2021年10月21日 財務官僚の自尊心と大衆の学歴崇拝 http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68875362.htmlアホな官僚が跋扈する財務省 今月、『文藝春秋』誌の11月号で、財務省事務次官の矢野康治(やの・こうじ)が、高市早苗議員を批判したいのか、政府の“バラマキ政策”を咎める論文を発表した。矢野氏は掲載論文の中で次のように述べていた。 最近のバラマキ合戦のような政策論を聞いていて、やむにやまれぬ大和魂か、もうじっと黙っているわけにはいかない、ここで言うべきことを言わねば卑怯でさえあると思います。数十兆円もの大規模な経済対策が謳われ、一方では、財政収支黒字化の凍結が訴えられ、さらには消費税率の引き下げまでが提案されている。まるで国庫には、無尽蔵にお金があるかのような話ばかりが聞こえてきます。(「財務次官、モノ申す 『このままでは国家財政は破綻する』」) Yano 001( / 矢野康治) 日本の国益をずっと蹂躙してきた財務官僚が、「やむにやまれぬ大和魂」なんて言葉を吐くとは、まさしく笑止千万だが、矢野氏本人は意外と本気なんだろう。だいたい、何で消費税の引き下げが悪いんだ? 平成時代ずっと不況続きで、これといった経済成長もない割に、税金だけはどんどん吸い取られるなんておかしいじゃないか ! 本来なら、消費税をゼロ%にして消費意欲を刺戟すべきだろう。それなのに、財務官僚ときたら国民の生活などお構いなしに、「我々は竹下内閣、いや大平内閣以来、ずっと間接税の導入に奔走してきた。日本の財政を憂慮し、せっかく10%までに上げたのに、それを今更3%やゼロ%下げろとは何だ ! お前ら平民は日本経済の危機を分かっているのか?! 俺達の苦労が水の泡じゃないか!」と激怒する。 もう、聞いているだけで顎が外れるくらいの傲慢さだが、財務省の役人は自分達が日本の政治を担っていると思っているのだ。さらに、心配なのは総理大臣になった岸田文雄の動向である。財務省の親戚に囲まれた岸田総理は、低所得家庭の日本人なんかに興味が無い。国民から信託を受けても、耳を傾けるのは財務省のレクチャーだ。選挙の結果がどうであれ、岸田総理は金融課税か環境税などの導入に焦点を絞り、もっと税収を上げようと目論んでいる。 緊縮財政を「善」と思っている矢野氏は、未来への投資でも借金は御免で、別口の税金で賄うべき、と考えているようだ。普通の国民は開いた口が塞がらない。雑誌論文の中で矢野事務次官はビックリするような事を述べていた。曰わく、 私は、国家公務員は『心あるモノ言う犬』であらねばと思っています。昨年、脱炭素技術の研究・開発基金を1兆円から2兆円にせよという菅前首相に対して、私が『2兆円にするにしても、赤字国債によってではなく、地球温暖化対策税を充てるべき』と食い下がろうとしたところ、厳しくお叱りを受け一蹴されたと新聞に書かれたことがありました。あれは実際に起きた事実ですが、どんなに小さなことでも、違うとか、よりよい方途があると思う話は相手が政治家の先生でも、役所の上司であっても、はっきり言うようにしてきました。 新たな技術を研究・開発するのに国債発行は嫌だから、「徴税で資金を集めろ !」なんて暴論だ。じゃあ、国防のために新兵器を開発する時も税金で費用を賄い、直接の利益に繋がらない基礎研究も税金で行えと言うのか? おそらく、財務省のお役人は、「消費税を28%あるいは33%にまでアップすればいいじゃん !」と思っているんだろう。「不偏不党」を口にする矢野氏は、私欲・省益を無視するかの如く、「国家公務員は忠犬であるべし」と公言するが、本当に国家への忠誠心から提言を行っているのか? もしかすると、財務省の中枢には、外国勢力に協力するエージェントや手下が居るんじゃないか? ここでは詳しく述べないが、敗戦後、財務省や日銀のトップに坐る者は、日本の国益を後回しにして、アメリカの要求に従ってきた。愚劣な国会議員に飽き飽きする高級官僚は、ワシントンやウォール・ストリートにいる旦那衆に向かって忠誠を示し、無理難題を突きつけられても、「仰せの通りに」と彼らの意向で動く。なぜなら、財務官僚や日銀の幹部は、アメリカに逆らっても勝ち目が無いと分かっているから、それなら恭順を示した方が得策じゃないか、と考えてしまうのだ。日本は軍事的に独立していないし、エネルギーの供給や金融システムも西歐諸国に依存しているから、宗主国のアメリカに従うしかない。保守派国民は認めたくないだろうが、日本は軍隊を廃止したコスタリカと同じで属州のままだ。たとえ、自衛隊がイージス艦を保有しようが、パトリオット・ミサイルで防禦しようが、何らかの有事が勃発すればアメリカ軍に守ってもらうしかない。自衛隊に「宇宙作戦隊」ができたって、アメリカの宇宙軍と比べたら月とスッポンだ。平和教育で雁字搦めにされた日本の空軍力なんて貧弱なんだから。 それにしても、どうして矢野氏のような事務次官が財務省に生まれてしまうのか? もちろん、彼が官房長官時代の菅義偉に仕え、菅氏の秘書官になっていたことが出世の要因なんだろが、もう一つ考えられるのは、矢野氏が「便利な馬鹿だから」という点である。国債を負の遺産のように考え、国家破滅に導く元兇みたいに考えているんだから、経済音痴というしかない。自国通貨建ての国債なんだから、日本がエクアドルとかアンゴラ、スリランカみたいにデフォルトの危機に陥るのか? これは筆者の勝手な憶測なんだけど、なるほど、財務省には現実の経済に疎い官僚が多い。でも、中には狡猾な役人がいて、愛国者のフリをした「確信犯」がいるのかも知れないぞ。こうした人物は憂国の士を装い、同僚に向かって、「馬鹿な議員どもに国政を任せてはならん ! 優秀な我々が日本の将来を担うんだ !」と述べて、プライマリー・バランスの黒字化とかバラマキ行政の歯止めとかを宣伝する。 でも本当は、こうした熱血官僚こそが売国奴で、外国勢力の配下になっている場合がある。 財務官僚上がりの政治家 所謂「キャリア官僚」の弊害は昔から指摘されてきたけど、何故、霞ヶ関の官僚は政治家を凌ぐほどの権力を持ってしまうのか? 確かに、彼らは特殊分野の専門家で、腰掛け程度の大臣とは違っている。何十年にも亙、り国家行政に携わっているから、普通の代議士よりも遙かに事情通だ。しかし、そうした構造を支えているのは、一般国民が抱く劣等感と高等文官が当然とする優越感である。普通の日本人は子供の頃から筆記試験で評価され、テストの成績で序列化されているから、どうしても難関大学の合格者を“上等な人間”と思いがちだ。「東大生」と聞いただけで、巷の庶民は「何か偉い人なんじゃないか」と勘違いして跪く。 それもそのはず。受験生の子供を持つ親は、「週刊ダイヤモンド」のような雑誌を手に取り、大学のランキング情報を隈なく読む。それゆえ、最難関の東京帝國大学を御卒業になったお坊ちゃん、お嬢ちゃんは、誰もが認めるエリート人間。) 一方、底辺大学にしか合格しなかった庶民は、東大卒のエリートを羨む。特に、新聞記者などは挫折感の固まりだから、東大出身の高級官僚を仰ぎ見る。「俺は東大を目指したけど駄目だった。慶應義塾も不合格。でも、早稲田に受かったから、そこら辺の一般人よりも上等だ!」と密かに思っている。 ジャーナリストから馬鹿にされる庶民も同じく学歴に悩まされ、骨の髄まで劣等感が染み渡っているから、有名校の学生は人格的にも“上等”と思っている。例えば、偏差値の低い大学に通っている者、あるいは専門学校生が、痴漢や強姦の容疑で捕まっても雑誌の記事にはならない。ところが、東大生が飲み会で女子学生を強姦したとか、電車内で盗撮を行ったとすれば、新聞の三面記事に載ったりする。なぜなら、赤化した大学や教授会の実情を知らない一般人は、偏差値が高いと倫理観も高いと思ってしまうからだ。実際はそうでもなく、大学の先生にもスケベや痴漢がいると、人権派なのに裏では冷酷なサディスト、あるいは国家転覆を狙うアナーキスト、元学生運動家のマルキストなど、非常識の輩(やから)が少なくない。特に、東大や京大には真っ赤な教師がウジャウジャいるから、そこで仕込まれた学生は無意識の左翼になるか、ピンク色に染まった“なんちゃってリベラル”になるかのがほとんど。教授の言説を鵜呑みにする優等生が、霞ヶ関のキャリア官僚になれば、どんな事をしでかすのか、誰にでも想像できる。 矢野氏のような人物が事務次官になるのは問題である。しかし、財務省を辞めて政治家に転職する奴はもっと有害だ。原則上、役人は勝手に行政を左右してはならないが、国会議員となれば国政を動かすことができる。(ただし、「通達」という脅迫で民間企業を支配することが出来るみたい。) 財務官僚上がりの政治家を探せば、昔、民主党に属していた古川元久を挙げることができよう。以前、彼はテレ朝の政治番組に出演し、偉そうに経済問題を語っていたから、この議員を覚えている一般人も多いんじゃないか。 Furukawa Motohisa 1( / 古川元久 ) 古川氏は東大法学部を卒業後、大蔵省に入り、1996年にコロンビア大学に留学するが、翌年に戻ってくると、さっさと大蔵省を退官して政界に転職した。これは国費留学の利益を頂いて、スッと役所を去ってしまう典型例である。それでも、国家のために尽力する議員にならまだしも、左巻きの思考で権力を行使されたのでは堪らない。古川議員は野田内閣で国家戦略担当大臣となったが、彼が担当する社会保障政策や宇宙開発の分野で、何か成果を残したのか? 民主党の議員だからしょうがないけど、彼は選択的夫婦別姓や女性宮家の創設に賛成で、それだけでも愚挙なのに、彼は何と移民を1000万人も受け容れようと述べていたのだ。(浅尾慶一郎、大塚耕平、細野豪志、古川元久、松井孝治、松本剛明 「1000万人移民受け入れ構想」『VOICE』 2003年9月号、pp.142-149.) 筆者は毎月購読していたけど、たまたま当時『VOICE』を読んだ一般国民だって、「えぇぇぇ〜、移民を1千万人も迎えてしまうのぉぉ? マジかよぉぉ?!」と驚愕したんじゃないか。山本モナと浮気をした細野豪志や、伊藤博文の子孫たる松本剛明(まつもと・たけあき)は、こっそりと自民党に潜り込んだけど、過去の発言をどう説明するのか、ぜひ尋ねたい。1000万人の移民というのは、ブリテンやデンマーク、ドイツ、フランス、スウェーデン、オーストリアなどからやって来る中流階級の西歐人じゃないぞ。大量に押し寄せてくる移民というのは、見ているだけで不愉快な朝鮮人や図々しい支那人、下層階級を形成するフィリピン人、犯罪率を上げるベトナム人などである。 古川氏の選挙区に住む愛知県民は、ブラジル人の移民労働者を歓迎したのか? 出稼ぎで来にしたブラジル人は、下層階級の者がほとんどであったから、子供の教育なんかに熱心な訳がない。知的な雰囲気が無い親に育てられた子供は、日本語が拙く、学校の勉強にも追いつけなかった。同じクラスにいる日本人生徒からは嫌われ、学校の負担にもなっていたから、ブラジル人生徒でまともな大人になる者は少なく、中には暴走族やチンピラになった者までいるそうだ。もっと酷いのは、高飛びしたひき逃げ犯で、日本人を轢き殺しても、引渡条約の無いブラジルに帰ってしまえば、日本の警察は逮捕することができない。悔しいけど、被害者の家族は泣き寝入りだ。筆者には「移民歓迎」を掲げた議員が責任を取るとは思えない。古川氏はサギのように身軽で、民進党が解体すると小池百合子の「希望の党」に潜り込み、そこもダメとなったから、国民民主党へ移って代表代行に納まった。今回の選挙でも再選されるだろう。 日本に財政破綻が訪れる ! 話を戻す。財務省出身だから「経済問題」に精通していると自慢する古川議員だが、彼の著書に目を通すと、「本当に金融や経済の事を解っているのか?」と疑いたくなる。矢野事務次官も昔から財政破綻や赤字国債のことを述べてきたが、古川議員も唖然とするような「自説」を述べていた。この議員も財務官僚と同じく、プライマリー・バランス重視の人物で、「赤字国債」の増加・累積は国家崩壊に繋がると仄めかしていた。古川氏曰わく、「財政が破綻すれば、困るのは国家ではなく国民である ! 」と。 国債の大部分を保有しているのは、国民だ。国民が持っている国債が紙切れになる。さらに、国家財政を立て直すために、緊縮財政、すなわち、大幅な増税と歳出削減を行う。こうして国民は暗くて出口の見えない長いトンネルに追い込まれることになる。(古川元久 『財政破綻に備える : 今なすべきこと』 ディスカバー携書、2015年、p.25) そりゃあ、国債が紙切れ同然となれば国民は大慌てだが、財務省自体が「自国通貨建ての日本国債は安全です !」と公言しているんだから、古川氏の心配は杞憂なんじゃないか。しかも、財務省はホームページで外国の格付け機関による日本国債の評価が低すぎる、と抗議しているのだ。もし、日本が「赤字国債」の乱発で財政破綻に瀕しているんなら、一般の銀行や保険会社があんなに国債を買うわけないだろう。でも、古川議員は安倍政権の「アベノミックス」に反対したかったのか、矢鱈と危機感を煽り、通貨発行の増加に懸念を抱いていた。財政通の古川議員は、日本のインフレーションに警鐘を鳴らし、次のような事例を挙げていた。 戦後のハイパー・インフレは100倍になった。(上掲書、p.28) 元財務官僚という経歴をひけらかす古川議員は、著書が発売された当時、話題となっていたギリシアの金融危機に言及し、日本が債務不履行(デフォルト)になったら大変だ、と騒いでいた。(上掲書、pp.31-32) 彼の著書は2015年に発売されたが、もう月日が経って今は2021年になる。だが、懸念された事態は一向に表面化せず、武漢ウイルス騒ぎになっても、菅政権が倒れて岸田内閣になっても、デフォルトの危機に陥っていないんだから不思議だ。古川氏の予想だと、もう財政破綻になっているはずなんだが、どうしたんだろう? 彼は次のように心配していた。 長期国債の残高は2015年度末には800兆円を超える。短期国債も含めれば、国債の残高は1000兆円を超える。また、地方政府の債務も加えた政府全体の長期債務残高は、14年度末ですでに1000兆円を突破している。まさに、天文学的数字だ。日本の政府の債務残高はGDPの2倍に達しており、これほどの政府債務を抱えている国は、ほかにジンバブエぐらいしかないといわれている。(上掲書、p.39) うわぁぁぁ〜、莫大な債務を抱えた我が国は、いずれジンバブエ並になってしまうのかぁ〜。でも、ジンバブエはGDPの世界ランキングで213ヶ国中115位だけど、日本はジンバブエと同じくらい危ないのか? 確かに、ジンバブエは凄まじいハイパーインフレを起こして、自国の「ジンバブエ・ドル」を四回も変えてデノミを断行した。それゆえ、現地の人々は自国通貨を信用せず、外国の通貨である米ドルか南アフリカの「ランド(Rand)」を用いているそうだ。我が国とアフリカの貧乏国を同列に論じるというのは滑稽だが、古川氏は真面目に債務残高を心配していた。彼は以下のように言う。 もう20数年前になるが、私がまだ役所にいたときに、財政演説の草稿を書く担当だった時期がある。当時はまだ国債残高が180兆円くらいだったのだが、それでも日本の財政は大変危機的な状態だと書いていた。それが今は長期国債だけで800兆円にまで膨れ上がり、政府全体の長期債務は1000兆円を超えた。まさに、異次元の世界だ。(上掲書、p.42) 思わず笑ってしまうが、「異次元の世界」とは、古川氏が住んでいる「仮想現実」のことか? なるほど、GDPに対する債務残高の比率を見れば、西歐諸国と比べて日本の比率が高いことに気づく。IMFの「2020年World Economic Outlook Database」によれば、2021年、日本は264%、米国133.6%、英国111.5%、ドイツ72.2%、フランス118.6%、イタリア158.3%、カナダ115.0%となるそうだ。緊縮財政を追求する財務省は、各国の債務残高を表にして、「日本の状況は急速に悪くなっており、最悪の水準になっています !」と騒ぐ。でも、そんなのいいじゃないか。国債の多くは日銀が引き取る訳だし、国債を購入したオッちゃんやオバちゃん達にとっては、ちゃんと「資産」になっているのだ。筆者が学生時代、知人のオバはん達はタンス預金を持っていたけど、賭博要素の強い株への投資は怖いから避けていた。そこで、利回りは低いけど安全ということで、国債をどんどん買っていたものだ。もし、紙屑になると思っていれば、あんなに買わないだろう。 ところが、古川氏の見解によれば、日銀が日本の国債を買い続けると危機をもたらす、というのだ。 日銀だけが国債をどんどん高値でも買い続けるという状況は、とても健全な市場とは言えないばかりか、市場が価格形成を通じて発する警鐘機能を崩壊させるとともに、他の投資家の投資額の減少で債権市場の不安定化をもたらし、それがさらなる国債投資の手控えをもたらすという負の循環を生み出していると言える。(上掲書、p.51) 平民の筆者は「へぇ〜、そうなのかぁ〜」と言うしかないが、さらに驚くのは、古川氏が安倍政権の時代から「金利の上昇」を心配していたことだ。彼の著書によれば、財政破綻の主な要因は金利の上昇で、もしも金利が急騰し、もはや利払いができないような状態になれば、それ以上の資金調達ができなくなり、財政破綻という状況になるらしい。古川先生はこう述べていた。 「日本の財政が破綻する」などというのは、オオカミ少年だという意見も少なくない。本当にそうならばいい。 ・・・・だが、そろそろ、本当にオオカミがやってきそうな気配だから心配なのだ。(p.63) 2015年からだいぶ経つけど、「金利の上昇による財政破綻」は何時(いつ)来るんだ? 今年は無理でも来年の2022年になれば、待ちに待った金利の上昇が起こるのか? でもさぁ〜、国債の金利が上昇したら、他の金融商品の金利も上がるから、そんなに被害が増加するとは思えないんだけど。おそらく、元財務官僚あがりのエリート議員には、庶民には見えない恐ろしい将来や刻々と近づく大破綻が見えてしまうんだろう。この様子だと、オオカミ少年はオオカミ老人になってしまうぞ。 古川氏の著書を読んでいると、「本当に財務省の仲間なんだなぁ〜」と思えてくる。彼も矢野氏と同じく、「プライマリーバランスの黒字化」を目指しているらしい。古川氏曰わく、 仮にプライマリーバランスの赤字がゼロになって収支が均衡した場合でも、財政収支はゼロにはならず、利払い費分だけ財政収支は赤字になる。(上掲書、p.94) プライマリーバランスの黒字化目標の達成が財政健全化のゴールではない。これは一里塚に過ぎず、そこから先の次なる目標を視野に置く必要があり、具体的には公費残高の対GDP比の引き下げや、財政収支の均衡などを次なる目標としていく必要がある。(上掲書、p.95) プライマリー・バランスの黒字化を達成するためなら、どんどん歳出を削って節約に努めようという訳だ。しかし、日本経済が縮小し、個人所得も減ってしまったら、愛知県に住む有権者の生活も苦しくなるんじゃないか? 愛知県の支持者だけは被害を受けず、健全な中流階級が維持されるとは、到底思えない。今度の衆院選の中で彼はどんな政策を公約に掲げているのか? 彼のオフィシャル・サイトを覗いてみたら、何と古川先生は「東京一極集中」を避けるため、皆さんに地方移住を推奨し、「居住面積の倍増」まで提言していたのだ。唖然としてしまうが、この古川先生は「広い住宅」を推進する政策を掲げている。しかし、所得が低くなった世帯は新築どころか、住宅ローンを払えず自宅を売却する破目になるんじゃないか? でも、大丈夫。古川議員は、ちゃんと日本の成長戦略を考えていた。先生曰く、 日本の生産、雇用を支えているのは全国の中小企業だ。・・・それぞれの地域に優れた技術があり、それを支えている人材がいるということだ。・・・・地域にある「世界でオンリーワン」の技術には、「グローバル・ニッチ・トップ企業」を生む可能性が秘められているのだ。(上掲書、p.132) えっ ! 成長の目玉が「ニッチ産業」なのか? 確かに、「グローバル・ニッチ・トップ企業」のリストを見れば、立派な会社も多い。でも、その中には「どら焼き機械」、「即席麺製造ライン」、「イカ釣り機」、「背もたれ椅子の部品」なども含まれているから、「他の産業も育成した方がいいんじゃないか」と思えてくる。 古川氏は地元の愛知県を愛しているのか、「地産地消システムの構築」を強調していた。古川氏はハイパーインフレ時代の到来に備えて、地方経済の基盤を強化したいそうだ。 地産地消のシステムがあれば、万一財政破綻などが起きてハイパーインフレとなり、生活に必要な物資の調達をすることが難しくなった場合でも、その地域社会の最低限の生活だけは維持することができることにつながる「方船」になり得ると思うからだ。(上掲書、pp.133-134) でも、ハイパーインフレになったら、都会よりも地方の国民がダメージを受けやすいと思うんだけど・・・。それでも、古川先生の地方主義は根強く、エネルギー政策でも地方重視だ。原発反対の古川先生は、自然エネルギーで必要な電力を賄うつもりらしい。 実は地域単位で考えれば、電力が自給自足である地域は多い。・・・水力発電に加えて、太陽光や風力、あるいはバイオマスなどを使った再生可能エネルギーの発電施設も、それぞれの地域の特性に応じて導入を進めていくべきであることは言うまでもない。(上掲書、pp.141-142) えぇぇ〜、太陽光発電を推進した結果、森林が伐採されて、土砂崩れまで起こったのに、それでも自給自足の電力供給を目指すのか? リベラル派の政治家は再生エネルギーとやらに熱心だが、ギラギラ光る太陽光パネルの近くに住む庶民からすれば、そんなのは大迷惑だ。第一、毎月の電気代を目にすると、請求書に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が記されている。「こんなモノのために、毎月高い料金を払っているのか」と思えば、誰だって腹が立ってくる。無駄としか言い様のない太陽光発電を維持する為に、多くの国民が余計な料金を負担しているなんて承知できない。風力発電だって非効率で、風車を廻すために電気を使っているくらいだ。木材のチップや生ゴミを使ったバイオマス発電なんか、どれくらいの電力需要を賄えるんだ? それに、「地域の特性」というが、温泉が出る地域でも、そんなのは茹で卵を作るくらいの地熱である。 東大法学部を出た元財務官僚ということで、有権者は古川氏を「優秀」と思っているんだろうが、多少なりとも教養を持つ国民なら、彼の発言を怪しく思うし、その著作を読んだら大爆笑だ。しかし、「なぜ彼が8回も連続当選したのか?」と言えば、もちろん民主党の看板もあったが、彼の華々しい経歴が目に付いたからだろう。確かに、成績の良い者は理解力があって博学だから、巷の庶民は「さすが、名門進学校の人は違うなぁ〜」と溜息をつく。だが、実際に東大法学部の学生が優秀なら、大半が選良憲法の廃止を訴え、国軍と諜報組織の創設を主張するだろう。ところが、私立大学の学生を含めて、法学部に属した日本人は、ほとんど護憲派になる。しかも、地球人なら誰でも有するとされる「人権」の方に熱心なんだから、呆れてしまうじゃないか。 なるほど、偏差値の高い大学に合格する受験生は優秀だ。しかし、有能に見える高校生でも、実は記憶力が良いだけの人物で、判断力や思考力に欠ける人が少なくない。例えば、高級官僚になる人は、財務省編の『財政学入門』といった教科書をチラッと読んで直ぐ要点を覚える。試験前に担任の先生が、「試験の範囲は25頁から62頁までね !」と言えば、ちゃんと勉強して95点か100点を取ってしまう。しかし、教科書の内容が「おかしい!」とか「間違っている!」とは思わない。それに、出題範囲を超えた質問だと困ってしまう。矢野氏や古川氏は難しい経済用語を混ぜて素人の平民に講義を垂れるが、自分が何を述べて、どんな策略に引っ掛かっているのかを理解しているのか? 今も昔も財務省(大蔵省)の高級官僚は自尊心が強く、国家権力を背景にしているから民間人はひれ伏しているだけなのに、彼らは自分の“実力”と思い込む。徴兵逃れで総理になった宮澤喜一は典型的な元大蔵官僚で、高等文官試験、すなわち国家公務員試験のT種合格者のみが「真の選良」と信じていた。「我ら富士山、他は並の山」と言って他の省庁を見下す財務官僚は多い。しかし、キャリア官僚の金融や税制に関する知識は怪しく、ひょんな事から実態がバレてしまうこともある。例えば1990年代、大蔵省で主計局畑を歩んでいた田谷廣明(たや・たかあき)と、同じく主計局の総務課長や次長を歴任し、財務研究所の所長にまでなった中島義雄は、スキャンダルで失脚した。両者とも東大卒の「エリート官僚」だった。 失脚前の田谷氏は、主計局の総務課長であったが、「EIEインターナショナル」(不動産屋)の高橋治則・社長から豪華な接待を受けたことで、マスコミの集中攻撃を浴びることになった。田谷氏は高橋社長の自家用ジェット機で香港に赴き、大名旅行を楽しんだというから、他にも色々な接待を受けたはず。中島氏も「EIE」の高橋氏と昵懇だったが、彼は支那人が経営する「楼蘭」に通っていたことがバレて辞任する破目になった。これは現在でも有名な「ノーパン・しゃぶしゃぶ事件」である。(1998年に発覚した大蔵省瀆職事件) 世間のオッちゃんオバちゃん達はビックリしたけど、この二人は共に税務署勤めの経験があった。田谷氏は室蘭税務署の署長や東京税関長を務めた経歴があり、中島氏も新潟県にある三条税務署の署長を務めていた。(大蔵省のキャリア官僚は、20代の若さで税務署の署長になる。) 彼らは税務署長を経験したのに、スキャンダルが発覚して尋問されると、税法を知らなかったと言い訳をしたので、民間のビジネスマンは驚きを隠せなかった。ちなみに、中島氏は退官後、京セラや船井電機に天下りし、渡り鳥よりも優秀だったので、セーラー万年筆の代表取締役にもなれたという。 とにかく、我が国のお役人様には色々な奴がいる。日本には防諜機関が無いから露見しないけど、財務省には外国勢力の手先になって世論を操っている奴がいるはずだ。この確信犯は、アホな試験秀才を利用して、本当の狙いを隠している。狡猾な財務官僚や日銀の幹部どもは、誰が真の支配者なのかをよく分かっているから、日本の財務大臣や総理大臣なんかに従うことはない。彼らはヨーロッパの国際会議やワシントンD.C.に参拝し、恭しく大御所様の勅命を持ち帰ってくる。麻生太郎が財務省に従順なのは、官僚を尊敬しているからじゃなく、彼らの背後に居るパトロンを“権力者”と見なしているからだ。軍隊を持たない属州の酋長は、丸腰の藩主と一緒で、幕府から「江戸城の石垣を建築しろ」と言われれば、外様大名は資金と人材を提供せねばならない。これと同じく、ウォール街の旦那衆から、「お前の国は閉鎖的だ ! もっと自由な市場にしろ !」と厳命されれば、竹中平蔵のような買弁が現れて、構造改革とか自由主義で国内企業を売り渡す。貧困化した庶民は抵抗すらできず、「お上に逆らっても仕方がない」と諦めてしまい、あとはディスカウント・ショップにに通って節約生活に励む。悲しいけど、これが日本の現実である。 別の記事で述べたいが、日本の経済評論家というのは、経済統計や専門用語を使って目先の経済現象を云々する。しかし、もっと重要なのは、世界経済のシステムや枠組み、ルールなどを誰がどのように決めたのかである。YouTube番組に出てくる経済通は、矢野氏の雑誌論文を取り上げ、「アホな奴だなぁ〜」と笑っているが、冷静な日本国民は、裏で糸を引く人物の魂胆を探った方がいい。 http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68875362.html
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