、内閣府の『中長期の経済財政に関する試算』

日銀は異次元緩和を停止して、米国FRBの2014年10月以降のように「利上げ」をしなければならない時期に来ています。

ところが異次元緩和を停止して、金利を上げることはできせん。ゼロ%の金利が上がることは国債価格が下がることです。8年債未満はマイナス金利、10年債の0%金利は、今後、(時期は別にして)上がるしかない。

<金利上昇と国債価格の関係>

(1)1%の金利上昇;
1%金利が上がると、長短合計の国債価格(1,000兆円)は7.5%下がって、日銀に3.3兆円の損、金融機関に4.2兆円の損が出ます。

(2)2%の金利上昇:
2%上がると、保有国債の損は13.8%に拡大し、日銀に5.52兆円、金融機関に7.92兆円の損が出ます。

(3)3%の金利上昇:
3%上がると、保有国債の損は19.4%に拡大し、日銀に7.76兆円、金融機関に11.64兆円の損が出ます。

(注)損の計算は、1÷(1+金利上昇率×平均残存期間8年)です。現在の10年債の金利がほぼ0%で、長短国債の平均残存期間が8年なので計算は単純です。日銀が1000兆円の国債の約40%、「金融機関(海外が11%)+保険会社」が、60%を持っています。

日銀は、「ゼロ金利からの離脱」ができないのです。


成長実現ケース:経済財政諮問会議提出

内閣府が作っている、『中長期の経済財政に関する試算』は、政府の財政の方針を決める根幹になるものです。この内容が、基礎数値においてゆがんでいます。厚労省の賃金統計どころではない。

楽観的シナリオでは名目成長を2019年2.4%、20年2.9%、21年2.8%、22年3.0%、23年以降は3.4%としています。まずこれに問題があります。ひどいのは、長期金利です。

<これから先10年の長期金利>

2021年までは0.1%、22年0.4%、23年0.9%、24年1.4%、25年2.1%、26年2.6%、27年3.1%、28年3.4%としています。

これは今後、国債価格が上がることはなく、下がる一方ということを政府が表明したことと同じです。


2024年ころから、政府シナリオの金利なら財政破産になっていくということも意味しますが、結論はそうなっていいません。

加えて穏やかな金利の上昇は、長期金利を政府・日銀がコントロールすることを示しています。長期金利のコンロールとは、金融機関の国債の市場での売買に政府が介入することです。どんな方法でそれを行うのでしょう。

<金利が下がっていた時期は、国債価格は上がっていた>

日銀の政策短期金利が下がり長期国債の金利も下がって、国債価格が上がっていた時期(2016年8月まで)は、政府は金融機関に「(利益が出る)国債を買ってくれ」と言えたでしょう。

しかし金利上昇を政府が想定し、国債価格は下がることを予定しているときに「(損をするが)国債を買ってくれ」と、どんな手段で要請できるのでしょうか。

<金利が上がる時期になると、国債価格のコントロールができなくなる>

市場の実勢では、政府シナリオに沿って「金利が上がり国債価格は下がる」という市場の予想になると、
・売りが増えて買いは減り
・国債価格は下がって
・金利は短い期間で、一層上昇
します。


すぐに、3%くらいには上がり、3%に上がると7%までは上がる期間は短いのです。誰でも、損の確定はイヤだからです。株価と同じですが、国債価格も下がるときは急速、上がるときはゆっくりです。下がるときの売りは、損の恐怖に駆られた、一斉の売りになるからです。

銀行の国債マネジャーは、益出しができなくなった保有国国債に対して恐怖心に駆られているでしょう。個人のマネーではなく銀行のマネーですが、担当の恐怖心は個人のマネー以上のものです。自殺者すら想定できます。(注)統計偽装の厚労省では、自殺防止のため、窓の鉄枠を強化しています。

低い経済成長率のベースラインシナリオ

名目成長は、成長ケースより低く、2019年2.4%、20年2.3%、21年1.6%、22年1.7%、23年以降は1.7〜1.5%とされています。

対応する長期金利は、2021年までは0.1%、22年0.2%、23年0.6%、24年1.2%、25年1.6%、26年1.8%、27年1.9%、28年2.0%とされています――

2. 中川隆[-10658] koaQ7Jey 2019年4月23日 12:16:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1409] 報告

植民地のインドは商品を輸出しても、その見返りの代金は
ポンドでイギリスに蓄積され、デフレになり、不景気になった

2006年2月9日 アメリカの謎を解く 橋本裕の文学・人生日記帳

ブッシュ大統領が1月31日の一般教書演説で、「私は8800億ドルを減税し、国民に返却した。今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」と述べた。

 一方で、アメリカの経常赤字は05年が7900億ドル(93兆6940億円)、財政赤字も06年度は4230億ドル(約50兆2千億円)で過去最大、債務残高はすでに8兆ドル(約950兆円)を越えている。

 日本では、税制赤字を解消するために、増税をしなければならないと考えられているが、アメリカは逆である。減税をして国内消費を活性化し、景気をよくして税収をあげようとする。さらにアメリカの場合は戦争によって軍需景気を作りだしているわけだ。

 いずれにせよ、アメリカは消費大国。国も国民も借金をして消費を楽しんでいる。このアメリカの消費を助けているのが日本をはじめとするアジア諸国だ。とくに日本の貢献が大きい。日本は政府と民間が何百億ドルというアメリカ国債を買っている。

 先日、朝日新聞夕刊「経済気象台」に「米国のもう一つの謎」という文章が載った。経常収支の赤字が拡大しているにもかかわらず、ドル高が持続している謎について、それは借金国のアメリカが負債について支払う金利が「異常」に低いからだと書いている。これに反して、アメリカの対外資産は巨大な利益を手にしている。

 アメリカは莫大な借金をし、そしてその中から、わずかな一部を他国に貸している。そして不思議なことに、巨大な借金のための利払いよりも、わずかな海外資産の方が多くの利益を生み出しているというのだ。

 どうしてこんなマジックが可能なのか。それは日本がこの逆をしているからである。なぜ日本がこの分の悪い役回りを続けるのか、実はこれこそが本当の謎だということになる。

驚くべきことに、小さな対外資産から受け取る利子と配当が、大きな対外負債に支払う利子と配当を今日まで上回り続けている。家計にたとえると、収入を上回る買い物をして毎月赤字が続き、借金が膨らんでいる。ところが、多額の借金に支払う金利がゼロに近ければ、わずかばかり保有する預金などから受け取る利子の方が大きいという状態なのだ。これでは赤字をいくら出しても、借金さえできれば、後は何の憂いもなく買い物ができる


このうまい話に手放しで悪のりして、米国は経済収支赤字を続け、負債の増加に加速度がついている。この構図が最近話題になり、債権国が浮き足だっている。日本にその気配がないことが「謎」の源である


 実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。

 だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。

 イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。こうしてイギリスはどんどん発展した。

 一方植民地はどうなったか。たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。

 仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。

 このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている。


輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。貸し出しなどに自由に使うことができる。

 日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。

 日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・

 輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである


 幸い、最近この貿易構造がかわりつつある。日本の貿易相手国が中国をはじめとするアジアやヨーロッパにシフトしたことで、日本の対米黒字の割合が相対的に低下したからだ。こうして日本がデフレから解放されるチャンスがここから拡大した。

 しかし、問題はすでに厖大なドル建て資産をアメリカに持っていることだ。日本人の汗の結晶であるドル建て資産が、今後ドル安で何百兆と失われる可能性がある。こうした形で、アメリカは最終的に日本の資産を合法的に手に入れようとする。

「今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」というブッシュの一般教書の宣言は、これからも日本をはじめ、世界から資金を調達するという意思表示と読むべきなのだろう。
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/253.html

3. 中川隆[-10657] koaQ7Jey 2019年4月23日 12:18:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1410] 報告


トルーマンの言葉


猿(日本人)を『自由』と言う名の檻で我々が飼うのだ、家畜が主人である我々のために貢献するのは当然の事である


「猿(日本人)を『虚実の自由』と言う名の檻で我々が飼うのだ。

方法は彼らに多少の贅沢さと便利さを与えるだけで良い。
そしてスポーツ・スクリーン・セックス(3S)を解放させる。
これで真実から目を背けさせる事が出来る。猿は我々の家畜だからだ。

家畜が主人である我々のために貢献するのは当然の事である。そのために我々の財産でもある家畜の肉体は長寿にさせなければならない。(化学物質などで)病気にさせてしかも生かし続けるのだ。これによって我々は収穫を得続けるだろう。これは戦勝国の権限でもある」
https://pbs.twimg.com/media/DqbZiVDU0AA6Sv0.jpg
 


▲△▽▼



猿の惑星


動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Planet+of+the+Apes+1968&sp=mAEB


出演

テイラー : チャールトン・ヘストン
ノバ :リンダ・ハリソン
中国人 : オランウータン
黒人 : ゴリラ
日本人 : チンパンジー


テイラーたちが不時着した星は、猿が人間を支配する猿の惑星だった。

言葉を話す猿たちと、首輪で繋がれ家畜として扱われる人間たち。

この逆転した世界からなんとか逃げ出したテイラーが最後に見たものとは・・・


___


原作者のピエール・ブールはフランス人ながら英国軍に身を投じて戦い、結局日本軍の捕虜になった悲惨な人。

捕虜時代の恨みつらみをもとに書いたのが「クワイ川の橋」。
また日本人が月一番乗りして、ハラキリするのが「カナシマ博士の月面庭園」
でもって、黄色い連中が世界を支配する未来小説が「猿の惑星」


1 名前: O 投稿日: 02/01/24 15:11 ID:tTH+ej+C

自分はアメリカに住んどるもんなんですが
猿の惑星とは日本人をバカにして作られたということが分かった。

アメリカの知り合いが言うとったよ

「あれは日本人をバカにした映画だよ」

とあっちでは有名らしい。

日本人の前でそんなことは言えないけど俺にだけ話してくれた。

まあアメリカで反日が多かった時代に作られただけにやむおえないことだろう。

で最近新しく放映された「猿の惑星」ももしかしたら・・・

そう考えて改めて見たけど猿が着ている服も確かに日本の侍のように見える。

つまり猿(日本人)の惑星(日本)

そして猿の惑星にでてくる人間はアメリカ人ということです。


あの作品では人間よりも優れていると思いこんだ猿が人間によって人間の方が優れていると証明されますが、それを信じたくない猿との葛藤を描いていますよね?

つまり知恵遅れの猿(日本人)のくせに人間(アメリカ人)に戦争を仕掛けやがって!

という意図が込められているそうです。
http://tv.2ch.net/movie/kako/1011/10118/1011852691.html




▲△▽▼

西洋人の日本人観

チャーチル 「日本人は中国娘と猿との野合の末に生まれた類人猿のようなもの」

ルーズベルト「日本人は獣である」

「マンハッタン計画」をスタートさせたフランクリン・ルーズベルト大統領は、日本人を“劣等人種”として激しく差別していたことで知られている。

一般のアメリカ人の間にも、日本人に対する人種差別意識が蔓延していた。 当時のアメリカの雑誌にはこう書かれていた。

「アメリカ人はドイツ人を憎むことを学ばなければならないが、日本人に対しては憎しみが自然と湧いてくる。これはかつてインディアンたちと戦ったときと同様に自然なものだ。」


「普通の日本人は知性が低く、無知である。
たぶん人間なのだろうが、人間であることを示すような点はどこにもない。」
 

当時、トマス・ブレーミー将軍も、こう演説していた。

「諸君らが闘っているのは奇妙な人種である。
人間と猿の中間にあると言っていい。
文明存続のために我々は最後まで戦いぬかねばならない。
日本人を根絶しなければならない!」


ウィリアム・ハルゼー海軍元帥

 日本軍との戦闘に際し

「敵を殺せ!敵をもっと殺せ!猿肉をもっと作れ!」

など度々過激な発言を繰り返したことで知られている。
http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhc700.html#ex15


ハイドパーク協定

1944(昭和19)年9月18日

フランクリン・ルーズベルト米大統領とウィンストン・チャーチル英首相が
米ニューヨーク州ハイドパークで会談し、日本への原爆投下と将来の核管理について
申し合わせた秘密協定

1972(昭和47)年に初めて公開された

ニューヨーク州ハイドパークの大統領私邸でルーズベルトと会談した英国の
ロナルド・キャンベル大使がルーズベルトから「劣等アジア人種」の品種改良と
いうとんでもない提案を受けたと本国に宛てた書簡に書き残している。

「インド系、あるいはユーラシア系とアジア系を、さらにはヨーロッパ人とアジア
人種を交配させ、それによって立派な文明をこの地に生み出していく。

ただ日本人は除外し、もとの島々に隔離して衰えさせる」


ハル・ノート:日本が対米開戦を決断した無理な米国側の要求。

米国に潜伏するソ連スパイが日米を衝突させるために作成した。
http://mikomo.hp.infoseek.co.jp/a-f2.htm#03


トルーマンのカバートへの返事

1945年8月11日

日本人の理解する唯一の言語は、彼らを爆撃することのように思われます。

獣と相対したときは、獣として扱う他はありません。
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/RE_sammuel_1945_8_11.htm


トルーマン回想録

"Japanese are beast. So are treated as"(「日本人は獣だ。だから、そのように扱った」)

アメリカからみると対独戦より対日戦の方が、はるかに「人種戦争」という面が濃厚であった。

ダワー教授によれば、アメリカ側の、日本人に対するステレオタイプの典型は「猿」であり、野蛮人、劣等人間、人間以下、害虫、と続いた。それは、個性もなく次々とわいてくるものであったという。

ところがアメリカのヨーロッパでの敵は、ドイツ人自体ではなくヒトラー一派であり、ジャーナリズムも、日本軍の残虐行為については盛んに報道したという。

ダワー教授は、このような相手を人間以下とみなす発想は、日本人に対して初めてではなく、歴史上繰り返してきた非白人に対する蔑視、具体的にはインディアンと黒人に投げつけてきた表現が噴出したものにすぎないとしている。
http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhc700.html#ex15


原爆の対日使用は「人体実験」だった。


被爆者治療せず 50年代の米公文書

原爆投下後に広島、長崎に設置された米国の原爆傷害調査委員会(ABCC)をめぐり、米政府が「原爆は特別な兵器ではない」との主張が揺らぐのを避ける意図で、被爆者の治療をさせなかったことが50年代の米公文書で明らかになった。

ABCCは被爆者を検査してデータを収集したが治療はせず、被爆者の間に批判があった。 http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/atomic_bomb.html


「広島・長崎への原爆攻撃の目的は何だったのか。1つには戦後世界でのアメリカ
の覇権確立である。そしてもう1つは、原爆の効果を知るための無数の人間への
『人体実験』である。

だからこそ、占領後にアメリカ軍が行なったことは、第1に、原爆の惨状について
の報道を禁止し、『人体実験』についての情報を独占することだった。

第2に、史上前例のない火傷、放射能障害の治療方法を必死に工夫していた広島・
長崎の医者たちに治療方法の発表と交流を禁止するとともに、死没被爆者の
ケロイドの皮膚や臓器や生存被爆者の血液やカルテを没収することだった。

第3に、日本政府をして国際赤十字からの医薬品の支援申し出を拒否させることだった。たしかに、『実験動物』を治療するのでは『実験』にならない。そこでアメリカ軍は全力を尽くして被爆治療を妨害したのである。


第4に、被爆者を『治療』せず『実験動物』のように観察するABCC

(原爆障害調査委員会と訳されたアメリカ軍施設)を広島・長崎に設置することであった。加害者が被害者を観察するというその目的自体が被爆者への人権蹂躙ではなかったか。」

広島で女学生(14歳)のときに原爆にあい、現在も原爆後遺症で苦しむ詩人の橋爪文さんは、「ABCC」(原爆傷害調査委員会と訳されたアメリカ軍施設)について、次のような恐ろしい事実を述べている。


「私は広島の生き残りのひとりです。 〈中略〉 

ここで、ひとつ触れたいことは『ABCC』についてです。

これは日本でもほとんど知らされていないことですが、戦後広島に進駐してきたアメリカは、すぐに、死の街広島を一望のもとに見下ろす丘の上に『原爆傷害調査委員会』(通称ABCC)を設置して放射能の影響調査に乗り出しました。

そして地を這って生きている私たち生存者を連行し、私たちの身体からなけなしの血液を採り、傷やケロイドの写真、成長期の子どもたちの乳房や体毛の発育状態、また、被爆者が死亡するとその臓器の摘出など、さまざまな調査、記録を行ないました。

その際私たちは人間としてではなく、単なる調査研究用の物体として扱われました。

治療は全く受けませんでした。

そればかりでなく、アメリカはそれら調査、記録を独占するために、外部からの広島、長崎への入市を禁止し、国際的支援も妨害し、一切の原爆報道を禁止しました。日本政府もそれに協力しました。

こうして私たちは内外から隔離された状態の下で、何の援護も受けず放置され、放射能被害の実験対象として調査、監視、記録をされたのでした。

しかもそれは戦争が終わった後で行なわれた事実です。

私たちは焼け跡の草をむしり、雨水を飲んで飢えをしのぎ、傷は自然治癒にまかせるほかありませんでした。

あれから50年、『ABCC』は現在、日米共同の『放射線影響研究所』となっていますが、私たちはいまも追跡調査をされています。
http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhc700.html


 
英語教育の先生が、今日本でやられている英語教育について書いていたが、南北アメリカ大陸で7000万〜8000万人いたインディアンの皆殺しをやり、残った者は同化政策で、子どもを親から切り離して寄宿舎に入れて英語教育をやり、言葉も歴史も全部奪っていったのにそっくりだと指摘している。

民族の歴史も文化も言葉も奪っていく絶滅作戦だ。

第二次大戦から「イエローモンキー」といって人間扱いではないが、それはインディアンのときから続いている。

民主主義というのは白人の為のもので、黄色人種や褐色人種を従わせるのが民主主義だ、それを受け入れるのが未開の者の務めで、従わない者は殺してもいいという考えだ。

「これは神の明白な運命」というのが、清教徒がアメリカ大陸に渡り、東部から西部に行くうえでの基本理念だ。

それでアメリカ全土のインディアンを皆殺しにし、生き残った者は囲い込む。その後太平洋まで来てハワイ、フィリピン、日本、中国と全部アメリカの基準で支配するのが使命だというのが一貫している。だからフィリピンでも相当殺された。

 この理念でフィリピン人も日本人も遊び感覚で殺しまくる。インディアンのときには「頭皮狩り」といって、戦利品として耳を切りとり、頭蓋骨を集めた者が最も偉大な民主主義者だとやってきた。

第二次大戦でも日本に対して「インディアンと同じようにやれ」とハルゼーなどがかなりやっている。

アメリカの若い兵隊はフロンティア精神とかカウボーイみたいな感覚で、日本の子どもらが逃げまどっているのに、グラマンで笑いながら撃ち殺す。

人道主義というが、ハルゼーも「捕虜はとらなくていい。とにかく殺せ」とやっている。

「死んだインディアンがいいインディアンだ」というのをもじって、

「6カ月前に死んだジャップがいいジャップだ」

といった。

これは単にハルゼー個人の考えではなく、当時アメリカのマスコミや新聞、雑誌などで強烈にやっていたことだ。

戦争体験者がテニアンに行ったときホテルに飾り物として日本人の頭蓋骨が金粉を塗られて飾ってあった。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/genzainitudukunihonminzokuzetumetusakusen.html

4. 中川隆[-10656] koaQ7Jey 2019年4月23日 12:20:37 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1411] 報告

外国語学習について - 内田樹の研究室 2018-10-31

2018年6月12日に「文系教科研究会」というところで、私立の中学高校の英語の先生たちをお相手に英語教育についてお話した。その一部をここに掲載する。

ここで論じたのは英語だけれど、言語教育一般について適用できる議論だと思う。
ここ数日、「論理国語」と「文学国語」というカテゴライズをするという話がTLを飛び交っているけれど、それがほんとうだとしたら、それはたぶん言語というものについて一度も真剣に思量したことのない人間の脳裏に去来したアイディアだろうと思う。それはまさに「植民地における現地人への宗主国言語教育」とまったく同型的なものだからだ。

国語教育においても「植民地現地人」に求められる言語能力は同じである。

それは宗主国アメリカに仕え、アメリカに朝貢することで「代官」「買弁」としての地位を保全している日本の支配層たちが、同国人の知性の発達を阻害し、日本人を愚民化することで、属国日本をアメリカが支配しやすいようにするために作り出した仕掛けである。

以下がそのときの講演。途中からなので、話が見えにくいのはご容赦。


外国語学習について語るときに、「目標言語」と「目標文化」という言葉があります。

「目標言語」というのは、今の場合なら、例えば英語です。なぜ英語を学ぶのか。それは「目標文化」にアクセスするためです。英語の場合であれば、ふつうは英語圏の文化が「目標文化」と呼ばれます。

僕らの世代において英語の目標文化ははっきりしていました。それは端的にアメリカ文化でした。アメリカ文化にアクセスすること、それが英語学習の最も強い動機でした。僕たちの世代は、子どものときからアメリカ文化の洪水の中で育っているわけですから、当然です。FENでロックンロールを聴き、ハリウッド映画を観て、アメリカのテレビドラマを観て育ったわけですから、僕らの世代においては「英語を学ぶ」というのは端的にアメリカのことをもっと知りたいということに尽くされました。

僕も中学や高校で「英語好き」の人にたくさん会いましたけれど、多くはロックの歌詞や映画の台詞を聴き取りたい、アメリカの小説を原語で読みたい、そういう動機で英語を勉強していました。

僕もそうでした。英語の成績は中学生からずっとよかったのですが、僕の場合、一番役に立ったのはビートルズの歌詞の暗記でした。ビートルズのヒット曲の歌詞に含まれる単語とイディオムを片っ端から覚えたのですから、英語の点はいいはずです。

つまり、英語そのものというよりも、「英語の向こう側」にあるもの、英米の文化に対する素朴な憧れがあって、それに触れるために英語を勉強した。英米のポップ・カルチャーという「目標文化」があって、それにアクセスするための回路として英語という「目標言語」を学んだわけです。

その後、1960年代から僕はフランス語の勉強を始めるわけですけれども、この時もフランス語そのものに興味があったわけではありません。フランス語でコミュニケーションしたいフランス人が身近にいたわけではないし、フランス語ができると就職に有利というようなこともなかった。そういう功利的な動機がないところで学び始めたのです。フランス文化にアクセスしたかったから。

僕が高校生から大学生の頃は、人文科学・社会科学分野での新しい学術的知見はほとんどすべてがフランスから発信された時代でした。40年代、50年代のサルトル、カミュ、メルロー=ポンティから始まって、レヴィ=ストロース、バルト、フーコー、アルチュセール、ラカン、デリダ、レヴィナス・・・と文系の新しい学術的知見はほとんどフランス語で発信されたのです。

フランス語ができないとこの知的領域にアクセスできない。当時の日本でも、『パイデイア』とか『現代思想』とか『エピステーメー』とかいう雑誌が毎月のようにフランスの最新学術についての特集を組むのですけれど、「すごいものが出て来た」と言うだけで、そこで言及されている思想家や学者たちの肝心の主著がまだ翻訳されていない。フランス語ができる学者たちだけがそれにアクセスできて、その新しい知についての「概説書」や「入門書」や「論文」を独占的に書いている。とにかくフランスではすごいことになっていて、それにキャッチアップできないともう知の世界標準に追いついてゆけないという話になっていた。でも、その「すごいこと」の中身がさっぱりわからない。フランス語が読めないと話にならない。ですから、60年代―70年代の「ウッドビー・インテリゲンチャ」の少年たちは雪崩打つようにフランス語を学んだわけです。それが目標文化だったのです。 

のちに大学の教師になってから、フランス語の語学研修の付き添いで夏休みにフランスに行くことになった時、ある年、僕も学生にまじって、研修に参加したことがありました。振り分け試験で上級クラスに入れられたのですけれど、そのクラスで、ある日テレビの「お笑い番組」のビデオを見せて、これを聴き取れという課題が出ました。僕はその課題を拒否しました。悪いけど、僕はそういうことには全然興味がない。僕は学術的なものを読むためにフランス語を勉強してきたのであって、テレビのお笑い番組の早口のギャグを聴き取るために労力を使う気はないと申し上げた。その時の先生は真っ赤になって怒って、「庶民の使う言葉を理解する気がないというのなら、あなたは永遠にフランス語ができるようにならないだろう」という呪いのような言葉を投げかけたのでした。結局、その呪いの通りになってしまったのですけれど、僕にとっての「目標文化」は1940年から80年代にかけてのフランスの知的黄金時代のゴージャスな饗宴の末席に連なることであって、現代のフランスのテレビ・カルチャーになんか、何の興味もなかった。ただ、フランス語がぺらぺら話せるようになりたかったのなら、それも必要でしょうけれど、僕はフランスの哲学者の本を読みたくてフランス語を勉強し始めたわけですから、その目標を変えるわけにゆかない。フランス語という「目標言語」は同じでも、それを習得することを通じてどのような「目標文化」にたどりつこうとしているのかは人によって違う。そのことをその時に思い知りました。

ロシア語もそうです。今、大学でロシア語を第二外国語で履修する学生はほとんどいません。でも、若い方はもうご存じないと思いますけれど、1970年に僕が大学入学したとき、理系の学生の第二外国語で一番履修者が多かったのはロシア語だったのです。

「スプートニク・ショック」として知られるように、60年代まではソ連が科学技術のいくつかの分野でアメリカより先を進んでいたからです。科学の最先端の情報にアクセスするためには英語よりもロシア語が必要だった。でも、ソ連が没落して、科学技術におけるアドバンテージが失われると、ロシア語を履修する理系の学生はぱたりといなくなりました。もちろんドストエフスキーを読みたい、チェーホフを読みたいというような動機でロシア語を履修する学生の数はいつの時代もいます。目標文化が「ロシア文学」である履修者の数はいつの時代もそれほど変化しない。けれども、目標文化が「ソ連の科学の先進性」である履修者は、その目標文化が求心力を失うと、たちまち潮が引くようにいなくなる。

僕の学生時代はフランス語履修者がたくさんおりました。でも、その後、フランス語履修者は急減しました。ある時点で中国語に抜かれて、今はもう見る影もありません。

理由の一つは、日本のフランス語教員たちが学生たちの知的好奇心を掻き立てることができなかったせいなのですけれど、それ以上に本国のフランスの文化的な発信力が低下したことがあります。フランス文化そのものに日本の若者たちを「目標」として惹きつける魅力がなくなってしまった。

フランス語やロシア語の例から知れる通り、われわれが外国語を学ぶのは目標文化に近づくためなのです。目標文化にアクセスするための手段として目標言語を学ぶ。

しかし、まことに不思議なことに、今の英語教育には目標文化が存在しません。英語という目標言語だけはあるけれども、その言語を経由して、いったいどこに向かおうとしているのか。向かう先はアメリカでもイギリスでもない。カナダでもオーストラリアでもない。どこでもないのです。

何年か前に、推薦入試の入試本部で学長と並んで出願書類をチェックしていたことがありました。学長は英文科の方だったのですけれど、出願書類の束を読み終えた後に嘆息をついて、「内田さん、今日の受験者150人の中に『英文科志望理由』に『英米文学を学びたいから』と書いた人が何人いると思う?」と訊いてきました。「何人でした?」と僕が問い返すと「2人だけ」というお答えでした「後は、『英語を生かした職業に就きたいから』」だそうでした。

僕の知る限りでも、英語を学んで、カタールの航空会社に入った、香港のスーパーマーケットに就職した、シンガポールの銀行に入ったという話はよく聞きます。別にカタール文化や香港文化やシンガポール文化をぜひ知りたい、その本質に触れたいと思ってそういう仕事を選んだわけではないでしょう。彼らにとって、英語はたしかに目標言語なのですけれど、めざす目標文化はどこかの特定の文化圏のものではなく、グローバルな「社会的な格付け」なのです。高い年収と地位が得られるなら、どの外国でも暮らすし、どの外国でも働く、だから英語を勉強するという人の場合、これまでの外国語教育における目標文化に当たるものが存在しない。
これについては平田オリザさんが辛辣なことを言っています。彼に言わせると、日本の今の英語教育の目標は「ユニクロのシンガポール支店長を育てる教育」だそうです。「ユニクロのシンガポール支店長」はもちろん有用な仕事であり、しかるべき能力を要するし、それにふさわしい待遇を要求できるポストですけれど、それは一人いれば足りる。何百万単位で「シンガポール支店長」を「人形焼き」を叩き出すように作り出す必要はない。でも、現在の日本の英語教育がめざしているのはそういう定型です。

僕は大学の現場を離れて7年になりますので、今の大学生の学力を知るには情報が足りないのですけれども、それでも、文科省が「英語ができる日本人」ということを言い出してから、大学に入学してくる学生たちの英語力がどんどん低下してきたことは知っています。それも当然だと思います。英語を勉強することの目標が、同学齢集団内部での格付けのためなんですから。低く査定されて資源分配において不利になることに対する恐怖をインセンティヴにして英語学習に子どもたちを向けようとしている。そんなことが成功するはずがない。恐怖や不安を動機にして、知性が活性化するなんてことはありえないからです。

僕は中学校に入って初めて英語に触れました。それまではまったく英語を習ったことがなかった。1960年頃の小学生だと、学習塾に通っているのがクラスに二三人、あとは算盤塾くらいで、小学生から英語の勉強している子どもなんか全然いません。ですから、FENでロックンロールは聴いていましたけれど、DJのしゃべりも、曲の歌詞も、ぜんぶ「サウンド」に過ぎず、意味としては分節されていなかった。それが中学生になるといよいよ分かるようになる。入学式の前に教科書が配られます。英語の教科書を手にした時は、これからいよいよ英語を習うのだと思って本当にわくわくしました。これまで自分にとってまったく理解不能だった言語がこれから理解可能になってゆくんですから。自分が生まれてから一度も発したことのない音韻を発声し、日本語に存在しない単語を学んで、それが使えるようになる。その期待に胸が膨らんだ。

今はどうでしょう。中学校一年生が四月に、最初の英語の授業を受ける時に、胸がわくわくどきどきして、期待で胸をはじけそうになる・・・というようなことはまずないんじゃないでしょうか。ほかの教科とも同じでしょうけれど、英語を通じて獲得するものが「文化」ではないことは中学生にもわかるからです。

わかっているのは、英語の出来不出来で、自分たちは格付けされて、英語ができないと受験にも、就職にも不利である、就職しても出世できないということだけです。そういう世俗的で功利的な理由で英語学習を動機づけようとしている。でも、そんなもので子どもたちの学習意欲が高まるはずがない。

格付けを上げるために英語を勉強しろというのは、たしかにリアルではあります。リアルだけれども、全然わくわくしない。外国語の習得というのは、本来はおのれの母語的な枠組みを抜け出して、未知のもの、新しいものを習得ゆくプロセスのはずです。だからこそ、知性の高いパフォーマンスを要求する。自分の知的な枠組みを超え出てゆくわけですから、本当なら「清水の舞台から飛び降りる」ような覚悟が要る。そのためには、外国語を学ぶことへ期待とか向上心とか、明るくて、風通しのよい、胸がわくわくするような感じが絶対に必要なんですよ。恐怖や不安で、人間はおのれの知的な限界を超えて踏み出すことなんかできません。
でも、文科省の『「英語ができる日本人」の育成のための行動計画の策定について』にはこう書いてある。

「今日においては、経済、社会の様々な面でグローバル化が急速に進展し、人の流れ、物の流れのみならず、情報、資本などの国境を超えた移動が活発となり、国際的な相互依存関係が深まっています。それとともに、国際的な経済競争は激化し、メガコンペティションと呼ばれる状態が到来する中、これに対する果敢な挑戦が求められています。」

冒頭がこれです。まず「経済」の話から始まる。「経済競争」「メガコンペティション」というラットレース的な状況が設定されて、そこでの「果敢な挑戦」が求められている。英語教育についての基本政策が「金の話」と「競争の話」から始まる。始まるどころか全篇それしか書かれていない。

「このような状況の中、英語は、母語の異なる人々をつなぐ国際的共通語として最も中心的な役割を果たしており、子どもたちが21世紀を生き抜くためには、国際的共通語としての英語のコミュニケーション能力を身に付けることが不可欠です」という書いた後にこう続きます。

「現状では、日本人の多くが、英語力が十分でないために、外国人との交流において制限を受けたり、適切な評価が得られないといった事態も起きています。」
「金」と「競争」の話の次は「格付け」の話です。ここには異文化に対する好奇心も、自分たちの価値観とは異なる価値観を具えた文化に対する敬意も、何もありません。人間たちは金を求めて競争しており、その競争では英語ができることが死活的に重要で、英語学力が不足していると「制限を受けたり」「適切な評価が得られない」という脅しがなされているだけです。そんなのは日本人なら誰でもすでに知っていることです。でも、「英語ができる日本人」に求められているのは「日本人なら誰でもすでに知っていること」なのです。

外国語を学ぶことの本義は、一言で言えば、「日本人なら誰でもすでに知っていること」の外部について学ぶことです。母語的な価値観の「外部」が存在するということを知ることです。自分たちの母語では記述できない、母語にはその語彙さえ存在しない思念や感情や論理が存在すると知ることです。

でも、この文科省の作文には、外国語を学ぶのは「日本人なら誰でもすでに知っていること」の檻から逃れ出るためだという発想がみじんもない。自分たちの狭隘な、ローカルな価値観の「外側」について学ぶことは「国際的な相互依存関係」のうちで適切なふるまいをするために必須であるという見識さえ見られない。僕は外国語学習の動機づけとして、かつてこれほど貧しく、知性を欠いた文章を読んだことがありません。

たしかに、子どもたちを追い込んで、不安にさせて、処罰への恐怖を動機にして何か子どもたちが「やりたくないこと」を無理強いすることは可能でしょう。軍隊における新兵の訓練というのはそういうものでしたから。処罰されることへの恐怖をばねにすれば、自分の心身の限界を超えて、爆発的な力を発動させることは可能です。スパルタ的な部活の指導者は今でもそういうやり方を好んでいます。でも、それは「やりたくないこと」を無理強いさせるために開発された政治技術です。
ということは、この文科省の作文は子どもたちは英語を学習したがっていないという前提を採用しているということです。その上で、「いやなこと」を強制するために、「経済競争」だの「メガコンペティション」だの「適切な評価」だのという言葉で脅しをかけている。

ここには学校教育とは、一人一人の子どもたちがもっている個性的で豊かな資質が開花するのを支援するプロセスであるという発想が決定的に欠落しています。子どもたちの知性的・感性的な成熟を支援するのが学校教育でしょう。自然に個性や才能が開花してゆくことを支援する作業に、どうして恐怖や不安や脅迫が必要なんです。勉強しないと「ひどい目に遭うぞ」というようなことを教師は決して口にしてはならないと僕は思います。学ぶことは子どもたちにとって「喜び」でなければならない。学校というのは、自分の知的な限界を踏み出してゆくことは「気分のいいこと」だということを発見するための場でなければならない。

この文章を読んでわかるのは、今の日本の英語教育において、目標言語は英語だけれど、目標文化は日本だということです。今よりもっと日本的になり、日本的価値観にがんじがらめになるために英語を勉強しなさい、と。ここにはそう書いてある。目標文化が日本文化であるような学習を「外国語学習」と呼ぶことに僕は同意するわけにはゆきません。

僕自身はこれまでさまざまな外国語を学んできました。最初に漢文と英語を学び、それからフランス語、ヘブライ語、韓国語といろいろな外国語に手を出しました。新しい外国語を学ぶ前の高揚感が好きだからです。日本語にはない音韻を発音すること、日本語にはない単語を知ること、日本語とは違う統辞法や論理があることを知ること、それが外国語を学ぶ「甲斐」だと僕は思っています。習った外国語を使って、「メガコンペティションに果敢に挑戦」する気なんか、さらさらありません。

外国語を学ぶ目的は、われわれとは違うしかたで世界を分節し、われわれとは違う景色を見ている人たちに想像的に共感することです。われわれとはコスモロジーが違う、価値観、美意識が違う、死生観が違う、何もかも違うような人たちがいて、その人たちから見た世界の風景がそこにある。外国語を学ぶというのは、その世界に接近してゆくことです。 

フランス語でしか表現できない哲学的概念とか、ヘブライ語でしか表現できない宗教的概念とか、英語でしか表現できない感情とか、そういうものがあるんです。それを学ぶことを通じて、それと日本語との隔絶やずれをどうやって調整しようか努力することを通じて、人間は「母語の檻」から抜け出すことができる。

外国語を学ぶことの最大の目標はそれでしょう。母語的な現実、母語的な物の見方から離脱すること。母語的分節とは違う仕方で世界を見ること、母語とは違う言語で自分自身を語ること。それを経験することが外国語を学ぶことの「甲斐」だと思うのです。

でも、今の日本の英語教育は「母語の檻」からの離脱など眼中にない。それが「目標言語は英語だが、目標文化は日本だ」ということの意味です。外国語なんか別に学ぶ必要はないのだが、英語ができないとビジネスができないから、バカにされるから、だから英語をやるんだ、と。言っている本人はそれなりにリアリズムを語っているつもりでいるんでしょう。でも、現実にその結果として、日本の子どもたちの英語力は劇的に低下してきている。そりゃそうです。「ユニクロのシンガポール支店長」が「上がり」であるような英語教育を受けていたら、そもそもそんな仕事に何の興味もない子どもたちは英語をやる理由がない。

(中略)

今は英語教育にとりわけ中等教育では教育資源が偏ってきています。他の教科はいいから、とにかく英語をやれという圧力が強まっています。別にそれは英語の教員たちが望んだことではないのだけれど、教育資源が英語に偏っている。特に、オーラル・コミュニケーション能力の開発に偏っている。何でこんなに急激にオーラルに偏ってきたかというと、やはりこれは日本がアメリカの属国だということを抜きには説明がつかない。

「グローバル・コミュニケーション」と言っても、オーラルだけが重視されて、読む力、特に複雑なテクストを読む能力はないがしろにされている。これは植民地の言語教育の基本です。

植民地では、子どもたちに読む力、書く力などは要求されません。オーラルだけできればいい。読み書きはいい。文法も要らない。古典を読む必要もない。要するに、植民地宗主国民の命令を聴いて、それを理解できればそれで十分である、と。それ以上の言語運用能力は不要である。理由は簡単です。オーラル・コミュニケーションの場においては、ネイティヴ・スピーカーがつねに圧倒的なアドバンテージを有するからです。100%ネイティヴが勝つ。「勝つ」というのは変な言い方ですけれども、オーラル・コミュニケーションの場では、ネイティヴにはノン・ネイティヴの話を遮断し、その発言をリジェクトする権利が与えられています。ノン・ネイティヴがどれほど真剣に、情理を尽くして話していても、ネイティヴはその話の腰を折って「その単語はそんなふうには発音しない」「われわれはそういう言い方をしない」と言って、話し相手の知的劣位性を思い知らせることができる。

逆に、植民地的言語教育では、原住民の子どもたちにはテクストを読む力はできるだけ付けさせないようにする。うっかり読む力が身に着くと、植民地の賢い子どもたちは、宗主国の植民地官僚が読まないような古典を読み、彼らが理解できないような知識や教養を身に付ける「リスク」があるからです。植民地の子どもが無教養な宗主国の大人に向かってすらすらとシェークスピアを引用したりして、宗主国民の知的優越性を脅かすということは何があっても避けなければならない。だから、読む力はつねに話す力よりも劣位に置かれる。「難しい英語の本なんか読めても仕方がない。それより日常会話だ」というようなことを平然と言い放つ人がいますけれど、これは骨の髄まで「植民地人根性」がしみこんだ人間の言い草です。

「本を読む」というのはその国の文化的な本質を理解する上では最も効率的で確実な方法です。でも、植民地支配者たちは自分たちの文化的な本質を植民地原住民に理解されたくなんかない。だから、原住民には、法律文書や契約書を読む以上の読解力は求めない。

今の日本の英語教育がオーラルに偏って、英語の古典、哲学や文学や歴史の書物を読む力を全く求めなくなった理由の一つは「アメリカという宗主国」の知的アドバンテージを恒久化するためです。だから、アメリカ人は日本人が英語がぺらぺら話せるようになることは強く求めていますけれど、日本の子どもたちがアメリカの歴史を学んだり、アメリカの政治構造を理解したり、アメリカの文学に精通したりすること、それによってアメリカ人が何を考えているのか、何を欲望し、何を恐れているのかを知ることはまったく望んでいません。

(以下略)

「原住民には法律文書や契約書を読む以上の読解力は求めない」ということを英語教育について書いたら、国語教育でも同じことをしようとしているということを知らされた。

まことに情けない国に成り下がったものである。
http://blog.tatsuru.com/2018/10/31_1510.html

5. 中川隆[-10655] koaQ7Jey 2019年4月23日 12:49:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1412] 報告

日本株の株価が上がる程 日本から資産が失われていく

アダム・スミス2世の経済解説  2015-05-10

アベノミクスがもたらした株価上昇による100兆円の損失
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アベノミクスの評価は、現時点においてもさまざまである。その中で多くの人たちが認める功績は、株価を上昇させたことであろう。アベノミクスの否定論者でも、アベノミクスは株価を上昇させたこと以外にメリットは存在しないという評価を下す人は多い。

株価を引き上げたことは功績であるにしても、現在の株価は上がりすぎであり、バブルであるとの批判は存在する。

今回は、アベノミクスが株価上昇により巨額の損失を日本経済に与え、最近ではその累計額が100兆円にまで到達したという事実を説明する。

最後に、このような巨額の損失が発生した原因として、最近、株価の需給コメントのシリーズで書いているものと同じ内容を記すことにする。

繰り返すが、アベノミクスの否定論者でも、株価を上昇させたことだけは功績として認める人が多い。一方、私は、株価上昇のプラス面、マイナス面の両方を今までに何度も書いてきた。今回はプラスの面には触れず、マイナスの面だけに触れることにする。唯一の正しい見方ではないが、一つの有力な観点から見た場合、大変大きなマイナスにもなりうる、ということを書くことにする。

そもそも、利益、損失、純資産の増加、純資産の減少というものは、会計基準によって変わるものである。民間企業でも、日本会計基準、国際会計基準、米国会計基準によって利益や純資産は異なる。利益、純資産というものは、万人の意見が利益、純資産であると一致するものは当然存在する。しかし、利益か利益でないか、純資産の増加か増加でないか、専門家の間で意見が分かれるものも当然存在する。そのため、会計基準によって利益や純資産は異なってしまう。

正確性が他の会計基準より明らかに低い会計基準は、過去には使われていた。しかし、そのような会計基準は修正され、現在では使われていない。現在使われている複数の会計基準の利益、純資産の中で、どの基準が一番正しいかは、専門家の間でも一致してはいない。そもそも会計基準というものは、国や時代が異なれば、「正しい」内容が異なっても当然なのかもしれない。

より難しいのは、民間企業以外の利益、あるいは純資産である。日本という国レベルで、純資産が毎年どれだけ増加、または減少しているかについての会計基準は、事実上、一つしか存在しない。現在、日本で使われている日本の純資産に相当するものは、国民経済計算ベースでの国富(=正味資産)である。この会計基準は、いろいろと問題点が指摘されることが多い。しかし、現在、国ベースでどれだけ資産を増やした、あるいは減らしたかを認識できる統計は、国民経済計算ベースの国富しか存在しない。問題点があることは頭に入れながらも、事実上、一つしか存在しない日本の国富を表すグラフを下記に示す。


国富
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国富の大半は非金融資産である。それ以外は、金融資産の一部である対外純資産だけである。国富の大半をしめる非金融資産が減少傾向を示している最大の原因は、地価の下落である。対外純資産は増加傾向にある。

国富には、対外純資産以外の金融資産が存在しない。これは、金融資産が存在すれば、必ずそれに等しい金融負債が存在していると国民経済計算では考えるからだ。この場合、株価が上昇しても、株価の時価総額の増加額に等しい金融負債が増加していると考えるのである。この考え方に基づけば、アベノミクスの結果株価が上昇しても、プラスは発生しない。株価の時価総額と同金額の金融負債が同時に増加すると考えるからだ。株式保有金額の増加額のうち海外投資家による日本株保有分については、海外投資家の資産増加と、国内部門の負債の同金額の増加が発生すると考える。これを日本から見れば、国内の負債の増加分と同金額の国内資産が増えているのではなく、同金額の対外負債の増加だけが発生していると見える。対外負債の増加であるから、対外純資産の減少、すなわち国富の減少を意味する。日本の株価が上昇すればするほど、資産は増えず、対外負債だけは増加し、対外純資産と国富は減少する。

国民経済計算は年1回公表され、最新のものは2013年度版である。非金融資産については国民経済計算が唯一の統計である。しかし、対外純資産を含む金融資産については、国民経済計算に準じるものとして、日銀の資金循環統計が存在する。これは年4回公表、最新のものは2014年版である。両者の会計基準は、主体や項目などの分類の定義に違いがあり、一致しない数字も多いが、理論的には同種のものと考えてよい。そのため、前回と同様に、国民経済計算ではなく資金循環統計の数字を使って、株価上昇による損益を計算する。なお、国民経済計算の株式は未上場株をも含めたすべての株式が対象であり、上場株だけの数字を求めることはできない。ここで使う数字は、資金循環統計における上場株だけの数字である。

2014年末における投資部門別の株式保有金額(上場株だけが対象)を表すグラフを下記に示す。


投資部門別保有金額
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2014年末における最大の大株主は海外投資家であり、その金額は165兆円、全体の31%を占めていた。

次に、アベノミクス相場の開始以降、上記の株式保有金額がどれだけ増加したかを表すグラフを下記に示す。


投資部門別保有金額の増加額
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アベノミクス相場の開始日は、野田前総理が衆議院解散を明言した2012年11月14日である。しかし、その日からの統計は存在しないので、代わりに2012年9月末を基準にした。保有金額にだいたいは比例しており、海外投資家による株式保有金額の増加額が95兆円と一番大きい。

次に、アベノミクス相場開始以降の投資部門別の売買状況を表すグラフを下記に示す。

投資部門別売買
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このグラフの起点も、2012年9月末にした。見てわかるとおり、買いの大半は海外投資家である。2014年から公的資金が買い始めたので、信託銀行が少し買い越しになっている。最大の売り越し主体は家計、すなわち個人である。

次に上記の2つの表で示される金額の差を表す投資部門別の調整額というグラフを下記に示す。

調整額
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調整額の定義は、資産の変動金額と売買金額の差である。具体的には、調整額の大部分は株価の値上がり益であり、かなり広い意味ではあるが統計上の不突合が一部に含まれている。最大の大株主である海外投資家が一番大きな株価の値上がり益を獲得している。

最初に示した国富の中の対外純資産は、フローベースでは「経常収支+資本移転等収支」の累積金額になる。一方、ストックベースではそれ以外のさまざまな資産価格の変動の影響を受ける。さまざまな資産価格の変動の中で最も寄与度が高いのは、為替レートと株価の変動分である。

日銀の資金循環統計ベースの対外純資産は、2012年9月末の277兆円から、2014年12月末の376兆円まで98兆円の増加となっている。このうち、海外投資家の日本株投資残高は、先のグラフで示したとおり95兆円、うち買越金額は20兆円、調整額、すなわち株価の値上がり益は75兆円である。海外投資家は日本の株価上昇により、75兆円前後の値上がり益を獲得した。このため、日本の株価が2012年9月と2014年末が同じであったと仮定するならば、対外純資産は376兆円より75兆円多い451兆円になっていたはずである。株価が上昇したがために、75兆円もの対外純資産と国富が減少したことを意味する。

しかし、アベノミクス開始以降の対外純資産は、株価上昇によるマイナス効果以上に円安によるプラス効果の方が大きかった。フローベースの「経常収支+資本移転等収支」の金額は小さかった。そのため、主として円安の結果として対外純資産は増加し、株価上昇によるマイナス効果は見えにくかった。

株価上昇によって海外投資家が獲得した75兆円の調整額は、2014年末の金額である。2015年に入ってからも、日本の株価は上昇している。ここで海外投資家の保有株式金額はTOPIXと同じ動きをすると仮定する。今年に入って、海外投資家は現物株を買い越しているが、残高との比率では大きな数字にならないので、ここではゼロと仮定する。この仮定に基づいて、2014年末からの海外投資家の日次の調整額累計を表すグラフを下記に示す。


海外投資家の調整額
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調整額の起点である2012年9月末の株価は、2012年11月14日の株価より少し高い。従って、基準点が2012年11月14日のグラグが作成可能であったと仮定したならば、その金額は上記のグラフの金額を少し上回ることになる。それ以外の調整額についての仮定も、実際の調整額より少なく算出される仮定になっている。ただし、統計上の不突合は上下のどちらにも存在する。それでも、より正確なデータが存在すれば、上記のグラフの少し上を進んでいる可能性が高い。

少しばかりの仮定をおいて算出される累積調整額は、2015年4月22日に100兆円に到達した。この金額は、アベノミクス相場開始以降、日本の株価上昇によって失われた国富の金額にほぼ等しい。アベノミクスによる株価上昇が原因で失われた国富は、4月22日についに100兆円に到達してしまったのである。4月22日は実に悲しむべき日である。しかし、4月22日という日は、2000年4月14日以降、日経平均株価の終値が2万円台で引けた記念すべき日でもある。株価が上がってめでたし、めでたしの日でもあった。私が悲しむべきと考える日と、みんながお祝いをしている日が、同じ日になってしまった。


アベノミクス相場の開始以降の株価上昇による(上場株だけから発生した)国富の損失100兆円という数字は、多少の誤差があるとしても、ほぼ正しい金額である。

ただ問題点は、国民経済計算という会計基準、その会計基準に基づいて算出された国富の金額が、正確な富の変動を本当に表しているかどうかという点である。会計基準を少し変えれば、100兆円の損失が大きく変わる可能性はありうる。会計基準に絶対的に正しいという基準は存在しない。

国民経済計算という基準、中でも、ストック統計の会計基準についてはいろいろな批判が存在する。しかし、日本という国レベルで、純資産、あるいは国富が毎年どれだけ変動しているかを知るための会計基準は、事実上、一つしか存在しない。その唯一の基準とも言うべき国民経済計算という基準を使えば、アベノミクスによる株価上昇で失われた国富の累計額が、4月22日に100兆円前後に到達したという事実を動かすことはできない。

株価上昇はアベノミクスの最大のメリットというのは正しくない。国民経済計算という有力な会計基準を使った場合、アベノミクスは、株価上昇の結果として日本の国富を100兆円も失わせた。アベノミクスがもたらした株価上昇の結果は、大変大きな利益ではなく、100兆円という巨額の国富の損失であったという観点が存在することは重要であり、この事実を忘れてはならない。

最後に、最近、株式需給コメントのシリーズに書いているものと同じ内容、すなわち100兆円の巨額の損失が発生してしまった原因とその対策を記すことにする。
 

政府・日銀の犯罪的な政策について

日本企業の株というものは、日本国民にとっての大変貴重な財産である。それに対して政府・日銀が過去にとってきた政策は、1989年12月29日の高値38,915円から2009年3月10日の安値7,054円まで、19年強の期間、最大で82%も日経平均株価を下落させたことである。

そして、国内投資家に、株価はもう上がらないという非常に強い予想、期待、確信と、株価が戻れば売らなければならないという非常に強固な信念を抱かせてしまった。そして、1991年以降、結果として取引所という流通市場だけで92兆円、発行市場も含めた国際収支ベースでは114兆円もの日本の現物株を国内投資家が海外投資家に安値で売り渡すことになってしまった。

これは犯罪的とも言えるレベルの政策である。アベノミクス相場が始まってからも、国内投資家は取引所という流通市場だけで20兆円の現物株を海外投資家に売り渡しており、犯罪的な政策は是正されていない。


ここまで来てしまった以上、完全に手遅れであり、経済をデフレ不況に戻すことなくこの問題を解決する方法はもはや存在しない。できること、可能なことは、損失のさらなる拡大をくい止めることだけである。そのためには、国内投資家が株を買い越すようになるまで金融緩和の強化を続けるしかない。

2013年4月の異次元緩和は、あまりにも遅すぎであり、金額も少なすぎた。実施の翌週に、国内投資家が過去最高の金額の現物株を海外投資家に売り渡すという非常に大きなマイナス効果が現実のものになってしまった。2014年10月の第2弾の翌週も、国内投資家が海外投資家に現物先物合計で過去最高の金額を売り渡すという巨額のマイナス効果しかもたらさなかった。

現在も効果がマイナスという状態が続いている。金融緩和を大幅に強化すれば、巨額の残高が存在する国債という運用先を失った国内投資家は、高値でも株を買わざるをえなくなる。この場合、国内投資家に、安く海外投資家へと売り渡した株をバブルに匹敵する高値で買い戻すように誘導することになる。実にバカバカしいことだ。しかし、これ以上海外投資家に株を売り渡せば、株価上昇と並行して増える損失がさらに拡大する。過去の政策があまりにも犯罪的すぎたので仕方がない。

株価が2万円前後にまで戻っても、国内投資家がまだ海外投資家に大量に株を売り渡し続けているという現状は異常である。過去における政府・日銀による犯罪的な政策を容認し、現在の異常な状態を異常と思わない人が多すぎることは、大問題である。
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アダム・スミス2世の経済解説 2017年6月第3週 株 コメント


日銀の量的質的金融緩和策には効果がある。第2週の2万円を少し下回ったところでは個人を中心に買い越しを維持していた。しかし、2万円台を抜けて上昇すると個人と投信の現先合計で週間5000億円以上の売り越しになってしまう。

これは、金融緩和に効果はあるが、不足しているから起こる現象である。

アベノミクスが始まってから、株高によって100兆円前後というとてつもない国富の損失が発生している。しかし、その損失はほとんど認識すらされていない。

ここでテーパリングではなく思い切った金融緩和の強化を実施すれば、国内投資家が上値でも買い越しになる可能性が高まる。

海外投資家に安く売った株を高値で買い戻す。実に馬鹿馬鹿しい買いである。

しかし、株価上昇による損失拡大とデフレ不況の両方を避けるためには、国内投資家は今からでも買うしか方法がないのである。
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▲△▽▼

アダム・スミス2世の経済解説 2017年9月第2週 

(9月第2週合計)
合計すると「海外、自己、事法の買い越しvs個人、投信、信託の売り越し」であった。

この週の買い方は大半が海外であった。自己の買いの大半も海外の買いの代理であり、現先合計にOTCを加えた海外の買い越し金額は1兆円をこえていた。

売り方は個人、投信、信託。

どんなにファンダメンタルズが良くとも、高値で上がると必ず大幅な売り越しになる。

これが右肩上がりではない相場で勝ち残る勝利の方程式であるからだ。
経済学の用語を使うとヒステリシスということになる。

ただし、国内の売りの大半は上値の指し値売りである。一方、海外の買いは買い上がりである。結果として日経平均株価は635円の上昇で週を終えることになった。
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アダム・スミス2世の経済解説 株式市場のヒステリシス
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ヒステリシスとは、日本語では履歴効果と訳されている。元々は物理学の用語である。過去の実績の集積が、現在の状態に対して粘着性をもって影響する状態を意味する。

ヒステリシスという現象は、経済を観察すると、失業率以外の至る所に、似た現象が発生している。私が日本における経済現象で、最もヒステリスにぴったりの状況が発生していると考えるのが、日本の株式市場である。

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/20121027194921d52.gif/


上記の表は、1990年以降の株の投資部門別売買状況を示した表である。東証の発表する数値は13部門に分かれているが、その内、主要な部門である8部門を取り出して示した。1990年−2012年の売買を合計すると、買い方は、外国人69.3兆円、信託銀行9.6兆円、投信0.2兆円、売り方は、個人34.3兆円、自己16兆円、保険12.8兆円、事業法人8兆円、銀行4.4兆円となっている。この中で、個人の売り越しが34.3兆円と金額が大きいのは、個人投資家は、取引所外で、新規公開、増資、売り出しという形で多額の株を買っているので、取引所での売買はどうしても多額の売り越しになってしまう。新規公開等の分を除けば、売り越し金額は大幅に減少するはずである。自己、すなわち証券会社の自己勘定部門が16兆円の売り越しになっているのは、1990年代には、自己が転換社債、ワラントを買い付け、それを株に転換し、取引所で売却していたからである。2000年代になると、内外の機関投資家の大口の売りを、自己が取引所外取引で一旦買い取り、その分を取引所で売却していたからである。そうした売買を除けば、自己の売り越し金額は、長期ではゼロ近辺になるはずだ。このような実状を考慮すると、前回、株式分布状況調査のグラフ(*1)で示した結果とほぼ同じ結果となる。すなわち、バブル崩壊後の日本株の買いの主体は、外国人、信託銀行であり、売りの主体は、保険、事業法人、銀行である。

ここで注目してもらいたいのは、外国人投資家の売買である。誤差を除けば、外国人投資家の買い越し金額=日本人投資家の売り越し金額、となるはずである。1990年以降の外国人投資家の買い越し金額=日本人投資家の売り越し金額は、69.3兆円と、巨大な金額になっている。次に、上記の表の一番右側に、日経平均株価の前年比の変化が掲載されている。ここで、日経平均株価が上昇した年には、必ず外国人投資家が買い越していることがわかる。日経平均株価が下落した年には、外国人投資家は買い越し、売り越しの両方がある。つまり、株価が上昇した年は、必ず、外国人投資家の買い越し=日本人投資家の売り越しとなるのだ。株価が上昇する場合、年間で見れば、必ず外国人投資家の買い越しによってその上昇は主導されている。そして、株価が上昇する場合、年間で見れば、必ず日本人投資家は売り越しになって、株価上昇の抑制要因となっているのであった。1989年以前には、日本人投資家の買い越し=外国人投資家の売り越しで株価が上昇することはあった。しかし、株価が1989年末に史上最高値を付け、バブル崩壊が始まる1990年以降は、日本人投資家は、株価が上昇する局面では必ず売り越すようになった。日経平均株価は、1989年末の38,915円から、1992年末の16,924円へと、わずか3年間で21,991円もの値幅の大暴落が起こり、日本人投資家は皆、株で大損をしたのである。その後は、外国人投資家の買い越しで株価が上昇しても、日本人投資家が売り越しになるので、しばらくして株価は下落に転じてしまう。そうしたサイクルが繰り返されると、ますます日本人投資家は株価の上昇局面では売り越すこととなった。現在では、日本人投資家の間では、株価の右肩上がりの上昇は無い、という予想が強固に根付いてしまっているので、実際に株価が少し上昇すると、必ず売り越すという行動に出てくる。その結果、株価は本当に上がらなくなってしまったのである。2012年3月末時点において、外国人投資家の日本株保有比率は、26.3%で、残りの73.7%は、依然として日本人投資家が保有している。73.7%を保有する日本人投資家が、株価が上昇に転じると、必ず売り越しになるのである。これは、日本の株価の長期上昇が困難になるという意味において、明らかにヒステリシスが発生している。

(*2)で、日銀が量的緩和を強化した場合、株価が上昇することを示したが、その時も、外国人投資家の買い越し=日本人投資家の売り越しの中で株価が上昇することを記した。外国人投資家が日本株を買い越す中で株価が上昇すると、円高要因になり、日本の対外純資産も減少してしまう。従って、より望ましい姿は、日本人投資家の買い越しにより株価が上昇することである。しかし、すぐに日本人投資家が、株価の上昇局面で買い越して、日本の株価が上昇するように誘導する政策は、存在しない。一旦、ヒステリシスが発生してしまうと、そこから新たな政策を発動しても、抜け出すことは、困難になる。従って、本来なら、ヒステリシスの発生を前もって予想し、ヒステリシスが発生しないように早めに政策対応を実施することが必要なのである。残念ながら日本では、早めの政策対応どころか、現在ですら、日本の株式市場にヒステリシスが発生している事実が認識されていない。

ヒステリシスから脱却するためには、日銀が量的緩和を強化して、外国人投資家の買いが主導し、株価が上昇することが、まず必要である。その後、株価が下がる局面はもう来ないと、多くの日本人投資家が確信を持つようになってから、初めて日本人投資家は株価上昇局面でも買い越すようになるはずだ。そのためには、日銀による量的緩和の強化によって株価が上昇しても、量的緩和を緩めることなく継続強化することが必要である。大規模かつ長期の量的緩和が実施されて、初めて、日本人投資家は株価上昇の局面でも株を買い越すようになり、ヒステリシスから解放されることになる。大規模かつ長期の量的緩和が実施されると、普通なら、日本の株価上昇がバブル化することが問題になる。ヒステリシスの状態では、日本の株価上昇が容易にバブル化しないことが問題になるのである。日本人投資家が買い越しとなり、継続的な株価上昇局面が始まった時には、金融を引き締めて、株価を引き下げる政策を実施してはならない。ヒステリシスの再現をもたらしてしまうからである。代わりに、株に対するキャピタルゲイン課税の強化のような形で、株価の上昇速度を抑制する政策を採る必要がある。

日銀は、インフレ率が低くてもバブルは発生すると、過去において何度もバブルの再燃に対する警戒感を示してきた。バブルの発生を恐れるのではなく、現状がバブルとは正反対の現象である、日本の株価が上がらないというヒステリシスの現象が発生している事実を、まず認識すべきである。その上で、ヒステリシスから抜け出すためには、大規模かつ長期の量的緩和が必要であることを、日銀が理解することが必要なのである。

▲△▽▼

投資主体別売買動向日本株
https://karauri.net/doukou/
http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/stocks_data/investment_3/investment_3.asp
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-109.html

アダム・スミス2世の経済解説 投資部門別売買状況
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/


一般則として

外人投資家が買って、個人投資家が売っている → 株価は上昇中
外人投資家が売って、個人投資家が買っている → 株価は下降中

外国人が買って、日本人が売っていたら上昇トレンド

日本人が売りから買いに変わったらピーク

外国人が売って、日本人が買っていたら下降トレンド

日本人が買いから売りに変わったらボトム

6. 中川隆[-10596] koaQ7Jey 2019年4月25日 19:20:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1476] 報告

日銀の異次元緩和で円国債を売った4大メガ銀行、GPIF、郵貯、かんぽ保険は、その円をドルに換えて米国債、米国株を買い増して運用しています。


米国についていえば、まず、2017年に36兆ドル(3,960兆円:日本の政府負債の3倍)を超えた対外負債です。これは、2017年からのトランプ減税、2019年度予算で500億ドル増える予定の軍事費(8,500億ドル)、増え続ける社会保障費(公的年金+公的保険の医療費)から、毎年、過去より大きな傾向で増えます。

米国の対外資産が26兆ドルなので、対外純負債は10兆ドルです。しかし、これは2018年の米国の利上げによる金利上昇で、海外からの債権引き揚げがおこっています。


2018年度、19年から米国の対外純債務は、年1兆ドルを超える増加になるでしょう。以下のサイトに、正確な、米国の対外資産と債務の総体の数字があります。他は、タックスヘイブンから負債(米国債と株式投資)が入っていません。

この対外債務が問題なのは、増える一方であることです。米国債と米国株を買って、米国に貸す第一は日本です。

日銀の異次元管緩和による円国債買いの代金は、金融機関の現金になり円国債を売った4大メガ銀行、GPIF(公的年金の運用:151兆円:18年12月末)、郵貯(資金量約180兆円)、かんぽ保険(同80兆円)は、その円をドルに換えて米国債、米国株を買い増して運用しています。問題は、これをいつまで「前年比で増やして」続けることができるかです。

日本からのドル買い、ドル国債買い、ドル株の買いが減ると、ドル安になり、金利は上がって、米国の株価は下がります。


中国は3.4兆ドルの米国債を外貨準備として持っていましたが、すでに2018年の輸出が大きく減ったことからのドル売りによって、これを3.1兆ドルに減らしています。

大きなドル買いができるのは日本と中国ですが、これが危うくなっています。これが、米国を対外デフォルトに向かわせる要素になってきたのです。(2020年から2022年)

米国は過去、
・1871年の金・ドル交換停止による、FRBの金の引き渡しのデフォルト(金兌換のドルは、金を渡すという約束手形です)
・1985年のプラザ合意による、ドルの1/2への切り下げという形をとった、ドイツと日本への1/2デフォルトを経験しています。ドルの切り下げは、ドイツと日本のドル資産を、1/2に減らすというデフォルトです。

2020年から2022年も、米国の対外デフォルトの可能性が、日本と中国のドル買いの減少から起こる可能性が高くなっています。

米国は新興国のような、対外負債超過の国です。対外負債が超過している国は、
・海外からのその国の、通貨の買いの、前年比での減少、
・または、海外がもつドル資産の売りの超過で、あれ?と思うくらい簡単にデフォルトになります。

トランプの方法は、借金で買った不動産で3回行った借金の踏み倒しです。不動産はもったまま、債務を返さず、利払いもしないという方法です。


借金の金額が数千億円を超えると、トランプが破産すれば貸した銀行も連鎖で破産するので、やむなく追い貸し(追加の貸し出し)をして、銀行が毎年、資産を失っていくのです。
https://www.mag2.com/p/money/668681/5

7. 中川隆[-8472] koaQ7Jey 2019年9月09日 09:31:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4305] 報告
2019.09.09
ドル体制の終焉を宣言したイングランド銀行総裁

 ゴールドマン・サックス出身のイングランド銀行総裁、マーク・カーニー総裁は8月23日にドル体制の終焉を口にした。各国の中央銀行が発行するデジタル通貨のネットワークがドルに替わるとしている。日本で通貨のデジタル化が推進されている理由もこの辺にあるのだあろう。ドル体制の崩壊は何年も前から指摘されてきたが、イングランド銀行の総裁が口にしたことは興味深い。

 この構想が現実になった場合、アメリカの支配システムは崩れてしまう。このシステムは基軸通貨として認められてきたドルを発行する特権によって支えられてきたのだ。

 当初、そのドルは金に裏づけられていたが、1971年8月にリチャード・ニクソン米大統領がドルと金との交換停止を発表、その裏付けは消えた。それ以降、ドルを基軸通貨として維持するため、その流通量をコントロールする仕組みを整備する。そのために作られたのがペトロダラー(石油取引を利用したドルの還流システム)。

 大多数の国が必要とする石油に目をつけたアメリカは産油国と話をつけて決済をドルに限定、OPEC(石油輸出国機構)はドルをアメリカへ還流させてきた。これがペトロダラーの仕組みだ。

 ドルを還流させるために高額兵器や財務省証券の取り引きが利用される。投機市場もだぶついたドルを吸い上げる仕組みのひとつだ。金融規制が大幅に緩和された理由のひとつはそこにあるのだろう。

 これは実社会から資金を吸い上げる仕組みであり、庶民の購入能力を低下させる。当然、生産活動は停滞、あるいは破綻してしまい、資金は投機市場へ流れていく。その流れをスムーズにすることが規制緩和の目的。今のシステムでは、金融緩和によって生じるのはインフレでなくバブル。

 かつてアングロ・サクソンが金本位制を採用したのは、イギリスの金融資本がアフリカの金鉱山を支配して世界の金流通量をコントロールできたため。第2次世界大戦後はアメリカが世界の金を支配、基軸通貨を発行する特権を手に入れた。ところが1971年の段階で金に基づく通貨支配の仕組みが崩れたわけである。

 カーニーが働いていたゴールドマン・サックスは世界の金融界に大きな影響力を持ち、金融スキャンダルでも名前が出てくる。例えばギリシャの経済破綻。

 その切っ掛けは2001年に通貨をドラクマからユーロへ切り替えたことにある。この切り替えでギリシャは経済的な主権を失い、ギリシャ政府は独自の政策を打ち出せないまま破綻したのである。

 実は、EUのルールに従うとこの通貨切り替えはできないはずだった。できないはずのことができたのは、そこに不正が存在手板からだ。つまり財政状況の悪さを隠したのだ。その隠蔽工作で中心的な役割を果たしたのがゴールドマン・サックス。財政状況の悪さを隠す手法をギリシャ政府に教え、債務を膨らませたのである。

 その手法とは、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などを使って国民に事態を隠しながら借金を急増させ、投機集団からカネを受け取る代償として公共部門の収入を差し出すということが行われていたという。借金漬けにした後、「格付け会社」がギリシャ国債の格付けを引き下げて混乱は始まった。

 ギリシャを破綻させる作業が続いていたであろう2002年から05年にかけてゴールドマン・サックスの副会長を務めていたマリオ・ドラギは06年にイタリア銀行総裁、そして11年にはECB総裁に就任している。

 日本もゴールドマン・サックスと無縁ではない。小泉純一郎政権が推進した郵政民営化に深く関与しているのだ。その政策で中心的な役割を果たしたと言われている人物が西川善文、竹中平蔵、ヘンリー・ポールソン、ジョン・セイン。ポールソンはゴールドマン・サックスのCEO、セインはCOOだった。

 イングランド銀行やアメリカのFRB(連邦準備理事会)はこうした私的な金融機関によって創設されている。

 イングランド銀行は1694年にオラニエ公ウィレムが銀行家によるカルテルの中枢として設立。1815年にワーテルローでフランス軍が敗北して以降、ネイサン・メイヤー・ロスチャイルドがイングランド銀行を支配するようになった。

 FRBは1913年に作られたが、その制度の設立を決めた会議は1910年にジョージア州のジキル島で開かれている。会議に参加したのはJPモルガンのヘンリー・デイビッドン、ベンジャミン・ストロング、JPモルガン系のフランク・バンダーリップ、チャールズ・ノートン、クーン・ローブのポール・ウォーバーグ、そして上院議員のネルソン・オルドリッチと財務次官補だったエイブラム・アンドリュー。オルドリッチ議員の娘婿はジョン・D・ロックフェラーの息子、ジョン・D・ロックフェラー・ジュニアだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201909080000/

8. 中川隆[-11051] koaQ7Jey 2019年10月04日 18:56:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1773] 報告
安倍政権下の日本はすでに衰退途上国に落ちぶれている:安倍政権を支える日本政府エリート連中はみんな、対米売国行為に良心の呵責を覚えないのか
http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/3887624.html
2019年10月04日 新ベンチャー革命 2019年10月4日 No.2479

1.今の日本は、先進国から衰退途上国に落ちぶれたのか

 本ブログ前号(注1)にて、日本国民の金融資産が知らぬ間に、米国政府財政赤字の補てんに流用されているのではないかと指摘しました。

 このような見方は、日本の対外資産残高が安倍政権下にて1000兆円超規模に急増している事実と、米国政府の債務残高が2400兆円規模に急増している事実から、容易に成立します。

 いずれにしても、われら日本国民の金融資産が国民の承認なしで、湯水のように、米国に垂れ流されていると強く疑われます。

 このザマでは、日本がドンドン、衰退するのは当然です。千葉県の台風被災地がいっこうに復興しないのは、日本が衰退途上国に落ちぶれた証拠と指摘されています(注2)。

2.われら日本国民はみんな、「新帝国循環」という概念を知っておくべき

 上記、日本国民の金融資産が、知らぬ間に、米国に流出する現象は、「新帝国循環」と呼ばれています。

 この言葉は、故・吉川元忠・神奈川大教授(注3)が唱えた経済現象ですが、以下に、「新帝国循環」のフローを示します。ただし、このフローは2011年の3.11大震災後の8月に書かれています(注4)。

新帝国循環フロー:

(1)米国の国際金融資本などが、外為市場にてドル売り・円買いを仕掛け、日本の経済競争力の強弱にかかわらず、超円高相場を意図的・計画的に創出する。

(2)円高を是正するという名目にて日銀が円売り・ドル買いオペを実施する、ただし、資金は特別会計の外国為替資金特別会計(原資は国民の税金)である。

(3)日銀(日本国民の税金で米国債を買う)や日本の外為金融機関(国民から預かった預貯金で米国債やドル建て金融商品を買う)の引き受けた米ドルにて、米国債を購入する。

(4)大量の米ドルが米国連邦政府に還流する。

(5)米国の国際金融資本はドルを売って得た円にて、円キャリートレードを行うほか、日本企業の株を購入したり、日本企業を買収したり、日本の不動産を購入して日本資産の権利を獲得する。

(6)日銀や日本の外為金融機関の保有する米国債は償還を迎えても、借り換え債などで契約更新していき、日本の対米債権(累積利子含む)は増える一方となる。なぜなら、米国連邦政府の財政は、常に真っ赤っ赤であり、到底、返済できないからである。ちなみに、日米関係評論家・副島隆彦氏の2011年時点での試算では、日本の対米ドル債権累積は官民にて総額700兆円から1000兆円規模(米国債およびドル建て金融商品含む)に達すると推計されていた。

 ちなみに、現在の日本の対外資産残高は1000兆円を突破しています(注1)。

3.財務省や日銀のエリートは「新帝国循環」のカラクリを知っているはず

 上記、「新帝国循環」のカラクリによって、われら日本国民の金融資産が巧妙に対米移転されることがわかります。

 このカラクリを、財務省や日銀のエリートは知っているはずです。

 上記、吉川氏は、このカラクリこそが、対米売国行為そのものと指摘しています。そして、日本国民の資産がドンドン、消尽して行くのです(注5)。

 上記、財務省や日銀のエリートの人事権は実質的に、日本を闇支配する米国戦争屋ジャパンハンドラーに握られているのでしょう。そして、彼らにせっせと貢献するエリートが出世して行くのです。

 究極の対米売国政権である今の安倍政権は、2014年に内閣人事局をつくって、財務省や日銀エリートの人事権を握っていますが、米国戦争屋ジャパンハンドラーから、「NO」 と言われたエリートは絶対に昇進できないのではないでしょうか。

 このような対米隷属の環境で昇進している日本政府のエリートはみんな、自分たちのやっている対米売国行為に、良心の呵責を覚えないのでしょうか、もしそうなら、恥を知れ!と言いたくなります。

 このような対米売国行為で出世した日本政府エリートの貧乏性が、日本を衰退途上国に貶めていることになります、彼らは日本人として、恥ずかしくないのでしょうか。

注1:本ブログNo.2478『山本太郎氏(れいわ新選組)は消費増税問題の核心を突いている:政府の代弁者に成り下がった池上氏は山本氏に論破され、晩節を汚した』2019年10月3日
http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/3868220.html

注2:阿修羅“詰んだ日本。千葉の大停電で判った衰退の一途を辿る島国の行く末 冷泉彰彦(まぐまぐニュース)”2019年10月3日
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/194.html

注3:吉川元忠
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E5%B7%9D%E5%85%83%E5%BF%A0

注4:本ブログNo.414『3.11大震災パニックの虚を突いて、今起きているのは『新帝国循環』ではないか』2019年8月5日
http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/2011-08-05.html

注5:吉川元忠・関岡英之『国富消尽』2006年、PHP研究所
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784569644684

9. 中川隆[-10416] koaQ7Jey 2019年11月01日 10:24:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2464] 報告
2019/11/1
「文春砲」の目的は何か・・・安倍政権への米国の圧力 
https://green.ap.teacup.com/pekepon/2426.html
 

■ 「文春砲」の連発で大臣が二人も辞任 ■

週刊文春のスクープで菅原経産大臣に続き河井法務大臣が早々に辞任を表明しました。

河井大臣は、奥さんが立候補した選挙で、うぐいす嬢に公職選挙法で定められた日当15000円の二倍に当たる30000円を支払った嫌疑を追及されています。選挙事務所を事実上取り仕切っていたのが、河井法相だった様で、その他、ご自身も菅原大臣同様に有権者に贈り物をしていた疑いも報じられています。

ニュースでは「倍総理の任命責任は重い」と上辺の責任追及こそしていますが、野党がこの問題で安倍政権を窮地に追い込む事は不可能でしょう。通り一遍の国会パフォーマンスはするでしょうが・・。

■ 議員秘書というスパイ ■

ネットを見ると、選挙経験者らが、「うぐいす嬢の日当15000円は安すぎて誰も集まらないので、地方選挙でも30000円は相場」などと書いています。きっと全ての国会議員が同様に選挙違反をしているハズです。さらに、有権者への香典や盆暮れの贈答品なども、叩けば埃の出る議員は、与野党問わず大勢いらっしゃるでしょう。

全く潔白な国会議員など皆無だと思われますが、時として「些細な不正」が「元秘書」の告発で漏洩します。

実は自民党の秘書には〇〇教会の信者が多いと噂されます。どの議員も資金繰りは火の車ですから、無償の秘書を斡旋するのだとか・・。wikipediaによれば安倍首相の御父上の安倍晋太郎氏は統一教会員を議員秘書として斡旋していたとか・・・。(真偽は不明ですが)

彼らは低賃金、或いは無償で秘書の仕事をこなす一方で、議員の情報を収集するスパイだと私は妄想しています。飼い主は〇〇教会の上部組織である米諜報機関では無いかと・・・。

■ 安倍政権を強請る米国 ■

モリカケ事件の時にも書きましたが、あの事件以来、安倍総理は米国の言いなりになっています。

新聞や週刊誌は、一時、報道をヒートアップさせますが、政権を追い詰めるまでは世論を盛り上げず、やがて人々の興味は別の事件へと移って行きます。しかし、モリカケ事件は、文科省や財務省や国土交通省、さらには大阪地検特捜部まで必死に隠蔽しましたが、その立証も難しくはありません。現職総理大臣が退陣するには充分な事件なのです。

この様に、日本の政治家は米諜報機関に弱みを握られており、米国はマスコミを使って政権に好きな時に圧力を掛ける事が出来ます。これに対抗する為に、民主党が政権を取る前の自民党政権では、コロコロと首相が交代して、アメリカの要求から逃れていました。福田康夫元首相が辞任するきっかけは、中東への自衛隊の派遣要請だったと言われています。「あなたには分からないんです」と記者にキツク言い放った言葉の裏には、万感の思いがあったのでしょう。そして、清々しい表情で官邸を去って行った。

安倍首相に福田氏の様な潔さが有れば、自民党の党則を変えてまで3期も首相を務める事は無かったのでしょうが、彼は政権を手放そうとしません。世間的には憲法改正という偉業?を成し遂げる為と思わてていますが、私は、アメリカに脅されているだけだと妄想しています。「首相を辞任したら逮捕されるぞ・・・」とでも言われているのかも知れません。(妄想ですが)


■ アメリカが安倍政権に達成させたい事 ■

安倍首相はアメリカのメディアでは「トランペット=トランプのペット」などと揶揄されています。トランプ大統領としては「(何でも言う事を聞いてくれる)大切なパートナー」として安倍首相と重宝しています。

日本に行って、ちょっと脅せば武器を買ってくれる。
アメリカに呼んで、ちょっとおだてれば、トウモロコシを買ってくれる。
脅したり、おだてたりすれば、日米貿易交渉でアメリカの言い分を聞いてくれる。

表の報道から一般の人が想像出来るのは、この程度でしょう。

さらには、「憲法を改正をして自衛隊を中東に派遣する」事が最終目的かなと思われている方も多いでしょう。しかし、今回のペルシャ湾への自衛隊の「調査派遣の検討」を例に取るまでも無く、現行法の枠内で自衛隊の中東派遣は可能です。実際に、イラク戦争では、自衛隊は兵隊の空輸に参加しています。復興目的ではありますが、「戦闘地域」のサマワに陸自も投入しました。一応、国会で法案を通してはいますが、憲法改正無くとも派遣の前例を作っています。

■ 日本の公的、半公的資金を米市場から引き揚げ無い為の圧力 ■

私は今回の一連の「文春砲」の圧力は、日本の資金が米国市場から逃避しない為の圧力では無いかと妄想しています。

年金の積立金を運用するGPIFの資金や、ゆうちょ銀行、農林中金などの資金の多くは、米国債や、米株式市場や、ジャンク債市場や、ローン担保証券市場(CLO)で大きな存在感を示しています。

IMFも世界銀行も2020年に世界的な景気後退が起こると、直近の年次総会で警告しています。デリバティブ市場の規模を考えれば、リーマンショック以上のシステマティックな危機に発展する可能性は低くありません。

当然、ヘッジファンドを始めとした目先の利く投資家は、とうの昔にリスク市場から撤退していますが、金融機関を介して市場に投入された個人の資金や、公的資金がリスク市場に取り残されています。先日のソフトバンクの10兆円ファンドではありませんが、「ババ」を引かされる可能性が高い。

この様な状況にあって、本来は安全運用すべきGPIFの資金がリスクに晒されています。GPIFは「長期運用なので短期の下落をそれ程重視していない」と言っていますが、さすがに何十兆円もの損失を出せば、世論に押されて「損切」をせざるを得なくなります。(損切こそが金融資本家達の目論見なのですが)


あくまでも妄想に過ぎませんが・・・来年のオリンピックで日本の目が国内に釘付けになる頃、海外の市場のそこかしこで、黒い白鳥が首を水面からもたげるかも知れません・・・。或いは、もっと早い時期に。


ところで、関西電力幹部の金品授受問題、フェードアウトしちゃいましたね。あのネタを深堀されると、与野党を問わずヤバイ議員が多いのかも知れません。同和問題も絡んでいますし、マスコミ的にもあまり深堀したく無いのでしょう。ここら辺、自公政権の闇にも通じる問題ですね。国会議員の一体どの位が日本人なのか・・・私ならば傀儡国家はマイノリティーに支配させます。その方がコントロールが容易い。イギリスのMI6が良く使う手ですね。
https://green.ap.teacup.com/pekepon/2426.html

10. 中川隆[-15188] koaQ7Jey 2019年11月22日 14:34:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2271] 報告

2019年11月22日
アメリカの借金は5000兆円以上 GDP比率200%超


債務上限問題を揶揄した中国の風刺画

引用:http://ccbtimes.com/inc/v2012/send_thumbnail.asp?siteName=CCBT&fName=/gallery/5924E773//%E5%82%B5%E5%8B%99%E4%B8%8A%E9%99%90.jpg


米連邦債務残高23兆ドル

アメリカは連邦債務上限を巡って定期的に与野党が揉め、政府機関停止と報道されます。

2019年の債務上限は約22兆ドルだが、これは連邦政府の直接の債務だけで、地方政府や特殊法人的な債務を含んでいない。

2019年7月に債務上限が約22兆ドルに引き上げられ、政府機関の停止は回避され財政危機は先送りされた。



19年11月に公的債務残高が23兆ドル(約2500兆円)を突破し、1年で1兆ドル以上のペースで増加しています。

2019年は半年ほどで1兆ドルも増え、トランプ政権による支出増加が原因と言われています。

2019年の米国GDPは約21.4兆ドルなので公的債務のGDP比では107%となり、日本の200%超より少ない。


しかし米国の公的債務は連邦債務だけではなく、アメリカ全体ではその2倍から3倍あるとされています。

日本で言えば中央政府が使った金額だけなら、実は500兆円程度に過ぎないが、特殊法人や地方自治体、年金や保険、公的事業全てを含め1000兆円以上になる。

アメリカ連邦債務とは連邦政府が発行した米国債だけで、中央政府以外の借金が多いのです。


アメリカは州や市が独自の公債を発行し、民営化された事にして民間債務になっている公的債務も多い。

アメリカの債務の合計は一切語られずタブー視されていたが、2009年のリーマンショックでは自治体の破綻などがあり、そうも言うっていられなくなった。

アメリカ全体の借金が本当はいくらなのかは冷戦期には国家機密で、日本の天皇家の出自をテレビで語るくらいのタブーだった。

合計5000兆円以上の公的債務

元米財務副長官のロジャー・アルトマンという人物が2010年に債務に関する論文を発表している。

当時の連邦債務はまだ9兆ドルだったが、米政府が管理している債務(住宅金融公社の債務など)の残高が8兆ドル存在していました。

他に州・地方政府の債務と年金不足が4兆ドル存在し、債務上限以外に12兆ドルの債務が存在すると書かれていました。


これがその後増えていないとしても、2019年の債務上限と合計すれば35兆ドル(約3800兆円)になります。

米国の債務上限は2010年に9兆ドルだったのが、19年には23兆円と2.5倍以上に増加している。

連邦債務以外も同じ比率で増加したとすると30兆ドルになり、連邦債務23兆ドルと合計すると53兆ドル(約5700兆円)になります。


米国GDPは約21.4兆ドルなので公的債務の本当のGDP比は約247%になり、これがアメリカの実態だと思います。

米議会は連邦債務23兆ドルを「大変だ、アメリカは破産する」と騒いでいるが、アメリカ全体の公的債務について絶対に議論しません。

口にするのもはばかられるほど大金なのと、米ソ冷戦時代は互いの国家債務を最高機密にしていたからです。


最近アメリカで出てきたのがMMT理論というもので、1行で書くと「中央銀行が国債を買えば借金はなくなる」という素晴らしいものです。

ヒントになったのは日本銀行の日本国債買い占めで、赤字国債614兆円のうち約460兆円を日銀が持っています(2019年3月末)

これをさらに押し進めて100年国債や永久国債をマイナス金利で発行しすべて中央銀行が買い取れば、時間の経過によって借金は減ります。


連邦債務と国全体の債務を分けて誤魔化しているのはドイツと中国もそうで、中央政府の発行国債だけ公表して健全財政と言っています。
http://www.thutmosev.com/archives/30026570.html

11. 中川隆[-13970] koaQ7Jey 2020年3月15日 13:19:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[857] 報告
経済ひとりがたり田村秀男#13
コロナショックで世界株価大暴落★それは中国全体主義経済モデルの破綻★


12. 中川隆[-13038] koaQ7Jey 2020年4月08日 20:27:38 : e648LMnBrk : cDhHOHEwdGpNMGc=[15] 報告

世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋2020年4月8日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9934

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が非常に面白いエッセイを連日LinkedInのブログに投稿している。その内容は非常に多岐にわたるが、究極的には中央銀行が緩和する力を失った後に市場と経済はどうなるかを研究しようとしているようである。

今回はその中からオランダの海洋帝国から大英帝国、アメリカの覇権など、覇権国の勃興について扱った部分を取り上げたい。ダリオ氏は大英帝国が栄えて没落したようにアメリカも同じようになると考えており、その兆候は既に見られていると言う。

彼によれば覇権国がその覇権に挑戦する国に覇権を奪われるまでにはいくつかの道筋があり、ここではそれを順番に挙げていこう。

模倣者の出現

経済的、政治的に強者の立場を勝ち取った国はどのようにその立場を失ってゆくのだろうか。まず経済的に成功した国は他の国にそのモデルを盗まれるということである。ダリオ氏は次のように説明している。


成功した国はその成功モデルを他国に模倣され、競争力を失ってゆく。例えばオランダからイギリスに覇権が渡る前、イギリスの造船業者はオランダの造船業者よりも安い労働力を持っていた。その上で設計士だけオランダ人を雇いより安価な船を作り上げた。

日本が家電や自動車を作り、中国がスマートフォンを作ったことも同じだろう。挑戦国の製品は始めは出来が悪く先駆者に笑われるが(トヨタのカローラは欧米では白物家電と揶揄されていた)、安価でしっかり動く製品は次第に市場を支配してゆく。

現代においてはこれは既に起こっていると言える。日本も中国もある種の製品においてはアメリカの生産性を上回っている。

しかしそれでもアメリカだけが作れるものが完全になくなっているわけではない。Appleの生み出したiPhoneはここ10年ほどの産物であり、アメリカが覇権国となってから何十年経ってもアメリカは新しいものを生み出し続けている。しかしそれはすぐに挑戦国に真似をされ、覇権国は次のイノベーションを求められる。アメリカがそれをいつまで続けられるかということである。5Gの騒動は中国の技術力が一部アメリカに勝ちつつあることを示している。

勤勉さの減少

ダリオ氏は次により精神的な側面に焦点を当てている。個人的には先進国で経済成長率が低い一番の原因はこれではないかと考えている。ダリオ氏は次のように述べる。


裕福になった国民は働かないようになり、娯楽やより非生産的な活動、極端な例では退廃的な消費活動に従事するようになる。これは特に実際に力強く活発に働かなければならなかった世代からその遺産を相続した世代に世代交代が行われるときに顕著となる。

この若い世代は弱々しく闘争心がない。それは結果として覇権国を挑戦者に対して脆弱な存在にする。

これは日本で1945年以後の経済成長を支えた勤勉な世代のあとにその貯金で放蕩に耽ったバブルの世代がやってきたことを思わせる。あるいはヘッジファンドマネージャー、ジョージ・ソロス氏の息子は「ナチス支配下のハンガリーを生き延びてアメリカに渡り莫大な財産を築いた男の息子が父親ほどハングリーにやれるわけがない」と言っていた。裕福な環境は子供の世代にとって良し悪しなのである。

持続不可能な債務

次にダリオ氏は債務のサイクルを挙げている。投資家としてはこれが一番重要だろう。


もっとも裕福で強大な国の通貨は世界の準備通貨となり、そのことは覇権国に通貨を下落させずに莫大な借金をする特権を与える。(訳注:いくら借金をしても通貨の買い手が海外から現れるからである。)そして覇権国は債務を次第に大きくしてゆく。

覇権国の借り過ぎはかなり長期にわたって続き、しかも自己強化的なトレンドとなる。何故ならば、準備通貨が上昇することで海外の貸し手は収入が多くなり、それが更なる貸し手を呼ぶからである。そして富裕国が貧困国からお金を借りようとするとき、それが覇権交代の最初のサインなのである。

例えば1980年代、アメリカの1人当たりの収入が中国の40倍だったとき、アメリカはドルで預金したがった中国の人々からお金を借り始めた。ドルが世界の準備通貨だったからだ。これが変化の起こる初期の兆候であり、大英帝国も同じように莫大な資金をより貧しかった自分の植民地から借り受けている。

基本的に債権者というのは相手を経済的に好きに出来るのである。ドイツがイタリアやギリシャをEUという枠組みの下に従えているのも同じである。それはドイツが債権国だからである。

また、日本もドルと米国債を大量に買うことによって国力を上げてきた。結局はバブルの時代に退廃的な使い方をして日本のバブルは弾けたが、日本国民の対外資産からの金利収入は今なお日本全体の収入を支えている。それは高度経済成長期の遺産なのである。

アメリカに話を戻そう。このようにドルの買い手が多く現れるため、アメリカのような基軸通貨国は借金の許される特権を使いすぎるあまり債務超過に陥ってしまう。それは大英帝国の衰退においても同じだったとダリオ氏は言う。膨大な債務は長らく持続可能だが、大英帝国に終わりが来たようにアメリカの債務にも終わりが来るだろう。ダリオ氏はその終わりを次のように語っている。


負債が非常に大きくなり、負債増加と経済成長が中央銀行によって支えきれない状況で景気後退が起こると中央銀行は際限なく紙幣を印刷することになり、究極的には通貨が下落する。

投資家として一番面白いのは量的緩和によるドルの下落を予想するこの部分だろう。ダリオ氏が今年に入って「現金はゴミ」発言を繰り返していた理由はそこにあるのだろう。

•レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る

貧富の差と税収

更に、ダリオ氏が近年何度も強調しているのが貧富の差による社会的対立の激化である。


貧富の差が拡大し経済におけるストレス(それが何から来るにしても)が溜まるとき、高い確率で富裕層と貧困層の間で対立が生じ、それは過激化してゆく。

富裕層が金を取られると考えたとき、あるいは金を出せと脅されたとき、彼らは彼らの資産を安全と思う場所に隠そうとするだろう。そしてそれが続けば対立の生じている国では税収が減ってゆき、古典的な自己強化トレンドが生じる。減少する税収が対立を激化させて税率が上がり、富裕層は更に逃げてゆく。

この現象はアメリカでも起きている。そもそも税収とは不平等なものである。富裕層は貧困層に比べて大きな額の税金を払っているが、それでより良い公共サービスが受けられるわけでもない。富裕層にとって税金とは貧困層に対する寄付のようなものだが、それを貧困層が当たり前のように要求し始めると富裕層は身を引き始める。

ダリオ氏の長期の視点で見るとアメリカでもそれは起こり始めている。アメリカではIRS(アメリカの国税局)によるアメリカ国籍保有者の資産に対する締め付けが強く、それに嫌気が差したアメリカの富裕層はアメリカ国籍を捨てることも珍しくない。Facebookの共同創業者エドゥアルド・サベリン氏はアメリカ国籍を捨てシンガポールに住んでいるという。多重国籍の許されたアメリカで国籍をわざわざ捨てることの意味はIRSを知っている人間ならばすぐに理解できる。興味のある読者は調べてみると良い。

日本でも多くの富裕層が香港やシンガポールに資産を避難させており、その内いくつかが毎年国税局に捕まっている。税理士の腕が悪かったのだろう。余談だが香港やシンガポールを勧める税理士は腕が悪いので避けたほうが良い。投資信託を勧める窓口の銀行員のようなものである。

結論

基本的に筆者はこれをダリオ氏版の長期停滞論であると考えている。長期停滞論とは経済学者ラリー・サマーズ氏が先進国の低成長の理由を説明しようとした経済理論であり、ヘッジファンドマネージャーらは彼の長期停滞論を金利動向を予測するために使ってきた。

•元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る

ダリオ氏はダリオ氏の観点で同じようにアメリカやヨーロッパや日本の低成長の仕組みを解き明かそうとしたのである。

一番重要なのは債務に関するドル暴落の話だろう。ダリオ氏はそうしたことがすぐに起こると言っているのではない。一方でイギリスのポンドが大英帝国時代ほど強くないことも明らかだろう。ダリオ氏はこの超長期的な視野の上で今の世界経済が何処にあるのかを確認することを読者に促しているのである。

さて、現在アメリカの中央銀行は無制限の量的緩和を行なっており、ヨーロッパも日本も限界まで緩和している。緩和手段がなくなった結果、アメリカと日本で国民に直接現金を配るヘリコプターマネーが行われようとしている。

•ヘリコプターマネーはインフレをもたらすか
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

この結果経済と市場はどうなるか? 筆者は新型コロナ相場では株価反発を予想しているが、それは今後相場に何の問題もないという意味ではない。問題は反発の先なのである。

•新型コロナ株安動向予想: 流行減速で株式市場は上昇する

ダリオ氏はそれを長期的視野から考えようとしているようである。ダリオ氏は毎週エッセイを更新してゆくとのことなので、引き続き紹介してゆきたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9934

13. 中川隆[-12751] koaQ7Jey 2020年5月06日 12:00:12 : JiV1eTDCIw : eXZlblBTcFo4T1k=[15] 報告
2020年05月06日
アメリカの魔法のステッキ、今回も無限資金供給発動か


バーナンキ(右)とポールソンは短期間で危機を終わらせ、後の10年の好景気を作った

画像引用:https://amp.independent.ie/migration_catalog/b1747/25060987.ece/AUTOCROP/w620h350/banks

アメリカはどうやって金融危機をクリアしたか

最近アメリカは新型コロナウイルスへの対策で1か月に300兆円も財政支出を決め、政府債務が急増している。

労働者の半数が自宅からの外出を制限され事実上の無職状態に陥っている。

年間の財政赤字は過去最悪の水準で、経済専門家や財政関係者は危機感を表明している。


だがそれでアメリカが破産するかというと、数年後には何事もなかったかのように立ち直っていると思われる。

2007年から2010年までの世界金融危機でも同じだったからで、当時はドルが無くなりアメリカが無くなると言われていた。

専門家たちは次の超大国は中国であり、世界は中国を中心に再編成されると言っていました。


10年前の新聞を読んだら今の専門家の言い分と同じで、同じことをずっと言っているだけだと気づくでしょう。

アメリカは2009年に破産を確信するほど経済と財政が悪化したが、1年後の2010年に立ち直り10年続く好景気に入りました。

重要な役割を果たしたのはFRB議長のバーナンキで、空から金を撒けといって毎週数兆円の資金供給をしました。


その方法は金融危機で破産した企業や公団の債権、株式を額面で買い取るという大胆なものでした。

その会社はすでに倒産しているので債権や株券はゴミに過ぎないが、ゴミを数百億円で買い取っていました。

FRBのゴミ買取でアメリカは空前の金余りになり、金は世界に還流して世界中が2010年代のバブルに突入しました。

アメリカの魔法のステッキ

比較しては何だが日本の麻生首相と白川日銀総裁は、金をばら撒くどころか逆に締め上げていました。

消費者金融が問題視され規制強化したのは良かったが、ほとんどの主婦や低所得者はカードを作れなくなった。

消費が大幅に落ち込んだが麻生首相は何も経済対策をせず、日本経済が崩壊するままにまかせてGDP大幅マイナスを記録した。


世界金融危機で最初にアメリカのサブプライムローンが破綻しローンを返済できない貧困者が続出した。

驚くべきことにアメリカ政府はローン破産した人の代わりにローンを支払い、住宅を差し押さえられないようにしました。

当時CNNでこの件を「ローンを払えないくらいで住宅を取り上げられるなんてあり得ない」と糾弾していました。


日本なら「金がないくせに借金したのが悪い」と破産者を非難したのではないでしょうか。

それでどうなったかというと、大盤振る舞いのアメリカはたった1年で完全に立ち直り10年間好景気を謳歌した。

ケチケチ日本は今も世界金融危機前まで回復しておらず、借金だけが雪だるま式に増えた。


どちらが正しくどちらが間違っていたかは明らかです。
http://www.thutmosev.com/archives/82873685.html


▲△▽▼

新型コロナと株価暴落の「第二波」は10月か?ロックダウン解除の危険性=吉田繁治
2020年5月5日

5〜6月に都市封鎖が解除された場合、静かな7〜9月を経て、10月から新型コロナの第二波が来る可能性が高いでしょう。そうなれば株価は二番底をつけます。

「新型コロナの第二波に注意せよ」専門家の警告

英国LANCET(権威のある医学専門雑誌)に掲載されたこの論文は、「Beware of the second wave of COVIC-19(新型コロナの第二波に注意せよ)」として、以下のように述べています(4月8日)。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30845-X/fulltext

[原文]
「Leung and colleagues also modelled the potential adverse consequences of premature relaxation of interventions, and found that such a decision might lead to transmissibility exceeding 1 again?ie, a second wave of infections.」

[翻訳]
「リャン(中国名の李?)と研究所の同僚は、政府介入の早期緩和(都市封鎖や移動制限の解除)が、逆の結果を生むことをモデル化し、感染は(現在の)第一波を超えて第二波を生むかもしれないことを発見した」

上記は、5〜6月に都市封鎖や移動制限を解除すれば新型コロナの第二波が訪れ、20年の秋・冬まで長期化する可能性があるという趣旨です。未来は現在の条件から確定したものではなく、未知の新しい現象が生じるので、確率的なものとしてしか示せない。LANCETでは「might」という仮定の助動詞を使っています。

感染症学者は、「最も多い26万人(839万人の人口の3%)の感染者が確認されたNY市ですら初期の段階であろう。感染者はこれからも増える」と言っています。


4月の反発はダマシ?楽観的すぎる株式市場

世界の株価を4月に上昇させた早期収束論は、数理モデルからは誤っている可能性が高い。ワクチンができるのも、最短でも1〜1.5年後とされているからです。
ワクチン開発に時間がかかるのは、臨床の治験が必要だからです。ワクチンは副作用を極小化する必要があるので、普通は短くても5〜7年かけます。ワクチンからの感染事例が出ると巨額の損害賠償になるからです。製薬会社は、そうした分かり切ったリスクは犯しません。

南半球での、およそ4か月遅れの感染増加を考慮すると、延期された東京オリンピックの開催も危ういと見なければならない。アフリカでの確認感染はごく初期段階の2万人(4月上旬)、オーストラリア6619人、ブラジルが1万人です。人が集まる会場は、ウイルス拡散の場になります。

無制限緩和という“人工心肺”で延命中だが
NYダウは、3月18日の一番底の1万8,600ドルから2万3,600ドルまで、4週で5,000ドル回復しています(4月20日)。ピークの2万9,500ドルから9,900ドル下落していたので、半分戻したことになります。
この買いは、

(1)コロナショックは5〜6月に収束するという論
(2)FRBによる2.3兆ドルのマネー供給

によって果たされています。

FRBは、3月3日と16日に2度(1.5ポイント)の利下げをした上で(短期金利誘導目標0.00%〜0.25%)、金融機関とファンドがもっていた米国債と、REIT(不動産上場投信)が下がっていた住宅証券のMBSを買い上げて、まず、金融機関にマネー供給をしたのです。その金額は、2兆ドル(220兆円)と巨大です。

米国債の価格は10年債で14%上がり、MBSも価格を回復しました。金融機関とファンドは、国債とMBSをFRBに売って、入ったドル現金をもとに33%下がっていた米国株(NYダウ、S&P500、ナスダック)の買い越しを続け、ダウで2万3,600ドルまで5000ドル戻したのです。

FRBは今回の量的緩和を無制限としています。株価を下げず、金融危機・企業倒産を防ぐためなら、いくらでも増額するということです

<中略>

50%回復した株式市場が想定しているロックダウン解除(5〜6月)が、米国で実際に行われた場合、静かな7月、8月、9月を経て、10月から第二波が来る可能性が高いと思っています。第二波が来れば株価は二番底をつけるでしょう。社債、CLO、REITの再下落も同時です。

14. 中川隆[-12742] koaQ7Jey 2020年5月06日 21:55:56 : JiV1eTDCIw : eXZlblBTcFo4T1k=[24] 報告
アメリカの魔法のステッキ、今回も無限資金供給発動か

バーナンキ(右)とポールソンは短期間で危機を終わらせ、後の10年の好景気を作った

画像引用:https://amp.independent.ie/migration_catalog/b1747/25060987.ece/AUTOCROP/w620h350/banks


アメリカはどうやって金融危機をクリアしたか

最近アメリカは新型コロナウイルスへの対策で1か月に300兆円も財政支出を決め、政府債務が急増している。

労働者の半数が自宅からの外出を制限され事実上の無職状態に陥っている。

年間の財政赤字は過去最悪の水準で、経済専門家や財政関係者は危機感を表明している。

だがそれでアメリカが破産するかというと、数年後には何事もなかったかのように立ち直っていると思われる。

2007年から2010年までの世界金融危機でも同じだったからで、当時はドルが無くなりアメリカが無くなると言われていた。

専門家たちは次の超大国は中国であり、世界は中国を中心に再編成されると言っていました。


10年前の新聞を読んだら今の専門家の言い分と同じで、同じことをずっと言っているだけだと気づくでしょう。

アメリカは2009年に破産を確信するほど経済と財政が悪化したが、1年後の2010年に立ち直り10年続く好景気に入りました。

重要な役割を果たしたのはFRB議長のバーナンキで、空から金を撒けといって毎週数兆円の資金供給をしました。


その方法は金融危機で破産した企業や公団の債権、株式を額面で買い取るという大胆なものでした。

その会社はすでに倒産しているので債権や株券はゴミに過ぎないが、ゴミを数百億円で買い取っていました。

FRBのゴミ買取でアメリカは空前の金余りになり、金は世界に還流して世界中が2010年代のバブルに突入しました。


アメリカの魔法のステッキ

比較しては何だが日本の麻生首相と白川日銀総裁は、金をばら撒くどころか逆に締め上げていました。

消費者金融が問題視され規制強化したのは良かったが、ほとんどの主婦や低所得者はカードを作れなくなった。

消費が大幅に落ち込んだが麻生首相は何も経済対策をせず、日本経済が崩壊するままにまかせてGDP大幅マイナスを記録した。


世界金融危機で最初にアメリカのサブプライムローンが破綻しローンを返済できない貧困者が続出した。

驚くべきことにアメリカ政府はローン破産した人の代わりにローンを支払い、住宅を差し押さえられないようにしました。

当時CNNでこの件を「ローンを払えないくらいで住宅を取り上げられるなんてあり得ない」と糾弾していました。


日本なら「金がないくせに借金したのが悪い」と破産者を非難したのではないでしょうか。

それでどうなったかというと、大盤振る舞いのアメリカはたった1年で完全に立ち直り10年間好景気を謳歌した。

ケチケチ日本は今も世界金融危機前まで回復しておらず、借金だけが雪だるま式に増えた。


どちらが正しくどちらが間違っていたかは明らかです。
http://www.thutmosev.com/archives/82873685.html

15. 中川隆[-12738] koaQ7Jey 2020年5月07日 07:02:25 : IC9sJkmouQ : MEtrMm16cm5xY0k=[3] 報告

米国の量的緩和が限界に近づき失速へ 株価への影響は2020年5月6日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10574

世界の株式市場は新型コロナウィルスの世界的流行による株安相場からの反発が続いている。しかし筆者には現在の相場にはポジティブな要素がほとんどないように見える。実体経済が危機的状況にあるのはこれまで伝えているが、それに加えてアメリカの量的緩和が失速し始めたからである。

国債買い入れ失速

アメリカでは2月からの株安相場を受けて無制限の量的緩和が行われている。

•米国、量的緩和の無制限化を発表も米国株は下落

量的緩和とは中央銀行が通貨を発行してその通貨で国債などの証券を買い入れることであり、無制限とはその買い入れ額に制限がないことである。

しかしこの無制限の量的緩和が4月の後半から失速し始めている。中央銀行の国債保有額の推移は次のようになっている。

3月に入って勢い良く急上昇したグラフの傾きが段々なだらかになってきているのが分かるだろう。そしてその結果どうなっているかと言えば、長期金利が不気味な上昇を始めている。

長期金利は10年物国債の金利だが、よりリスクの高い30年物国債の金利はもっと明らかに上向き始めている。

繰り返すが、現在アメリカの中央銀行は無制限の国債買い入れによって金利を下げようとしているのである。量的緩和で株価が支えられるのは、国債の金利が下がることによって投資家がよりリスクの高い不動産や株式に資金を振り分けるからであり、金利が上がってしまうとその浮揚効果も無くなってしまう。

量的緩和失速の理由

「無制限の国債買い入れ」は何故失速してしまっているのだろうか? その理由は中央銀行の買い入れ額に制限がなくとも買い入れることの出来る国債の総量に限りがあるからである。

現時点で存在している米国債の量は23兆ドルである。一方で3月に量的緩和が加速してから1ヶ月で買い入れた国債の額はグラフを見れば分かるが1兆ドル程度である。

つまり、「無制限の量的緩和」を当初の速度で続けるとこの世に存在するすべての米国債を2年足らずですべて買い上げてしまうことになるのである。これが量的緩和の限界である。買い入れ対象が無くなれば買い入れは出来なくなる。当たり前である。

それで中央銀行は株価が落ち着いたために買い入れ速度を落としたのだが、そうすると今度は金利が上昇してきた。しかし金利が上昇すれば株価を支えることは出来なくなってしまうだろう。

量的緩和の限界

これがここ数年何度も懸念されていた中央銀行の緩和限界の問題である。

•米国、緊急会合でゼロ金利まで利下げし量的緩和を正式に再開 暴落時の追加緩和が不可能に

今回のコロナショックで世界中の中央銀行は追加緩和の余地を失ってしまった。それどころかアメリカはここまで限界を越えて緩和しており、失速は不可避だったと言える。しかしもしかすると市場は失速を許さないかもしれない。米国の株価指数S&P 500は次のように推移している。

現在の株価水準

筆者は現在米国株を空売りしているが、同じように空売りをしている投資家にジェフリー・ガンドラック氏がいる。ガンドラック氏は株価水準について次のように述べている。

•ガンドラック氏: 株価は3月の底値を更新する


2,863でS&Pを空売りした。ここからはアップサイドもダウンサイドも大きくない。

S&P 500は3,000まで行かないと思うが、それも有り得る。ダウンサイドについては容易に底値を越えていくだろう。

彼が何故このように言ったかと言えば、現在の市場環境とコロナショックの規模の大きさから考えれば3,000程度が株価の限界だからである。実体経済へのダメージの大きさについては以下の記事で説明している。

•新型コロナ、米国経済の景気後退はリーマンショックの倍以上か、第1四半期GDP速報

しかし3,000というのは金利が今の水準に留まるならばの話であり、量的緩和が減速を続けて金利が上昇する場合には3,000という水準も維持が難しくなってくるだろう。しかし量的緩和は減速しなければ2年で打ち止めになってしまう。仮に減速せずに続けたとしても、この状況で量的緩和が打ち止めになれば株価も実体経済も崩壊するだろう。

結論

ということで、実体経済も株式市場も詰んでいるという見解を維持したい。しかしそれで良いのである。コロナショックでこれほど大きなダメージにならなければならないのはこれまで金融緩和と政府債務の膨張によって無理矢理経済をバブルにしてきたからであり、借金と紙幣印刷に頼らないまともな生活をしていれば経済のV回復も可能だったはずである。このことについては以下の記事で説明している。

•新型コロナで借金が実体経済に影響を与える仕組みを分かりやすく説明する

しかし借金を増やして株価をバブルにしたがる政治家から経済を操作する道具は失われた。まともな投資家は当然それを歓迎しているわけである。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10574

16. 中川隆[-12737] koaQ7Jey 2020年5月10日 14:03:55 : txBdn50SLs : OURXcXpRZUdqSms=[7] 報告

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている2020年5月9日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が引き続き政府による紙幣印刷から身を守る方法について語っている。

通貨下落への防衛手段

前回の記事ではダリオ氏がLinkedInのブログ記事で何故量的緩和は債務の解決手段として悪手であるにもかかわらず人は量的緩和に頼ってしまうのかについて説明した部分を紹介した。

•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする

そして通貨の価値は破滅的に下落すると主張していた。では投資家はどうすれば良いのだろうか? 今回はダリオ氏が通貨の代用品について語った部分を紹介したい。

通貨とは獲得した富を保存するための手段である。今日手に入れた収入を来月でも来年でも使えるのは、多くの人にとっては銀行に現金を置いておけるからである。しかし現金の価値が下落する時にはどうすれば良いのか? ダリオ氏は次のように説明する。


金は時代を問わず普遍的な代替通貨としての役割を果たしてきた。

株式もまた富の貯蔵手段となりうる。

不動産や美術品なども富の貯蔵手段である。

順番に見てゆきたい。

預金 vs 金積立

まず金だが、ダリオ氏は主要な通貨が1600年以来金に対してどれほど減価したかのチャートを示している。見事にすべてゼロに近づいているのだが、実は通貨の価値は下落するものだということを理解するためには400年も遡る必要はない。

読者は金価格の長期チャートを見たことがあるだろうか。見たことのある読者も少なくないだろう。しかし本当にその意味を実感するためにはグラフの上下を逆にする必要がある。つまり、金価格がどれだけ上がったかではなく、現金の価値がどれだけ下がったかを見るのである。以下は過去50年ほどの間に金に対してドルの価値がどう推移したかのチャートである。

50年の間にものの見事に紙くずになっている。50年ほど前のドルの価値を100%とすると、現在のドルの価値はその2.3%である。そして考えてほしいのは、この50年間ほとんどの人は資産の大部分を現金のままにしており、その資産は実際に紙くずになったということである。ダリオ氏が言っているのは、今現代人もそうなるのではないかということである。

現金が勝者だった黄金時代

しかし一方で現金のリターンがゴールドを上回った時期もある。ダリオ氏は次のように説明している。


1850年から1913年(第一次世界大戦まで)の期間では通貨(預金など短期金利による収入を含む)を保有した場合のリターンはゴールドを保有した場合のリターンよりも概して良くなっている。

この60年ほどの期間がどういう期間だったかと言えば、ほとんどの通貨は金か銀に為替レートが固定されており、しかも第二次産業革命と呼ばれるこの繁栄の時代では借金の借り手が借りた資金を収入に変え、収入が借金を返していたために貸し手は魅力的な金利を得ることが出来た。

借金で消費や自転車操業の企業を増やすのではなく生産性を増やし、その後には借金をしっかり返せていた時代があった。返せない借金をしないということがどれほど大事かということである。しかしそうでなければ通貨が紙切れになってゆく。

通貨の価値が維持され、しかも経済が成長していて借り手が金利を払える場合には誰もが問題なく良い生活を送っていた。「紙幣を印刷すると豊かになるのではないか」という「壺を買えば幸せになるのではないか」同然のまやかしで自分を騙す必要もなかったのである。この2つに何か違いがあるだろうか? 誰か教えてほしいものである。紙切れよりはむしろ壺のほうが価値があるだろう。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

富の貯蔵手段としての株式

そして最後にダリオ氏が株式について語った部分を紹介しよう。


量的緩和により通貨と信用の供給が増加すると、通貨と信用の価値は減り、(その保有者は損害を受け、)債務の負担は減少することになる。

債務負担の減少によって通貨と信用が生産性と企業利益に流れ込む場合には株価の実質値(インフレによる株価上昇を差し引いた後の株価)が上昇するだろう。

まず前提となるのはインフレは株価にとってプラスだということである。インフレとは通貨の価値の下落なので、その通貨以外のすべてのものの価格が上昇する。株価も例外ではない。

ダリオ氏がここで言っているのは、創造された通貨と信用が生産性と企業利益の上昇に寄与する場合にはインフレの影響を除いても株価は上がるということである。今回のコロナショックではどうなるだろうか。そちらについても徐々に書いてゆきたいと思っている。

次のダリオ氏の更新は大英帝国とオランダがどのように基軸通貨のステータスを失ったかについての記事となるらしい。これまでの記事も再確認しながら待っておこう。

•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる
•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

17. 中川隆[-12736] koaQ7Jey 2020年5月10日 16:00:12 : txBdn50SLs : OURXcXpRZUdqSms=[8] 報告
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
2020年5月8日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10616

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInでのブログ投稿で量的緩和についてこれまでより雄弁に語っている。

為替相場の終着点

ダリオ氏は現在の為替相場について次のように述べている。


ドル、ユーロ、円は債務の膨張・破裂サイクルの後期にあり、これらの通貨で債券を保有することの実質リターンは低く、新たに大量の債務が作り上げられマネタイズされてゆく。

そしてマネタイズの問題点について次のように説明する。


多くの人々は通貨を永遠に続くものと考えたり現金がもっとも安全な資産の保管場所だと思ったりするが、すべての通貨はいずれ減価するか消滅するのでそれは正しくない。

そしてそうなるときには現金と債券(それは通貨を受け取るという約束である)は減価されるかなくなるだろう。紙幣印刷と債務の減免は債務負担を減らすためのもっとも都合の良い方法だからである。

先進国はほとんどの国が巨額の債務を抱えている。ダリオ氏は債務を減らすためには以下の方法があると説明する。

•緊縮財政(消費を減らすこと)
•債務の不履行または減額
•資金と信用の移転(増税など)
•紙幣印刷と通貨の減価

最後のものは要するに量的緩和である。

ダリオ氏は次のように続ける。


この中で紙幣印刷はもっとも便利で、もっとも誤解されやすく、もっとも行われやすい債務縮小の方法である。

実際、紙幣印刷は債務の急な縮小を和らげ、この金融上の富を供給する代償として誰が富を取り上げられる被害者になるのかが分かりにくい(しかしそれは実際には通貨と債券の保有者全員である)。しかも大抵の場合資産価格が減価された通貨建てで上昇するので人々はリッチになったような気がする。

リッチになったような気がする。良いことではないか。

しかしダリオ氏は次のように続ける。


主要な準備通貨がこのように減価したり準備通貨としてのステータスを失ったりすることはわれわれが想像出来るなかで一番破滅的な経済的イベントである。

量的緩和の終着点

量的緩和と似たようなことは過去にも行われた。そして大抵の場合まともな終わり方をしなかった。ダリオ氏は次のように説明を続ける。


ほとんどの人は通貨の下落リスクに注意を払わない。ほとんどの人が心配するのは自国通貨建てで資産が増えるか減るかであって、自国通貨自体が上がるか下がるかを心配する人はほとんどいない。

1700年にはおよそ750の通貨が存在したが、今残っているものはたった20%であり、残っている通貨はそのすべてが減価している。

ドイツではグルデンやターラーが使われていた。日本には円がなく、小判や両が使われていた。イタリアでは6つの通貨のうちいくつかを使っていた。

それらの通貨の内いくらかはハイパーインフレになったり、敗戦や巨額の戦費で債務の支払いが不可能になったりして通貨が消滅し、別の通貨で置き換えられた。いくらかは別の通貨に統合された(ユーロのように)。ドルやポンドのようにいくらかは現在も残っているが価値は下落している。

ちなみに日本の両はいわゆる小判だったが、円に変わるまでの間に金の含有量が何度も減らされている。円ももともと金貨だったがついに紙切れになった。そして紙切れになっても誰も文句を言わないのである。アメリカでも同じことが起こっている。

•レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る

何故それでも量的緩和か

ダリオ氏が挙げた債務の4つの対処法の中でいつの間にか財布の中身をなかったことにされる紙幣印刷は本質的にはもっとも不公平なのだが、面白いことに人類が負債という問題に直面した時には大抵紙幣印刷が選ばれてきたのである。ダリオ氏は次のように述べている。


こうした通貨と信用の創造に誰も文句を言っていないようだ。それどころか、政府が通貨を印刷しなければ政府は残酷だなどと悲鳴が聞こえてきそうである。政府には送り出す金などなく、しかも政府とは金持ちの誰かではなくわたしたち自身であり、それをわたしたちが支払わなければならないということを誰も理解していない。

しかしそれでも量的緩和が終わるということをダリオ氏は予想しない。彼は次のように述べている。


今の状況で政府が予算とバランスを取るために支出を減らし、国民にも同じようにするように求め、不況でもたくさんの債務の不履行や減免をそのままにしたり、あるいはお金を持っている人から直接税金によってお金を持っていない人に再分配しようとしたりした場合のことを想像してみてほしい。紙幣印刷のほうがよほど政治的に受け入れられやすい。

つまり、ダリオ氏はそれが良いから量的緩和が行われるのではなく、良し悪しにかかわらず起こりやすいことが起きると言っているのである。

良いことは起こらない。それは起こりにくいからである。ダリオ氏はこうした量的緩和の状況を以下のように例えている。


これはある意味モノポリー(訳注:人生ゲームのようなもの)でプレイヤーのほとんどが文無しになって怒り出したので銀行役の人が現金を配り始める瞬間と同じようなものだ。

政治とは子供をあやすようなものなのである。しかし政治家はあやす対象から金を十分にせしめて帰ってゆくという点が子育てとは違っている。

政治家が何の責任も取らずに帰った後にはどうなるのだろうか? どれだけ紙幣を刷っても円は下がらないだろうか? しかし同じ先進国であるヨーロッパにはその運命は近づいてきているのである。

•新型コロナによる世界恐慌でヨーロッパ経済壊滅の可能性

そして米国がそうなる前に日本がそうなるだろう。

結論

ダリオ氏を含め、ほとんどの著名投資家は量的緩和について同じことを言っている。例えばコロナショックを予想したガンドラック氏である。

•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

例えばクォンタム・ファンドでポンド危機の際にポンドの空売りをしたドラッケンミラー氏である。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

筆者には彼らの理屈は当たり前のように聞こえるのだが、不思議と理解者は少ない。量的緩和を何も考えずに支持している人々はきっと彼らより深く経済を理解しているのだろう。

物事を理解できる人間は理解できない人間より大幅に少ないので、民主主義は常に間違え続けるしかない。彼らが間違えるのは勝手だが、巻き添えは遠慮をしたいものである。

幸いにも投資家は相場を使って自衛をすることが出来る。まずはユーロが量的緩和の犠牲になるだろう。

•新型コロナによる世界恐慌でユーロが下落する理由

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10616

18. 中川隆[-12430] koaQ7Jey 2020年6月08日 14:39:40 : Nyj8sfUoGw : SnJiY0VVaVpJMVU=[18] 報告

日本が米国債を買いまくった為に、1ドルが70円以下になると日本の対外純資産はマイナスになり、日本の資産はすべて外資に乗っ取られる

2018.5.28「売国政策を糾弾する」大西つねきの週刊動画コラムvol.28


19. 中川隆[-9039] koaQ7Jey 2020年12月23日 14:29:06 : fFONhQb1CM : dkV6clhuLi5KOGM=[16] 報告
田村秀男ひとりがたり#32
脱コロナ恐慌!貢ぎ続ける日本!日米金融同盟の本質と円高が続く日米経済の行方を占う!
2020/12/21




20. 中川隆[-8572] koaQ7Jey 2021年1月05日 14:46:37 : KoPkAW14ZU : NHlneEhGcUs5OFk=[11] 報告
日銀資産の増加額、最大の129兆円 20年12月時点
2021年1月5日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF051MA0V00C21A1000000


新型コロナウイルス対応による資金供給で日銀の資産が膨らんだ

新型コロナウイルス対応による資金供給で日銀の資産が膨らんでいる。日銀の5日の発表によると2020年12月末時点で702兆円で、1年前に比べ129兆円増えた。データを開示する1998年以降で最大の増加額だ。増加率は23%で4年ぶりの高さだった。

日銀の資産のうち、最も伸び率が高かったのが銀行などへの貸出金だ。2020年末時点で111兆円と2.3倍に増えた。

日銀は新型コロナ対応で企業の資金繰り支援を最重要課題に据えた。20年3月にゼロ金利で民間銀行に貸し出しの原資を供給する制度を導入。20年4月以降は各金融機関の利用実績に応じて日銀に持つ当座預金の残高に0.1%の金利をつけるよう制度を拡充し、日銀の貸出金は急増した。

資金繰り支援ではコマーシャルペーパー(CP)や社債の買い入れ枠も大幅に拡大し、日銀の持つCPと社債は約2倍に増えた。こうした支援が奏功し、企業の資金繰りは依然として厳しいものの、倒産や失業者の急増は抑えられている。

資金繰り支援とならぶコロナ対応として日銀は金融市場の安定を掲げる。コロナ禍で上場投資信託(ETF)を年12兆円まで買い入れできるようにした結果、日銀の持つETFは前年比25%増の35兆円(簿価)となった。20年の買い入れ額は約7兆円で過去最高だ。日銀の買い入れ効果もあり、日経平均株価は20年末に約30年ぶりの高値をつけた。日銀の保有するETFは時価で45兆円を超えているもようで、最大の日本株保有者になっている。

主な資産である国債の残高も増えた。535兆円で11%増だ。特に償還まで1年以下の短期国債は41兆円と4.4倍に急増した。政府が新型コロナ対応で補正予算を組むため、短期国債を大量発行して日銀がこれを吸収した形だ。

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