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司法当局の嘘に無感覚な西側の有力メディア(2/3)
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2018.12.11 櫻井ジャーナル
ウィキリークスが電子メールを公表した直後、FBI長官だったジェームズ・コミーはヒラリー・クリントンが国務長官だった時代の電子メールに関する声明を発表した。 その中で彼女は機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があり、そうした情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたことを認めているのだが、その上で司法省に対して彼女の不起訴を勧告する。 「きわめて軽率」という表現は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だとされていたのだが、それをFBI捜査官のピーター・ストルゾクが書き換えていたことが判明している。「非常に怠慢」だと認められた場合、罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる。クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えたと見られている。 この決定の理由としてクリントンが電子メールを消去してしまったことも挙げられているのだが、全てのメールはNSAが記録しているので、理由にならない。 そうした批判はFBIの内部にもあったようで、2016年10月28日に捜査の再開が宣言されるのだが、投票日の2日前に捜査の終了が宣言されている。コミーはネオコンや戦争ビジネスに近く、政治的に動く長官だった。 コミーは2005年8月に司法副長官を辞め、軍需企業のロッキード・マーチンの上級副社長に就任している。ヒラリー・クリントンが上院議員の時代からスポンサーにしている会社だ。コミーは2010年6月まで在籍、バラク・オバマ大統領からFBI長官に指名されたのは13年9月のことである。 コミーにはピーターという兄弟がいるのだが、この人物が所属している法律事務所DLAパイパーはクリントン財団の監査を行い、しかも同財団へ多額の寄付をしている。 クリントン財団やクリントン-ブッシュ基金はハイチの利権にも深く関係していると言われている。ハイチでは2010年に大きな地震があり、多くの人がアメリカへ不法入国、それに対して6万人近くへ強制退去させない処置をとってきた。 地震当時の国務長官はヒラリー・クリントン。つまり災害対策の政府における責任者はクリントンで、USAID(形式上、国務省の管轄下にあるが、実際はCIAの資金を流すルート)の資金を監督する立場にあった。国連特使には夫のビル・クリントンが就任している。ビルはクリントン-ブッシュ基金やクリントン財団の理事長で、ハイチ再建暫定委員会の共同委員長でもあった。 ハイチには金鉱脈があって潜在的に豊かな国なのだが、今は貧しい国と見なされているいる。資源の開発が進まず、失業率は70%を超すという。ヒラリーの弟、トニー・ローダムは金の利権に食い込んでいるようだが、大多数の庶民はその恩恵に浴していない。 ハイチに限らず、クリントン財団は「慈善事業」を名目にして多額の寄付を集めている。ハイチの場合、60億ドルから140億ドルを財団は集めたと見られているが、その内容は明らかにされていない。しかも、国際規模でチャリティーを行うために必要な正規の手続きを踏んでいないという。法律的に問題を抱えているわけだ。 2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝てばバラク・オバマが大統領の間に恩赦を与える手はずになっていたが、トランプが勝ったため、シナリオに狂いが生じたようだ。 もしクリントン財団の不正にメスが入ったなら、クリントン夫妻だけでなくピーター・コミーも責任を問われ、ジェームズ・コミーも巻き込まれる可能性がある。ジェームズ・コミーやヒラリー・クリントンが深く関係しているロッキード・マーチンの問題が注目されるかもしれない。(つづく) |
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