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日本や中国のバブルは簡単に崩壊するけれど、アメリカのバブルだけは絶対に崩壊しない理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/121.html
投稿者 中川隆 日時 2018 年 12 月 29 日 09:13:25: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 


日本や中国のバブルは簡単に崩壊するけれど、アメリカのバブルだけは絶対に崩壊しない理由


ダウ・ジョーンズの100年に渡る株式市場の値動き。
数々の暴落で激しく揺れ動くチャートだが、凄まじい上昇にあるのが分かるはずだ。
https://4.bp.blogspot.com/-oN-T0gr5iHQ/VzQ_TB_m2YI/AAAAAAAA20E/kZ0WYHFYsow3CsuaH4uO86GO4uYHJf2agCLcB/s1600/img%2B-001.png
http://stockcharts.com/freecharts/historical/img/100-100.png

NYダウ工業株30種平均 超長期月足チャート 1928年11月〜
http://baseviews.com/chart/dow-ja.html


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米国株に賭けている投資家と、そうではない投資家の間にできた絶望的な格差=鈴木傾城 2018年9月4日
https://www.mag2.com/p/money/522833


リーマン・ショック以来、米国の多国籍企業に全力投資した人が勝ち組になっている。
現金、ゴールド、日本株に未来がない中、その戦略はこれからも有効だろうか?


勝者は米国株を拾った投資家。それはこれからも変わらないのか?

歴史的大暴落に「全力で買い向かわなかった」という後悔

リーマン・ショックが起きたのは、今からちょうど10年前の2008年9月15日だ。株式市場は総悲観になり、超優良企業もまた絶望的なまでに売り飛ばされ、「金融市場は崩壊する」と言われていた。誰も彼もが株式を売り飛ばした。

この頃、私は「現金・ゴールド・株式」という財産三等分法を頑なに守っていたので、株式市場が暴落したところで大した痛手は負わなかったが、残念ながらこの財産三等分法が暴落時の対応を誤らせた。

何が誤りだったのかというと、あくまでも私は財産三等分法を崩さなかったので、凄まじく暴落した株式を「全力で拾う」という千載一遇のチャンスを完全に逃してしまったのである。

このリーマン・ショックの混乱の中で私がやらなければならなかったのは、現金・ゴールドをすべて売り飛ばして、株式を買い漁ることだった。何しろ、66%の余力があったのだ。

にも関わらず、この余力を使わなかった。

さらに馬鹿げたことに、私は33%の株式資産のうち、半分ほどしか買いに回さなかった。つまり、私は株式市場が大暴落して人生で一度あるかないかの超巨大チャンスだった時期に、たった16%ほどの資金しか回さなかったのだ。

確かに資産の16%でも、総悲観の中で買い向かったというのは何もしなかった人よりもは優れていたかもしれないが、それにしても大きく勝負しなかったのは失敗だった。

財産三等分法を捨てて、株式にフルインベスト

私が財産三等分法を捨てて株式にフルインベスト(全力投資)するようになったのは、2012年からである。

2012年の初頭に、私は日本円で持っていた資産33%も、ゴールドで持っていた33%も、ほぼすべてを売り払って、それをドルに転換してアメリカの株式に変えた。

「日本円」には未練はなかった。なぜなら2009年から2012年までの日本の民主党政権下での政治的・社会的混乱で、もう日本は完全に終わったと絶望しきっていたからだ。

「日本企業」にも希望は見い出せなかった。なぜなら、当時の民主党政権が日本企業を苦しめている円高をまったく是正しようとしなかったからだ。まるで日本企業の破壊を後押ししているかのように見えた。

民主党を絶賛していた評論家・ジャーナリストどもも「円は50円になる」とか冷笑していた。中には「円は10円になる」と断言していた救いようのない馬鹿もいた。

極度の円高が日本を破壊しているのは誰が見ても一目瞭然なのに、日本は無為無策のままで混乱していた。当時はまだ第二次安倍政権の萌芽すらもなかった頃で、日本が好転する余地はないように見えた。

だから私は2012年には「もはや日本はこれまでだ」と考えて、資産のほぼすべてをドルに転換し、アメリカの優良多国籍企業に投じた。


ゴールドは「ただの金属」

ゴールドもすべて売り払ったのは、現代の資本主義で富の源泉となっているのはゴールドではなく多国籍企業が生み出す付加価値と利益であるということに気づいたからだ。

ゴールドなど、ただの金属である。成長もしないし、利益も生まないし、配当もない。インフレヘッジくらいはするかもしれないが、それ以上の存在にはならない。金本位制に戻ることもない。

これについては、下記の記事でも触れているので読んで欲しい。

【関連】ビットコイン元信者が嵌まる「次の罠」なぜ彼らは現実から目を背けるのか?=鈴木傾城
https://www.mag2.com/p/money/380911


このような経緯があって、私は2012年からアメリカの優良企業へのフルインベストに入ったのだが、結果から言うと私の判断は完全に正しかった。すべての人はアメリカの優良企業に「フルインベストすべきだった」のである。

では、これからはどうなのか。

アメリカの企業に投資する戦略は今後も有効か?

過去を振り返って「ああすればよかった、こうすればよかった」というのは誰でもできる。

チャートを眺めて「ここで買ってここで売ればよかった」というのは誰でも言える。過去のチャートを見て買い時と売り時を間違える人はいない。

しかし過去はあくまでも「終わった出来事」である。タイムマシーンで戻れるわけでもなければ、同じパターンを再現できるわけでもない。過去がどうだったかはほとんどの人には「もう、どうでもいい」話のはずだ。

では、未来はどうなのか。アメリカの多国籍企業に投資するというのは、これからも有効な戦略として通用するのか。


結論から言うと、これからも通用する。アメリカの多国籍企業に投資する戦略はこれからも効き続ける。

資産を日本円で持って日本の銀行に定期預金で預けるよりも、ゴールドにして裏庭に埋めて隠すよりも、日本企業に賭けるよりも、中国や新興国に賭けるよりも、割が良い。

日本は深刻極まりない少子高齢化が何らかの方法で解決できない限りは国の衰退は避けられない運命にある。社会保障費が増大していく一方であるのも気がかりだ。

ゴールドは長く持っていても増えないし、インフレヘッジ以上の価値はない。

中国は合法・非合法を問わず、あらゆる手段で国外から技術を徹底的に盗んで大国になった国であり、最近はこのような傲慢なやり方が非難されるようになっている国だ。情報統制・隠蔽・捏造に明け暮れる体質を見ても、この国が次世代のイノベーションを生み出せる国ではないのは分かる。人口が多いので国内市場を独占した企業は巨大化するが、世界をリードできるような環境にはない。

新興国はアメリカが利上げすると、すぐに資金ショートを起こして吹き飛びそうな脆弱性を持ち、ここから継続的かつ革新的なイノベーションや金融市場は生まれない。

多角的に考えてみると、結局は「アメリカの多国籍企業の優位性は揺らがない」ということに気付くはずだ。


アメリカの多国籍企業が強すぎる

現在、世界はドナルド・トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争とFRB(連邦準備制度)による利上げによって、安定性を欠くようになっている。

ニューヨーク株式市場は2018年に入ってからやや崩れ出しているのだが、それでも高値圏に張り付いて好調を維持している。「見通しの悪い中でも健闘している」という言い方がよく当てはまる。

こうした状況は薄氷を踏みながら進んでいるのも同然なので、不意に何かの材料で暴落したとしても誰も驚かない。株式市場は上にも下にも「支え」などないので、いつでも暴落や暴騰を繰り返して蛇行しながら進む。

しかし、基本的にニューヨーク株式市場は長期視点で見ると「成長し続ける」というのは確実である。アメリカの多国籍企業は全世界のどこの国のどこの企業と比べても、圧倒的に有利な立場にいる。


ハイテク企業が全世界を支配しているのは言うまでもないが、非ハイテク産業でも負けていない。

コカコーラ、マクドナルド、フィリップモリス、エクソンモービル、スターバックス、ナイキ、ファイザー、J&J、P&G、コルゲート、3M、ボーイング、キャタピラー、ディズニー、ビザ、アメリカンエキスプレス……等々、超強力なブランド企業が市場を独占しており、莫大な利益を上げ続けている。

あなたは「どの馬」に乗るのか?

この圧倒的優位性は、グローバル社会の揺れ動きや激しく動揺する金融市場の動向の中でも、いささかも揺らがないのは自明の理だ。

状況から見ると、今後はアメリカの株式市場に賭けている投資家と、そうでない投資家の間では、圧倒的かつ絶望的な格差が広がっていくことになるはずだ。

現在の資本主義の中で生き残りたいのであれば、この意味をよく考えた方がいい。やるべきことはやらなければならない。持つべきものは持たなければならない。



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2018年12月29日
投資の勝敗は「大恐慌で買えるか」で決まる

1929年の大恐慌でも底値で買って大富豪になった人が大勢いた


成功者は大恐慌で買う

世界的に有名な投資家や投資で大富豪になった人には共通のパターンがある。

好景気で株価が上昇している時の行動はどうでも良いが、不況や大恐慌の時に「当たりくじ」を引き当てる。

前回の不況は2008年から2010年のリーマンショックだったが、この時に値上がり株を買った人が後に財を成しています。

その後の好景気で株価が値上がりする局面では、はっきり言えば誰がどう買っても儲かった筈です。

もしあらゆる株価が上昇していた8年間で自分は損をしたという人は、投資をやめて真面目に働いた方が良い。

好景気の投資ではそんなに差は出ないものだが、不況下ではその人の才能が現れる。


資産5兆円の投資家Wバフェットはリーマンショックで「アメリカ株は買いだ」と言い、2011年の東日本大震災で「日本株が買いだ」と言っていました。

これを聞いて不謹慎だと思った人には、やはり投資の才能がないとしか言いようがない。

バフェットは常々「株は肉と同じで、安ければ買う」と言っていて、リーマンショックや3.11でもそれを実行した。


投資界ではハイエナが勝つ

驚いたことにバフェットはJR東日本に興味を示し、買収しようとしていた可能性がある。

有り得なさそうだが実際にJR東と同規模のBNSF鉄道を買収して利益を挙げました。

東日本大震災と超円高で日本株が割安になり、中でも最も割安に映ったのがJR東日本だったようです。


1929年の大恐慌でも底値で買って巨万の富を築いた投資家が居て、この投資法は数百年前からずっと行われています。

大恐慌で買う投資家は好況時にはそれほど目立たないが、いつか不況になるのを見越して資産を温存します。

好況時はなにもせず、不況で割安になった時だけ買うハイエナ投資家も存在します。


ハイエナは評判が悪いが戦略として理にかなっていて、健康な象を襲って倒すより、倒れた牛を食べる方が合理的です。

2018年12月になって米株式市場が下落し、アメリカは景気後退期に入ったと言われています。

これから株や土地や金融資産を割安で買えば、数年後に巨万の富を築けるでしょう。


大恐慌のどん底になった時に、買える資産を持っているかが勝敗を分けるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/78564192.html


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アメリカはソ連崩壊後に NO.2 になった日本をどうやって叩き潰したのか


平成バブル崩壊と ソロモン・ブラザース証券
http://jcoffee.g2s.biz/retsuden3.html#soromon

私にとって、最もつらい経験は、1990年の平成バブルの崩壊です。発表しようとも思いますが、なかなかその気にはなれません。

ところが、この年、空前の利益をあげた証券会社があります。野村でも大和でもありません。外資系のソロモン・ブラザース証券が、巧みな方法で日本の市場を舞台に、安全かつ巨額の利益を手中に収めたのです。

同社のこの勝負を、振り返って見ましょう。

1989年11月9日、偶発的に、国境に押し寄せた東独市民により、ベルリンの壁が崩壊します。資本主義が社会主義より優れていることが、誰の目にも明らかになります。

株価の先高感が強まり、12月にはいり、日経平均先物と現物との差がなんと1000円以上開いてしまうのです。この先物高と現物安の異常格差が大問題だったのです。

ブラック・マンデーなどで裁定取引の経験を深め、鍛え上げた外資系証券会社と比較して、日本の証券会社や投資家は、知識不足で無防備でした。

ソロモンのトレーダーは、千載一遇のチャンスを逃さず、大きな勝負にでます。

1989年12月上旬、同社は、現物買いの先物売り(3月限)の裁定取引をなんと1900億円分実施します。ソロモンの現物買いでバブルは、ますます膨らみます。 1989年12月末、日経平均は、38916円の史上最高値となります。この瞬間がピークだったのです。

裁定取引は、株が上がろうが下がろうが利益には、影響を与えません。
現物と先物の差がどう変化するかで勝負が決まるのです。

1990年大発会以来、株価の不振が続きます。この値動きから、同証券のトレーダーは、日本株バブルの崩壊を確信します。

1900億円分の裁定取引から、最大の儲けを引き出すにはどうしたらよいか?思案を重ねます。

◆◆そして、バブル崩壊を促進するための秘策を思いつきます。◆◆
◆◆ 1990年1月11日、その秘策は実行に移されます。◆◆

ソロモン証券は、日本株の暴落へ備え、大量のプット(株を一定価格で売る権利)を買います。そして、ほぼ同時期の、1990年1月11日、不人気の国債の入札に参加、600億円分を購入します。

同社は、大証で購入した日経平均のプットの一部をもとに、アメリカ中の顧客に「日本株売りファンド」を販売します。(簡単にいうと一定金額を払い、日経平均が下がると下がった分だけ利益の出るファンドです。)

これで、準備完了です。

1月16日、ソロモン証券は、買って間もない大量の国債を、損を承知で投売りします。国債価格は暴落して、金利は暴騰します。
日経平均と長期国債の金利のグラフの90年1月を見ると、両者の関係がよくわかります。

金利の上昇をきっかけに株価は下落、先安感が支配的になります。国債で損をしても、株がそれ以上に暴落すれば、同社は儲かるのです。

そして、運命の2月26日が巡ってきます。

先安感が強くなると、現物より先物のほうが早く下がる傾向があります。この日、日経先物は、ストップ安になります。

ソロモン証券は、この機を逃さず、大量の裁定取引を解消して巨額の利益を確定します。
下がりきった先物を買い戻し、大量の現物を売ったのです。

1990年2月26日同社の大量の現物売りが、東京市場に衝撃をもたらします。
日経平均は、34891円から33322円へとたった一日で4.5%も暴落します。

当時、日本の投資家(私もその一人)は、裁定取引についての知識がありませんでした。
翌日の朝刊には、外資系証券会社の裁定取引が暴落の原因、と書いてあります。

「なにか得体の知れない、ヌエのようなアメリカの怪物が
コンピュータを使って暴れまわり、日本市場を破壊している。」
そんな印象でした。

ソロモンと同社から「日本株売りファンド」を買ったアメリカ国民は、日本株の暴落で膨大な利益をあげます。

◆◆無知で未開な市場は、◆◆
◆◆先進技術を持ったアメリカ人に収奪されてしまうのですね。◆◆
◆◆ 二度とこうしたことがないことを、日本人として望みます。◆◆


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1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。

 平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。

事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズ(現在のソロモン・スミスバーニー)という証券会社でした。

 ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。

 バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。

 バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰(こうとう)並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢(ごうまん)になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。

 CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズ(現在はソロモン・スミスバーニー)と手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。


ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。

 かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因(ちな)み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
 「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。

 60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
 この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。

 その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。

 デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。

次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
 人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。

 大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
 しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙(こうみょう)な手口を考え出します。

 それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
 風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。

 彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。

 彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
 そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。

1989年当時、日本人エコノミスト達は「デリバティブ」という「先物」の実体を知りませんでした。経済や金融の専門家でも、この実体が何なのか、未だに分からず仕舞いでした。またこの事が、バブル崩壊の悲劇を大きくし、当時の日本経済界は全く無防備であったと言えます。


ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。「梃子(てこ)の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。
 彼等は、この二つの研究から面白い現象に気付きます。それは日経平均株価(日本経済新聞社が、東京証券取引所一部上場の代表的な225銘柄について算出し、発表しているダウ式平均株価)が単純平均(相加平均のことで、算術平均ともいわれ、n個の数を加えた和をnで除して得る平均値のこと)で作られた「指数」から出来ている事と、もう一つはこれらの指数の分析から、品薄な銘柄を意図的に買うと、少ない資金で日経平均株価を持ち上げることができるという経済現象に気付いたのです。

 こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬(またた)く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。
 その頃、日本の話題はベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦構造が終焉(しゅうえん)を迎えれば、世界市場に進出できる等と、日本人経営者の多くが高を括(くく)っていた頃で、日本人の思い上がりの裏側では、こうした巧妙な仕掛けが、水面下で仕掛けられていたのです。
 大蔵官僚も、エコノミストも、この仕掛けには全く気付いていなかったのです。

ソロモン・ブラザーズの真の狙い

 当時の多くの日本人投資家は、「日経平均株価は10万円に到達する」と信じて疑わない人が多くいました。誰もが強気で、今こそ、この好景気に乗って、買いに転じる時機(とき)だと確信していたのです。その結果、バブルは急速な加速度をつけて、瞬く間に膨らみ始めました。
 この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
 1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。

 『プット・ワラント』とは、「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という新商品であり、この商品をアメリカの大口機関投資家に大量売り込みを図っていたのです。また、これには大口投資家も飛びついたのです。
 彼等の新商品に対するキャッチ・フレーズは「年末から年始に掛けて、日本の株式は大暴落するから、60年前の《1929年10月24日の暗黒の木曜日》の時と同じくらいの大儲けが出来ますよ」でした。

1990年1月2日、ニューヨーク・ウォール街では、日本とは逆に、信じられない現象が起こっていました。突然、為替が円安へと向かったのです。この円安はソロモン・ブラザーズが『プット・ワラント』販売に因(ちな)み、債券や為替や株価の「トリプル安」を企てたものでした。
 そして1月が過ぎ、2月に入り、その月は既に中旬に入っていました。この頃、日経株価はジリ安でしたが、大暴落の兆しは現われていませんでした。

 日本人はまだ、この時にも何も気付いていなかったのです。そして日本経済が、瀕死(ひんし)の重傷に陥っている自覚症状すら、エコノミスト達は感じ取ることが出来なかったのです。

 当時の政治背景としては、自民党の政治家は2月中旬の衆議院選挙で大勝したことに祝杯を上げていた頃で、政界も財界も危機管理意識はなく、全く無防備でした。
 日本人は、まさに「ライオンに、餌を差し出す為に手を伸す呑気(のんき)な兎」でした。腕ごと食いちぎられるか、体ごと丸呑みされるかの、こうした危険すら感じる事もなく、呑気な行動をとっていたのです。
 日本人投資家が、株を買いに奔走している頃、アメリカの金融の裏側ではソロモン・ブラザーズの売り攻勢が激化を極め、これまでジリ安で状態であった株価は、一挙に大暴落へと転じました。バブル崩壊の引き金はこの時に引かれたのです。

ついに1990年2月末には、膨らむだけ膨らんだバブルは、日経平均15,000円台を大幅に割れ込みました。一挙に大暴落が起こったのです。

 ソロモン・ブラザーズの秘密兵器はデリバティブでした。
 デリバティブは説明の通り、現物と先物との価格差を狙った「サヤ取り」であり、「裁定取引」と「オプション」で、日本の株価は下落したら大儲けという派生商品です。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。バブル崩壊の大暴落は証券会社のみならず、大蔵省までを翻弄(ほんろう)の渦に巻き込んだのです。

 この巧妙な仕掛けでソロモン・ブラザーズは、僅か三年の研究とその実行で、一兆円にも昇る莫大な利益を手にしたのです。
 そしてこの後、日本では更に悲惨な状態が続くことになります。
 日経平均株価の大暴落は、株式市場の株価下落だけに止まらず、不動産の分野にも悪影響が及びます。この悪影響は、政府が不動産融資へのマネー供給を停止するという事から始まり、今まで高騰(こうとう)を見せていた大都市の不動産の資産価値が急速に下落したことでした。

 この現象は大都会だけに止まらず、地方にまで波及していきます。不動産の資産価値が下落するとは、それを担保にしていた金融機関の担保価値も大幅に減少したということになります。こうして不良債権の波及が表面化するのです。

 これに対して政府の後手政策は、次から次へと傷口を広げ、日本の資産とマネーの急速な収縮は、今日に見る不景気と連動し始めることになります。
 昇り詰めたものは、いずれ落ちる。これは物事の道理です。この道理に随(したが)い、ソロモン・ブラザーズは、次のプロセスへと準備にかかります。

ソロモン・ブラザーズの真の目的は、ただ単に、日経平均株価を下落させて大儲けすることだけではなかったのです。彼等の真の目的は、日本人の個人金融資産の1300兆円にも上る郵貯(郵便局で取り扱う国営の貯金事業で、元金・利子の支払いは国によって保証される)の食い潰しでした。日本のエコノミスト達は、この事すらも見抜けなかったのです。

 ソロモン・ブラザーズが研究の末に計画した事は、こうした下落が生じた時、政治家はもとより、財界人を始めとして、証券会社等が「これを何とかしろ」と、政府に詰め寄り、殺到することを計算に入れていたのでした。これこそ彼等の真の目的であり、ここに「日本発世界大恐慌」を画策した真の狙いが、ここにあったのです。
http://www.daitouryu.com/iyashi/shinizama/shinizama20.html


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その昔、日本は国民総ででバブルに踊った時代がありますたね。
バブルを起こして潰す。奴らの詐欺手口の最たるものですた。
バブルがはじけて今では失われた10年と言われていますが、今だに日本経済はその後遺症を引きずっています。自殺者はバブル崩壊から毎年3万人。今だにその数は変わっていません。

その手口を見れば分かるのですがいつもワンパターンです。
最初は甘い話でカモを釣る。こうやれば儲かりますよ。おいしい話でカモを誘います。

そしてころ合いを見計らって真っ逆さまに突き落とす。詐欺師の典型的なパターンです。

最初に奴らはバカスカ札束を刷って、バブルを引き起こす。銀行は貸して貸して貸しまくる。株に投資すれば儲かるよ。土地を買えば儲かるよ。そしてカモが罠にかかったころ合いで急に蛇口を閉める。貸し渋りをやるわけです。
これをやられたら投資家はいきなり資金難に陥ります。そして、資金難に陥ったカモ達から担保として株、土地、あらゆる資産を奪い取るのです。昔からやっていることは同じです。
いい加減気付いたらどうかと思うのですが、今だに引っ掛かっている人がいます。

その当時の日銀総裁であった澄田智(すみださとし)と言う方をご存じでしょうか。日銀退官後は日本ユニセフ協会の会長などをやっていた方です。

澄田さんがバブル潰しの張本人と言われています。
プラザ合意以降、5%だった金利を2.5%に下げ、銀行は貸して貸して貸しまくった。その当時は、黙ってても銀行が頭を下げて貸しに来たという話は誰でも覚えているはずです。そういうジャブジャブ溢れた資金が株や不動産に流れ込んだ。借金しても金利は安いし土地や株を買えば値上がりするしで猛烈なバブルが起きたのですた。

そしてバブルが膨らみきったころ合いを図って、澄田さんはいきなり公定歩合を8%、長期金利は 10%まで引き揚げた。蛇口を閉めたのですた。借金すると金利が高い。値下がりリスクのある株や不動産よりも安全な銀行預金の方が良いということで投資家は一斉に株と不動産から資金を引き上げた。土地や株は一気に値下がり=バブル崩壊と言われています。

バカスカ金を貸し出して狂乱状態を作ってからブルを破裂させる。
その後には膨大な焼け野原、不良債権の山だけが残る。
それを二束三文で奴らが買い叩く。
昔からの手口。ばればれの三文シナリオだったのですた。

さて、それにしても、そのバブル潰しの張本人澄田さんはどのような経歴の持ち主だったのでしょうか。
澄田さんと言えばフランスに留学した留学組で、その後ベルギー大使館、フランス大使館の一等書記官からキャリアをスタートしたエリート官僚ですた。
そしてその後は、順調に大蔵省で出世して日銀総裁になっています。
澄田さんとフランス財界のつながりはお父様の代から囁かれていますた。


澄田智さんは、日銀総裁を辞めた後、ロス茶イルドフランスの旗艦、投資銀行ラザール・不レールに最高顧問として天下りしています。
ちっとはカモフラージュでもして隠せと思うのですが、親子二代に渡って奴らの充実な部下だったという、そのまんまの経歴の持ち主ですた。
http://goldentamatama.blog84.fc2.com/


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外国人投資家の正体と350兆円のゆくえ
1991年から輪郭が見え始めた日本の経済崩壊は、兜町を土台から大きく揺るがした。92年の4月からの暴落に続いて、7月にかけて東証第一部の平均株価が1万5000円台に突入し、ついに8月10日には一万4000台を記録した。いつまでも続く最安値の更新が、日本の国全体を震え上がらせた。そして外国人勢力による上場企業の買収・合弁へと、事態が急速に展開し始めた。

もはや投資家の損害どころか、日本経済が土台から崩壊しようとしていた。日本株式会社の中枢部が、が一句人投資家によって買い占められるところまで株価が急落し、安い株券が誰か特定の金融ファミリーに集中していたのである。果たしてこれらの暴落が、マーケットの自然な経済原理によってたまたま起こったものだったのか。

日本がこれまで利益を守ってこられたのは、国際金融マフィアが悔しがる『系列会社』の株の持合によるものだった。三井グループ、三菱グループ、住友グループ等はもちろんのこと、富士銀行〜安田財閥は丸紅と連携し、三和銀行〜日本生命〜東洋信託の三水会は日商岩井と連盟を組み、第一勧業は伊藤忠と、それぞれがチームで利権を守るように動いてきた。ところがこの相互持合い方式は、国際金融マフィアが、内部からトロイの木馬方式で侵入してくると、逆に一挙に乗っ取られ大変危ない構造であることがわかり始めた。つまり芋づる式にあっという間に買収されてしまうからである。

今までは株式会社日本独特の『株の系列持ち合い制度』があるため、外国人ブローカーはまるで歯が立たなかった。ところが金融マフィアが巧みに仕組んだ『バブル』という名の時限爆弾によって、兜町の上場株の内の四分の一近くを握っていた銀行業界が、不良債権の焦げつきで、これまで宝物だった手持ち株を大放出せざるを得ない羽目に陥ってしまったのだ。仕組まれた『バブル』の崩壊によって、株価・地価の暴落→銀行の不良債権の急増→融資不能→経済危機→更なる株価・地価の暴落という悪循環に陥った日本経済は、坂道を転げ落ちるように谷底へと転落していった。

その上さらに駄目押しをするかのごとく、国際金融マフィアによる残虐な圧力が日本の大手金融機関に加えられた。88年6月、スイスのバーゼルで開かれた“バーゼル・クラブ”こと国際決済銀行(BIS)の銀行規制会議において、今では知らない者がいない「銀行は、自分が持っている資本金の8%以上を貸し出してはいけない」と定められたのである。これは日本経済にとって、結果的に第2の時限爆弾となった。それほど国際金融マフィアにとって、70年代〜80年代に海外に大々的に進出し始めた日本の金融資本の力が、目の上のたんこぶだったわけなのだ。

この規制のよって、『バーセル・クラブ』の謀略通り、日本の銀行の手足を縛ることが可能となった。むやみに国民から預金を取れなくなった日本の銀行は、増資のよって自己資本を大きくし、この壁を何とか打ち破ろうとした。そして自己資本が運用されている不動産やノンバンク等の資金回収に必死になって走り回った。折から、地価の暴落が始まり、起こるべくして起こった不良債権に青ざめた銀行が貸し出しを渋るようになると、その融資に頼っていた経済界がガタガタになり、それに連鎖して兜町の株がみごとに下降線を描き始めた。

そして最後に、これを見越していたかのように、劇的な92年4月の『外国人投資家による銀行株の大放出』という第3の時限爆弾が、ついに仕掛けられたのだ。ソロモン・ブラザースやモルガン・スタンレーなどが一斉に投売りを始めて、まるで絨毯爆撃のような攻撃を日本の銀行に向かって開始したのだ。彼ら国際金融マフィアは、かなり以前からアメリカ・ヨーロッパ等の経済紙に、『日本のバブル』という言葉をすでに頻繁に紙面に載せていて、いつの日か近いうちに、このシャボン玉に針を刺されて経済崩壊が瞬く間に起こることを、すでに予告していたのだ。

では、このバブル崩壊で、兜町に出入りしていた外国人投資家は、いくら儲けたのか。92年の経済白書によると、株の暴落だけでほぼ350兆円が吹き飛んでいる。金融取引の世界はあくまでゼロサムの世界だから、その莫大な消えた金額とまったく同額のお金を、闇に隠れて誰かがまんまと手に入れたことになる。世界的な株価の変化に目をやってみると、不思議なことが起きている。

年初から8月までの株価の暴落率は、日本だけがダントツで、32・8%という急激な下げ幅を記録している。ロンドン、ニューヨーク、フランクフルト、パリ等はほとんど変化なしで、全体としてはわずかに上昇である。香港では、天安門事件後の反動で中国経済特区が急成長したために、逆に35・8%の急騰である。その中心にある香港上海銀行は、ロスチャイルド・ファミリーの創業した銀行である。

この時期世界の銀行界では、日本が断崖絶壁に立たされていたにもかかわらず、アメリカの巨大銀行が、チェース・マンハッタン、J・P・モルガンを筆頭に、その第二・四半期で恐ろしいほどの利益急上昇を達成したことを、UPI電が7月に伝えた。日本の証券会社が、全国210社合計で3600億円の経常赤字を記録したというのに、日本で活動している外国証券50社合計で、なんと前期の5・6倍という馬鹿げた収益を記録していた。

ちなみに外資系の1位がソロモン、2位がゴールドマン・サックス、3位がモルガン・スタンレー、4位がソシエテ・ジェネラルとなっている。ソロモンとゴールドマンは、すでに大和を抜いて、野村に次ぐ兜町の2位と3位に入っている。メリル・リンチのの純利益は53%増加と、前年と比べると過去最高を打ち立て、6月に入ってモルガンもまた東証株式の「売買高」の部門で兜町の3位に入り、四大証券のうち大和、日興を抜いてしまったのだ。

ここで彼ら外資系証券の開発した巧妙な手口のひとつ、裁定取引と呼ばれるまことに不思議な手口を挙げてみよう。裁定取引( arbitrage)とは、辞書で調べると『ピンハネ』と書いてある。売り買いをする商品には、目の前で取引する『現物』と、何ヶ月か先の取引を扱う『先物』がある。もし何ヶ月か先の株価を知っていれば、現物を先物とのあいだに出る差額(サヤ)をあらかじめ計算して、買いだめでも、売り逃げでも、コンピューターの操作だけで好きなように利益をあげられる。

今回最大の利益をあげたソロモンなどは、ずっと先の株価を知っているものと見え、このシステムでぼろ儲けしたのだ。日本の証券会社は、裁定取引に熱中すると証券取引所が混乱して自滅するという理由から、手控えてきた。しかし外資系にとって兜町の運命なんかどうでもいいのである。ウォール街の大スキャンダルとなったアメリカ国際不正入札事件の犯人、それが兜町を揺るがした同じソロモン・ブラザースである。 今まであえてはっきり書かなかったけれど、彼らは、何ヶ月先の株価を知っているわけはなく、未来の株価を、自作自演のインチキで上下させてきたのだ。つまり集団でつるんで物音ひとつ立てずに、一気に売る。理由は後で何とでもつけられる。チャートや実勢価格なんかまるで無視して、人工的に平然と株価を操作してきたのだ。はっきり言えばインサイダー取引であり、詐欺である。

このとき、チームで株価を完璧にコントロールできるだけの『巨大な資金』と『秘められた実行力』が戦略のキーワードとなる。そのチームを、日本の証券業界では「外国人投資家」と簡単に呼んで、なぜか曖昧なままの存在にしてきた。彼ら数百年の伝統を持つ金融業のプロに対して、あまりに幼稚な認識と言えないか。

日本人が初めて世界の金持ちの仲間入りをしたと言われながら、その実、投機のテクニックとして使われたのは、財テクと呼ばれる一般的な株券・政権の購入に過ぎなかった。要するに、知的な金融能力とはまったく無縁のものだったのだ。

そして今も、日本には本当の金融のプロは存在していない。
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/20031025.html


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アメリカの日本叩き落とし戦略  

アメリカではFRB議長グリーンスパンの超低金利政策の結果住宅産業バブルが起こり、これが今日まで消費を支えてきたが、ここへ来て住宅バブルに「ローソクの最後の炎現象」が見えてきた。前述のようにアメリカには日本のような「潜在消費・投資力」の備蓄がないから解決策を他国に求めるしかなくなる。

そこでアメリカに狙われたのが日本、つまり竹中平蔵大臣である。

実は竹中平蔵氏は1980年から90年のJapan as No.1(「日本の世紀」と言われるほど日本経済が世界を制覇した)時代にハーバード大の客員研究員や准教授をしていた。日本の銀行が世界ランキング1位から10位を占める事態に危機感を抱いたアメリカはハーバード大等の叡智を結集して「日本叩き落とし戦略」を打ち出して見事に成功し、その結果日本の大不況はまだ続いている。竹中氏(当時、大蔵省財政金融研究所主任研究官)は日本の大蔵情報提供者として重要な働きをしたと考えられる。

だから現在のブッシュ政権の経済担当責任者とも親交が深い。異例とも言われた経済財政・金融担当の二つの経済ポストが竹中に与えられた時、グレン・ハバード米大統領経済諮問委員長は「竹中氏は申し分のない改革論者で、ブッシュ政権は竹中氏を全面的に支持している」との見解を発表すると同時に「不良債権処理と日銀の金融緩和の必要性」を強調した。

竹中大臣が10月に訪米した時、「大手銀行だからといって容赦しないぞ!」と言わんばかりの不見識な「大失言」(竹中ショック)のためニッケイは大暴落となり日本は時価総額で約50兆円の資産を失った。この時ハバード委員長をはじめ、バウチャー米国務省報道官、テーラー米財務次官らは必死になって竹中大臣をかばった。アメリカが日本に経済高官を送り込んでまでの竹中支援ぶりは異常。ここでまた経済の基本に戻るが、不良債権処理が日本経済の現況下では不要であることは再三解説したのでご理解いただいたと思う。

日本企業は現在リストラ中であり、総需要も資金需要もマイナスだから特に銀行機能を求める環境にない。こうした時、銀行の脆弱な財務体質を目の敵にするのは不自然である。しかも国会でもマスコミでも世を挙げて不況の結果である不良債権処理とデフレ対策に議論が集中し、不況の真の原因から目を避けている。異常ではないか。何故竹中大臣とアメリカはこの時期に不良債権処理と金融緩和を急ぐのか。

それはアメリカの国益の立場になって考えればすぐ分る。自ら打つ手がなくなったアメリカは日本の「打つ手」(現金備蓄)を奪うしか手が無いのである。竹中大臣はアメリカの国益の立場に立っているのである。不良債権で金融機関のパイプが詰まったままの状態で金融緩和をすると緩和された資金はアメリカに流れず、資金需要がない日本の資本市場で浮遊資金の増大となる。資金は当然土地と株にヘッジし、地価と株価を押し上げる結果となる。これこそ日本経済再生の道だが、アメリカにとっては許し難いこと。すなわち日本の土地と株が上がりだすとアメリカから資金が逃避し日本市場に向かうからである。

今アメリカは戦争と言う無駄な公共投資を前倒しで実行しているが(前述のごとく)潜在的財源が無い。どんなことをしても日本の「備蓄資金」をアメリカへ還流させなくてはならない。住宅バブルが弾けるのも時間の問題。

不良債権処理を急ぎ、日本の国民に痛みを与え、デフレをさらにスパイラル化し、大銀行や大企業を破綻に追い込んでまでもアメリカの国益の為に尽くす竹中平蔵。さらなる「詭弁」で小泉首相と国民を騙し続ける竹中大臣。まるで邪教の亡者のごとき竹中大臣の強烈な意志と情熱は、多分1980年代に洗脳された「日本叩き落とし精神」の具現だろう。今日本は「気違いに刃物」を与えてしまった。


竹中平蔵は、もともと日本からハーバード大学に留学していった。米国では世界各国から来るエリートを選び、その人物に、洗脳教育を施していると聞く。つまり、「国際金融資本に、すべて任せることがよい」という洗脳である。

○ 竹中の推し進めてきた政策を振り返るとあることに気づく。それは、すべて日本の企業を倒産させて、米国の企業に買い取らせるという結果になっている政策ばかりであり、しかも竹中はこれを「すばらしい」と表現している。

○ここでハーバードまで留学して、結局、「すべて国際金融資本に任せるべきだ」という思想を植えつけられているとする。

<竹中の破壊の歴史>
振り返ってみれば、日本は世界最強の銀行として、誇っていたのを台無しにしたのは自己資本比率規制の導入であった。これを導入することを熱心にやっていたのが竹中であり、金融ビッグバンも竹中の提案であり、不良債権処理も竹中路線であり、就任以来54もの金融機関を次から次へと倒産させてきたのは彼の政策のためである。

小泉内閣になってついに、竹中金融担当大臣が就任した。
周囲は、机上の空論の大臣だといって猛烈に反対していたが、小泉は、
「すぐれた頭脳で貢献していただく」といって任命した。
竹中はそれまでやっていた慶応大学教授からいきなり金融大臣となった。

それでは竹中がやってきた日本の金融政策を振り返ってみよう。

竹中が、日本に、自己資本比率規制を導入した。その結果、世界でも最強を誇って
いた日本の銀行は軒並み、貸し出しを減らし、貸し渋りを行うようになった。
そして不況になっていった。 それまでは世界のベスト10バンクに日本の銀行が
6行も入るすごい状態にいたのだった。

竹中がやってきた日本の金融政策を振り返ってみよう。

竹中が、日本に、自己資本比率規制を導入した。その結果、世界でも
最強を誇っていた日本の銀行は軒並み、貸し出しを減らし、貸し渋りを行うようになった。そして不況になっていった。 それまでは世界のベスト10バンクに日本の銀行が6行も入るすごい状態にいたのだった。

○竹中が時の橋本首相に「金融ビッグバンをやるべきです」と進言して、
それをやった。すると山一證券は自主廃業となり、メリルリンチ証券となり、
長期信 用銀行はf経営が傾き、一時国有化し、リップルウッドに買収された。東
邦生命は、買収されてGEキャピタル生命となり、日興證券は、 これも経営が傾き、外資に助けを求め、外資の傘下にはいった。
日興コーデイアル証券となった。
倒産は続出して、金融恐慌の一歩手前までいった。時の橋本政権は選挙で大負けした。日本経済にとって致命傷となった。

竹中金融大臣が、「不良債権処理をやるべきです」といい、それを強化すべ きだといった。すると、銀行は貸しだしを抑制するためさらに不況となる。不良債権
と認定された企業は次から次へと倒産していくため小泉政権の自殺者数や、倒産件数は歴代1位である。

この竹中金融担当大臣が就任している間、UFJ銀行は経営不安に陥り、54も
の金融機関が倒産した。足利銀行も倒産した。建設会社が倒産したときに、竹中
金融担当大臣は、とてもよろこんだ。 「これが構造改革の進展している証拠だ」

そして、竹中金融担当大臣は、4月1日からペイオフを唱えている。
ペイオフは世界各国でどこもやっていない政策である。ところが、竹中が「どこもやっている」とテレビでいうことで、このとんでもない破壊的な政策をやる流れ
になっている。

そしてこの数年間、日本を痛めつける政策をずっと立案してきた人物の竹中が郵政を解体してしまおうとしている。 というわけだ。
http://ime.nu/www.asyura2.com/0505/hasan41/msg/915.html


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私達は洗脳されていました。不良債権の処理こそが構造改革だと。。。

彼等のやり口はこうでした。

一、株式は自己資本の半分以下にすること。
二、不良債権は二年で半減すること。不良債権処理に充てた資金には税金を課す ただし繰り延べ資産として7年間分認める

私達は国の命令で株式の売却を始めました。株の暴落が始まり長銀は国有化され長銀の株券は一夜で紙くずとなりました。数兆円の血税をつぎ込み身奇麗にした 長銀は瑕疵担保条項までつけて外資の手に渡りました。その後私達は恐ろしい光景を目にすることとなりました。

瑕疵担保条項によって死ななくても良い企業まで次々と息の根を止められて行きました。 その時つぶせばつぶすほど外資がもうかる条約だった事に私達は気づきました。

そんな時あの竹中が金融中枢に入ってきたのです。
そしていきなり繰り延べ資産は認めないと言い出したのです。税金は取っておきながら、です。人々はパニックに落ちました。株価は大暴落し、旧額面で80円を割り込んだ時、外資の増資申し入れを受け入れました。
四大メガバンクすべてが外資に自社株を叩き売ったとき、りそな銀行の国有化が決まり、長銀の時と同じく数兆円の国民の税金がつぎ込まれましたが、驚いたことに減資なし、株主責任は問わないという寛大な措置でした
あれほど株主責任を厳しく追及していた竹中 木○コンビの豹変でした。

その翌日から外資の数千億単位の株式購入が連日のように続きました。
日本の国富が外資の手に落ちて行くのを私達は茫然と見ているしかありませんでした・・・。
私達は竹中によって株式をもっと売り払えと指導されていたからです。


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最近、株価が上昇してますが、日本経済に株価が上昇するようなファクターがあったっけかな?と不思議に思っていました。GENDAI NETに気になる記述を見つけました 2005年11月30日 掲載


10月23日(日)の「がっちりマンデー!!」という民放番組を見ていると、ゲストに当時の竹中蔵相を招いて「竹中大臣の新日本経済入門U」みたいなのをやっていました(リンク)。

その番組中で竹中前蔵相は、「それを私の口から言ってしまうと問題がある」とは言いつつもニヤニヤしながら“これから投資の時代ですよ〜”、みたいなニュアンスを醸し出していました。民放とつるんで、朝からTV漬けの主婦など(竹中氏曰く“IQが低い”←リンク)の層を個人投資家として株式市場に参加させ、バブルを起こさせようというのが狙いか?と疑ってしまいます。それでも個人投資家のシェアは15年前から7%程伸びただけというのが実情。

注目はやはり、15年間で4倍にも跳ね上がって、いまやシェアの半分になろうとしている外国人投資家の方でしょう。日本の株式市場なのに、国内機関投資家のシェアがたったの3%以下(信託入れても12%)なのに、外国人投資家が46.7%もあるというのも、いかにも異常な感じがします。

国内機関投資家は、体力が無いのと前回のバブルでひどい目にあったので“羹に懲りて膾を吹く”みたいなことでシェアが少ないのかもしれませんが、個人投資家はしっかり37%のシェア。もしかして彼らは、バブルを経験していない(orその当時ひどい目に遭わなかった?)新興の勢力なのかもしれません。だとしたら、外国人投資家にとっては、投資にそれほど慣れていない(でも、「もうからへんかいな〜」と甘い夢を見ている)連中は恰好の“カモ”に映っているのではないでしょうか(実際、投資経験の浅い学生や主婦がデイトレを始める中心層とよく聞きます)。

もしそうだとすると、いやな予感が脳裏をよぎります。

彼らの投資資金は、海千山千の外国人投資家に揺さぶりをかけられて丸ごと持っていかれる…というシナリオなのではないでしょうか。

1994年:メキシコをはじめとする中南米バブル、1997年:東南アジアバブル、1998年ロシア金融危機など、次々と各地でバブルを演出し、そのたびに自分達だけがっぽり儲けて、地元の経済や社会をボロボロに破壊し、そこに付けこんでIMFを介して世界各国の経済支配を強化してきた勢力がいます(参照:17664、リンク)。

今回は、小泉首相をはじめ官庁やマスコミまでがグルになって旗を振って、国民を道連れにバブルに突き進もうとしているかのように見えます。私達は、それらの勢力やエコノミストたちの戯言に惑わされて、前回のバブル崩壊や中南米・アジアと同じ轍を踏むようなことはあってはならないと思います。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=101985


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アメリカは NO.2 になった中国をこれから叩き潰そうとしている


【討論】中国経済は本当に崩壊するのか?[桜H30-12-22] - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=wySjAIDCTg4

2018/12/22 に公開
◆中国経済は本当に崩壊するのか?

パネリスト:
 川島博之(東京大学大学院農学生命科学研究科准教授)
 澁谷司(拓殖大学海外事情研究所教授)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 福島香織(ジャーナリスト)
 松田学(東京大学大学院客員教授・元衆議院議員)
 宮崎正弘(作家・評論家)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総


 

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貿易戦争で墜落する中国、習近平を追い詰める改革派と解決困難な4大社会問題とは=勝又壽良 2018年12月23日
https://www.mag2.com/p/money/612755


中国が「改革開放」から40年周年を迎えました。その間の平均成長率は9.8%。世界に例のない高度経済成長を実現しましたが、その裏には多くの闇を抱えています。(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良)


終わらぬ米中冷戦、米国が突き付けた合意書を中国はのめるか?

中国「改革開放」から40年

12月18日は、ケ小平(とうしょうへい)によって始められた「改革開放」から40年たった記念日にあたります。

中国経済が破竹の成長を始めたのは、1978年12月18日です。ケ小平は、中国経済の市場化を目指しましたが、党内には「市場経済」という言葉に強い拒否感があり、これをなだめるべく市場経済に「社会主義」という形容詞を付けるほどでした。


社会主義=計画化によって市場経済をコントロールする意味です。

中国経済成長の副作用「4大陰り現象」は解決困難

過去40年間の平均成長率は、9.8%にも達しました。世界に例のない高度経済成長を実現しましたが、その裏には多くの問題点を抱えています。

<その1. 環境破壊の凄まじさ>

大気汚染を筆頭にして、土壌汚染や水質汚染など「環境崩壊」という言葉がふさわしいほどです。農村部には、「ガン村」と言われるように特定地域で集中的に癌患者が発生しています。この「ガン村」が約3000箇所あると指摘されています。

<その2.一人っ子政策による極端な「少子高齢化」の進行>

一人っ子政策が、過渡的に生産年齢人口(15〜64歳)比率を増やし、これが高度経済成長に多大の寄与をしました。しかし、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に生む子どもの数)は、世界最低ラインに落込んでいます。2015年に1.05人(人口の横ばい維持には2.08人が必要)まで下がっています。日本を下回る状態で、将来の人口動態に危険信号が出ています。現在は、この種の統計発表を中止するほど追い込まれています。

<その3. 不動産バブルがもたらす家計の過剰債務>

習近平政権になって、意図的に不動産バブルによって住宅ブームを引き起こして、景気のリード役に仕立てあげました。国民は、住宅の高値に怯えて先を争い高額の住宅ローンを組み購入しました。現在、これが家計を圧迫しており、個人消費鈍化の大きな要因になっています。

<その4. 不動産バブルがもたらす中国経済全体の過剰債務>

中国の抱える債務残高は、対GDP比で260%以上に達しています。これ以上は債務を増やせない。そういう限界状況において、「信用収縮」が起っています。金融機関が新規融資を渋る状況では、企業の資金繰りがつきません。国有企業は、国有銀行から融資を受けられます。民営企業には日本のような「メインバンク」がありません。非金融機関のシャドーバンキング(影の銀行)からの融資に頼っています。この脆弱性が、金融リスクを生み「地雷原」となります。


改革開放40年間の光が、平均9.8%の成長率としましょう。その影は、誰でも前記の4点を挙げると思います。

今後、潜在成長率低下の中で、これらの難題をどのように解決するのか。舵取りは極めて難しいのです。


「合意書」の焦点は4点

難題は、これだけではありません。現在、米中貿易戦争が「休戦」とはいえ、米国政府から来年2月末までに米中首脳会談で合意した5項目(うち、1項目は実行中)の「合意書」を要求されています。

合意できなければ、米国の関税第3弾2,000億ドルの関税率が25%に引き上げられます。米国は、すでに官報で告示しました。

米中で合意書を求められている項目は、次の通りです。詳細な説明は、当メルマガのバックナンバー11号(12月6日配信)を参照してください。
1.米企業への技術移転の強要
2.知的財産権の保護
3.非関税障壁
4.サイバー攻撃

口約束ではなく「文書化」して確実に実行させる

ムニューシン米財務長官は12月18日、関税を巡る米中間の休戦が終了する2月末までに「合意内容の文書化」に取り組んでいると『ブルームバーグ』のインタビューに答えています。


この文書化が重大な意味を持ちます。米中が目指す正式合意には、中国が取り組む構造改革のスケジュールや検証方法について、ムニューシン氏は「十分に具体的」な内容が盛り込まれる見込みだと語りました。

前記の4項目について、米国は単なる口約束で済ますことなく、構造改革のスケジュールや検証方法を盛り込まなければ、合意書を取り交わさない。もし、中国がそれを渋れば、米国は3月1日に予定通りの関税率25%へ引き上げると通告しているのです。

中国は、関税第3弾の追加関税が引き上げられれば、経済に重大な影響が出ることを懸念して「休戦」を選び、5項目についての合議に同意した背景があります。

最後は、米国の意向に沿った合意書にサインして、米国の「軍門」に屈すると見るほかありません。


中国にはまだ、米国と真っ向から戦う経済力がない

この米中合意書が公表された暁に、中国国内でどのような反応が出るでしょうか。

米国の知的財産権を守って、強制的な技術移転を迫らない。サイバー攻撃もやりません、などという合意内容になれば事実上、「中国製造2025」は宙に浮くでしょう。

その上、ファーウェイはイラン輸出規制違反によって、米国からソフトと半導体の輸出禁止措置を受ければ、ファーウェイの通信機製造がストップすると指摘されています。「中国製造2025」の中核は、ファーウェイが担っているのです。

ファーウェイが、米国の制裁によって製造機能を大幅に制約される事態になれば、「中国製造2025」は中核を失ったのも同然となるでしょう。中国の産業構造高度化計画は、とても2025年に達成できるどころか、「中国製造2035」になって2035年へずれ込むであろうという指摘もあります。


「中国製造2025」の推進役は、習近平氏と言われています。習氏が米中貿易戦争に対して当初、強硬論を述べ「徹底抗戦論」を主張した裏には、米国が「中国製造2025」の棚上げを狙っていると見たからです。

そこで、自らのメンツに泥を塗られたと感じた習氏は、米国へ同等の報復策に出たものと見られます。中国の経済官僚はここを問題視し、中国経済を必要以上に減速させたと批判しています。中国はまだ、米国と真っ正面から戦う経済力がない。こう冷静に判断しているのです。

中国の経済官僚は、米国へ留学した人々が多く、米国経済の実力を認識しています。副首相の劉鶴氏や中国人民銀行総裁の易鋼氏も米国留学組です。易氏の場合、米大学で終身教授の待遇を受けていたにも関わらず、その職を投げ打って帰国したと言われます。習近平氏を取り巻く一握りの民族主義者グループとは、その視野が異なります。

最強硬派の習近平氏には打撃

ここで、1つのエピソードをお伝えします。『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月16日付)からの引用です。


権威ある清華大学の何百人もの卒業生は、ある教授(注:胡鞍鋼教授)の解任を求める嘆願書を出した。この教授が、中国の米国に対する優位性を誇らしげに主張し、当局者や市民を「ミスリード」したというのが理由だ。この批判は、中国政府が対米関係で対応を誤ったとの見方を示唆している。

精華大学の胡鞍鋼教授と言えば、北京大学の林毅夫教授と並んで有名な「御用学者」です。根拠もなく、中国経済は米国経済を抜くと言い続けてきました。例えば、胡鞍鋼教授の場合、『かくて中国はアメリカを追い抜く』(PHP研究所 2003年)を出版しています。中身は薄っぺらなものでした。

習近平氏も精華大学出身です。習氏の側近になっている胡鞍鋼教授の解任を求める嘆願書は、間接的に習氏への不信任と受け取られます。そこで、胡氏は習氏の庇護を受けて解職の憂き目に遭わなかったものと見られます。


しかし、中国の経済改革派が、習近平氏による言論封殺の中で、堂々とここまで見解を述べていることは、習氏への批判が相当な規模になっていることを窺わせています。

中国経済がすでに、貿易戦争の影響を受け、冒頭に挙げた4つの問題点とオーバーラップして、中国の経済基盤を揺さぶっていた証拠と言えます。現実に危機感が迫っていなければ、リスクを冒してまで反対の声を上げるはずもありません。こういう状況下で、米中貿易戦争の「合意書」が公表されると、経済改革派が実権を握る局面になるように思われます。

「合意書」の内容が不明の時点で、このような議論は早計かもしれません。しかし、中国政府は4項目を受託するとなれば、「経済政策の正常化」が進むことは間違いないでしょう。

具体的には、米国の技術窃取をしませんとか、強制的な技術移転を迫りません、という誓約書を出す以上、中国の経済成長率は低下するほかありません。技術が手に入らなければ、設備投資をする必要もないからです。ファーウェイも、米国のソフトと半導体が輸入できなければ、生産規模の縮小は必至でしょう。中国のハイテク化はスピードダウンを余儀なくされます。

「中所得国の罠」脱出?

習近平氏は、自らの権力基盤を固める意味と「中所得国の罠」脱出目標を掲げて6.5%以上の経済成長率目標を立ててきました。「中所得国の罠」とは、1人当たり名目GDPが5,000ドル〜1万ドルに達した後、経済構造の高度化が進まず、長期にわたり1人当たり名目GDPが伸び悩むことを指しています。

中国の1人当たり名目GDPは、8,643ドル(2017年)です。これを1万ドル以上に引き上げて、先進国の仲間入りを狙っています。それには、「中国製造2025」によって産業構造をハイテク化する必要がある、という判断です。

しかし、他国の技術窃取や違法な手段でそれを実現しようというのは許されません。中国の倫理感では、それが許されると見ているところに大きなギャップを感じます。米国は、今回の「合意書」によって、そのギャップを塞ぐと意気込んでいるのです。

「中所得国の罠」問題について、北京大学がまとめた報告書「中国経済成長報告2017年」があります。今年1月初めに北京で発表されました。それによると、2017〜21年の5年間、中国経済の平均成長率は約6.5%になる。そして、2023年前後に、一人あたり平均GDPは1万2,500ドルの国際的ラインを超え、「中所得国の罠」を超越する、というものでした。ここでのポイントは、6.5%成長が前提になっています。


中国政府が6.5%成長にこだわるのは、「中所得国の罠」脱出がかかっているからです。問題は、2019年以降にどうなるかです。中国政府の顧問やシンクタンクは、2019年の経済成長率目標について、6.5%前後としている18年目標から引き下げ、6.0〜6.5%にするよう、指導部に提言している模様です。米国との貿易摩擦などを背景に、中国経済のリスクが高まるとみている結果です。


来年経済は波乱の幕開け

来年の中国経済を見る上で重要な前提は2つあります。

第1は、貿易戦争が回避される場合です。中国が、米国に対して「満額回答」すれば、正常化します。それは、皮肉にも習近平氏の敗北を意味し、中国の政治的な不安定化をもたらします。まさか、騒乱が起るとは思えませんが、習氏の政治責任が問われます。

これを契機に、経済改革派が経済政策の主導権を握り市場化を進める姿勢を示せば、米中関係の修復は部分的には可能でしょう。ただ、中国の謀略体質が暴露されたので、中国がグローバル化経済の枠組みに入ることはあり得ないでしょう。一度、信義の面でも警戒された国が、短期的に信頼を取り戻すことは不可能です。

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中国、「世界1の株価消失」今年255兆円がパー「バブル崩壊」2018年12月29日

中国政府は、不動産バブルの沈静でソフトランディングに成功すると豪語してきた。バブルの歴史において「ソフトランディング」などあり得ない。必ず、「ハードランディング」するというのが歴史の教訓だ。その報いを受けて、今年の株価は年初来25%、255兆円が煙と消えた。日本のGDPのおおよそ半分である。その規模の大きさが分る。


中国政府が楽観的であったのは、市場メカニズムを反映する株価暴落などは、政府の権力を以てすれば抑えつけられると見ていたからだ。この傲慢さが、不動産バブルを抑制するどころか、逆に煽り立ててGDP押上げのテコに使ってきた。習近平氏は、この偽りの高成長で「国家主席無任期制」を手に入れることができたのだ。バブル様々である。


だが、「好事魔多し」である。上手くいった積もりだった不動産バブルが、逆回転を始めたのだ。信用機構は目詰まりを起こし、不良債権の山を築いている。信用不安の発生で、新規融資がストップして、資金繰りが窮迫する事態になった。中国経済はまさに、日本経済が辿った道を追っている。この後は、「失われた20年」の悲劇が待っている。


『ブルームバーグ』(12月28日付)は、「18年に失われた255兆円ー数字が物語る中国株投資家の苦境」と題する記事を掲載した。


(1)「上海総合指数は年初来の下落率が25%近く、世界の主要株価指数としては最悪。12月26日時点で、中国株式市場の時価総額は18年に入り2兆3000億ドル(約255兆円)失われた。ブルームバーグが02年にデータ集計を開始してから年間ベースで最大の消失で、株式市場の規模として世界2位の座を日本に譲った」


中国株では、米国の有名な投資銀行が強気の方針を打ち出していた。そういう記事を見る度に、「この筆者は、バブル崩壊の意味と衝撃の恐ろしさを知らない御仁だな」と見てきた。だから、こういう根拠不明の楽観論は一切、取り上げることもなく、悲観論にウエイトをおく記事のコメントに力点を置いてきた。今年を振り返って、間違えたコメントを書かず、読者に迷惑をおかけする事態にはならなかった。


(2)「上海、深圳両証券取引所での1営業日当たりの平均売買代金は約3690億元(約5兆9600億円)に減少し、14年以来の低水準となったことをブルームバーグのデータは示している。27日の売買代金はわずか2638億元で、15年のピークの1割程度」


1営業日当たりの平均売買代金が、15年ピーク時の1割にまで落込んでいる。「株価は死んだ」も同然の状態だ。ここから、抜け出すのは大変なエネルギーを必要とする。中国経済が健全化することが前提である。


不動産バブルの後遺症を克服するには、まだまだ気の遠くなるような時間がかかるはずだ。習近平氏が、市場機構という「自然治癒力」のメカニズムを抑圧して、計画経済なる幻想に酔っていることから、目が覚めることなどあり得ない。彼が国家主席でいる限り、中国経済の回復・発展は期待薄である。
http://hisayoshi-katsumata-worldview.com/archives/14619922.html

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経済関係の記事は次スレに纏めました:

『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html


 

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コメント
1. 中川隆[-13352] koaQ7Jey 2018年12月29日 09:19:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告

馬渕睦夫さんが明らかにしていますが


左翼=リベラル=グローバリズム=親ユダヤ
=国際金融資本、軍産複合体、ネオコン、CIA、FBI、マスコミ、ソ連共産党、中国共産党、天皇一族、日本の官僚
=マクロン、メルケル、ヒラリー・クリントン、オバマ、レーニン、スターリン、ボリス・エリツィン、小泉純一郎、竹中平蔵、小沢一郎、橋下徹、枝野幸男、日本の護憲派・反原発派・反安倍勢力


右翼・民族主義=反リベラル=反グローバリズム=反ユダヤ
=プーチン、チェ・ゲバラ、カストロ、J.F.ケネディ、トランプ、ヒトラー、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、ウゴ・チャベス、 ロドリゴ・ドゥテルテ、田中角栄、安倍晋三、日本共産党


なんですね。


安倍晋三は調整型の政治家で権力基盤が弱く、IQ も随分と低いので、官僚や自民党のグローバリストに引き摺られているのですが、本来はプーチンやトランプと同じナショナリストなのです

マスコミはトランプやプーチンや安部政権の事を常に有る事無い事ボロクソに書いていますが、それはマスコミが 体制側=グローバル勢力側 のエージェントだというだけの事です。

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馬渕睦夫『グローバリストが恐れる日本の底力』
◉講演「新嘗のこころ」第2部(グローバリズムとは共産主義である) - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=YoH3GG3WiAc&index=2&list=PL7MaEu9i584cGqauRwWXCapXVTxom8dDT


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「古事記に学ぶ日本のこころ」 馬渕睦夫 〜天と地を結ぶ日本人の力〜 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=xcQ1sp6fV2g


2018/12/01 に公開

いつもの馬渕大使とは一味違う、ライブ感あふれるメッセージ!
物質欲、金銭欲で支配されるグローバリズム的な生き方を、私たちは祓い除け、伝統的な日本人の生き方を取り戻す必要があるのではないでしょうか。世界の人々もそこに注目しています!
そして、グローバリズムとナショナリズムを共存させる知恵とは何か?日本人の力が問われています。

 
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【日いづる国より】馬渕睦夫、フィデル・カストロと日本人の幸福論[桜H27-5-8] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=eoq6pRXoBBA&app=desktop

2015/05/08 に公開

日本の伝統と文化を尊重し、真に国益を考える数多くの志士達が、自らが国政に臨むことで日本再生に懸けようと奮起している。その志と問題提起を、じっくりとお聞きしていく対談番組。偉大な作曲家にして真の愛国者・すぎやまこういちによるプロデュースでお送りします。

聞き手:中山恭子(参議院議員)・すぎやまこういち(作曲家)
ゲスト:馬渕睦夫(元駐ウクライナ兼モルドバ大使)


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アメリカは日本へのキリスト教布教には失敗したが、戦争犯罪者という原罪を植え付けるのには成功した

【日いづる国より】馬渕睦夫、現代の「三国干渉」を打破せよ![桜H27-5-1] - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=YxGqLyB3rmQ


2015/05/01 に公開

日本の伝統と文化を尊重し、真に国益を考える数多くの志士達が、自らが国政に臨むことで日本再生に懸けようと奮起している。その志と問題提起を、じっくりとお聞きしていく対談番組。偉大な作曲家にして真の愛国者・すぎやまこういちによるプロデュースでお送りします。

聞き手:中山恭子(参議院議員)・すぎやまこういち(作曲家)
ゲスト:馬渕睦夫(元ウクライナ兼モルドバ大使)


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ノンフィクション作家・河添恵子#4-1
「馬渕睦夫氏と語る最新世界情勢」前編・グローバリスト&共産主義勢力 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=Z7syO3BhDdQ

ノンフィクション作家・河添恵子#4-2
「馬渕睦夫氏と語る最新世界情勢」後編・北朝鮮問題の行方 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=Z4Ot9KiWPV8

収録日:2018年4月25日


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deep state と中国共産党

河添恵子#8-1 ゲスト:馬渕睦夫★リアルに存在するスパイ&工作員の実態 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=ukhGim45GB0


河添恵子#8-2 ゲスト:馬渕睦夫★ディープステートが支配する世界 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=Pxqk80onq6I

収録日:2018年9月11日

"ディープステート"
この世界を操り、歴史を作ってきたとされる影の政府、真の実力者、アメリカの"奥の院"の存在が明らかに・・・。

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【平成30年 新春特別対談】馬渕睦夫氏に聞く[桜H30-1-2] - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=UiH6n-vvsnI&app=desktop


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馬渕睦夫×水島総 「世界を統治する者との最終戦争が始まる!」 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=L06Zs03T2D0


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【秋の特別対談】馬渕睦夫氏と語る - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=BU4nkKMmVfo&app=desktop


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平成30年・春の特別対談「世界は現在(いま)」 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=F7PsBGGmEE4&app=desktop


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【大道無門】馬渕睦夫と国難の正体を暴く[桜H25-5-24] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Rl7oyG4ebwk&app=desktop

2013/05/24 に公開

司会:渡部昇一(上智大学名誉教授)
ゲスト:馬渕睦夫(元駐ウクライナ大使)


東西冷戦も朝鮮戦争もユダヤ金融資本が仕組んだヤラセだった
ユダヤ金融資本がヤラセの冷戦体制を終わらせようとしたケネディを暗殺した


【馬渕睦夫】ケネディを暗殺したのは誰か〜トランプ大統領の真実 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=iATaiNPdMJw


2018/11/03 に公開
【馬渕睦夫】ケネディを暗殺したのは誰か〜トランプ大統領の真実


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ひとりがたり馬渕睦夫 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PL7MaEu9i584fGdp78r27h-eH0rmWLioEC

2018/06/22 に公開
待望の馬渕睦夫大使の新番組がスタート!激動する世界、今の日本に必要なのは何か?どんな危機が訪れているのか?マスメディアでは伝えられない世界の真実と、馬渕睦夫の「眼」をお届けいたします。
 




▲△▽▼

馬渕睦夫さんが明らかにしたのは

・ロシア革命を行ったレーニン、スターリン、トロツキー等は全員ユダヤ人とそのシンパだった

・ロシア革命に資金援助や支援していたのはアメリカやイギリス・ドイツの金融資本家だった


・毛沢東と中国共産党を支援していたのもアメリカ金融資本家だった

・ルーズベルトとその周辺の人間は全員社会主義者でスターリンと同盟関係にあった

・GHQ は戦後の日本を共産化しようとした

・ボリス・エリツィンはソ連崩壊後に国有財産を民営化して、すべてユダヤ資本に二束三文で払い下げた


要するに、ユダヤ資本は

昔は共産化によって世界各国のグローバル化を進めようとした

現在は移民を大量に受け入れさせて世界各国のグローバル化を進めようとしている

▲△▽▼


馬渕睦夫さんは唯の国際化とグローバリズムとは全く違う概念だと何度も言っています。

馬渕睦夫さんがグローバリズムと言っているのは

ユダヤ国際金融資本はユダヤ教の精神に基づいて、世界を国境の無い文化も同じ一つの国にしようとしているという事ですね。

ユダヤ教は人類で最後に救われるのはユダヤ人だけで、他民族はすべて滅ぼされるという教義です。

すべて滅ぼすのは無理なので、ユダヤ人が目指す現実性のある理想の社会は
1%のユダヤ人が資産や権力を独占して、99%の他民族は被支配者として搾取される世界なんですね。

北朝鮮みたいな共産国家なら大体その通りになっていますよね。

それから中国では都市籍の人間が農民籍の人間を支配搾取する体制になっていますよね。
中国の経済発展は都市籍の人間が農民籍の人間をタダ同然で働かせる事ができたからだというのが定説ですね。


マルクス主義で言う平等というのは 99% の被支配者の間では階級差別が全く無いというだけの話です。

竹中平蔵さんが、

派遣社員と正社員と待遇が違うのは平等の精神に反するから、正規社員も非正規社員と同待遇にしろ

と言っているのも 99% の被支配者の間では階級差別が有ってはいけないという主張ですね。


だから、ユダヤ人は最初は共産化で 1% 対 99% の世界を作ろうとしたのです。

▲△▽▼

馬渕睦夫さんが何度も言っていますが、国際化とグローバリズムとは全く違う概念なのですね。
それは航空機で欧米に数時間で行ける時代だから、海外との輸出入も旅行も技術交流や留学も簡単になった。
コカコーラやネスカフェやマクドナルドは世界中どこでも手に入る様になった。

しかし、それはあくまでも国際化であってグローバリズムとは関係ない

移民を入れたらチャイナタウンとかモスクを中心とするイスラム人居住区みたいな国家内に別国家ができてしまうので、唯の国際化とは次元が違うものなんですね。

ユダヤ資本は利潤を最大化したいだけなので、

・言語はすべて英語に統一して、それ以外のローカルな諸言葉はすべて廃止する
・民族ごとに違う習慣や伝統はすべて止めさせて、世界標準の生活様式に統一する
・賃金は民族によらず、すべて同一作業同一賃金にする

という環境を作りたいのです。


グローバリズム=共産主義

というのは、どちらも 1% 対 99% の世界を作って、

99%の中では民族による賃金や福祉等の差別はしない、中国人でも日本人でも賃金はすべて同一にする(賃金は安い方に統一する)

という事なのですね。

それで、レーニンやスターリンやトロツキーの様な反民族主義のユダヤ系のグローバリストが共産革命を起こし、ユダヤ資本が共産国家を支援した

馬渕睦夫さんはそういう歴史的事実を信頼できる資料と客観的事実に基いて具体的に指摘したというだけです。

▲△▽▼


グローバリズムというのは19世紀の帝国主義と同じものだというのが定説
国家より金融資本の力が上になっている状態の事

19世紀と今の違いは、植民地を作って直接支配するのを止めて、傀儡政権を作って経済支配だけする方向に変わった事

民主主義は国家がないと成り立たないから、グローバリズムは民主主義とは相容れない
それでマスコミ操作で単純な一般人を洗脳して騙す手口を実行しているんだ

アホは平和、友愛とか多文化共生という言葉に弱いから、騙すのが簡単なんだ:


【馬渕睦夫】メディアは「意図的」に洗脳している。マスコミの正体を暴露しよう - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=1UVE71XxbHk
___

【馬渕睦夫 河添恵子】「NHKは人事まで中国大使館の支配下にある」と馬渕睦夫 河添恵子氏が暴露! NHK内部にまで浸透済みだ! 2018年12月17日 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=SGKFLrySAHs

2018/12/16 に公開
馬渕睦夫 河添恵子氏の解説から
「NHKは人事まで中国大使館の支配下にある」と馬渕睦夫 河添恵子氏が暴露!
NHK内部にまで浸透済みだ!
朝日、毎日をはじめとする新聞、NHK、TBSといった地上波テレビなど、既存メディアは、真実を見せなくなっているのではないでしょうか?
___


馬渕睦夫★日本のテレビから外国人スパイを淘汰しろ!
なぜ天皇陛下が農業するのか?その意味と譲位日程の秘密 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=DPaPO66OWBk&app=desktop

2017/12/07 に公開


2. 中川隆[-13351] koaQ7Jey 2018年12月29日 09:23:01 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告

マスコミは何時からフェイクニュースを流す様になったのか


現代のグローバリズムは19世紀の帝国主義の進化したものです。

昔は植民地を直接軍事支配して搾取していたのを、傀儡政権を作って経済支配してスマートに収奪する手口に変えたのですね。

国際金融資本は利潤を最大化する事だけが指導原理なので、国家や民族文化や民族ごとに違う言語・生活様式等はすべて非関税障壁になります。

また、民主主義は国家がないと成り立たないので、グローバリズムは民主主義とは相容れません。

それで国際金融資本はマスコミ操作で単純な一般人を洗脳して騙す手口を実行しているのです。

アホは平和、友愛とか多文化共生という言葉に弱いから、騙すのが簡単なんですね。

マスコミの正体は馬渕睦夫さんが明快に解明しています:


▲△▽▼


ひとりがたり馬渕睦夫 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PL7MaEu9i584fGdp78r27h-eH0rmWLioEC

2018/06/22 に公開
待望の馬渕睦夫大使の新番組がスタート!激動する世界、今の日本に必要なのは何か?どんな危機が訪れているのか?マスメディアでは伝えられない世界の真実と、馬渕睦夫の「眼」をお届けいたします。
 
______


【馬渕睦夫】メディアは「意図的」に洗脳している。マスコミの正体を暴露しよう - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=1UVE71XxbHk


___


【馬渕睦夫 河添恵子】「NHKは人事まで中国大使館の支配下にある」と馬渕睦夫 河添恵子氏が暴露! NHK内部にまで浸透済みだ! 2018年12月17日 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=SGKFLrySAHs

2018/12/16 に公開
馬渕睦夫 河添恵子氏の解説から

「NHKは人事まで中国大使館の支配下にある」と馬渕睦夫 河添恵子氏が暴露!
NHK内部にまで浸透済みだ!
朝日、毎日をはじめとする新聞、NHK、TBSといった地上波テレビなど、既存メディアは、真実を見せなくなっているのではないでしょうか?
___

馬渕睦夫★日本のテレビから外国人スパイを淘汰しろ!
なぜ天皇陛下が農業するのか?その意味と譲位日程の秘密 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=DPaPO66OWBk&app=desktop

2017/12/07 に公開
 

▲△▽▼


馬渕睦夫さんが明らかにしていますが

体制側=リベラル・グローバリズム・左翼=親ユダヤ
=国際金融資本、軍産複合体、ネオコン、CIA、FBI、マスコミ、ソ連共産党、中国共産党、天皇一族、日本の官僚
=マクロン、メルケル、ヒラリー・クリントン、オバマ、レーニン、スターリン、ボリス・エリツィン、小泉純一郎、竹中平蔵、小沢一郎、橋下徹、枝野幸男、日本の護憲派・反原発派・反安倍勢力


反体制側=反リベラル・反グローバリズム・民族主義・右翼=反ユダヤ
=プーチン、チェ・ゲバラ、カストロ、J.F.ケネディ、トランプ、ヒトラー、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、ウゴ・チャベス、 ロドリゴ・ドゥテルテ、田中角栄、安倍晋三、日本共産党


なんですね。

マスコミは国際金融資本が経営しているので、当然体制側(グローバリズム)に都合の悪いニュースは絶対に流しません。

というより、改竄・捏造してでっち上げたニュースをあたかも事実であるかの様に流布させています。 間違いを指摘されても絶対に訂正しません。


反ユダヤ、反グローバリズム、反共、反リベラルのヒトラーやサダム・フセイン、カダフィは今迄ずっと極悪人扱いされてきましたが、

ユダヤ資本が支配しているマスコミが現在でもシリア毒ガス兵器の様な悪質な捏造ニュースばかり流している事を考えると、ヒトラーやサダム・フセイン、カダフィについても、有る事無い事 根も葉も無い嘘とデマを撒き散らした可能性が高いです。

そうでなければ、ドイツ女性の熱狂的なヒトラー崇拝やサダム・フセイン、カダフィの自国民からの圧倒的支持を説明できないのです:


第一次湾岸戦争時の「ナイラ証言」

アメリカ政府もメディアも、イラク攻撃の世論作りのために露骨な捏造と情報操作をおこなった。世界が、みごとに嵌められてしまった。

「ナイラ証言」というのは、完璧な捏造であることがはっきりしている。ナイラというクウェートの少女が、米公聴会で「イラクの兵士がクウェートの産院の乳飲み子を保育器からだし、次々と床に叩きつけて殺したのを見た」と涙ながらに証言した。

しかし、後にこの少女は、駐米クウェート大使の娘で、ずっとアメリカにいたことが分かった。つまり、証言は真っ赤なウソだった。この証言は、アメリカの広告代理店がシナリオを作り演出したものだった。リハーサルもきちんとしていた。もちろん、スポンサーはアメリカ政府以外にない。ただし、捏造がニューヨークタイムズで暴かれたのは、1年3ヶ月後のことだ。

この「ナイラ証言」が出るまでは、アメリカの世論は反戦が多数を占めていた。しかし、この証言で世論は一気に会戦へと転じた。周到に準備された、たったひとつの捏造が、世論を完璧に逆転させてしまった。しかも、素人の少女のウソ泣きによって。


クウェートから逃げてきたとされる少女の証言だ。そのクウェート人少女は、アメリカ議会の公聴会でこう証言した。

「サダム・フセインの軍隊が病院に乱入して、保育器から赤ん坊を取り出し、床に叩きつけて殺した。私はこの目で目撃した」

 と、少女は涙を流しながら証言した。

 ところが、この公聴会での少女の証言は、真っ赤なウソだった。
 事前にアメリカの広告代理店が綿密なシナリオをつくり、何度もリハーサルをした上での証言だった。当の少女が後に暴露した。
http://www.asyura2.com/08/lunchbreak13/msg/753.html


▲△▽▼


馬渕睦夫
日本では5万人の中国人が工作活動に従事している:


河添恵子#8-1 ゲスト:馬渕睦夫★リアルに存在するスパイ&工作員の実態 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=ukhGim45GB0


阿修羅掲示板で毎日毎日嘘八百のデマを垂れ流している自称赤かぶ氏は明らかに中国の工作員グループですね。


赤かぶ=中国の工作員グループ

は真実を隠蔽し埋没させる為に毎日毎日必死の工作活動をしているのです

3. 中川隆[-13350] koaQ7Jey 2018年12月29日 09:24:23 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告

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4. 中川隆[-12455] koaQ7Jey 2019年2月04日 13:26:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22231] 報告

2019年02月04日
ファーウェイ包囲網 アメリカは中国を潰すまで辞めない


ファーウェイ起訴を発表する米司法長官


画像引用:https://ichef.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/8C89/production/_105377953_051973079.jpg

カナダはファーウェイ副会長をどちらに引き渡すか

ファーウェイのスパイ疑惑が拡大し、アメリカとの対立は深まりEUも規制を検討しています。

カナダで逮捕されたファーウェイ創業者の娘で副会長(CFO)の孟晩舟(メン・ワンツォウ)を米司法省が起訴しました。

米国はカナダに副会長の身柄引き渡しを求めているが、中国も引き渡しを求めている。




中国はカナダ人旅行者など数人を拘束し、うち一人は短期間の裁判で極刑を言い渡した。

中国の裁判は通常裁判が開かれたことすら公表されず、極刑のばあいはその日のうちに密かに執行される。

ただ国民への見せつけで行われる裁判は公表され、長期間かけて審議され刑の執行も遅い。


カナダ人の裁判はカナダへの見せしめとして行われていて、副会長を解放させる圧力なのは明らかでした。

カナダは西側諸国でもっとも親中国政策を取り、南京事件記念日や慰安婦像設置に積極的に協力した。

だから中国側は油断していたのだが、中国から見ると副会長逮捕は裏切りであり、飼い犬に噛まれたことになる。


カナダは中国の飼い犬であると同時にアメリカの飼い犬でもあり、副会長をどちらに渡すかは「どちらの飼い犬なのか」の意思表示になる。

もし副会長を中国に引き渡せばカナダは西側国家とは見なされなくなり、サミットやG7のメンバーから除外されるかも知れない。

アメリカに引き渡せば中国のさらなる激怒を引き起こし、憎悪を一身に引き受けることになる。

アメリカの行動原理

ファーウェイ副会長は結局アメリカに引き渡されるでしょうが、アメリカでは日産のゴーンのように拘留される事になる。

FBIやCIAが捜査する安全保障事案だからで、中国の国家ぐるみの諜報活動の一環とみられている。

1月28日に米司法省はファーウェイと副会長を起訴したので、カナダは2月末までに引き渡すかを決定する。


日本では安倍首相がらみの「首相案件」がニュースを賑わせましたが、ファーウェイは「トランプ案件」となっている。

トランプは大統領選で「中国はスパイを送り込んでアメリカの技術を盗んでいる」と中国潰しを公約にしていた。

トランプは公約を非常に重視する人物なので、ファーウェイや中国企業を追い出すのも国民への公約なのです。


折しも中国はGDPでアメリカの7割に達し、ソ連や日本やドイツの全盛期に並んだ。

日独ソはいずれも国力が対米7割に達した時点で「悪の帝国」とレッテルを貼られ、日本は戦前戦後の2回やられた。

アメリカの行動パターンは対米7割までは許すが、7割を超えたら徹底的に叩き再起不能にします。


中国に対してもこの行動原理が貫徹されるかが注目です。
http://www.thutmosev.com/archives/78916935.html

5. 中川隆[-12357] koaQ7Jey 2019年2月07日 17:31:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22234] 報告

2019年02月07日
米ロのINF離脱が日本に与える影響


1987年12月8日はアメリカの敵がソ連から日本に替わった日で悪夢の始まりだった


画像引用:https://cdn.theatlantic.com/assets/media/img/mt/2018/10/RTXMNTM/lead_720_405.jpg


冷戦終了の終了

アメリカとロシアが相次いで中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を表明し、冷戦復活が決定的になった。

INF全廃条約は1987年12月8日、なぜか真珠湾攻撃の日を選んで締結されました。

アメリカは日本軍による真珠湾攻撃を今も深く憎んでいて、裏を返すとコンプレックスを抱いている。




ニクソン大統領は1971年8月15日に金とドルの兌換制度を廃止したが、8月15日にした理由を「日本への復讐」と語っている。

ニクソンショックによってドル円相場は固定価格から変動相場制に移行し、80年代や90年代の円高につながる。

12月8日前後や8月15日前後はアメリカが何かをしかけてくる可能性が高く、投資市場では危険日とされる。


2007年にサブプライムショックが始まったのも8月15日の連休明けであり、リーマンショックにつながった。

1987年12月8日に米ロがINF全廃条約を締結したのも偶然ではなく、アメリカの「主要敵国」がソ連から日本に替わった日でした。

80年台のアメリカは日本にコテンパンにやられて滅亡寸前、「ジャパンアズナンバーワン」という本がベストセラーになったりしました。


「日本のGDPがアメリカを抜くのはいつか?」が本気で議論されていて、日米戦争は架空小説の人気テーマでした。

日米貿易摩擦は現在の米中貿易摩擦が子猫のじゃれあいに見えるほど激しく、日本のGDPは対米6割から7割に迫ろうとしていました。

アメリカはそれまでソ連を主要敵とみなしていたが、1987年12月8日を境に日本を潰すためソ連と手を組んだのです。


日本にとっては現在まで続く悪夢の始まりでしたが、当の日本人だけは気づかず、世界が平和になったと喜んでいました。

日本にとって朝鮮戦争以来のチャンス到来

現在アメリカは中国に追い上げられて汲々としており、中国のGDPは対米7割に達し放置すればアメリカを上回ります。

ロシアもアメリカが優遇したせいで軍事大国になってしまい、制御不能になってしまいました。

アジアでアメリカが頼れるのはかつての敵国である日本だけで、日本にとっては千載一遇のチャンスになります。


日米は1941年に戦争に突入したが1948年に朝鮮戦争が勃発すると手を組み、同盟国としてソ連の共産陣営と戦いました。

アメリカに優遇された日本は敗戦から立ち直り、経済大国となって再びアメリカに挑戦し、2度目の敗戦を味わった。

時は流れて今度は中ロと冷戦を戦うために、アメリカは再び日本を必要としています。


国際社会はこんな事の繰り返しであり、イギリスと日本も日露戦争では手を組んだが、イギリスがアメリカと組んだら離反しました。

日本はこうした合従連衡である時は利益を得て、第二次大戦ではドイツ側について失敗した。

アメリカから必要とされている立場を利用すれば、米国と対等になれるし、安保理常任理事国になるのも可能です。


代わりに中ロの圧力を防ぐ防波堤になり、最悪の場合は戦争に巻き込まれるが、利益を得たいならリスクがあるのは仕方がありません。

アメリカと中ロの関係が険悪化するほど、日本にとっては100年に一度のチャンス到来となります。
http://www.thutmosev.com/archives/78945847.html

6. 中川隆[-11564] koaQ7Jey 2019年3月09日 11:59:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[429] 報告

2019年03月09日
経常収支は赤字のほうが美味しい理由


アメリカの経常赤字が増えるほど、アメリカは経済成長している


画像引用:アメリカから日本はどう見えるか | 経済社会を知りたい:経済ニュースの背景をグラフで易しく解説しますhttp://3rdworldman.jugem.jp/?eid=59


経常収支黒字でも経済はマイナス

内閣府は3月8日、2018年10月から12月期GDPを前期比0.5%増、年率換算1.9%増に上方修正しました。

同時に財務省が発表した1月の国際収支は6004億円の黒字、貿易収支は9648億円の赤字となりました。

目を引くのは9648億円の貿易赤字で、輸出大国論によれば貿易赤字だと大変なことになるそうです。




経常収支は貿易以外の儲けを含む収支で、これが黒字のうちは「日本が儲けている」ことになります。

第1次所得収支が過去最高1兆7592億円の黒字で、海外からの株式配当金や利払い、海外での投資収益を差しています。

日本企業が海外進出したり海外企業を買収したり、投資家が海外投信に投資した収益もここに含まれています。


従来の経済解説では「日本は経常黒字で大儲けしている。良かった良かった」で終わるのだが、実は全然良くない。

日本の経常黒字が急激に増え始めたのは1990年代からで、増やしても増やしても日本の経済成長率はマイナスでした。

経済学者は「日本は経常黒字で儲かっている」と言うが、それが本当なら90年代から2000年代の日本は高度成長している筈です。

貿易・経常収支は赤字の方が儲かる

ところが実際に高度成長しているのは膨大な貿易赤字と経常赤字を抱えているアメリカで、日本とアメリカの経済格差が拡大しました。

「儲けている」筈の日本はどんどん貧しくなったのに、「損をした」筈のアメリカが経済成長したのはおかしい。

明らかに経常黒字の国が損をし、経常赤字の国が儲かるようなシステムが存在している筈です。


アメリカの貿易赤字は8000億ドル(約8.8兆円)前後で経常赤字は4000億ドル(約4.4兆円)前後もあるが、アメリカ経済は年平均2%以上成長しています。

日本の経常黒字は平均して年10兆円もあるのに、経済成長率は平均1%とアメリカの半分にとどまっています。

経常収支の年10兆円づつ日本が儲かったなら、それだけで90年代から300兆円も儲けた筈ですが、そんなお金はどこにも存在しません。


アメリカでは年4000億ドルの経常赤字だと必ず年4000億ドルの資本収支黒字になり、両者は釣り合っています。

資本収支とはお金のやり取りのことで、要するに4000億円毎年赤字だが、4000億円必ずお金がもらえるのでお金は減りません。

例えばトヨタがアメリカで車を売って100万円儲けたら、その100万円は日本に送金せずアメリカで再投資されます。


アメリカが4000億ドル経常赤字でもアメリカという国から1ドルもお金は減らず、損をしていません。

逆に日本は年間10兆円海外で儲けているが、そのお金は全額海外で再投資されていて、日本は1円も受け取っていません。

年10兆円儲けても儲けた10兆円は海外で利用されるので、日本は経常収支という数字が増えるだけでGDPは増えません


得をしているのはアメリカのような経常赤字国で、外国から年間40兆円の投資が増えているので、これがそのまま経済成長になります。

逆に日本は毎年10兆円海外に送金しているので、年10兆円経済が縮小したことになります。

このように貿易や海外投資でいくら黒字を増やしても、そのお金はアメリカなど海外で利用されるので、日本のGDPは増えないのです。
http://www.thutmosev.com/archives/79242540.html

7. 中川隆[-10468] koaQ7Jey 2019年4月30日 14:06:26 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1619] 報告

消費税と共に停滞し続けた平成という時代
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-9fdaae.html
2019年4月30日 植草一秀の『知られざる真実』

元号が変わるが時間空間が天皇制によって支配されることは戦後の日本民主化の精神にふさわしくはない。

元号の改定をことさらに大きく報じることも適正でないと感じられる。

辛うじて、歴史の時代区分上の便法として元号を用いることが好都合な場合があるというに過ぎない。

西暦との換算に伴う各種事務コストも無視できない。

平成の30年間は日本が停滞を続けた期間に重なる。

この30年は消費税導入の期間とも完全に重なる。

消費税を導入した直後から日本経済の超停滞が始動したと言って過言でない。

消費税が導入されたのは1989年4月。

1989年は「改元・消費税・参院選・内閣総辞職」の年だった。

奇しくも2019年と重なる部分が多い。

2019年も「改元・消費税・参院選」が重なる予定にある。

「内閣総辞職」まで重なれば、時代の転換にうまく符合することにもなる。

日本のバブル崩壊が始動したのは1990年の年明けだ。

1989年5月と10月にバブル崩壊の予兆があった。

日銀が公定歩合引き上げに動いたのである。

しかし、株価は1989年の年末まで上昇を続け、1989年末が日経平均株価の史上最高値になった。

日経平均株価の水準は38915円だった。

このバブルピークから30年の時間が経過するが、現在の日経平均株価の水準は22000円である。

30年の時間が経過して株価は半分強の水準なのだ。

「失われた10年」は「失われた20年」になり、「失われた30年」になった。

消費税が導入された1989年からの平成の30年間は、日本経済超停滞の時代だった。

「失われた10年」の表現は、拙著『日本の総決算』(講談社)で

「失われた90年代」

と帯に記したのが初出である。

バブル崩壊もバブル崩壊不況も日本の経済政策失敗が大きな原因だった。

政策失敗は国際政策協議という名の「経済外交」の分野で日本外交が対応能力を保持していなかったことによって発生した。

巨大バブルは日本の内的要因によって発生したものではない。

米国の経済政策変化に日本は翻弄され、日本経済は未曽有の混乱に巻き込まれた。

為政者が十分な洞察力、判断力、そして行動力を持たないと国民経済を守ることができないのだ。

私は『中央公論』1991年11月号に「バブル崩壊後日本経済のゆくえ」と題する論文を発表した。

バブルの生成と崩壊のメカニズムを解き明かしたものだった。

1981年に発足した米国のレーガン政権が新しい経済政策を実行した。

これが「レーガノミクス」だ。

レーガノミクスにより米国金利上昇=ドル上昇が生じる一方、米国の財政赤字と経常収支赤字が急膨張した。

米国で保護主義圧力が高まり、レーガン政権は人為的なドル切り下げ政策を発動した。

1985年9月のプラザ合意だ。

急激な円高は日本の長期金利を急低下させて日本の資産価格を急騰させた。

日本経済はバブル経済に沸き立つことになった。

このなかで、日本銀行は1987年に公定歩合を引き上げようとした。

そのタイミングでNY株価急落=ブラックマンデーが発生し、米国は日銀の金利引き上げ中止を指令した。

そのために日本の真正バブルが生成された。

日本の資産価格上昇はジャパンマネーの席巻をもたらした。

これに対して米国の日本批判=ジャパンバッシングが激化した。

そして、1989年に発足したブッシュ政権が日本弱体化を狙って「ストロングアメリカ=ストロングダラー」の路線を掲げた。

円安進行とともに日本金利が上昇し、日本のバブル崩壊がもたらされた。

米国の経済政策によって天国に強制連行された日本経済は、同じ米国の戦術によって地獄に叩き落されたのだ。

経済外交能力を持たない政府の下に置かれる国民は、政府の能力の欠如によって深刻な不幸を背負わされることになる。

8. 中川隆[-10316] koaQ7Jey 2019年5月12日 09:42:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1795] 報告

世界経済を米中に2分し中国側を勝たせる
2019年5月10日   田中 宇
http://tanakanews.com/190510china.htm


トランプ大統領の米国は、5月11日から中国の対米輸出品への懲罰関税を引き上げる。米国と中国の貿易交渉は今後も続けるので、正式な「交渉破談」ではないが、米国はしだいに中国に厳しい態度をとるようになっている。米中交渉の破談は世界的な株価の暴落を引き起こすので、トランプは、正式な破談を宣言しないものの、かねてからやりたかった経済面の中国敵視を強めている。この傾向は今後さらに強まる。 (Trump says tariffs an 'excellent' alternative to China deal) (Trump Says China Tariffs Will Increase as Trade Deal Hangs in the Balance)

トランプ以前の米国は、軍事外交面で、南シナ海や台湾、チベット、共産党一党独裁などの問題を口実に中国を敵視する一方で、経済面は、米企業の儲けを増やし米国債を買い支えてくれる中国を大事にし、自由貿易関係を維持してきた。米中関係は「政冷経熱」の傾向だった。トランプは、従来の体制を破壊し、経済面で、中国のホアウェイなどネットワーク機器メーカーが米国の国家安全を脅かしているとか、中国の貿易慣行が不公正だと主張し始め、米国と同盟諸国が中国に対する経済面の不信感や敵視を強めるよう仕向けている。トランプは、米中を「新冷戦」の状態に追い込んでいる。 (East Asia’s decoupling)

世界経済は冷戦後、米国を中心に世界が一体的な状態(米経済覇権体制)を続けてきた。トランプの「米中新冷戦」は、この一体性を壊し、世界経済から、中国とその影響下の国々を除外し、世界経済を米国側(米国と同盟諸国。米欧日など)と、中国側(中国と非米・反米諸国)とに二分(デカップリング)して、米国側が中国側を敵視する戦略だ。この戦略はトランプの気まぐれでなく、来年トランプが大統領に再選された後までずっと続く。トランプが、中国ときちんとした貿易協定を結んで米中が和解することは今後もない。逆に、米国の経済面の中国敵視が強まっていく可能性が非常に高い。 (Bannon: We're In An Economic War With China. It's Futile To Compromise) (Day one of decoupling? The uneasy future of U.S.-China relations)

トランプの対中姿勢は表向き、米国のライバルで、一党独裁や人権侵害の問題を抱えている中国を経済制裁して封じ込める戦略だ。だが「世界の工場」であり「世界最大の消費市場」になっていく中国は、すでに世界経済の多くの勢力にとって、関係を切ることができない重要な取引相手だ。中国は、今後ますます重要な存在になる。それがわかっているので、同盟諸国は、トランプから「中国との関係を切れ」と言われても切ることができない。 (Decoupling the US from Asia)

トランプの米中新冷戦・世界経済の米中2分化は、始める前から失敗が運命づけられている。エリート系「専門家」からオルトメディアの分析者まで、みんながトランプの米中新冷戦は失敗すると忠告・警告しているが、トランプ政権は忠告を全く無視して米国と同盟諸国に中国との経済関係の断絶を強要してくる。 (US and China -- the great decoupling)

トランプは、英国など、中国のホアウェイ製のネットワーク機器を使い続ける同盟諸国に対し「機密が中国に漏れる恐れがあるので、ホアウェイを排除しない限り、諜報機関どうしの機密情報の共有をやめる」と警告を繰り返している。諜報共有は、米国の同盟体制の根幹だ。これはトランプの「覇権放棄」策の一つだ。 (America's Global Financial War Strategy Is Escalating)

加えてトランプは同盟諸国に、中国との関係を切れと言う一方で、米国との不平等条約的な貿易協定を結べと強要してくる。同盟諸国は、トランプに唯々諾々と従い続けると、経済面の国益がどんどん損なわれていく。今はまだ序の口だが、いずれトランプは、中国との関係を切らない同盟諸国を経済制裁するようになる。同盟諸国は、中国と米国のどちらか一方を選べと言われるようになる。 (As China Trade War Cools, Japan Braces for Its Clash With Trump) (中国でなく同盟諸国を痛める米中新冷戦)

従来のように、米国が圧倒的に世界最大の金融立国である状態が続く限り、同盟諸国は、中国より米国を重視する姿勢を続ける。だが実のところ米国の金融は、史上最大の金融バブル膨張の状態であり、このバブルの維持には、中国や同盟諸国が米国の債券を買い支え、ドルを基軸通貨として貯め込んでくれてきた状態が必要だった。米国のバブル維持の基盤には、米中の良好な経済関係と、同盟諸国が米国に協力する覇権体制が必要だった。トランプは、これらを破壊している。 ("Fasten Your Seatbelt" - Here's What Happens Next In The US-China Trade War) (米中どちらかを選ばされるアジア諸国)

今週から来週にかけて、トランプが中国に対する懲罰関税を強化すると、それが引き金になって米国中心の世界の株価が急落する可能性がある。トランプは最近、米連銀(FRB)に対し、これまでの金融引き締め姿勢をやめさせ、再緩和(再QE)に方向転換しろと圧力をかけ続けている。トランプは、中国への懲罰関税を強化して株価を意図的にいったん暴落させ、それによってFRBが再緩和への姿勢を強めざるを得ないように仕向けようとしている可能性もある。 (Peter Schiff: Did Trump Tank Stocks On Purpose To Force A Rate Cut?) (株はまだ上がる!?)

今後しばらくは、いったん株が暴落しても、また上昇傾向に戻る。当面、FRBが再緩和していくことによる金融市場への資金供給が続き、バブルは維持される。だが、その効果が切れると、米国のバブル崩壊・リーマン危機の再来が起こる。次のバブル崩壊時には、中国や同盟諸国からのドルや米国債券に対する買い支えが期待できない。米日欧の中央銀行は、リーマン危機以来の金融バブル延命策(QE)で疲弊し、次のバブル崩壊時にほとんど救済策を打てない。次のバブル崩壊は、ドルや米国債といった米国の覇権体制の基盤を壊すものになる。 (米国の破綻は不可避)

米国がバブル崩壊するなら、中国も同時に崩壊すると予測する人が多い。だが、米国がバブルを膨張させてきたこの数年間、中国は逆に自国のバブルを意図的に潰し続けてきた。中国当局がバブルを潰すので、中国がバブル状態であることが目立ち、中国を悪しざまに報じる傾向が強い米日などのマスコミが「中国はバブル崩壊している。もうダメだ」といった誇張報道を続けてきた。実際は、中国より米国の方がひどいバブル膨張の状態にある。米国のバブル崩壊は、中国にもある程度の悪影響を与えるが、中国の実体経済は再起できる。 (Trump’s China Brinksmanship) (中国の意図的なバブル崩壊)

米国経済は金融(バブル)に偏重しており、消費以外の実体経済が脆弱だ。対照的に、中国は製造業など実体経済が豊かで、きたるべき米国のバブル崩壊後、世界経済の中心は中国(とその傘下の一帯諸国)の実体経済になっていく。米国のバブル崩壊のプロセスはおそらく、トランプ政権の2期目(2024年まで)から、その次の政権(28年まで)にかけて起きる。トランプは、意図的にこのプロセスを発生させている。 (ドルを犠牲にしつつバブルを延命させる)

トランプの裏の意図は、世界経済を米中貿易戦争によって米国側と中国側に二分した後、巨大な金融バブルの崩壊を誘発して米国側を覇権ごと潰す一方、中国側の実体経済をできるだけ無傷で残すことで、米単独覇権体制とそれを動かしてきた軍産複合体を消失させ、世界の経済成長(バブルでない部分)を維持したまま覇権体制を多極化する「隠れ多極主義の戦略」にあると私は見ている。 (多極化の目的は世界の安定化と経済成長)
http://tanakanews.com/190510china.htm

9. 中川隆[-10244] koaQ7Jey 2019年5月22日 07:19:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2093] 報告

帝国は勃興し没落するが、アメリカが今すぐ没落するとはまったく思わない
https://blackasia.net/?p=12973


かつて「太陽の沈まない国」と言われていたのは世界各国を植民地にしていたスペインとイギリスだった。

なぜ「太陽の沈まない国」なのか。

この二国は世界中に植民地を持っていたからだ。植民地をも領土と考えると、ある領土で太陽が沈んでも、他の領土で太陽が昇っていた。だから、比喩でも何でもなく、本当に「太陽の沈まない国」であったのだ。

この植民地から略奪した莫大な富と資源を元にして、スペインもイギリスも、あたかも永遠に続く超大国の様相を見せていた。まさに、「スペイン帝国」「大英帝国」だったのだ。

しかし、スペインは当時世界最強と言われていた無敵艦隊が壊滅したのを機に没落した。

その後、17世紀になってイギリスが産業革命を背景に台頭するようになり、20世紀前半まで世界に君臨していたのは大英帝国だった。しかし、この大英帝国もまた2つの世界大戦を境に没落した。(鈴木傾城)

国家の衰退は必ず起きる

スペインもイギリスも国は消失していない。しかし、かつての繁栄からすると嘘のように小さな目立たない「普通の国」になっている。どんなに巨大な権力や趨勢を持った国であっても、繁栄は永遠ではないということを歴史は示している。

歴史史上、最強の帝国は「ローマ帝国である」と指摘する識者も多い。「すべての道はローマに通じる」と言われたほどローマ帝国は強大な帝国だった。しかし、それも今は昔の話である。

帝国は「いつ没落するか」は分からない。しかし、それは必ず起きるものであり、そうやって歴史はどんどん変わっていく。人が老いるのは100%確実であるのと同様に、国家が衰退するのも100%確実なのである。

そして、知らなければならないのは、一度衰退を始めた国家はその時点でどんなに優秀な政治家や実務家が出てきても、衰退を食い止めることができないということだ。

ローマ帝国も、スペイン帝国も、イギリス帝国も、世界の頂点に君臨していたときは、優秀で頭脳明晰で実行力もあった人間はみんなそこにいた。しかし、衰退を「先延ばし」することはできても、食い止めることはできなかった。

新しい国や新しい現象が台頭した時、帝国はすでに「動きの鈍い巨大な帝国」になってしまっているので、方向転換も、スリム化もできない。守るべきものが多すぎて動けず、結局は手を打てないまま衰退するがままになってしまう。

一度、趨勢や権力に陰りが出てくると、それを維持するだけで精一杯で、やがて時代に取り残されて本格的な没落が始まっていく。

これは国家の趨勢だけに見られる現象ではない。

栄華を極めた一族も絶頂に上れば、そのあとは衰退しかない。絶頂を究めた企業も絶頂に上れば、そのあとは衰退しかない。歴史に名を轟かせた企業もまた新しい時代には新しい企業に取って代わられていく。

実存するすべてのものは、「誕生、成長、成熟、老衰、死」というサイクルから逃れられないのである。

強大なものが衰退していく

人類の歴史は諸説があるが、400万年ほどというのが現代の通説だ。これに対して恐竜の歴史は6000万年ほどある。かつて地球上に君臨していた生物は恐竜だった。

しかし、隕石なのか、氷河期なのか、何らかの事象が起きて恐竜はことごとく絶滅していった。

この生物の進化と絶滅、淘汰の歴史を見て「生き残るのは最強の生物ではない」と考えたダーウィンのような人もいる。最強が生き残るのではないとすれば、誰が生き残るのか。それは「生き残るのは変化に対応できる生物だ」という。

もちろん、生物は変化に対応しようと懸命に努力するが、それでも個体が変化できる範囲は限度がある。

たとえば、爬虫類は哺乳類になることはできない。限度を超えるほどの変化が求められたとき、結局、変化に対応できなくなる瞬間が訪れる。

そのとき、環境に対応できなかった生物は死に絶えて、その環境に適した生物が増え始めていく。

生物にとって、環境とは自然環境を意味する。

地球は多くの氷河期を繰り返しており、そのたびに多くの生物が死滅し、氷河期が終わった後にまた生き残った生物が、新しく環境に馴染んで生きていく。

国家にとっては、環境とは社会環境を意味する。

世界は多数の国家が覇を競っており、戦争や、競争や、人口の増減や、資源や、食料生産が有利な国が、他の国を押しのけて隆盛になっていき、やがて世界に君臨するようになる。

しかし、環境は常に変わっていて、何かがその国の致命傷になったとき、変化に対応できなくなって、やがて新しく社会環境に馴染んだ国家が成り上がる。社会環境は人類の歴史を変える底力がある。


私たちが推測できるものではない

無敵艦隊が無敵でなくなったあとの「スペイン帝国」はどうなったのか。1800年代になると経済崩壊寸前に追い込まれて、結局混乱のまま国家崩壊した。7つの海を支配できなくなった「大英帝国」はどうなったのか。もちろん、経済崩壊寸前に追い込まれている。

今、強大な「帝国」として認識されている国はアメリカである。

アメリカは強力な軍事力を持ち、世界中の富を独占し、世界の隅々にまでその影響力を行使してきた。アメリカはこれからも世界に君臨できるのだろうか。一時的な停滞や問題があったとしても、まだまだ趨勢を保つ国なのだろうか。

中国やロシアと言った国に、アメリカは取って代わられるようなことがあるのだろうか。

実際のところ、アメリカがまた復活するのか衰退を余儀なくされるのかは、変化の渦中に生きている私たちにはまだ分からない。評論家や陰謀論がまったく当てにならないのはいつもの通りで、誰も将来を見通せない。

アメリカは1930年の世界大恐慌の時に「もうアメリカは終わりだ」と言われた。1975年のベトナム戦争の敗戦の時も同じことが言われた。2000年のITバブル崩壊の時も同じことが言われた。2008年のリーマン・ショックの時もやはり同じことが言われた。

しかし、そのたびに蘇って現在に至っている。

とは言っても、アメリカもまた誤りの多い人間が試行錯誤しながら政治経済を運営する国のひとつである。いずれは凋落していったとしても何ら不思議なことではない。アメリカという国もまた、歴史上起きた他の帝国と同じく勃興と没落の物語を辿ることになる。

ただし私たちが覚えておかなければならないのは、「没落がいつなのか」は現代に生きる私たちが推測できるものではないということだ。それは10年後かもしれないのだが100年後かもしれないのだ。

アメリカはすぐにでも没落すると言う人もいる。しかし、私自身は、アメリカが今後も「帝国」であり続ける底力があると考えており、少なくとも私の寿命よりも、帝国としてのアメリカの寿命の方が長いと考えている。

「5G」の時代に入り、そこから派生するイノベーションもアメリカが生み出すと信じているし、人工知能、自動運転、ロボット、ドローン、3Dプリンター、ブロックチェーン、フィンテック等々、次世代の主役もすべてアメリカが制覇するのは確実だ。

そうしたテクノロジーによる繁栄の「余波」は数十年に渡って続くだろう。であれば、まだまだアメリカに賭けた方が確率が高いと考えている。数十年後の答え合わせが楽しみではある。もし、私自身が生きていればの話だが……。(written by 鈴木傾城)

アメリカはすぐにでも没落すると言う人もいる。しかし、私自身は、アメリカが今後も「帝国」であり続ける底力があると考えており、少なくとも私の寿命よりも、帝国としてのアメリカの寿命の方が長いと考えている。
https://blackasia.net/?p=12973

10. 中川隆[-9984] koaQ7Jey 2019年5月29日 20:04:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2368] 報告


2019年5月29日
近い将来、リーマンショック級の危機が「絶対」起こる
From 藤井聡(京都大学大学院教授)
https://38news.jp/economy/13731

政府が、消費増税を取りやめる唯一の条件、
としてあげている「リーマンショック級の危機」。

これが起これば消費増税はとりやめます、
と安倍総理も菅官房長官も
繰り返し口にしておられます。

多くの人は、まぁ、そんなことは起こらないだろう――
と漠然と思っておられると思いますが、実を言うと、
(それが10月1日までなのかどうかは分かりませんが)
近い将来、リーマンショック級の危機は、「絶対に」起こります。


そもそも「リーマンショック」とはいわゆる「バブル崩壊」。

そして、その「バブル」の実態は「民間負債」です。

皆がカネを借りまくって投機しまくって、
地価や株価が急騰していく現象です。

で、そんな「民間負債」が超絶に拡大していった時、
何かのきっかけで「借金の焦げ付き」が
(つまり、「貸した金が返ってこなくなる」と言う現象が)
急速に連鎖し、皆が一気に“破産”していく現象が
「バブル崩壊」です。

こういった「バブル崩壊」は、
(MMTの主唱者の一人であるレイの師匠である)
経済学者のハイマン・ミンスキーがそのプロセスを理論化しており、
しばしば「ミンスキーモーメント」とも呼ばれています。

バブル崩壊=ミンスキーモーメントの
過去の代表例として挙げられるのが、

・1990年 日本のバブル崩壊
・1997年 タイや韓国等のアジア通貨危機
・2007〜9年 アメリカのリーマンショック(サブプライム住宅ローン危機)

です。

「この時、一体、何が起こったのか」
を見てみたのが、こちらのグラフ。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1826739577426977&set=a.236228089811475&type=3&theater

これらのグラフは、
「民間債務」の対GDP比の推移を示しています。

まず、日本は、80年代のバブル景気の時、
民間債務が年率でGDPの9.2%ずつ拡大していき、
(つまり、年間40兆円〜50兆円程度ずつ!)
GDPの210%にまで膨らみきった1990年、
(金融引き締めや、土地取引の総量規制をきっかけとして)
その「バブル」が崩壊しました。

タイや韓国も、
民間債務がGDP比で
年率8〜10%ずつ拡大していき、
GDPの140〜160%程度にまで膨らんだ時に
(ヘッジファンドの通貨の空売り攻勢がきっかけで)
そのバブルが崩壊しました。

アメリカも、民間債務が、
GDPに対して年率4.3%ずつ拡大していき、
170%に達した時に、バブルが崩壊しました。

こう見てみますと、
バブル崩壊には次のような共通のパターンがある
ことが見えてきます。

すなわち、民間の借金が、
GDPに対して年率で5〜10%ずつ拡大していき、
GDPの150〜200%程度に至った時に、
何かのきっかけで、バブル崩壊が起こるわけです。

(※ なお、新興国は、概して、債務の拡大率が大きく、
破裂水準は低いようですね。)

こう考えると、
「民間債務の膨らみ」
は、地震の岩盤の破壊エネルギーの様なもので、
ある程度溜まると岩盤が破壊して地震が起こるように、
その内「バブル崩壊」してしまうのです。

・・・では、今の世界を見回したところ、
一番ヤバそうなのが、中国!


こちらのグラフに、今、バブル崩壊が、
ヤバそうな国を並べてみました。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1826741800760088&set=a.236228089811475&type=3&theater

ご覧の様に中国は、かつての日本と同様、
対GDP比で年率10.2%もの割合で、
民間債務が拡大していき、
もはやGDPの207%にまで達しています。

もうこうなれば、何かのきっかけがあれば、
スグにでも、この中国バブルは崩壊することになるでしょう。

実際、こんな報道もなされるようになってきています。
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1410636/

そんな中国の中でも特にヤバイのは、香港。

債務が年率12.1%という未曾有のスピードで拡大し、
何とGDP比で300%を超えてしまっているのです!

こんな債務拡大が、いつまでも続く筈がありません。

実際、UBS証券は香港の不動産バブルが「世界最悪」だ、
という分析結果を公表しています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFWA786K50XX01

中国・香港のバブル崩壊は、
もはや秒読み段階にあると見ていいでしょう。

これから始まる米中経済戦争が、
その引き金を引くことになるかもしれません。

あるいは、「日本の消費増税」に伴う日本の大不況が、
中国のバブルをはじけさせるきっかけになるかもしれません。

何と言っても、日本経済はまだまだ巨大な存在であり、
それが不況になってしまうのは、
世界に大迷惑をかけるのです。

なお、民間債務対GDP比が200%を超えたカナダや、
新興国の危険水域である140〜150%に
近づきつつあるベトナムも要注意です。

人類は、リーマンショックで
過剰なグローバル化や過剰投機が
どれだけヤバいモノなのかを学んだ筈なのですが―――
何度も何度も、過ちを繰り返すようです。

いずれにしても、
この恐ろしい世界の現実を知れば、
「消費増税はもう、待ったなしだ!」
なんてノー天気な事を言えるような状況じゃないことくらい、
誰でも分かりそうなものですが・・・
本当に現代ニホンジンは、
どうしようも無く阿呆なのではないかと、
思えてしまいますよね。

現代日本人がそんな愚か者でないことを、
心から祈念したいと思います。
https://38news.jp/economy/13731

11. 中川隆[-9864] koaQ7Jey 2019年6月01日 20:57:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2493] 報告
2019年06月01日
中国の米国債売却とレアアース禁輸はブーメラン


他の国はレアアース採掘の環境破壊(の対策コスト)が酷いので採掘しないだけで、埋蔵量そのものはある


画像引用:http://images.china.cn/attachement/jpg/site1004/20101229/000cf1bdd0480e8528f302.jpg


中国の2つの対米報復手段

中国はアメリカの関税制裁やIT企業排除措置によって経済崩壊しようとしているが、2つの報復を検討中とされている。

一つは保有する米国債を売却してアメリカに打撃を与える事で、もう一つはレアアースの輸出禁止です。

2つとも以前実行した事があり、2度とも失敗したのだが次は成功するでしょうか?




中国の米国債保有高は19年3月時点で1.12兆ドル(約123兆円)、日本は1兆800億ドル(約119兆円)でした。

外国の米国債保有高は6兆4700億ドルで過去最高だが、比率としては17.3%で2006年以来最低になった。

中国による米国債保有比率は2011年に14%だったが、現在は7%と半減している。


米中央銀行FRBが米国債の13.5%を保有し、その他の7割近くを米国内の民間機関や個人が保有している。

いわゆる「アメリカは外国に借金まみれ」とか「中国に米国債を買ってもらわないと破産する」などは事実ではない。

アメリカ自身が外国や中国に金を貸しているので、差し引きゼロか逆にアメリカが中国に貸している金額が大きい。


仮に中国が米国債を売り払って絶縁したら、アメリカも中国に金を貸さなくなり、中国はドルの入手ができなくなります。

中国の国際取引のほとんどはドルや外国通貨で決済しているので、破産するのは中国であってアメリカではない。

米国債を売って暴落するのは人民元のほう

中国は2015年のチャイナショック前後に実際米国債を少し売却したが、人民元が下落したので辞めた。

人民元を買い支えるために米国債を売ったのだが、「中国はやばいらしい」と逆に人民元が安くなってしまった。

中国が世界でもっとも米国債を購入しているのは、為替介入で人民元を売ってドルを買っていたからです。


買ったドルの行き先で最も確実なのは米国債購入で、日本政府も為替介入で増えたドルで米国債を買っている。

米国債=外貨準備なのだが、この外貨準備を売ると信用不安が起きて人民元は暴落してしまいます。

本当に中国が米国債を売り払って通貨崩壊すればおもしろいのだが、失敗するのが分かっているのでそんな事はしないでしょう。


米国としてはもし中国が米国債を売るなら、日本やドイツに買ってもらえば良いだけです。

日本としては日銀が円を発行してドルを買い、元手ゼロで円安に誘導して米国債をタダでもらえる美味しい話です。

ドイツなども通貨安は貿易が有利になり歓迎なので、多くの国が喜んで米国債を購入するでしょう。

中国レアアース禁輸で豪ロが喜ぶ

一方のレアアースですが2012年頃に対日輸出制限したことがありました。

当時世界の9割以上のレアアースを中国が輸出していて、日本は当初打撃を受けました。

だが輸出制限で中国ではレアアースのゴーストタウンがいつくもでき、食べるために密かに採掘して日本以外に輸出しました。


東南アジアに輸出されたレアアースは日本に迂回輸出され、まもなくレアアース不足は解消された。

また日本など先進国は中国産レアアースに依存しない技術を開発したので、当時ほど重要ではなくなっている。

全世界のレアアース埋蔵量の3割が中国にあり、人件費の安さや採掘の容易さから、中国産が8割のシェアを持っています。


中国産が8割のシェアなのでレアアースの加工施設が整っていて、外国のレアアース鉱も一度中国に運ばれて加工されています。

この状況でもし中国がレアアースを制限したり禁輸したら、中国以外の7割のレアアースは利益を出せるようになります。

今まではコストの問題で採掘されなかったが、中国が勝手に引っ込んでくれたら利益を出せるようになる。


他のレアアース産出国は中国に感謝し、ブラジルやロシアやオーストラリア産が出回るようになる。

もっと高騰すると日本周辺の海底レアアースも採掘できるのだが、そこまで高くならないでしょう。

ここでも中国は自分で自分の首を絞めてしまう可能性が高い。
http://www.thutmosev.com/archives/79991862.html

12. 中川隆[-9861] koaQ7Jey 2019年6月05日 08:17:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2571] 報告
日に日に深まる今回の逆イールドカーブは、ついにリセッションを起こすのか?=藤井まり子 2019年6月4日
https://www.mag2.com/p/money/699440


トランプ大統領のメキシコ追加関税をきっかけに再び下げ相場となっている世界市場。しかし、本当に注目すべきは、パウエルFRB議長の利上げのし過ぎでした。


「1998年型のマーケットの大波乱」の始まり

「メキシコからの全輸入品に5%からの段階的な追加関税」発言にびっくり

5月31日のトランプ大統領の「メキシコからの全輸入品に5%からの段階的な追加関税」発言にはびっくりです。

この発言については、トランプ大統領の真意は「藪の中」。NAFTAに代わるアメリカとメキシコとカナダとの間の新貿易協定が、USMCA。そのUSMCAは、民主党の妨害があって、なかなか議会で批准されない状態でした。「そのことにしびれを切らしたトランプが、議会へプレッシャーをかけるためにこういった発言をした」と、指摘する向きもあります。

一方、トランプ大統領は、「中国以外でも、本気でメキシコなどへ関税をバカスカかける算段かもしれない」という、一抹の不安は残ります。トランプ政権は、「世界中の輸入製品に関税をばかすかかけて、その関税を財源にして、巨大インフラ投資を実行するつもりなのではないのか?本気で、海外進出したアメリカの多国籍企業の工場をアメリカ国内の呼び戻すつもりなのではないのか?」といった指摘も可能です。

あるいは、「パウエルFRBが1.00%の利下げを断行するまでは、すなわち、パウエルFRBへの『利下げの督促相場』が始まるまで、こういったトランプ大統領とトランプ政権の暴走は続く」とも指摘できます。


おりしも、GAFAへの規制強化の動きが始まっています。まるで、トランプ政権は督促相場が始まることを最も切望しているみたいです。

なにはともあれ、トランプの「メキシコへの関税」発言は、ただでさえ「新冷戦の勃発」で再急浮上してきた「中国および世界経済減速」懸念を、さらに深めました(ちなみに、最初の懸念は、昨年2018年秋に起きましたね)。

日に日に深さを増している「逆イールドカーブ」はさらに深まっています!

「世界経済減速」懸念のみならず、「アメリカ経済の景気後退(=リセッション)」懸念さえも急浮上しています。

しかしながら、アメリカ経済のファンダメンタルは、その人口動態から眺めても、まだまだと向こう数年間、もしかしたら向こう10年は頑強です。アメリカの若年労働者数は、先進国で唯一増加しているのです!


しかも、今起きているアメリカ金利市場での「逆イールドカーブ」は、その形状から見ても、「株式ブームの終焉が近かった2006年型や2000年型の逆イールドカーブ」とは、まったくもって異質です。違っているのです!

今起きている「逆イールドカーブ」は1998年型

「2006年型や2000年型の逆イールドカーブ」は、短期金利がやたら上昇することで起きた「逆イールド」でした。典型的な「近いうちのバブル崩壊型・景気後退入り型」の「逆イールド」でした。

2006年や2000年は、FRBが、過熱した経済の中で、インフレ退治のために政策金利の引き上げをばかすか行っていたのです。中央銀行であるFRBがインフレ退治に本腰を入れれば、バブルだって弾けてしまうのです。その後、案の定、アメリカ株式市場はバブル崩壊して、アメリカ経済は唐突に景気後退入り(=リセッション入り)してゆきます。

しかしながら、今回の2019年のアメリカの「逆イールドカーブ」は、「1998年型の逆イールド」です。2018年12月、パウエルFRBは間違えてしまったけれども、わずか一回の利上げ(昨年12月の利上げ)しか間違えていません!

今は、経済のどこを眺めても、過熱しているような気配は見られません。インフレもバブルも起きていません。

振り返ると、20年前のロシア通貨危機が起きていた「1998年型の逆イールドカーブ」では、短期金利はたいして上がらないまま、長期金利がやたら下落していました。そのために起きた「逆イールド」でした。

「バブル崩壊前の逆イールドカーブ」と比べると、まったく異質だったわけです!


当時は、アメリカ以外のグローバル経済では、アジア通貨危機やロシア通貨危機などの危機が連発していて、やたらドル国債に人気が集まり、ドル国債が買われ過ぎてたのです(その結果、長期金利は低下)。

めぐりめぐって、2019年。今も、1998年と同じようなことが起きています。

今は、習近平政権が中央主導で強力に金融市場をコントロールしているものの、その強力なコントロールがなかったら、「中国発通貨危機」が起きていても不思議ではない状態です。

ヨーロッパのほうでは、「突発的なブレグジットの危険」が再び台頭しています。イギリス以外でも政治の混乱は続いています。

アメリカ以外では、どこもかしこも「危機」だらけなわけです。

こういった中で、グローバル規模での「質への逃避」が過剰に進んで、アメリカドル国債がやたらと買い進められている。その結果、アメリカの長期金利がやたらと低下しているのです。

ですから、2019年の金利市場では、20年前の「1998年型の逆イールドカーブ」が起きているわけです。

こういうときの「逆イールドカーブ」発生では、バーナンキ(元FRB議長)やガイトナー(元財務長官)などの多くの識者が指摘しているとおり、中央銀行であるFRBが対応を間違わない限り、その後のバブル崩壊も起きなければ、その後の景気後退も起きません(きっぱり)。

近いうちに「FRBに利下げを求める督促相場」が巻き起きます。その時、FRBが正しい対応をして(=対応を間違えないで)軌道修正すれば、すなわち、利下げを実行すれば、再び「アメリカ株式ブーム」が形成されてゆきます。


かくして、先行き不透明なものの、今起きているのは、「1998年型のマーケットの大波乱」の「始まり」でしょう。「アメリカ株式ブームの終焉」「アメリカ経済のリセッション入り」ではないです。

一番の問題は、FRBの利上げのし過ぎ

個人消費がGDPの7割を占めるアメリカ経済では、「米中新冷戦の始まり」そのものによるダメージは、それほど大きなものにはならないでしょう。

今のアメリカ経済にとっての一番の問題は、FRBの「利上げのし過ぎ」なのです。わずか「昨年12月の一回分の0.25%」だけでしたが、パウエルFRBは利上げをし過ぎてしまったのです。

実は、「新冷戦」よりもこちら「FRBの引き締め過ぎ」のほうが、アメリカ経済全体に与える影響は深刻です。

この「FRBの引き締め過ぎ」こそが徐々にじわじわじわじわアメリカ経済を減速させています。

「新冷戦」の影響がまだ出ていない4月の経済統計でも、「アメリカ経済の減速懸念」が鮮明になりだしています。

アトランタ連銀によるアメリカの第2四半期のGDP成長率予想は、1.3%。NY連銀によるそれは、1.48%。かなり下がってきています!


昨日発表のISM製造業景況指数も市場の予想に届かず、2016年10月以来の低水準となりました。

今年後半のパウエルFRBがマーケットに督促される「緊急利下げの幅」は「0.50%〜0.75%〜1.00%の利下げ」と、かなりの大幅になることでしょう。

日本株式市場〜「消費増先送り」の解散総選挙は、意外と早い?〜

日本株式市場の下落が、アメリカ株式市場の下落よりも大きくなっています。

日本株式市場(TOPIX)は、とうとうPER13倍台を切って、PER12倍台へ。理不尽なまでに売り込まれています。この状態は長くは続きません。

日本では、「消費税増税先送り」の督促相場が始まっているのです。

日本株式市場では、安倍自民党政権が「消費税増税の先送り」を宣言して選挙へと打って出るまでは、売りが続くでしょう。

近いうちに安部自民党政権が「消費税増税先送り」を掲げて「選挙」に打って出る可能性があります。

解散の時期は、「日銀短観が発表される6月30日の翌日の7月1日」より早まるのではないのか?6月19日あたりではないのか?

解散選挙が発表されれば、その時は、日本株(TOPIX)を買いましてゆきましょう。

13. 中川隆[-9854] koaQ7Jey 2019年6月05日 09:38:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2581] 報告

2019/06/04 宮田直彦【ダウ工業株平均・S&P500】エリオット波動マーケット分析

(S&P500 は第(ii)波調整を終えつつある)

S&P500 は 2009年安値(666)以来、サイクル第T波の上昇局面にあるとみている。

第T波はプライマリー級の5波構成─(1)-(2)-(3)-(4)-(5)─となる。

2018年12 月26 日安値(2346)以来プライマリー第(5)波が進行中。
そして、S&P500 の5 月1 日高値(2954)からの調整は第(ii)波に位置づけられる。

下値模索が続く場合には2722 付近が下値メドである。2722 というのは、第(i)波のレッサーディグリー第iv波安値(3/8)であると同時に、第(i)波の上昇に対する38.2%押し水準でもある。

6 月3 日には一時2728 まで下げ、チャート節目に接近した。

米国株は底入れしたか、しつつあり、まもなく上昇トレンドに戻る可能性がある。そうであれば、S&P500は初の3,000 乗せを目指すだろう。


_____


エリオット波動
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/591.html

14. 中川隆[-9539] koaQ7Jey 2019年6月18日 07:21:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2931] 報告

米国「貿易圧力」の下 日本産業の勝敗からみえるもの
人民網日本語版 2019年06月17日
http://j.people.com.cn/n3/2019/0617/c94476-9588654.html

1980年代、米国が貿易不均衡を口実に、半導体や自動車といった日本の優位産業に圧力をかけた歴史は、今も多くの日本人が昨日のことのようにありありと覚えている。その後、日本の一部の産業は徐々に国際競争の舞台から姿を消し、一部の産業はその後も発展を続けている。こうした経験や教訓は振り返る価値がある。新華社が伝えた。

半導体分野では、80年代にダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)を代表とする日本の半導体製品がグローバル市場を突如席巻した。日本の半導体産業は急速に発展し、米国の警戒を引き起こした。

86年に調印された「米日半導体協定」を通じ、米国は日本政府へダンピング(不当廉売)輸出をやめるよう一方的に要求するとともに、日本国内のユーザーに海外製品の利用を奨励した。91年にも米国は協定第2弾を打ち出し、海外製品の日本市場でのシェアが20%以上になるよう要求し、米国製品の対日輸出増加を強行した。

産業協定だけでなく、米国は85年に調印された「プラザ合意」を通じ、大幅な円高を促し、日本製品の輸出競争力を削ごうとした。また関税を駆使して、日本から米国に輸出された半導体製品などに大幅な関税の上乗せを行った。

日本の「村山談話を継承し発展させる会」の藤田高景理事長は、当時のことを話し始めると記憶がありありとよみがえるという。藤田氏は取材に対して、「米国は日本がダンピングを行っていると非難し、貿易赤字に言及したが、これは口実に過ぎず、重要なポイントは日本の半導体産業が急速に発展し世界のトップクラスになり、米国に脅威を感じさせたこと、米国政府に危機感を抱かせたことにある」と述べた。

米国には日本の半導体産業に圧力をかける動機があり、多方面で圧力をかけてきたが、単純な外部からの圧力では日本の半導体産業を打ち負かすことはできなかった。実際、86年の「半導体協定」調印後も長らく、日本の半導体製品は引き続き世界で一人勝ちの状態が続いた。

米国の集積回路を研究する企業のまとめた統計では、90年の時点で、世界の10大半導体企業のうち、日本企業が6社を占め、トップ3にはNEC、東芝、日立が並んだ。95年の時点でも、日本企業は4社を占め、NECが2位、東芝が3位だった。

しかし90年代になると、日本の半導体企業のDRAM技術路線では世界のパーソナルコンピューターとスマートフォンの発展の流れに対応出来なくなった。現状に閉じこもりがちな日本の半導体企業はこうして少しずつ米国のインテルや韓国のサムスンに追い越されていった。

一方で、日本の自動車産業も同じように米国の「貿易圧力」を受けた。種々の制限に直面しながら、日本の自動車メーカーは外からの圧力を発展の原動力に変え、モデル転換とバージョンアップを実現させた。米国の圧力を受けて衰退しなかっただけでなく、世界の産業競争の中で絶えずリードを拡大した。

米日間の自動車貿易摩擦は80年代初頭にさかのぼる。当時、米国産自動車の日本市場シェアはほぼゼロに近かったのに対して、日本車の米市場シェアは20%を超え、日本は米自動車市場の最大の輸入先国となっていた。米日の自動車消費文化の違いが貿易不均衡を招いた主な原因だが、米国は同じように制裁手段によって問題の解決をはかることを決定した。

81年、米国の圧力を受けて日本の通商産業省(当時)は米国への乗用車の輸出自粛に同意するよう迫られ、日本は輸出量を168万台に制限することにし、以降この数字を踏まえて動態調査を行うとした。これを土台に、米国はさらに日本に市場開放を迫り、米国車をもっと買うよう求めた。

大きく圧力をかけてくる米国の政策に直面し、日本の自動車産業はチャンスをとらえてモデル転換を加速した。まず日本は対米自動車輸出量に自ら制限を設けたが、輸出額は制限しなかった。こうして日本メーカーは米国に付加価値の高い製品を輸出するようになった。

次に「プラザ合意」による円高が、かえって円の購買力を高め、日本メーカーはチャンスをつかまえ、手にした利益で新しい設備と技術を買い入れ、モデル転換とバージョンアップのペースを加速した。

さらに輸出制限措置を回避するため、日本メーカーは米国に直接投資して工場を建設する動きを加速させた。例えば、トヨタは累計220億ドル(約2兆3808億円)の対米投資を行い、米国で14万人近くの従業員を雇用した。このような現地化した生産は貿易戦争のリスクを解消する上でプラスになるだけでなく、米国の消費者の日本ブランドに対する認知度を高めることにもなった。

米国の圧力に直面して、日本メーカーは低燃費で確かな品質を目指す技術開発路線を堅持し、グローバル化配置に基づく海外発展戦略を重視したとともに、「リーン生産方式」の管理理念を通じて絶えず効率を高め、コストを削減し、圧力の緩和に成功しただけでなく、米自動車工業に対するリードをさらに拡大することができた。

米日貿易摩擦の歴史を振り返ってわかることは、後発国の追いつき追い越せ式の発展プロセスは守りに入った国の警戒感を引き起こし、圧力を受けるということだ。うまく対処すれば、圧力は意味をなさなくなる。日本の関連産業の勝敗は、典型的な事例だといえる。(編集KS)
http://j.people.com.cn/n3/2019/0617/c94476-9588654.html

15. 中川隆[-9454] koaQ7Jey 2019年6月20日 08:33:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3024] 報告
日本の産業政策の失敗


この問題は1980年代の日米半導体摩擦にまでさかのぼって考える必要がある。ポイントは、日本が米国からの圧力を回避するために台湾や韓国の企業に技術を供与し、結果的に海外企業の急成長を許してしまったことだ。

 1980年代半ば、日本の半導体産業は世界の50%程度のシェアを誇っていた。1985年、米国では半導体メーカーがこの状況を問題視し批判し始めた。その主な主張は、「日本の市場は閉鎖的であり競争原理が働いていない」「日本のメーカーはその環境を生かして、設備投資を進め半導体のダンピング(不当廉売)を行っている」「米国の企業は競争上不利な状況に置かれている」、といったものだった。

 1986年、米国の圧力に屈し、日米半導体協定が締結された。締結によって、日本は国内市場における外国製の半導体シェアを高めることなどを受け入れた。この時、国内の電機メーカーは韓国の半導体産業に技術を供与することによって、間接的に自社のシェアを維持しようとした。この結果、韓国のサムスン電子などが日本の技術を吸収し、政府からの優遇も取り付けて急成長を遂げた。

 その後、日本企業は円高圧力などを回避するために台湾への技術供与も進めた。この結果、日本のエレクトロニクス産業の凋落とは対照的に、韓国、台湾の半導体・液晶パネルのシェアが急速に拡大した。

 こうしたなか、日本企業はかつての成功体験に浸り、ディスプレイなどの研究開発から生産までを自社内で行うことにこだわった。一方、台湾メーカーなどは低コストを武器にして、受託生産などのビジネスモデルを構築し成長した。さらには、中国のディスプレイメーカーの台頭も加わり、価格競争に拍車がかかっている。
http://www.asyura2.com/19/hasan132/msg/633.html

16. 中川隆[-9259] koaQ7Jey 2019年7月04日 12:36:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3402] 報告

2019年07月04日
貿易対立はアメリカの勝ち、輸出依存高い韓国は敗者
http://www.thutmosev.com/archives/80317619.html


日本は輸出依存度が低いが、膨大な経常黒字があるので海外の影響を受ける


画像引用:https://stat.ameba.jp/user_images/20150929/06/orange54321/72/4b/j/o0435054313438902528.jpg

貿易縮小なのに株価が上がる国々

トランプ米大統領が始めた対中貿易制裁とアメリカ第一主義のおかげで、世界の貿易額が縮小している。

世界各国の景気は冷え込み株価が下がっているが、当のアメリカは高値を維持している。

19年7月3日のNY市場は中央銀行FRBが利下げに踏み切るとの観測から、史上最高値を更新した。



対して日経平均は18年10月の2万4000円を10%以上下回る2万1000円で、18年12月には2万円を割り込んでいた。

中国も日本に近く、上海総合指数は暴落ではないが去年よりも1割ほど下げている。

韓国のKOSPIは18年の最高値2500以上に対して、19年6月は2000割れの水準となっている。


欧州は去年12月に株価が下落したが、ドイツのDAXやフランスCAC40は17年や18年の高値水準を保っている。

こうして見ると輸出依存度が高い国ほど株価が下がり、輸出に依存していない貿易赤字国は株価が下がっていない。

考えてみればあたりまえの話だが、世界貿易が縮小すると貿易で儲けていた国ほど打撃を受けます。


アメリカは万年貿易赤字で経常赤字なので、輸出で儲けている国ほど打撃を受けない。

アメリカや欧州(ドイツ以外)のような国を内需型と言い、日中韓のような国を外需型と言います。

日本の輸出依存度は14%でアメリカは8.4%、韓国は40%で中国は約19%だった。

貿易対立は韓国のひとり負け

輸入依存度については、現在は全世界の国が輸出したがっているので、戦前や冷戦期のように石油や食料が枯渇するとは考えにくい。

だからアメリカが始めた貿易制限は輸出依存度が高かった韓国を直撃し、中国や日本など貿易黒字国にダメージを与えている。


特に韓国は以前は貿易依存度100%を超えていたほどで現在も70%以上、輸出依存度だけでGDPの40%もあります。

一方アメリカのように貿易赤字だった国には関係なく、経済が悪化したとしても利下げで株価が上がる程度のダメージで済みます。

トランプの標的は中国だったのだが、中国の2倍も輸出依存度が高い韓国の方がダメージが大きいでしょう。


日本の場合輸出依存度は低いのだが、貿易以外の経常収支の収入が大きく、所得収支が年間15兆円もある。

貿易などを含めた経常黒字は年20兆円で、中国や韓国の経常黒字(現在は赤字だが)より遥かに巨大です。

日本は輸出は少ないが、海外生産や海外企業への依存度が高く、世界経済の影響を受けやすい。


その意味では日本は内需国家とは言い難く、内需国家でありながら外需からも大きく影響を受ける
http://www.thutmosev.com/archives/80317619.html

17. 中川隆[-8950] koaQ7Jey 2019年7月20日 18:25:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3749] 報告

2019年07月20日
アメリカの2位潰し戦略 「豚は太らせて食え」今度は中国

日英同盟の風刺画、イギリスとアメリカは脅威だったロシアを日本と戦わせた

だが日本はロシアに勝ってしまい、今度は日本が脅威になった


画像引用:https://nihonsi-jiten.com/wp-content/uploads/2018/06/o0712045211426154104.jpg

「豚は太らせて食え」

イギリスの格言に「豚は太らせて食え」というのがあり、もとはユダヤの格言で西洋圏で広く使われています。

豚は獲物や家畜で、小さいのをすぐ食べるのではなく、十分育ててから食べた方が良いと言う意味です。

資本主義における利益の最大化とも通じ、イギリスはこの格言に忠実に行動して産業革命から超大国になりました。



イギリスのアメリカに対する態度と、スぺイン人の南米への態度は大きく違い、スペイン人はとにかくこき使って搾取しました。

イギリスは荒野だったアメリカにアフリカ人を連れてきて開拓し、農地や牧草地にして収穫しました。

もっと多く収穫するために機械化や効率化をすすめ、これがアメリカの発展をもたらしてスーパー超大国になっていきます。


イギリスにとって予想外だったのは「豚」が成長しすぎて主人に歯向かうようになり、独立を経て主従関係が逆転してしまいました。

失敗の原因はおそらく距離が遠すぎたからで、もっと近ければイギリスはアメリカ独立を防止できたかも知れません。

スペインの南米支配はこれとは違い、インカ帝国などの王を排除して自分が王様になり、非効率な原始農場のまま変わりませんでした。


スペインとイギリスの違いが現在の北米と南米の違いになり、南米は今もアフリカ並みに遅れた地域のままです。

イギリス流の養豚方法はアメリカに受けつがれ、豚を養殖しては太らせて食べています。

その豚はドイツ、日本、ソ連などで、現在は中国がそろそろ「収穫期」になったので食べようとしています。

2位が6割に達するとアメリカは叩き始める

アメリカは自分が利用価値があると思った国には気前よく援助して、経済成長するように助けてくれます。

例えば日本は明治維新後にイギリスのお気に入りになり、日清日ロ戦争で勝利したところでお払い箱になった。

日本はイギリスに忠実な国として利用価値があったのに、強くなりすぎた上に歯向かうようになったので日英同盟は解消されました。


戦後日本は米ソ冷戦でアメリカ側に(むりやり)参加する幸運を得て、独別待遇で経済成長しました。

無料でアメリカ軍に守って貰った上、生産した自動車などはアメリカが買い取ったので、あっというまに大国に復活した。

だが大国になった日本はアメリカに逆らい始めたので、アメリカは日本を冷遇して中国を優遇した。


これがジャパンバッシングと米中接近で、中国は日本と入れ替わって世界第二位の大国になった。

だが中国も大国となってアメリカを倒すなどと言い始めたので、そこでお役御免になりまた日本の順番が回ってきた。

最近安倍首相とトランプが親密なのはそういう理由で、安倍首相の外交手腕やゴルフ外交とは関係ない。


アメリカは商人の国なので、利用できる間は親しくし、利用価値が無くなったり主人に歯向かうようになったら切り捨てます。

国力が小さいうちは優遇して貰えるが、国力が対米6割に達すると「太りすぎた豚」になってしまう。

するとそろそろ食べごろだなと思い、相手の資産を奪って自分の資産にする手段を考えます。


日本の現在のGDPは対米3割以下まで減り、中国は対米6割超なので、ちょうどアメリカにとって日本は「使える国」になったのです。

おそらく日本の国力が回復して対米6割に達したら、またジャパンバッシングを始めるでしょう。

日本のGDPが中国より低い間は、ソ連が日本より大きかった時代のように、日本の脅威は目立たない。
http://www.thutmosev.com/archives/80443378.html

18. 中川隆[-8887] koaQ7Jey 2019年7月23日 08:40:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3815] 報告

2019年07月23日
今後30年は日本の成長ターンと考えられる理由
http://www.thutmosev.com/archives/80461115.html


敗戦によって日本の価値が安くなり高度成長する余地が生まれた。

30年のデフレ不況によって再び日本の価値が下がり、今後は成長が望める


画像引用:http://i2.wp.com/first-flash.jp/director/wp-content/uploads/large-4c6814448c9a4.jpg

国の盛衰には周期性がある

日本は1991年から衰退し約30年後の現在も衰退中で、グラフを見るとこのまま消え去りそうな気がします。

その前は1950年代から80年代の30年ほどが高度成長からバブルの絶頂期で、中高年は「あの頃は良かった」が口癖です。

その前は関東大震災の1920年代から50年代までが地震や戦争の暗黒時代で、敗戦後も貧困が続いていました。



明治期は日清戦争勝利の1890年代から第一次大戦の1910年代辺りまでは、近代化と軍需景気で沸いていました。

明治維新直後の日本は混乱しており、近代化のメリットよりデメリットが多く、むしろ江戸時代の方がましでした。

このように明治以降だけを見ても日本の国勢は20年から30年ごとに、上がったり下がったりしています。


今では考えられない事ですが、幕末から明治初期にはアメリカより日本の工業生産高や人口が多かった。

ペリーが黒船で浦賀にやってきた時アメリカの総人口はやっと2000万人で日本は約4000万人で2倍もありました。

それがたった50年後の1900年にはアメリカ約7600万人、日本5000万人と逆転されていて、アメリカで増えた人口のほとんどは移民でした。


幕末には現代のGDPに相当する国力も日本の方が上で、両国が本気で戦争をしたら日本が勝ったでしょう。

ただアメリカには英仏蘭など欧州諸国が味方に付いていて、欧米の総力と日本では話になりませんでした。

徳川幕府が恐れたのはアメリカ一国ではなく、欧州がアメリカに加勢して日本を占領するのを恐れていました。

膨らみ切った日本の価値が暴落したのが敗戦

そのアメリカの国力も1直線で強くなったのではなく、日本と比較して差が開いたり縮んだりしています。

もっとも分かりやすいのはドル円レートで、1871年(明治4年)5月10日に円が作られたときは1ドル1円でした。

1900年頃には100円=50ドル、つまり1ドル2円になり、アメリカの国力は日本の2倍に達したと見る事ができます。


この頃の日本は日清戦争で清国、日露戦争でロシアを倒して絶頂であり、その2倍のアメリカがとてつもない速度で成長したのが分かります。

大正を挟んで昭和になり、日中戦争などを経た1932年には1ドル3円、大戦直前の1941年には1ドル4円と円が下落し、はっきりと下り坂になっていたのが分かります。

1850年には日本の方が上、1871年に日米が並び、1941年の時点で日米の国力には4倍の差があったのです。


大戦を経た1945年9月に1ドル15円になっていて、軍の壊滅や都市の焼け野原を見ると、これでも円は過大評価されていました。

大戦後アメリカは日本をこのまま貧困状態に落としめ、2度とアメリカに逆らえなくするつもりでした。

有名な逸話としては、敗戦後の日本はお金に困り、フィリピンから経済援助を受けたりして細々と生きていました。

割安になったものは上がる

そんな日本にある日幸運の女神が手を差し伸べたのが、1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争でした。

北朝鮮軍がソウルに侵攻の知らせを聞いた吉田茂は、あまりの嬉しさに「神風だ!」と叫んだとも言われています。

戦前生まれの吉田は朝鮮半島で戦争になれば、アメリカは日本に頼らざるを得ず、経済復興が可能になるとすぐに直感したのでした。


1949年には1ドル360円に円が切り下げられていて、円安のもとで爆発的な工業生産の復活が起きました。

日本が生産したものは何でもアメリカが買い取ってくれて、朝鮮戦争に勝つためアメリカは日本を最大限優遇しました。

この流れはベトナム戦争でも続いたが、やがてアジアの戦争は終結し、アメリカから見て日本の利用価値は縮小した。


1ドルは300円、260円、200円と切り下げられ、1985年がやってきました。

日本が円安を利用して輸出攻勢をかけ、アメリカが莫大な貿易赤字を被る状態に、アメリカ人はほとんど切れかかっていました。

だが日本人はそれに気づかず、1985年9月22日にG5が緊急招集され、数分間の協議で円の切り上げが決定されました。


1985年に1ドル260円だったのが1987年に120円まで円高が進み、日本経済は死にかけました。

中曽根総理は国内経済を活性化して乗り切ろうとし、これがバブル経済を引き起こしました。


こうして日本の運命は一転して衰退期に入り、今も衰退したままになっています。

さらに1991年にはソ連邦が崩壊してしまい冷戦終結、日本という「軍事基地」の利用価値がなくなり、アメリカは日本を敵国と見なすようになりました。


ドル円レートで見ると1987年に1ドル120円、現在は1ドル108円なので30年間で1割程度しか円高になっていません。

実感としてもこの30年でほとんど経済が成長していないような印象を受けるのではないでしょうか。

30年どん底の辛酸をなめたことで日本は1945年のように割安な国になり、成長する余地が大きい国になりました。


1985年から90年にはバブル経済で膨らみすぎた経済によって、これ以上成長の余地がない国になっていました。

それが30年不況が続いたことで、あらゆるものの価値が安くなり、再び成長する余地が生まれたと考える事ができます。

これが日本が明治、戦後に続く3度目の成長期に突入するだろうという根拠です。
http://www.thutmosev.com/archives/80461115.html

19. 中川隆[-8838] koaQ7Jey 2019年7月25日 19:22:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3876] 報告

2019年07月25日
米IT企業の繁栄は続かない 30年で競争激化
http://www.thutmosev.com/archives/80496034.html


冷戦終了で米軍が技術を開放し、米IT産業は爆発的成長を遂げた(ウィンドウズ95発売日のようす)


画像引用:https://blog-imgs-117.fc2.com/n/a/2/na2ka4/news_1524146989_7701.jpg

冷戦崩壊で解放した軍事技術

1989(平成元)年12月29日、日経平均は史上最高値3万8,915円で大納会を迎え、平成は良い年が続くと日本人は思っていた。

この年のダウ平均は2,753ドルで10倍以上日経平均が高く、そのまま日米の勢いの差を表していた。

日本の天皇が代替わりしたのが合図だったかのように、世界では旧世界が終わり新世界が始まっていた。


新天皇即位が1989年1月7日、1989年6月4日には天安門事件、1989年11月9日にベルリンの壁崩壊

1989年6月にポーランド民主化、12月にルーマニア共産政府崩壊と、この年にソ連を中心とする東側陣営が崩壊した。

1991年(平成3年)3月には日本でバブル崩壊、1991年12月にはソ連邦が崩壊し、アメリカのIT革命が始まった。


昭和天皇崩御とソ連崩壊の関係は不明だが、ソ連崩壊と米株上昇の間には因果関係があった。

1945年から1991年までアメリカは東側陣営と冷戦を戦っていて、それまではドイツや日本の枢軸国と対決していました。

コンピュータは第二次大戦中にドイツとアメリカで開発されたが、軍事機密だったので民間利用はされなかった。


1961年から1972年のアポロ計画でアメリカは国家総動員体制を取ったため、この時コンピュータ技術が大学や研究機関に広まった。

冷戦が崩壊するともう軍事機密を守る必要がなくなり、1990年代にインターネットが民間に開放されネット時代が始まる。

インターネットは米軍技術でコンピュータの基幹技術も米軍が保有していたが、米民間企業に開放された。

空前の繁栄はいくまで続くか

カリフォルニア州のシリコンバレーは米軍やNASAの下請け企業が集まる城下町だったので、シリコンバレーにネット企業が続々と誕生した。

アップルやマイクロソフトやグーグルがシリコンバレーから発展したのは、そこに米軍の予算と技術が投下されたからで、優れた人材が自主的に集まったわけではなかった。

1995年にウィンドウズ95が発売され90年代末にITバブルと崩壊を経て、2000年代に米IT企業は巨大化した。


米IT企業の巨大化はアメリカ全体の企業収益を拡大し、落ち目だったアメリカのGDPを押し上げ再び超大国になった。

現在全世界のすべての企業の収益の3分の1をアメリカ企業が挙げ、アメリカGDPの10%は企業収益がもたらしている。

1990年から2019年にアメリカのGDPは3.6倍になり、ダウ平均株価は10倍以上になった。


この間物価は約2倍になったので、実質的に米株価は5倍になり、GDPや企業活動の伸びを大きく上回っている。

始まりがあるものには必ず終わりがあるので、米軍の技術解放に端を発した米IT産業の優位にもいつか終わりが訪れる。

歴史的に見て一つの国の一つの産業の優位は30年程度で、それ以上続くことは少ない。


米IT産業の絶対優位は米軍の技術に加えて、他にライバルが無く独占状態だったことでもたらされた。

1990年のソ連やインドは任天堂のファミコンを持ち帰って研究していたが、今では多くの国でシリコンバレーに近いことをしている。

米IT企業は競争によって収益を減らし、徐々に力を削がれていく可能性が高い。
http://www.thutmosev.com/archives/80496034.html

20. 中川隆[-8832] koaQ7Jey 2019年7月26日 04:26:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3883] 報告

【桜無門関】馬渕睦夫×水島総 第8回
「国家の枠を超えた存在だった!世界を支配する者達が生み出した『中央銀行』という奇形児とトランプの戦い」[桜R1-7-25] - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=CGi3-xR6XNQ

21. 中川隆[-8853] koaQ7Jey 2019年8月07日 11:48:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3879] 報告

2019年08月07日
アメリカは世界恐慌を起こしてでも中国を倒す

冷戦で負けたらアメリカはソ連の一部になるので、打撃覚悟で対立した。

現在も同じで、アメリカは世界恐慌を起こしてでも中国を叩く必要がある

画像引用:http://livedoor.blogimg.jp/lingvistika/imgs/1/d/1dd13757.jpg

貿易対立で自爆?するアメリカ

米トランプ政権はアメリカ第一主義から中国を制裁し、19年9月1日から新たに3000億ドルの関税を課すと予告しました。

実施されると既に課されている分を含めて、中国から米国への輸入品全てに10%から25%の制裁関税がかけられる。

中国もアメリカを制裁しようとしたが、輸出額が中国のほうが数倍多く、GDPはアメリカが2倍以上多い。

これだと両国が全面輸入禁止にしてもアメリカが受ける打撃は中国の5分の1以下でしょう。



アメリカ自身もトランプ制裁によって打撃を受け、アメリカは自爆するという見方があるが、これは正しくない。

アメリカは伝統的に自らが超大国に留まるため、2位の国を虐めて追い落としてきた国でした。

第一次大戦前の超大国はイギリスでアメリカが2位だったが、ドイツが暴れてくれたおかげで、イギリスと戦うことなく1位になれました。


イギリス没落後に復興したドイツと日本がアメリカに挑戦してきたが、国際連盟から追い出して孤立させて叩いた。

第二次大戦後はソ連が2位になり、40年冷戦を戦ったあげくソ連を倒し、経済大国として復活した日本も苛め抜いてデフレスパイラルに陥れた。

ロシアが軍事的挑戦を表明したら経済制裁でこれを叩き、今後は中国が挑戦してきたので叩いています。


もちろん叩く側のアメリカも打撃を受けるのだが、世界大戦のリスクに比べれば楽勝のゲームです。

第二次大戦ではアメリカが負けるかも知れない可能性があったが、中国との「冷戦」はアメリカが勝つことに決まっています。

中国には民主主義や自由、資本主義といった基本的要素が欠けているので、世界の国の過半数が中国に味方する事はあり得ません。

中国を潰すことが日米共通の利益

米中貿易対立はトランプ大統領だから起きたと言われていますが、これも間違いでヒラリーやオバマでも避けがたい事でした。

ただトランプの方がヒラリーやオバマより頭の回転が速かったので、事態の展開が速く人々は現実を飲み込めないのです。

今までのペースで中国が経済成長すると、もう10年ほどで米中のGDPが並んでしまうと試算されていました。


中国は軍事国家なのでアメリカ軍より中国軍の方が強くなり、サイパン・グアム・ハワイまで中国軍の領土になるでしょう。

ナチスドイツが欧州統一してアメリカより強くなるのと同じで、アメリカはそうなる前に中国を潰す必要がありました。

今トランプがやっているのは、基本は第二次大戦や米ソ冷戦と同じで、アメリカが負けて超大国から陥落するかという世界大戦です。


ここに登場するのが日本で、アジアで中国に対抗する力があって中国と仲が悪い国は、インドと日本になります。

インドとアメリカは同盟国ではなくあまり仲が良くないので、すぐに利用できるのは日本という事になります。

これは米ソ冷戦時の日本と同じ役割で、冷戦中の日本はアメリカから警戒されながらも優遇されていました。


一時的に打撃を受けるとしてもアメリカにとって挑戦者の中国を潰せば、再び超大国として繁栄を謳歌できる。

日本もアメリカに協力することで、中国を倒して再び世界2位の大国に復活できる。

おそらくその後日本が目立ちすぎれば、アメリカはまた2位の日本を叩き始めるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/80604424.html

22. 中川隆[-8745] koaQ7Jey 2019年8月20日 12:16:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3999] 報告

2019年08月20日
アメリカから見た米中協議 「豚は太らせて食え」の格言


トランプは習が譲歩できないのを承知で無理難題をふっかけている。

譲歩しなければ中国の崩壊は避けられなくなる


画像引用:https://gendai.ismedia.jp/mwimgs/b/2/640m/img_b29e05894fd9e39ebe0ea041e9c337c3115975.jpg

アメリカ側の事情

米中貿易協議は7月から進展せず空振りが続いているが、一方で米側は追加制裁を延期すると発表した。

トランプ大統領がは中国からの輸入品年間3000億ドルに、9月1日から10%の関税を課すと予告していた。

だが8月13日になって、電子機器などの制裁発動を12月15日まで延期すると発表し、事実上休戦に入った。



制裁延期を受けてアップル株が上昇したのを見ると、スマホやPCなどIT部品への制裁が延期された。

アメリカ産業界では以前から制裁発動をやめるよう、ロビー活動が展開され企業は大金を投じていた。

「ロビー活動」とは日本語で「賄賂」と訳したほうが適切で、政治家にお金を渡して自分が望む政治を行わせる事です。


アメリカはマネーの国なので合法であり、アップルやマイクロソフトは金を払って制裁を延期させました。

金を受け取るのは国会議員で、元締め役になっている上院の有力議員には特に大金が支払われます。

トランプも議会に配慮せざるを得ないので、一時延期を表明したのでしょう。


もうひとつの理由は大統領選で、2020年11月3日投票なので既に候補者選びが始まっています。

ここでアメリカ経済を停滞させたら2期目の当選が絶望的になるので、アメリカが打撃を受けないよう配慮した。

どちらも中国に配慮した訳ではないので、ほとぼりが冷めたらまた制裁を発動します。

「豚は太らせて食え」

一方中国側の事情ですが、合理的に考えれば90年代日米交渉のように、中国はアメリカに譲歩するしかない。

全てを失うか一部を譲歩するかの選択なので、本来なら中国に選択の余地はありません。

だが中国は共産主義独裁国家なので、西側資本主義国に譲歩すれば共産主義体制が崩壊してしまう。


北朝鮮が韓国に対して「わたしが悪かったので謝罪します」と言ったら、北朝鮮が崩壊するのと同じです。

習近平の売りは愛国心であり、強い中国を掲げて人民を引っ張ってきたので、なおさらアメリカに譲歩はできません。

さらにアメリカは香港問題で中国を責め、このタイミングで台湾にF16を売却してみせました。


習近平は絶対に譲歩できないところに追い込まれてしまい、アメリカは米中合意が成立しないように攻めているように見える。

アメリカとしては中国を大国として存続させるつもりがなく、合意など決裂させてもっと中国を追い込みたいのでしょう。

キリスト教文化には「豚は太らせて食え」という格言があり、植民地の統治などで実践されてきました。


要するに中国は「太りすぎた豚」になってしまい、そろそろ食べ時になったという事なのです。

中国は(イカサマの)GDPで日本を超えたり、表面上威勢が良いが、実は借金とGDPを交換しただけです。

中国は過去10年でGDPの5倍のペースで公的債務を増やしていて、実はGDPなんか無いのです。


誰も利用していない高速鉄道や、無人の100万人都市、利用者のいない巨大空港などを建設してGDPを偽装しています。

金の計算には頭が回るトランプはそれが分かっているので、ここで中国を甘やかす筈がありません。
http://www.thutmosev.com/archives/80732148.html

23. 中川隆[-8588] koaQ7Jey 2019年8月30日 07:13:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4164] 報告
トランプ大統領の関税政策は米国にとって逆効果?
ドルは1/2に切り下げざるを得なくなる=吉田繁治 2019年8月29日
https://www.mag2.com/p/money/751441


基軸通貨である限り、膨らみ続ける米国の対外赤字。その対策とは逆を行くトランプ大統領の政策、このままいけばどんな結末が待ち受けているのでしょうか

世界の経済波乱の兆候が、いま一斉に現れたのはどうしてか?

米国の対外負債は、36兆ドル(3,780兆円:2018年)と巨大

<国際収支はゼロ:経常収支の赤字=金融収支の黒字の仕組み>

米国の経常収支の赤字とは、海外に対する「貿易収支+所得収支」がマイナスになることです。外貨準備(海外への支払い準備金)である基軸通貨のドルが、経常収支の黒字国にいくことです。

【経常収支の黒字国】

1位ドイツ(2,943億ドル:ユーロ内が多い)、2位日本(1,741億ドル)、3位ロシア(1,149億ドル)、4位オランダ(899億ドル)、5位韓国(764億ドル)6位、スイス(688億ドル)、7位台湾(685億ドル)、8位サウジ(654億ドル)、9位シンガポール(639億ドル)、10位イタリア(534億ドル)、11位中国(432億ドル)などが、経常収支の黒字の11大国です(2017年)。

中国は、世界に対する貿易黒字では4,195億ドルと世界1(2位はドイツの2,813億ドル)ですが、海外からの進出企業への所得収支(海外への所得と金利の支払いの収支)と対外負債の利払いで、3,600億ドルくらいの赤字なので経常収支の黒字は大きくはない。


【日本の経常収支】

日本は、年間では半分の月が赤字になるくらい、貿易の黒字は少なくなっていますが、対外資産が生む海外からの所得が、20兆円/年くらいはあるので、経常収支は1,741億ドルの黒字になっています(2017年)。2011年の東日本大震災のあと、貿易では赤字の年度もあります。黒字の年度でも、その金額は小さい。

【経常収支の赤字は、2大国】

経常収支の赤字国は、1位が米国(4,687億ドル)、2位が英国(1,090億ドル)です。米国と英国が、世界の、経常収支の赤字のほとんどを占めています。この構造は、石油危機のあと約40年も、変わっていません。なお世界全体では、「経常収支の黒字=赤字」であり、両者は一致します。

米国などの経常収支の赤字国からは、日本などの黒字国へ、ドルの支払いが超過します。米国から、1年に約4,687億ドル(49兆円:2017年)の、ドルが流出しているのです。

【経常収支の黒字国での、ドルの処理】

黒字国では、企業や金融機関が得たドルを銀行で円に交換します。国内での支払いのためです。銀行に溜まったドルの一部または多くを中央銀行または政府が、自国通貨と交換に、買い上げます。

買い上げた分が、政府の外貨準備です(日本は1.2兆ドル:世界では13兆ドル)。


外貨準備は、普通は、貿易の決済のために使う準備金です。世界の外貨準備は、13兆ドル(1,365兆円)に増えています。60%がドル、30%がユーロです。


経常収支の黒字=対外的な金融収支の赤字

米国から海外に支払われたドルは、紙幣のままもたれるのはわずかです。

多くが、
・金融機関による米国の債券(国債、社債、株式)買い、
・またはドル預金になるか、
・企業の海外不動産や工場への直接投資、
・あるいはM&Aの株買いのマネーになります。

経常収支の黒字国は、金融収支(マネーの流れ)では、赤字国になるのです。

つまり、経常収支国の赤字は、マネーの流入である金融収支の黒字でファイナンス(海外からお金が払われること)されます。金融収支の黒字とは、マネーが流入することであり、対外負債が増えることです。

逆の金融収支の赤字とは、日本のように、経常収支の黒字として受け取ったドルが、主に米国に行って対外資産が増えることです。(注)中央銀行が、最終的な決済を行う国際収支は、国単位のバランスシートで管理されてるので、こうなります。

【日本の経常収支の、継続的な黒字】


日本のように、米国に対して経常収支の大きな黒字を40年も続けている国では、日本からのマネー流出の残高が、米国にもつ対外資産、つまり証券投資と直接投資になっていて、毎年増えています。

日本は1年に約20兆円、海外にマネーが流出する国です。逆に、米国は40兆円から50兆円が海外からマネーが還流しなければならない国です。マネーは支払い、受け取り、外貨交換として世界をめぐっています。

とくに1990年代から金融経済化した世界の、外為銀行の店頭での外貨交換(外貨の売買)は、1日に約500兆円(世界貿易の100倍)と巨額です。

最終的な決済は、通信のSWIFT手順で、BIS(スイスのバーゼルにある国際決済銀行)で行われています。世界の中央銀行の上に君臨するBISは、対外支払いの決済用の外貨が不足した中央銀行に対して、貸付をする機能ももっています。(注)BISでの決済は、銀行間の手形交換所と同じ、「最終支払い−最終受け取り」を相殺する仕組みで行われています。

【金融収支の赤字の累積は、対外資産になる】

経常収支で約20兆円の黒字を続ける日本は、海外(主は米国)に対して、累積で1,018兆円の対外資産をもっています。


直接投資が181兆円、国債・社債・株式の証券投資と外貨預金837兆円、合計で1,018兆円です。GDPの2倍もの対外資産であり、断然、世界1位です。一方、海外(主に米国)が日本に投資した対外負債は、676兆円です。対外純資産が341兆円です(2018年末:財務省)。この341兆円は、日本から海外への、マネーの純流出の累計残を表します。

※参考:平成30年末現在本邦対外資産負債残高の概要‐外務省(2019年5月24日公開)
https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2018_g.htm

経常収支が大きな赤字の米国は、その累積額が対外負債になる

1年に40兆円〜50兆円くらいの経常収支の赤字を続けてきた米国の対外負債は、2018年で36兆ドル(3,780兆円)になっています。

対外負債には利払いが必要です。平均で年3%として、1年間に113兆円という大きさです。経常収支が構造的に赤字の米国の対外負債は、基軸通貨(世界の貿易の決済通貨)を続ける限りは増え続けます。

米国が海外にもつ対外資産は、27兆ドルです(2018年)。対外純負債は、9兆ドルです。問題は、この純負債が、大幅な減税をしたトランプ大統領になって、財政赤字とともに年間6,000億ドルにくらい増え続けていることです。

【米国の対外負債の臨界点は、40兆ドルだろう】

試算では、対外負債が40兆ドル(4,200兆円:米国のGDPの約2倍)になるころから、「毎年の対外的な利払いが、対外負債を増やす」という、対外破産モードにはいっていきます。金利の支払いで、元本の負債が増えるようになった企業と同じです。

日本が、対外負債をGDPの2倍(1,100兆円)もかかえるようになったときのことを想定すると、利払い(金利が低くても30兆円/年)が難しくなっていくことからもわかるでしょう。


対外デフォルトが間近と認識される時期に近づくと、米国は、第二のプラザ合意を開いて、「ドルを1/2に切り下げる(1ドル=55円付近)」対策をとらざるをえないでしょう。

米国の対外負債は、ドルが基軸通貨なのでドル建てです。ドル建ての債務は、ドルの切り下げで減らすことができます。

【1985年のプラザ合意の原因も、同じだった】

1985年のプラザ合意(G5:米国・英国・ドイツ・フランス・日本)では、日独がドル売りに協調したので、250円から120円にまで、1/2に切り下げられました。ドルの1/2への下落で大きな損をしたのは、ドル建ての対外資産をもっていた日本とドイツでした。

プラザ合意も、「米国の貿易赤字(国際不均衡ともいう)」が原因で、実行されたものです。当時も、ドルが米国の経済力に対して高すぎるため、米国が貿易赤字を続けるとされました。

その後、34年経ちました。再び「プラザ合意の時期」が近づいています。米国の対外負債は増えつづけるので、ドル切り下げは必然です。

【その時期】

数年後、
・米国の対外負債が40兆ドルに近づき、
・ドルの金利が今より上がったとき、
・ドル切り下げは、米国側が選択できるオプションではなく、増えた金利の支払いができなくなることからの必然でしょう。

150兆円以上に増える、金利の支払いができないからです。

負債が大きくなった企業が、銀行に利払いができなくなると、銀行は不良債権を増やす追い貸しをするか、その負債を不良債権の処理として、カットしなければならない。これと同じです。

国家は、対外的な支払いができなくなっても、対外貿易ができなくなるという倒産はしません。その国の通貨が世界から売られ、切り下がるだけです。

異常なことではなく、金融では常識です。米国が、今のドルの水準では貿易が黒字になることはないので、対外負債は増え続けます。その速度の違いだけであり、「いずれは必然」です。

【世界の外貨準備(1兆ドル:1365兆円)になっているドル】

世界が貿易で使う基軸通貨は、世界貿易の増加とともに、海外の持ち高(米国にとって対外負債:海外が持つ外貨準備)が増えるので、ドルが基軸通貨を降りない限り、米国の対外負債の増加は続きます。

米国は、対外赤字に対しドルを増発すればいいという特権をもっています。しかし通貨増発の特権の有効は、いつまでも続くものではない。借り入れである対外負債には、海外がドルの先行きの価値(期待価値)を信用しなくなる臨界点があるからです。

「債権国の通貨である円とスイスフラン」とは違い、ドルが「安全通貨」と金融市場から認識されていないのは、対外債務がもっとも大きな国の増発通貨だからです。安全通貨ではないということの意味は、「債務国の通貨は、将来の下落リスク」があるという含意です。

ドルは、世界の店頭でも使える基軸通貨として、海外からの買いが多いために強く、しかし、もっとも債務が大きな国の負債通貨です。

1998年のアジア通貨危機のとき、GDPに対する対外負債(海外からの借入金)が大きかったタイ、マレーシア、インドネシア、韓国で起こった通貨危機と同じです。


ロシアは、政府が「旧1,000ルーブル=新1ルーブル」にして、ルーブルを1/1000に切り下げました。これも、通貨の世界では「普通に起こること」です。


トランプが、中国に対して仕掛けた貿易戦争の帰結

2018年から米中貿易戦争をしかけ、関税品目の幅と関税率を高くしてきたトランプ大統領が、米国の対外負債の問題を認識しているかどうか、不明です。

しかしトランプは「虎の頭脳」で、本能的に、「ドルが海外に流出する貿易赤字」を問題にしました。このため、貿易額を減少することによって、世界経済を不況にもする中国関税を発動したのです。

ところが米国では、40年前の1980年から国内製造業は空洞化しています。食品以外では、ウォルマート(50兆円)と米国の店舗で売る消費財(衣料、住関連、IT機器、家電)の95%は、海外産です。米国産は、コンピュータやスマホにもない。関税をかけても、海外輸入が減り、国内生産が増えることはないのです。(注)米国の生産がある自動車、兵器、戦闘機、航空機だけが例外です。このため、日本に、黒いF-35ステルス戦闘機を100機売るのです(100億円×100機=1兆円)。

【米国のマネーにとって致命的なドル安政策】

それに、トランプは「中国の元安」を非難しています。米国の金利をゼロに近く下げることで、ドルのチープマネー政策をとるとも言っています。

1990年代のルービン財務長官(元ゴールドマン・サックス(政商的銀行)の会長)は、「ドル高」を言っていました。海外からのドル国債、社債、株の買いを増やすには、ドルが下がらないドル高が条件だったからです。このドル高で、米国のIT株は上がりました。2000年4月に、長短金利(イールドスプレッド)が逆転して、崩壊しています。米ドルをもっとも買ったのは日本です。


トランプが、FRBに金利0%への利下げを強要し、誘導目標が0%に下がったらどうなるか?

【ドル安ヘッジのコストは2〜3%】

海外から、米国債、株、社債を買うときのリスクは、ドル安です。米国債は現在、ユーロや円より約2%高い金利がついています。ドル金利は、米ドルを買うときの「ドル安ヘッジ」の保険になっています。

日本、ユーロと2%の金利差がなくなると、ドルへの投資(ドル買い)は「裸のドル安リスク」に晒されます。このリスクは海外からのドル買いを減らすことになり、「ドルの買い超の減少(=ドル売り)によるドル安」に向かうことになるでしょう。

海外に売ることが必要な、年40兆円の米国債が売れにくくなるのです。

結果は、
・ドル安と、
・米国金利の上昇(米国債の価格の下落)です。

今はドルの長期債が売れて、長期金利は1.5%にまで下がっていますが、ドル安になるとともに、ドルの長期金利が上がる(ドル国債の価格が下がる)ようになっていくでしょう。

対外負債が大きく、経常収支が赤字続きの米国にとっては、
・海外がドル国債を買ってくれるには、
・日欧より2%は長期金利が高く、ドル高が維持されることが必要
だからです。

トランプの中国関税に加えた、
(1)ドル金利の利下げ要請、
(2)輸入の減少と、輸出の振興のためのドル安の要求は、
(3)米国の経常収支の赤字をファイナンスする資金不足を招き、
逆に、米国の期待金利を上昇させ、国債価格を下げてしまうのです。

金利下げと通貨安のマネー政策は、
(1)国内の製造業がしっかりしている国(供給超過の国)、
(2)経常収支の赤字が大きくない国に、とって有効です。

米国のように、
(1)消費財の国内製造業がなくなった国、
(2)経常収支が大きな赤字で、海外からのドル買いの40兆円超過が
必要な国にとっては、ゼロ金利とドル安は、自滅行為になります。

米国には、1990年代の株価が上がっていたクリントン時代のルービン財務長官の「ドル高政策」が必要です。

パウエル議長を「白痴」とまで言って、逆を行おうとしているトランプ氏のために忠告しておきます。「米国の金利が0%に下がれば、米国は、ひどいことになるからです…」

ドル安とは、世界の外為市場でのドルの売り(ユーロ買い、円買い、元買い)の超過です。ドル売りの超過は、経常収支が赤字の米国では、国債や株を買うドルが不足させます。

債権国の中国や日本なら、通貨安という選択肢があります。米国では、ドル安というオプション(選択肢)は、奈落に落ちることでしかない。


「経常収支が構造的に赤字の米国には、海外がドルを買ってくれることが必要」という知識は、トランプと政権幹部にはないのでしょうか。


トランプ関税とドル安は、世界の不況を促進する

【ドイツのGDPはマイナスになった】

・輸出が1.33兆ドル(140兆円:日本の1.7倍)、
・輸入が1.08兆ドル(113兆円:日本の1.5倍)のドイツのGDPは、3.66兆ドル(384兆円:日本の0.7倍)です。

GDPに占める貿易額が、日本の約2倍大きい。ドイツとフランスは、歴史的にも中国との関係が深く対中貿易は大きい。これが、トランプの対中関税の余波で減少し、2%から3%は成長していたドイツのGDPは、ついにマイナスになりました(-0.2%:19年4−6期)

ドイツ国内より、中国とアジアに債券と貸付が多いドイツ銀行は、関税で売上が急減した中国企業への債権の不良化に直面しているでしょう。

【日本は、GDPの集計の前にGDPの構成要素である上場企業の利益が15%減った】

日本の上場会社の純利益は、15%減少しています(19年4−6期)。特に製造業が不振です。石油-73%、鉄鋼-56%、非鉄金属-56%、機械-21%、電気機械-74%、自動車部品-21%です。製造業の合計では、純益が-45%(半減)しています。非製造業は+32.8%です。


製造業の減益は、リーマン危機のあとに似ています。10月の消費税増税のあと、景気は下がるでしょう(とくにポイント還元が切れる6か月後)。

世界のGDPは、2019年秋、冬、2020年と、明確に不況に向かっています。対策は、金利がまだ1.5%(短期誘導金利は2%)はある米国の利下げしかない。

しかし、このドルの利下げは、ドル安と米国のマネー不足を招くのです。すでにマイナス金利の欧州と日本には利下げの余地はなく、通貨の増発も大きくはできない。

FRBが米国債を買って、ドルを増発すればいい。そうすると、一層のドル安になり、世界は、米国への貸付金(=米国の対外負債)の36兆ドル(3,780兆円)を売るでしょう。

結果は…大変なドル安に向かいます。米国は、このドル安(ドルの売りの超過)により、大きな資金不足になります。なにせ、対外負債が3,780兆円、GDPの2倍だからです。

【対策も逆転している】

米国には、実はGDPを増やす金融緩和策としては、長期金利の利上げしかない。以前に当メルマガで述べた「長短金利の逆イールド」では、短期金利で調達し、長期金利で運用する銀行の利ザヤがマイナス(運用の赤字)になります。

赤字の運用は、拡大できない。逆に、減らさねばならない。銀行が運用を減らすことは、
・証券(国債、社債、株式)の売りであり、
・長期貸付金の引き揚げであって、企業と世帯からの貸付金のマイナスになります。

負債の臨界点では、金利とマネー量の動きが逆になるのです。

長期金利の利上げ→銀行の長期金利での、証券運用と、貸付の増加
長期金利の利下げ→銀行の長期金利での、証券運用と、貸付の減少

24. 中川隆[-8587] koaQ7Jey 2019年8月30日 07:17:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4165] 報告
マネー増発に支えられる2,000兆円の潜在不良債権、世界の上場企業の現状=吉田繁治 2019年8月16日
https://www.mag2.com/p/money/746262


世界の上場企業には、2,000兆円の潜在不良債権が隠されているというニュースがありました。この増発されたマネーは、世界経済にどんな影響を与えるのでしょう

世界経済の減速の指標が見え始めている

世界の上場企業の、問題ある負債は2,100兆円

2008年のリーマン危機のあと、負債の大きさの問題を抱えるのは、中国だけではない。

日経新聞の野口記者が、「世界のゾンビ企業が倍増し、上場5,300社になった」というコラムを、朝刊トップに書いています(8月11日)。営業キャッシュフローでは、借金の金利が払えない上場企業数です。

これらの企業の有利子負債の合計、20兆ドル(2,100兆円)、支払利息が7,500億ドル(82兆円:平均金利は約4%)という。

世界的な低金利と金融緩和の10年で、負債は2008年に対して55%増えています。増えた負債に対して、営業キャッシュフロー(現金の利益)での利払いができなくなっている企業数です。


まだ不良債権とはされていないので、銀行からは、不足する利払いの「追い貸し」が行われているでしょう。銀行の帳簿上では利払いがあったようにして、その分を貸し付ける行為です。総負債の2,000兆円は、潜在不良債権です。

地域別には、以下です。上場企業が提出義務を負う有価証券報告書等から集計されたものです。非上場の企業のP/L、B/S、キャッシュフロー計算書は、銀行の融資案件の内部資料でしか分らない。このため、不良債権の発現は、いつも遅れます。

<有利子負債の利払いが営業利益を上回る企業数>

合計上場企業数は、2万6,000社(金融業を除く)
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欧州  1,439社(企業数構成比27.4%:ユーロのゼロ金利にかかわらずイタリア、スペイン、ギリシアに多い)
米国   923社(同32.1%)
インド  617社(同26.3%:不良債権の多さが、すでに問題になっている)
中国   431社(同10.8%:実際にはもっと多い:推計30%以上)
台湾   327社(同19.1%)
日本   109社(同3.3%:ゼロ金利策のため世界比較では最も少ない)
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出典:ゾンビ企業、世界で5300社 規律緩み10年で2倍‐日本経済新聞(2019年8月11日公開)

上場2万6,000社の支出は、投資とM&Aの投資キャッシュフロー、配当・自社株買いを含むと6兆ドル(630兆円)。それらの2万6,000の企業が事業で稼いだ営業キャッシュフローを1兆ドル(105兆円)上回っているという(2018年)。

2018年から、(1)トランプ関税、(2)世界的なサプライチェーンの分断、(3)英国のEU離脱と、その波及を理由にして、2018年、19年、20年の世界のGDPは、低下に向かっています。

メディアと金融市場は、今もトランプがしかけた対中貿易戦争の早期終結を想定しています。このため、GDPの低下予想はまだ低い。

トランプの政策の目的は、2020年の再選に収斂します。対中強硬策が、国民の支持を得るからです。このため経済の論理からは計ることができない。

米国のGDPを下げるからとして、株価が先行して下がっても、矛を収める気配は見えません。

2019年のGDP見通し

IMFは、世界の2019年のGDP(約8,000兆円)の増加を3.2%としています(2019年4月発表)。この見通しも、IMFの世界経済への役割を意識した「甘い」ものでしょう。IMFは米国が支配しています。

米国の投資家でも、2019年の米国経済の低下を予想しているのは34%(3人に1人)です(バンカメ・メリルリンチの調査)。IMF同様、まだ楽観的です。

中国やインドでの自動車販売の急減など、世界の成長の減速を示す具体的な指標が出始めています。19年7月のインドは、自動車販売29.9%減。中国は、19年1月から7月の7か月で、前年比13.5%減です。これらの実態データには、偽りはない。

2017年までは年間15%くらい増えていました。トレンドに対しては、中国では3割減です。

代表的な消費財の自動車の販売台数が前年比で13.5%も減っているのに、中国のGDPが6%台の成長(実質+6.2%:19年4月〜6月:国家統計局発表)というのは、普通「ありえないこと」です。自動車の販売は、小売り需要の中の28%と食品の15%、石油製品の13%、衣類の10%よりはるかに大きいからです。


中国は国家統計では、普通の国ではありません。中国の実質GDPの増加は3%以下、悪くすると1%以下でしょう。


2019年、20年の成長要因はない

負債で上がってきた不動産価格の世界的なピークアウトと重なって、2019年、2020年の経済の成長を促す要因は見当たりません。

世界のGDPの成長がIMFの3%台という予想より低下すれば、上記の2万6,000社の潜在不良債権(負債総額では2,000兆円)は膨らみつづけます。銀行の追い貸しが増加するからです。

今回の負債の劣化は、世界的です。日本の資産バブル崩壊(1990年代の10年)、リーマン危機(2008年から2011年)、南欧危機(2011年〜12年)のようには国を特定できず、集計も難しい。マネー移動のグローバル化の進展により、危機は世界に分散しているからです。

どうとらえたらいいのか。1929年からの世界恐慌の推移に似ています。これから数年、世界恐慌を再現するというのではない。

中央銀行のマネー増発策は、限定的な幅になった

中央銀行のマネー増発の対策において、違いがあるからです。

しかし、すでにマイナス金利の欧州(ユーロ)と日本には、金融危機のときの通貨増発の余力が乏しい。米国も利下げの余地は、最大でも1%くらいしかない(現在の短期金利は2.01%:10年債は1.67%と逆転している)。


今後の中央銀行の「通貨増発策」は、限定されたものでしょう。リーマン危機のあとのように、20兆ドル(米国、ユーロ、日本、中国の合計:2,100兆円)のような、通貨の緊急増発は難しくなったのです。(換算は、従来の1ドル=110円から、105円に変更しています)

金融危機を通貨の増発、つまり中央銀行からの銀行への貸付増で乗り切っても、不良債権化した負債が大きくなるだけで、いずれは、先送りされたカタストロフが訪れます。負債が増えているからです。

中央銀行のマネー増発は、企業の借り入れによってマネーが補充されて、危機を先送りする効果をもっていますが、危機をなくす機能はないからです。

不良債権というものの性格

不良債権は、借りた企業や金融機関が支払金利より多くの利益を出せるようにならないと解決には向かわない。これが不良債権の本質ですが、MMT論(現代貨幣論)と中央銀行万能論の陰で、忘れられています。

貸付金による資金繰りの助力は一時的です。金利と返済分を借り増した企業が、金利より大きな利益を出せるようにならないときは、銀行の不良債権の増加になるだけだからです。

以上の観点から、大恐慌の推移を振り返ることに意味があるでしょう。

それぞれのイベントに、現代との違いを示していきます。Financial Times紙にも、「大恐慌との類似」を指摘する論が現れはじめました(「データが示す恐怖の夏」:ラナ・フォルーハー氏」。


大手新聞やメディアは、銀行の不良債権を調査して報じることはしません。預金者の不安をあおり、金融を崩壊させる取り付け発生の恐れが生じるからです。危機が事実になったあと、報じます。まだ一部の記事ですが、新聞も金融危機に向かっていることを伝えるように変わってきています。

第一次世界大戦での、マネーの増発

記憶している人は、90歳を超えています。110歳のごく少数の人も当時は幼少期であり、記憶にはない。記録で見るしかない。

第一次世界大戦では政府が国債の増発を行うため、金本位(正確には金準備制)は停止されていました。金準備制なら、通貨の増発は金準備高に縛られて、GDPの100%やそれ以上を使う戦費の調達ができないからです。

19世紀末から20世紀初頭にかけて、英国にならって中央銀行を作ったあとの国では、税金ではマネーが足りない戦争は、通貨の大増発を行うものに変わっていました。

(無限にも思える)通貨増発による戦費のため、戦争が国民の財を集結する「国家総力戦」に変化し、初めての世界大戦になったのが、第一次世界大戦です(1914年〜1918年)。

大戦のとき増発されたマネー(財政支出)は、戦争の被害を受けなかった米国で株式と不動産のバブルを引き起こします。新しい産業としては、自動車、家電、電力、鉄道があったのです。国民の間には、投資信託が普及し、高い株価を背景に、資本調達のための株式の分割が盛んになっていました。

ワニや巨大な蛇が出て、蚊も多い湿地帯の温かいフロリダ(日本で言えば沖縄にあたる)では、空前の不動産ブーム(リゾートブーム)が起こっていたのです。フロリダの不動産バブルは1928年、29年に崩壊し、31の銀行を破産させました。


金融危機の原因になるのは、過剰なマネーが貸付金になって引き起こす資産バブルだということが分かります。古今東西、普遍の原理でしょう。

ただし、マネーの増発と資産バブルの発生から崩壊には、ほぼ10年の複雑系の負債債券と貸付増加の波及の期間を置くため、経済学は「マネーの過剰な増発が、金融危機とその後の、実体経済の恐慌の原因だった」とはしていないのです。

25. 中川隆[-8586] koaQ7Jey 2019年8月30日 07:38:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4166] 報告
2019年秋のGDP低下で…ドイツ銀行が抱えるリスク、デリバティブ契約は銀行平均の8.3倍=吉田繁治 2019年7月19日
https://www.mag2.com/p/money/728414


ドイツ銀行の破たんがあらためて懸念されています。そこで今回は日銀より早くゼロ金利からマイナス金利を敷いた、ユーロの金融機関がかかえる問題を解説します。


世界的な株高のなか、異常に低い株価から見えるドイツ銀行の危機

ユーロの銀行危機を集約するドイツ銀行

19か国で構成する、ユーロ最大の銀行であるドイツ銀行(総資金量1.77兆ドル=運用資金195兆円)に集約された「ユーロの銀行の危機」をとりあげます。三菱UFJの総資金量が2.79兆ドル(307兆円)ですから63%の規模です。

ドイツ銀行は民間の銀行です。名前から間違えやすい中央銀行ではありません。統一通貨ユーロの加盟する、ドイツの中央銀行はユーロのECBです。ユーロはドイツが加盟したというより、ドイツが作ったと言うのが正しい。

矛盾した統一通貨の中の、ドイツ銀行

ユーロは経済の生産性と水準が異なり、財政赤字が3%以上の南欧を抱え、矛盾を内包した統一通貨です。ドイツが、「経常収支の構造的な赤字」(=ドルの増刷になる)から、価値を下げ続ける基軸通貨のドル」から逃れるために作った通貨がユーロです。

欧州が、再び、第二次世界戦のような国家間の大戦争を起こさないための統一通貨とされていますが、それは名目上の目的にすぎません。ドイツが、対外的な貿易黒字によって貯めていたドルが、プラザ合意(1985年)で、マルクに対して1/2に切り下げられ、ドルを貯めていたドイツ(と日本)が大きな損をしたことがきっかけでした。1985年から、15年かけてじっくりとユーロを作ったのです。このときは、ことあるごとに。ドイツには反対するフランスも、ドルの価値低下に苦しんでいたため、賛成したのです。


「最適通貨圏の理論」を作ってノーベル賞を得たマンデルは、国家を超えて統一通貨(最適通貨)にするには、生産性の水準を同じに向かわせるために「労働の移動の自由」が必要としていました。

しかし、EU内で移民風な労働の移動があっても、ドイツ、フランス、南欧のGDP生産性(GDP÷労働者数)の格差は解消しなかったのです。そして南欧では、ユーロ加盟条件を満たさない3%以上の財政赤字が続きました。

成立上の矛盾をかかえていても、統一通貨なら、加盟19か国のユーロの内の貿易決済は、ドルを使わずユーロで決済できます。

ユーロの為替レートは、{(ドイツ)マルク+(フランス)フラン+(南欧)南欧通貨}として、GDPの構成比をかけて平均化されるため、ドイツにとっては常にマルクより安い。南欧諸国にとっては常に高い。このためドイツの貿易黒字は、恒常化します。貿易黒字のため、ドイツにユーロが集まり続けるということです。


1999年の統一通貨のあと、ユーロはドイツ銀行に集まりました。ドイツ銀行は、そのユーロを国内より高い金利をもとめて、南欧、東欧、中東、アジア(中国)、アフリカ、つまり海外に貸し付けていたのです。

まず4年前だった

ドイツ銀行の危機が最初にいわれたのは、2015年の7月から16年9月にかけて17ユーロ台から6ユーロ台に下がったときでした。
※参考:Investing.com ドイツ銀行

ドイツ銀行の株価は、リーマン危機の前の2007年にはおよそ100ユーロでした。

08年9月のリーマン危機のあとは、
・米国MBS(不動産ローンの回収権を担保とする証券)の下落と、
・CDSとCDO(債権の回収を補償する保険)の保険料の高騰と、保険金支払いリスクの上昇が、
・それらを売買していた欧州の銀行に波及し、ドイツ銀行の株価も20ユーロ(1/5)に下がっていたのです。

ECBによるユーロ増刷(4兆ユーロ:484兆円)という対策

米国大手銀行の実質的な同時破産(支払い不能からのデフォルト)の波及の危機は、加盟19か国の金融政策を実行している中央銀行(ECB)が、
・緊急の貸付、
・下がっていた南欧債の買い(金利は上昇)、
・ゼロ金利策の3セットを実行し、
ドイツ銀行の株には、再び投資家の買いが起こって30ユーロ台に回復していました。

16年9月には6ユーロ台に下がったのです。そのあとは例によって、再びECBからユーロ増発の救済策がとられ、17年3月には16ユーロ台に上がりました。

【19年7月の株価】

しかし19年7月には、再び6ユーロ台に下がっています。コメルツ銀行との合併策が、相手の拒否によって破談したためでもあります。


その後は、政府がお金を出した旧国鉄の清算事業団(不良債務30兆円)のように、「不良債権を切り離すバッド・バンク構想(600億ユーロの資金)」が出ています。

ただし、メルケル首相は、政府はドイツ銀行を救済しないと言ってきました。しかしいざとなれば、「大きすぎてつぶせない」という、リーマン危機のときの非論理を繰り返し、バッド・バンクにマネーを出す可能性はあるでしょう。可能性は70%でしょうか。

【20%の雇用カット】

ドイツ銀行は、全職員の20%にあたる1万8,000人の解雇を発表しています(19年7月7日)。世界の大手銀行は、普通、顧客からの信用を維持するため、経営危機を示すことになる社員の大量解雇は行いません。

預金取り付けの恐れがあるので、銀行危機は言われない

債務超過(不良債権の金額が、自己資本を上回ること)の危機があるという市場の認識が広がると、預金取り付け(預金の一斉非引き出し)になる可能性が生じるからです。


大衆の預金取り付け、または多くの大口預金者の預金引き出し(送金)があると、銀行は、自己資本がいくらあっても短期間で潰れるからです。


預金のペイオフの上限は、242万円と低い

ドイツにも、銀行が破産したとき預金の引き出しを保証するペイオフの制度はあります。上限は、2万ユーロ(242万円)であり、日本のペイオフ(1銀行で1,000万円が上限)よりはるかに低い。ペイオフでは、米国が上限10万ドル(1,100万円)、英国が最大3万1,700ポンド(427万円)です。日米が高く、欧州は低い。

企業等の決済性の預金(金利のつかない当座預金)は、銀行が破産しても政府が全額を補償します。企業の、大きな支払いに対してペイオフをすれば。経済が回らなくなるからです。

10ユーロ以下の大手銀行株

ユーロの銀行の株価では、10ユーロ台以下は経営破産を示す水準でしょう。

銀行は、公表するバランスシート(B/S)は、いつも正常としかしません。世界中の銀行で不良債権の自己開示はない。実質的に不良債権であっても、自己評価はしないのです。

外部から検査するしかない(これがストレス・テスト)。投資家は、不良債権を推計して、株価を6ユーロの破産水準に下げています。ストレス・テストにも、危機の銀行に対しては、政府と銀行間で取り付けをふせぐための「お手盛り」があるからです。

【海航集団の王健会長の、不審な死】

ドイツ銀行の大株主は、中国の航空会社グループというより、共産党が直轄している海航集団になっています(7.6%の持ち株)。ドイツ銀行の貸付が中国にも多いからです。


海航集団の王健会長(56歳:共産党員)は、フランスの海につづく15メートルの断崖で、なぜか不自然に、写真撮影のためのポーズをとっていたとき脚を滑らし転落したとして死亡しています(19年7月4日)。落ちる危険のある、危ない断崖で写真を撮る人がいるでしょうか?

奇妙な事故です。海航集団の負債は、7,400億元(12.3兆円)と言われ、資金繰りに窮しているとされます。王健会長は、習近平主席の盟友である王岐山国家副主席と、共産党内で深い関係がある人と言われます。

ドイツと南欧の大手銀行の株価は、軒並み、破産水準

ユーロの大手銀行の株価は、共通に低くなっています(19年7月)。左が2007年以降の最高価格の水準、右が現在の株価です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
フランス BNPパリバ     80ユーロ → 43.2ユーロ
イタリア ウニクレディト  374ユーロ → 11.7ユーロ
イタリア モンテパスキ   566ユーロ → 1.6ユーロ
スペイン サンタンデール  14ユーロ → 4.2ユーロ
ドイツ コメルツバンク   300ユーロ → 6.6ユーロ
ドイツ ドイツ銀行     100ユーロ → 7.2ユーロ
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フランスの最大手BNPパリバは、若干ましです。

しかし、イタリアのウニクレディト(11.7ユーロ)、モンテ・デイ・パスキ・デイ・シエナ(1.6ユーロ)は、破産水準の株価です。スペインのサンタンデールも4.2ユーロでしかなく、破産水準です。

【コメルツ銀行もバッド・バンク】

ドイツ銀行との合併が進んでいたコメルツバンクも、株価が6.6ユーロであり、これも破産水準です。ドイツ銀行と合併しても、救うことはできなかった。バッド・バンク同士の合併だからです。

株を買う投資家は、見誤れば損をするので、銀行バランスシートと損益計算書に隠れた嘘を見抜いて、真剣に価格をつけています。


その国の大手銀行は、資産の検査をする政府・中央銀行とも一体であり、中国の銀行のように、不良債権を進んで公表することは、ないからです。


2019年の世界経済の減速という要素

英国のユーロ離脱と、米中貿易戦争からの波及により、世界経済が減速に向かっています。

これはリーマン危機期のあと、ゼロ金利と中央銀行の通貨増発から、負債が返せないくらい大きくなった、中国を筆頭にした世界中の企業債務の悪化を意味します。

現在、銀行の貸付金の不良債権は、全体のマクロ経済から増える要素はあっても、減る要素はない。世界経済の、近い問題(2019年秋)は、ドイツ銀行、銀行史上最大のデリバティブが、世界のGDP低下予想のなかでどうなるかです。

IMFは、2019年は3.3%に減速し、2020年は3.6%に回復としています。世界銀行は、2019年の世界の実質GDPは2.6%に減速するが、2020年は2.7%に上がるとしています。

両者の見通しにも、無視できない乖離があります。原因は、「英国のユーロ離脱と米中貿易戦争からの波及」を誰も見通せないからです。トランプ自身も、中国関税の結果をわかっているとは思えません。

デリバティブは、不良債権の隠れ蓑(みの)

ドイツ銀行の危機の内容を判定するには、デリバティブの仕組みと内容を知る必要があります。メディアとエコノミストが、十分な解説ができていないので本稿で行います。


本当なら、大きな損害をもたらす大地震の、まだ先の確率より大きく、報道の必要があるものです。自主規制しているのかも知れません。

リーマン危機のときも同じでしたが、資産の連鎖的な縮小を生んだ銀行のデリバティブの内容については、経済学者の発言もない。

【デリバティブは、金融リスクをマネー化した証券】

理由は、ブロックチェーンの仮想通貨とおなじように、
・ブラックショールズ方程式の確率計算に基づいて作られ、
・金融機関の相互がお互いに、確率的なリスクを負っているデリバティブの仕組みについて知識をもつ経済学者が、少ないことが第一です。

第2の理由は、多くの経済学者は体制側に立っていて、現代通貨論(MMT)のような通貨の増発を推進し、賛成する側だからです。

どこまで行っても「金融資産=別の誰かの金融負債」である

通貨の増発は、誰かの負債の増加になるものです。ゴールド以外のペーパーマネーは、「金融資産=誰かの金融負」という本質的な構造をもつからです。

預金者の銀行預金は、銀行にとっては負債です。国債は、持ち手にとっては金融資産ですが、発行した政府にとっては負債です。中央銀行が発行した通貨は、その持ち手にとっては金融資産ですが、発行した通貨は中央銀行にとっては負債です。

【20兆ドルの通貨増発】

米、欧、中国、日本の中央銀行は、2009年以降、合計で20兆ドル(2,200兆円)の通貨を増発しています。


増発されたマネーは、国債や債券のマネタイゼーションによって、金融機関の現金資産になると同時に、金融機関の間の借り入れ、企業の社債と借入、世帯の借り入れにおいて、6,000兆円以上の負債の増加になっているでしょう(2019年時点)。


世界の債務が急増した10年

2008年の世界の総債務は150兆ドル(1京6,500兆円)でした。10年あとの18年末は、世界のGDP8,000兆円の3.44倍の250兆ドル(2京7,500兆円)です(国際金融協会:JI.JI.com)。

最近10年で1京1,000兆円(67%)も増えています。リーマン危機のあとは、まさに、「大きな負債の上の、経済の宴」です。

【返せない負債の上の、宴の経済】

借金が過剰になっても、不良化せず借り入れを増やすことができるあいだは、使うお金(投資+消費+利払い)を増やすことができます。「GDP=企業所得+世帯所得」ですから、世界の所得の3.44倍の負債になっていると考えていい。

とんでもない金額の所得者も、世界中に現れています。アマゾンのジェフ・ベゾスの離婚(財産分与)では、4兆円が支払われています。自社株の時価総額が9,323億ドル(103兆円:19年6月)もあるからです。創業者として相当な株数をもっているからです。

株式は、返済の必要な借り入れではありませんが、会社にとっては資本の負債です。金利の代わりに、配当の支払い義務があります。株価が上がると、利払いにあたる配当額を増やさねばならない。

決済がなく、無限に使えるクレジットカードがあれば、生活は豊かになり続けますが(負債の上の饗宴)、決済のときが来ると、所得からは払えず(銀行債権の不良化)、一挙に、財産が差し押さえられて破産になることと同じです。


株価の上昇での金融資産の増加は、返済の要る負債の増加ではない。代わりに、「CEOが株価を上げ続ける義務」があるでしょう。米国の株価時価総額は、日本の6倍の3,000兆円です。

米国株の1,200兆円(40%)以上が、自社株買いによるバブル株価でしょう。この株価は、世界の負債にははいっていません。自社株を社債発行で買った$4兆(440兆円)は負債の一部です。

家計でいえば、年収1,000万円の世帯が平均で3,440万円(所得の3年分)の負債です。

借入金は平均化するものではない。ほぼ50%の大きな負債のある世帯だけでは、2倍の6,880万円(6年分)になっているでしょう。企業では、年間粗利益(付加価値という)に対して6年分の負債です。

これが日本、中国、米国、欧州の「政府+企業+世帯」の世界平均ですから恐れ入ります。250兆ドル(2京7,500兆円)の総負債は、返済と利払いがムリな金額です。ところが、世界の銀行の、不良債権の増加はまだ見えないのです。


CDSやCDO(両方とも債権の回収を補償する保険)するというデリバティブがかっている債権は正常債権になりますが、不良化するときは、6か月以内の短期でしょう。リーマン危機ときがこれでした。

デリバティブ=債権の回収や将来収入に対する保険

危ない債権に対してはCDSやCDOとして、地震保険と同じ機能をもつデリバティブがかかっていてます。このため、借り手が返せない額に増えている銀行債権が、正常とみなされています。

地震が起こらないときは、保険料が収入(利益)になるCDSやCDOの販売がもっとも多いのが、ドイツ銀行です。CDSやCDOをかけた債権に不良債権が増えるとドイツ銀行は、破産保険金の支払いができず破産します。

衣料の売り上げに所得保険がかかっている「天候デリバティブ」も、同じ仕組みです。数%の保険料を払って天候デリバティブを買っていれば、異常気象が原因になって衣料の売上が減ったとき、その減少分を補償されます。保険料は、異常気象が起こる確率で決まります。

地震保険でも広範囲の大地震が起こると、支払いができず、保険会社は破産します。このため、政府の再保険がかかっているのです。

BISが集計した、世界のデリバティブの総体

中央銀行の上の中銀行とされているBIS(国際決済銀行:スイス:バーゼル)が集計したデリバティブを、内容別に示します。

デリバティブは、金融機関の間の店頭の密室(Over The Counter)という意味で、契約されるものです。バランスシートには出ず、簿外の債権・債務です。


        相互契約額      現在の時価価値
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・通貨関連   $ 90兆(9900兆円)   $2.3兆(253兆円)
・金利関連   $436兆(4京7960兆円) $6.4兆(704兆円)
・株式関連   $6.4兆(704兆円)   $0.6兆(66兆円)
・コモディティ $1.8兆(198兆円)   $0.22兆(24兆円)
・CDS/CDO    $8.3兆(913兆円)   $0.19兆(21兆円)
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 合計     $544兆(5京9840兆円) $9.6兆(1056兆円)
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出典:BIS


通貨、金利、株式のそれぞれに、先物、スワップ(交換)、買う権利・売る権利のオプション、その他の4種があります。


【先物】

先物は、債券、株、通貨などの先物を売買するものです。ボラティリティ(確率的な変動率=標準偏差の2倍)が上がり、
期待金利が上がると、先物の時価価値は上がります。逆なら下がります。

【スワップ】

スワップは、外貨や金利の、その時点の相場での等価交換(売買)の契約です。金利では、変動する短期金利と、固定金利の交換が行われます。

A銀行がもつ短期金利がたとえば0.8%、B銀行がもつ固定金利が3%のとき、交換したとします。A銀行は、3%の固定金利を受け取る(または支払う)ことになるので金利が高くなった代わりに、金利の変動リスクはなくなります。

一方で、B銀行は3%の固定金利の代わりに、A銀行がもっていた0.8%の変動金利を受け取る(または支払う)ことになります。直近の金利が下がった代わりに短期金利の、変動リスクをかかえることになるのでです。

金融機関の間のデリバティブ契約の中で、金利スワップが$326兆(3京5,860兆円)ともっとも多い。その時価価値は、いまは$5.6兆(616兆円)とされています。この時価価値は、中央銀行が金利を上げるとる上がり、金利を下げると下がります。

金融機関の中に、スワップ契約で損をするところと得をするところが等分に出ます。金利スワップの契約が、何重にもかかっていて、世界の金融資産額以上に大きくなっているので、中央銀行の金利政策が金融機関の利益を大きく左右しているのです。


この金利スワップは、従来の銀行間のコールローンに代わる機能も果たしています。

通貨交換(通貨スワップ)も、金利交換とおなじ仕組みです。通貨変動もこれにより、金融機関の収益を大きく左右しています。

ファイナンスの用語では、通貨の将来変化を確率的なリスクとしますが、通貨交換の増加により($24兆:2,640兆円)、通貨変動のリスクが金融機関の間で大きくなってます。

三菱UFJグループの、円での資金量の10倍もの通貨交換額があるからです。この通貨交換の増加により、どの国の銀行も海外通貨の変動リスクを浴びやすくなったのです。

世界の銀行が通信回線(お金の瞬間輸送路)で結ばれているので、銀行の立地する国は、あまり関係がなくなったと言ってもいい。世界同時に、ドルリスク、ユーロリスクに晒されています。

【オプション】

オプションの仕組みは、先物と似ていますが、将来の一定期間に、決めた金額で、通貨、金利、株、国債、社債などの債券を買う契約、または売る契約です。

予想がはずれると損をしますが、予想が当たると利益になるギャンブルと同じです。

【予想を戦わせるギャンブル】

デリバティブである先物、スワップ、オプションの契約の増加により、銀行のファイナンス(金融)は、
・クラシックな、貸付金利で稼ぐものから、
・将来予想を買い手・売り手が戦わせる、エキゾチック金融のギャンブルと同じになってきたのです。

金利、株価、外貨は、価格の傾向は持ちますが、短期では、上下にランダムウォークするので、次のサイコロの目が1と出るか、2と出るかという勝負と同じになります。

明日の株価がいくらになるか、世界中の誰も「原因→結果」の根拠をもった予想はできないからです。当たっても、サイコロの目と同じ偶然のものです。


昨年、日経平均の過去20年5,000日の終値を集計すると、上がった日と下がった日は、きれいに50:50になっていました。ルーレットの白/黒や、奇数/偶数の丁半博打と同じです。


デリバティブ契約が、歴史上でも世界1大きなドイツ銀行

ドイツ銀行が、他の銀行との間に交わしているデリバティブの契約額は、7,500兆円といわれています。世界のデリバティブの総契約額、$544兆(5京9,840兆円)のうち、12.5%と多い。

(注)7,500兆円の負債というわけではありませんので、念のために。7,500兆円は、デリバティブをかける対象(原資産)となるマネーの契約の増額です。

【デリバティブが他行の8.3倍】

ドイツのGDPは3.7兆ドル(407兆円)であり、世界の5%です。ドイツ銀行の資金量(1.77兆ドル:195兆円)のシェアはドイツ国内の30%くらいでしょう。

そうすると、世界の銀行での、ドイツ銀行の資金量のシェアは「5%×30%=1.5%」くらいです。資金量で1.5%のドイツ銀行が、デリバティブ契約では8.3倍の12.5%(7500兆円)です。平均的な銀行の8.3倍のデリバティブ契約です。

ドイツ銀行がデリバティブに奔走した理由

どうして、こんなに異常なことになったのか?というより、首脳が、なぜデリバティブ契約を推進したのかということです。

【ドイツ国内のユーロのゼロ金利】

第一の理由は、リーマン危機のあとの、ECBによるユーロのゼロ金利策です。マイナス金利でも、2016年かの日銀に先行しています。


金利が低いと、0.5%から1.5%の銀行の貸付金利では収益が出ません。このため、金利、通貨、株価の上昇または下落の予想に依存するデリバティブ契約を増やしたのです。

【補償保険のCDS、CDOの発行、売却を増やした】

2番目の理由は、貸付債権、債務の、回収を保証するCDS、CDOを多く作って、世界の銀行に売却したことです。目的は、金利に代わる、数%〜10%の保険料の収入です。

ある債務にCDS(保証保険)をかけると、その債務の連帯保証をしたことと同じになります。

【CDS、CDOは、債務の連帯保証】

企業が借金や社債を返せなくなったとき、ドイツ銀行が、代わって返済しなければならない。ただし、その債務が不良化しないときは、数%の保険料が収入(ドイツ銀行の利益)になります。

【リーマンとAIG】

リーマン危機のときは、AIGとリーマンブラザースが、住宅・不動産証券(MBS、ABS)に、大量のCDSをかけていました。住宅・ローン・不動産ローンのデフォルトが増えていったとき、AIGとリーマンブラザースは、保険金の支払いができなくなって(デフォルト)、2週間で破産しています(08年9月)。

このデフォルトは、CDSを買っていた銀行の損失に連鎖し、カウンター・パーティー(契約の相手)の銀行も、同時破産になったのです。2008年9月の当初、100兆円の不良債権の発生と言われましたが、後に、400兆円くらいに拡大しています。FRBは、これを公表していません。


ドイツ銀行のデリバティブ契約(7,500兆円)の中で、いくらがCDSやCDOの契約か、公開されていません。推計では、500兆円以上はあるでしょう。金利スワップや、外貨交換も、利益と得るため、高いリスクの契約が多いでしょう。


【海外貸付が大きなドイツ銀行】

ドイツ銀行が大きな利益を必要とした理由は、ドイツ国内は低金利ですが、金利の高い南欧、東欧、中近東、アジア、アフリカへの融資の焦げ付きが、増えていたからです。

貸付の金利が高いことはデフォルトのリスクが高いことです。リーマン危機あと、ドイツ銀行は世界中の高い金利で運用しようとしていました。

【まず、2019年秋が危険】

2019年秋の世界のGDPの低下から、大きすぎる負債の不良債権は増えるでしょう。ドイツ銀行は、保険料を得る目的で後発国企業に債務の連帯保証のCDSを売っています。

後発国の破産が増えたとき、同時にデフォルトするのが、連帯保証をしているドイツ銀行になったのです。CDSやCDOの面ではリーマンやAIGと全く同じです。この確率は50%でしょうか。

問題はドイツ銀行がデリバティブから破産したとき、相手銀行の連鎖破産になることです。ドイツ政府はいままでの発言をまげて、「つぶすには大きすぎる」として救済するでしょうか。

【政府の支援はあるか?】

ドイツ銀行は、債権の時価評価をすれば、実質的には自己資本比率8%(金額では16兆円)はなく債務超過に近いと推計されます。


倒産のジャンク債の水準とはいえ、7.2ユーロという株価はついています。7.2ユーロを安いと見て、買う投資家がいるからです。これらの投資家は、「ドイツ政府、またはECBが、数十兆円の救済資金を投入する」と見ています。

国民の支持を失っているメルケル首相は、2021年に退陣すると表明しています。アルコールの中毒症状が出て、公式の場でも手が震えているのが、TVの映像でもわかります。昔から、1日と酒を欠かすことのない酒豪と言われていました。公式のパーティーでも、抑制が効かずワインを大量に飲むひとかもしれません。

メルケル首相の決断にかかっています。ドイツ政府が支援の発言をしないと、2019年秋には、デリバティブからのリーマン危機と同じ規模の、他の銀行に連鎖する金融危機が、今度はユーロ発で起こる可能性がでてきました。デリバティブのデフォルトが連鎖するのは、銀行間の双務契約だからです。

以上は、リーマン危機の経験から、ユーロの首脳にもわかっています。ドイツ政府は、新任の、シャネルを着こなす悪魔ではありませんが、元IMFの理事長クリスティーヌ・ラガルドECB総裁を通じてドイツ銀行への金融支援(増発のユーロ投入)を促すと見ています。彼女は、フランスの元財務大臣です。

EUの新しい委員長もドイツ国防省の大臣だった、リリー・マルレーンとも見紛う顔のウルズラ・フォンデアライエン女史です。政治家の顔は、意外に政策にも見通しを与えます。

【その後のユーロ】

ドイツ銀行のデフォルトの危機が発現したあとは、どうなるか。ユーロは売られて、大きなユーロ安になるでしょう。

シティという、米国のウォール街に次ぐ金融センターをもつ英国のEU離脱と重なるので、30%程度は下げるかもしれません(121円→最安値85円)。

(注)域内の関税がなく、労働移動自由な経済連合であるEU28か国(英国を含む)のうち、19か国が、統一通貨のユーロです。

そのあとです。独自の通貨政策と財政政策がとれないことを理由に、南欧のユーロからの離脱の動きが表面化するかもしれません。

【ユーロの命運】

いまイタリアとスペインも、大手銀行には通貨の増発・供給が必要だからです。ユーロ加盟のままでは、ECBに従属せねばならず、通貨の供給ができないからです。

19か国の生産性と財政が異なるユーロは、最適通貨圏を形成していない矛盾をかかえる通貨です。結成20年目に、解体に向かうかも知れません。確率は40%でしょうか。問題は、ともにポピュリズム政権になった、イタリアとスペインです。


26. 中川隆[-8585] koaQ7Jey 2019年8月30日 07:42:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4167] 報告
安倍政権が選択したリフレ政策は間違っていた?
なぜ、なかなかインフレにならないのか=吉田繁治 2019年7月16日
https://www.mag2.com/p/money/725460


米国ノーベル賞学者クルーグマンが書いた『流動性の罠』をベースに、安倍政権は拡大するリフレ政策をとりました。この政策は正解だったのでしょうか。

安倍政権の経済・金融政策の中核にあるのは、円の増発

日本政府がリフレ政策をとった理由

安倍政権は、米国ノーベル賞学者クルーグマンが2001年に書いていた『流動性の罠』を日本経済のベースとして、財政赤字の縮減ではなくむしろ拡大するリフレ政策をとりました。

事業仕分けの「ムダな支出はなかった」という失敗を、傍らで見ていたからです。

方法は財政赤字の削減、つまり新規国債発行の減少ではなく、日銀が年間60兆円規模の国債を買い取る、通貨増発策でした。

2015年には、金融機関が新規国債を買っていた原資である国民の預金が、退職後人口の増加によって増えなくなる、むしろ減る傾向でした。


預金が増えない金融環境の中で、
・政府が毎年、40兆円規模の国債を発行すれば、
・売れない国債価格が下がって金利が上がり、
・財政資金は不足して、政府はデフォルトに向かいます。

2012年の時点で、2015年にはそうなる恐れがあったのです(拙著『国家破産』:2011年)。民主党政権の中でも、日銀は預金の増加ではまかなえない20兆円の国債を買い続けていました。

リフレ政策としての円の増発

安倍政権は、これに対して、2年後に2%のインフレの実現を目標にした異次元緩和策をとっています。短期金利は0%に誘導し、日銀がインフレ率が2%になるまで国債を60兆円/年買い続けることでした。

社会保障費(121兆円:2018年)の増加が主因だった財政赤字は縮減せず、金利を下げて国債を買って、円を増発するリフレ策をとったのです。

流動性の罠からの脱出論

クルーグマンは、金利がゼロになった経済では流動性選好が起こる。罠とは預金や現金を使わず、貯めることです。

しかしインフレになれば、預金通貨と現金の価値(=商品購買力)が、年々、目減りするから、現金を貯めることを増やさず、消費や投資に使おうとするだろう。借入金利を下げれば、実質金利(名目金利−期待物価上昇率)はマイナスになるので、企業の借り入れの増加による投資も起こるはずだ。


世帯の消費と企業の投資の増加によって、インフレとともに経済は潜在成長率を発揮して盛んになり、潜在成長率を超えた需要と、投資がインフレを加速する。このインフレによって、日本が1998年からかかっている金融の病であるデフレと流動性の罠から脱出できるとしたのが、クルーグマンでした。


社会保障費の赤字は削減しない:事業仕分けの愚を避ける

安倍政権は、国民から不人気になる財政赤字の削減は必要がない。インフレのためなら、むしろ財政を拡大したほうがいい。借入需要が増えても金利が上がらないようにするには、日銀が政府の負債である国債を買って、日銀の負債である通貨に換えればいいだけだとしたのです。

安倍政権には、「これが現代エコノミーだ」と自称するリフレ派エコノミストの進言がありました。政府通貨の発行を説いている「現代貨幣論」にもなっています。中央銀行による国債のファイナンス、つまり政府負債のマネタイゼーションは、大きなインフレになるまでは積極的に行うべきだとするものです。

政府は、「ゼロ金利で生じる流動性の罠」から脱出するための「2%のインフレ目標」を掲げることによって、財政赤字を堂々と日銀にファイナンスさせたのです。これは、通貨の増発を原資にした、社会民主主義の政策でもありました。

(※注)社会民主主義ではありませんが、共産主義のソ連では、「政府通貨が、返さなくてもよく、金利も要らない借金」として国有企業に貸しつけられていました。ソ連の偽装GDPは、政府通貨によって作られていたのです。日銀が行っている国債のマネタイゼーションは、政府通貨の発行とおなじことです。

経済の潜在成長力(潜在的な生産力)が高いときに需要を増加させ、十分に生産力を発揮させる政府通貨の増発は効果を上げます。しかし潜在成長力が低いときは、政府通貨の増発も効果を生まず、単に、通貨安とインフレになるだけです。

(※注)潜在成長力とは、その国の経済の、商品生産力の100%を言います。日銀が試算してる潜在成長率は1%です(2018年)
※参考:需給ギャップと潜在成長率


インフレ目的の、円安誘導ためのドル買い

自民党が政権につくことが確実視されていた2012年末からは、政府系金融(とくに郵貯とかんぽ生命)を使って、ドル国債を買わせ「円安誘導」も行っています。

円安はドル建ての輸出物価を下げ、輸入物価を上げます。輸入物価の上昇分、国内の物価は上がる(円安インフレ)。輸出物価が下がる分、輸出は増えてGDPが増える。

副次的には、ドル高によって、対外資産1,000兆円(2018年末)に為替差益分が400兆円くらいはいっています。10%(当時は約8円)のドル高(円安)でも、全体では50〜60兆円/年の評価益ですから巨大でした。

(※注)円高/ドル安のときは、逆の評価損になります。

政府系金融による[隠されたドル買い]は2012年11月からであり、金額は30兆円スケールでした。政府の連結のバランスシートにしか現れないようにように隠すのは、中国のような為替操作国と言われるからです。

日銀が、ゆうちょ銀行とかんぽ生命がもつ国債を発行価格より高く買いあげて円を供給する。→ゆうちょ銀行とかんぽ生命はこの円をもとにして、30兆円の「ドル買い/円売り」をして円安を誘導するという方法でした。

円は、2012年の80円から、2013年は100円台、15年には120円台という50%の円安になったのです(19年7月は108円台)。この間のドル建て対外資産の評価益は、ピークで400兆円だったでしょう。

金融機関と、海外に工場をもつ輸出企業、120兆円の外貨準備をもつ政府の評価益です。注意すべきは「評価益」であることです。実際に、ドル建ての対外資産が増えたのではない、GDPの潜在成長力増加の要素ではないことです。国の経済の潜在成長力は、資本の投下、つまり設備投資の増加によってしか増えません。

ところが2000年代の企業は、人口問題からの将来GDPの成長の低下を予想していて、営業キャッシュフロー以下の投資しかしていません。日銀による増加マネーは、世帯の住宅ローンの増加と、企業の借り入れによる設備投資の増加にはなっていないのです。世帯と企業の、借り入れの増加のなさが、日銀が国債の現金化(財政ファイナンスとマネタイゼーション)を約400兆円行ってもインフレになっていない理由です。


クルーグマンの「流動性の罠」から離脱するための、ゼロ金利と財政ファイナンスの処方箋は、人口の高齢化と減少予想から有効需要の増加が見込めない日本経済に対しては、誤っていたのです。


日銀を含む政府系金融による株買い

2014年10月からは、日銀が公的年金を運用している政府系のGPIFのもつ国債を買いあげて、GPIFは国債と振り替わった現金で、日本の株式を36兆円に、海外株式(ほとんどが米国株)を37兆円にふやしています。郵貯もかんぽも、内外の株を買いました。

この政府金融(郵貯銀行の総資産208兆円、かんぽ生命76兆円、GPIF159兆円:合計は443兆円と資金量が巨大)の日銀に国債を売って得た現金での株買いが、アベノミクス株価の上昇の主導をしたものです。

これに、日銀の株ETFの買い26兆円も加わっています(年間6兆円の枠で継続中)。

70兆円の買いが、株の時価総額を直接に210兆円はふやした

日銀の26兆円を含む政府系金融による国内の株買いは、2012年末以降の6年間で70兆円にはなるでしょう。

70兆円の買いは、年間12兆円、月間1兆円です。現在のちょうど600兆円の時価総額(東証一部:19年7月)のうち、株価への直接のレバレッジ率を米国の自社買い並みの3倍と低く見ても、210兆円分(35%)に相当するでしょう。

民間の株買いの誘導分を含むと50%の300兆円

平均指数の日経平均株価で言えば、2万1,500円のうち6,500円分です。ただし、政府系金融が誘導した民間の株買いが上げた分を含むと、ほぼ50%(1万円:時価総額では300兆円)が、政府系金融が惹起した株価と推計します。


前号で述べたように米国株は、2011年から18年に社債で調達した4兆ドル(440兆円)が、株価の時価総額では12兆ドル(1,320兆円)を上げています。現在の時価総額3,000兆円の44%分です。

<リーマン危機後のFRBのドル供給4兆ドル(440兆円):元になったこと>

<社債発行への波及>→低金利の社債発行(負債の増加)による、株買い4兆ドル(440兆円)
<株価上昇への波及>→株価時価総額3,000兆円→米国経済の高成長説が生じる。

これは、もとをたどればFRBのドル発行の増加、つまりFRBの負債の増加が上げた株価です。

日本では、元になったのは日銀の負債増加になる国債の現金化です。

<日銀の国債の買い400兆円により400兆円の現金を増加供給:元になったこと>

<波及(1)>→ゼロ金利の円での2%から3%の金利がつくドル買い(円売り)→40%の円安→対外資産の評価が40%上昇した

<波及(2)>→政府系金融機関の、手持ち国債が、日銀によって現金化された→その現金による株買い(70兆円)→日本の株価を35%(210兆円)は上げた。

以上のように、日米の株価はいずれも中央銀行の通貨増発がもとになったものであり、「大きな負債の上の饗宴」です。宴(うたげ)は、飲み会であり終わりが来ます。いつまでもつづけることはできない。この点が、GDPの潜在成長力を高める設備投資とは違います。

27. 中川隆[-8584] koaQ7Jey 2019年8月30日 07:46:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4168] 報告

リーマン危機から10年、膨らみ続ける世界の借金の先に見える崩壊の危機=吉田繁治 2019年4月19日
https://www.mag2.com/p/money/668681


デリバティブ証券の下落をきっかけに起きたリーマン危機から10年、米国を中心に再び世界の借金が膨らみ続けています。この借金はどこまで許容されるのか。


自社株買いで上げた米国株、上昇できるのは秋までが限界?

主要国の中央銀行による、2,000兆円の増発の経緯と結果

リーマン危機は、米銀の連鎖危機をひきおこし、79年目の「大恐慌」になるスケールのものでした。

<2000年からの米国不動産バブル>

不動産のバブル化(全米平均価格は7年で2倍)を支援する金融政策(利下げ)を実行してきた元FRB議長グリーンスパンも、「100年に一度の危機。資産バブルは崩壊してはじめてわかった(言外:現役中はわからなかった)」といっていたくらいです。

広大な土地がいくらもある米国の住宅は、宅地が狭い日本と違い、90年代まではGDPを上回る価格の上昇はなかったからです。

不動産価格の年率平均7%(大都市の商業地やリゾート地では10%以上)の上昇の陰で、どんどん大きくなっていた証券化商品がAAA格でも40%下がり、BBB格以下は価格がつかなくなって、銀行資産の縮小がチェーンのように連なり、全部の大手銀行の同時破産までが想定されていました。


<2009年1月からの株価の回復>

金融資産の喪失において、もっとも重みがあった株価の底値は、リーマン危機の日から6か月あとでした。

無限信用をもつとされていることから、銀行のシステミックな連鎖の危機を救うミッションを与えられているFRBは、
・95年の歴史ではじめての3度の緊急QE(ドルの増刷)を行い、
・400兆円規模のマネーを投入し、銀行システムを救済しています。

予定されていなかった3度のQE(いわば3度の手術)になったのは、100兆円以上を投入した1回では、銀行のデフォルトの危機をおさめることができなかったからです。

FRBが行った、米国の大手銀行の救済

この金融危機は、不動産ローンの「回収権を証券化」しているMBS(不動産ローン担保証券)、CDO(資産担保証券)、ABS(資産証券)などの、銀行の間の双務契約であるデリバティブ証券の下落から起こったものです。AAA格の証券でも、下落率は40%と大きかった。

それらを、米国の大手銀行が保有していました。ほかに、金額が大きなものとして、債務の回収を補償する保険の機能をもつCDSがありました。


対比すれば、7,500兆円という銀行間デリバティブをもつ、ドイツ銀行の5倍以上のリスクのスケールだったでしょう。

リーマン危機のあとの、米国の負債の大きな増加

他方で、リーマン危機のあとの米国の総負債は、その前の08年の33.8兆ドル(3,780兆円)から、18年には50.1兆ドル(5,510兆円)に増えています。これは、リーマン危機のあとの、銀行が10年間続けて行ってきた、貸付金の増加である信用創造(貸付行動)を示すものです。

米国、日本、欧州の銀行が、米国の政府・企業・世帯に対して貸付金をふやし、社債・国債の購入の合計で、10年間で1,730兆円(1年平均173兆円)の信用創造、つまり貸付金をふやしたのです(米国の部門別負債:BIS)。

FRBのマネー投入(418兆円)に対しては、4.1倍の信用乗数です。FRBが1兆ドルを投入するにつき、銀行の貸付金が4.1兆ドル増えたという意味です。

2018年でのGDP比の政府・企業・世帯の総負債は、危機のあとの10年で2.5倍(246%)に増えています。平均年率では9.4ポイント(%)増加です。借り入れの増加を助けたのは、株価と不動産価格の上昇です。

不動産価格の動きは株価に遅れ、上昇も下落も株価よりはおだやかです。全米20都市の住宅価格指数は06年がピークの206でした(ケース・シラー住宅価格指数)。これがリーマン危機後の09年1月には、141へと約30%下がっています。

株価に3年遅れて2012年から上がり始め、そのあと株価を追って直線的に上げ続けて、2019年の1月には、06年の金融危機前のピーク価格を越える最高の214(基準の00年の2.1倍)に上げています。

住宅価格の上昇は、住宅と商業用の不動産のローンと貸付金の増加と健全化も示しています。不動産の価格という要素だけなら、2018年で完全に回復しました。1992年からの資産バブル崩壊から、日本の不動産が価格で回復していないのは、日米の人口構造の違いがあるあるからです。わが国では不動産需要が減り、米国では、海外からの買いもあり、価格下落のあとも増え続けたからです。

2009年からは、株価と不動産の価格をバブル的に上げてきた時代

・米国の証券化商品の下落が、直接に影響した欧州のECB、
・中国の輸出経済をひっぱる対米・対欧の輸出が、急減した中国の人民銀行、
・そして、適用を間違えたクルーグマンの「流動性の罠」論を採用して、インフレ目標をとったアベノミクスの日銀も、FRBに時間をおきながら合計で18兆ドル(2,000兆円)の通貨をふやしてきました。

世界のGDPの85%を占める主要国の中央銀行の銀行に対する増発マネーが元になって、銀行の貸付金をその約4倍は増やして、リーマン危機のあと半年後からは株価を、2012年からは不動産を上げてきたのです。

【日本】
2015年には、2011年に対して50%の円安になり、円安になるとドル高の為替利益が増える輸出と海外生産が多い東証1部の株価指数(日経平均とTOPIX)は米国並みに3倍に上がっても(2015年)、不動産の価格があがらなかった例外は、年0.4%(50万人)の人口減の日本だけです。

人口減は、必要な住宅の総面積を減らし、人口増が続く東京圏以外では、空き家を大きく増やしているからです。

<負債バブルが、金融的商品の高騰を生んでいる>

2010年ころからの9年間、われわれは世界の総マネー量がバブル的に増えてきた時期のただなかにいます。経済に対して過剰なマネー量が、株価を高い水準に上げています。

21世紀は、通貨、生産コスト、賃金の低い国でのグローバル生産の進展により、
(1)主要国での消費者物価の上昇率が低いため、
(2)主要国の、高くとも3%という低い名目GDPの成長を超える通貨量の過剰(マネー量×流通速度)が、原理的にもたらすインフレが、
(3)消費財から金融的な資産(不動産・株式・国債・債券など)に移ったことが見えにくいだけです。


フィッシャーの交換方程式(M<(マネーサプライの増加)×V(預金の回転率)=P(物価)×T(実質GDP)>は、金融的な資産の領域で働いています。

名目GDPは、消費される商品だけの「生産=需要=所得」です。消費者物価の上昇は、消費財だけを対象にしています。不動産・株式・国債・債券などの多種の金融的資産は、GDPの物価上昇、需要額、所得額には含まれていません。

ところが、2010年代からはとりわけ、これらの金融的な資産にマネーが向かっています。2019年もそのただなかにあります。

「中央銀行+銀行」が借り手に対し増やしたマネーが向かうのは、時代を超え、価格が上がると人々から期待される対象物であることに違いがない。人類の5000年の歴史の普遍原理でしょう。

〔通貨発行の増加→貸し付けの増加→負債の増加→資産価格高騰〕マクロ経済で合成していえば、「中央銀行+銀行」の通貨発行の増加は、借り手の「負債=預金」を増やします。その増えた負債マネーは、「多種の金融的資産」に向かって価格を上げます。価格が上がった金融的資産は、「借り入れの担保になって→借り手の負債能力を増やし→借り入れを増えていき→投資されて→金融的資産の価格を一層上げる」という螺旋階段状の上昇にはいってバブルを作ります。

以上のマネー現象が、金額の大きな順にいえば、
(1)ゼロ金利から2%台の低い金利の、国債価格の上昇(金利は下落)
(2)シラー10年PERが、30倍というバブル株価、
(3)人口減の日本を除く、世界の不動産の高騰です。

これらの価格の上昇は、投資家(金融機関、企業、世帯)の負債の増加によって生じたものです。マネー量増加の根源には、順にいうとFRB、ECB、人民銀行、日銀による合計2,200兆円の通貨量(マネタリーベース)の増加があります。その増加が、銀行の貸しを増やし、投資家の借り入れが増えて、金融的資産への買いを大きくしているのです。


【金融資産=金融負債の原理】
問題は「金融資産=他の人の金融負債」であるため、ゼロから3%以内の低い金利のなかで金融負債が増え続けて、2018年末では250兆ドル(2京7,500兆円:国際金融協会)になっていることです。


負債はいずれの日か臨界点に達し、資産バブルが崩壊して金融危機になる

2000年から18年までの世界の総負債は、250兆ドルに増えています。

世界の総負債は、2000年には80兆ドル付近でした。当時はまだ、穏やかでした。この総負債は、2018年の250兆ドルまで3.1倍に増え、年率の6.5%と世界のGDPの平均増加率より高い増えかたをしてきました。2018年の残高は、世界の8,000兆円のGDPの約3倍に達しています。

【その原因と結果】
世界の負債の増加額は、名目GDPの増加率より数ポイントは高いことが18年、途中でのリーマン危機という金融危機を挟みながら続いて、この負債の増加こそが世界の「金融的な資産のバブル価格」を生んできたのです。

返済と利払いが必要な負債が、1年プラス6.5%で負債が増え続ければ、必ず達する臨界点にきた前後には、金融的資産のバブルは崩壊する宿命にあることです。

(1)1990年は、日本5年で5倍になった資産バブル崩壊でした。
(2)10年後の2000年は、米国の11年間で13倍になったドットコムの株価バブル崩壊、
(3)8年後の2008年は、米国の10年で2倍に上がった住宅の下落からの、サブプライムローンの下落がデリバティブの証券化商品の全面的な崩壊に波及したことからの金融危機(リーマン危機)でした。

そのリーマン危機から10年目の2018年は、世界で250兆ドル(2京7,500兆円)というイマジネーションを超える金額の負債が世界の金融的な資産の高騰を生んでいます。


このバブルが崩壊すると、貸し手の中央銀行と銀行の不良債権になり、今度は全世界的な金融危機にも至るでしょう。


〔「時期」だけの問題〕
その年度、時期がいつかというだけです。負債の増加と金融的商品の価格上昇が続くと、価格が上がり過ぎたという原因から、金融危機に至ることは確定しています。〔早ければ2020年、遅くとも2022年〕


米国のこれからの懸念は、対外負債と株価のバブル

<増え続けている対外負債の問題>

米国についていえば、まず、2017年に36兆ドル(3,960兆円:日本の政府負債の3倍)を超えた対外負債です。これは、2017年からのトランプ減税、2019年度予算で500億ドル増える予定の軍事費(8,500億ドル)、増え続ける社会保障費(公的年金+公的保険の医療費)から、毎年、過去より大きな傾向で増えます。

米国の対外資産が26兆ドルなので、対外純負債は10兆ドルです。しかし、これは2018年の米国の利上げによる金利上昇で、海外からの債権引き揚げがおこっています。

2018年度、19年から米国の対外純債務は、年1兆ドルを超える増加になるでしょう。以下のサイトに、正確な、米国の対外資産と債務の総体の数字があります。他は、タックスヘイブンから負債(米国債と株式投資)が入っていません。

この対外債務が問題なのは、増える一方であることです。米国債と米国株を買って、米国に貸す第一は日本です。

日銀の異次元管緩和による円国債買いの代金は、金融機関の現金になり円国債を売った4大メガ銀行、GPIF(公的年金の運用:151兆円:18年12月末)、郵貯(資金量約180兆円)、かんぽ保険(同80兆円)は、その円をドルに換えて米国債、米国株を買い増して運用しています。問題は、これをいつまで「前年比で増やして」続けることができるかです。

日本からのドル買い、ドル国債買い、ドル株の買いが減ると、ドル安になり、金利は上がって、米国の株価は下がります。


中国は3.4兆ドルの米国債を外貨準備として持っていましたが、すでに2018年の輸出が大きく減ったことからのドル売りによって、これを3.1兆ドルに減らしています。

大きなドル買いができるのは日本と中国ですが、これが危うくなっています。これが、米国を対外デフォルトに向かわせる要素になってきたのです。(2020年から2022年)

米国は過去、
・1871年の金・ドル交換停止による、FRBの金の引き渡しのデフォルト(金兌換のドルは、金を渡すという約束手形です)
・1985年のプラザ合意による、ドルの1/2への切り下げという形をとった、ドイツと日本への1/2デフォルトを経験しています。ドルの切り下げは、ドイツと日本のドル資産を、1/2に減らすというデフォルトです。

2020年から2022年も、米国の対外デフォルトの可能性が、日本と中国のドル買いの減少から起こる可能性が高くなっています。

米国は新興国のような、対外負債超過の国です。対外負債が超過している国は、
・海外からのその国の、通貨の買いの、前年比での減少、
・または、海外がもつドル資産の売りの超過で、あれ?と思うくらい簡単にデフォルトになります。

トランプの方法は、借金で買った不動産で3回行った借金の踏み倒しです。不動産はもったまま、債務を返さず、利払いもしないという方法です。


借金の金額が数千億円を超えると、トランプが破産すれば貸した銀行も連鎖で破産するので、やむなく追い貸し(追加の貸し出し)をして、銀行が毎年、資産を失っていくのです。


自社株買いによって、上げてきた米国株の問題

内部では、時価総額が3,000兆円の株価資産の崩壊です。3,000兆円は企業の金融資産、株主の金融資産、金融機関の金融資産になっています。2018年秋(10月から12月)のように20%下がると、600兆円が失われます。FRBのパウエルは、この株価下落を見て不安になり、2019年に予定していた3回の利上げと、国債の売りを停止しました。この2つとも、株価を下げた要素になっていたからです。

ところが、重要なことをいえば、18年秋の20%下落は18年の自社株買い1.2兆ドル(130兆円)にもかかわらず起こったことでした。高所恐怖症にかかっていた投資家の売りが大きかったからです。

幸い、FRBの3回の利上げと国債の売りの停止を好材料として、3回の利上げと国債の売りを織り込んでいた株価は20%戻しています。

社債の発行(借金)で行うものが多い自社株買いは、「借金の自社株買いで、買った以上に株価を上げる」ことがないと行えません。株価が上がらないと、社債の借金を増やしただけになり自己資本比率は下がって、CEOは株主から首をきられるでしょう。従業員と同じファイアです。

金融資産の60%以上が株価である社会の米国では、株価を下げるCEOは、存在が難しくなります。日本で言えば、個人の預金を減らした銀行と同じだからです。米国世帯の60%は株をもち、個人金融資産の60%が株だからです。

問題は、2019年に前年並みの1.2兆ドル(130兆円)の自社株買いが行えるかどうかです。最大限でも、1兆ドルをこえることは無理でしょう。株価が思うように上がらず、0.8兆ドルに減る可能性も高い。


2018年までの8年間、主導因が自社株買いだった米国の株価の下落の可能性は、今年の秋からでしょうか。もちろんこれも確率的な可能性です。

次回の、世界的になることが必然の金融危機でのもっとも大きな問題は、10年でふくらみきったB/Sをかかえしまった米・日・欧・中の4大中央銀行が、下がった債券や株を買い上げて、マネーを銀行に供給する「信用の余力」が乏しいことです。

このため、仮にこの金融危機が起こったとき、その先がどうなるか、いまは不明瞭。奈落か、あるいは4大中央銀行がペーパーマネーを1,000兆円増発しても、通貨を下落させない方法はあるのか。淡路の夕日を眺めながら、夢想したことでした。

28. 中川隆[-8583] koaQ7Jey 2019年8月30日 07:51:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4169] 報告
NYダウが30%下げると金融危機が起こる?
米国経済の弱点は高すぎる株価にあった=吉田繁治 2019年3月26日
https://www.mag2.com/p/money/655982


世界一の負債国である米国は、このままにしておけばどうなってしまうのか。負債の内訳や影響などを詳しく紹介しながら、将来の米国経済の状況を解説します。


米国の負債は経済破綻を引き起こすか?そのとき世界に与える影響

負債額世界一の米国の主体別負債

世界の中央銀行の中央銀行と言われるBIS(国際決済銀行)は、世界の経済主体別負債の統計を4半期毎にとっています。負債のデータは、統計によって相当に異なりますが、BISのデータが実態に近いでしょう。

※注:中国の金融統計では、900兆円のノンバンク分(規制外のシャドーバンク)が入っていないとか、いろんな事情があります。

米国の政府、民間企業、世帯に分けた主体別の負債からです。2008年以降を簡略化して2年毎に示します。原表は巨大なエクセルで、見にくいのです。リーマン危機のあとの10年間です。

<米国の主体別負債:BIS:単位10億ドル>

    政府部門 世帯部門 企業部門 合計(名目GDP比)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2008年  9,198 14,283 10,313 33,794(229%)
2010年 12,240 13,683 10,004 37,341(249%)
2012年 15,631 13,346 10,365 39,342(242%)
2014年 16,915 13,566 11,461 46,942(268%)
2016年 18,767 14,618 13,408 47,070(251%)
2018年 19,674 15,466 14,962 50,102(248%)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(08年比 218% 106% 145% 148%
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
※参照:https://www.bis.org/statistics/totcredit.htmより抜粋


米国でもっとも増えたのは、政府負債です(これは中央政府のみ:州の負債は含まない)。2008年の9.2兆ドル(1,012兆円)から、2018年は20兆ドル(2,200兆円)に増えています。2018年の名目GDP(20兆ドル)に対してちょうど100%です。これ自体は、問題になる水準ではない。

<比較:日本の政府負債>

日本の政府債務は、1,284兆円(国債1,079兆円+借入金155兆円など:2018年9月末:資金循環表)です。名目GDP(546兆円:18年8月)に対しては235%と、世界一大きい。日銀が敷くゼロ金利のため、この負債が無事に済んでいます。国庫からの利払いは8兆円にすぎないのです。


金利が2%、3%と上がって行く過程で、政府は金利を一層上げる新規国債を発行できなくなります。同時に、国債をもつ金融機関はゼロ金利国債の価格下落のため、総資産の8%は必要な自己資本を失って国債を買えなくなる。政府は、赤字財政を支払う資金が枯渇し、年金、医療費、公務員給料にデフォルト(=約30%の支払い遅延)が起こります。国債の発行で、財政支出の35〜40兆円くらいをまかなっているからです。日銀が、長期金利もゼロ金利誘導を続けることができるという条件で、デフォルトはしていないのです。


米国の世帯負債と企業負債が増えていない理由

連邦政府の財政赤字を原因にして、毎年10年で10兆ドル(110兆円)増えて2倍以上になった政府負債に対して、世帯の負債は1.06倍、企業は1.45倍であり、さほど増えていません。※注:米国連邦政府の赤字の第一は、軍事費の80兆円です

10年で1.4倍になった名目GDP(=商品生産額=国民所得)に対して、2018年の世帯負債は1.06倍、企業負債は1.48倍です。GDPに対する割合は、増えていません。

むしろGDPに対する世帯の負債は減っています。
※注:日本の世帯負債のGDP比60%よりは、46ポイント多い。ローンでの買い物が多いためです。

世帯負債、企業負債が増えていない原因は、08年の時価総額1,000兆円から3,000兆円(2019年2月)に上がった株価のためです。

<45%の中から上位世帯にとって、株は金融資産>

米国世帯の45%は株を持っています。2,000万円分もっていた株が、平均的に3倍の6,000万円に上がれば、半分の3,000万円分を売って、3,000万円を負債の返済に充てることができるからです。

住宅ローンの借入金の返済を3,000万円一括で行っても、株の持ち高は3,000万円残ります。これが米国の、主として上位20%の所得に属する世帯の負債が、増えなかった理由です。


3倍に上がった株価が助けたのです。米国のリーマン危機のからの回復は、株価の3倍への上昇によって果たされています。このとき、大きな働きをしたのが4兆ドルの自社株買いです。

<企業>

企業も3倍への株価上昇の恩恵を受けて、銀行借り入れ依存を減らすことができます。株価が上がる中で、増資新株の発行を行うと、投資家が払う現金が入るからです。

このため企業の負債も、10年でGDPの増加に見合う148%にしか増えていません。

米国の世帯と企業負債の弱点

株価の上昇によって負債を減らしてきた米国世帯と企業は、「株価が下落したとき金融危機」になるという弱点を抱えています。

<18年10月から12月>

3,000兆円の時価が2018年10月から12月24日のように20%下げると、600兆円の不足がでます。30%なら900兆円の金融資産の喪失であり、これは、銀行危機、世帯危機、企業危機になるレベルの損です。

FRBが4兆ドルのドル増刷で作り、日銀がゼロ金利の円で支援した過剰流動性バブルにより時価総額が3,000兆円と大きくなり過ぎているため、周期的・サイクル的な株価の変動幅とも言える30%の下落になると、金融危機が起こってしまいます。

2018年秋の、2か月間での下落幅は20%でした。

<予定していた利上げの停止を発表>

18年秋に、20%の株価バブル崩壊があったため、2018年9月と12月には利上げをしたFRBの議長パウェルが2019年1月末に、「予定していた19年の利上げを停止」と慌てて発表したのです。

<バブル株価のリスク>


米国経済の弱点は、高すぎる(と当方は判断している)株価です。投資家の悲観的な見方が増えると、20%や30%は2か月から3か月で下がる範囲だからです。


4.36兆ドル(3,960兆円)に増えている米国の対外負債

<統計のいろいろ>

米国の対外負債と、対外資産を引いた対外純債務については、統計によって大きな違いがあります。

おそらくWikipedia等で示されている公的な統計(純債務)には表れないタックスヘイブンから借り入れを、米国の対外負債に含むかどうかの違いです。

<BAEの対外負債と対外資産の統計>

BEA(経済分析研究所)は、米国の対外負債(海外からの米国投資)と、米国からの対外投資に対して、以下のようなデータを公表しています。このグラフのデータが正しいと判断します。
※参照:International Investment Position

それによると、米国の対外負債は2018年第3四半期で36兆ドル(3,960兆円)です。日本の対米国が多い対外資産が1,040兆円ですから(財務省ではなく日銀データ)、ユーロ、中国、産油国を含む世界から投資され、米国にとっては、負債になるものが36兆ドルあることは、当然でしょう。

BEAが集計する米国の対外資産は26.4兆ドル(2,904兆円)です。その結果、2018年の米国の対外純負債は、9.6兆ドル(1,056兆円)になっています。

米国の対外負債36兆ドルのリスク

問題は、36兆ドルの対外負債です。長期金利を現在の3%として、米国から対外的な金利の支払いは約1兆ドルになります。


対外負債は、対外資産の増加速度より速く、1年に1兆ドルは増えます。40兆ドルになるのは2022年です。実際にはもっと加速します。

<急激に増えていく公的年金と医療費>

8,000万人もいる第一次戦後ベビーブーマーの巨大なカタマリ(日本は1,000万人)が、毎年400万人ずつ、年金世代、医療費世代(医療費は日本の3倍以上)になって行き、政府の財政赤字が、1兆ドル、1.2兆ドル…2兆ドルと膨らんで、国債の増発になるからです。

米国は、日本の10年遅れで、高齢化に突入しています。米国の財政赤字拡大は、日本同様、必然的なものです。
※注:中国は15年遅れです。

<海外は、米国債の半分を買う>

米国は、国内の貯蓄(銀行預金)が少ないため、金融機関は全部の国債を買い切れず、海外に50%の国債を売らねばならない。これが、米国の対外負債の増加になります。

2021年に、仮に5%への金利の上昇があると、米国の対外利払いは40兆ドル×5%≒2兆ドル(220兆円)になります。このときが、金利払いで対外債務が膨らみ続ける、破産サイクルにはいるのです。


35兆ドルという、米国の対外債務は、以上のような意味を含んでいるのです。


米国がデフォルトになる可能性とは

まとめれば、米国は2021〜22年までに、
(1)株価の30%下落
(2)金利の5%への上昇
があると、対外デフォルトして破産します。

デフォルトの寸前になると、米国が呼び掛ける第二のブラザ合意により、米ドルを1/2に切り下げることになるでしょう。

<対外負債はドル建て>

米国は基軸通貨国の特権として、対外負債はドル建てですが、海外株などの対外資産は現地通貨です。たとえば、日本株は30%の150兆円、ヘッジファンドがもっていますが、それは円建てです。

<対外資産は現地通貨建て:円建て、ユーロ建て、元建て>

ドル建ての対外負債は、ドルの1/2への切り下げにより、半分の20兆ドルの価値に下がります。一方で、26.4兆ドルの現地通貨建ての対外資産は、そのままです。1/2へのドル切り下げ(ドル安)を行うと、米国は一夜で、6.4兆ドルという世界最大の対外債権国に浮上するのです。

ドル切り下げのとき、ドル基軸体制も、順次、終焉に向かうでしょう。新たな国際通貨は、中国が提案しているIMFの通貨、SDRのようなものになるでしょう。

<中国の、国際通貨の提案は、IMFのSDRのようなもの>

中国の提案が通りやすいのは、中国がもっとも多くの米国債(3.1兆ドル)を買って、保有しているからです。債権者は債務者より強い。


1/2へのドル切り下げで、金額は同じ3.1兆ドルでも、価値は1.6兆ドルに下がります。損を甘んじて受ける債権者の立場は強くなります。日本も米国に対する債権者ですが、米国に支配されていて従属することでしか発言力はありません。

<日本の立場>

プラザ合意のとき、NYプラザホテルの会議に出席していた、竹下大蔵大臣は「友人がドル高で困っているから、助ける」と国会同答弁していました。このときも、日本はドル建て対外資産の価値低下で損をしています。

<日本の損害は260兆円>

次回のドル切り下げのときの、日本(外貨準備をもつ政府、米国の株、国債、外貨預金をもつ金融機関やファンド、直接投資した対外資産をもつ企業、外貨預金をもつ世帯)の損は巨大です。

対外資産1,040兆円のうち、65%はドル建てでしょうから、損は「1,040×65%×50%=260兆円」です。ドル切り下げは、米国の金融危機を、日本に移転させる効果をもちます。ドル債を買ってドル基軸体制を支えてきた日本の、自己責任になるでしょう。

2021年から2022年に、このリスクが発現するかもしれません。米国の対外負債は、米国の経常収支は、構造的な赤字ですから、返すことはなく、毎年、確実に累積します。

米中貿易戦争や、これからの日米貿易協議によって減らせる赤字は、米国を黒字に転化させるには、程遠いものです。

米国の経常収支の赤字(2018年は1兆ドル以上)が、米国の対外債務の増加になるのは、以下の、国際金融のメカニズムによってです。

(1)米国への輸出企業と、投資からの所得がある企業は、米国の企業からドルを受けとる。
(2)国内の仕入れ代金と給料の支払いのため、日本企業は受け取ったドルを銀行で円に交換する。(注)これが、ドル売り/円買いです。
(3)銀行に貯まったドルは、財務省が国庫短期証券を発行した円で、買い上げる。(注)財務省による、ドル買い/円売り。
(4)財務省に、ドルが溜まる。これが、対外資産の一部でもある外貨準備です。
(5)海外の債券を買う企業は、銀行で円をドルに交換する。(円売り/ドル買い)
(6)そのドルで、米国の不動産に直接投資をし、工場をつくる。
(7)または、米国株、米国債、社債を買う。
※注:この(6)と(7)が対外投資であり、米国にとっては対外債務になります。

経常収支が構造的に赤字の米ドルを、他の通貨より価値が変わらない基軸通貨として認め、支えてきた世界は、米国の対外債務の増加から危機に向かっています。いずれ、しかし、必ず起こることを想定していたユーロ19か国は、ドイツを先頭にしてドル圏かから2000年に逃げていたのです。ドル切り下げの被害がもっとも大きな国は日本、2位が中国、3位が産油国です。

本号はここまでとします。次は、経済メディアでも取り上げられ、ドルに次いで世界に大きな影響を及ぼすリスクとして浮上してきた、中国の債務の問題と予想です。

29. 中川隆[-8582] koaQ7Jey 2019年8月30日 07:58:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4170] 報告
30代世帯の純貯蓄はマイナス735万円…米国を下回った日本の世帯貯蓄率の背景=吉田繁治 2019年6月21日
https://www.mag2.com/p/money/713972


国会で「65歳以降、2,000万円が足りない」という論争が話題になっていますが、この論争は無益です。今回はその本質とその背景について詳しく解説していきます


社会保障の財源を知ると財政問題がわかる

2019年6月19日: 年金・医療費・介護費の30%財源は国債

国会では「65歳以降、2,000万円が足りない」をめぐって、選挙目当ての無益な論議が起こっています。

麻生大臣が、
・諮問会議の「報告書」を拒否すること、
・野党が「100年安心できる年金ではない」として非難すること
の両方が、今後の社会保障についての真正な論点をはずしているからです。

麻生大臣を筆頭にした不勉強が根にある問題か、あるいは知ったうえでの答弁と質問なら、ともに国民を欺いています。

年金を含む社会保障では、財源の問題が本筋です(121兆円:2018年度:年金、医療費、介護他の公的保険給付)。


【社会保障費不足は50.8兆円】

個人と会社が払っている社会保険料(70.2兆円)では、給付額121兆円に、50.8兆円(42%)も足りていません。足りないということは年金、医療費、介護費の、制度で決めた額の100%支給ができない。

このため政府は、
・国債(33.1兆円)と地方債(13.8兆円)を合計で46.9兆円発行し、その収入を給付に充てています。
・加えて、年金と医療費の積立金(特別会計に所属)の運用収入から3.9兆円を入れて、不足分を補っています。
※参考:日本の財政関係資料:財務省:2018年

GPIFの運用と、最近の結果

年金受給者が少なく、公的年金が黒字だったときの積立金を、GPIFが預かって運用している金額は151兆円です(18年12月末)。国内株で36兆円、海外株(主は米国)で37兆円の運用です。合計73兆円が「リスクマネー」になっています。

2018年の第3四半期には、米国株・日本株の約20%の下落が原因になり、14.8兆円の損をしています。GPIFは、金利が上がらない限りは価格が下がらない運用ができていた円国債を日銀に売って、安倍政権の株価上昇策に促され(あるいは命じられて)、「国民に諮(はか)ることなく」、日米の株式に振り替えています。

2014年からはGPIFが日銀に国債を売り、その代金で約20兆円の日本株を買ったとき、当然のこととして、株価が上がりました(2014年10月1万5,700円→15年7月2万500円:日経平均)。


しかし、有限な資金のGPIFが、日本株に振り当てた30兆円で、買い増しをやめたとき、株価が下っています(2016年)。GPIFのあと、今度は、日銀が年間6兆円の特例の株買いで、支えています(19年6月には、26兆円の株価指数(株ETF)の所有)。

官製相場が30%(時価総額では150兆円)

今日は2万1,333円の日経平均で、その約30%分(6,000円)くらいが、官製相場によるものでしょう(郵貯+かんぽ生命+GPIF+日銀の買い)。官製相場は、永久に続けることはできない。しかし、政府系金融機関が売ると暴落の契機をつくるので、売ることもできない。

株価が暴落したときは、国民の年金マネーが減ってしまう運用構造になっています。GPIFのお金は、政府でなく国民が年金保険でおさめたものです。GPIFが、勝手に運用方法を決めていいものでしょうか?

【日銀も、株を買い続けることはできない】

日銀が、1年に6兆円の株の買い増しをやめるときは、ほぼ100%の確率で、日本株は下落します。そのとき、官製相場を作ってきた政府系金融機関(ゆうちょ、かんぽ、GPIF、日銀)には、大きな損がでます。結果責任は、誰が負うのでしょう。ゆうちょ、かんぽ、GPIF、日銀のマネーは、いずれも国民が所有者です。政府は所有者ではない。

【政府系金融機関の株買いの意味】

わが国では、個人で株を買う人は700万人しかいません(成人の7%)。40%の米国より、はるかに少ない。ところが、国民のマネーを運用している政府系の金融機関が、個人の代わりに株を買っています。

間接的ではあっても、国民が株を買って自分の年金基金を長期運用しているのとおなじことになっているのです。

日銀の発行マネー(日銀の負債)も、民間金融機関と国民が所有者であるマネーです。日銀のものではない。郵貯、かんぽ生命、GPIFのマネーも所有者は、国民です。政府に、こうした認識があるでしょうか。


【保険支払額より、給付額が少なくなる40歳以下の世代】

50歳以下の世代は、保険料の支払額に対して、年金・医療費・介護費を含む受益額は、赤字です。

社会保険料は会社が50%負担とはいいますが、会社側にとっては、人件費と同じです。個人分は、所得税と同じように会社が天引きして支払っています。

財政赤字の主因(33兆円分)は、足りない社会保障費の補填

【政府の税収+金融収入は、63.9兆円】

中央政府の総税収は、
・個人所得税(19.0兆円)、法人税(12.2兆円)、消費税(17.6兆円:8%)、物品税等10.3兆円、合計で59.1兆円しかない。
・その他の金融収入等が4.8兆円です。合計では63.9兆円が、政府の収入です。

【一般会計の財政支出は、97.7兆円】

一方で、中央政府の「一般会計」の支出は97.7兆円です(2018年度)。一般会計のなかに、特別会計の社会保障費(年金・医療費・介護費)を補填する33.0兆円が、もっとも大きな支出として含まれています。

【国債の発行が、33.6兆円】

中央政府の赤字国債の発行は、33.6兆円です(2018度)。社会保障費の、中央政府からの必要な補填33.0兆円は、税収ではまかなえず、財政赤字になり、2018年は33.6兆円の国債の発行、売却です。

家計と政府の双方で、赤字とは、お金の不足です。不足分は、国債の増発として借入金で調達されています。借入金でも、資金収支(キャッシュフロー会計)では収入になります。

【大福帳会計という方法】

政府の一般会計は、奈良時代の昔から損益会計ではなく、家計簿と同じ大福帳会計です。このため、国債の売りを、政府の売上収入と誤解しているふしも見えます。


政府は、借換債120兆円を含むと、1年に150兆円〜160兆円の新発国債を発行して、金融機関と日銀に売っているのです。国債は利付き借用証ですが、それが売れれば、資金の収入にはなります。


1990年代の財政赤字(400兆円)の原因

1990年代までは、米国が日本経済の構造改革として要求した公共事業費1年40兆円が、財政赤字の主因でした。この赤字が、10年間で約400兆円の国債の発行になって、いまも残っています。

【構造協議開催よる米国の要求】

日本の貿易黒字(=米国の貿易赤字)の原因は、日本が貯蓄額以上には、国内投資をしていないからである。米国は、「構造協議」を開催し、対米貿易黒字を減らすための内需拡大策として、1年に40兆円の公共投資を要求したのです。

日本政府はこれに応じ、国債を増発して、10年間で400兆円(40兆円/年)の公共投資を行ったのです。官庁の建物、高速道路、ダム、橋、河川整備、港湾整備、森林整備…などです。

リフレ派の政府系エコノミストは、国債という負債の裏に、政府が管理(専有)する公共資産があるから、資産を引けば、実質的な政府の負債は少ないと、政府のB/Sを作って、今も、主張しています。

専有と所有という概念は、違うものです。専有は管理、所有は自分のものとしてもつことです。公共資産は、政府が専有するものであっても、所有するものではない。公共資産は、税を払う国民が所有しているものです。

これらの公共投資は、帳簿上では名目的な資産として見なすことはできても、民間に売って換金できるものではない。政府間で売っても、政府のマネー増加にはならない。森友学園に対して行った、国有地払い下げのように、民間に売らなければマネーにはならない。


一体誰が、公共投資で整備された河川、港湾、橋、高速道路、森林を買うでしょうか。国会や、官庁の建物、設備、美術館、博物館も買う人がいるかどうか。

不動産会社は買いません。官庁の建物を買っても、政府にリースしなければならないからです。

換金できない資産は、会計上、負債と相殺できる有効な資産ではありません。企業が、「買い手がなく売れない土地」を所有していても、銀行が「担保価値があると見る有効な資産」でないのと同じです。公共投資の不動産は買うことの意味がない「月や火星の土地」と同じです。

【中国への米国の要求】

現在、トランプ政権は、中国輸入に対して関税をかけ、対中貿易赤字を減らそうとしています(3,752億ドル:41兆円:世界に対する米国の貿易赤字の50%)。これも90年代の日本に対して要求した「構造協議」とおなじ筋のものです。米国は勝手な国家です。

日本は、公共事業は官僚の権益になるので、進んで財政赤字を拡大し、国債発行して10年間で400兆円を使いました。400兆円の国債として残っています。国債の返済は1円もなく、借り換えていて(手形の期日を伸ばすジャンプともいう)、現在の負担になっています。


一方では、年40兆円の公共事業が、資産バブル崩壊のあとの、90年代のGDPの減少をとめていたのです。


2000年代の財政赤字の原因は、退職世代に増加によって増えた社会保障費

【生産年齢人口の減少は、24年も前からだった】

日本は、1995年に生産年齢人口(15歳〜64歳)が、8,716万人でピークを迎え、その後は、減少する時代になりました。

2016年には7,656万人へと1,060万人減っています(内閣府)。働く世代は、1年の平均で50万人減っています。生産年齢の人口が減った分、自然に、65歳になっていく人口は増えます。

この人口構造の変化を見れば、経済(GDP)が2%以上成長するわけがないことがわかるでしょう。GDP=1人当たり生産性×労働人口、だからです。1人当たり生産性は、1年に0.5%から1%しか上がっていないからです。

(注)働く世代の減少を補うAIの利用が、進み始める2025年ころまでは経済(GDP)の3%以上の成長は、期待できません。2030年ころから「GDP(=総所得)の増加より、1人当たりの所得が増える時代」に向かうでしょう。ただしAIの利用では、職を失ったひとが、別の職に移動する期間の、生産性の低下が必要です。なおAIは、増える医療での生産性を上げる効果をもちます。たとえば、画像診断や診療でAIを使うと、医療の生産性が上がります。AIをみていると、人類は、困難と思われることを克服する技術を準備することもわかります。

【公共投資は半減されたが、社会保障費が増えた】

2000年代からは(小泉内閣の構造改革)、40兆円の公共投資は20兆円レベルに削減され、公共投資が多かった地方の建設・土木の不況をもたらしました。20兆円の公共事業(建築・土木需要)が減ったのですから、公共投資が多かった地方が不況になるのは当然でしょう。

代わりに増えたのは、
(1)社会保障費を使う(受給する)、65歳以上の人口の増加と、企業の利益の減少によって、個人所得税、法人税が減ったことが重なったことからの、
(2)社会保障費の赤字(1年に30兆円から35兆円)です。


【所得税の低下原因】

個人の所得税が減った理由は、生産年齢人口(働く人)が減ったことから、世帯所得が1995年を頂点に減ってきたからです。

世帯所得の減少とともに、1995年までは高かった日本の世帯の貯蓄率は、信じられないことですが、米国を下回ったのです。(1995年10.1%→2007年3.3%→2017年2.5%)。

このため、財投債(国債と同じ)を買っていた郵貯と国債を買っていた郵貯と銀行預金は、増えなくなっていきました。

ところが社会保障費の赤字から、国債の増発は続いたのです。

【1998年から、日銀による国債の買いが始まった】

金融機関が買えない分(当時は10兆円〜20兆円:現在は30兆円)を、日銀が買うしかなくなったのは1998年からです。

日銀が買わないと、国債の金利が上がって、財政赤字のため増加発行をつづけなければならない国債価格が、売れる価格になるまで下がるからです。日銀の国債買いは、わが国の資産バブル崩壊後の金融危機だった1998年から始まっています。

2019年6月の日銀の国債所有額は481兆円であり、普通国債の約50%です。中央銀行が、戦時国債以外の国債の半分をもつ国は、日本だけです。

【法人税の減少】

法人税が減ったのは、名目GDPの成長がなく企業の利益が減少したからです。名目GDPは、商品を生産する企業の付加価値額に一致します。これがふえなくなると、260万社の合計での企業利益は、当然に減少します。


所得税と法人税収の減少と、65歳以上の人口がふえたことによる社会保障費の増加が、2000円年代の財政赤字であり、国債の増発の原因になって残高が1,000兆円規模になったのです。


「年金は100年安心」の内容は、安心できない

政府は「100年安心の年金」といっています。この安心には、3つの、前提となる政策があります。

(1)公的年金の支給額を、モデル世帯の平均収入の50%に抑えること。これが基本です。
(2)50%に抑えるため、「マクロ経済スライド」として、賃金と物価の上昇率より、年金の増額を低くすること。
(3)もっとも肝心な条件は、政府が年30兆円以上の国債を増発し続けても、金利が上がらず、国債価格が下がらないことです。

安倍首相は、(1)(2)の条件は言っても、(3)の条件は絶対にいいません。

理由は、「日銀が国債を買い続ければ、金利は上がらない」という「MMT(現代貨幣論)」の、自国通貨イデオロギー的な主張を、信じているからでしょう。財務省も、当然に言わない。日銀も言いません。第二次世界大戦につきすすんだ陸軍に似ています。付記すれば、国民世論に対して戦争をもっともあおったのは、いまは「反政府」の傾向がある朝日新聞でした。

100年安心とは、「65歳のあと95歳までの、平均的な生活費は年金で足りる」ということではない。この点で、野党(蓮舫議員)の質問と非難は、的はずれです。

現役時代の平均所得の半分に「基礎年金+厚生年金」の支給額を抑え続けることができれば、年金制度の赤字が今より拡大することはないので、「制度が破綻することはない」という意味のものです。賃金が下がると、年金も下がる仕組みにしたからです。


つまり、年金の100年安心は、「年金の赤字が増えると、年金額を政府が減らすから」というものです。「年金支給が増えても安心」というものではない。

現在の貯蓄額から見える、驚嘆の内容

金融庁の諮問会議は、65歳で無職世帯の、平均的な必要貯蓄額は30年で2,000万円と報告しました。現在の貯蓄額を見て行きましょう。民間の委員を招集する諮問会議は、官僚が政策を作るための、素案を提供します。行政の民主化のための制度です。

【世代別の、純貯蓄額】

世帯主が60歳以上の、2人以上の勤労者世帯の、負債を引いた純貯蓄額の平均は、1,837万円です(2018年)。50代以下も示します。
・50代 1,014万円、
・40代  499万円、
・30代は住宅ローンのため、マイナス735万円、
・29歳以下は、マイナス297万円です。
全世代の平均の純貯蓄は499万円です。(家計調査)

注目すべきことは、全部の世代で、普通なら増えるべき純貯蓄額が減り続けていることです。全世代平均では、2002年から30万円くらい減っています。原因は、「所得が減って余裕が減り、貯蓄率が下がったこと」からです。GDPの伸びのなさは、同じ世代の世帯の貯蓄の減少という、先進国で唯一の結果を、もたらしています。

とくに30代の世帯の、純貯蓄の減少は激しく、2002年の30代世帯は、純貯蓄は、ほぼゼロでした。貯蓄と負債がバランスしていたということです。

ところが2018年の30代世帯は、純貯蓄がマイナス735万円です。大きな負債の超過です。これが、「必要な生活費が増える子供を作らない」ということの、もっとも大きな原因でしょう。びっくりしました。

30代以下の世代は、将来の社会保障費の受給においても、保険料の支払いが、1人当たりで1,000万円くらいは、超過する世代です。政府は、社会保障において、世界一の、世代間の生活格差の社会を作ったのです。30代の海外旅行が少ない理由も、はっきりわかりました。海外の観光旅行では、60歳以上の人が多いのです。

いまの傾向での社会保障費からは、現在の30代は、65歳を超えて退職したとき、平均的な預金額が、ゼロである可能性が高い。しかも社会保障では支払い超過の損をつづけます。政府は、ここを見ているでしょうか?見ていないと思えます。生活は100年安心ではない。30年先すら危ないのです。

30代の世帯の本人も、純貯蓄の大きなマイナスを知っているでしょうか。知れば、叛乱を起こしてもいいくらいのものです。加えて、ローンで買った住宅価格が上がって、資産ができることもないからからです。

65歳以上の世代は、子供たちに対して、遺産を2,000万円以上残す「義務」があるでしょう。当方からの提案です。国債は、後世の世代の負担です。その負担が生じるのは、社会保障費の赤字です。その社会保証費では、今の65歳以上、支払った保険以上に受益しています。


受益分は、社会保障の負担をする一方の40代、30代、20代に還元する義務があるでしょう。


【厚生年金の平均額】

厚生年金の対象者の、2018年の平均支給額は夫婦2人で平均21万円/月です。国民年金(基礎年金ともいう)の夫婦は、1か月13万円です。2人の厚生年金は、「基礎年金(13万円)+厚生年金(約8万円)」です。これは、平均の支給額です。

現役時代の所得が高かった人(=所得大に対しし一定率の保険料を多くおさめた人)と、共済年金がプラスされる公務員は、1人が平均20万円(年間240万円)くらいです。

共稼ぎのときは、夫婦2人で、平均が月30万円(年間360万円)です。月30万円の年金の公務員なら、確かに「100年の生活安心」になるでしょうか。

【2000年代からの、財政赤字の原因は、増えた社会保障費】

年金(56.7兆円支給)、医療費(39.2兆円)、介護費他(25.3兆円)、合計では121.3兆円にふくらんだ社会保障費での、
・保険料ではまかなえない赤字(46.7兆円:お金の不足)が、
・国債と地方債発行の主因になっています。

◎政府の赤字財政が持続可能かどうかの問題は、65歳以上の人口増加から、支給額が同じなら1年に3%(約3.6兆円)は増えていく社会保障費をどうするかに、かかっています。

◎財政赤字の継続が、長期間、可能であること、言いかえれば国債の増発がどこまでもできるということがない限り、いまの「社会保障制度」も安心ではない。


【65歳以上の人口】

年金、医療費、介護費の対象者になる65歳以上は、2016年で3,459万人です。同年の総人口1億2,683万人での構成比は、27.3%でした。

21年後の2040年には、65歳以上の人口は、3,901万人へと442万人増加します。年間で18万人増えることは、確実です。人口は確定した未来です。(国立社会保障・人口問題研究所:2017年推計)

65歳以上が増えるなかで、総人口は、2040年には1億1,003万人へと、1,680万人も減ります。1年間で「1680÷24年=70万人平均」で減って行きます。

【生産年齢人口の減少は続く】

総人口のうち、社会保険料を支払う現役世代が多い生産年齢人口(15歳〜64歳)は、2016年では7,648万人です。2040年には5,978万人へと、1,670万人も減ります。減少は毎年平均69万人です。総人口の減りかたより、生産年齢人口の減少のほうが多い。

2040年では、総人口1億1,003万人に対する65歳以上の構成比は、35%に上がります。文章で読んだだけでは、ごちゃごちゃになっているかもしれません。表にします。

           2016年    2040年    増減
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・65歳以上の人口   3,459万人   3,901万人  +442万人
・生産年齢人口    7,648万人   ,5978万人 −1,670万人
・総人口     1億2,683万人  1億1,003万人 −1,680万人
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

以上のように、日本の人口問題とは、生産年齢人口の大きな減少(年間70万人)であることがわかるでしょう。この世代は、働いて年金・医療保険を払っていて、まだ受け取らないひとたちです。

一方で、年金・医療保険を、払った累積額以上に大きく受けとる65歳以上は増えるのです。

65歳以上の世代が受け取っている年金・医療費・介護費のうち約30%が、政府の財政赤字(33.6兆円)になり、国債の増発になっています。

再確認すると、政府が「年金制度は100年安心」という理由は、3つです。
(1)社会保障費の30%の国債を、金利を上げることなく、増加発行し続けることができること(2018年は+33.6兆円)
(2)「マクロ経済スライド」という減額の方法により、年金の支給額額を、現役時代の平均の約50%を超えないように抑えること(つまり所得代替率50%)
(3)政府は財政赤字の国債発行を、いつまでの可能としていること。

意味が分かりにくい「マクロ経済スライド」は、
・物価と賃金の上昇があっても、年金はその分は増やさず、
・年金を受け取る平均余命の、伸び率の分を減額して(年0.3%の減額で固定)、わずかしか増やさないという方法です。

【2019年度支給年金のマクロ経済スライド】

具体的にいうと、2018年では消費者物価は1%上がり、働く人の名目手取り賃金の総平均は、0.6%上がっています(実質所得は-0.4%です)。

これに対して、年金額の改定は+0.1%でした(2019年度支給分)。物価上昇を引いた実質では、2018年に対して0.9%下がったことになります。これは、4年ぶりの改定でした。

なお物価が1%下がるときは、年金は1%減らされます(実質額は同じです)。

「社会保障制度は100年安心」ということの本質にあるもの

政府からは安心とされている社会保障制度の、財政での問題は、
・中央政府の、財政赤字の分(2018年は33.6兆円)、国債を増加させつづけても、
・金利が3%に上がるときはないかという問題です。

つまり金利が、「社会保障制度への安心」の、本質的な課題になるものです。国債問題の本質は、金利です。

2018年12月で1,304兆円の政府部門の負債があるわが国では、試算すると、(うち国債・地方債は1,096兆円)
・金利が2.5%から、財政支払いの危機に向かい、
・3%になると、価格が下がる国債の発行難が起こって、財政予算の100%支払いができないというデフォルトになるからです。


国債の増加発行ができないと、121兆円の社会保障費も、70%しか払えなくなります。30%は未払い、または時期を決めない延べ払いになるのです。これをデフォルトといいます。


【政府の破産とは、デフォルトのことである】

なお、政府は、債務超過になって、借り入れができなくなった企業のような倒産と破綻はしません。倒産した企業は、その日から企業活動ができなくなります。しかし、政府の行政は、続きます。

国会と公務員組織も残ります。倒産会社の社長とはちがい、首相や大臣という職業も存在しつづけます。革命が起こらないかぎり、政府は存在し続けます。

政府の破産とは、革命や倒産ではなく、デフォルトのことです。

デフォルトとは、法令で決めたまたは予算とした支出の支払いが、100%はできなくなることです。120兆円発行しなれればならない借換債の発行にも困難をきたすので、満期がきた国債の返済と、利払いもできなくなります。これが国債のデフォルトです。

▼MMT(現代貨幣理論)の主張

ここでMMT(現代貨幣理論)の主張です。政府の子会社が中央銀行である。このため両方を資産・負債を統合して、連結で見なければならない。中央銀行は、政府の国債を買って、国債を通貨に換えることができる。通貨は、国債と違い、返済と利払いが要らない。「政府紙幣」を発行したことと同じになります。


中央銀行が、財政赤字から発行する国債を買い続ければ(政府紙幣を発行すれば)、銀行借り入れのクラウディングアウトにはならず、金利も上がらない。

つまり政府の破産(デフォルト)は永久にない。ただし、インフレの可能性はある。大きなインフレの時は(想定は7%以上か?)、増税するか、財政支出を絞れば、短期で収まる。

以上の原理から、政府は「完全雇用」を目的に、積極的に財政赤字を作って、財政支出を増加させるべきである。

以上が、自国通貨をもつ国の政府財政についての、MMT(現代貨幣理論)の主張です。果たして、これは正しいでしょうか。当メルマガの前号でもとりあげました。

▼米国での論争

トランプ財政(減税と軍事費の増加)で、赤字が1兆ドルに増えている米国で、論争が起こっています。

米国連邦政府の財政の累積赤字は22兆ドル(2,420兆円)に達して、連邦国債の発行額になっています。FRBは2.15兆ドル(236兆円)の米国債を買って、ドルに変換しています。
※参考:Quarterly Report on FederalReserve Balance Sheet
Developments

(注)米国では、州の赤字(州債や市債の発行)も連邦に匹敵します。NY市は何回か、夕張市のように破産しています。市が破産すると、警察官や公務員は、ドライに、その日からレイオフになります。カリフォルニア州の、豊かなひとたちが住んでいて税収が多いオレンジ・カウンティ(郡)も、デリバティブによるマネー運用の失敗から1994年には破産していました(損失17億ドル)。


オレンジ郡の財政予算の規模は、37億ドルでした。日本では、政府の破産をこの世の終わりのようにいう人が多いのですが、そうではありません。

MMT(現代貨幣論)の財政モデルは、異次元緩和を行った日本だった

日本は、世界のなかで、もっともGDP比の累積財政赤字が大きい。
()内は世界の順位です。

▼世界のGDP比の累積財政赤字(=政府の負債)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(1)日本 GDP比 237%(長期金利マイナス0.13%)
(2)ギリシア 183%(2010年に破産:当時の金利30%:現在3.4%)
(3)ベネズエラ 175%(ハイパーインフレ:81万%)
(6)イタリア 132%(2011年の長期金利7%:現在は2.29%)
(11)シンガポール 108%(長期金利2.09%)
(12)米国 106%(長期金利2.077%)
(18)フランス 98%(長期金利0.108%)
(29)英国 86%(長期金利0.853%)

※出典:世界の政府債務残高対GDP比 国別ランキング・推移
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(注)各国政府の債務は、その内容をみると一律には順位をつけて比較することができない性格ももっています。

【米国と中国についての注記】

(1)米国は、政府負債GDP比106%と、日本より少ない代わりに、海外が米国に貸しつけたことになる対外負債が36兆ドル(名目GDP比163%:3,960兆円)と大きい。

(2)中国は、政府負債がGDP比54%と少ない代わりに、政府に代わって住宅投資、設備投資を行ってきた企業部門の、国有銀行からの負債が、GDP比184%と大きい(18年3月)。中国では、連結で見なければならない国有企業が、共産党政府の代わりに、GDP比110%(企業負債の60%)の負債を抱えてきたからです。政府紙幣を発行している共産主義では、たとえば、携帯電話のファーウェイに対する政府の支配に見るように、全部門も政府とみてもいいものです。

負債の大きな中国企業の破産と、企業の不良債務の少なさの理由は、国有銀行が、不足した政府紙幣を貸し付けているからです。


(3)米国、中国とも、ほんとうは、日本と同じレベルの政府負債が、実質的にはあるとみなければならない。

米国の36兆ドルの対外負債は、FRBが発行したドルベースの負債だからです(海外からの米国債の買い、米国企業の株の買い、社債の買い、証券化商品の買い)。

(注)日本は、政府管理の金融資産を引いた純負債でもGDP比153%で世界1位です。イタリアは120%、ポルトガルは108%、フランスは87%、米国は80%、英国は77%です。
※参考:世界の政府純債務残高対GDP比 国別ランキング・推移

【政府紙幣】

政府紙幣とは、政府が財政支出のとき、国債の代わりに発行するものです。日本では、明治初期の、米価3倍のインフレを起こした太政官札が政府紙幣でした。

江戸時代の、改鋳されて量が増えていた小判も、紙幣ではない政府貨幣です。政府紙幣は、税収以上の財政支出になって、必ずインフレを起こしていました。

19世紀からは中央銀行を作って、政府は金融機関に売る国債を発行するようにして、(1)紙幣は中央銀行が、(2)預金通貨は貸付金を増やす能力をもつ銀行が発行するように、変わってきたのです。

中央銀行は、通貨量と金利の調節を行い、通貨の価値(商品の購買力)を下げるインフレを起こさないことが、公的なミッションでした。

数年の準備を経てやおら登場した「現代貨幣論」は、政府と中央銀行を連結して統合政府とすることよって、財政支出に政府紙幣を使うということを主張するものです。

政府紙幣なら、国債とは違い、満期の返済と、毎年の利払いがない。政府が財政赤字(支出−税収)を増やしても、支出は政府紙幣で決済できるから、政府が破産(デフォルト)に陥ることはない主張しています。

じつは、リフレ派のエコノミストにも、政府紙幣の発行を要請するがひとたちが混じっていました。現代貨幣論は、理論的な装いをとって政府紙幣を根拠づけたのです。


(注)現代貨幣論の前は、中央銀行が国債を買うことは、国債を現金化する「マネタイゼーション」であり禁止事項だと言われていました。


米国では「バーナンキの逆説」があった

【国債のマネタイゼーション】

元FRB議長のバーナンキは、恐慌学者ですが、リーマン危機のQE(量的緩和4兆ドル)のとき、記者に問われ、以下のように答えてしました。

政府の発行する国債をFRBが買って「マネタイゼーション(国債の現金化)」をすれば、政府紙幣の発行と同じになる。政府紙幣の発行が有効なら、政府は、財政支出を税収でまかなう必要なくなるだろう。つまり、無税国家も誕生できることになる。

【税金は、民間の商品需要を減らす】

税は、国民の購買力を削減するものである。税金を払った分、商品は買えなくなるから。しかし、無税にすれば、民間経済が、「GDP=生産力=所得=需要」になるだろう。

【政府紙幣】

その中で、政府が政府紙幣の増加発行により、財政支出という需要を作ると、民間需要で100%になっている生産力に対して、超過需要を作ることになる。

つまり「需要量(国民の無税所得+財政支出)>商品生産力」である。その結果、大きなインフレになっていく。インフレとは、金利の上昇であり、同時に政府紙幣の価値の下落であり、自由な外為市場では通貨の暴落になる。

【金融危機への効果的な対策は、政府紙幣だけではない】

不良債権により銀行の資産が縮小したことからの、マネーサプライの減少という金融恐慌が、実体経済の需要を減らす恐慌に波及する恐れのときは、
・中央銀行が国債を買って、マネーを増発はしても、
・政府紙幣の発行は、行うべきではない。


【プラチナコインの政府通貨のアイデアは、MBSの買いになった】

じつはリーマン危機のあと、オバマ内閣の議員からは、「政府が、1枚で1兆ドルのプラチナコインをFRBに発行し、FRBは1兆ドル増発して政府に与え、政府はそれを財政支出(=銀行の資本支援)につかえばいい」というアイデアもあったのです。

これは政府通貨の発行と同じです。さすがに実行はされませんでした。10年前に、現代貨幣論が登場していれば、FRBも行ったかもしれません。

当時は、クルーグマンが日本に勧めた「ケインズの流動性の罠論」しかなったのです。「復活だぁっ!日本の不況と流動性トラップの逆襲」(山形浩生訳)2001年:(クルーグマンの金融理論です)。
※参考:復活だぁっ! 日本の不況と流動性トラップの逆襲

FRBは、オバマ大統領の顔を刻印した1兆ドルのプラチナコインの代わりに、AAA格で60%に下落してBBB格は価格がゼロになっていたMBS(住宅ローン担保の回収権の証券)を約2兆ドル(220兆円)、市場の時価ではなく発行額面で買って、金融機関に無償でマネーを与えました。

【米国の金融危機からの離脱は、株価の上昇によって果たされた】

この2兆ドルの増発マネーが、同じFRBによる国債のマネタイゼーション(2兆ドル)と一緒になって、
・社債での借り入れから、株の購入(自社株買い4兆ドル:2011年〜18年)に向かい、
・株価は3倍に上がって(時価総額3,000兆円)、株を資産としてもつ米国の銀行は、資本を回復しました。

ドル増発は、米国では、「社債による4兆ドルの調達→自社株買い4兆ドル(440兆円)→S&P500社の株の時価1,200兆円上昇→株価時価総額3,000兆円→3倍に上がった株をもつ銀行の自己資本の回復→銀行の債権購入→企業と世帯のマネーサプライの増加」と波及して、金融危機は収まったのです。

これが、米国経済が好調(需要が好調)といわれてきたことの内容です。1980年代以降の米国経済は、日本より激しく「金融化」しています。

「FRBの4兆ドルのドル増刷→社債発行による自社株買い4兆ドルを主導因として、S&P500社の株価が1,200兆円上がった→米国経済が好調」という逆転した論が興ったのです。犬のしっぽが、犬を振り回したことと同じです。


リーマン危機のあと、所得で下位90%の世帯の物価上昇率を引いた所得は、伸びていません。株価の上昇で、所得が大きくなった人が、下位の所得も増やすというトリクルダウンという奇妙な経済論すら出ています。米国は、(長期間の維持はできない)超絶的な所得格差の国になっています。


米国の企業文化(企業の行動様式)のなかで…

企業文化の面での原因は、株を買うヘッジファンドが促した株主ガバナンスの強さから、株価の上昇がCEOの義務になったことがあります。

日本では、米国よりはるかに、企業経営に対する株主のガバナンス(経営への支配)は弱い。株主ガバナンスとは、株式投資に対する高い配当と、株価上昇の要求です。

ただし経済紙は、その論説で、日本企業にも株主ガバナンスの強化を要求しています。社外取締役増加に要請も、その一環です。

米国の、リーマン危機のあとの、商品物価ではなく、株価と不動産のインフレを生んだ資金循環(増発されたお金の流れ)は重要です。米国に特有といえるものです。増発マネーの効果は、それぞれの国の企業文化と価値観でちがいます。

日本・欧州では、米国風の資金循環(お金の流れ)は、起こりません。同じ資本主義といっても、マネーに対する伝統文化が混じる企業行動様式には、違いがあります。

(注)日本の自社株買いは、増えたとはいっても年7兆円レベルです。


米国では、株のオプション権を簿外報酬としてもらうCEOが、強欲化したのです。オプション権とは、上がった株を一定価格で買う権利です。100ドルで買う権利を100万株貰っていれば、株価が220ドルに上がっても、100ドルで買えるので、120ドル×100万株=1.2億ドル(132億円)の、個人所得になります。

この個人所得は、会社のオプション料以外は人件費にはならない。オプション権の増加が、自社株買いが4兆ドル(440兆円)にまでふえた(増え過ぎた)、主な理由です。米国では、CEOの所得は数十億円から数百億円です。カルロス・ゴーン氏が、不正までして所得を増やした原因がこれです。数億円の年収では、我慢ができなかったからです。

【健康だった、アメリカ資本主義の時代】

ヘンリー・フォードは、世界で最初に標準デザインのT型フォードを量産したとき、従業員の給料を上げています。自動車を量産するには、それを買える人が増えなければならない。そのために、社員の給料を他社よりはるかに高くする。

自分たちが作った車を、社員が買えるようにするためであると書いています(『藁のハンドル』)。110年前です。米国の資本主義は、オプション株を含むデリバティブ開発以降の金融工学化(1980年代〜)で、変質してしまっています。オプション権を買うオプション料を決めるのが、公式化さていて誰でも計算ができる、ブラックショールズ方程式です。

【過去のボラティリティの延長という間違い】

ブラックショールズ方程式は、標準偏差よる確率的な未来を示すものです。20日間の過去の標準偏差をそれから先1年に延長するという、本質的な欠陥をもっています。神ではない人間にとっては過去(記憶)しかないからです。

明日になっても、明日はまた明日です。明日は変化するというのが未来の本質です。その証拠に、標準偏差の2倍で、2.5%の確率を短期計算するボラティリティ(価格変動の確率)は、毎秒変化しています。

【数学的なこと】

この確率的な未来は、確率的にもっとも出現率の高い平均を出す指数平滑による計算として、オプションと同じ構造の先物の短期売買のシステムトレードに応用してはいますが…統計学は、いろいろな平均の計算法の学でしょう。

標準偏差は、過去の数値の変動幅の平均です。マネー運用のプログラムを作るクオンツが使う統計学とデリバティブ(=オプション料)の、ファイナンスの関係は深くなっています。


30. 中川隆[-8581] koaQ7Jey 2019年8月30日 08:01:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4171] 報告
異次元緩和から6年目、ついに地銀が赤字となる段階に来た=吉田繁治 2019年2月27日
https://www.mag2.com/p/money/643676


1997年に世界の先頭を切って国債のゼロ金利を行った日本。6年経った現在、さまざまな副作用ともいえる出来事が顕在化されつつあります。詳しく見ていきましょう。


原因は1997年からの日本が世界の先頭を切った国債のゼロ金利

危機状態になったわが国の地銀

地銀は海外情報網が少なく、メガバンクのような海外運用はできない。マイナスからゼロ金利の円国債と、平均金利で0.76%の貸し金が本業の利益です。このため、105行の地銀のうち、2期連続で「本業が赤字」になっているのが半分です。

メディアは「銀行の危機」は破産になるまで報じません。報道されると預金取り付けになることがあるからです。銀行の信用は「情報」で作られています。

それにしても1995年まで、「銀行の赤字や危機」は非常識なことでした。1997年以降、変わったのです。原因は、1997年からの日本が世界の先頭を切った国債のゼロ金利です。

銀行にとって「本業以外の利益」は、買ったときより価格が上がって含み利益がある国債を売る益出しでした。ところがこれも、マイナス金利〜ゼロ金利で、国債価格が上がりきっているので、2018年からは買ったあとに価格が上がることでの含み益はなく、益出しにならなくなったのです。


期待金利で価格が決まる国債は、低金利に向かうときは、価格が上がって売却利益も出ます。しかし金利は、マイナスや0%以下には下げることができない(0%の限界という)。

・金利が横ばいになると、国債価格も買ったときと同じです。
・金利が0.1ポイントでもでも上がる傾向になると、保有している国債価格は下がって、売却損が出ます。

国債をもつ金融機関は、「円国債は満期までもつ」として、市場の時価での決算計上を逃れています。ところが証券業協会のデータで主体別の売買高を見ると、民間金融機関からは年間で130兆円の売りがあり、平均残存期間8年の国債を3年で売っています。
満期まで持つというのは、およそ、嘘の申告です。
※参考:日本証券業協会

決算書の偽装ですが、国債を発行している財務省の下部機構である金融庁が認めているので、問題になってはいません。お手盛りの決算書です。

<2016年8月が起点だった>

マイナス金利が導入された2016年8月以降、国債で損が出るようになってきたのは地銀、メガバンク、保険会社に共通です。マイナス金利のとき、国債は最高価格になるからです。

(1)長期金利が下がっていた2016年8月までは、国債の益出しができました。

(2)マイナス金利に日銀が誘導した2016年の8月以降に買った国債は、金利がわずかに上がっても価格は下がって、逆に、損を出すようになっています。

現在の8年債までのマイナス金利と10年債のゼロ金利は、国債での「今後、これ以上はないバブル価格」を示すものです。


日銀が5年で400兆円も買い上げたことが原因で、「バブル価格」になってしまったのです。(10年債金利:09年〜18年)
※参考:日本相互証券株式会社


<異次元緩和の副作用>

地銀の赤字、保険会社の利益難は、2%のインフレを目的にしている異次元緩和の副作用です(2013年4月から約6年になります)。

2017年2月に出した『財政破産からAI産業革命へ(PHP研究所』で、日銀が異次元緩和を続けることができるのは、ゼロ金利により「銀行が赤字になるときまで」と書きました。

2018年には実際に、地銀の半分が2期連続の赤字になっています。今後、本業が黒字に転換する見込みは、(全く)ありません。

銀行と保険会社は、「海外と国内の投資信託の販売手数料」に希望を託していまが、これは「一時的な幻」で終わることです。

<ヘッジファンドの元本も減少>

世界の投資家と金融機関から300兆円の元本資金を集め、約10倍のレバレッジで3,000兆円の投資信託を作っているヘッジファンドの元本資金に「引き揚げ」が起こっているからです。

原因は、簡単なことです。「ヘッジファンドが5%以上の利益を出せず、世界の株価が下がった昨年10月からは、運用益がマイナス」だからです。


損をする投資信託からは、投資家が預託資金を引き揚げるのが当然でしょう。投資信託も、株価が上がるとき増えるものです。

<メガバンクは円高の損>

仮に1ドル105円の円高(5%)になると、円安で恩恵を受ける三大メガバンクも「本業+本業外の経常利益」が赤字になるでしょう。

米国債の2%の金利利益(イールドスプレッド)が、「5%のドル安/円高」だとマイナス3%になり、一瞬で吹き飛んで2%の損が出るからです。

メガバンク合計で150兆円の米国での運用があるとすると、「5%のドル安/円高」での損は3兆円です。金利の利益の実現には、時間がかかります。しかし通貨変動の利益と損は、一瞬で生じます。

総じて言えば、異次元緩和のマイナス金利、ゼロ金利の副作用から「銀行が赤字から脱却できない時代」になりました。

金利が上がれば銀行と保険会社の利益が回復するかと言えば、そうではない。そのときは、2016年までは益出しができた国債600兆円の価格が下がるからです。銀行の赤字は、金融危機の新たな火種です。

金利の上昇と国債価格に問題(偽装)がある、内閣府の『中長期の経済財政に関する試算』

日銀は異次元緩和を停止して、米国FRBの2014年10月以降のように「利上げ」をしなければならない時期に来ています。

ところが異次元緩和を停止して、金利を上げることはできせん。ゼロ%の金利が上がることは国債価格が下がることです。8年債未満はマイナス金利、10年債の0%金利は、今後、(時期は別にして)上がるしかない。

<金利上昇と国債価格の関係>

(1)1%の金利上昇;
1%金利が上がると、長短合計の国債価格(1,000兆円)は7.5%下がって、日銀に3.3兆円の損、金融機関に4.2兆円の損が出ます。

(2)2%の金利上昇:
2%上がると、保有国債の損は13.8%に拡大し、日銀に5.52兆円、金融機関に7.92兆円の損が出ます。

(3)3%の金利上昇:
3%上がると、保有国債の損は19.4%に拡大し、日銀に7.76兆円、金融機関に11.64兆円の損が出ます。

(注)損の計算は、1÷(1+金利上昇率×平均残存期間8年)です。現在の10年債の金利がほぼ0%で、長短国債の平均残存期間が8年なので計算は単純です。日銀が1000兆円の国債の約40%、「金融機関(海外が11%)+保険会社」が、60%を持っています。


日銀は、「ゼロ金利からの離脱」ができないのです。


成長実現ケース:経済財政諮問会議提出

内閣府が作っている、『中長期の経済財政に関する試算』は、政府の財政の方針を決める根幹になるものです。この内容が、基礎数値においてゆがんでいます。厚労省の賃金統計どころではない。

楽観的シナリオでは名目成長を2019年2.4%、20年2.9%、21年2.8%、22年3.0%、23年以降は3.4%としています。まずこれに問題があります。ひどいのは、長期金利です。

<これから先10年の長期金利>

2021年までは0.1%、22年0.4%、23年0.9%、24年1.4%、25年2.1%、26年2.6%、27年3.1%、28年3.4%としています。

これは今後、国債価格が上がることはなく、下がる一方ということを政府が表明したことと同じです。

2024年ころから、政府シナリオの金利なら財政破産になっていくということも意味しますが、結論はそうなっていいません。

加えて穏やかな金利の上昇は、長期金利を政府・日銀がコントロールすることを示しています。長期金利のコンロールとは、金融機関の国債の市場での売買に政府が介入することです。どんな方法でそれを行うのでしょう。


<金利が下がっていた時期は、国債価格は上がっていた>

日銀の政策短期金利が下がり長期国債の金利も下がって、国債価格が上がっていた時期(2016年8月まで)は、政府は金融機関に「(利益が出る)国債を買ってくれ」と言えたでしょう。

しかし金利上昇を政府が想定し、国債価格は下がることを予定しているときに「(損をするが)国債を買ってくれ」と、どんな手段で要請できるのでしょうか。

<金利が上がる時期になると、国債価格のコントロールができなくなる>

市場の実勢では、政府シナリオに沿って「金利が上がり国債価格は下がる」という市場の予想になると、
・売りが増えて買いは減り
・国債価格は下がって
・金利は短い期間で、一層上昇
します。

すぐに、3%くらいには上がり、3%に上がると7%までは上がる期間は短いのです。誰でも、損の確定はイヤだからです。株価と同じですが、国債価格も下がるときは急速、上がるときはゆっくりです。下がるときの売りは、損の恐怖に駆られた、一斉の売りになるからです。

銀行の国債マネジャーは、益出しができなくなった保有国国債に対して恐怖心に駆られているでしょう。個人のマネーではなく銀行のマネーですが、担当の恐怖心は個人のマネー以上のものです。自殺者すら想定できます。(注)統計偽装の厚労省では、自殺防止のため、窓の鉄枠を強化しています。

低い経済成長率のベースラインシナリオ

名目成長は、成長ケースより低く、2019年2.4%、20年2.3%、21年1.6%、22年1.7%、23年以降は1.7〜1.5%とされています。


対応する長期金利は、2021年までは0.1%、22年0.2%、23年0.6%、24年1.2%、25年1.6%、26年1.8%、27年1.9%、28年2.0%とされています――


31. 中川隆[-8549] koaQ7Jey 2019年9月01日 17:43:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4207] 報告

2019年09月01日
中国の軍事力を使わせ国力を消耗させ崩壊させる


全盛期のソ連軍は米軍に匹敵したが、それは軍事費でソ連を消耗させる罠だった


画像引用:https://twitter.com/cccp2017/status/929848698351128576

米中軍事対立の軍事予算

中国の軍事予算はGDP成長率を大幅に上回る約20兆円だが、これは外向けの軍事費に過ぎない。

中国には国内向けに治安部隊という軍隊があり、天安門事件で学生3000人を踏みつけたのはこれでした。

中国は国土の9割が侵略した外国の土地で、本来の領土は北京と周辺だけです。




モンゴル、ウイグル、チベット、満州、キルギス、長江文明と長江以南も別の民族でした。

これらの領土を侵略することを「漢民族の統一」「民族解放」と呼んでいて、今後沖縄や台湾を解放する予定です。

北京人種の土地は北京しかないので周りはすべて敵民族であり、年間4000件以上のテロや暴動が発生しています。


この異民族を抑え込んで支配するのが国内向けの軍隊である治安部隊で、ウイグルやチベット暴動で映る兵隊が彼らです。

外向けの軍隊と内向きの軍隊は同額予算だったが、最近は海空軍を重視し外軍隊の予算が多くなっている。

外と内の軍事予算を合計すると、少なく見ても35兆円から40兆円はかけています。


日本の防衛予算は5兆円でアメリカは80兆円、NASAを軍事予算に含めて兵士の福利や年金込みだと年間100兆円に達しているでしょう。

米中軍事対立は35兆円と100兆円の戦いで、GDPの1%を超えたか超えないかで議論しているH日本は、「アメリカにただで守ってもらっている」ように見られています。

日本の防衛費はGDP比1%ですが、アメリカは約3.3%、中国は約2%(表向き)、韓国は約2.7%となっています。

ソ連を陥れた軍事費のワナ

1950年代から米ソ冷戦時代にかけてアメリカの軍事費はGNP(国民所得)の約6%で、朝鮮戦争時は23%だった。

ソ連は表向き非常に低い軍事費を発表していたが、実際には軍事費で国民生活や経済を圧迫していた。

ソ連は平時にもGNPの20%の軍事費を投入し、経済規模はアメリカの3分の1だったので、平時の軍事費は互角かソ連が上回っていた。


これが米ソ互角の冷戦になった理由で、アメリカには余裕があったがソ連は常に目いっぱい軍事費を使っていた。

アメリカの戦略はソ連に過大な軍事費を使わせて経済崩壊させるもので、目論見通り80年代後半に経済が破綻し1991年12月ソ連邦は消滅しました。

現在中国のGDPは公称で13.5兆ドル(約1450兆円)だが実態は3割引きか、下手をすると5割引きというところです。

おまけして3割引きで計算すると丁度GDP1000兆円、対する軍事費は40兆円なので4%となり少ないが、実際の軍事費は公開されているよりずっと多いと言われている

中国の軍事費は7.5%増とGDP成長率の6%より高い伸びを続け、今後経済が低迷しても軍事費は伸び続ける。

アメリカの基本戦略は敵対する小国に過大な軍事費を使わせて経済崩壊させるもので、日本やドイツもこれをやられて自滅した。


中国はアジアでアメリカを上回る軍事力を整備し、周辺国を服従させようとしている。

そうしようとすればするほど中国は軍事費のワナにはまり込み、経済が停滞し自滅を早めてしまうでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/80841153.html

32. 中川隆[-8544] koaQ7Jey 2019年9月03日 14:05:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4219] 報告
『平成とは何だったのか 「アメリカの属州」化の完遂』 著・斎藤貴男

https://www.amazon.co.jp/%E5%B9%B3%E6%88%90%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%B1%9E%E5%B7%9E%E3%80%8D%E5%8C%96%E3%81%AE%E5%AE%8C%E9%81%82-%E6%96%8E%E8%97%A4%E8%B2%B4%E7%94%B7/dp/4798056324


書評・テレビ評2019年9月3日


 ジャーナリストの著者は、元号による時代区分は日本だけの決め事でしかないと断りつつ、1989年からの平成の30年間を、「バブルの終焉とNTT株の暴落」からはじめて主要な出来事とともに振り返り、そこに「アメリカの属州化の完遂」を見ている。

 平成の30年間、戦後の「平等」の建前を覆して格差と貧困大国化が進むとともに、戦争の反省を覆して戦争のできる国への転換が進んだことを私たちは経験してきた。

 第一は労働法制の改革で、日経連が1995年に発表した「新時代の日本的経営」というレポートが、改定労働者派遣法になり、その後対象が製造業に拡大されて非正規化が一気に進んだ。また「戦後50年、落ちこぼれの底辺を上げることにばかり注いできた労力を、できる者を限りなく伸ばすことに振り向ける」という考え方で教育改革を進めて、教育の機会均等を破壊した。

 さらに、農産物の輸入自由化を進める一方、農地法を改定して株式会社が農地を賃貸で借り受けることができるようにし、今後大企業による農地の集約化が進めば、戦前の寄生地主と小作の関係に逆戻りしかねない事態に至っている。大規模小売店舗法の廃止と消費税の導入によって、中小企業や零細商店を成り立たなくさせ、地方都市の商店街はシャッター通りと化した。つまり構造改革とは「富める者をより富ませ、貧しい者をもっと貧しくする」ものだった。

 著者は、こうした平成における新自由主義改革は、日本の政財官界が独自に進めたものではなく、アメリカが日本の非関税障壁を解体するために突きつけた「年次改革要望書」によるものであったと指摘する。「年次改革要望書」は、バブル期にアメリカの対日赤字が激増したことから、日米二国間協議の場がもうけられたことが発端となった。そして現在、日本の有力企業の外国人持ち株比率は50%をこえており、株主利益至上主義のもとで日本の富がアメリカに吸い上げられ続けている。

 もう一つは戦争をしないという国是の覆しだが、これをめぐって著者は、9・11ニューヨーク・テロ事件直後の日本政府とマスメディアの対応に注目している。9・11直後の朝日新聞は1面で、米大統領「これは戦争だ」という見出しをつけ、天声人語が「よし、戦おうじゃないか。さあ、姿をみせろ」と書いた。米軍がアフガニスタンへの空爆を始めると、朝日は社説で「限定的ならやむをえない」と書いた。イラク戦争では米軍が各国の記者を従軍取材させ、自分たちに都合の良い報道をさせたが、そのとき朝日の記者は「米軍のバズーカ砲が命中して民家がドカーンと爆発したとき、兵士とともにヤッターと歓喜の絶叫をした」と書いた。

 アメリカへの攻撃をみずからへの攻撃よりも敏感に受け止め、戦争だ戦争だと騒ぎ立てたところに、日本のメディアの本性があらわれている。しかも、イラクの市民数十万人が犠牲になり、イラクに大量破壊兵器はなかったことがはっきりした後も、政府もメディアも何の総括もしていない。

 もちろんこうした対米従属関係は平成に始まったことではなく、それを明らかにするには第二次大戦の性質の解明が不可欠だ。これについて著者は、明治、大正、昭和にかけてアジア諸国に対する侵略を重ね、それらの国の人人を不幸に陥れてきた日本が、第二次大戦で敗北すると、今度は占領者によって中ソに対するアメリカの防波堤、不沈空母としてのみ生存を許されてきたと指摘する。経済大国になったのはその見返りで、日本人の努力や勤勉さは否定しないが、アメリカが朝鮮戦争やベトナム戦争の特需を与えるとともに、自国のマーケットを日本に開放したからだった。それが今日、米国内で戦争に若者を駆り出されるのは御免だという空気が強くなると、アメリカは日本に、基地を提供するかわりに稼がせてもらうだけでなく、市場をよこせ、代わりに血を流して戦えと要求している。つまり、アメリカから見ると「豚は太らせてから食え」ということなのだ。

 見逃せないのは、日本の為政者が不沈空母に甘んじ、独立への模索をまったく放棄してきたことで、そこにはアメリカにひたすらひれふし、国民をアメリカが喜ぶように操ることの見返りで偉くなった一族ばかりが権力を世襲するという日本の政治の現状がある。

 これをめぐって著者は、グルーと岸信介の深い関係を示して、「CIAは1948年以降、外国の政治家を金で買収し続けていた。しかし世界の有力国で、将来の指導者をCIAが選んだ最初の国は日本だった」というニューヨーク・タイムズ記者の証言を掲載している。それだけでなく、戦前の天皇制政府の中枢にいた朝日新聞主筆の緒方竹虎と読売新聞社主の正力松太郎が、いずれも戦後はCIAのエージェントだったことも、別の研究者が明らかにしている。

 現在、日本社会が陥っている衰退の根源はどこにあるのか? それは、天皇制を形だけ残して、戦後の民主化をやったと見せかけて、アメリカが権力の最高の座に座り、日本の売国的な為政者を従えて日本国民をひき続き支配してきたことにある。著者はそれを「天皇制のしくみはそのままにしておき、みずからはあまり表に出ない方が、日本国民を統治するには都合がよいと、本当の支配者が判断した」と表現している。以上のことを解明しようとする立場が、真実を追求する知識人やジャーナリストのなかで共有されつつあると思う。
 (秀和システム発行、B6判・292ページ、定価1500円+税)
https://www.chosyu-journal.jp/review/12985

33. 中川隆[-8513] koaQ7Jey 2019年9月04日 12:55:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4253] 報告

2019年09月04日
アメリカの基本原理「出る杭は潰す」 次は中国



大半のアメリカ人は大戦前、「日本の軍艦は劣悪で太平洋に出れない」と信じていた

だから南京事件などをでっち上げて日本が攻撃するよう仕向け、返り討ちするつもりだった


画像引用:https://chrishanger.files.wordpress.com/2016/06/w19_20604019.jpg

冷戦後世界の終わり

1945年から続いた米ソ冷戦が1990年頃に終わり、しばらくの間世界は平和幻想に酔いしれた。

アメリカや欧州はもう戦争は2度と起きないと言って軍備縮小し、日本も自衛隊を縮小した。

その裏でロシアは着々と軍備再建を進め、中国はアメリカを倒して超大国になる準備をしていた。



勝者だった西側諸国が実は騙されていて、敗者になりつつあると気づいたのは2010年台になってからでした。

芋虫ほどの規模だった中国経済は日本の2倍以上、アメリカの半分になり、このままだと中ロが世界を支配するのが決定的になった。

アメリカはトランプ政権になってやっと中国の脅威に気づき、中国潰しに乗り出したが、すでに中国はアメリカの同盟国を合わせたより強大になった。


実はこれとそっくり同じ事がちょうど100年前にも起きていて、やっぱりアメリカは手遅れ寸前でやっと気付いていました。

100年前の主人公はドイツと日本で、 1918年に第一次大戦が終わり、ドイツは敗戦国となり膨大な賠償金を奪われました。

あまりにも莫大な賠償金を請求されたドイツ人は正気を失ったのか、ヒトラーという天才を指導者に選んだ。


1933年に首相になったヒトラーはたった5年ほどで欧州最貧国から欧州最強国家に立て直し、余勢を買って周辺国も併合し始めた。

フランスを占領し、イギリス占領には失敗したが今度はソ連に侵攻しモスクワを陥落寸前まで追い込んだ。

ここでアメリカは「ドイツが欧州を統一したらアメリカは負けてしまう」と気づいてやっとドイツ潰しに乗り出します。

第二次大戦はアメリカのドイツ潰し

ところがヒトラーはアメリカ参戦を極度に恐れていて、絶対にアメリカ軍艦やアメリカ商船に手を出しませんでした。

現在の中国も周辺国をいじめたり脅しているが、アメリカと正面切って戦争する意思はありません。

そこでアメリカが目を付けたのがドイツの同盟国日本で、国力が10倍でも100倍でも過去に戦って倒してきた実績がありました。


アメリカは日本と戦っている中国を利用して「南京事件」や「盧溝橋事件」「重慶爆撃」をでっち上げて日本を怒らせることにしました。

自分がやってもいない戦争犯罪をでっち上げられた日本の世論は予想通り激高し、アメリカ討つべしで挙国一致しました。

たったひとつアメリカが誤解していたのは、日本軍は予想以上に強く開戦から1年以上負け続けた事でした。


戦後の検証では戦前のアメリカ軍や指導者が「日本軍なんか弱い」と思い込んでいたのが分かっています。

アメリカでは日本の軍艦は太平洋に出れないとか、日本人は戦闘機を操縦できないなどと信じられていました。

だがらルーズベルトは日本を追い込んで攻撃させ、アメリカをドイツ戦に参戦させようとしたのです。


だが日本軍は予想以上に強く、米海軍を全滅させたうえ2年近くアメリカ軍は負けて負けて負け続けました。

アメリカ海軍は1775年の創設以来、駆逐艦以上の軍艦が撃沈されたことが無く、自分たちは無敵艦隊だと思っていました。

それが開戦初日に真珠湾攻撃で主力艦が全滅する赤っ恥をかき、報復として東京大空襲や原爆などの戦争犯罪に手を染めました。

アメリカ国家の本性

さて100年前にアメリカを追い込んだのはドイツと日本でしたが、現在アメリカを追い込んでいるのは中国とロシアです。

ロシアは経済破綻で韓国よりGDPが小さいが、核兵器などの軍事力では米中に匹敵するものを持っている。

アメリカ単独のGDPは中国の2倍程度、アメリカの同盟国のGDPは中ロ陣営の5倍以上はあるでしょう。


比較すると日独の全盛期にはアメリカとイギリスに迫る国力で、もしドイツがイギリスに勝っていたら日独が勝っていた可能性が高い。

また1945年から1990年までの米ソ冷戦では、ソ連の共産主義陣営は数の上でアメリカの西側陣営に匹敵していました。

経済力では西側が上回っていたが、軍事力では拮抗していたので朝鮮戦争とベトナム戦争で共産陣営が優勢に戦いました。


日独、ソ連のような強敵が現れた時にアメリカが取る行動は、同盟国と共に対立陣営を潰すことで、そのためにはあらゆる犠牲を払う。

世界大戦も起こすし世界恐慌も起こし、敵対陣営を潰せるなら自国の大損害すら厭わない。

米中対立でアメリカは中国を葬り去るまで戦うだろうし、それはローマとカルタゴの昔から変わっていない。


キリスト教文明最初の超大国ローマは、敵対するカルタゴと何度も大戦争を起こし、ついに滅ぼして痕跡すら残さないまでに破壊した。

こうしたエトスをアメリカ国家も受け継いでいて、中国はこれからそうとう厳しい時代を迎えるでしょう。

中国人は歴史を振り返っても外国と戦争をして勝ったことが無く、強そうに振舞っているが実際は弱い。


トランプ大統領はたまたまそんな時代に居合わせたが、誰が大統領に替わってもアメリカの本性は変わらない。
http://www.thutmosev.com/archives/80861606.html

34. 中川隆[-8475] koaQ7Jey 2019年9月09日 09:27:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4302] 報告
2019.09.09
ドル体制の終焉を宣言したイングランド銀行総裁

 ゴールドマン・サックス出身のイングランド銀行総裁、マーク・カーニー総裁は8月23日にドル体制の終焉を口にした。各国の中央銀行が発行するデジタル通貨のネットワークがドルに替わるとしている。日本で通貨のデジタル化が推進されている理由もこの辺にあるのだあろう。ドル体制の崩壊は何年も前から指摘されてきたが、イングランド銀行の総裁が口にしたことは興味深い。

 この構想が現実になった場合、アメリカの支配システムは崩れてしまう。このシステムは基軸通貨として認められてきたドルを発行する特権によって支えられてきたのだ。

 当初、そのドルは金に裏づけられていたが、1971年8月にリチャード・ニクソン米大統領がドルと金との交換停止を発表、その裏付けは消えた。それ以降、ドルを基軸通貨として維持するため、その流通量をコントロールする仕組みを整備する。そのために作られたのがペトロダラー(石油取引を利用したドルの還流システム)。

 大多数の国が必要とする石油に目をつけたアメリカは産油国と話をつけて決済をドルに限定、OPEC(石油輸出国機構)はドルをアメリカへ還流させてきた。これがペトロダラーの仕組みだ。

 ドルを還流させるために高額兵器や財務省証券の取り引きが利用される。投機市場もだぶついたドルを吸い上げる仕組みのひとつだ。金融規制が大幅に緩和された理由のひとつはそこにあるのだろう。

 これは実社会から資金を吸い上げる仕組みであり、庶民の購入能力を低下させる。当然、生産活動は停滞、あるいは破綻してしまい、資金は投機市場へ流れていく。その流れをスムーズにすることが規制緩和の目的。今のシステムでは、金融緩和によって生じるのはインフレでなくバブル。

 かつてアングロ・サクソンが金本位制を採用したのは、イギリスの金融資本がアフリカの金鉱山を支配して世界の金流通量をコントロールできたため。第2次世界大戦後はアメリカが世界の金を支配、基軸通貨を発行する特権を手に入れた。ところが1971年の段階で金に基づく通貨支配の仕組みが崩れたわけである。

 カーニーが働いていたゴールドマン・サックスは世界の金融界に大きな影響力を持ち、金融スキャンダルでも名前が出てくる。例えばギリシャの経済破綻。

 その切っ掛けは2001年に通貨をドラクマからユーロへ切り替えたことにある。この切り替えでギリシャは経済的な主権を失い、ギリシャ政府は独自の政策を打ち出せないまま破綻したのである。

 実は、EUのルールに従うとこの通貨切り替えはできないはずだった。できないはずのことができたのは、そこに不正が存在手板からだ。つまり財政状況の悪さを隠したのだ。その隠蔽工作で中心的な役割を果たしたのがゴールドマン・サックス。財政状況の悪さを隠す手法をギリシャ政府に教え、債務を膨らませたのである。

 その手法とは、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などを使って国民に事態を隠しながら借金を急増させ、投機集団からカネを受け取る代償として公共部門の収入を差し出すということが行われていたという。借金漬けにした後、「格付け会社」がギリシャ国債の格付けを引き下げて混乱は始まった。

 ギリシャを破綻させる作業が続いていたであろう2002年から05年にかけてゴールドマン・サックスの副会長を務めていたマリオ・ドラギは06年にイタリア銀行総裁、そして11年にはECB総裁に就任している。

 日本もゴールドマン・サックスと無縁ではない。小泉純一郎政権が推進した郵政民営化に深く関与しているのだ。その政策で中心的な役割を果たしたと言われている人物が西川善文、竹中平蔵、ヘンリー・ポールソン、ジョン・セイン。ポールソンはゴールドマン・サックスのCEO、セインはCOOだった。

 イングランド銀行やアメリカのFRB(連邦準備理事会)はこうした私的な金融機関によって創設されている。

 イングランド銀行は1694年にオラニエ公ウィレムが銀行家によるカルテルの中枢として設立。1815年にワーテルローでフランス軍が敗北して以降、ネイサン・メイヤー・ロスチャイルドがイングランド銀行を支配するようになった。

 FRBは1913年に作られたが、その制度の設立を決めた会議は1910年にジョージア州のジキル島で開かれている。会議に参加したのはJPモルガンのヘンリー・デイビッドン、ベンジャミン・ストロング、JPモルガン系のフランク・バンダーリップ、チャールズ・ノートン、クーン・ローブのポール・ウォーバーグ、そして上院議員のネルソン・オルドリッチと財務次官補だったエイブラム・アンドリュー。オルドリッチ議員の娘婿はジョン・D・ロックフェラーの息子、ジョン・D・ロックフェラー・ジュニアだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201909080000/

35. 中川隆[-11306] koaQ7Jey 2019年9月18日 12:22:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1485] 報告

2019年09月18日
リターンリバーサルで回復する日本、衰退期に入る中国



国家には成長期と衰退期があり、日本は1990年代から衰退期だった


画像引用:明治中期〜平成に至る日本の実質GDP推移及び消費者物価指数(インフレ率)/図示 : 千葉の空https://naga0001.at.webry.info/201610/article_6.html

国家の盛衰はリターンリバーサルで説明できる

世界経済は一寸先は闇できのう栄えていた国が今日は衰退し、後進国とばかにしていた国が栄えている。

気が付けば韓国の一人当たりGDPは3万ドルで日英独仏に接近しているが、1997年には国家破産してIMF管理下に入っていた。

中国は一人当たりGDPが6000ドルだが、30年前はほぼゼロでしかなく日本は既に4万ドルだった。


その日本は1990年頃がピークで一時はGDPが対米7割に達し、このままアメリカを超えて超大国になるかに思えた。

アメリカは1960年代から80年代までずっと不況だったが、日本と入れ替わりに息を吹き返し今も超大国に居座っている。

東南アジアは一人当たりGDPで1万ドルを伺うところまできており、インドは高度成長期に突入するかどうかというところです。


2018年のGDP成長率1位はベトナムで、長く1位だった中国を抜き去ったが両国とも共産主義国家です。

ソ連が崩壊した1991年には共産国家が資本主義国の成長率を上回る事は絶対にないと考えられていました。

一見無秩序なこれらの変化はリターンリバーサルという考え方を当てはめると、合理的な説明がつく。


リターンリバーサルは投資用語で、上がりすぎた株は下がり、下がりすぎた株は上がるという反発のことです。

震災時の東電、不祥事の東芝や三菱自動車やオリンパス、シャープのような経営不振だった企業は株価が大きく下落しました。

だがそれらの企業のほとんどはその後回復し、もし下落時に株を購入していれば大儲けできました。


不祥事を起こした企業で実際に株価が無価値になったのはライブドアや日航など少数で、生き残った企業の9割以上は株価が回復しました。

過大評価と過小評価

株価が大きく下がるのは企業の衰退期で、この時は本来の価値以上に低く評価され株は投げ売りされます。

逆にバブル相場というのもあり、特に2000年代からはIT系ベンチャー企業が流行っては消えていきました。

国の場合も常に正しい評価がされている訳ではなく、不当に低く評価されたり、過大評価されたりしています。


例えばアメリカは第二次大戦に勝ってなんと全世界のGDPの過半数、経済活動の8割も手に入れました。

1945年から50年までは世界のほとんどがアメリカと言える状況で、アメリカは無敵であるとの過大評価がされました。

だがソ連や中国の共産圏が誕生し冷戦が始まり、無敵の筈の米軍は朝鮮戦争とベトナム戦争で事実上の敗北を喫しました。


1980年代後半までアメリカは戦争でも経済でも劣勢が目立ち、このまま超大国の座を失うだろうと思われていました。

その頃出版された本が「ジャパンアズナンバーワン」で日本がアメリカに変わる超大国になると予言していました。

現在はこの時期にアメリカが最も過小評価され、日本が過大評価されていたのが分かります。


90年代にアメリカは回復すのですがそれ以上の劇的な回復を見せたのが中国で、約30年でGDP世界2位になりました。

実は1937年(昭和12年)の日中戦争が起きるまで鉱工業生産高で中国は日本より上であり、おそらくGDPでも多かった。

1895年(明治28年)の日清戦争に負けて中国の没落が始まり、日中戦争で坂道を転がり、大戦後は後進国に落ちぶれていました。


ですから1980年代からの中国の成長は「回復」であり、低迷期が90年間も続いた事になります。

こうした長い成長期や低迷期は欧州にも見られ、産業革命から第一次大戦まで文字通り世界を支配しました。


第一次大戦後の欧州は長い停滞期に入り、現在も北米やアジアに経済で見劣りしています。

国家経済は人が生きている限りゼロにならずいつかは回復し、今栄えている国もいつかは衰退します。


人間の能力が同じとすれば先進国の一人当たりGDPは同じ字なる筈で、大きくずれたら修正される筈です。


後進国がずっと後進国なのは国のシステムが非効率だからで、先進国並みのシステムにしない限り先進国にはなれない。


日本は回復期へ、米中は衰退期へ

このような成長期や衰退期は過大評価や過小評価されるほど起きやすく、「我々は無敵だ」とか言い出したらその国の没落は近い。

逆に「滅亡は近い」とされる国は大抵滅亡しないし、それがどん底で回復することが多い。

2011年に東日本大震災が起き、多くの人はこれで日本経済が崩壊すると思ったが、やはりそれが大底でした。


その後のアベノミクスは期待外れだったが、2011年より成長しているのは確かです。

日本は1920年代の関東大震災やNY大暴落で最初の没落を経験し、1949年まで衰退し続けました。

1950年に朝鮮戦争が始まるとアメリカは日本を最重要国と位置づけ、特別に優遇されて高度経済成長が始まりました。


1991年にソ連が崩壊するとアメリカにとって日本は用済みになり、バブル経済も崩壊しました。

幕末の黒船来航から始まって日本の転換期は必ずアメリカが関わっていて、アメリカが日本を必要とする時に日本は経済成長しています・

ソ連邦が崩壊してからの日本をアメリカは邪魔者か敵とみなしていて、中国やロシアや韓国を友人と見なしていた。


日本にとってこれら大陸国家は有史以来ずっと敵であり、しかたなく付き合っているだけです。

アメリカと大陸国家が親しくなるとアメリカにとって日本は邪魔でしかないが、アメリカと大陸が敵対すると逆になる。

アメリカがソ連や中国と戦う時に、同盟国になり大陸国家と戦う能力がある国は日本しか存在しません。


中国のGDPは対米7割に達しアメリカを脅かしており、まさにアメリカが日本を必要する状況になりつつある。

アメリカは日本に防衛費増額を要求しているが、防衛費を増額するにはGDPを増やす必要がある。

大陸との戦いで本当にアメリカが日本を必要とするなら、日本は再びアメリカから特別待遇を受けて復活できるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/80995209.html

36. 中川隆[-11048] koaQ7Jey 2019年10月04日 19:01:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1776] 報告
安倍政権下の日本はすでに衰退途上国に落ちぶれている:安倍政権を支える日本政府エリート連中はみんな、対米売国行為に良心の呵責を覚えないのか
http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/3887624.html
2019年10月04日 新ベンチャー革命 2019年10月4日 No.2479

1.今の日本は、先進国から衰退途上国に落ちぶれたのか

 本ブログ前号(注1)にて、日本国民の金融資産が知らぬ間に、米国政府財政赤字の補てんに流用されているのではないかと指摘しました。

 このような見方は、日本の対外資産残高が安倍政権下にて1000兆円超規模に急増している事実と、米国政府の債務残高が2400兆円規模に急増している事実から、容易に成立します。

 いずれにしても、われら日本国民の金融資産が国民の承認なしで、湯水のように、米国に垂れ流されていると強く疑われます。

 このザマでは、日本がドンドン、衰退するのは当然です。千葉県の台風被災地がいっこうに復興しないのは、日本が衰退途上国に落ちぶれた証拠と指摘されています(注2)。

2.われら日本国民はみんな、「新帝国循環」という概念を知っておくべき

 上記、日本国民の金融資産が、知らぬ間に、米国に流出する現象は、「新帝国循環」と呼ばれています。

 この言葉は、故・吉川元忠・神奈川大教授(注3)が唱えた経済現象ですが、以下に、「新帝国循環」のフローを示します。ただし、このフローは2011年の3.11大震災後の8月に書かれています(注4)。

新帝国循環フロー:

(1)米国の国際金融資本などが、外為市場にてドル売り・円買いを仕掛け、日本の経済競争力の強弱にかかわらず、超円高相場を意図的・計画的に創出する。

(2)円高を是正するという名目にて日銀が円売り・ドル買いオペを実施する、ただし、資金は特別会計の外国為替資金特別会計(原資は国民の税金)である。

(3)日銀(日本国民の税金で米国債を買う)や日本の外為金融機関(国民から預かった預貯金で米国債やドル建て金融商品を買う)の引き受けた米ドルにて、米国債を購入する。

(4)大量の米ドルが米国連邦政府に還流する。

(5)米国の国際金融資本はドルを売って得た円にて、円キャリートレードを行うほか、日本企業の株を購入したり、日本企業を買収したり、日本の不動産を購入して日本資産の権利を獲得する。

(6)日銀や日本の外為金融機関の保有する米国債は償還を迎えても、借り換え債などで契約更新していき、日本の対米債権(累積利子含む)は増える一方となる。なぜなら、米国連邦政府の財政は、常に真っ赤っ赤であり、到底、返済できないからである。ちなみに、日米関係評論家・副島隆彦氏の2011年時点での試算では、日本の対米ドル債権累積は官民にて総額700兆円から1000兆円規模(米国債およびドル建て金融商品含む)に達すると推計されていた。

 ちなみに、現在の日本の対外資産残高は1000兆円を突破しています(注1)。

3.財務省や日銀のエリートは「新帝国循環」のカラクリを知っているはず

 上記、「新帝国循環」のカラクリによって、われら日本国民の金融資産が巧妙に対米移転されることがわかります。

 このカラクリを、財務省や日銀のエリートは知っているはずです。

 上記、吉川氏は、このカラクリこそが、対米売国行為そのものと指摘しています。そして、日本国民の資産がドンドン、消尽して行くのです(注5)。

 上記、財務省や日銀のエリートの人事権は実質的に、日本を闇支配する米国戦争屋ジャパンハンドラーに握られているのでしょう。そして、彼らにせっせと貢献するエリートが出世して行くのです。

 究極の対米売国政権である今の安倍政権は、2014年に内閣人事局をつくって、財務省や日銀エリートの人事権を握っていますが、米国戦争屋ジャパンハンドラーから、「NO」 と言われたエリートは絶対に昇進できないのではないでしょうか。

 このような対米隷属の環境で昇進している日本政府のエリートはみんな、自分たちのやっている対米売国行為に、良心の呵責を覚えないのでしょうか、もしそうなら、恥を知れ!と言いたくなります。

 このような対米売国行為で出世した日本政府エリートの貧乏性が、日本を衰退途上国に貶めていることになります、彼らは日本人として、恥ずかしくないのでしょうか。

注1:本ブログNo.2478『山本太郎氏(れいわ新選組)は消費増税問題の核心を突いている:政府の代弁者に成り下がった池上氏は山本氏に論破され、晩節を汚した』2019年10月3日
http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/3868220.html

注2:阿修羅“詰んだ日本。千葉の大停電で判った衰退の一途を辿る島国の行く末 冷泉彰彦(まぐまぐニュース)”2019年10月3日
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/194.html

注3:吉川元忠
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E5%B7%9D%E5%85%83%E5%BF%A0

注4:本ブログNo.414『3.11大震災パニックの虚を突いて、今起きているのは『新帝国循環』ではないか』2019年8月5日
http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/2011-08-05.html

注5:吉川元忠・関岡英之『国富消尽』2006年、PHP研究所
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784569644684

37. 中川隆[-10916] koaQ7Jey 2019年10月13日 14:08:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1920] 報告

米国が裏で操るビットコイン価格、200万円から30万円まで売り崩したCIAの戦略とは=吉田繁治 2019年10月10日
https://www.mag2.com/p/money/787648

2017年12月に200万円台の最高値だったビットコインは、シカゴに先物が上場されたあと30万円まで売り崩されました。その背景や今後の展望について解説します。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

ビットコインの下げ(37万円台)と、上げ(100万円台)の理由

17年12月、シカゴの先物市場の上場を許可

・約7分の1に下げたこと(17年12月→19年3月の15か月間)、
・そして、19年3月からは3倍に上げたこと(19年3月→19年6月の3か月間)には、それぞれ、先物の売買からの理由があります。

下げたのは、200万円台の最高値だった2017年12月に、シカゴに「ビットコインの先物が上場されたあと」です。

上場された先物が、米国当局の意図(推計)によって大量に売られて下げたのです。個人の市場では、日本人の買いで200万円に急騰していたビットコインの下げの売買利益(1ビットコインで最大160万円)は、先物を売った米国の通貨投資家(おそらくはCIA)に行きました。

19年3月から上げたのは、先物売りの増加が止まったときでした。先物は、「そのときの現物価格+金利」付近で売買されている先物を買って、3か月や3か月先の、反対売買の契約日に、売り戻す契約の取引です。


先物の売りは、価格が下がるとき利益(利益=先物売り─清算の買いの価格)が出ますが、先物の買いは、逆に、価格が上がるとき利益が出ます。

先物の売りが増えると、価格は下がることが多く、買いが増えると上がることが多い。ビットコインは、先物の売りで下げて、清算の限月の買いから上がったのです。

こうした動きが起こったのには理由があります。

ビットコインではありませんが、仮想通貨(イーサリアム、リップル、ビットコインキャッシュなど…合計約1,000種)は、3つの用途の買いが多かったのです。

仮想通貨の3つの用途

(1)北朝鮮が養成した、ブロックチェーンの技術者3,000人のハッキング(国家レベルでの採掘)による、仮想通貨の略奪。北朝鮮は、精巧なドルの偽札(スーパーノート)の発行で外貨を得ていましたが、仮想通貨に切り替えたと推測されます。「モネロ」が主な標的でした。

(2)外貨の交換規制がある、人民元の富裕者(10万人)のマネーの海外流出のための仮想通貨の買い。

(3)最も早く、仮想通貨(法では暗号通貨)を通貨として認める予想があった日本人の仮想通貨の買い。(19年6月:仮想通貨の利益への課税を目的にした、政府の資金決済法と金融商品取引法の改正)

米当局は、北朝鮮の仮想通貨に対する国家レベルのハッキング(先を争う認証)を知っていました(現在も監視中)。トランプによる北朝鮮への経済・金融封鎖の中で、北朝鮮は仮想通貨のICOの利益で数百億円の外貨を得ていたからです。

これがシカゴの取引所に、仮想通貨の代表であるビットコインの先物を上場した原因です(2017年12月)。(注)他の仮想通貨もビットコインの価格とほぼ同じ動きます。

「現物をもたなくても(取引所から、貸し料を払って借りたビットコインを売る「空売り」では現物が必要)、売ることができる先物の売りで価格を崩す」ことが目的です。


CIAは古来、多角的な情報戦略を実行している機関です。CIAは、軍事用のドル紙幣の印刷もできます。戦争のときは、相手国の偽札を印刷して、経済を混乱させることも行ってきました。米国の国際戦略は、戦争や陰謀的事件と一体です。平和戦略である日本と米国は、180%違います。第二次世界大戦のあとも間断なく戦争をし、兵と武器・弾薬を海外に送って地域紛争と経済・金融封鎖に関与しています。

先物売りで売り崩した

おそらく、CIAの主導でヘッジファンド等が先物の上場のあと、1ビットコインを30万円台にさげるまで、売り崩しています(19年3月)。

その後、トランプは、核実験の停止(核兵器の廃絶ではない)を約束した北朝鮮に対して、「融和戦略」に転じてCIAは先物売りをやめたのでしょう。

増やしていた先物売りをやめると、限月(3か月から6か月後)の買い戻しが増えて、市場では買いが増えるので価格は上げます。

一般に、
(1)「証券の先物売りの増加→価格下落」、
(2)「清算のための買い戻しの増加→価格上昇」になります。

その状況証拠は、2019年の3月からビットコインの先物売りが「限月(反対売買の期限日)での買い」に転換して上がったことです。3か月の高騰は、先物の清算と買いであることが多い。

外交の闇の中の、米朝の関係

2019年2月には、「決裂した」とだけ報じられている米朝首脳会談(ハノイ)があり、19年6月には、板門店でトランプが北の国境を歩いて超えるパフォーマンスの融和を示した米朝首脳会談でした。


決裂のあとは、逆に融和のムードです。トランプの行うことの意味をメディアは伝えきれていません。外交の肝心なところは「秘密」とされるからでもあります。
※参考:みんなの仮想通貨 ビットコイン/円(BTC相場)・リアルタイム価格情報

ビットコインの価格にも、トランプの「国際戦略」が絡んでいるでしょう。CIAは、情報戦略を担う機関です。もともとビットコインは、CIAによるブロックチェーンと認証方法の将来のドルを想定した秘密プロジェクトによる実験だったという説があります(当方はCIA説に賛同しています)。

情報戦争

21世紀の「戦争」は、情報領域で行われています。

物的設備や商品ではなく、世界の30億人が使うデジタル情報が「アマゾンやフェイスブック、中国のアリババ、テンセント」のように巨大な富を生むように変わったからです。

土地は「そこに人が集まる」ことで、価値をもっています。東京の銀座が最も高いのは、居住人口密度をはるかに超えた人が集まるからです。情報も「人が使う」ことで価値を高めます。

日本でも、車の普及(3大都市以外の地方では、主婦が軽自動車に乗る一家2台)によって、駐車場が広大なショッピングセンターができましたが(1990年代〜2010年)、インターネットとスマホはネット販売とSNSの需要を増やしているのです(2000年から)。ビットコインはスマホで売買され、使われています。

日本でも、食品以外での消費税の2%増税を契機に、政府が電子マネーの使用を買い物の40%にしようとして、2%や5%の特割ポイントをつけています。電子マネーの普及とともに、仮想通貨の買いと利用も増えていくでしょう。


15億人のユーザーをもつフェイスブックは、既存組織からは反発も招いている「リブロ」という仮想通貨を通貨資産を担保にしたICO方式で出すという。この発表も、消えそうだったビットコインの価格回復を助けました。


TCP/IP

仮想通貨がある、インターネットのTCP/IPという情報のパケット化(細切れに切ること)による分散通信の方法も、冷戦の時代の通信網がソ連の爆撃で破壊されても通信ができる米軍のARPANETでした(1970年〜1990年:米軍が開発・運営)。

パケットに分けた分散通信は、ブロックチェーンに似ています。

「通信」は太古から戦争の手段でした。大本営から前線の兵力への指令には、仮想通貨に似た「暗号化した通信」が必要です。軍用技術が民間に開放されたのが、世界の30億人がスマホで大量に使っているインターネットです。

ファーウェイ

安価なWi-Fiの通信機と安い携帯電話で最大手メーカーになったのが、中国のファーウェイ(HUAWEI:従業員17万人)であり、トランプ大統領は「情報ハッキング」を理由に、禁輸措置をとって世界にも呼び掛けたことが、対中国関税の発端になったものです。

「(TCP/IPの開発)目的は、新しいコンピュータ技術を利用して、核の脅威に対する軍事的指揮と制御のニーズを満たし、米国の核兵器の存続可能な制御を達成し、軍事戦術と管理の意思決定を改善することでした(DARPAの局長:ステファン・J・ルカシックの弁:WIKIPEDIAからの引用)

仮想通貨も、TCP/IP上でのブロックチェーンによる認証(素因数分解の速度で、ホンモノを見分ける方法)という情報技術です。


IMFの仮想通貨への態度

仮想通貨(ビットコインではなく、ブロックチェーンの仕組み)においては、通貨の主流派からも、新しい「認識の動き」が生じています。

以前から、シャネルのスーツを着るクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事(ECB:今度はユーロの中央銀行の総裁に就任)は、中央銀行だけが使っているIMFの国際通貨であるSDR(特別引き出し権:通貨バスケット)を、ブロックチェーンの電子マネー(暗号通貨)にする意向を示していました。1SDRは、今149円です。これは、いますぐにも実行は可能です。

ビットコインの価格変動は、金の3倍から6倍と大きい

といってもこれは、ビットコインとは違う、IMFが発行する仮想通貨のSDRです。ビットコインが上がり続けるという根拠にはならない。

ビットコインが長期で上がるときも、利益確定の先物の売りで、数か月から6か月は大きく下げるときが混じります。ビットコインは、金や株価より、大きな上げと下げをします(ボラティリティが高い金融商品です)。

金の価格変動の幅(ボラティリティ=標準偏差の2倍)は、1日あたりで0.5%〜1%と低い。1日で、前日比で1%以上価格が動くのは、2.5%(2か月に1日)という意味になります。日経平均の株価指数は1.2%程度です、金よりは1.5倍から2倍くらい変動幅が大きい。

ビットコインの1日のボラティリティは約3%と高い。金の3倍から6倍、日経平均の2.5倍、上げも下げも価格変動が大きいという意味です。

100億SDRをIMFが貸すと、その国の中央銀行は1.49兆円分の外貨(ドル、ユーロ、円、ポンドというハードカレンシー)に交換できるというものです。ハードカレンシーは、世界の銀行である程度は安定した価値が認められ、外貨に交換できる通貨です。スイスフラン、オーストラリアドル、カナダドルもはいっています。


人民元には、資本規制(外貨交換の金額規制)があります。SDRのバスケットの構成通貨(円の8.33%を上回る10.92%)ではあっても、人民元をハードカレンシーとは世界の銀行が認めず、交換のための銀行がもつ在庫額も少ない。なお、SDRのバスケットは、米ドル41.73%、ユーロ30.93%、人民元10.92%、日本円8.33%、英国ポンド8.09%の構成比です。


ジャクソンホール会議での、イングランド銀行総裁の発言

2019年8月24日の、世界の金融の方向を話し合う「ジャクソンホール会議」では、英国中央銀行(イングランド銀行)の総裁マーク・カーニーは、「世界の準備通貨としてのドルの地位が終わり、リブラなどのグローバルなデジタル通貨のような形式が、より良い選択肢となるという認識を強く主張」しています。

「基軸通貨が、ドルから中国人民元といった別の国の通貨に取って代わることを容認するよりは、好ましい」との見方を述べたものです。日本のメディアでは、これについてのコメントがゼロです。ドル基軸の体制は「絶対のもの」と見ているからです。
※参考:ドル支配終わらせるデジタル基軸通貨体制を提唱−英中銀総裁‐Bloomberg(2019年8月26日公開)

基軸通貨は、多極化の方向

住宅建設の不良債権(空き家5,000万戸分:推計1,000兆円)から、いずれ金融危機に向かう人民元が、ドルの位置に代わることはありません(当方の見解)。

将来の基軸通貨(貿易に使う通貨)は、
(1)ドル(米国、日本、中東)40%、
(2)ユーロ(欧州とロシア)30%、
(3)人民元(アジア)30%という三極の、多極化に向かでしょう。

「(債務国の通貨である)ドル基軸の終わり」は、英国中央銀行の総裁にも意識されています。米国の対外債務が、36兆ドルから「増え続けること」が問題です。

このため、ドルの海外散布が減ること(=海外の所有になっているドル、ドル証券(株と社債)、そしてドル国債が米国に回収されること)はないからです。


マハティールの、金準備制のアジア通貨の構想

復帰したマレーシアのマハティール首相は、「金準備のアジア通貨を、各国が中央銀行の金を拠出して作って、アジアの貿易通貨にする」ことを主張しています。

マレーシアの賢相マハティールは、人民元やドルに支配されることをよしとはしないからです。日本はドル以外の国際通貨構想をもっていません。最後まで、「ドルの支持者」でしょう。安倍政権はトランプのいいなりです。

現代の不均衡な通貨問題の根底にあるのは、基軸通貨のドルが経常収支の赤字を構造的に続ける債務国の通貨(対外債務36兆ドル)であり、数年の長期では下落する懸念が生じることです。

過去、ドルは下落を続けています。今後も、5年以上の期間では下落です。経常数収支の赤字(ドル売りになる)が、黒字国に累積するからです。

このため赤字が大きくなった1990年代から、「米国景気はいい、米ドルは強い、ドル株は上がる」と、米国側から言われ続けてきたのです。

ドル基軸通貨の体制を守る米国経済の安全保障が、この目的です。海外がドルを受け取らなくなると(=ドル売りになると)、米国経済はドルの暴落、株価の下落、輸入価格の高騰から破産するからです。
 

38. 中川隆[-10579] koaQ7Jey 2019年10月25日 12:03:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2290] 報告

「バブルかどうかの判断基準は「ミンスキーモーメント」=「民間債務」の対GDP比

2019年5月29日
「バブル」の実態は「民間負債」
From 藤井聡(京都大学大学院教授)
https://38news.jp/economy/13731

そもそも「リーマンショック」とはいわゆる「バブル崩壊」。

そして、その「バブル」の実態は「民間負債」です。

皆がカネを借りまくって投機しまくって、
地価や株価が急騰していく現象です。

で、そんな「民間負債」が超絶に拡大していった時、
何かのきっかけで「借金の焦げ付き」が
(つまり、「貸した金が返ってこなくなる」と言う現象が)
急速に連鎖し、皆が一気に“破産”していく現象が
「バブル崩壊」です。

こういった「バブル崩壊」は、
(MMTの主唱者の一人であるレイの師匠である)
経済学者のハイマン・ミンスキーがそのプロセスを理論化しており、
しばしば「ミンスキーモーメント」とも呼ばれています。

バブル崩壊=ミンスキーモーメントの
過去の代表例として挙げられるのが、

・1990年 日本のバブル崩壊
・1997年 タイや韓国等のアジア通貨危機
・2007〜9年 アメリカのリーマンショック(サブプライム住宅ローン危機)

です。

「この時、一体、何が起こったのか」
を見てみたのが、こちらのグラフ。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1826739577426977&set=a.236228089811475&type=3&theater

これらのグラフは、
「民間債務」の対GDP比の推移を示しています。

まず、日本は、80年代のバブル景気の時、
民間債務が年率でGDPの9.2%ずつ拡大していき、
(つまり、年間40兆円〜50兆円程度ずつ!)
GDPの210%にまで膨らみきった1990年、
(金融引き締めや、土地取引の総量規制をきっかけとして)
その「バブル」が崩壊しました。

タイや韓国も、
民間債務がGDP比で
年率8〜10%ずつ拡大していき、
GDPの140〜160%程度にまで膨らんだ時に
(ヘッジファンドの通貨の空売り攻勢がきっかけで)
そのバブルが崩壊しました。

アメリカも、民間債務が、
GDPに対して年率4.3%ずつ拡大していき、
170%に達した時に、バブルが崩壊しました。

こう見てみますと、
バブル崩壊には次のような共通のパターンがある
ことが見えてきます。

すなわち、民間の借金が、
GDPに対して年率で5〜10%ずつ拡大していき、
GDPの150〜200%程度に至った時に、
何かのきっかけで、バブル崩壊が起こるわけです。

(※ なお、新興国は、概して、債務の拡大率が大きく、
破裂水準は低いようですね。)

こう考えると、
「民間債務の膨らみ」
は、地震の岩盤の破壊エネルギーの様なもので、
ある程度溜まると岩盤が破壊して地震が起こるように、
その内「バブル崩壊」してしまうのです。

・・・では、今の世界を見回したところ、
一番ヤバそうなのが、中国!


こちらのグラフに、今、バブル崩壊が、
ヤバそうな国を並べてみました。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1826741800760088&set=a.236228089811475&type=3&theater

ご覧の様に中国は、かつての日本と同様、
対GDP比で年率10.2%もの割合で、
民間債務が拡大していき、
もはやGDPの207%にまで達しています。

もうこうなれば、何かのきっかけがあれば、
スグにでも、この中国バブルは崩壊することになるでしょう。

実際、こんな報道もなされるようになってきています。
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1410636/

そんな中国の中でも特にヤバイのは、香港。

債務が年率12.1%という未曾有のスピードで拡大し、
何とGDP比で300%を超えてしまっているのです!

こんな債務拡大が、いつまでも続く筈がありません。

実際、UBS証券は香港の不動産バブルが「世界最悪」だ、
という分析結果を公表しています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFWA786K50XX01

中国・香港のバブル崩壊は、
もはや秒読み段階にあると見ていいでしょう。

これから始まる米中経済戦争が、
その引き金を引くことになるかもしれません。

あるいは、「日本の消費増税」に伴う日本の大不況が、
中国のバブルをはじけさせるきっかけになるかもしれません。

何と言っても、日本経済はまだまだ巨大な存在であり、
それが不況になってしまうのは、
世界に大迷惑をかけるのです。

なお、民間債務対GDP比が200%を超えたカナダや、
新興国の危険水域である140〜150%に
近づきつつあるベトナムも要注意です。

人類は、リーマンショックで
過剰なグローバル化や過剰投機が
どれだけヤバいモノなのかを学んだ筈なのですが―――
何度も何度も、過ちを繰り返すようです。
https://38news.jp/economy/13731


▲△▽▼


世界の民間債務残高対GDP比 国別ランキング・推移 – Global Note
https://www.globalnote.jp/post-15129.html

・世界の民間債務残高対GDP比 国際比較統計・ランキング。
・各国の民間部門債務残高の対GDP比率と国別順位を掲載。
・単位は%。

・当該国の民間部門総債務残高のGDP対する比率。

・民間部門は企業部門(除く金融機関)と家計部門(個人及び対家計民間非営利団体)の合計値。

・金融機関の債務残高は含まない。

・債務には金融機関、企業、政府、個人及び海外からの債務を含む。

・債務残高は各年末時点ベース。

・家計部門・企業部門別の債務残高対GDP比率は内訳データリンクより。


【内訳データ解説】
・民間債務残高対GDP比(家計部門)
 - 家計部門の総債務残高のGDPに対する比率
 - 家計部門には個人のほか対家計民間非営利団体(NPISH)を含む。
・民間債務残高対GDP比(企業部門)
 - 金融機関を除く一般企業の総債務残高のGDPに対する比率
https://www.globalnote.jp/post-15129.html


▲△▽▼


「民間債務」の対GDP比
https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/pdf/s1-18-1-2.pdf

https://www.google.co.jp/search?lr=lang_ja&hl=ja&rlz=1I7AWNC_jaJP826&tbs=lr%3Alang_1ja&ei=4FyyXY6gGIy4mAXaq72wDw&q=%E6%B0%91%E9%96%93%E5%82%B5%E5%8B%99+%E5%AF%BE+%EF%BC%A7%EF%BC%A4%EF%BC%B0&oq=%E6%B0%91%E9%96%93%E5%82%B5%E5%8B%99+%E5%AF%BE+%EF%BC%A7%EF%BC%A4%EF%BC%B0&gs_l=psy-ab.3...2098.10126..10319...0.0..0.106.387.2j2......0....1..gws-wiz.......0.ebvDflokUeQ&ved=0ahUKEwiOkLzNrbblAhUMHKYKHdpVD_YQ4dUDCAo&uact=5#spf=1571971849631

39. 中川隆[-10506] koaQ7Jey 2019年10月29日 13:05:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2367] 報告
2019.10.29
ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(1/3)

 アメリカの支配力が急速に弱まっている。基軸通貨を発行する特権を利用して世界に大きな影響力を持ってきたアメリカだが、その特権を失いかけているからだ。こうしたことは少なからぬ人が指摘してきた。


 かつてドルは金との交換が認められていたが、1971年8月にリチャード・ニクソン大統領がドルと金との交換停止を発表、73年から変動相場制へ移行している。


 このシステム変更によってアメリカはドルを金に束縛されることなく発行できるようになるが、金という裏付けをなくしたことから何も対策を講じずに発行を続ければ基軸通貨としての地位から陥落してしまう。


 そこで、アメリカの支配層は流通するドルを吸い上げる仕組みを作る。その仕組みのひとつが石油取引のドル決済強要。サウジアラビアをはじめとする主要産油国に対し、石油取引の決済をドルに限定させたのだ。


 どの国もエネルギー資源は必要であり、各国は石油を買うためにドルを買い集め、ドルは産油国に集まる。産油国はアメリカの財務省証券や高額兵器を買うという形でドルをアメリカへ還流させ、アメリカ支配層は還流したドルを地下へ沈め、固定化させる。いわゆるペトロダラーの仕組みだ。


 だぶついたドルを吸い上げ、流通する通貨の量をコントロールする別の仕組みも整備された。投機である。投機市場にドルを吸い上げさせ、そこでドルを沈め、人びとへは替わりに数字が与えられる。いわば金融マジックであり、ドルは狸や狐が人間をたぶらかすために使う木の葉のようなもの。


 人びとが価値あるものだと信じている間、ドルは通貨として機能するが、信頼度が低下するとマジックは機能しなくなる。製造業を放棄したアメリカは金融マジックで人びとをたぶらかし続けるしかない。


 この金融マジックを正当化するための「理屈」を考えたのがミルトン・フリードマンたち。フリードマンは1976年にノーベル経済学賞を受賞している。つまり、金融マジックは西側支配層が望んでいたことだ。そのマジックに中国も参加する
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290000/


2019.10.29
ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(2/3)

 アメリカとソ連は1983年から84年にかけての時期に核戦争の寸前までいった。ロナルド・レーガンとユーリ・アンドロポフの時代だ。


 アンドロポフは1984年2月に死亡、コンスタンティン・チェルネンコを経て1985年3月から西側を信奉するミハイル・ゴルバチョフが最高指導者になり、ソ連解体への道筋を作った。止めを刺したのはボリス・エリツィンだ。


 その間、アメリカでは1982年にレーガン大統領がNSDD55を出し、憲法の機能を停止させる目的でCOGプロジェクトを始める。


 ドワイト・アイゼンハワー大統領の時代にアメリカでは核戦争の際に国を動かす「秘密政府」を設置することが決められ、1979年にはFEMAが作られた。それを発展させたものがCOGプロジェクトである。


 このプロジェクトは1988年に質的な変化を遂げる。大統領令12656によって、憲法は「国家安全保障上の緊急事態」の際に機能を停止できることになったのだ。自然災害でも何でも政府が「国家安全保障上の緊急事態」だと判断すればよくなったのである。


 1980年代からネオコンはイラクのサダム・フセイン政権を破壊して親イスラエル体制を樹立、シリアとイランを分断し、その両国を破壊するという戦略をたてていた。


 1991年12月にソ連が消滅した直後の92年2月、その戦略を発展させる形で国防次官だったポール・ウォルフォウィッツを中心に国防総省のDPG草案を作成する。これは一種の世界制覇プランで、ウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。


 このドクトリンに基づき、PNACというシオニスト系シンクタンクは2000年に「アメリカ国防の再構築」という報告書を出す。この年に実施された大統領選挙で勝利したジョージ・W・ブッシュはこの報告書に基づいて国際問題に関する政策は決めていく。


 アメリカの国防政策を「革命的に変化させる」としているのだが、そのためには「新たな真珠湾」のような何かが必要だと主張している。ネオコンに好都合なことに、2001年9月11日にそうした衝撃的な出来事が引き起こされた。


 いわゆる9/11だが、この出来事を切っ掛けにしてアメリカ国内の収容所化と国外での侵略が急速に進められる。2003年3月にブッシュ・ジュニア政権はイラクを先制攻撃してフセイン政権を破壊するが、親イスラエル体制の樹立には失敗、2011年春にバラク・オバマ政権はジハード傭兵を使ってリビアとシリアへの侵略戦争を開始する。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290000/

2019.10.29
ネオコンの好戦的な政策はアメリカ帝国の終焉を早めた(3/3)


 21世紀に入って再独立に成功したロシアをアメリカの支配層は再び属国化するため、2014年にはウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターを実行する。政権の転覆には成功するが、戦略的に重要なクリミアの制圧に失敗、クーデターに反対する住民が多かった東部では戦闘が始まり、南部では反クーデター派の虐殺があった。


 ウクライナを支配してロシアとEUを分断し、EUのアメリカ依存を高めると同時にロシアから市場を奪って経済を破綻させようとネオコンは計算していたのだろうが、失敗に終わる。ロシアは東を向いたのだ。


 2014年に香港で反中国運動が盛り上がったのだが、その背後にアメリカやイギリスがいることを知った中国はアメリカから離れ始める。そのタイミングでウクライナのクーデターがあり、西側信仰が残っていたロシアでのEU離れにつながった。そしてロシアと中国は戦略的な同盟関係に入る。


 この年、オバマ政権はシリアでダーイッシュ(イスラム国、IS、ISIS、ISILとも表記)を売り出し、残虐さを演出、リビアと同じようにアメリカ軍/NATO軍にシリアを大々的に攻撃させようとしている。


 2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィを倒した後、オバマ政権は戦闘員と武器/兵器をシリアへ集中させ、反政府軍を支援する。そうしたオバマの政策を危険だと警告したのがアメリカ軍の情報機関DIAだった。


 ​DIAは2012年の8月、シリアで政府軍と戦っている武装勢力はサラフィ主義者やムスリム同胞団が中心だと指摘​し、反政府軍としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の名前を挙げている。ちなみにアル・ヌスラの主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団だ。


 この報告書でDIAはオバマ政権の政策がシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告、それはダーイッシュの出現という形で現実になった。2014年のことだが、その年にDIA局長だったマイケル・フリン中将は解任され、15年にオバマ大統領は国防長官や統合参謀本部議長を好戦派へ交代させる。そして2015年9月末にロシア軍がシリア政府の要請で介入、ダーイッシュは支配地域を急速に縮小させていく。


 その前、2013年からオバマ政権は軍事介入を正当化させるために化学兵器話を宣伝するが、すぐに嘘だということが判明してしまう。(そうした話は本ブログでも繰り返し書いてきたので、ここでは割愛する。)


 それでも攻撃する姿勢をアメリカ軍は見せ、シリア近くの基地にB52爆撃機の2航空団を配備、さらに5隻の駆逐艦、1隻の揚陸艦、そして紅海にいる空母ニミッツと3隻の軍艦などの艦船を地中海へ派遣した。


 対抗してロシア政府は「空母キラー」と呼ばれている巡洋艦のモスクワを中心に、フリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形に配置したと報道された。


 攻撃が予想されていた9月3日、​地中海の中央から東へ向かって2発の弾道ミサイルが発射​される。このミサイルをロシアの早期警戒システムがすぐに探知したが、2発とも海中に落ち、その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表している。


 事前に周辺国(少なくともロシア)へ発射実験が通告されなかったこともあり、実際にシリアへのミサイル攻撃を始めたのだが、何らかの理由で墜落した可能性がある。ジャミングなどECM(電子対抗手段)が使われたと推測されていた。


 それを反省したのか、ドナルド・トランプ大統領は2017年4月6日にアメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから59機の巡航ミサイル(トマホーク)を発射させるが、約6割が撃墜されてしまった。2018年4月にはイギリスとフランスを巻き込んで100機以上の巡航ミサイルをシリアへ向けて発射したが、そのうち約7割が撃墜される。


 それだけでなく、シリアでの戦争はロシア軍の強さと兵器の優秀さを人びとに知らしめることになった。ネオコンの好戦的な政策はドル体制を支える柱のひとつだったアメリカの軍事力に対する神話を崩すことになったと言える。その先にはドル神話の崩壊、アメリカ帝国の終焉が見える。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910290001/

40. 中川隆[-10418] koaQ7Jey 2019年11月01日 10:23:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2462] 報告
2019/11/1
「文春砲」の目的は何か・・・安倍政権への米国の圧力 
https://green.ap.teacup.com/pekepon/2426.html
 

■ 「文春砲」の連発で大臣が二人も辞任 ■

週刊文春のスクープで菅原経産大臣に続き河井法務大臣が早々に辞任を表明しました。

河井大臣は、奥さんが立候補した選挙で、うぐいす嬢に公職選挙法で定められた日当15000円の二倍に当たる30000円を支払った嫌疑を追及されています。選挙事務所を事実上取り仕切っていたのが、河井法相だった様で、その他、ご自身も菅原大臣同様に有権者に贈り物をしていた疑いも報じられています。

ニュースでは「倍総理の任命責任は重い」と上辺の責任追及こそしていますが、野党がこの問題で安倍政権を窮地に追い込む事は不可能でしょう。通り一遍の国会パフォーマンスはするでしょうが・・。

■ 議員秘書というスパイ ■

ネットを見ると、選挙経験者らが、「うぐいす嬢の日当15000円は安すぎて誰も集まらないので、地方選挙でも30000円は相場」などと書いています。きっと全ての国会議員が同様に選挙違反をしているハズです。さらに、有権者への香典や盆暮れの贈答品なども、叩けば埃の出る議員は、与野党問わず大勢いらっしゃるでしょう。

全く潔白な国会議員など皆無だと思われますが、時として「些細な不正」が「元秘書」の告発で漏洩します。

実は自民党の秘書には〇〇教会の信者が多いと噂されます。どの議員も資金繰りは火の車ですから、無償の秘書を斡旋するのだとか・・。wikipediaによれば安倍首相の御父上の安倍晋太郎氏は統一教会員を議員秘書として斡旋していたとか・・・。(真偽は不明ですが)

彼らは低賃金、或いは無償で秘書の仕事をこなす一方で、議員の情報を収集するスパイだと私は妄想しています。飼い主は〇〇教会の上部組織である米諜報機関では無いかと・・・。

■ 安倍政権を強請る米国 ■

モリカケ事件の時にも書きましたが、あの事件以来、安倍総理は米国の言いなりになっています。

新聞や週刊誌は、一時、報道をヒートアップさせますが、政権を追い詰めるまでは世論を盛り上げず、やがて人々の興味は別の事件へと移って行きます。しかし、モリカケ事件は、文科省や財務省や国土交通省、さらには大阪地検特捜部まで必死に隠蔽しましたが、その立証も難しくはありません。現職総理大臣が退陣するには充分な事件なのです。

この様に、日本の政治家は米諜報機関に弱みを握られており、米国はマスコミを使って政権に好きな時に圧力を掛ける事が出来ます。これに対抗する為に、民主党が政権を取る前の自民党政権では、コロコロと首相が交代して、アメリカの要求から逃れていました。福田康夫元首相が辞任するきっかけは、中東への自衛隊の派遣要請だったと言われています。「あなたには分からないんです」と記者にキツク言い放った言葉の裏には、万感の思いがあったのでしょう。そして、清々しい表情で官邸を去って行った。

安倍首相に福田氏の様な潔さが有れば、自民党の党則を変えてまで3期も首相を務める事は無かったのでしょうが、彼は政権を手放そうとしません。世間的には憲法改正という偉業?を成し遂げる為と思わてていますが、私は、アメリカに脅されているだけだと妄想しています。「首相を辞任したら逮捕されるぞ・・・」とでも言われているのかも知れません。(妄想ですが)


■ アメリカが安倍政権に達成させたい事 ■

安倍首相はアメリカのメディアでは「トランペット=トランプのペット」などと揶揄されています。トランプ大統領としては「(何でも言う事を聞いてくれる)大切なパートナー」として安倍首相と重宝しています。

日本に行って、ちょっと脅せば武器を買ってくれる。
アメリカに呼んで、ちょっとおだてれば、トウモロコシを買ってくれる。
脅したり、おだてたりすれば、日米貿易交渉でアメリカの言い分を聞いてくれる。

表の報道から一般の人が想像出来るのは、この程度でしょう。

さらには、「憲法を改正をして自衛隊を中東に派遣する」事が最終目的かなと思われている方も多いでしょう。しかし、今回のペルシャ湾への自衛隊の「調査派遣の検討」を例に取るまでも無く、現行法の枠内で自衛隊の中東派遣は可能です。実際に、イラク戦争では、自衛隊は兵隊の空輸に参加しています。復興目的ではありますが、「戦闘地域」のサマワに陸自も投入しました。一応、国会で法案を通してはいますが、憲法改正無くとも派遣の前例を作っています。

■ 日本の公的、半公的資金を米市場から引き揚げ無い為の圧力 ■

私は今回の一連の「文春砲」の圧力は、日本の資金が米国市場から逃避しない為の圧力では無いかと妄想しています。

年金の積立金を運用するGPIFの資金や、ゆうちょ銀行、農林中金などの資金の多くは、米国債や、米株式市場や、ジャンク債市場や、ローン担保証券市場(CLO)で大きな存在感を示しています。

IMFも世界銀行も2020年に世界的な景気後退が起こると、直近の年次総会で警告しています。デリバティブ市場の規模を考えれば、リーマンショック以上のシステマティックな危機に発展する可能性は低くありません。

当然、ヘッジファンドを始めとした目先の利く投資家は、とうの昔にリスク市場から撤退していますが、金融機関を介して市場に投入された個人の資金や、公的資金がリスク市場に取り残されています。先日のソフトバンクの10兆円ファンドではありませんが、「ババ」を引かされる可能性が高い。

この様な状況にあって、本来は安全運用すべきGPIFの資金がリスクに晒されています。GPIFは「長期運用なので短期の下落をそれ程重視していない」と言っていますが、さすがに何十兆円もの損失を出せば、世論に押されて「損切」をせざるを得なくなります。(損切こそが金融資本家達の目論見なのですが)


あくまでも妄想に過ぎませんが・・・来年のオリンピックで日本の目が国内に釘付けになる頃、海外の市場のそこかしこで、黒い白鳥が首を水面からもたげるかも知れません・・・。或いは、もっと早い時期に。


ところで、関西電力幹部の金品授受問題、フェードアウトしちゃいましたね。あのネタを深堀されると、与野党を問わずヤバイ議員が多いのかも知れません。同和問題も絡んでいますし、マスコミ的にもあまり深堀したく無いのでしょう。ここら辺、自公政権の闇にも通じる問題ですね。国会議員の一体どの位が日本人なのか・・・私ならば傀儡国家はマイノリティーに支配させます。その方がコントロールが容易い。イギリスのMI6が良く使う手ですね。
https://green.ap.teacup.com/pekepon/2426.html

41. 中川隆[-15187] koaQ7Jey 2019年12月09日 18:39:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2252] 報告
【ノモンハン戦役】 A 1929年に始まった世界大恐慌

42. 中川隆[-15150] koaQ7Jey 2019年12月12日 15:31:44 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2214] 報告

2019年12月12日
投資の神様・バフェットの真似をしても損する理由

「ハンバーガーが安ければ買うでしょう。株も同じです」と言うのだが


引用:http://stat.ameba.jp/user_images/20140727/02/tomaatlas21/81/79/j/o0590040013015364240.jpg


バフェットは最も優秀で最も成功した投資家で、多くの投資指南では彼の手法を見習うべきだとされている。

だが日本人がバフェットと同じ事をしても、まず失敗する。

バフェットの必勝法と矛盾


世界で最も成功した投資家はアメリカ人のウォーレン・バフェットで、資産は5兆円とも言われている。


彼の投資法の信奉者は多く、投資の王道の一つとされている。


だがバフェットの投資法を模倣しても、投資家の9割の人は人生トータルでは投資で損をする。

正しい投資法を実行しているのに、どうして多くの人が負けるのか不思議な気がします。


バフェットの投資理論の多くは、第二次大戦後のアメリカでしか通用しないのだが、その理由をこれから説明します。


バフェットの成功は彼自身の優秀さや正しさ以外に、多くの偶然にも支えられていました。

バフェットの誕生日は1930年8月30日で第二次大戦が終わったとき、15歳の頃には投資を始めていました。


父親は地元では成功した株のディーラーで、州議会議員も勤めた名士でした。


アメリカの大恐慌は1929年10月24日に発生し、丁度バフェットガ生まれる1年前で、既に昔話になっていました。

大恐慌直前には1929年9月3日にダウ平均株価381ドルの史上最高値をつけていました。


ダウ平均株価は5年間で5倍に高騰し、あらゆる評論家や経済学者全員が「これからも株価は上昇する」と断言しました。


しかし最高値をつけた3年後の1932年7月8日にダウ工業株平均が41ドルと、ほぼ10分の1にまで下落してやっと大底を打った。

これが第二次世界大戦の原因になる世界不況を作った大暴落なのだが、第二次大戦前には、株の暴落は珍しくは無く、優秀な投資家は皆「空売り」で儲けていた。


世界恐慌までのアメリカは自由貿易主義、自由経済主義のような事を唱えていて「経済は放置すれば完全な状態に保たれる」と思われていた。


大恐慌が始まっても「市場の作用」によって自動的に立ち直ると考えられていたので、誰も何の対策もしませんでした。

こういう時代では明らかに、バフェットの投資法は通用しません。

そして日本を始めアメリカ以外の多くの国では、大恐慌時代のアメリカのような投資状況なのです。


恐れを知らない投資家


大恐慌の結果アメリカは「自由経済なんか嘘だ!」という事を学び、市場や経済を管理する「管理経済」に移行しました。

自由放任でうっちゃらかしから、管理して乱高下しないよう調整する事にしたのです。


この変化によって大戦後のアメリカでは株式相場は「必ず上がるもの」になり暴落は滅多に起きなくなり、しかも下落幅は戦前より小さくなりました。


「もう株の暴落を起こさない」のがアメリカ政府の政策であり公約になったのです。

この時颯爽と株式投資に参加したのが10代のバフェットでした。


バフェット以前にもアメリカには投資の天才が星のように存在しましたが、彼らは「株は暴落する」という考えを捨て切れませんでした。


日本でもバブル崩壊を体験した世代の投資家は、「土地は値下がりしない」と言われても信用しないと思います。

大恐慌では株が10分の1になった訳で、市場崩壊を目の当たりにした戦前投資家は、政府を信用しませんでした。

バフェットは戦前投資家とは違い、アメリカ政府を100%信用した上で投資しています。


「アメリカは永遠に世界のリーダーである」「株は暴落せず、永遠に値上がりし続ける」といった事がバフェット投資の前提になっています。

バフェットがもし15年か20年ほど早く生まれていたら、株を始めたころに大恐慌に遭遇してしまい、脳味噌を焼かれてしまったでしょう。


毎日毎日株価が下がり続け、3年後に10分の1になったら、彼も投資から手を引いて別な仕事をしたかも知れません。


戦前の投資家は大恐慌で脳を焼かれてしまい、株が暴落する恐怖から、値上がりした株を直ぐに手放しました。

バフェットは株が暴落するのを見た事が無いので、株を持ち続けました。


為替変動の影響が無いアメリカ


先ほど「日本を始めアメリカ以外の多くの国では、大恐慌時代のアメリカのような投資状況」だと書きました。

日本では第二次大戦後も、株は上がり続けるものではなく、定期的に暴落が起きています。

暴落の原因のほとんどは、為替変動やオイルショックなど外部の要因から来ています。


ところが世界で唯一、為替相場の影響を受けない国があり、機軸通貨のドルを発行しているアメリカです。

為替変動はドルに対して乱高下する事で打撃を受けるので、アメリカだけがドルに対して変動しません。

日経平均株価を見れば、円高で下がり円安で上昇するのがはっきり分かる。


投資家がいくら正しい判断をしても、円高になればまったく無意味で、株価は一律に下落していきます。

東北地震の後でドル円レートが70円台まで円高になりましたが、天変地異や世界経済危機の度に円高になるのも特徴的です。


アメリカでは9.11など悪いニュースがあればドル安になり、むしろ輸出では有利になるが、日本は円高になります。


日本の複雑怪奇な為替と株の市場では、バフェットの理論は残念ながら通用しません。

バフェットは良く講演で次のような言葉を話します。「株は一度も下がった事が在りません。保有し続ければ必ず儲かるのです。」

「ハンバーガーが安ければ買うでしょう。株も同じです。さあ買いましょう。」

彼が日本人なら決してそう言わないでしょう。


成功した投資家の大半がアメリカ人


バフェットは年率22%のペースで資産を1949倍の6兆円に増やした。

バフェットの投資法の根幹になっているバリュー投資法は、価値のある会社を見つけたら、買って買ってとにかく買いまくる。


早く言えばこういう事で、マクドナルドやコカコーラが有名です。


コカコーラには価値があり、しかも割安だと判断したら、買い続けて株価が上がって資産が増える。

日本では通用しそうに無く、しかも日本人がアメリカの株を買っても、為替変動の影響を受けるので、日本株を買うのと同じリスクを負う。


バフェットが来日したとき「日本には永続的価値のある会社が1社もなかった」と言いましたが、コカコーラ方式では日本では存続し得ないのです。


世界の著名投資家のほとんどがアメリカ在住や出身者で、アメリカ人がいかに投資環境で恵まれているか分かる。

外国人がアメリカ人のように投資しても、基軸通貨ではないので、いつか為替でやられてしまう。

20世紀の世界三大投資家ソロス・バフェット・ロジャーズは3人ともアメリカで成功した人です。


「事業」ではなくいわゆる金転がしの意味の「投資」では、世界の著名投資家の9割までをアメリカ人が占めている。

大半はバフェットと同様に「買って買って買いまくった」結果資産を急増させた人たちです。


ジョージソロスは「ショート」つまり空売りで有名ですが、インタビューで「生涯通産で利益を上げたのはロングだけ」と言っています。


投資の魔王のようなソロスですら、アメリカ以外では通用しなかった可能性があるのです。

株を買って保有し、利益が出たらまた買い増すという方法は、アメリカ人にしか実行できません。


他の国の人が同じ方法を取っても、いつか為替変動や外部要因の暴落でやられてしまうでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/35127740.html

43. 中川隆[-14721] koaQ7Jey 2020年1月10日 12:37:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1667] 報告
イランの反米司令官が爆殺されたので、安心して米国株を増やして勝ち組になれる=鈴木傾城 2020年1月9日
https://www.mag2.com/p/money/879228
イランのソレイマニ司令官は爆殺で肉片となったことで、アメリカの覇権国家としての意思と能力が計らずに新年早々分かった。そこで私は、安心してアメリカの株式を増やすことに決めた。
アメリカに賭けていれば、誰でも資本主義社会の勝者になれる?
爆殺事件で株価は乱高下
2020年に入ってからいきなりトランプ大統領がイランのソレイマニ司令官を殺害して世界を震撼させている。
現場に転がっている遺体を写真で見てみたが、空爆をまともに受けたソレイマニ司令官の身体は、四肢が飛び散って焼けて爛れていたことが確認できた。即死だ。何が起きたのか分からないまま死んだはずだ。
顔面も黒焦げになって炭化していた。両腕は吹き飛んでいたが、左手の指は全部残っていた。その薬指にはソレイマニ司令官がいつも付けていた指輪が付いていた。遺体の損壊はひどかったが、指輪は無傷で残っていたのが印象深い。
ソレイマニ司令官は、2003年のイラク戦争の時にはイラク側について、イラクの武装組織に武器を与えてアメリカに甚大な被害をもたらしていた。イランとイラクはいつも敵対しているのだが、イランはアメリカとも敵対している。
「敵の敵は味方」を実行していたのがソレイマニ司令官でもあった。以後もソレイマニ司令官は常に反米の立場でイラクに駐屯するアメリカ兵を苦しめ続けた。アメリカにとって、この男は「危険なテロリスト」だったのである。
ソレイマニ司令官の死を受けてイランが「報復する」と吠えると、トランプ大統領はすぐに「報復したら52ヶ所を直ちに激しく攻撃する」と返した。
株式市場は爆殺事件を受けて下落、ドルが売られて円が買われるという動きが起きた。ツイッターでは「第三次世界大戦」が世界でトレンド入りし、「核戦争が起きるかもしれない」と危惧する人たちも現れた。
戦争になるのだろうか?
本音では戦争を避けようとしていることが分かる
戦争は現場の偶発的で些細な衝突などがきっかけで両国が相手を非難しながらなし崩し的に始まることも多い。一触即発の状況がそこにあるのであれば、「絶対に戦争はない」と断言するのは危険なことだ。
しかし、両国が戦争を望んでいるのかどうかと言われれば、「どちらも戦争を望んでいない」という点では一致している。
イランは口では勇ましいのだが、アメリカと全面戦争になったら勝てるわけがないので「報復する」「厳しい復讐が待ち受けている」と言いながら、別の局面では「アメリカと戦争するつもりはない」と腰が引けている。
そして、トランプ大統領も「イランと戦争するつもりはない。戦争を避けるための措置だった」と言っている。
建前では激しい口調で相手をテロリスト呼ばわりして「復讐する」「攻撃する」と叫びながら、本音では戦争を避けようとしていることが分かる。
戦争にならないとは絶対に言えないのだが、どちらも戦争をしたくないと考えているのであれば「利害は一致している」のだから、このソレイマニ司令官爆殺事件がそのまま戦争にエスカレートする方向ではないというのが分かるはずだ。
イラクでは反米の気運がかなり高まっているのでテロリストがイラクに駐留する米兵5,000人を標的にして状況が悪化していく可能性はゼロではない。しかし、今のところ、戦争は起こらないように両国の政府は動いている。
それにしてもなぜトランプ大統領は今のこのタイミングで、ソレイマニ司令官の暗殺を決意したのだろうか。
「ソレイマニ司令官はイラクと中東全域で、米外交官や軍関係者への攻撃計画を積極的に策定していたから」という国防総省の声明は鵜呑みにできるのだろうか。この男は十数年も前からずっと攻撃計画を積極的に策定していたのだから、それは今に始まったことではない。
「ただ単に選挙対策だったのではないか」と言われている
なぜ、トランプ大統領は2020年に入った今、暗殺を指示したのか。アメリカの多くのメディアは「ただ単に選挙対策だったのではないか」と言っている。
2020年はいよいよ大統領選のクライマックスに入る。トランプ大統領はここで分かりやすい勝利が欲しい。大統領弾劾追訴から国民の目をそらすためにも、何か分かりやすい「功績」が必要だ。
戦争になったら勝利が長引くので「功績」が大統領選挙に間に合わないかもしれない。戦争にならない分かりやすく手っ取り早い「功績」が欲しい。いろいろ検討した結果、ソレイマニ司令官の爆殺が手頃だと判断された。
そういうことだったのではないか。
現に、クリントン元大統領も不倫揉み消しのためにイラク空爆なんかをやっている。アメリカの大統領は自分の都合で外国のどこかを爆撃して「功績」にするのがひとつの手法になっているのだ。
ソレイマニ司令官は一瞬にして爆殺されて肉片となって飛び散って人生が終わったが、これはトランプ大統領にとってはただの「選挙キャンペーン」の一環でしかない。とりあえず暗殺は無事に終了して、この男の死は自分の「功績」となった。
ソレイマニ司令官の死の意味を私たちは憶測し、アメリカとイランの複雑な関係をメディアはどこかの専門家を引っ張り出して滔々と述べさせている。しかし、トランプ大統領が「大統領選に有利になるためにやった」のが動機なのであれば、すっかりトランプ大統領の選挙キャンペーンに乗せられている。
ソレイマニ司令官を無事に爆殺して「功績」を1個手にしたトランプ大統領は、得意満面でそれを発表した翌日にのんびりゴルフをして遊んでいる。これから戦争に向かう緊迫した状況ではないのは確かだ。
トランプ大統領の中では、もうこれは終わった話題だ。
最後に生き残るのは、結局のところアメリカでしかない
そんなわけで、私自身は別にイランとアメリカがこれによって第三次世界大戦の引き金を引くとは思っていないし、どちらも戦争したいと思っていない以上は、自然に収束していくようなレベルのものであると思っている。
この状況を見ると分かる通り、世界情勢は「アメリカが主導権を握っている」ということが分かる。他国で自国に都合の悪い人間を空爆できるほどの主導権がアメリカにはあるのだ。
凄まじく自己中心で乱暴で強引なのがアメリカという国である。世界を支配している覇権国家であり、帝国である。
アメリカは自分たちの覇権国家としての地位を脅かす存在は決して許さない。同盟国だろうが、貿易相手だろうが同じだ。
日本も1985年にプラザ合意を飲まされて異常なまでの円高誘導に導かれたが、アメリカは台頭してきた国があればことごとく牙を剥いて仕留めにかかる国である。
EU(欧州連合)も「アメリカを超える超大国になる」と言い出した瞬間にアメリカに敵視されてガタガタになっているし、中国もまたアメリカを超える経済大国・技術大国を目指すようになった瞬間、アメリカは牙を剥くようになった。
中国共産党政権が支配する中国は、もともと国民弾圧と言論封鎖と知的財産の強奪で成り立っている国である。長く存続できるような体制になっていない。
そんなところに中国はアメリカの標的になったのだから、遅かれ早かれアメリカに叩き潰されて歴史の藻屑に消えていくのは間違いない。中国共産党政権は国と共に滅び去り、以後は今の中国が4つか5つに分裂しても、私は驚かない。
最後に生き残るのは、結局のところアメリカでしかない。
アメリカに賭けていれば資本主義社会の勝者になれる
だから、私は世界の支配者であるアメリカに資金を賭けて何の心配もしていない。
アメリカは世界中の資金を吸い上げている現代の資本主義の総本山である。アメリカの株式市場そのものや、アメリカ有数の多国籍企業の株を買って保有しておけば、他に難しいことをしなくても資本主義で勝てる。とてもシンプルな話だ。
イランのソレイマニ司令官は爆殺で肉片となったことで、アメリカの覇権国家としての意思と能力が計らずに新年早々分かった。そこで私は、安心してアメリカの株式を増やすことに決めた。
これが現代社会でもある。嫌な世の中だ……。
44. 中川隆[-14673] koaQ7Jey 2020年1月12日 13:42:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1606] 報告
2020年01月12日
アメリカ経済だけがなぜ成功するのか 日本と逆だから


FRB議長ベン・バーナンキは「空からお金を撒けば景気は良くなる」と発言した。
全世界から馬鹿扱いされたが、結果はバーナンキが正しかった。

引用:http://www.bullnotbull.com/gallery/images/g-helicopter-big.jpg


世界中が不況に苦しんでいる中で、アメリカは景気が良すぎてインフレ懸念や人件費高騰が懸念材料です。

なぜアメリカだけがいつも成功し、日本はいつも失敗するのでしょうか。


公共事業・軍事増強だから成功した

2019年は米中貿易対立が起き、中国は過去最低の成長率になり、日本は不況に沈んだままです。

アジアの新興国の急成長は止まり、南米やアフリカの「奇跡」はやっぱり起きませんでした。

中東の資源国はエネルギーバブルが弾けて経済縮小に喘ぎ、国営石油会社を民営化したりしている。


そんな中で世界で唯一好景気、高成長なのがアメリカで、お金が余りすぎて株価は史上最高値を更新していました。

日本は長い間ゼロ金利で金融緩和までしているが、アメリカでは景気が良すぎてお金が余っている。

10年ほど前の2008年頃、アメリカはリーマンショックの震源地で国家破産が心配されていました。


それがどうしてアメリカだけが数年で回復し、景気が良すぎてお金が余るほどになったのでしょうか。

理由は一言で言えば、アメリカ人はお金の原理を知っているが、日本人はお金に背を向けている。

「金持ち父さん、貧乏父さん」という本が在ったが、貧乏父さんは日本で金持ち父さんがアメリカです。

経済成長とは金を増やす事

経済成長とはお金を増やす事ですが一見当たり前の事を、世界中の国でアメリカしか実行していません。

例えば日本は現在「財政均衡・緊縮財政」をしていて、国の借金は悪い事だと考えています。

アメリカの財政政策を一言で言えば「どんどん借金してどんどん使え」で、お金を使って経済成長します。


日本はお金を節約し、お金を減らしているので30年間ずっと不況のまま変わりません。

節約とはお金を減らす「経済縮小」なので、続ける限りこれから先も日本は絶対に経済成長しません。

日本の財政規模が100兆円と言ったって、3分の1は借金を返すのに使っています。


アメリカ人はこんなアホな事はせず、予算を200兆円に増やして経済成長を起こし財政を好転します。

これが「お金を増やす」という事で、コツコツ働いて借金を返す気なんか最初からありません。

アメリカ政府の借金は20兆ドル以上だが、これは連邦債務だけで他に地方債務と半民半官債務もある。

アメリカほど「無駄」が多い国は無い

どんな国でも中央政府の直接債務は公的債務の半分程度に過ぎないので、アメリカの公的債務は4000兆円以上あります。

推定で5000兆円(44兆ドル)以上はあると考えられますが、アメリカ人は気にも留めていません。

「国民一人当たりの借金」を計算して途方にくれて大増税したりはしないのです。


なぜなら「お金は使えば使うほど増えていく」ので国の予算を増やして公共事業を増やせば良いからです。

アメリカは世界最大の公共事業を行っていて、公共事業で経済を成長させています。

ここで言う公共事業は政府が関係する社会福祉とか軍事費とか、宇宙予算、教育予算まで全てを含みます。


世界最強にして最大のアメリカ軍は世界最大の浪費組織でもあります。

だがアメリカ軍やNASAが浪費するお陰で、アメリカには深刻な不況がなく、科学技術で常に世界のトップです。

「シリコンバレー」という先端技術地域があるが、アメリカ軍が発注した大学や企業が集まった地域です。


経済なんてものは早い話「浪費」であり「無駄遣い」でしかありません。

現在の日本人の生活を昔の人が見たら「酷い浪費をしている」と思うでしょう。


ある経済学者は「経済にはバブルと不況しかない」と言った。
健全な経済成長のようなものは、実は無い。

引用:http://blog-imgs-30.fc2.com/p/o/p/popoloerrante/20070422162206.jpg

グーグル・アップルは公共事業の軍事企業

日本で言えば大本営や防衛省の周りに軍事産業が集まったのが「シリコンバレー」です。

従ってマイクロソフトやグーグル、アップルも米軍が作った企業であり軍事産業の一翼です。

「ディズニーランド」を作ったのもアメリカ軍であり、ミッキーの後ろに軍隊がついているから強いのです。


アメリカは最も進んだ民主国家を自称しているが、正反対の面も併せ持っている。

日本では選挙の一票の格差が大問題になっているが、アメリカでは人口に関係なく、全州が同じ上院議員数です。

日本流で言えばアメリカの選挙は無効で、民主主義を冒涜しているものです。


全ての州が人口に関係なく同じ権利を持つのがアメリカの考え方で、民主主義などくそ食らえと思っています。

また大統領選の資金は数人の大富豪が出し、政治を支配しているのは日本でもたまに報道されています。

もし日本で孫正義とか三木谷とか経団連が選挙資金の8割を出して政治を支配したら、きっと国民は怒るでしょう。

富裕層は税金を払っていない

アメリカ人は「金持ちは優れているから金持ちなので、任せておけば良い」と考えている。

田中角栄という汚職で逮捕された元首相が居たが、アメリカの政治家は全員が田中角栄です。

むしろ献金も受け取れないような無能な政治家は、アメリカでは当選できません。


アメリカ政府の借金は5000兆円以上あるのですが、借金=資産なのでアメリカ人は気にしない。

政府に借金があるという事は、5000兆円の資産を国民が保有しているという事です。

日本人(の一部の人)も理屈では分かっているが、この理論が受け入れられない。


「日本の借金は○○兆円!」と言われると、骨付き肉を投げられた犬のように飛びついて主人に従う。

勿論日本人の主人は官僚なわけですが、官僚の言い分をマスコミが宣伝し、国民が受け入れるのが「戦前からの日本」です。

最後にアメリカの富裕層は税金を支払っていませんが、これもアメリカ人は気にも留めていない。

世界一の富豪投資家Wバフェットは「自分が支払う税金は自分の使用人より少ない」と言っています。
http://www.thutmosev.com/archives/40531575.html

45. 中川隆[-14627] koaQ7Jey 2020年1月13日 15:04:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1556] 報告
2020年01月13日
理不尽な為替操作 プラザ合意から中国危機まで 予測は不可能

ドル円戦争のはじまりは1985年のプラザ合意。
竹下大蔵大臣がNYに呼ばれ、突然為替レートを2倍にされた。

http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/shimen/images/20150922dd0phj000012000p_size8.jpg

米中対立や米イラン対立などで為替レートが大きく変動する予兆を見せている。

投資で理不尽な損失を受けることは良くあるが、中でも理不尽なのは為替変動でしょう。

まったく意味の分からない動きで株価や地価や、あらゆる「日本の価値」が急落してしまう。


投資損の要因は為替変動

投資は9割の人が儲からないものだと言うが、難しくしている要因の一つに為替変動があります。

いわゆる「ドル円レート」ですが人為的に操作される場合や天変地異、大企業の破綻など原因は様々でした。

大きな為替変動には一つだけ共通点があり、ある日突然始まって、また突然終わります。

江戸時代から明治まで為替相場は政府間で取り決めていて、相場変動はあまりありませんでした。

19世紀に各国は金本位制をはじめ、金によって自国通貨の価値を保障するようになりました。

しかし2つの大戦で金本位制は機能しなくなり、金本位制が世界恐慌や世界大戦を引き起こした疑いすらある。


1971年8月に唯一の基軸通貨だったアメリカが金本位制を止めてしまい、ここから変動為替相場制が始まりました。

1976年1月にIMFで変動相場制の開始が正式に宣言され、日本と円高との戦いの歴史が始まりました。

ドル円相場は明治初期に元々1ドル=1円だったが、第二次大戦の開戦時には15円、敗戦時には40円くらいになっていた。


戦後の復興の必要性から円の価値は意図的に下げられ、1949年には1ドル360円に固定されました。

この円切り下げは経済回復のため日本側が望んだもので、「マッカーサーの陰謀」とかではありません。

1ドル360円時代は1949年から1971年まで続き、日本の高度成長や輸出大国の原動力になりました。


1971年8月にアメリカは金本位制を止め、1ドルは相当額の金と交換できる保証がなくなり「ただの紙切れ」になりました。

円やポンドも同様に「ただの紙切れ」なので、新聞紙とトイレットペーパーを交換するのと同じで、相場は変動します。

1971年12月18日に1ドルを308円に切り下げる決定が、スミソニアン博物館での10カ国協議で決定されました。

日米ドル円戦争勃発

スミソニアン協定はまだ固定相場だったが、1973年2月には変動相場制が実施され、1973年2月には260円まで円高が進みました。

暫くの間は250円から300円で推移していたが、1978年末にはついに1ドル180円を切りました。

7年間で360円から180円になったので、輸出産業は大打撃をうけ円高不況に苦しむ事になりました。


1980年頃からソ連のアフガン進行など世界的な事件が続き、ドル防衛策のお陰で250円以上に戻りました。

安定した円安相場で再び輸出攻勢を掛けた日本に、アメリカが打ち出した反撃が「プラザ合意」でした。

1985年9月22日、竹下登大蔵大臣が日曜日にニューユーヨーク・プラザホテルに呼び出され、円の切り上げを通告された。


参加した5カ国のうち、日本を除く4カ国で協議は済んでいて、決定後に竹下が呼ばれて結果だけを伝えるという酷さだった。

ここに日米為替戦争と呼ばれる30年以上の戦いが始まり、260円だったドル円レートが、3年で120円まで下落しました。

3年間に円が2倍に切り上げられたので、1971年から1978年の円高よりも急激でショックは大きかった。


2020年はプラザ合意から35周年だそうですが、何かをお祝いしようという動きはまったく無い。

1985年の総理大臣は中曽根康弘で、彼はこの苦境を国内需要の活性化で乗り切る事にしました。

低金利で「金余り」を作り出し株価と地価を吊り上げて、大規模公共事業を連発し、経済成長路線を取りました。


これが「バブル経済」の原因になったのですが、取り合えず日本を崩壊の危機から救ったのも事実でした。

もしこの時中曽根首相が緊縮政策を取っていたら、「失われた30年」は現実より10年以上早く訪れていたでしょう。

バブル経済を謳歌している間に天安門事件、中国の高度成長開始、ソ連崩壊と続き、冷戦崩壊で日本の居場所がなくなりました。


米国とソ連が対立していたから、日本は「アジア最強の同盟国」として優遇されたが、冷戦が終われば「ただの敵」です。

レーガン大統領はヘラヘラ笑い「最も重要な同盟国」などと言いながら通貨戦争を仕掛けてきた。


外交の世界にはトモダチも同盟国も無い。


翻弄される日本と投資家

こんな時に登場したのがビル・クリントン米国大統領で、彼はアメリカの誇りを傷つけた日本を心底憎んでいました。

有名な逸話としてビルクリントンは中国や韓国、アジア諸国に電話を掛け捲り、従軍慰安婦や侵略で日本を責めるよう依頼した。

1993年には自民党が下野して細川政権から村山政権まで、反米主義の野党政権が続きました。


アメリカの報復なのか偶然か、1995年には超円高になり79円をつけ、全ての輸出産業は崩壊と言える打撃を受けました。

円高進行中に阪神大震災が発生して円高に拍車を掛け、この頃のダメージから今も日本は回復していない。

1997年から98年にはアジア通貨危機を引き金に日本の大企業や銀行が倒産し、山一ショックなども起きています。


2001年には米同時多発テロ、2002年にはITバブ ル崩壊、2003年には「りそな危機」など銀行危機と毎年のように金融危機が起きました。

こうした危機を乗り切るため日本政府は「ゼロ金利政策」をとり世界的にも金余りになっていた。

そこに襲ってきたのが米国発の「サブプライムショック」で後にリーマンショックに発展しました。


経済危機を責任を取らされて自民党はまた下野し、また反米政権の下で円高が進行し、また巨大地震が発生しました。

1995年のドラマの再放送のように、あっという間に100円を切り、2011年10月31日に1ドル75円をつけました。

だが2012年、不思議な事に民主党が選挙で負けて去っていくと、急激に円安に戻っていきました。


2020年現在は1ドル109円で推移していますが、これまで見たように明日突然円高が始まるかも知れません。

残念ですが日本のような為替変動が大きい国では、アメリカの投資家のように「買い続ければ必ず株価は上がる」という投資法は通用しません。

株価や地価は為替相場に連動するので、超円高の時に企業の業績をいくら見ても「無駄」なのです。


なぜ他の国の通貨はあまり変動しないのに、日本円だけが急上昇や急降下するのか、不思議に思えます。

外人アナリストや外国の研究者によるとそれは「日本がアメリカに安全保障で依存しているから」だそうです。

アメリカ軍に守ってもらっているので、日本の通貨政策や経済政策は結局アメリカが決めていて逆らえません。


「日本は軍事費が少ないから経済に回す事が出来て発展した」と思っているのは日本人だけで、外人はそう思っていません。
http://www.thutmosev.com/archives/44207880.html

46. 中川隆[-14368] koaQ7Jey 2020年1月18日 19:34:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1280] 報告

2020年01月18日
ソ連と酷似してきた中国 急激な成長と衰退

レーニン像の周囲に集まり、倒そうとするソ連の人々
1992F1 (15)
引用:http://web.sapporo-u.ac.jp/~oyaon/Lenin/1992F1%20(15).jpg


中国の急激な成長期が終わり、衰退期に入ると予測されているが、共産国家は衰退期を上手く乗り切れない。

崩壊したソ連は発足から急成長を続けたが、たった一度の衰退期を乗り切れずに崩壊した。

ソ連化する中国


最近の中国は何から何まで過去のソ連にそっくりで、双子の兄弟のようです。

かつて共産国家ソ連はユーラシア大陸のほとんどを勢力下に置いて、世界を支配するかに思えました。


ベトナム戦争でアメリカが敗れ、ソ連側が勝った頃に拡大は頂点に達し、ソ連が新たなリーダーになるように見えた。



中国もリーマンショック頃まで急拡大し、、世界のリーダーになるのは時間の問題と思われました。

不思議な事にアメリカに挑む新興勢力は必ず、米国の7割程度の国力をピークに、衰退期に入る。

ソ連と戦後日本がそうだったし、中国も同じくらいのGDPで頭打ちになり、衰退期に入りました。


「7割の法則」が在るのかどうか知りませんが、アメリカの衰退時期と新興国家の成長期が重なるとこうなっている。

ソ連は1917年のロシア革命で誕生したが、伝説のように市民が蜂起した訳ではなく、ドイツの悪巧みで発生した。

当時第一次大戦で負けそうだったドイツは、対戦相手のロシアで革命を起こさせて有利にするため、レーニンを送り込んだ。


レーニンはロシア人だがドイツに亡命して国家崩壊を企む人物で、日本で言えば麻原彰晃レベルの人間でした。

普通は誰も相手にしませんが、ロシアは大戦や財政危機で国民生活が破綻しており、飢えた人々はレーニンに従った。

ロシア革命とは麻原彰晃が敗戦を利用して日本の皇帝になったようなもので、当然ながらソ連は帝政時代より凶悪な国家になった。


世界共産革命が使命


一方中華人民共和国が生まれた経緯はソ連以上に奇怪で、当時日本帝国と中華民国(今の台湾)が戦争をしていました。

中華民国は日本との戦争で疲弊してボロボロになり、そのせいで国内の対抗勢力の共産軍(毛沢東)に敗れました。

大戦終了後に、余力があった共産軍は大陸全土を支配し、中華民国は台湾島に追い払われて現在の中国ができた。


ソ連、ロシアともに成立過程を嘘で塗り固めていて、ソ連は民衆蜂起、中国は日本軍を追い払った事にしている。

両国とも本当の歴史を隠すためか、盛大な戦勝式を行って国民の結束を高めるのに利用しています。

ソ連・中国ともに共産国家であり、「全世界で共産主義革命を起こし世界統一国家を樹立する」のを国是としている。


因みに「ソビエト連邦」は実は国家ではなく、全世界共産化の勢力範囲に過ぎませんでした。

中国もまた地球を統一し共産化する事を大義としていて、だから際限なく勢力を拡大しようとします。

資本主義を倒して地球を統一する市民団体が中国やソ連で、相手が従わなければ暴力と軍事力で共産化します。


だから共産国家は必ず軍事国家で破壊的であり、平和的な共産国家は存在しません。

世界革命に賛同した国(軍事力で服従させた国)は衛星国家として従わせ、東ドイツや北朝鮮のようになります。

共産国家は勝ち続ける事が使命であり、負けることは絶対に許されず、負けは神から与えられた使命の挫折を意味します。


理念で結束した人々は成長期には強いが、上手く行かなくなると脆い
201203171516178521-2379290
引用:http://image.hnol.net/c/2012-03/17/15/201203171516178521-2379290.jpg

負けたら国家消滅する共産国


ソ連は1978年に軍事的空白地のアフガニスタンに侵攻したが、10年間武装勢力と戦った末に撤退しました。

無敵国家ソ連はタリバンとの戦争に敗れ、僅か2年後にソ連は崩壊してしまいました。

ソ連崩壊の原因は様々な説があるが謎に包まれていて、外貨不足、インフレ、マイナス成長、食糧不足などが挙げられている。


しかしそれで国家が滅ぶのなら、もっと滅んで良い国は山ほどあるし、苦境から立ち直った国もあります。

ソ連が崩壊した本当の理由は『世界革命が挫折してしまい、共産主義の大義が無くなった』からだとも解釈されている。

日本のような民族国家なら、負けても同じ民族が再び協力して立ち直りますが、理念で集まった国は一度の負けで崩壊します。


ソ連は理念を失ったために崩壊し、革命前の民族国家ロシアに戻る事にしました。

共産主義の特徴は理念で集まって急激に成長するが、一度理念が失われるとバラバラになってしまう。

ソ連と中国の共通点として、急激な成長と急激な衰退、外貨不足、民族弾圧や無数の収容所、報道規制、経済指標偽造などが挙げられる。


軍事力を強化してやたら虚勢を張るのも共産国家の共通点で、北朝鮮でさえ「アメリカを火の海にできる」と主張している。

ソ連もあらゆる兵器全てで「アメリカを超えている」と主張したが、崩壊後に全て嘘なのが判明した。

中国も次々と新兵器を登場させ「全て日米を凌駕している」と宣伝するが、実際はブリキのオモチャに過ぎません。


兵器の性能では共産国家は資本主義国家に絶対に勝てないので、正面から戦おうとしないのも共通点です。

「いつでも日本を倒せる」「アメリカなどいつでも倒せる」と言いながら現実には逃げ回るのが、彼らの戦略です。

逃げながらスパイ活動やサイバー攻撃で相手国に侵入しようとし、多くのスパイや工作員を養成する。


ソ連を最終的に破滅に追い込んだのは、最後の書記長であるゴルバチョフの改革政策でした。

ボロボロの共産国家に市場原理主義を導入した結果、国家のシステムが破綻して生産活動ができなくなりました。

昨日まで国家公務員だった農民が、今日から市場経済だから自力で生きろと言われても、できる筈がありませんでした。

中国は習近平主席の元、大胆な国家改革を行おうとしたが、失敗して元の共産主義土木経済に逆戻りした。


中国のGDPの半分は公共事業つまり土木工事で、鉄道や空港や高速道路などを毎年「日本ひとつ分」建設している。

土木工事をやめると急激な経済縮小が起きるので、誰も住まない年を建設し、誰も乗らない高速鉄道を走らせている。

ソ連末期には経済がマイナス成長を隠して、プラス成長と発表していましたが、中国もそうしています。
http://www.thutmosev.com/archives/41996082.html

47. 中川隆[-14336] koaQ7Jey 2020年1月19日 16:04:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1246] 報告
リーマンショック時に米国株投資を始めていたら、怠け者でも「資産が3倍」になっていた件
1/19(日) 12:00配信

■好調な米国株、でも株価が上がっている時に買うとどうなる? 

 はい! どうもこんにちは! 上本(20代怠け者)です! 

 2020年現在は株高状態が続いており、景気としてはとても良い状態であると言えます。

 株価がゆるやかに上昇していることは投資家にとってはもちろん良い流れであり、米国株は長期間で見て右肩上がりを続けている市場であるため、本来期待している通りの動きでもあります。

 しかしながら、株高状態であるということは、配当利回りが下がるということでもあります。配当利回りは「年間の配当金額÷購入金額」で計算されるため、購入時の金額が高くなればなるほど、利回りは低くなっていきます。

 そのため理想的には株価が安いときに買うことができれば、その後の株価上昇によるキャピタルゲインと、その後の配当増によるインカムゲインの両方を得て、大きく儲けることができるわけです。

■暴落時は「買い」なのか? 

 米国株は「長期的に見て右肩上がり」とはいえ、過去には何度も下落する局面に見舞われたことがあります。過去50年間の米国株ではこれまでに6回の景気後退、リセッションと呼ばれる下落があったとされています。

 特に大きかったものが2000?2001年頃のドットコムバブルの崩壊によるリセッションと、2008?2009年のリーマンショックと呼ばれるリセッションです。

1970年以降の米国株の株価推移 こうしたリセッション時は株価の市場全体が値下がりします。運良くこうしたタイミングでまとまった金額を投資していれば、大きなキャピタルゲインとインカムゲインの両方を得られたことになります。

 米国株の界隈では「リーマンショックはバーゲンセールでもあった」とよく言われます。暴落時はチャンスでもある……というわけですね。

■米国の全銘柄に投資する「VTI」をあの時に買っていたら…

 ひとつ、モデルケースを出してみましょう。米国株のほぼ100%、3,600銘柄以上に分散投資するETF「VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」を、10年前のリーマンショック時に購入していた場合、その後、得られたキャピタルゲインとインカムゲインはどうなったのかを試算してみました。

 2009年12月時点でのVTIの価格は56.4ドル。そして、この記事を書いている2019年12月時点では160ドルちょうどまで伸びています。これは、10年前と比べて米国全体の株価が2.8倍にもなったということになります。

2009年以降の「VTI」の価格推移 当時、仮に100万円でVTIを購入していた場合、キャピタルゲインとインカムゲインはどうなったでしょうか? 当時のドルレートで100万円分のVTIを買おうとした場合、189口買えたことになります(当時と売買手数料や税金などの条件が異なるため、単純化するためにこれらの計算は度外視しています)。

 このVTIを10年間保有していた場合、現在の日本円での価値はこのようになります。

 2009年での価値:100万円
 2019年での価値:324万円

 ドルレートの円高→円安の効果もあり、最終的にキャピタルゲイン、株価上昇による利益は224万円となりました。

 配当金収入の方はどうでしょう? 2009年12月?2019年9月までの配当金収入合計は19.09ドルでした。購入した189口の10年間のインカムゲイン、トータル配当金額は3,603ドル、日本円換算で39万円相当ということになります。

 キャピタルゲイン:224万円
 インカムゲイン:39万円

 こうしてみると、配当金収入よりもはるかにキャピタルゲインの方が大きいと感じると思います。事実、株価が大きく下落した2009年頃のタイミングで購入したものが現在過去最高値をつけているわけなので、キャピタルゲインが大きくなることは自然なことです。

 また、VTIは米国株全体へ分散投資するETFですので、配当金は個別株よりどうしても小さくなってしまいます。しかしながら、当時56.4ドルで購入したETF1口が、現在直近で2.74ドルの配当金を生み出していますので、現在の配当利回りは年4.9%にもなります。市場平均を購入してこの利回りは、配当金目当ての投資としてもとても優秀です。

 VTIを現在の価格で買ったところ、配当利回りは1.8%しかありませんから、ここでもかなりの差があると言えますね。

 このように、景気後退時は市場の平均をかなり割安で購入できるチャンスでもあるということです。とはいえ、当時の総悲観的な雰囲気の中で、大きな資金を投じるのは覚悟が必要だと思いますし、いつが「景気の底」なのかを見極めるのは至難の業です。

 景気後退を乗り越え、株価が上昇に転じ始めた時期にも株を購入していくことができれば、このような割の良い投資をすることも可能なのだ、ということですね。

■いずれくる「景気後退」、投資家はどうしたらいい? 

 さて、繰り返しになりますが2019年末時点では米国の株価は最高値を更新しており、それに伴って日経平均を含む世界各国の株価指数も上昇を続けています。いま明確な景気後退の火種はありませんが、いずれは潮目が変わって景気後退のフェーズに入ることは大いにありえます。

 できることならば避けたい「暴落」ではありますが、これまで定期的に十数年おきの間隔で発生してきたものであり、またいずれこうした次の景気後退……リセッションが起きる可能性は十分あります。

 そのときのために、どのような備えをしておくべきでしょうか? 

 ひとつ可能なのは、その局面のために余裕資金としてのキャッシュも貯めておくことです。バーゲンセール状態になったときに株式を購入するとして、必要となるのは購入するためのキャッシュです。せっかくのチャンスに投資できる余裕資金がないのでは、そのチャンスを拾うことは当然できません。

 そのため、株高の状態になるにつれて、毎月の投資額を少しずつ「株式の購入」と「余裕資金の確保」に分けていくことを考えていくのが良いと思います。比率としては8:2でも7:3でも良いので、少しずつでも確実に現金として、銀行口座に貯金をしていきましょう。

■怠け者でもできる暴落時の投資手法は「ドルコスト平均法」

 僕も含めて、投資初心者の場合、

「暴落時に底をねらって一気に買うのが良いのでは? 」

と考えてしまいがちですが、どのタイミングが景気の底なのかを予想して、そのタイミングで大量のキャッシュを投じることは非常に困難です。それこそ、投資ではなく投機的なやり方です。

 株安となった市場平均をさらっていく……という考え方をするならば、毎月一定額、株高時でも暴落時でも市場平均へと投資していくべきだと考えています。

 どのような株価のときでも一定額を投資していく……すなわち「ドルコスト平均法」を実践するということですが、これに合わせて事前に貯金しておいた余裕資金を加えて、株価が割安なタイミングで気持ち多く買う、というやり方を考えるのが良いでしょう。

 まとめると、

ということですね。

 投資をするうえでは、どんな局面になったらどんな対応を取る、ということを事前に計画、シミュレーションしておくことが重要だと考えています。そのためにも、長期的な値動きに対して説明がついて、そして過去にリセッションから何度も回復してきた米国株こそ、やはり信頼が置けるマーケットなのです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200119-00000001-sh_mon-bus_all

48. 中川隆[-13672] koaQ7Jey 2020年2月19日 17:15:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-243] 報告
2020年02月19日
コロナショックも各国は株高、中国が消えても世界は困らない
http://www.thutmosev.com/archives/82242873.html


各国株価の反応は「中国が消えても困らない」だった(NY証券取引所)

画像引用:https://sa.kapamilya.com/absnews/abscbnnews/media/2019/reuters/07/31/nyse.jpg

中国危機なのに各国は株高の謎

武漢で新型コロナウイルスが”発見”されたのが1月20日で、それから約1か月が経ったが株価は高いままです。

米ダウは最高値を何度も更新し2月12日に2万9551ドルをつけ、日経平均は高値圏である2万3000円台を維持している。

震源地の上海総合は1月13日に3115だったのが2月3日に2746まで落ち込んだが、今週は約3000まで回復している。


各国は株式市場などの暴落を予想し公的資金を投入して買い支え、政府系ファンドと呼ばれる公的ファンドが活躍した。

中国人民銀行は2月2日、1兆2000億元(約18兆7000億円)を金融市場に供給すると発表し連日大規模オペを実施していた。

日本政府も年金や日銀など公的資金を活用して買い支えたのは想像に難くなく、ネットでは日銀砲や年金砲などの言葉が飛び交っている。


アメリカはトランプ大統領の弾劾裁判が行われたが、早々に却下され大統領選でもトランプ有利が伝わり株高になっている。

2002年から2003年の中国発SARSウイルスの時にも、実は各国株価は短期間少し下げただけで、むしろ値上がりしていました。

もっとも悪化した時でも株価は10%下げただけで、収束に向かうと下落率を超える上昇を見せました。


2015年には人民元や中国株が暴落するチャイナショックがあったが、これも永次機はせず世界は資産バブルを強めていった。

こうした過去の出来事を見ると少なくとも中国国内の危機で、世界各国が深刻な危機に陥ることは無いでしょう。

2007年にアメリカで住宅ローンが破綻したのがきっかけでリーマンショックに至ったが、それはアメリカの影響力が世界的なものだったからです。


1990年頃日本の経済力は世界2位で現在の中国に匹敵する経済規模だったが、日本のバブル崩壊で困ったのは日本だけでした。

中国の経済規模が大きいといっても1990年の日本程度にすぎず、アメリカとは比較できません。

従って例え中国がウイルスで崩壊したとしても、それで困るのは中国人だけだと予言できる。

中国崩壊で困るのは中国だけ

例えば1940年にドイツは世界2位の大国だったが4年後にあっけなく倒れ、世界2位の大国だったソ連も1991年に崩壊した。

それで困ったのは当事者のドイツ人やロシア人だけで、世界的な影響はありませんでした。

世界2位の大国の影響力はこんなものでしかないので、中国がなくなっても誰も困りません。


SARSの時は1.7兆ドルだった中国のGDPは19年に15兆ドル、世界GDPの15%以上を占めている(と中国は主張している)

中国GDPは過大に発表されている疑いが強く、例えば2割多いと中国経済の世界シェアは約14%になる。

1994年に日本のGDPは全世界の17.9%も占めていたが、その後数年で半減してしまった。


GDPはその国の株価あるいは地価と相関関係があり、日本は1990年末の土地資産約2456兆円だったのが、2006年末には約1228兆円に減少した。

バブル崩壊後10年で土地資産と株式資産が半減になり、日本の国が半分になるほどのダメージを負った。

ソ連崩壊やドイツ崩壊、日本の敗戦や戦前の中華民国崩壊を見ても、もし中国が崩壊したら国の資産の半分が吹き飛ぶと予想できます。


資産が吹き飛ぶのはバブルだったからで、バブル期の日本は山を崩してゴルフ場にして数千億円の会員権を売るような商売をしていました。

2000年代からの中国は開発そのもので経済成長し、鬼城と呼ぶ無人都市を建設して、建設することで資産価値を増やしました。

それはゴルフ会員権を数千億円で売り出すのと同じ愚かな行為で、もともと価値が無いのだからいつかは無に帰るものです。

http://www.thutmosev.com/archives/82242873.html

49. 中川隆[-13600] koaQ7Jey 2020年2月23日 09:49:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-115] 報告
ドル円急騰の理由と新型肺炎の株式市場への影響
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2020年2月23日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8802


中国武漢発の新型コロナウィルス肺炎も含め、色々なことが重なっているようである。今回はここ数日のドル高の理由について触れてみたい。

さて、2月19日から20日にかけて為替相場がドル高円安に急に振れた。チャートは次のようになっている。


より正確に言えばドル高であり、円安ではない。ユーロドルのチャートは以下のようになっている。ドル円とは逆で下方向がドル高である。


ユーロドル的には2月の始めからドル高だったのである。むしろ円はそれほどドル高にならず耐えていたのが、ここ数日で決壊したと言えるだろう。

ドル高の原因

何故ドル高になっているのかと言えば、ドルに資金が流れているからである。何故ドルに資金が流れているのかと言えば、2018年の世界同時株安以降はそういう相場だからである。

世界中の資金が米国市場に集まっている。先進国で高成長を維持しているのはアメリカだけであり、中国などの新興国もぱっとしない上に新型肺炎の追い打ちまで来ている。アメリカしか投資先がないのである。米国市場が一本調子で上がり続けていることと今回のドル高とは相関がある。アメリカが実質的に行っている量的緩和で流し込まれた資金が国外に流れずに米国市場でバブルを引き起こし、世界中の資金がそれに乗っているのである。この流れに上手く乗ったのが、例えばドラッケンミラー氏だろう。

•ドラッケンミラー氏の買っている米国株個別銘柄(Form 13F)

ドラッケンミラー氏のポートフォリオはアメリカを中心としたリスクオンに特化している。彼は政治信条としては量的緩和を厳しく批判しているから、バブルと分かった上で乗っているのだろう。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

誤解を恐れずに言えば、ドル円のこの上がり方は2018年の世界同時株安直前の日経平均に似ている。当時のチャートがこれである。


こうした動きは実際にバブルを示す1つの指標なのである。しかし2018年では市場全体がそうした兆候を示したため世界同時株安を予想できたが、今回はそうした兆候はない。よって現状では下落しても大暴落にはならないという年始の予想を維持したい。

また、ドル円は金曜日には下落しているが、それは米国株が下がったからである。以下は米国の株価指数S&P 500のチャートである。


米国株下落の理由

さて、では何故金曜日に米国株が下がったかだが、新型コロナウィルス肺炎が中国国外で広がりつつあるからである。このリスクについてはここ1ヶ月忠告し続けているので、ここの読者にとっては今更だろう。市場はようやく気づいたようである。

特に広がっているのは韓国、日本、イタリアである。それぞれ感染者数を挙げてみよう。

•韓国: 433人
•日本: 134人
•イタリア: 79人

これらの国はここ数日で患者数が急増している。

特に日本での感染拡大については再三警告しておいた。信用してはならないのは中国の数字だけではないとはっきり書いてある。

•中国、「統計基準変更」で肺炎患者数1万人以上急増 日本の症例数にも疑問

日本でも感染経路不明の感染が広がっている。感染経路不明ということは、患者数に数えられていない感染者がいるということである。それは上記の記事の段階で明らかだったが、政治家と市場は遅れて気づくのである。

今後の見通し

これからどうなるかだが、新型肺炎については以下の記事でレイ・ダリオ氏が指摘していたように、感染の中心地では株式市場に影響が出、その他の地域では影響は限定的と見るのが妥当だろう。

•中国新型ウィルス、世界最大のヘッジファンドの投資戦略

しかしダリオ氏が見逃していたのは、「感染の中心地」が中国だけではなくなるということである。最近の動きで市場にとって一番大きいのはイタリアでの感染だろう。イタリアで感染拡大が進めばヨーロッパ全体に広がる可能性がある。

また、アメリカもファンダメンタルズ的な影響は限られるにしても、これまでのバブル的展開に急ブレーキがかかる可能性はある。しかし投資家としてはやはり新型肺炎に直接影響を受ける銘柄の推移に着目したいところだろう。

•中国武漢の新型コロナウィルス肺炎、株式投資戦略と関連個別銘柄
•中国初新型コロナウィルスで航空株暴落継続、絶好の買い場はいつか
•新型肺炎で原油価格暴落、今後の動向と推移予想
•新型肺炎関連銘柄: 国内感染拡大で下落する個別銘柄はどれか

1月から山のように書いてきた。ここまで想定通りの相場展開である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8802

50. 中川隆[-13317] koaQ7Jey 2020年2月29日 20:23:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[207] 報告
経済危機が起きると一瞬で巻き込まれる。そのことを私は1997年にタイで学んだ
2020.02.29
https://blackasia.net/?p=17348

新型コロナウイルスはグローバル経済に大きなダメージを与えることになり、それが私たちの生活を極度に悪化させることになるのも覚悟しなければならない。「自分だけはうまく逃げられるはずだ」と思う人もいるかもしれない。しかし、それは疑問だ。かつて、私は天国から地獄に堕ちた国を目の前で見たことがある。誰もそこから逃れることができなかったのは、今でも強い印象として残っている。今の状況を見ていると、ふと「1997年の、あの頃に似ている」という思いが心によぎる。(鈴木傾城)


私たちの生活を極度に悪化させることになるのも覚悟せよ

新型コロナウイルスを巡る危機がいつ収まるのか、それは誰にも分からない。今までパンデミックを頑なに認めなかったWHO(世界保健機関)も、とうとう今頃になって危険性を最高レベルに引き上げた。

新型コロナウイルスはすでに震源地であった中国から離れて、日本や韓国や東南アジアやEU(欧州連合)や中東やアフリカや南米に広がり、いよいよアメリカにも上陸しようとしている。

封じ込めに成功する国家もある。シンガポールや台湾だ。しかし、封じ込めに失敗する国家もある。日本や韓国やイタリアやイランだ。これからも封じ込めに失敗する国家は続出するだろう。

そうなると、新型コロナウイルスの収束はどんどん延びていく。それを収束できるのはワクチンだけとなる。ワクチンが開発されれば必ず収まるということだけは分かっているのだが、ワクチンの開発がいつ成功するのか誰にも分からない。
数ヶ月後かもしれないが場合によっては来年に持ち越すかもしれない。そんなことは誰にも分からないのである。

そうであれば、新型コロナウイルスはグローバル経済に大きなダメージを与えることになり、それが私たちの生活を極度に悪化させることになるのも覚悟しなければならない。

「自分だけはうまく逃げられるはずだ」と思う人もいるかもしれない。しかし、それは疑問だ。

かつて、私は天国から地獄に堕ちた国を目の前で見たことがある。誰もそこから逃れることができなかったのは、今でも強い印象として残っている。今の状況を見ていると、ふと「1997年の、あの頃に似ている」という思いが心によぎる。


私は、経済危機に陥る前のと後をつぶさに見つめた

国が経済衰退や経済破綻に向かっていったら、国民のすべてはそれに巻き込まれて塗炭の苦しみを負うことになる。私は、実はある国の経済危機に陥る前と後をつぶさに見つめた「歴史の証人」である。

「その国に襲いかかった経済的苦境の嵐」が国民の生活を一変させる。そんな姿を私はこの目で見つめ、恐ろしく思ったのだった。それこそが、1997年に起きた「アジア通貨危機」である。

ちょうどその頃、私は経済好況に沸いて急激に先進国のようになっていくタイに嫌気がさして、軸足をタイからカンボジアに移している頃だった。この頃のタイは、毎日毎日そちこちで摩天楼の工事をしており、街の光景が一変していた。

その頃のタイ人の表情は明るく、そして快活だった。好況はタイだけではなかった。香港からシンガポールからマレーシアまで、東南アジアの多くの国は100年に一度あるかないかの経済好況に沸いていて、「ベトナム戦争の影を引きずる暗いアジア」という姿を捨て去ろうとしていたのだ。

経済成長が東南アジアを席巻していた。そのため街の光景まで一変して、ハイセンスな街が次々と姿を現すようになっていた。当時のバンコクの変わり様は驚くべきものだった。

街中の至る所で工事が進んでいて、目が覚めたら新しい街がひとつ出来上がっているような錯覚をするほどだった。

パッポンも売春ストリートというよりも、単なる土産屋のストリートに変化していき、もはやタイは私のような真夜中の世界で売春する女たちを追うハイエナがいるような場所ではなくなっていたのである。

ところが、その好況の最中に巨大な経済事件が起きた。

タイの通貨バーツが、突如として大暴落をはじめて止まらなくなっていったのだ。それは、1997年7月に起きた。


国が経済苦境に堕ちるとみんなまとめて人生が飛ぶ

アジア通貨危機は、ジョージ・ソロスのファンドや、それに付随するアメリカのヘッジファンド群れが、ドルに回帰して新興国通貨を売る過程で起きた経済事件である。

この当時、ヘッジファンドは次の成功は東南アジアではなく中国で起きると確信し、東南アジアの中で経常赤字を積み上げていたタイを標的にして怒濤の如く通貨を切り崩す「バーツ空売り」を仕掛けていた。

タイ政府はこれを防衛したが、空売りの勢力があまりにも強く通貨防衛できなかった。そこで起きたのがバーツ暴落だった。このとき、タイの優良企業はことごとく破滅寸前になって株価は大暴落した。

一流企業も、一流銀行も、国有化されることによって生き延びるしかないような危機に陥った。バンコク銀行ですらも、破産しかけたのだ。

当然、翌年から多くの人たちが失職し、この年から一流企業に勤めていたエリートの女性ですらも、セックス産業に流れるような事態になっていた。

あれほど自信に湧いていたタイ社会が、その翌年には何か別の国にでも来たかのようなほど意気消沈しているのは印象的だった。

皮肉なことに「もう終わりだ」と言われたパッポンが売春地帯としていきなり復活したのもこの頃だ。終わったのは、タイの真夜中の世界ではなく、表社会の方だったのだ。

このアジア通貨危機は世界経済に波状的に広がっていき、インドネシア経済をも吹き飛ばし、長らく続いたスハルト政権がこの時に崩壊している。

(ブラックアジア:1998年5月、インドネシアのコタの街で起きたレイプと虐殺)

いったん国が経済苦境に堕ちると、高学歴の人間も実務経験を持った人間も、一流企業に勤めていた人間も、中小企業の人間も、みんなまとめて人生を吹き飛す姿を私は目の当たりにした。それは、劇的であり、壮絶でもあった。

「国が傾くと、誰も逃げられないんだ……」と、私は肌身に感じた。

このアジア通貨危機はバブル崩壊を迎えていよいよ深刻化していた日本経済をさらに深刻化させていった。山一証券の破綻、長銀の破綻、北海道拓殖銀行の破綻は、このアジア通貨危機の最中に起きていた事件である。
恐ろしい時代だった……。


経済危機は、いったん巻き込まれたら逃げる間もない

1998年にはロシアも債務不履行に追い込まれていた。ロシアの国債は紙くずとなり、ロシア国内では預金封鎖が行われ、ロシア国民は一瞬にして生活できなくなった。

老人がゴミ箱を漁って暮らし、若い女性が世界中に人身売買されて売り飛ばされたのは、この時代だった。

この数年間のロシア女性の悲哀は私もよく覚えている。

カンボジアにもタイにもロシアの女性が哀しい目をしてセックス産業に堕ちていた。バンコクのスクンビット通りにも彼女たちが立っていた。

(ブラックアジア:娼婦ナナ。戦争を始めるのは男たち、代償を払うのは女たち)

バンコクの路上でロシア人の若い女性が売春ビジネスをするようになって、彼女が外国人の男を客として薄汚いホテルに連れて行く時代になるとは、いったい誰が想像しただろう。

この時、暗い目をして汚いアパートを見つめていたロシア人の女性ナナのことは今も忘れられない。他にも、ホテルに監禁されていたロシア女性もいた。(ブラックアジア:マイクズ・プレイス。緑の虹彩を持った女性とロシアの崩壊)
この2つのリンクを読んで欲しい。私が出会ったロシアの女たちだ。国が崩壊すれば、こんなことになるのである……。

この時代、自分の身の回りでも、たくさんの人たちが窮地に落ちていき、自殺したり、消息がなくなったり、逮捕されたり、殺されたりしている。
私たちは誰でも、自分だけが例外であると思いがちだが、そんなことはない。国が経済崩壊し、世の中がどん底に向かって流転していくとき、誰もがそれに巻き込まれていくのである。

アジア通貨危機はじわじわと来たのではない。ある日、突如として通貨暴落が来て、そのまま一直線で国家破綻、一流企業の崩壊がやってきた。経済危機は、いったん始まったら逃げる間もなく突き進むのだ。

今回の新型コロナウイルスも、突如としてやってきて株式の暴落を引き起こしている。そして世界を巻き込んで経済情勢を視界不良に陥れた。だから、今の状況を見ていると、ふと「1997年の、あの頃に似ている」という思いが心によぎっている。


https://blackasia.net/?p=17348

51. 中川隆[-13236] koaQ7Jey 2020年3月02日 13:04:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[293] 報告
2020年03月02日
新型コロナウイルスで世界経済危機 ゆっくりしたリーマンショック
http://www.thutmosev.com/archives/82340997.html


アメリカ通貨だけがドルに対して固定なので通貨戦争で打撃を受けない
まるでアメリカに殴り返してはいけないボクシング

画像引用:アジア通貨危機:20年 各国連携、備え進める 外貨準備高積み上げ - 毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20170726/ddm/008/020/189000c

リーマンショックとアジア通貨危機

新型ウイルスは3月までに世界50か国以上に広がり中国以外で約9000人が感染し200人以上がなくなっています。

中国以外の一日の感染者数は増え続けていて、2月20日に200人だったのが29日には1300人になっています。

注目のアメリカでも3月2日時点で76人、欧州はイタリア・フランス・ドイツの3か国で約2000人になりました。


他はスペインが84人、イギリスはEU離脱して入国が不便になったからなのか、36人にとどまっている。

イタリア・フランス・ドイツは国境を接する隣国で国境には検問所や一時停止すらないので、防止は不可能と思われます。

経済市場ではコロナウイルスによって、リーマンショックやアジア通貨危機に匹敵する経済混乱が起きるとの警戒感が強まっている。


リーマンショックは2008年にアメリカの低所得者向け住宅ローンが破綻したのをきっかけに大混乱が起きた。

2009年にはアメリカが破産するという予測がされるほどで、ドルは紙切れになるなどの予想が真剣に語られた。

アジア通貨危機は1997年にタイ・バーツ崩壊をきっかけにアジア通貨が連鎖的暴落を起こし、タイと韓国は国家破産しIMF保護国になった。


この時までアジア諸国は自国通貨をドルに対して固定するドルペッグ制をとっていたが、実力より高すぎる通貨価値を設定していた。

そこに売りを浴びせたのがジョージソロスなど米国ヘッジファンドで、タイバーツと韓国ウォンに狙いを定めた。

両国は通貨下落によって対外債務の支払いが出来なくなってIMFから融資を受け、代わりにIMF管理下に入った。


マレーシア、インドネシア、フィリピンも大きなダメージを負い、日本も山一證券破綻をきっかけに平成デフレに突入した。

アメリカが世界恐慌を歓迎する理由

リーマンショックでもアジア通貨危機でも、危機がさった後で得をしたのは結局アメリカでした。

アメリカはアジア通貨危機でさほどダメージを受けず、ITバブルを経て2000年代の株高高成長時代に入った。

いわゆる経済危機の類では1929年の大恐慌から始まって、最終的に利益を得たのはほとんどアメリカだったという共通点がある。


陰謀論を語るつもりはないがこれをアメリカ側から見れば、ライバルを叩き潰すには経済危機を起こすに限ります。

1985年にアメリカは円の価値をドルに対して2倍にするプラザ合意を行い、日本は円高不況に突入した。

中曽根総理は円高を克服するためバブル経済を起こしたが、5年後にバブル崩壊し今もダメージから立ち直っていない。


アメリカは基軸通貨発行国なので「通貨変動」という概念がなく他の国がどうなろうが為替変動のダメージを受けない。

お金が無くなったら発行すれば良いだけで、リーマンショックでも無限にお金を発行して配り、いち早く立ち直りました。

アメリカ以外の国がお金(ドル)を手にするにはアメリカと貿易して入手する必要があり、絶対にアメリカが勝つゲームをしているに等しい。


日本人が汗水流して輸出した工業製品はFRBが発行した紙切れと交換され、アメリカ人は輪転機を回すだけで働かなくてもいい。

だがアメリカの今回の標的は幸運にも日本ではなく中国で、中国を潰すためにはむしろ世界恐慌を歓迎するでしょう。

アメリカは本物のお金であるドルを無限に発行できるが、中国がドルを得るには働いてアメリカに買ってもらわねばならない。


人民元や円はお金ではなく「おもちゃ通貨」に過ぎないので、ドルに交換できなければ誰も受け取ってくれない。

ボクシングで例えたらアメリカ代表は殴ってもいいが、日本や中国代表はパンチを繰り出してはいけないようなルールです。

中国にはアメリカ相手に戦う方法がないので、最初から負けは決定しています。

http://www.thutmosev.com/archives/82340997.html

52. 中川隆[-13098] koaQ7Jey 2020年3月04日 20:54:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[435] 報告

経済ひとりがたり田村秀男#12「2020年米中貿易戦争の行方」後半★米国の景気と株価の読み方★

53. 中川隆[-13929] koaQ7Jey 2020年3月16日 18:17:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[952] 報告

2020年03月16日
実は日本に好都合な「強大な中国」 ソ連脅威論の再来

ソ連の脅威が存在した事で、日本はアメリカに大事にされた

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51LgzDPlWcL._SX358_BO1,204,203,200_.jpg

中国が強大化し軍事的脅威が拡大するのは、日本にとって好都合かも知れない。


ソ連の脅威と中国の脅威

多くの日本人は中国が強大になって困ったと思っているか、一部の人はもっと強大になって欲しいと思っている。

ところが中国の軍事力と経済力が強大になって、もっとも得をしているのも、日本なのだった。

昔ソ連脅威論というのがあり、今の中国より強大で、アメリカ軍をも(局地的に)打ち負かしていた。


日本の左翼マスコミは「ソ連軍は明日にでも北海道に上陸するだろう」とワクワクしながら脅威を煽っていました。

左翼運動の目的は日本を共産国家にする事なので、ソ連が日本を占領すれば、自分達がスターリンのような日本の支配者になれると考えていました。

ところがソ連が強くなればなるほど、日本も強くなってしまい、ついにソ連の2倍以上の経済力になってしまいました。


マスコミはそれでも軍事力ではソ連が最強だと言っていましたが、本人のソ連が突然崩壊してしまいました。

なんでこうなったのがというと、アメリカはソ連を恐れたために、日本をけしかけて対峙させようと考えました。

アメリカはシリアやアフガンで、自分は戦わずに現地人に武器を渡して戦わせたが、あれのアジア版でした。


日本を輸出で儲けさせてアメリカ製の武器を購入させて、ソ連軍の防波堤にする。

中曽根総理は「日本列島はソ連を防止する不沈空母である」と国会で言っていたが、一言付け加えると、「アメリカの不沈空母」でした。

アメリカは日本を利用したが、これで日本は大儲けして経済大国になり、戦後の貧乏から完全に抜け出した。

ソ連は日本にとって「お客様」だった

いわば昭和の日本にとってソ連は最上級のお客様、百貨店のVIP会員だったが、突然会社が倒産してホームレスになってしまった。

当時の日本の政治家は世代交代期で、竹下登とか海部俊樹とか小沢一郎とかに代わりつつあった。

ところが戦後第二世代の田中角栄、福田赳夫(実は大正、明治生まれ)とは桁が違うほど実力が低く、日本の立場を理解できなかった。


ソ連が強大だったからこそアメリカは日本をチヤホヤしたので、ソ連がなくなれば日本は敵でしかない。

アメリカという大富豪がギャングに狙われて困っていたので、お金を払って日本という用心棒兼捨て石を雇った。

ギャングが居なくなったら金を払うのももったいないし、用心棒が強盗に変身するかもしれない。


1990年から始まった日本の衰退は、こうしたアメリカの都合で、日本はもう用済みになった事に起因していました。

それがソ連親分の代わりに中国が強大になり、アメリカは中国の脅威を意識せざるを得ない。

ロシアもプーチン大統領になって復活し、中国・ロシアの2大ギャング団にアメリカは狙われる事になった。


アメリカが頼れるのは第二次大戦を共に戦った同盟国だが、英仏独伊など欧州主要国はAIIBで中国側についてしまった。

イギリスのキャメロン首相は「アメリカは衰退するので中国と仲良くする為に、英米同盟を解消したほうが良い」などと公言していた。

それだけではなくキャメロンは日米同盟を「くたばりぞこないの老人に従う忠犬」とも言っていました。

中国の脅威で得をするのは

その忠犬ポチの日本はソ連軍と対峙した時と同じように、中国軍と対峙して再び「不沈空母」の役割りを買って出たのだった。

他の国の人々はこういう日本を見てとても驚き、「なぜ中国が怖くないのか」と思うのだった。

ソ連は強いから従う、中国も強いから従う、アメリカも強いから従う。これが99%の国々で、そうでないのは日本人くらいです。


日本は有史以来ずっとユーラシア大陸と対立し、近代化以降は欧州の大国と対立し、何度も大戦争をしてきました。

平和国家の振りをしても遺伝子に組み込まれているので、核ミサイルを1000発も持っている国と対立しても、国民は何とも思わない。

アメリカは「やっぱりカミカゼは使える」などと思いながら、経済戦争の矛を収めて、日本が軍事力を強化できるようにはしてくれる。


ただし日本経済が本格的に復活すると、とんでもない目に合うのはもう知っているので、無制限に輸出を認めたりはしません。

アメリカは日本に対して、「倒れないように、増長しない程度に」優遇して中露と対峙させようとします。

中国とロシアの脅威が高まるのを最も喜んでいるのはおそらく安倍首相で、両国を手助けしているのではないかとすら思える。


中露が強大になり、アメリカに脅威を与えるほど、アメリカは日本を必要とし、日本に頼るからです。

「ソ連の脅威」というお客様が戦後の繁栄をもたらしたように、「中露の脅威」がいつまでも続いて欲しいと思っているかも知れない。

http://www.thutmosev.com/archives/66143545.html

54. 中川隆[-13039] koaQ7Jey 2020年4月08日 20:25:36 : e648LMnBrk : cDhHOHEwdGpNMGc=[14] 報告

世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋2020年4月8日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9934

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が非常に面白いエッセイを連日LinkedInのブログに投稿している。その内容は非常に多岐にわたるが、究極的には中央銀行が緩和する力を失った後に市場と経済はどうなるかを研究しようとしているようである。

今回はその中からオランダの海洋帝国から大英帝国、アメリカの覇権など、覇権国の勃興について扱った部分を取り上げたい。ダリオ氏は大英帝国が栄えて没落したようにアメリカも同じようになると考えており、その兆候は既に見られていると言う。

彼によれば覇権国がその覇権に挑戦する国に覇権を奪われるまでにはいくつかの道筋があり、ここではそれを順番に挙げていこう。

模倣者の出現

経済的、政治的に強者の立場を勝ち取った国はどのようにその立場を失ってゆくのだろうか。まず経済的に成功した国は他の国にそのモデルを盗まれるということである。ダリオ氏は次のように説明している。


成功した国はその成功モデルを他国に模倣され、競争力を失ってゆく。例えばオランダからイギリスに覇権が渡る前、イギリスの造船業者はオランダの造船業者よりも安い労働力を持っていた。その上で設計士だけオランダ人を雇いより安価な船を作り上げた。

日本が家電や自動車を作り、中国がスマートフォンを作ったことも同じだろう。挑戦国の製品は始めは出来が悪く先駆者に笑われるが(トヨタのカローラは欧米では白物家電と揶揄されていた)、安価でしっかり動く製品は次第に市場を支配してゆく。

現代においてはこれは既に起こっていると言える。日本も中国もある種の製品においてはアメリカの生産性を上回っている。

しかしそれでもアメリカだけが作れるものが完全になくなっているわけではない。Appleの生み出したiPhoneはここ10年ほどの産物であり、アメリカが覇権国となってから何十年経ってもアメリカは新しいものを生み出し続けている。しかしそれはすぐに挑戦国に真似をされ、覇権国は次のイノベーションを求められる。アメリカがそれをいつまで続けられるかということである。5Gの騒動は中国の技術力が一部アメリカに勝ちつつあることを示している。

勤勉さの減少

ダリオ氏は次により精神的な側面に焦点を当てている。個人的には先進国で経済成長率が低い一番の原因はこれではないかと考えている。ダリオ氏は次のように述べる。


裕福になった国民は働かないようになり、娯楽やより非生産的な活動、極端な例では退廃的な消費活動に従事するようになる。これは特に実際に力強く活発に働かなければならなかった世代からその遺産を相続した世代に世代交代が行われるときに顕著となる。

この若い世代は弱々しく闘争心がない。それは結果として覇権国を挑戦者に対して脆弱な存在にする。

これは日本で1945年以後の経済成長を支えた勤勉な世代のあとにその貯金で放蕩に耽ったバブルの世代がやってきたことを思わせる。あるいはヘッジファンドマネージャー、ジョージ・ソロス氏の息子は「ナチス支配下のハンガリーを生き延びてアメリカに渡り莫大な財産を築いた男の息子が父親ほどハングリーにやれるわけがない」と言っていた。裕福な環境は子供の世代にとって良し悪しなのである。

持続不可能な債務

次にダリオ氏は債務のサイクルを挙げている。投資家としてはこれが一番重要だろう。


もっとも裕福で強大な国の通貨は世界の準備通貨となり、そのことは覇権国に通貨を下落させずに莫大な借金をする特権を与える。(訳注:いくら借金をしても通貨の買い手が海外から現れるからである。)そして覇権国は債務を次第に大きくしてゆく。

覇権国の借り過ぎはかなり長期にわたって続き、しかも自己強化的なトレンドとなる。何故ならば、準備通貨が上昇することで海外の貸し手は収入が多くなり、それが更なる貸し手を呼ぶからである。そして富裕国が貧困国からお金を借りようとするとき、それが覇権交代の最初のサインなのである。

例えば1980年代、アメリカの1人当たりの収入が中国の40倍だったとき、アメリカはドルで預金したがった中国の人々からお金を借り始めた。ドルが世界の準備通貨だったからだ。これが変化の起こる初期の兆候であり、大英帝国も同じように莫大な資金をより貧しかった自分の植民地から借り受けている。

基本的に債権者というのは相手を経済的に好きに出来るのである。ドイツがイタリアやギリシャをEUという枠組みの下に従えているのも同じである。それはドイツが債権国だからである。

また、日本もドルと米国債を大量に買うことによって国力を上げてきた。結局はバブルの時代に退廃的な使い方をして日本のバブルは弾けたが、日本国民の対外資産からの金利収入は今なお日本全体の収入を支えている。それは高度経済成長期の遺産なのである。

アメリカに話を戻そう。このようにドルの買い手が多く現れるため、アメリカのような基軸通貨国は借金の許される特権を使いすぎるあまり債務超過に陥ってしまう。それは大英帝国の衰退においても同じだったとダリオ氏は言う。膨大な債務は長らく持続可能だが、大英帝国に終わりが来たようにアメリカの債務にも終わりが来るだろう。ダリオ氏はその終わりを次のように語っている。


負債が非常に大きくなり、負債増加と経済成長が中央銀行によって支えきれない状況で景気後退が起こると中央銀行は際限なく紙幣を印刷することになり、究極的には通貨が下落する。

投資家として一番面白いのは量的緩和によるドルの下落を予想するこの部分だろう。ダリオ氏が今年に入って「現金はゴミ」発言を繰り返していた理由はそこにあるのだろう。

•レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る

貧富の差と税収

更に、ダリオ氏が近年何度も強調しているのが貧富の差による社会的対立の激化である。


貧富の差が拡大し経済におけるストレス(それが何から来るにしても)が溜まるとき、高い確率で富裕層と貧困層の間で対立が生じ、それは過激化してゆく。

富裕層が金を取られると考えたとき、あるいは金を出せと脅されたとき、彼らは彼らの資産を安全と思う場所に隠そうとするだろう。そしてそれが続けば対立の生じている国では税収が減ってゆき、古典的な自己強化トレンドが生じる。減少する税収が対立を激化させて税率が上がり、富裕層は更に逃げてゆく。

この現象はアメリカでも起きている。そもそも税収とは不平等なものである。富裕層は貧困層に比べて大きな額の税金を払っているが、それでより良い公共サービスが受けられるわけでもない。富裕層にとって税金とは貧困層に対する寄付のようなものだが、それを貧困層が当たり前のように要求し始めると富裕層は身を引き始める。

ダリオ氏の長期の視点で見るとアメリカでもそれは起こり始めている。アメリカではIRS(アメリカの国税局)によるアメリカ国籍保有者の資産に対する締め付けが強く、それに嫌気が差したアメリカの富裕層はアメリカ国籍を捨てることも珍しくない。Facebookの共同創業者エドゥアルド・サベリン氏はアメリカ国籍を捨てシンガポールに住んでいるという。多重国籍の許されたアメリカで国籍をわざわざ捨てることの意味はIRSを知っている人間ならばすぐに理解できる。興味のある読者は調べてみると良い。

日本でも多くの富裕層が香港やシンガポールに資産を避難させており、その内いくつかが毎年国税局に捕まっている。税理士の腕が悪かったのだろう。余談だが香港やシンガポールを勧める税理士は腕が悪いので避けたほうが良い。投資信託を勧める窓口の銀行員のようなものである。

結論

基本的に筆者はこれをダリオ氏版の長期停滞論であると考えている。長期停滞論とは経済学者ラリー・サマーズ氏が先進国の低成長の理由を説明しようとした経済理論であり、ヘッジファンドマネージャーらは彼の長期停滞論を金利動向を予測するために使ってきた。

•元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る

ダリオ氏はダリオ氏の観点で同じようにアメリカやヨーロッパや日本の低成長の仕組みを解き明かそうとしたのである。

一番重要なのは債務に関するドル暴落の話だろう。ダリオ氏はそうしたことがすぐに起こると言っているのではない。一方でイギリスのポンドが大英帝国時代ほど強くないことも明らかだろう。ダリオ氏はこの超長期的な視野の上で今の世界経済が何処にあるのかを確認することを読者に促しているのである。

さて、現在アメリカの中央銀行は無制限の量的緩和を行なっており、ヨーロッパも日本も限界まで緩和している。緩和手段がなくなった結果、アメリカと日本で国民に直接現金を配るヘリコプターマネーが行われようとしている。

•ヘリコプターマネーはインフレをもたらすか
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

この結果経済と市場はどうなるか? 筆者は新型コロナ相場では株価反発を予想しているが、それは今後相場に何の問題もないという意味ではない。問題は反発の先なのである。

•新型コロナ株安動向予想: 流行減速で株式市場は上昇する

ダリオ氏はそれを長期的視野から考えようとしているようである。ダリオ氏は毎週エッセイを更新してゆくとのことなので、引き続き紹介してゆきたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9934

55. 中川隆[-13251] koaQ7Jey 2020年4月10日 16:10:12 : sfbpU46eAE : ZG5QWVdwY0dyRG8=[-14] 報告

ジム・ロジャーズ氏: 新型コロナ株安はまだ終わっていない2020年4月9日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9989

ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを創業したジム・ロジャーズ氏が新型コロナウィルスによる下落相場はまだ終わっていないと主張している。下落予想もそうだが、それよりも面白い観点もあったのでここで紹介したい。

新型コロナ株安

2月以来、株式市場は新型コロナウィルスによる都市封鎖の影響で暴落してきたが、3月末からその下げ幅の半分程度を取り戻そうとしている。

その背景にはアメリカとヨーロッパにおける流行状況の改善がある。イタリアでは既に流行はピークを超えている。

•新型コロナ感染者数、アメリカでもピーク近づく 株安相場の終焉か

しかしロジャーズ氏は株安はまだ終わっていないという。彼はBarron’sのインタビューで次のように述べている。


市場にとって最悪の瞬間はまだ来ていない。経済へのダメージは世界どこでも深刻だ。経済は深刻な景気後退に陥る。まだ終わっていない。

さて、どうなるだろうか。株価がもう一度下落すると予想している投資家には他に債券投資家のガンドラック氏がいる。ガンドラック氏は新型コロナ相場を空売りして儲けたそうだが、彼の予想はもう一度当たるだろうか。

•ガンドラック氏: 新型コロナ株安はもう一度底値を更新する

ドル上昇予想

ロジャーズ氏は他にドルの上昇予想をしている。


下落相場になると人々は安全資産を求める。ドルは安全資産ではない。アメリカは莫大な負債を負っている。しかし多くの人がそれを安全資産だと思い込んでいる。だからドルを保有している。ドルは上がり、バブルになるだろう。

ドルが安全資産としてバブルになるというのは前回紹介したレイ・ダリオ氏の観点に似ている。ダリオ氏によるとドルは準備通貨としてバブルの状況にあり、それはいずれ崩壊するという。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

また、テクニカルな話で言えば新型コロナによる金利高によってアメリカ国外の多くの事業者が借金を借り換えられなくなり、ドル建ての借金返済を余儀なくされていることがドルを押し上げている。

•ドル円上昇が示す世界的倒産ラッシュの可能性

個人的には現在ドルをトレードしておらず、ドルの値動きは上に書いた意味で新型コロナ相場で借金の行方がどうなっているかを測るためにモニターしている。ドルが上がりすぎればクレジット市場が不調だということである。

金と銀と砂糖

しかしロジャーズ氏のインタビューで一番面白かったのは次の部分である。


金と銀も保有している。あとは砂糖だ。砂糖は史上最高値から75%か80%も下落している。何があっても人が砂糖を使うのを止めることはないだろう。投資機会は何処にでも転がっているのである。

この状況で砂糖というのはロジャーズ氏ならではの推奨だろう。ちなみに日本の個人投資家には馴染みがないかもしれないが、砂糖先物は実際にトレードできるのである。チャートは次のようになっている。

新型コロナで人が砂糖を使わなくなることはないというのは事実だろう。砂糖の買いは面白いかもしれない。

ヘリコプターマネーと砂糖

しかし個人的にはもう少し別の意味で注目している。アメリカが無制限の量的緩和を行い、アメリカと日本がヘリコプターマネーを行おうとしている中、インフレになるのかデフレになるのかということである。

ヘリコプターマネーによって人々が実際にお金を使い始めたらどうなるだろうか。お金を使い始めるというのは、つまりは現物資産と紙幣を交換するということである。膨大な負債で支えられた現在の世界経済で人々が紙幣とものを交換しようとするとき、人々は紙幣が保証するほどにはものが存在していないことに気付くことになる。「現金がゴミ」になる瞬間である。

•レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る

その瞬間はいつかは来るのだが、これまでは来なかった。しかしヘリコプターマネーがそれを引き起こす可能性は考えておかなければならない。

•ヘリコプターマネーはインフレをもたらすか

人々が実はものが足りないのだと気付くとき、投資家はどうすべきだろうか。実際に高騰するのは生活にどうしても必要になるもの、つまり砂糖などの農作物なのではないだろうか。

それが砂糖かどうかはまだ分からないが、ダリオ氏が最近考えていることは恐らくそういうことなのである。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9989

56. 中川隆[-12750] koaQ7Jey 2020年5月06日 12:01:16 : JiV1eTDCIw : eXZlblBTcFo4T1k=[16] 報告
2020年05月06日
アメリカの魔法のステッキ、今回も無限資金供給発動か


バーナンキ(右)とポールソンは短期間で危機を終わらせ、後の10年の好景気を作った

画像引用:https://amp.independent.ie/migration_catalog/b1747/25060987.ece/AUTOCROP/w620h350/banks

アメリカはどうやって金融危機をクリアしたか

最近アメリカは新型コロナウイルスへの対策で1か月に300兆円も財政支出を決め、政府債務が急増している。

労働者の半数が自宅からの外出を制限され事実上の無職状態に陥っている。

年間の財政赤字は過去最悪の水準で、経済専門家や財政関係者は危機感を表明している。


だがそれでアメリカが破産するかというと、数年後には何事もなかったかのように立ち直っていると思われる。

2007年から2010年までの世界金融危機でも同じだったからで、当時はドルが無くなりアメリカが無くなると言われていた。

専門家たちは次の超大国は中国であり、世界は中国を中心に再編成されると言っていました。


10年前の新聞を読んだら今の専門家の言い分と同じで、同じことをずっと言っているだけだと気づくでしょう。

アメリカは2009年に破産を確信するほど経済と財政が悪化したが、1年後の2010年に立ち直り10年続く好景気に入りました。

重要な役割を果たしたのはFRB議長のバーナンキで、空から金を撒けといって毎週数兆円の資金供給をしました。


その方法は金融危機で破産した企業や公団の債権、株式を額面で買い取るという大胆なものでした。

その会社はすでに倒産しているので債権や株券はゴミに過ぎないが、ゴミを数百億円で買い取っていました。

FRBのゴミ買取でアメリカは空前の金余りになり、金は世界に還流して世界中が2010年代のバブルに突入しました。

アメリカの魔法のステッキ

比較しては何だが日本の麻生首相と白川日銀総裁は、金をばら撒くどころか逆に締め上げていました。

消費者金融が問題視され規制強化したのは良かったが、ほとんどの主婦や低所得者はカードを作れなくなった。

消費が大幅に落ち込んだが麻生首相は何も経済対策をせず、日本経済が崩壊するままにまかせてGDP大幅マイナスを記録した。


世界金融危機で最初にアメリカのサブプライムローンが破綻しローンを返済できない貧困者が続出した。

驚くべきことにアメリカ政府はローン破産した人の代わりにローンを支払い、住宅を差し押さえられないようにしました。

当時CNNでこの件を「ローンを払えないくらいで住宅を取り上げられるなんてあり得ない」と糾弾していました。


日本なら「金がないくせに借金したのが悪い」と破産者を非難したのではないでしょうか。

それでどうなったかというと、大盤振る舞いのアメリカはたった1年で完全に立ち直り10年間好景気を謳歌した。

ケチケチ日本は今も世界金融危機前まで回復しておらず、借金だけが雪だるま式に増えた。


どちらが正しくどちらが間違っていたかは明らかです。
http://www.thutmosev.com/archives/82873685.html


▲△▽▼

新型コロナと株価暴落の「第二波」は10月か?ロックダウン解除の危険性=吉田繁治
2020年5月5日

5〜6月に都市封鎖が解除された場合、静かな7〜9月を経て、10月から新型コロナの第二波が来る可能性が高いでしょう。そうなれば株価は二番底をつけます。

「新型コロナの第二波に注意せよ」専門家の警告

英国LANCET(権威のある医学専門雑誌)に掲載されたこの論文は、「Beware of the second wave of COVIC-19(新型コロナの第二波に注意せよ)」として、以下のように述べています(4月8日)。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30845-X/fulltext

[原文]
「Leung and colleagues also modelled the potential adverse consequences of premature relaxation of interventions, and found that such a decision might lead to transmissibility exceeding 1 again?ie, a second wave of infections.」

[翻訳]
「リャン(中国名の李?)と研究所の同僚は、政府介入の早期緩和(都市封鎖や移動制限の解除)が、逆の結果を生むことをモデル化し、感染は(現在の)第一波を超えて第二波を生むかもしれないことを発見した」

上記は、5〜6月に都市封鎖や移動制限を解除すれば新型コロナの第二波が訪れ、20年の秋・冬まで長期化する可能性があるという趣旨です。未来は現在の条件から確定したものではなく、未知の新しい現象が生じるので、確率的なものとしてしか示せない。LANCETでは「might」という仮定の助動詞を使っています。

感染症学者は、「最も多い26万人(839万人の人口の3%)の感染者が確認されたNY市ですら初期の段階であろう。感染者はこれからも増える」と言っています。


4月の反発はダマシ?楽観的すぎる株式市場

世界の株価を4月に上昇させた早期収束論は、数理モデルからは誤っている可能性が高い。ワクチンができるのも、最短でも1〜1.5年後とされているからです。
ワクチン開発に時間がかかるのは、臨床の治験が必要だからです。ワクチンは副作用を極小化する必要があるので、普通は短くても5〜7年かけます。ワクチンからの感染事例が出ると巨額の損害賠償になるからです。製薬会社は、そうした分かり切ったリスクは犯しません。

南半球での、およそ4か月遅れの感染増加を考慮すると、延期された東京オリンピックの開催も危ういと見なければならない。アフリカでの確認感染はごく初期段階の2万人(4月上旬)、オーストラリア6619人、ブラジルが1万人です。人が集まる会場は、ウイルス拡散の場になります。

無制限緩和という“人工心肺”で延命中だが
NYダウは、3月18日の一番底の1万8,600ドルから2万3,600ドルまで、4週で5,000ドル回復しています(4月20日)。ピークの2万9,500ドルから9,900ドル下落していたので、半分戻したことになります。
この買いは、

(1)コロナショックは5〜6月に収束するという論
(2)FRBによる2.3兆ドルのマネー供給

によって果たされています。

FRBは、3月3日と16日に2度(1.5ポイント)の利下げをした上で(短期金利誘導目標0.00%〜0.25%)、金融機関とファンドがもっていた米国債と、REIT(不動産上場投信)が下がっていた住宅証券のMBSを買い上げて、まず、金融機関にマネー供給をしたのです。その金額は、2兆ドル(220兆円)と巨大です。

米国債の価格は10年債で14%上がり、MBSも価格を回復しました。金融機関とファンドは、国債とMBSをFRBに売って、入ったドル現金をもとに33%下がっていた米国株(NYダウ、S&P500、ナスダック)の買い越しを続け、ダウで2万3,600ドルまで5000ドル戻したのです。

FRBは今回の量的緩和を無制限としています。株価を下げず、金融危機・企業倒産を防ぐためなら、いくらでも増額するということです

<中略>

50%回復した株式市場が想定しているロックダウン解除(5〜6月)が、米国で実際に行われた場合、静かな7月、8月、9月を経て、10月から第二波が来る可能性が高いと思っています。第二波が来れば株価は二番底をつけるでしょう。社債、CLO、REITの再下落も同時です。

57. 中川隆[-12737] koaQ7Jey 2020年5月07日 07:03:47 : IC9sJkmouQ : MEtrMm16cm5xY0k=[4] 報告

米国の量的緩和が限界に近づき失速へ 株価への影響は2020年5月6日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10574

世界の株式市場は新型コロナウィルスの世界的流行による株安相場からの反発が続いている。しかし筆者には現在の相場にはポジティブな要素がほとんどないように見える。実体経済が危機的状況にあるのはこれまで伝えているが、それに加えてアメリカの量的緩和が失速し始めたからである。

国債買い入れ失速

アメリカでは2月からの株安相場を受けて無制限の量的緩和が行われている。

•米国、量的緩和の無制限化を発表も米国株は下落

量的緩和とは中央銀行が通貨を発行してその通貨で国債などの証券を買い入れることであり、無制限とはその買い入れ額に制限がないことである。

しかしこの無制限の量的緩和が4月の後半から失速し始めている。中央銀行の国債保有額の推移は次のようになっている。

3月に入って勢い良く急上昇したグラフの傾きが段々なだらかになってきているのが分かるだろう。そしてその結果どうなっているかと言えば、長期金利が不気味な上昇を始めている。

長期金利は10年物国債の金利だが、よりリスクの高い30年物国債の金利はもっと明らかに上向き始めている。

繰り返すが、現在アメリカの中央銀行は無制限の国債買い入れによって金利を下げようとしているのである。量的緩和で株価が支えられるのは、国債の金利が下がることによって投資家がよりリスクの高い不動産や株式に資金を振り分けるからであり、金利が上がってしまうとその浮揚効果も無くなってしまう。

量的緩和失速の理由

「無制限の国債買い入れ」は何故失速してしまっているのだろうか? その理由は中央銀行の買い入れ額に制限がなくとも買い入れることの出来る国債の総量に限りがあるからである。

現時点で存在している米国債の量は23兆ドルである。一方で3月に量的緩和が加速してから1ヶ月で買い入れた国債の額はグラフを見れば分かるが1兆ドル程度である。

つまり、「無制限の量的緩和」を当初の速度で続けるとこの世に存在するすべての米国債を2年足らずですべて買い上げてしまうことになるのである。これが量的緩和の限界である。買い入れ対象が無くなれば買い入れは出来なくなる。当たり前である。

それで中央銀行は株価が落ち着いたために買い入れ速度を落としたのだが、そうすると今度は金利が上昇してきた。しかし金利が上昇すれば株価を支えることは出来なくなってしまうだろう。

量的緩和の限界

これがここ数年何度も懸念されていた中央銀行の緩和限界の問題である。

•米国、緊急会合でゼロ金利まで利下げし量的緩和を正式に再開 暴落時の追加緩和が不可能に

今回のコロナショックで世界中の中央銀行は追加緩和の余地を失ってしまった。それどころかアメリカはここまで限界を越えて緩和しており、失速は不可避だったと言える。しかしもしかすると市場は失速を許さないかもしれない。米国の株価指数S&P 500は次のように推移している。

現在の株価水準

筆者は現在米国株を空売りしているが、同じように空売りをしている投資家にジェフリー・ガンドラック氏がいる。ガンドラック氏は株価水準について次のように述べている。

•ガンドラック氏: 株価は3月の底値を更新する


2,863でS&Pを空売りした。ここからはアップサイドもダウンサイドも大きくない。

S&P 500は3,000まで行かないと思うが、それも有り得る。ダウンサイドについては容易に底値を越えていくだろう。

彼が何故このように言ったかと言えば、現在の市場環境とコロナショックの規模の大きさから考えれば3,000程度が株価の限界だからである。実体経済へのダメージの大きさについては以下の記事で説明している。

•新型コロナ、米国経済の景気後退はリーマンショックの倍以上か、第1四半期GDP速報

しかし3,000というのは金利が今の水準に留まるならばの話であり、量的緩和が減速を続けて金利が上昇する場合には3,000という水準も維持が難しくなってくるだろう。しかし量的緩和は減速しなければ2年で打ち止めになってしまう。仮に減速せずに続けたとしても、この状況で量的緩和が打ち止めになれば株価も実体経済も崩壊するだろう。

結論

ということで、実体経済も株式市場も詰んでいるという見解を維持したい。しかしそれで良いのである。コロナショックでこれほど大きなダメージにならなければならないのはこれまで金融緩和と政府債務の膨張によって無理矢理経済をバブルにしてきたからであり、借金と紙幣印刷に頼らないまともな生活をしていれば経済のV回復も可能だったはずである。このことについては以下の記事で説明している。

•新型コロナで借金が実体経済に影響を与える仕組みを分かりやすく説明する

しかし借金を増やして株価をバブルにしたがる政治家から経済を操作する道具は失われた。まともな投資家は当然それを歓迎しているわけである。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10574

58. 中川隆[-11824] koaQ7Jey 2020年8月16日 09:32:55 : k2bzml3lWg : RFZZVDZ1ZWY0ZkE=[18] 報告

2020年08月16日
『幸福な期間』が終わった中国に今後起きること

繁栄はある日突然終わる


ビッグウェーブは永遠に続かない

どんな国にも好調期を不調期があり、好調な時はやる事なすこと全てうまく行きます。

全盛期のイチローみたいなもので打ち損じがランニングホームランになったり、後ろ向きでジャンピングキャッチできたりする。

国家も好調期にはやる事なすこと全て大成功し、この成功は永遠に続くだろうと誰もが思います。

だが一旦落ち目になると物事は逆方向に大きな力が発生し、何もかも全てうまく行かなくなります。

日本は1990年までが好調期だったが、ある日を境に突然すべてがうまく行かなくなりました。

振り返るとその「ある日」は昭和が終わった1989年(昭和64年)1月7日で、この日昭和天皇が崩御しました。


「天皇が変わっても日本経済は絶好調で無敵なのだ」と皆思っていたが、現実はこの日から日本は坂道を転落し始めた。


1989年(平成元年)4月1日には消費税がスタートし、日本の国家目標は経済成長ではなく「消費税増税」だけになります。

消費税創設1年後にバブル経済が崩壊し、地価の暴落や株式暴落、給料も暴落し日本の価値も暴落した。


これほど短期間に数多くの失敗をした例は、大戦後半の大本営くらいしか例がないほどです。

中国は清国末期から1970年代まで100年間も大崩壊時代があり、改革開放以降は好調期になった。

落ち目になった日本と肥え太ったアメリカ

転機になったのは1972年のニクソン訪中で、この頃アメリカの敵はソ連と日本で中国に関心はなかった。

この時アメリカはベトナムで負けつつあり、自由主義陣営はソ連の共産陣営に負けるのではないかと考えられていた。

さらに日本の経済成長や輸出攻勢でアメリカ経済はどん底になりつつあり、80年代には日本のGDPがアメリカを超えるのではと思われた。

ニクソン大統領は日本嫌いで知られており、1971年8月15日に米ドル紙幣と金との兌換停止を行いニクソンショックを起こした。

ニクソンはこの事を「日本を倒すという意味で8月15日を選んだ」と語っていて、目的は円高で日本経済を破壊する為でした。

この後もアメリカでは日本に批判的な大統領が続き、日本より中国を優遇しました。


例えば慰安婦や南京、教科書問題は実はクリントンやレーガンなど米大統領が韓国や中国に「日本を叩いてくれ」と依頼したと言われています。

当時日米貿易摩擦が大問題になっていて、アメリカは日本に打撃を与えて交渉を有利に進めたかった。

例えば2007年に安倍首相はブッシュ大統領に慰安婦問題で謝罪しているが、これもブッシュが韓国に「騒いでくれ」と依頼して安倍首相を謝罪させました。

食べごろの中国

最初に謝罪した日本は貿易交渉の主導権を奪われ、日本側は「ごめんなさい」と謝罪してアメリカの主張を受け入れました。

中国の全盛期は2008年の北京五輪とリーマンショックまでで、その後の10年は毎年100兆円以上もの公共事業で経済成長をしていました。


土木工事で経済成長するのは後進国のやる事で、GDP500兆円の国がやると成長分以上の債務増加に悩まされます。


今では中国の国家債務はGDP比率300%と推測されていて、GDP1500兆円とすると4000兆円以上の政府債務があります。

中国は国家破産する前にアメリカのGDPを超える青写真を描いていたが、逃げ水のように目標は遠ざかっている。

これを見てアメリカは「そろそろ中国を潰すタイミングだ」と思い攻勢をかけています。


ユダヤ→イギリス→アメリカの欧米には「ブタは太らせて食え」という格言があり、中国は食べごろになりました。

これからアメリカを中心とする欧米諸国は中国を絞り上げて、搾りかすも出ないほど奪いつくすでしょう。

最終的に中国はソ連のように解体されるか、ドイツのように分割されるか、日本のように国土の半分を奪われるかも知れません。


元々「中国人(北京人)」の領土は北京周辺だけなので、香港やウイグルやチベットやモンゴル、旧満州なども違法な支配でしかありません。

http://www.thutmosev.com/archives/83655038.html

59. 中川隆[-7338] koaQ7Jey 2021年2月16日 07:16:49 : 44N2D6Lynk : ZkFMRk5ZSXJwdHM=[4] 報告
2021.02.15 ビヨンド3万。
http://kasset.blog.fc2.com/blog-entry-2421.html

 昨日カネ余りが共通点と言いましたが、実はこれも似て非なるものかもしれません。

土地と株は下がる事は無いと言う「神話」を基に、88年1月初め、特金・ファントラの低価法が弾力化され、原価法も選べる事になりました。

買って下がっても怖くなくなりました。上がるまで持っていれば良いので、利益だけ出して、損になるものは放っておけば何れ上がるから。だから、手持ち資金以上の投資が出来ました。借金投資でカネ余りです。

 この辺を年表で見ると、88年1月初め、特金・ファントラの低価法を弾力化。原価法だと損失の恐怖が亡くなる。益だけ出して後は放っておけばよい。株はいずれ上がると言う神話がこのころ常識。

 9月3日東証でTOPIX先物、大証で日経平均先物始まる。運用の時代。

 ウオーターフロント関連銘柄。日本独歩高のバブル相場。 

 88年11/8ブッシュ大統領圧勝しハネムーン相場があったが、その後米国株波乱(89年10/13ダウ史上2番目190ドル安)(10/16日経平均647円高)と対照的。ダウはこのころただの2000ドル台だった。

 カネ余りは共通していますが、借金した資金で運用する「財テク」の時代。財テクしない企業は怠慢!おカネの量以上の投資(借金投資)
 90年7〜8月の3万円割れ(土地はまだ上がっていた) 8/2イラク軍、クウェートに侵攻(湾岸戦争) 10月1日には2万円割れ。
ここで初めて、「バブル経済崩壊」と認定されました。


 今は本当にカネ余り。本欄で書いて来たM3の数字の通りです。

 さて今日は、内閣府が公表する10〜12月期実質GDP速報値が注目です。予想では前期比2.3%~2.4%増、年率換算9.3%〜10.1%増が見込まれています。年率22.9%増と1968年以来の高い伸びを記録した7~9月期に続き、2四半期連続の回復になります。名目GDPは前期比2.0%増の550兆円程度と、コロナ前の19年10〜12月期の557兆円に迫る水準まで回復する見通しです。しかし、1~3月期はマイナス圏に陥る見通しです。市場はどう反応するか。
http://kasset.blog.fc2.com/blog-entry-2421.html

60. 中川隆[-7333] koaQ7Jey 2021年2月16日 07:22:24 : 44N2D6Lynk : ZkFMRk5ZSXJwdHM=[10] 報告
2021.02.14 地震で眠れなかった皆様に心からお見舞い申し上げます。
http://kasset.blog.fc2.com/blog-entry-2420.html

 日経平均が史上初めて3万円を超えたのは、1988年12月でした。その後ちょうど1年後の1989年12月29日の市場最高値3万8915円を付けるわけですが、翌1990年の急落で3月に3万円に、4月2日には2000円安で2万8000円まで下げました。6月7日に戻り天井3万3192円まで上がりましたが、8月に再び3万円を割れ、それ以降3万円は時が立つにしたがってはるか幻のような数字となっていき、もう2度と遭遇しない日経平均3万円と、多くの投資家が思うようになりました。

 その3万円が目の前に来ました。今週その3万円に乗せるかもしれません。乗せた時にメディアは、「1990年8月以来の3万円」と報道するかもしれませんが、前述の通り1990年の3万円は下落途中の3万円で、似て非なるものです。

これからのビヨンド3万の相場を勝ち抜くためには1988年12月の上昇途中の3万円を参考に、共通点と相違点をしっかり把握する必要があると思います。

 ぱっと思いつく共通点は「カネ余り」で、相違点は「PER 60倍対20倍台」「日本独歩高と世界同時株高」ですが、もう少し掘り下げて、しっかり分析する必要があると思います。
http://kasset.blog.fc2.com/blog-entry-2420.html

61. 中川隆[-7209] koaQ7Jey 2021年2月22日 08:02:32 : oq5zUFActo : QWNSMU5Pa0tNLms=[6] 報告
2021.02.22 バブルはクレージーですよ。

 現在はバブル相場だとも言われますが、それはバブルを経験したことがないから言える言葉だと思います。とにかくあのバブルはクレージーでした。そのクレージーなエピソードをいくつか紹介すると、

@東京山手線内の土地の値段と、米国全土の土地の値段が同じになった。

A海外から日本に進出していた投資顧問会社の日本の責任者が、顧客獲得の為にゴルフ接待が必要と考え、小金井カントリー俱楽部の会員権5億円の取得をおそるおそる本国へ問い合わせたら、本国から「すぐ買え」と言って来た。余り簡単に了解したので、念のため確認したら、本国は小金井カントリー俱楽部全部を5億円で買えると思っていた。

B茅場町の霊厳橋のほとりに、運河に落ちそうな20坪ほどの土地が2000万円だと聞いてずいぶん高くなったと思っていたらそれは坪単価で、実際は4億円だった事。2000万円でも高いと思った土地が4億円だったクレージー。

C日経平均のPERが60倍になったので、上値追いの整合性に乏しくなったら、Qレシオを発明して、そのクレージーな土地価格を株価に転化した。

D株は持っていればいつかは上がると皆信じていた。

 最後については今でも信じている方がいるかもしれませんが、バブルとはこういうもので、今の日本株はバブルではないと筆者は断言できます。ただ、NYダウは当時から10倍になっているので、「(もっとあがるかも知れませんが)テンバガーになった銘柄を買う」という認識は必要だと思います。

http://kasset.blog.fc2.com/blog-entry-2428.html

62. 中川隆[-6960] koaQ7Jey 2021年3月02日 21:45:13 : YhdtoSsgwM : UkpyU0lQcDVnTG8=[4] 報告
プラザ合意からブラックマンデーまでを振り返る
2015年3月21日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/933

・2015年、金融市場は米国の量的緩和終了を織り込んでいない
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/669

2015年の金融市場はブラックマンデー当時の相場と似ているとの指摘が各所から出ている。チャートの類似を指摘する声もあれば、ボラティリティの上昇を指摘する声もあるが、ファンダメンタルズにおいてどう類似しているのかを詳細に観察するレポートが出回っていないと感じているので、先ずは1987年に起こったブラックマンデーのマクロ経済学的背景を説明しておきたい。

ブラックマンデーについては、一般的には解明されていない点が多いとされているが、一部の優れた投資家は事前に予測していた事案であり、ファンダメンタルズと投資家の心理の観点から説明が可能である。暴落の背景には1981年に米国の大統領に就任したレーガン大統領のレーガノミクスがあるので、先ずはここから始めたい。

ドル高を促進したレーガノミクス

元々の始まりはレーガノミクスである。1981年に就任したレーガン大統領は、前政権から受け継いだスタグフレーションに対処しなければならなかった。高い失業率にもかかわらずインフレ率は上昇し、米国の家計は低い賃金と高い物価の両方に苦しんでいた。

レーガン大統領は失業率を抑えるために財政出動を行い、減税によって消費を刺激しようとした。軍事支出を大幅に増加させ、また外交的にも共産主義国への強硬姿勢を見せることで、いわゆる「強いアメリカ」を演出した。

一方で、上昇していたインフレ率を抑えるためには金融引き締めが必要とされていた。金融政策ではそもそもレーガン大統領の就任以前より利上げがピークに達しており、レーガン大統領自身もマネーサプライの増加を抑える意思を引き続き表明した。財政支出の規模が大きかったこともあり、長期金利は上昇し、高い金利を求めた資金は為替市場をドル高へ導くことになる。ここまでの経緯を纏めると以下の通りである。

高失業率 -> 財政出動 -> 金利上昇 -> ドル高
高インフレ -> 利上げ -> ドル高
当時、アメリカ経済の問題は巨額となった財政赤字だけではなかった。日本やドイツなどの貿易相手国がドル高の恩恵を受けて輸出を続けたことで、米国の貿易赤字も容認できないレベルに達していた。

しかし高金利に惹かれた資金は、ドルのもとに集まり続け、「双子の赤字」と呼ばれた米国の財政・貿易赤字にもかかわらず、ドルは高値を更新し続けた。ドルはドイツマルクに対し、レーガノミクス以前のレートから50%以上も上昇した結果、通貨高に耐えられなくなったアメリカ政府は遂にドル高是正に腰を上げることになる。

プラザ合意

1985年9月22日、G5の財務相と中銀総裁たちがニューヨークのプラザホテルに集まり、ドル高の是正のために協調介入することで合意した。ドル高は双子の赤字というファンダメンタルズを反映していないとされ、米国政府は為替レートの是正が必要だと主張した。ジョージ・ソロス氏はこの出来事を以下のように書いている。

われわれは興奮の渦中にある。G5の財務相と中銀総裁がプラザホテルで緊急会議を開いた。これは歴史的な出来事である。会議は自由な変動相場制から管理された変動相場制への移行を決定した。

わたしは紙一重でポジションを手放さずに済み、一世一代の大儲けを果たした。円を翌週の香港市場で買い増し、上昇する相場のなかでホールドした。儲けは過去4年の為替市場での損失を補って余りあるほどである。というわけで非常にいい気分だ。(『ソロスの錬金術』)

この時、円やマルクはドル高の行き過ぎから既に底値を超えて上昇基調にあったが、この合意はその新たなトレンドを決定的なものにした。ドルはここからブラックマンデーの起きる1987年まで、急激な下落トレンドを開始することになる。

バブルを造成した利下げとドル安

一方で、ドル高が米国のインフレ率を徐々に低下させていたことから、高止まりした政策金利は役目を終え、Fed(連邦準備制度)は利下げを開始していた。レーガン政権の序盤には19%まで上昇していた政策金利は、この頃には8%程度まで下落していた。

1982年に始まったこの利下げを好感し、株式市場は上昇を始めていたが、ドル高を是正するプラザ合意がこの傾向に拍車をかけた。したがって、1982年からブラックマンデーの起こる1987年までの株価上昇は、利下げとドル安によって作り上げられた強力なトレンドであり、投資家たちはこの2つの要素を前提として米国株を買い続けてきた。したがって、この上昇相場の終焉も、この2つの要因が崩れたときであったのである。

ルーブル合意

プラザ合意以来、ドルはドイツマルクや円に対して急速なスピードで下落していた。1987年2月22日、ドル安が行き過ぎであると判断した米国政府は、G7を主導し、パリのルーブル宮殿でドル安の行き過ぎを是正する合意を取り付けた。これは、下がり続けていた米国の政策金利をFedが上げる一方で、円高、マルク高となっていた日本とドイツに対し、利下げを求める合意であったが、国内のインフレ率上昇を懸念していたドイツが同年9月にこれを破り、利上げを決行する。

ドル安を懸念していた米国にとって、更なるドル安・マルク高を引き起こすドイツの利上げは容認できないものであった。また、5年間に渡る利下げによって支えられてきた米国の株式市場の参加者は、ドイツの利上げによって米国も利上げのペースを上げなければならなくなるだろうと推測した。利下げとドル安によって支えられてきた上昇相場が、ドイツの協調拒否によってその両方を失ったのである。

ドルの自由落下か、株式の自由落下か

「双子の赤字」を抱えながら成長してきた米国株の上昇相場は、遂に八方塞がりの状況に陥る。米国の巨額の財政・貿易赤字はいずれ修正されなければならないと誰もが思っていた。

ジョージ・ソロス氏は早くから双子の赤字に悲観的だったが、各国の協調と管理された変動相場制が状況を軟着陸させる可能性を見て取ると、これを「資本主義の黄金時代」と呼んだ。しかしその要であった協調は、ドイツの離反で失われた。ドル安の行き過ぎを段階的に是正し、株式市場に大きな悪影響を及ぼすことなく利上げ・ドル高へと導くためには、為替水準に対する各国の協調が必要不可欠だったのである。

株式投資家には最悪の状況である。ドイツの利上げにつられてFedが急激な利上げに向かえば、真っ先に下落をするのは株式市場である。しかし逆にFedが利上げを躊躇えば、今度はドルが何処まで落ちてゆくか分からない。事実、米国のベーカー財務長官は、10月16日の記者会見で協調を破ったドイツを非難し、「ドイツが協調に協力しないのであれば米国は一層のドル安を容認する」と主張した。

これで株式市場かドルか、どちらかの下落は決定付けられてしまった。特に当時の株式市場では、ほとんどの投資家は為替ヘッジを付けていなかったこともあり、米国株の保有者はどう転んでも自分の資産が毀損される状況に追い込まれた。では彼らの唯一の選択肢は何だっただろうか? 米国株の投げ売りである。

1987年10月19日、ブラックマンデー

9月のドイツの非協調的利上げによって最後の支えを失った米国の株式市場は、その後ふらふらと方向感を失い、10月に入ると下落トレンド入りした。下落幅は日増しに大きくなり、10月19日、前日比で22.6%の下げを記録したのである。

ブラックマンデーについては、当時の稚拙であった自動売買システム(ポートフォリオ保険)などが下落を加速させたなどの見方があるが、その真相は利上げによる典型的な流動性縮小と、止まらないドル安が株式投資家を追い込んだ結果というわけである。

未来の相場への教訓

金融市場の暴落では、それまで何とか市場に保たれていた資金が行き場を失うというパターンが多い。債務危機では通貨と国債、どちらかの暴落は不可避であり、2015年現在の状況では、株式市場か債券市場、両方の上げ相場が永遠に続くということは不可能である。

ちなみに、レーガノミクスからプラザ合意に至り、止まらないドル安が問題となるまでの経緯は、上記で引用した「ソロスの錬金術」によく書かれている。この本は、ソロス氏の再帰性の理論とともに1985年から1986年までのクォンタム・ファンドの日々のトレードを記録したもので、ソロス氏がドルを売ってドイツマルクと円に投資する様子や、米国の「双子の赤字」の危険性を指摘しながらも、上がってゆく株式市場に資金を投資し、上げ相場の天井を探ってゆく様子が詳細に描かれている。

金融関係者にはよく知られた本であるが、一般の投資家には、これほど有用な本であるにもかかわらず、余り広まっていないと感じている。また、金融関係者でもこの本の有用性を本当に理解している人物は驚くほどに少ない。市場であれ何処であれ、優れた投資家はいつも少数派なのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/933


▲△▽▼

2015年、金融市場は米国の量的緩和終了を織り込んでいない
2015年1月26日 GLOBALMACRORESEARCH
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/669

これについては一度しっかりと書いておく必要がある。

2008年のサブプライム・ローン危機の後、Fed(連邦準備制度)は3度にわたり債券の買い入れを行い、量的緩和を行ってきたが、この政策は2014年10月をもって終了し、現在の米国は2015年中に行われるとされる利上げを待っている状況にある。

2013年5月にバーナンキ前議長がテーパリング(緩和縮小)に初めて言及したとき、米国債は売られ、米国株も急落したものだったが、その後も株式市場は上昇し、ECB(欧州中央銀行)が量的緩和を開始した今では、米国の金利までもが低位で安定した動きを見せている。

市場は量的緩和の終了と利上げを景気回復のサインと見なし、量的緩和の終了どころか利上げまでも問題なく織り込んだかのような見方が通説となりつつあるが、それは誤りである。本来これは、中銀の支えがあるからと積極的に押し目を買ってきた市場参加者自身が一番よく知っているはずであるのだが、今後の金融市場の動きも含め、以下に説明したい。

量的緩和と株高

先ず、そもそも何故量的緩和で米国株が上がったのかを思い出してもらいたい。量的緩和には一般的に以下のような効用がある。

国債買い入れによる金利の低下
住宅ローン金利の低下による不動産市場の活性化
債券から株式へのポートフォリオ・リバランスによる金融資産価格の上昇
ここで一番重要なのはポートフォリオ・リバランスである。ポートフォリオ・リバランスとは、中銀の買い入れにより国債の価格が上昇するにつれ、利回りの低くなった長期国債の相対的魅力が低下し、銀行や保険会社、家計などの投資家がよりリスクの高い証券(社債や株式など)を購入するようになる現象のことを指す。

Fedの公開している論文(原文英語)によれば、Fedが量的緩和を行うにつれ、米国の家計は国債を売り、社債や公債などよりリスクの高い証券を保有するようになった。このように国債から社債、社債から最終的には株式市場へと資金が溢れてくることで、米国株は史上最高値を更新してきたのである。

ポートフォリオ・リバランスの逆流

しかしながら、そのような資金は永遠に株式市場に保たれることはない。もともと投機家ではない彼らは、国債の利回りが低いから社債を買ったのであり、社債の利回りが低いから株式を買ったのである。では国債の利回りが元の水準に戻るとき、彼らはどうするだろうか? 彼らに株式をそれ以上保有しておくインセンティブはなく、資金は逆流してゆくしかないだろう。

逆流はいつ起こるのか

2013年、バーナンキ前議長が緩和縮小に言及したとき、株式市場はその可能性を想定して一度急落した。しかしその時資金の逆流は起きなかった。株式市場は、緩和が縮小のプロセスを経るにつれ、資金の逆流を恐れてその後も何度か急落したが、逆流は結局起きなかった。そして株式市場は緩和終了が織り込まれたと考え、当初の懸念を忘れてしまったのである。

しかし、投資家は資金流入の起こったプロセスをもう一度よく考えなければならない。家計や保険会社は利回りが低いために国債を売ったのであり、従って彼らが再び国債を買うインセンティブが生まれるのは、中銀が緩和を止めるときではなく、実際に利回りが上昇するときである。つまり、日欧の量的緩和もあり、米国の長期金利がいまだ低位安定している状態で、資金の逆流が起きていないのは順当だと考えられる。

逆流開始の条件

では、逆流が始まるための条件は何だろうか? およそ考えられるものは以下の通りである。

Fedの量的緩和の終了(2014年10月に通過済み)
米国の利上げ(2015年中旬の予定)
米国の長期金利の上昇(2015年中旬から2016年辺りか)
米国株が20-30%の下落を正当化できる程度に割高であること
米国株が先進国唯一の魅力ある株式市場ではないこと
量的緩和はすでに終了し、Fedは緩和再開の姿勢を見せていない。利上げについてもドル高に拘わらず行うと主張している。ただ、長期金利の上昇は、とりわけ欧州の金利が低いことにより抑えられている。スペインの国債が米国債よりも信頼されている状況は不自然だからである。この状況は最長でECBの緩和が終わるまで続く可能性がある。

また、米国の株式市場から資金が流出するためには、米国株が割高でなければならない。しかし資産バブルが生じている必要はなく、適正値より数十パーセント程度(すなわち下落分)割高であればよい。この条件は現在クリアされている。ブラックマンデーが起きた年の米国株のP/Eが現在とほぼ同程度であったことを思い出されたい。

更に、現在の株式市場では、日本や欧州の経済回復が弱い中、経済の強い米国の通貨と株式に資金が集中してきた経緯があり、米国で資金の逆流が起こるためにはこの傾向が取り除かれなければならない。

ECBが量的緩和を始め、この状況は変わったのではないかと思う。経済は強いが量的緩和が終了し、利上げを待つ米国株と、経済は弱いが量的緩和が始まったばかりの欧州株、どちらが投資家の買いを集めるかは面白い実験である。2015年前半の米欧の株式の動きは、金融市場において、流動性とファンダメンタルズのどちらが勝利するのかを推し量る試金石となるだろう。

投資家はあと数年はリスクを制限した投資を

投資家の不合理な行動という不確実性により、債券から株式へと流入した資金の逆流は、上記の予測よりも前後する可能性がある。個人的には後に遅れる可能性のほうが高いのではないかと思っている。こういう相場の天井は、投資家が皆、過去に流動性が相場を支えていたことを忘れ去った時であることが多いからである。米国株は更なる上昇を見せるかもしれない。しかし、このような大きなリスクを孕んだ相場に全力で資金を傾けないことは、ブラックマンデーやサブプライム危機などの暴落で損を出さない賢明な投資家の条件なのである。

相場には様々な機会が存在する。市場は不合理であり、リスクが低くリターンの大きい投資もあれば、リスクが高くリターンの少ない投資もある。両者をしっかりと見極めて、どれだけ上げ相場が眼の前を通過しようとも、後者を無視し前者だけを見る勇気を持ち続けたいものである。
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/669

63. 2021年3月07日 13:48:55 : DXEy2Mr6T6 : QmJaNVc2U0tTbWs=[27] 報告

2021年02月12日
日経5万円を超えれば日本は復活する
http://www.thutmosev.com/archives/85097835.html


日本経済が成長したのはバブル期だけでした(青線が日本)
現在の日本は「バブルの遺産」で食いつないでいます

画像引用:https://bangking-yeah.com/2020/06/14/world-economy/ 世界経済の長期推移からわかる事 _ 日本の経済統計と転換点 中小企業の付加価値経営 株式会社小川製作所

「株価10万円は通過点」が常識だった時代

バブルが崩壊する直前の1990年頃には有名経済誌が「日経10万円は通過点だ。来年は5万円を超える」などの記事を掲載していました。

今では夢のようですが当時の日本はこれが常識で、株価は年平均4割も上昇していました。

日経平均3万円が毎年4割増えたらたった4年で11万円になる計算で、多くの人はそう信じていました。


実際には1991年にバブルが崩壊し2009年3月に7054円の最安値をつけています。

それが2021年2月は3万円目前で(2月10日現在)、いよいよバブル最高値の38,915円を超えるという期待が膨らんでいます。

バブル崩壊後の日本ではバブルは悪いものとされ、バブル経済が無いほうが良かったと考えられています。


ところでもし日本で1980年代のバブルがなかったら、一体バブル以前の日本とはどんな国だったのでしょうか。

グラフを見れば分かる通り、日経平均が1万円を超えたのは1984年、5千円を超えたのも1978年頃でした。

1990年をピークに日経平均は低迷を続けたが、もしバブルの数年間がなかったら、今も日本はフィリピン以上韓国未満の国に留まっていたはずです。


GDPの長期グラフでもこれは明らかで、日本のGDPは1985年を境に急上昇し1995年には対米7割に達しました。

もし1985年から1995年までのGDP上昇を消してしまうと、日本のGDPは上位10か国にも入らないでしょう。

バブル経済は正しかったのであり、最後に崩壊したとしてもバブルがない場合よりかなり良い。


1949年から2016年までの日経平均株価
nikkeilong

画像引用:https://www.kabutore.biz/nikkeilong.html 日経平均株価の推移/長期


経済にはバブルと不況しかない

名前は忘れたがアメリカの有名な経済学者が「経済にはバブルと不況しかない」好景気というのは無いと喝破していました。

1990年からアメリカは日本と入れ替わるように好景気になったが、よく見ると「好景気」というよりバブルの連続でした。

ドットコムバブル、湾岸戦争バブル、ITバブル、GAFAバブルのように一つのバブルが終わる前に次のバブルを仕掛けています。


これが好景気の中身であり、バブル経済を長期間続けることが好景気だと言えます。

GDPはその国の実体経済を表すものですが、その象徴となるのが株式指数、日本では日経アメリカではダウ平均とされています。

株価が上昇すると企業の資金力が豊富になり、株主は金持ちになり消費が増え、結果として好景気になります。


ただし株高から好景気までは時間がかかり、レーガンやクリントン時代も最初は「景気なき株高」とか言われていました。

今の日本がそんな状態で景気は最悪なのに株価だけが上がっているので、非常に不思議な状況に見えます。

レーガン政権で株価だけが上がっていた時、今思えばマイクロソフトを始めとしたシリコンバレー企業が世界を変えようとしていました。


クリントン時代の初期も株価だけ高く中身は空っぽにみえたが、すぐにインターネット時代が始まろうとしていました。

2021年初頭の日本は株価だけが上昇し中身はすっからかんですが、10年後に振り替えると「あの頃が転換点だった」と分かるのかも知れません。

気がかりは日本政府や「良識者」たちが分かったような顔をしてバブルを潰す事で、また消費増税などをやりかねません。

http://www.thutmosev.com/archives/85097835.html

64. 中川隆[-6681] koaQ7Jey 2021年3月09日 18:13:30 : jYfMRWGpzc : dG5QRVRuR3NmRWs=[92] 報告
【永久保存版】バブルは必ず崩壊する。次はいつか?世界恐慌、平成バブル、ITバブル…過去の類型から相場を見通します
2021/01/06





コロナ禍で実体経済と株価の乖離が進み、バブルの様相を呈しています。そして、バブルは必ず崩壊して来ました。過去の事例から今回のバブルの特徴と今後の見通しを解説します。
65. 2021年3月21日 10:59:30 : 56w0TbOpRk : SWJDemhtTzJaUWc=[9] 報告

2021年03月21日
北京五輪ボイコットが現実になるかも知れない
http://www.thutmosev.com/archives/85380573.html


威信をなくした国家はトランプのピラミッドのように脆い

欧米がウイグルで中国制裁一致

国際社会では表面上争いを避けるのが恒例で、対立があったとしても上辺は笑いながら握手する。

だが最近欧米国家は中国に対して上面の微笑外交をやめ、中国を制裁するといっている。

数年前は考えられなかった事で、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツは中国にひれ伏していました。

ウイグルやチベット問題は当時から知られていたが、欧米諸国は「お金が貰えるならいくらでも弾圧して結構ですよ」という態度を取っていました。

金の為なら平気で人道を捨てたような連中が急に人権主義に目覚めるのは、何か裏があるに違いないと思います。

例えば欧米人はクジラを食べたり犬を食べるのに厳しいが、馬やカンガルーやビーバーについては何も言わない。


競馬は先進国お気に入りの競技だが、イギリスやフランスやドイツでも使い終わった馬をソーセージやドッグフードに混ぜています。

アメリカ人はビーバーを食べているしオーストラリアではカンガルーやワニを食べていてコアラだけ保護しています。

こんな風に欧米人が人道者ヅラをしたときは、裏で必ず何かをしているのです。


過去数回のサミットではアメリカが対中制裁を主張したが必ず欧州は反対し、特にドイツは中国側に立ってアメリカに抵抗した。

ドイツは輸出依存度が高く中国への輸出が多いので、中国の意を受けてアメリカに抵抗したのでした。

だが2021年3月17日、EUはウイグルでの人権侵害を理由に中国に制裁を科すことで一致したと発表した。

アメリカは中国版プラザ合意で攻める

EUが対中制裁を実施するのは1989年の天安門事件以来で、ドイツもついに折れて制裁に合意したようです。

EUで対中制裁を強硬に主張していたのはフランスで、フランスは貿易赤字で国際収支も赤字で中国の輸出で損失を受けている。

フランスとしては中国なんぞ潰れた方が良いわけで、ドイツ以外のEUは貿易赤字なのでフランスに近い立場です。


日本はというと安倍首相は「金のためならウイグル人など好きにして下さい」という態度を取り中国に自動車を買ってもらおうとゴマを擦っていた。

だが日本は安全保障をアメリカに依存しているので、対中制裁を呼びかけるアメリカに「仕方なく付き合っている」というポーズを取っていた。

こんな連中がある日人道に目覚めてウイグル人の為に中国と戦うなんて、金輪際ありえません。


アジアではアメリカが中心に日米豪印4か国のクアッドが招集され首脳会議を主催した。

これで思い起こすのは1985年のプラザ合意で、日本の輸出攻勢に頭を抱えたレーガン大統領は「そうだ日本を殴りつけよう」と思いついた。

1985年9月22日の日曜日に突然竹下蔵相がニューヨークに呼び出され、先進5か国 (G5)蔵相会議で超円高への為替誘導を命令された

北京五輪ボイコットなら中国のターニングポイント

1985年に1ドル260円だったドル円レートは1987年に1ドル120円と半分以下になり、ここから超円高とバブル景気、バブル崩壊、デフレ不況という流れが作られた。

今度の生贄は中国でアメリカは中国を潰す事に決め、アジア太平洋4か国とNATO同盟国の合意を形成した。

アメリカが戦争であれ経済であれ敵と戦う時は、必ず同盟国を集結させ連合軍として戦います。


相手がベトナムや北朝鮮のように小さく「ゾウとアリ」の戦いであっても、必ずアメリカは連合軍を集めて集団で戦う。

これがアメリカが建国以来連戦連勝を続けた秘訣で、アリを踏みつける時も仲間を集めます。

今度の相手は中国でGDPはアメリカの7割、実態としてはアメリカの半分程度だがかなり強力です。


旧ソ連の全盛期も同じくらいでソ連には同盟国が多いが、中国に同盟国はひとつも存在しない。

中国人は他人を信用しないからで、北朝鮮やロシアやパキスタン(最初に中国を承認)も同盟国ではない。

アメリカと中国の国力差が2対1として、アメリカの同盟国を含めるとおそらく10対1程度になる。


アメリカがソ連を倒す決定打になったのは1980年のモスクワ五輪ボイコットで、ソ連のアフガン侵攻に抗議して米国の同盟国すべてがボイコットした。

これでソ連の威信は崩壊し、雪崩を打つように1991年にソ連邦は解体します。

北京冬季五輪は2022年冬に開催予定ですが、これをボイコットで叩き潰せばソ連の2の舞とアメリカは考えます。


威信をなくした国家は魂を抜いた仏みたいなもので、求心力がなくなり衰退の坂道を転がり始めます
http://www.thutmosev.com/archives/85380573.html

66. 中川隆[-6362] koaQ7Jey 2021年3月25日 13:54:08 : vl7F87MneD : REttWUlNMENXZG8=[33] 報告

2021年01月05日
世界のコロナ対策1400兆円、金融市場に向かいバブル経済に
http://www.thutmosev.com/archives/84799035.html


バブル崩壊で打撃を受けたは間違いで、バブルがあったから日本は先進国に成れた。
バブル前の日本は汲み取り便所とデコボコ道の国でしかなかった

画像引用:https://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/images/2016/09/09/201609101.png

世界大戦以来最大の支出

日本政府は2020年だけで57兆円、アメリカは200兆円を使い21年も既にこの半額の支出を決めている。

ここから想像して全世界のコロナ対策で使った金額は約500兆円くらいかなと想像していました。

2021年も同規模とすると約1000兆円になるが、現実はこれを上回る1400兆円に達しようとしていた。

米ロイター通信によると国際通貨基金や各国政府への取材で、財政支出や金融支援の合計は1400兆円規模に達するのが分かったという。

日銀は20年春ごろからコロナ対策として企業への金融支援をしていて、総額はすでに140兆円を超えている。(20年11月)

日銀の支援は上限約20兆円のCP・社債等.買入れと上限約120兆円規模の「新型コロナ対応特別オペ」となっています。


特別オペ120兆円は上限で実際には20年10月に約48兆円で、現在はもっと増えていると考えられる。

特別オペの中身は金融機関に無利子でお金を貸すことで、金融機関を通じて企業に緊急支援を行いました。

日銀が資金供給することで増えるお金の量をマネタリーベースと言い、今までは年間80兆円を上限としていた。


だがコロナ支援によって20年9月以降は年80兆円を上回るペースで推移している。

日本政府と日銀のコロナ支援を合計すると2020年は100兆円を上回り、21年も同程度になるでしょう。

すると全世界のコロナ支援1400兆円のうち1割以上を日本が占め、アメリカが2割以上を占めるでしょう。


第二次大戦と比較すると日本の支出は当時のGDP(GNP)の33倍、国家予算の280倍も使っている。

アメリカはGDP比3.2倍しか使っていないので、日米の経済力が10倍は違っていたことになる。

日本政府が2020年と同じコロナ支出を4年間続けたとしてもGDP比0.8倍、それでも大戦後では最大の支出になる。


日本が大戦の4年間で支出したGDP比33倍は「無駄な支出」とされるが、この無限の支出は数年後に高度経済成長を引き起こしました。

日本の自動車産業は航空機や軍用車両から、電機や機械産業も軍事産業から発達しました。

日産のGTRもトヨタ2000GTも、元をたどると戦時中に戦闘機開発していた技術からきています。

日本が先進国になったのはバブルの2年間のおかげ

経済とは結局のところ「政府が使った金額」で決まるところがあり、たくさんお金を使う日米経済が有利になる。

経済界では早くも、2021年は第二のバブル経済になるとか日本経済大復活の年になるという予想がされている。

少なくとも計算上は世界平均より日本は株価上昇率が高い筈で、GDP成長率も30数年ぶりに世界平均を上回るかも知れません。


2020年は世界でコロナが拡大したのに株価が上昇したが、これは100%各国政府のコロナ対策費のせいでした。

コロナが拡大する限り日米政府は巨額支出を続けるが、コロナが終息したらばら撒いた金を回収し始めます。

日銀はコロナで企業に10兆円以上も貸し付けたが、コロナが収まると「貸した金返せよ」と言い始めます。


財務省も麻生大臣が「財政悪化したから消費増税だ」と言い始め、2009年の再現になりかねません。

もし政府が大増税や金融引き締めに走ったら、デフレ不況や大恐慌レベルの不況になりかねない。

逆説的だが経済の専門家は「なるべく長くコロナに続いて欲しい」と考えていて、コロナが続けば日経バブル更新もあり得ると見ている。


日経平均株価の最高値は1989年12月29日の38,957円だが、この数字は突出していて日本株の実態と乖離していた。

日経平均の最高値は1980年にはたった7100円で1985年も1万3千円、1987年でも2万1000円でした。

それが1988年に3万円、1989年は3万8000円で急上昇したのは僅か2年弱でした。


バブル崩壊というが崩壊の2年前は日経平均2万円だったので、たった2年ほどで株価2倍になっていました。

これを例外とすると日本の実力はせいぜい日経1万円から2万円だったので、その当時の水準は超えています。

では日経最高値更新に意味が無いかというと、日本が「先進国」になったのはこの2年間の超高度成長のおかげでした。


それまでの日本はせいぜい2流の先進国でしかなくサミットでも数合わせのような存在でした。

1985年のプラザ合意では他の4か国は先に会合を済ませ、後から竹下蔵相が呼びつけられて「超円高」を命令されました。

日本は発言すら許されず一方的に命令されるだけというのが、当時の先進国首脳会議の実態でした。


だが超バブルの2年間で日本はアメリカに匹敵する富裕国になり、イギリスやフランスより格上の国になった。

その後30年かけて落ちぶれたが、まだ主要先進国の地位に留まっている。

もうそろそろ場外ホームランでも打たない事には、本当にサミットのメンバーから外されてしまう
http://www.thutmosev.com/archives/84799035.html

67. 中川隆[-15521] koaQ7Jey 2021年11月07日 07:05:58 : 8eAKFJA3Eg : RllvUXk4amRjQms=[13] 報告
2014年07月11日
●「日本銀行創設とロスチャイルド家」(EJ第3831号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/401424428.html


 日銀と大蔵省の「たすきがけ人事」で、大蔵省出身の日銀総裁
が力を発揮できなかったのは、金利政策はともかくとして、通貨
供給量の設定と制御については、まったく蚊帳の外に置かれてし
まったからです。本当の意味で景気を左右するのは通貨供給量で
あって、これにタッチできないとすれば、日銀総裁としての仕事
はできないのです。

 それでは、それは誰がやっていたのでしょうか。

 それは日銀生え抜きの副総裁と営業局長が、「窓口指導」とい
うシステムでやっていたのです。「窓口指導」は、昨日のEJで
述べましたが、日銀総裁──大蔵省出身の総裁の場合は副総裁が
融資総額の伸び率を決定し、それから副総裁と営業局長と2人で
増加分を各銀行に融資割り当てをして配分することです。具体的
には新木や一万田がプリンスとして選んだ腹心の佐々木直、前川
春雄、三重野康の3人がやっていたのです。

 米レーガン政権が1983年に「日米円ドル委員会」の設置を
要求してきたときの日銀総裁は、前川春雄だったのです。米国は
これによって、日本の金融資本市場の開放と自由化および金利の
自由化を求めてきたのです。

 時の中曽根首相は、こうした米国の要求にどのように対処すべ
きかを1984年12月末に日銀総裁を退任していた前川春雄に
まとめさせたのです。そのときの日銀総裁は、大蔵省出身の澄田
智なのですが、中曽根首相は前任者の前川に報告書を作らせたの
です。1985年4月のことです。

 そのとき日銀としては、いわゆる1940年体制による戦後経
済体制が限界にきていることを認識しており、この米国からのガ
イアツを利用して、日本を構造改革するときであるとして、前川
は報告書をまとめたのです。これが「前川レポート」です。
 具体的にどのようにするかというと、通貨供給量を制御して意
図的にバブルを起こし、それを一挙に潰すというもので、10年
で構造改革を成し遂げる計画になっていたのです。実際にそれを
やったのは、三重野康なのです。

 三重野は、澄田総裁時代の副総裁と自身が総裁時代の10年間
で、その計画を実行に移したのです。そして、日本を今までの量
的拡大から質的改善、すなわち生産性の向上で構造改革を実施し
国際マーケットに生き残ろうという計画です。つまり、日本に長
期デフレをもたらしたのは、他ならぬ日銀なのです。そのため、
このデフレによる景気後退を「日銀不況」と呼ぶのです。

 改めて考えてみるまでもなく、通貨供給量の設定と制御ができ
るというのは、大変な権力なのです。それに加えて、日銀は19
98年からは、政策に関して政府から干渉されない独立性を手に
入れています。まさに「鬼に金棒」です。だから、一万田元日銀
総裁は、「日銀マンは鎮守の森のように静かにせよ」と戒めたの
です。そんな凄い権力を持っている存在だということを知られな
いようにせよというわけです。

 ところで、日銀は誰が創設したのでしょうか。これに答えられ
る人は少ないと思います。

 松方正義が正解です。明治期の日本において、内閣総理大臣を
2度、大蔵大臣を7回務めた人物であり、晩年は元老内大臣とし
て、政局に関与し、大きな影響力を残した政治家であり、財政指
導者なのです。

 松方正義に関して、次の逸話があります。松方は、1877年
に渡欧し、1878年3月から12月まで第3共和制下のフラン
スのパリに滞在したのです。そのときフランス蔵相のレオン・セ
イから次の3つのアドバイスを受けているのです。レオン・セイ
は、あの「セイの法則」で有名なフランスの経済学者、ジャン=
バティスト・セイの孫です。
―――――――――――――――――――――――――――――
  1.日本が発券を独占する中央銀行を持つべきである
  2.フランス銀行やイングランド銀行は参考にならぬ
  3.最新のベルギー国立銀行を例として精査するべし
―――――――――――――――――――――――――――――
 帰国した松下正義は、1881年(明治14年)に「日本帝国
中央銀行」説立案を含む政策案である「財政議」を政府に提出し
たのです。

 その直後、明治14年の政変で大隈重信が参議を免職されると
参議兼大蔵卿として復帰し、日本に中央銀行である日本銀行を創
設したのです。

 実は松下はフランス滞在時にレオン・セイの紹介である人物と
会っています。それは、フランスのアルフォンス・ロスチャイル
ドであるといわれています。アルフォンスはロスチャイルド家の
4代目当主です。

 とにかく明治時代から戦争終結までには、日本の上層部は隠さ
なければならないことはたくさんあるようです。この間の歴史と
いえば、日本人は、なぜか、司馬遼太郎の歴史小説にはじまる小
説のレベルでしか知らない人が多いのです。

 とくに明治の終わりから大正時代のことを知っている日本人は
少ないのです。これはある意図の下にそうなっているとも考えら
れます。小説であれば、事実をいくらでも美化できますし、平気
でウソも書けるのです。

 学校での歴史の教育は、古代史からはじまるので、時間的に現
代史までは教えきれないのです。しかし、いちばんリアルなのは
現代史であり、そこに力を入れないのは、何らかの意図が働いて
いるのではないかと思います。

 日銀を設立した松下正義は、ロスチャイルドのカウンターパー
トになっており、以後の日銀総裁は、覇権国とのカウンターパー
トの関係を持っている人物ばかりなのです。松下正義は日銀総裁
はやっていませんが、高橋是清、井上準之助、池田成彬、渋沢栄
一、新木栄吉、一万田尚登、前川春雄と続く日銀総裁人脈は、す
べてひとつのつながりがあるのです。
               ──[新自由主義の正体/45]

≪画像および関連情報≫
 ●日銀創設/ユダヤの謀略16
  ―――――――――――――――――――――――――――
  松方正義首相が政府紙幣を今の紙幣(日銀紙幣)に変えさせ
  ロスチャイルドの日本支配を許した!大隈の後を襲って大蔵
  卿となったのは薩摩藩出身の松方正義である。1885年に
  内閣制度が創設されるまでは、大蔵卿こそが最高位のポスト
  だった。松方が中央銀行案を推進するのは、明治10年に渡
  欧してフランス蔵相レオン・セーに会ってからである。ネイ
  サン亡き後のロスチャイルド家の世襲権はパリ分家に移り、
  ジェームズ・ロスチャイルドがロスチャイルド家を統括する
  第三代当主とされ、その後を息子のアルフォンス・ド・ロス
  チャイルドが継いで第四代当主となっていた。このアルフォ
  ンス・ド・ロスチャイルドの「使用人」ともいえるのが、前
  出のフランス蔵相レオン・セーなのである。レオン・セーは
  ロスチャイルド家の「使用人」であり「番頭」なのである。
  ゆえに、レオン・セーの示唆によって日本に中央銀行を設立
  した松方正義は、フランスのロスチャイルド家に見込まれて
  日本に中央銀行設立案をたずさえて帰国し、権力の中枢につ
  いた人物であることが分かるのである。日銀の役割は、不換
  紙幣、つまり、政府紙幣および国立銀行紙幣の償却である。
  「償却」とはふつう会計の帳簿から消すことであるが、この
  ときの「しょうきゃく」は政府紙幣および国立銀行紙幣を本
  当に「償却」した。経済学的には紙幣を償却すればマネーサ
  プライの減少となり、市中に出回るお金が減り、すなわち、
  不景気となるのは当然のことである。これが世にいう「松方
  デフレ」である。       

http://electronic-journal.seesaa.net/article/401424428.html

68. 中川隆[-15510] koaQ7Jey 2021年11月07日 07:42:42 : 8eAKFJA3Eg : RllvUXk4amRjQms=[25] 報告

2021年11月06日
日本の社会構造を変えて日本人を貧乏にしろ !
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68876329.html


日本経済を破滅させた高級官僚

bureacrats 01cheap labour 11

 「自民党が苦戦する」とマスコミが評した総選挙が終わると、意外にも自民党の議席数が減らなかったので、「大敗」を期待した左翼陣営はガッカリした。しかし、立憲民主党の躍進を期待した左翼にとって、岸田内閣の幹事長人事は歓迎すべき慶事となっている。何しろ、小選挙区で落ちた甘利明が幹事長を辞任すると、支那人に媚び諂う茂木敏充が後任者となったのだ。自民党の勝利に喜んだ一部の保守派は、再び自民党の宿痾を目にして現実を噛みしめる破目になった。

  それでも、もし、岸田文雄首相が安倍晋三と清和会の意向を汲んで、萩生田光一経産相を幹事長に登庸すれば、まだマシな采配と言えるのに、よりにもよって支那人に弱い茂木を抜擢するなんて、正気の沙汰じゃない。しかも、空席になった外務大臣の椅子には、これまた支那人にベッタリの林芳正が坐ることになったのだ。これじゃあ、自民党贔屓の国民だって唖然とするだろう。朝鮮人に尽くす河村健夫を追放したら、支那人の協力者が山口三区の代表者になったんだから。衆議院に鞍替えした林芳正は、厚生大臣や大蔵大臣を歴任した林義郎の息子で、親爺に倣ったのか「日中友好議員連盟」の会長だ。父親の義郎も支那人贔屓で、「日中友好会館」の会長を務めいてた。ちなみに、副会長は共産党の志位和夫で、事務局長は近藤昭一だ。さらに不快なのは、顧問に野田毅がいたことである。

Motegi 001Hayashi 000111Noda 7771Kondou Shoichi 1

(左 : 茂木敏充 / 林芳正 / 野田毅 / 右 : 近藤昭一 )

立憲民主党の近藤昭一は札付きの左翼で、中日新聞の記者時代には共産主義者の武村正義と意気投合していたという。そして、1993年に退社すると、「新党さきがけ」に入って衆院議員となった。当時、中日新聞は「中日懇話会」を主宰しており、武村正義はその講師に呼ばれていたといから、両者とも同じ肛門というか、同じ臭いを嗅ぎ取っていたのだろう。赤旗が似合う中日新聞が、「キラリ」と光る赤い政治家を招いても不思議じゃないが、よりにもよって、北鮮のエージェントが細川内閣の官房長官をしていたんだから、普通の日本国民は天を仰ぐしかない。さぁ〜すが、皇室撲滅を狙っていた近衛文麿の孫(細川護熙)は、ひと味もふた味も違う。ちゃんと、祖父の真っ赤な血を受け継いでいた。

 顧問となった野田毅も支那人の下僕と言ってもいい人物だ。今回の総選挙で落選した野田氏は、大蔵官僚上がりの政治家で、主税局や理財局を歩いてきたから「税制調査会」の会長になっていた。野田氏が「税制の大御所」として懼れられていたのは有名だ。役人上がりだから仕方ないが、彼は中曾根内閣の時に「売上税」の導入に熱心であった。しかし、それが小売業者の不評を買って頓挫すると、今度は「消費税」と名を変えて、竹下内閣が猛プッシュ。お店のオヤジさんオバさんじゃなく、赤の他人である「消費者」が負担する「間接税」、と誤魔化して押し通した。

  総理大臣の竹下登も政治プロパガンダに傾倒し、「社会保障に使うため」とか「子孫に借金を残さないため」と称していた。一般人を騙すのはいとも簡単で、「高齢化社会を鑑み、国民の皆様に広く浅く、公平に負担していただく」と述べれば、老後の不安に怯える庶民はイチコロだ。本当は、企業の法人税とお金持ちの所得税を下げたことへの「穴埋め」なのに、少子高齢化の危機感を煽れば一般人はコロッと折れる。

  ここでは詳しく述べないが、付加価値税とは酷い税制だ。漫画家なら分かると思うけど、ペンとインクを用いて紙にゴルゴ13を描いたら、信じられない「付加価値」が誕生する。もちろん、さいとうたかを先生は、毎回毎回、丁寧にエピソードを考え、じっくりと構図を考えていたから決して楽な仕事じゃなかった。脚本を考える人や背景を描くスタッフも疲労困憊だ。しかし、役人は冷酷無情である。彼らは庶民が創り出す「富」に目を附け、網羅的に課税しようと企んだ。斎藤先生のような勤労者が必死に努力して「利益」を得ると、そこに容赦ない税金をかけてくる。低所得者ほど給料のほとんどを使ってしまうもので、食料や衣服、燃料、雑貨などは必需品だ。それゆえ、消費税の圧迫を最も受けるのは庶民である。当時、筆者はデューク東郷に頼んで、大蔵官僚を天国に送ってもらおうかと考えたが、多額の依頼料を払えないので、リュークを見つけて「デスノート」を貰うしかなかった。(結局、それも失敗。当たり前か !)

Mieno 001(左 / 三重野康)

 脱線したので話を戻す。冷戦が終結し、バブル景気が弾けた後、日本は平成不況に突入した。長谷川慶太郎の本を読んでいた人なら分かると思うけど、政府はデフレ経済を知りながら有効な対策を打ち出さず、一般の日本国民はずっと低所得のままで苦しんできた。バブル崩壊の元兇は、日銀総裁の三重野康(みえの・やすし)にあったことは明々白々。彼は1984年から10年間も日銀に君臨した親分。テレ朝の久米宏や大学の左翼が土地の高騰を嘆くから、「それならば」ということで株価と地価を引き下げることにした。

  信じられないけど、この総裁は強引な金融引締を以て我々の資産を激減させるとこにした。平成元年には日経平均株価が3万円台となり、年末頃には3万8千円くらいにまで上昇したのに、「バブル潰し」のせいで金融機関は大崩壊。不況の波は不動産や株式だけじゃなく、その他の資産にも及んでしまい、ゴルフ会員権や絵画の価値も吹っ飛んだ。200兆円もあった金融資産が約半分になるのは悪夢でしかない。土地にお金を注ぎ込んだバブル紳士や金貸し業者は、期待値で値を吊り上げたり、更なる高騰を見込んだだけなので、段階的に人々が熱気を失い、徐々に泡が萎むのを待てばよかった。一気に潰すなんて狂気の沙汰である。

  そもそも、金利を上げて日本全体を不景気にする必要があったのか? 例えば、銀座や渋谷の土地が1年で1億から2億円に跳ね上がったとしても、他の商品が同じように高騰した訳じゃあるまい。当時、筆者はマーシャル・アンプ(ギター用のアンプ)が欲しかったけど、10万円の音響機材が1年で15万ないし20万円へと値上がりすることはなかった。だいたい、バブルを潰したからといって、10万円のアンプが5万円とか2万円に値下がりしたのか? 総量規制や金融引締で"とばっちり"を受けたのは、給料が激減したサラリーマンや、店を失った自営業者などがほとんど。平成の初期には、「ゆとり返済ローン」といった借り入れで住宅を建てた人がいたけど、所得の激減で「夢のマイホーム」を泣く泣く手放す人も多かった。

 一方、日銀のお偉方は庶民と違って優雅な暮らしだった。三重野総裁時代に副総裁を務めていた福井俊なんかは、瀆職接待事件で1994年に日銀を去るが、2003年になるとウルトラマンのように復帰して日銀総裁へと上り詰めた。浪人時代には富士通総研の理事長やキッコーマンの取締役を務めたが、ゴールドマン・サックスの顧問にもなっていたというから、金融エリートは失業しても貧困生活に陥ることはない。日銀のお代官様はフランスからも評価され、レジョン・ド・ヌール勲章(Ordre national de la Legion d'hooneur)まで貰っていたんだから。

日本人を研究するユダヤ人

 それにしても、日本経済は"どうして"こんなに酷くなったのか? 原因を説明すると膨大になるので止めておくが、日本の経済成長率が異常に低かったことや、プライマリー・バランスといった拘束衣があったのは、偶然ではなく、意図的な方針であった可能性が高い。大まかに言えば、冷戦中に肥った日本は、冷戦終結後に米国から搾り取られ、焼き豚みたいに切り刻まれた、ということだ。金融機関の自己資本比率を上げるための「BIS規制」とか「金融ビッグ・バン」、「ハケタカ・ファンド」の話は色々な本で述べられていたから、ここで更なる説明は必要あるまい。

  ただ、肝に銘じなければならぬことは、日本が無理矢理、巧妙な変革を強いられ、米国のエスタブリッシュメントからの改造を受けた、という点だ。米国を支配する裏組織の連中は、日本の国富を簒奪するとともに、我が国をアジア大陸に編入させようと企んだ。これはグローバリズムの一環なんだけど、多国籍企業や国際金融業者は、日本人を普通のアジア人にして利用しようと考えている。フランスのエディス・クレッソン首相は、かつて日本人を「黄色い蟻」と評したが、今や日本人は蜜を貯めた蜂と同じだ。ミツバチはせっせと働き、色々な味の蜜を創り出す。養蜂家は側で眺めていれば良い。

  搾取の要諦は、日本人を貧乏にすること。ある程度"豊か"だと日本人は言うことを聞かないから、貧乏にして隷属させればいい。日本人は真面目にコツコツと働き、個人資産を貯め込むから、「蜜」がいっぱいになったところで新たなルールを作り、弱体化した日本企業を買い叩く。例えば、1998年に破綻した長期信用銀行には、約8兆円もの公的資金が投入されたが、その後、日本政府は売却に動く。形式上、「競争入札」となっていたが、実際は「リップルウッド」への「払い下げ」というか、10億円という破格の値段で献上した。これはクリスマス・プレゼントみたいな譲渡である。郵政民営化による「かんぽの宿」の売却も同じ構図で、怪しい価格と疑われる「オリックス」への売却だ。国民の郵便貯金や年金も外人の標的にされてしまった。とにかく、従順な属州民は巨大な征服者に反抗せず、「しょうがない」と愚痴をこぼして諦めるだけである。

  日本は一応「独立国」を装っているが、本質的には米国の「属州」だ。ウォール街やワシントンD.C.に潜む闇勢力は、合衆国政府を通して「日米構造協議(Structual Impediments Initiative)」とか「年次改革要望書」を日本政府に突きつけ、我が国を食い物にしようと謀っている。クリントン政権下で1993年から行われた「改革勧告(Reform Recommendations)」というのは、アメリカ人が日本人に対し、「この制度を改変しろ !」とか「この規制を撤廃しろ !」といった要求を纏め上げた「通達」である。形式上「要望」といっても、実質的には「命令(指令書)」で、従わなければ厳しい折檻(せっかん)が待っている。大蔵官僚が民間の銀行に送付した「通達」を思い出せば分かるだろう。

 「日米構造協議」も日本の国柄を改造するための手段である。日米の「話し合い」という建前であったが、本当は"特殊"で"閉鎖的"な日本を"普遍的"で"アジア的"な市場にするための御白洲であった。もちろん、お代官様はアメリカ人で、裁かれるのは下手人の日本人。ウォール街の金融業者や貿易商からすれば、日本企業というのは「株の持ち合い」とか、「系列」に基づいた商取引で私腹を肥やし、目に見えぬ商習慣や社風を以て米国製品の輸入を邪魔している。だから、こうした「Impediments(障碍物)」を除去するためにも、日本の「構造改革」、ないし「外科的手術」が必要である、といった理屈となっていた。アメリカの旦那様曰わく、「俺達の製品が日本の市場で売れないのは、お前らの複雑な流通制度や新規参入を阻む規制があるからだ ! 自由なアメリカのように、もっと公平で透明性のある市場にせよ ! また、どんな人間でもアクセスできるオープンな社会にしろ !」というのが米国の主張(命令)であった。

  アメリカのグローバリストが用いた武器は、「日本人は閉鎖的で特殊な民族」という「日本異質論」だ。財界の旦那衆に雇われた御用学者は、日本の諸制度が貿易不均衡を生み出し、米国の赤字をもたらす元兇となっている、と盛んに宣伝していた。こういう心理戦が展開されると、またもやグローバリズムの尖兵であるユダヤ知識人が登板となる。西歐系アメリカ人というのは内向き思考で、グローバル・ビジネスに夢中になっても、日本語とかアラビア語といった奇妙な外国語を学ぶことはない。「お前らが英語を習って、俺達に説明しろ !」というのが西歐白人の態度だ。でも、彼らだって侵掠先の社会事情や内部構造を知りたいから、勉強を得意とするユダヤ人を雇って内情を探らせたりする。

  令和の日本人は、今頃になって米国のグローバリストを非難しているが、ちょっと賢い人なら現在の状況は平成の初めから分かっていたはず。米国の対日戦略を知るには、日本分析を専門とするユダヤ人に注目すればいい。例えば、『日米大決戦(Cowboys and Samurai)』(1992年、徳間書店)という本を出版したスティーヴン・D・コーエン(Stephen D. Cohen)は、典型的なジャパン・ハンドラーだ。彼は宮沢内閣に対し様々な要求を投げかけていた。コーエン氏は次のように言う。

  私は著書のなかで、アメリカは日本ほど参入のむずかしい市場をこれまで他に経験したことがないと指摘した。また、アメリカ以外の国々でも、日本に対して同様な批判をしているとも述べた。(スティーブン・コーエン「カウボーイはサムライを蹴ちらせるか」『サンサーラ』1992年3月号、p.72.)

 国際経済学を専攻する、このユダヤ人学者は、対米輸出で"しこたま"銭を稼ぐ日本を標的に定め、様々な視点から日本人に苦言を呈していた。 

 たとえ日本がアメリカの要請するあらゆる手段を講じたとしても、アメリカ企業には日本で競争していくだけの十分な力がないので、対日輸出の大幅な伸びは期待できない。・・・・またアメリカ企業があらゆる正しい手段を講じたとしても、日本市場への輸出は依然として厳しく、限られた、そして非常に苦しいものになるに違いない。(上掲記事、p.73.)

  さらに、コーエン教授は矢鱈と日本の経済力を警戒し、アメリカの経済的劣勢を宣伝しまくっていた。

  アメリカが付加価値の高いハイテク分野で競争力を維持できなければ、アメリカの生活水準は低下する。輸入にますます多くの金が必要となり、付加価値の低いつまらないローテク製品を輸出することになるからである。・・・アメリカ経済がこれまでのように低迷を続けるのは、日米両国のためにならない。・・・・このままいけば日本はおそらく、100%とまではいかなくても、重要なハイテク部門の大半を手中に収めてしまうと思う。そうなればアメリカ経済にとってまずい結果が待っているだけであり、アメリカは世界の超大国としての役割を果たすことができなくなってしまう。(上掲記事、p.76.)

  こうした論評を聞いていると、「ホンマかぁ〜? 軍事大国で日本を統治するアメリカが、経済や政治の面で日本に圧倒されていたのか?」と疑いたくなる。こんな言い草は、日本企業を手込めにする方便なんじゃないか? 一応、彼はアメリカン大学の「School of International Service」で教授を務める研究者と称していたが、その一方で、日米貿易委員会チーフ・エコノミストであり、ホワイトハウスの議会合同対外政策研究委員会において、日本担当のメンバーでもあった。そもそも、米国財務省の国際エコノミストが、単なる知識人だなんて信じられない。どちらかと言えば、クリントン大統領の智恵袋なんじゃないか?

 ユダヤ人の大富豪に牛耳られたアメリカでは、国境なきグローバリズムが大前提。ユダヤ人は世界各地に散らばり、タカリ先の国で資産を増やすエイリアン。それゆえ、現地の住民とはソリが合わず、異教徒の伝統や慣習が大嫌い。ヨーロッパのゲルマン民族というのは、先祖代々、同種族の領主が君臨する公国や王国に住んでいた。この戦闘民族は、古来からの「しきたり」で生きている。でも、ゲットーに住むユダヤ人には、親子代々受け継がれる「国民の権利」は無いから、地球上のどこにでも落ちている、安っぽい「人権」しかない。裸の南洋土人やアフリカのブッシュマンでも持っている「人間の権利」とやらが大切な価値なんだって。馬鹿らしいけど、日本の大卒者もそう思っている。

  歐米諸国のユダヤ人にしたら、先祖伝来の権利や法律を楯に取る白人は、身内ばかりを依怙贔屓にする極悪人で、よそ者を嫌う排外主義者。同族で幸せに暮らす日本人も極悪民族で、アジア人やアフリカ人を歓迎しない鎖国主義者だ。ユダヤ人のグローバリストからすれば、こんな民族は赦せない。「テメェーら日本人は排他的だ。もっと支那人やベトナム人を受け容れて、労働市場を開放しろ ! 外国人でも気軽に企業や土地の取得をできるよう、役所の規制を緩め、古い法律を改正せよ !」と要求する。

Ezra Vogel 02(左 / エズラ・ボーゲル )

  日本人は脳天気だから、バブル時代に『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を書いたエズラ・ボーゲル(Ezra F. Vogel)を持て囃した。学歴重視で名門大学のブランドに弱い日本人は、狡猾なユダヤ人であっても、「ハーバード大学の教授」となれば大絶賛。「白熱授業」で話題となったマイケル・サンデル(Michael J. Sandel)教授を思い出せば分かるじゃないか。彼はユダヤ人判事のルイス・ブランダイスの名を冠したブランダイス大学を卒業したユダヤ人教授。しかし、「ハーバード」の名前を聞くと一般の日本人は、サンデルが吹聴する深淵哲学にうなづく。日本人はどんなに「つまらない油絵」でも、10億円とか100億円といった値段を聞けば、「うぅぅ〜ん、やっぱり名画は凄いなぁ〜」と称讃するんだから、どこに価値を見出しているのやら・・・。

  話を戻す。日本研究を専門とするユダヤ人学者のボーゲル教授は、矢鱈と日本人に親切で、日本の少子高齢化や労働力不足を心配していた。しかし、アジアからの移民を嫌う日本人は好きになれない。日本政府は入国制限が厳しいくせに、違法な外人労働者を見逃していたから、ボーゲル教授は我々を批判し、「日本人は違法入国の外国人を見て見ぬ振りをして黙認している」と叱っていた。(E・ボーゲル / 鈴木正俊「加速する『ジャパン・アズ・No.1』課題は三流の政治」『サンサーラ』1991年8月号、p.97.)

  もちろん、ボーゲル氏は外国人の流入で犯罪の増加が起こり、治安が乱れることを予想した。それでも、彼は日本社会における「労働力不足」を懸念していたから、外国人労働者の受け容れを我々に勧めていたのである。ボーゲル先生曰わく、

  私の意見としては、少しは入国者が増えるかも知れませんが、きちんとした法制化したうえで認めるべきだと思います。入国のための規制を設ければよいわけです。(上掲記事、p.97.)

  「きちんとした法制化」だって? 冗談じゃない!! アメリカでも過去、何回も「きちんとした移民法」を制定したが、どれもこれも失敗で、黒人やヒスパニックの群れが大問題となったじゃないか。リベラル派の白人だって焦ってしまい、長年住み慣れた土地を離れて、有色人が来ない郊外へと逃れる始末。黒人に同情的なビル・クリントンとヒラリーも、なぜか黒人の少ない高級コミュニティーに居を構えていた。でも、ボーゲル先生はアメリカの内情を伝えず知らん顔。彼は対談の中で「日本人には外国人に対する違和感がある」と述べていたが、アメリカ合衆国を建てたアングロ・サクソン系の国民だって同じ穴のムジナじゃないか。建国の父祖やその同胞は、アフリカ人やアラブ人を歓迎する善人だったのか?

  ニューヨークのユダヤ人を見れば分かるけど、ビジネス界で幅を利かすアシュケナージ系(東歐系)のユダヤ人は、ナチズムを毛嫌いするくせに、いざ付き合う女性となれば、ネオナチと変わらぬ行動を取る。彼らはイヴァンカ・トランプやパリス・ヒルトンみたいな白人女性に近づき、トロフィー・ワイフを手に入れようとする。普段はレイシズムを糾弾するくせに、ユダヤ人はアフリカ系やキューバ系の黒人とか、インディオ系の南米人とは結婚したがらない。ところが、ユダヤ人学者は平等主義者や博愛主義者を気取って、排外主義的な日本人に説教を垂れやがる。ボーゲル氏は我々日本人に「モノの考え方を変えるべき」と諭し、「外国人労働者の入国は、やはり公に認めるべきだと思います」と注文をつけていた。(上掲記事、p.98.)

  日本の新聞やテレビは日本通の「アメリカ人」が"どんな"人物なのかを暴露しないから、一般国民は普通のアメリカ人と思ってしまう。しかし、日本学を専攻したり、日本社会を分析する外人にはユダヤ人が多い。例えば、敗戦国の日本を改造しようとしたGHQには、憲法草案を指導した民政局のチャールズ・ケーディス(Charles Louis Kades)がいたし、労働問題や組合活動の専門家であるセオドア・コーエン(Theodore Cohen)がいた。彼は若い頃に転向したというが、ずっと筋金入りのマルキストであった。彼の本は『日本占領革命』というタイトルで翻訳されていたから、読んだ人もいるんじゃないか。

  また、戦時中、合衆国で対日作戦に加わったハーバート・パッシン(Herbert Passin)は、戦後、コロンビア大学の東アジア研究所の教授やフォード財団の顧問となった。コロンビア大学のカール・シャープ(Carl Sumner Shoup)が率いたシャウプ使節団にもユダヤ人の学者がいて、ジェローム・コーエン(Jerome B. Cohen)はニューヨーク市立大学の教授だった。竹中平蔵と共にテレビ東京の「ワールド・サテライト・ニュース」に出ていたロバート・フェルドマン(Robert Feldman)も日本語が達者なユダヤ人。彼はソロモン・ブラザーズ・アジア証券やモルガン・スタンレーMUFG証券の日本担当チーフ・アナリストを経て、日本の政界に潜り込み、経済財政諮問委員会のメンバーになっていた。このアシュケナージ系ユダヤ人も、日本人に労働移民を受け容れるよう勧めている。

 ここでは関係ないけど、日本には結構ユダヤ人が入り込んでおり、元「メガデス」のギターリストであるマーティン・フリードマン(Marty Friedman)や、作家のリービ英雄、音楽評論家のピーター・バラカン(ビルマ・ポーランド系)もユダヤ人である。また、日本の政治や経済に詳しく、経営学の分野で人気を誇ったピーター・ドラッカー(Peter Drucker)も非西歐人で、彼はオーストリア生まれのユダヤ人。CIAの初代東京支局長になったポール・ブルム(Paul Charles Blum)もユダヤ人で、父親がフランス系ユダヤ人の貿易商で、母親がアメリカのユダヤ人であった。少年時代は誕生の地である横浜で過ごしたが、大学進学となたら米国へ戻り、コロンビア大学に入って日本語を学んでいたという。同窓生には日本文学を専攻した元陸軍情報官のドナルド・キーン教授がいた。

Herbert Passin 01Charles Kades 221Paul Blum 001Peter Drucker 4435


(左 : ハーバート・パッシン / チャールズ・ケーディス / ポール・ブルム / 右 : ピーター・ドラッカー )

 昭和生まれの国民には懐かしいと思うが、昔、NHKで英会話講師をしていたマーシャ・クラッカワー(Marsha Krakower)もユダヤ人で、彼女はポーランド系であった。(こういう先生なら、日本の高校生も英語に興味を持つよねぇ〜。) 鈴木宗男事件でクビになった元オランダ大使、東郷和彦もユダヤ人で、祖父の血筋により朝鮮人でもあった。祖母の東郷エヂがドイツからのユダヤ人で、祖父の東郷重徳は有名な外務大臣。東郷大臣は同じ薩摩出身でも、東郷平八郎元帥とは無関係の朝鮮人だった。マッカーサー憲法の草案に加わったベアテ・シロタ・ゴードン(Beate Sirota Gordon)もユダヤ人で、戦前から日本に住んでいたので日本語が流暢だった。彼女は「オーストリア生まれ」と称していたが、血統的にはゲルマン人じゃなく、ロシアから逃れてきた亡命ユダヤ人。「やっぱり」と言いたくなるような根無し草の極左分子で、彼女はアメリカ人との結婚を契機にアメリカへ帰化しただけ。日本の新憲法を考える際、ベアテが参考にしたのはソ連の憲法というから、左巻きのユダヤ人というのは実に恐ろしい。

Marsha Krakower 111Robert Feldman 2211


(左 : マーシャ・クラッカワー / 右 : ロバート・フェルドマン )

  脱線したので話を戻す。多国籍企業の株主達は、ジョージ・ソロスみたいに「オープン・ソサエティー」が大好き。M&Aで優良な日本企業を買収すると、日本人経営者が貯め込んだ「内部留保」を根こそぎ奪い取ろうとする。外人株主にとったら、将来の製品開発のために蓄えておく研究費なんか、どうでもいい。だって、会社は株主のモノなんだから。彼らはありったけの「高額配当」を懐にし、5、6年で会社の富みを奪い尽くす。離婚訴訟の弁護士と同じで、高学歴のエリート吸血鬼。経営陣と切り離された日系人社員は、安月給でこき使われる労働者となり、社会保障費や年金掛け金を取られるだけのプロレタリアートに転落する。さらに、日系日本人は移民のアジア人労働者と等しくなり、いつまで経っても出世できない、下っ端の低賃金労働者と成り果てる。

  「多民族・多文化主義」とか「グローバル時代の国際化」といったスローガンのもと、国境や日本海といった壁が無くなれば、日本国は只の島国で、日系日本人とアジア系帰化人との区別は消え失せる。多国籍企業は巨大な根無し草。世界中を駆け巡る永遠の放浪者、コスモポリタンを自称するユダヤ人と同じ。世界市場に組み込まれた日本は、日本海があっても支那大陸の一部となり、陸続きの飛び地となる。支那大陸で工場建設が難しくなれば、支那人を日本に移住させて東北や四国で別の工場を建てればいい。実際、日本には支那人やベトナム人、タイ人、マレー人がウヨウヨ居る。少子化や労働者不足なんて心配無い。日系人の出生率が下がれば、アジア移民の出産率で穴埋めすればいい。

  問題となる職場の言語だって英語にすれば、即解決だ。初歩的な英会話なら、支那人やフィリピン人、インド人、マレー人、パキ人、ケニア人、エジプト人も理解できるじゃないか。日系人の子供は簡単な日本語で充分。エリートの日系人はグローバル言語の英語を学んで、アメリカやヨーロッパで活躍できるんだから、下層民の日本人なんかお構いなし。未来の日本は所得や民族を基礎とした階級社会になるだろう。株主や重役になれる日本人と、一生かけても決して上層部に這い上がれない平民が、別々に暮らす日本なんておぞましい。

  保守派を含め、一般の日本人は総選挙の結果ばかりを話題にするが、いったい、我々はどんな政治と社会を望んでいるのか? 日本人は祖国を「日系人」にとって快適な国家とすべきで、左翼や帰化人が何と言おうとも、多民族混淆社会を斥け、無国籍のデストピアを防がねばならない。たとえ、ネオ・ナチと呼ばれてもアジア移民を排斥し、彼らを本国に追い返す方がいい。我々は日本版「レコンキスタ(国土恢復)」を実行すべきだ。また、経済成長を促し、科学技術を発展させるためにも、懲罰的な占領憲法をゴミ箱に棄てて、国軍を創設すると共に兵器産業を育成すべし。買い物に対する罰金の如き消費税と、森林杯をもたらす再生エネルギー税といった馬鹿げた税制も廃止すべきだ。そして、国家の支柱となる中流階級の復活を目指す。嫉妬に基づく税制で庶民は豊かにならない。

  いくら立派な民族でも、貧乏になると無気力になりがちだ。現在の日本人はその典型例で、「外国企業には太刀打ちできない」とか「どの政党に投票しても同じだ」、「どうせ日本は変わらないから」といった精神状態に陥っている。日本の優良企業が買い叩かれ、支那人の人口侵掠が起こっても、大半の国民が騒がないのは、貧しすぎて反抗するだけの気概が無いからだ。武器を棄てた民族は、征服者が迫ってきても逃げるだけ。どこかの洞窟に隠れれば被害を受けないと考えてしまう。しかし、逃亡は一時的な方策に過ぎず、やがて外人の軍門に降る破目になる。「差別主義者」とか「ナショナリスト」、「右翼反動」といった非難を懼れる者は、同胞ばかりか自分の家族まで危険に晒すことになる。勇気すら持てない国民は、奴隷の人生しか残されていないんだぞ。

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68876329.html

69. 中川隆[-14150] koaQ7Jey 2022年1月18日 08:01:02 : 3ECNedPwGs : RnhEczdWSW94cW8=[14] 報告

2022年01月18日
アメリカの超マネー経済、1社が1100兆円を保有

過去すべての経済危機はここから起きた


米マネー経済の桁外れぶり

アメリカは最近インフレが進行し、金利を上げて意図的に景気悪化させる必要が生じている。

だが今までに稼いだ金は桁外れで、おそらくアメリカ以外の全世界の国の合計より稼いでいる。

一例として米資産運用大手ブラックロックは22年1月、運用資産が10兆ドル(約1140兆円)を突破したと発表した。

ブラックロックを知っている人はまず居ないでしょうが、世界最大の資産運用会社で多くの企業を支配下に置いている。

メリルリンチ、PNC(第二合衆国銀行の後身)、バークレイズなどの筆頭株主で、無数の多国籍企業に関与している。

世界最大の投資機関ゴールドマンサックスは聞いたことがあると思いますが、資産家から預かった金額が200兆円に達している。


それをGSはレバレッジをかけて短期投資を繰り返すので、年間の総投資額は数千兆円だといわれている。

GSは100分の1秒の高速取引を得意とし、ノーリスクで安全に利ザヤを取る手法を繰り返している。

例えば日本のGDPが発表されるとGSはそれを100分の1秒ほど早く入手し、瞬時に売り買いし、市場が反応した後で決済する。


一度に得られる利益はわずかだが、最低でも一回1000億円投資するので年間では莫大な金額になる。

アップルは去年世界初の株式総額3兆ドルを達成し、他の米巨大IT企業も1兆ドルを上回っている。

その株式を保有する資産家は大富豪になり、テスラのイーロンマスクは25兆円もの資産を持っている。

次の経済危機は必ずアメリカから起きる

アメリカは現実の労働ではなく資産膨張で富を増やしたが、これが一気に加速したのは2007年から2010年の世界金融危機でした。

いわゆるリーマンショックで原因は元をただせば1990年代にビルクリントンが推し進めた債務の証券化でした。

債務の証券化とはホームレスに2000万円を担保なしで貸し付けて家を建てて、それを投資家に「高利回りの金融商品」と騙して売りつける事でした。


これが破綻したのが2007年のサブプライムショックで、その後の経済危機もこんな仕組みで発生しました。

当然アメリカはインチキ経済終息に向かったが、やればやるほどアメリカ経済は縮小していった。

アメリカの破産は秒読みと思われた時、FRBのバーナンキ議長は「空から金を撒きましょう」と言って数百兆円の金融緩和を行いました。


バーナンキがやったのはバブルが弾けたら、もっと大きなバブルを作れば良いという事でした。

この政策は大当たりしてアメリカ経済はあっという間に回復し、2010年には再び世界最強になりました。

その後10年間アメリカはIT産業を中心に巨大なバブル帝国を作り上げ、世界の全てに匹敵する富を創出した。


これがイーロンマスクやアップルの資産を築き、おこぼれで中国やアジアもバブルを楽しんだ。

歴史的に見るとアメリカは10数年に一度大きなバブル崩壊があり、小さな崩壊は数年ごとに起きています。

前回の大きな崩壊は2008年頃で、その前は97年から2000年のITバブル崩壊、ブラックマンデーやオイルショック、暗黒の木曜日もありました。


世界的経済危機の震源地は必ずアメリカで、日本の地震や中ロの崩壊は世界に関係ないです。

次の経済危機は必ずアメリカから起きるが、いつ起きるかは誰も知りません

https://www.thutmosev.com/archives/87572569.html#more

70. 2022年2月06日 07:42:29 : K7Ig9SNBnI : aExrL1g5WkdWS0U=[8] 報告
バブル崩壊の歴史と これから起きる超円高によるバブル崩壊
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/388.html

国が隆盛してから滅びるまでのサイクル
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1480.html

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