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ワイダ 地下水道 Kanał (1956年)
監督 アンジェイ・ワイダ
脚本 イェジ・ステファン・スタヴィンスキー
音楽 ヤン・クレンツ
撮影 イェジ・リップマン
公開 1957年4月20日
製作国 ポーランド
言語 ポーランド語
動画
https://www.nicovideo.jp/search/%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E6%B0%B4%E9%81%93%20%2F6?ref=watch_html5
キャスト
コラブ:タデウシュ・ヤンチャル
デイジー:テレサ・イジェフスカ
ザドラ中尉:ヴィンチスワフ・グリンスキー
マドリ中尉:エミール・カレヴィッチ
ハリナ:テレサ・ベレゾフスカ
ミハウ(作曲家):ヴラデク・シェイバル
ゼフィル:ヤン・エングレルト
▲△▽▼
『地下水道』(原題:Kanał)は、1956年制作のポーランド映画。
アンジェイ・ワイダの名を一躍世界に知らしめた作品で、第10回カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞した[2]。『世代』に次ぐいわゆる「抵抗三部作」の2作目として知られる。
第二次世界大戦末期、1944年のワルシャワ。ポーランド国内軍による武装蜂起は、ドイツ軍による容赦ない攻撃で追い詰められ、悲惨な最終段階に達していた。
その中の一つ、ザドラ中尉の率いる中隊は事態打開のため、地下水道を通り、市の中心部に出て活動を続けることにする。夜になって隊員は地下水道に入っていくが、やがて離ればなれになり、ある者は発狂し、またある者は暗闇と悪臭と恐怖心に耐え切れず、マンホールから外に出てドイツ軍に発見され、射殺されていく。
負傷したコラブと、彼を助けて道案内してきたデイジーの2人も、やっと出口を見つけたと思ったのもつかの間、そこは河へ注ぐ水路であった。一方、先を行くザドラと二人の隊員は遂に目的の出口を見つけたが、出口には頑丈な鉄柵が張られ、爆薬が仕掛けられていた…。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E6%B0%B4%E9%81%93_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
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地下水道(1956) ☆☆☆☆☆
https://ssm2438.exblog.jp/15157053/
監督:アンジェイ・ワイダ
脚本:イエジー・ステファン・スタヴィンスキー
撮影:イエジー・リップマン
音楽:ヤン・クレンツ
出演:
タデウシュ・ヤンツァー (コラブ)
テレサ・イジェフスカ (デイジー)
* * *
夢があるから生きるのではなく、生きるために夢を見るのである!
映画の中では、ドイツ軍に追われたレジスタンスが地下水道に逃げ込むが、悪臭と闇の恐怖のなかでばらばらになり、地上に出ればころされる。夢も希望もない映画である。そして地下水道に逃げ込んだレジスタンスたちも、人間的な弱さや卑怯さでぼろぼろ。地下水道の描写もめちゃめちゃカッコいい。その闇のなかで汚物にまみれ光をもとめてさまよう人間が実に惨めにダイナミックに描かれている。
世間では『灰とダイヤモンド』がアンジェイ・ワイダの最高傑作として扱われることが多いが、私的には断然こちらの『地下水道』のほうが好きである。ワイダのほかの映画はあまり良いとは思わないのだが、この映画のポーランドの自虐性は実に惨めでインパクトがありすぎる。
ポーランドという国はいつも支配されてきた国。ショパンの時代には、実質的にロシア帝国の政権下にあり、第一次世界大戦勃発までつづく。第一次世界大戦中はドイツ帝国やオーストリア=ハンガリー帝国に占領されていた。1917年にロシア革命が、1918年にドイツ革命が勃発し、これによって念願の独立のチャンスをえる。しかし、またまた第二次世界大戦でドイツに占領され、そのあとは再びソ連の共産主義体制にくみこまれる。いつも支配されている国なので、抵抗ネタにはことかかない(苦笑)。
この映画は第二次世界大戦時のドイツにより支配下での話である。この映画は、ソ連共産党の傀儡政権として存在していたころのポーランドで作られた映画で、「お前等はこんなにダメ人間なのだから、我々の支配が必要なんだよ」というソ連共産党からの強烈なメッセージも水面下にあるように思われる。「自分達はダメ人間なんだ」という映画を作らされて、それを自虐ネタで作ってしまえるポーランド。そこにポーランド人の美学を少しいれこんでなんとか自己をなぐさめているポーランド。
この惨めさを愛しむポーランドの哀れさこそがこの映画の最大の魅力だろう。
<物語の背景>
第二次世界大戦のさなか、1944年7月30日、ソ連軍はワルシャワから10kmの地点まで到達、ワルシャワ占領も時間の問題と思われた。ソ連軍はポーランド国内のレジスタンスに呼びかけワルシャワで武装蜂起うながす。これをうけて約5万人のポーランド国内軍は蜂起を開始。橋、官庁、駅、ドイツ軍の兵舎、補給所を襲撃する。しかしソ連軍は補給に行き詰まり、進軍を停止していた。さらにドイツ軍が猛烈な反撃にあい、甚大な損害を被る。ヒトラーはこれをみて、ソ連軍がワルシャワを救出する気が全くないと判断し、蜂起した国内軍の弾圧とワルシャワの徹底した破壊を命ずる。
<あらすじ>
ザドラ(ヴィンチェスワフ・グリンスキー)の率いるパルチザン中隊もドイツ軍に囲まれ、もはや死を待つばかり。生き残ったレジスタンス戦士らは、密かに地下水道を通り、市の中央部に出て再起を図ることとなる。夜になり、ザドラ中尉以下レジスタンス部隊は美少女デイジーの道案内のもと地下水道に入るが、汚泥から発生する有毒ガスと暗黒に道を失ったうえ、ドイツ軍が毒ガスを注入しているという流言や恐怖による発狂で、遅れたり、はぐれてしまう者もでてくる。恐怖に耐えきれず、マンホールから這い出たものはドイツ軍に射殺される。
本体からははぐれ、コラブ(タデウシュ・ヤンチャル)とデイジー(テレサ・イゼウスカ)はようやく出口を見つけたものの、そこも鉄格子に閉ざされており、しかも河口に注ぐ出口と知り落胆する。また、先頭を進んでいたザドラ中尉らはついに目的の出口を発見するが、出口には頑丈な鉄柵が張られ、さらに爆薬が仕かけられていた。
一人の隊員の犠牲で爆薬が破裂、出口は開かれザドラと残った一人の従兵は地上へ出た。しかし、後から誰もついて来ない。従兵はザドラが隊員を連れてくるようにとの命に背き、彼らは後から来ると嘘を言い、自分だけが助かりたいばかりにザドラについてきたのだ。嘘をついていた部下をザドラは射殺し、再び地下に潜るのだった。ザラトからはぐれた部隊もなんとか地上に出ることができた。しかしそこにはドイツ兵が銃をもってまちかまえていた。
闇の恐怖が支配する地下水道を進む彼らは、まるで『アギーレ/神の怒り』(1972) のようだ。思えば『アギーレ』でも、あの陰惨な世界のなかで女性だけは綺麗にとられていた。この『地下水道』も、デイジー=テレサ・イゼウスカだけは美しく描かれている。
https://ssm2438.exblog.jp/15157053/
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映画 地下水道(1956) ポーランド映画を世界に知らしめた傑作です 2014年11月22日
https://blog.goo.ne.jp/goo0348_2007/e/279d6904ed507f41386be4a2aec3c38c
ポーランドを語るうえで、決して欠かすことが出来ない出来事がワルシャワ蜂起。第二次世界大戦中のナチスドイツ占領下におけるワルシャワ(ポーランドの首都です)で起こった武装蜂起によるレジスタンス運動のことだ。
結果は圧倒的なナチスドイツ軍の猛攻の前にレジスタンス組織は多くの死者を出して壊滅し、あえなく失敗に終わる。果たして彼らの死は無駄死にだったのだろうか、しかしながら独立を勝ち取り、世界中が景気低迷に苦しむ中で、ひたすら経済成長を続ける現在のポーランドを見ていると、ワルシャワ蜂起の意義は非常に大きい。先人達の尊い犠牲によって、今日のポーランドの繁栄があると言っても過言ではあるまい。
そんなワルシャワ蜂起を描いた映画としてパッと思い浮かぶ映画と言えばコレ、ポーランド映画のクオリティーの高さを世界中に知らしめた映画地下水道。全編の殆んどの時間がタイトル通り地下水道のシーンに費やされている。ナチスドイツの容赦ない攻撃の前に、全滅寸前に追い込まれたポーランドのレジスタンス中隊がひたすら地下水道を逃げまくるという内容だ。
肉体、そして精神もズタボロになりながら、まるで迷路のような地下水道を逃げまくる様子が本当に息苦しくなってくる。よく考えたら彼らが地下水道に潜りこんでからの展開は、極悪非道のナチスドイツの軍人から追われて逃げているのではない。そもそもナチスドイツの奴等がわざわざ悪臭漂う地下水道まで降りてくるわけがない。彼らを追いかけているのは、ナチスドイツ軍が放った毒ガス。
暗闇、悪臭、毒ガス、餓えの恐怖が同時に襲ってくる事態は、俺が考えられる中でも最高レベルの悲惨な状況。そんな状況に追い込まれたレジスタンス達に訪れる結末は!。それでは簡単にストーリー紹介を。
第二次世界大戦中、1944年の9月のワルシャワ。ドイツの爆撃の前にすっかりワルシャワ全体がガレキだらけの廃墟化してしまっている。幾つかあるレジスタンス部隊の中の一つである、サドラ隊長(ヴィンチスワフ・グリンスキー)率いる中隊も多くの仲間が死に、周りをドイツ軍に囲まれこのままでは全滅あるのみ。しかし、彼らは祖国再興のために地下水道を通って市の中心部に逃げることを決意する。
彼らは暗闇に紛れて、地下水道に入っていくのだが、暗くて迷路化した地下水道の中で彼らは離れ離れになってしまう。彼らは心身ともに限界に追い込まれる中、出口を求めてひたすら地下水道を這いずり回るのだが・・・
前半は破壊された建物のガレキだらけの景色。これだけでも悲惨さを感じるが、地下水道に入ってからが更に悲惨さが増す。この映画の凄いところは単に地下水道の中を鬼ごっこをしているだけではなく、極限状態に陥った時の人間の本性をドラマチックに描いていること。決してレジスタンス活動に命を捧げた人間に対する賛美として描くような甘っちょろい演出なんか微塵もなく、ひたすら自由と生きることを渇望するレジンスタン達の様子がストイックに描かれているのが特徴だ。
レジスタンスの人間の多くの運命を観ていると、これじゃ地下水道に逃げ込まなかった方がもっと楽だったんじゃないの?なんて思えたりしたが、どのような選択をしたところで結局は最後の結末は同じで進むも地獄、退くも地獄。あの時代のポーランドの状況がこの映画のレジスタンス達の運命と重なっている様に俺には思える。
本作の映画における結末は、もう悲惨すぎて涙なんか全くでてこない。悲しいという感情なんか起きないし、ただ唖然とするばかり。観る人をかなり選ぶ映画だと思うが、毎日を何も考えずに生きている人には、普段全く使わない脳ミソに程よい刺激を与えてくれる映画。特に普通に生きていることが当たり前だと思っていることが、どれほど幸せなことなのかわかっていない人に映画地下水道はお勧めだ
監督は世界中から尊敬の念を集めていた巨匠アンジェイ・ワイダ監督。実はけっこう彼は日本とも少なからず縁のある監督。坂東妻三郎主演の舞台劇の演出で来日したこともあります。この人のお勧めは名作灰とダイヤモンド、実在の事件を基にしたカティンの森が良いです。
https://blog.goo.ne.jp/goo0348_2007/e/279d6904ed507f41386be4a2aec3c38c
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『地下水道』(1956)
https://masanao.exblog.jp/12860595/
アンジェイ・ワイダ監督の『地下水道』をビデオで観る。
冥界のような圧倒的なまでの暗さ。この暗さは映画館でそこ観るにふさわしい。
はじめにピアノを弾く芸術家Vladek Sheybalが出てくるが、これが、ロマン・ポランスキーの『戦場のピアニスト』にそっくり。ポランスキーがおなじワルシャワ蜂起を舞台に生き抜いたピアニストを、この『地下水道』の芸術家をモデルにして、俳優エイドリアン・ブロディを髪型までそっくりにして使ったにちがいない。
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前半の地上戦のシーンでリモコンのミニ戦車が出てくる。 ゴリアテ (Goliath) という、第二次世界大戦でドイツ軍の使用した、遠隔操作される軽爆薬運搬車輌、とのこと(wikipediea)。ほんとうにこんなものがあったということに驚いた。
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主人公とそれを助ける女がようやく川に面した出口にたどり着くとそこは鉄格子ははまっていて出られない。スチール写真では絶望した二人という図になっているが、映画では男は眼がよくみえなくなっており、鉄格子に気づかない。女は目を閉じて休めとやさしく言う。女性のもつ限りない優しさにむしろ心打たれる話になっている。ワイダ映画の女性はほんとうにいい。
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ようやく地上に出た中隊長が誰も後から続いてきていないことを知ると、再び地下水道へと潜っていき、画面は本当にだた闇となる、エンディングは胸を突かれる。
すごい映画があったものだ。
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