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カナダのファーウェイ幹部逮捕はトランプ・習交渉を妨害する企て?
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2018年12月22日 マスコミに載らない海外記事
2018年12月9日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook
中国最大の通信機メーカー、ファーウェイCFOの逮捕は、戦略的な問題でのトランプ大統領と習近平中国大統領間の最近の進歩を決裂させるよう意図された、闇の国家か黒幕による妨害工作の特徴を帯びている。ファイブ・アイズのメンバー、カナダの共謀を得ての、アメリカ側の内部者による妨害活動という要素が若干ある。
何カ月も、貿易関税で、アメリカと中国が衝突した後、ドナルド・トランプ大統領がブエノスアイレスでのG-20サミット中に、習近平中国主席と会った。そこで2人はアメリカが1月1日に「停戦」して、予定されていたように25%に引き上げず、アメリカへの中国輸入の2000億ドルに関して、10%の現在の関税を凍結すると述べる肯定的な共同声明を発表した。彼としては、習は貿易不均衡をただすため、アメリカ大豆や他の農産物やエネルギー輸入を再開することに同意した。最も興味深い、欧米マスコミ報道では僅かしか論じられないものとして、アメリカの要請で、習は論争の的になっている化学物質フェンタニルを、規制薬物として扱うことに同意したが、これは、フェンタニルをアメリカに売っている連中が、法律の下で中国の最高刑の適用を受けることを意味している。
同様に、強制的技術移転、知的財産保護、非関税障壁、サイバー侵入とサイバー窃盗、サービスと農業などの、アメリカにとっての主要な問題に関して、90日以内に完了する交渉を始めるか、さもなくば計画された25%関税の再開に直面することに二人は同意した。
アメリカで何万という死を引き起こしている最も有害な合成ドラッグの一つフェンタニルを制御するという習による申し出は注目に値する。アメリカ法執行機関と麻薬調査官らによれば、中国はアメリカに対するフェンタニルの主要供給元だ。そこで犯罪組織がフェンタニル粉をヘロインと混ぜる。アメリカ麻薬取り締まり局によれば、中国企業がカナダとメキシコの基地にフェンタニルを出荷する。通常メキシコの麻薬カルテルによって再梱包され、メキシコからアメリカに密輸入される。
カナダ奇襲?
言い換えれば、中国は、貿易紛争と、公になっていない他の問題を解決するのに必要な大きな意味を持つ両国関係の戦略上の問題に関して協議を始めることに同意していたのだ。12月5日、バンクーバーでカナダ当局が、中国の華為技術有限公司のCFOで理事の孟晩舟を逮捕した。彼女は創設者でCEOの娘だ。
逮捕は、伝えられるところによれば、対イラン・アメリカ制裁に関する違法行為容疑で、前例がない。8月にアメリカ大統領は、国家安全保障を根拠に、アメリカ政府通信ネットワーク用に、ファーウェイのハードウェアを禁止する命令に署名した。ファーウェイは出現しつつある5G通信ネットワークで優位に立とうとする中国の精力的な取り組みの中心にいる。同社は売上高920億ドルで、サムソンに次ぎ、アップルより上で、現在、世界で2番目に大きいスマートフォンメーカーで、通信ネットワーク装置で世界最大の製造業者だ。8月、トランプ大統領は国家安全保障の懸念を引き合いに出し、特に5Gネットワークの展開に関し、アメリカ政府ネットワークで同社ハードウェアに対する禁止令を認可した。
ファーウェイを巡り、中国とワシントンとの対立が増大していたのは明確だ。今、保釈金支払いで保釈され、アメリカへの犯人引き渡しを待ち受けている孟のカナダによる逮捕で奇異なのは、ブエノスアイレスでトランプと習が重要な貿易会議に参加していた同じ日に行われたという事実だ。トランプの国家安全保障担当補佐官、ジョン・ボルトンによれば、大統領は、カナダでの逮捕計画をあらかじめ知らされていなかった。
ファーウェイ技術の中に埋め込まれ隠蔽されたスパイ装置に関する多くの容疑が何であれ、あるいはイラン制裁違反が何であれ、カナダでのCFO孟晩舟逮捕は中国内に爆発的な結果もたらした。12月9日に中国共産党の「人民日報」が論説で書いた。悪質な犯罪者のように中国国民を扱い、基本的人権を乱暴に踏み潰し、尊厳を侮辱するとは、こればどうして文明国の手口だろう? これが人々を激怒させないはずがあるだろうか?」
異常な措置として、争いのさなか、ドナルド・トランプは中国との貿易協議を建設的にまとめるため、必要なら、この論争で、アメリカ司法省に介入する用意があると発表した。12月12日、ロイターインタビューでトランプはこう述べた。「この国のために良いことなら私は何でもするつりだ。 これまで締結されたものの中で、最大の貿易協定のために良いことだと私が思えば − 非常に重要なことだが −国家安全保障に良いことだ − もし必要だと私が思えば、私は確かに介入するつもりだ。」
北京の対応
これまでのところ、答えよりも、答えられていない疑問が多くのある。しかしながら、トランプ政権との関係を妨害するため、中国の超一流企業幹部の一人が酷い扱いを受け、メンツを公然とひどく潰されたのを許さないよう、北京は極めて気を使っているように思われる。中国で多くのアメリカ企業幹部を追いかけて報復するのではなく、北京で「国家安全保障を危険にさらした」嫌疑で、元カナダ外交官と、朝鮮民主主義人民共和国と事業で関係があるカナダの起業家を逮捕した。
元カナダの外交官のコネは、面白いという程度を越えている。
マイケル・コブリグは、カナダ外交官として、北京、香港と国際連合で働いていた。12月10日に、中国国家安全部が北京で彼を拘留した。コブリグは国際危機グループICGと呼ばれる組織の「北東アジア・アドバイザー」ということに公式にはなっている。
国際危機グループICGは、ミャンマーのような重要な紛争地域に関係する才がある非政府組織だ。2014年、サード・ワールド・クオータリー誌に載った、専門家による審査を受けた記事は、国際危機グループを、危機を「作り出している」としての非難していた。
国際危機グループは、トランプの大敵で、ヒラリー・クリントン支援者、ジョージ・ソロスによって設立された。コブリグの雇用主、国際危機グループの理事には若干の非常に著名な人々がいる。一人はもちろん創設者で出資者ジョージ・ソロスだ。もう一人の理事は、カナダの億万長者フランク・ギウストラだ。非課税のクリントン財団の非合法あるいはいかがわしい取り引きのFBIによる調査で詳細が出現するにつれ、これから数週間でニュースに現れる可能性が高いので、この名前を覚えておいていただきたい。フィオール・ファイナンシャルの社長兼CEO、フランク・ギウストラは、クリントン財団の大口寄贈者でもあり、理事の一人だ。
彼のギウストラ財団は、元クリントン・ギウストラ・エンタプライズ・パートナーシップのエレベート・ソーシャル・ビジネスや、国際危機グループや、グローバル・レフュジー、スポンサーシップ・イニシアティブや他のパートナーと共に活動している。ギウストラのUrAsia・エネルギー社は、一部の人々が本物の「ロシアゲート」スキャンダルだと信じている、ヒラリー・クリントンの国務長官在職時代の悪名高いウラン・ワン・スキャンダル調査に登場する。アメリカでの訴訟がすすむに連れ、まもなく我々は更に知ることになろう。
要するに、カナダでのファーウェイCFO逮捕に報復するため、習近平は、大いに興味深い標的を選択したように思われる。もしファーウェイ経営幹部の前例がない逮捕が、アメリカとカナダの政府と諜報機関内の闇のネットワークによる、アメリカ-中国間のあらゆる建設的な対話を妨害する狙いだったのであれば、これまでのところ、それは裏目に出ているのかもしれない。今後数週間でさらに多くがわかるだろう。
F・ウィリアム・イングドールは戦略危険コンサルタント、講師で、石油と地政学のベストセラー作家。彼はプリンストン大学の政治学位を所有している。これは「New Eastern Outlook」オンライン誌独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/12/19/is-canada-huawei-arrest-attempt-to-sabotage-trump-xi-talks/
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