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欧州の“智の巨人”が警告「EUは崩壊する!」
https://hbol.jp/180703
2018.12.10 及川健二 ハーバー・ビジネス・オンライン
「フランスの離脱」を掲げる政党代表が来日
フランソワ=アスリノ財務上級監査官・人民共和国連合代表
10月、“欧州の智の巨人”と呼ばれるフランソワ=アスリノ財務上級監査官・人民共和国連合代表が来日し、早稲田大学や京都大学で講演した。筆者のアテンドで、小沢一郎・自由党共同代表、山本太郎・自由党共同代表、海江田万里・立憲民主党顧問、菅直人・元首相、大塚耕平・国民民主党代表らと精力的に懇談した。
アスリノさんが日本に初めて来たのは学生だった1979年の夏。2か月ほどかけて日本を旅行した。それで日本が大好きになり、翌年の1980年から、東京の駐日フランス大使館の経済担当官として1年半滞在した。
その後エリート官僚コースを歩み、1994年にエルヴェ=ドシャレット外務相に同行して来日、1996年にはジャック=シラク大統領に付き添って来日した。来日回数は6回で、今回は22年ぶりだった。ちなみに、エマニュエル=マクロン仏大統領は元財務中級監査官であった。官僚のキャリアとしては、アスリノさんのほうが上にあたる。
アスリノさんは2007年、人民共和連合(UPR)を結成する。人民共和連合は欧州連合、ユーロ圏、北大西洋条約機構からのフランスの脱退と人民主権の奪回を目的に結成された。いわゆるフレグジット(Frexit=フランスの離脱)が目標だ。
そのアスリノさんの日本滞在中に、インタビューを行った。
22年ぶりの日本はかつての活気を失っている
――久しぶりの来日ですが、感想をお聞かせください。
アスリノ:22年ぶりの日本ですが、やはり私の大好きな美しい文化と礼節を大切にする心をお持ちの方々の変わらぬ姿に愛着を覚えます。また同時に1980年代から見て、大きく変化した日本の姿にも気がつきました。当時は、東京でも多くの子どもたちの姿を目にするたいへん活気あふれる日本でした。
しかし今回目にする日本は、かつての活気が感じられなくなっています。まさに想像以上の少子高齢化に少し驚いています。また、1995年当時の日本は、世界のGDP(国内総生産)の約17%を占める経済力を誇る国でしたが、今日ではその比率が5%台に減少しています。対して隣国の中国は、2%台から約15%に拡大しています。これは、緊縮財政と消費増税によって堅持されてきたデフレ化政策の当然の結果と言えるでしょう。
――日本は1997年の橋本政権以降、一部の例外はありましたが、緊縮財政・増税路線を踏襲してきて、20年以上デフレに苦しんでいます。なぜ日本は、そうならざるをえないユーロ圏でもないのに、緊縮財政・増税路線から逃れられないのでしょうか?
アスリノ:それは他でもない、OECD(経済協力開発機構)のウルトラ・リベラリズムの影響があるのです。日本は、OECDの中でももっとも成長率の低い国となっていますが、これは逆に言えば、日本がOECDの方針に最も従順に従う“優等生”として振る舞っているのです。
日本の背後にはOEDCがあります。この機関は、いわゆる新自由主義の経済政策を実行するよう加盟国に圧力をかける役割を担っています。そしてOECDの背後には、アメリカの意向によって作り出されたグローバル戦略が働いているのです。
EU=白人のキリスト教国集合体はむしろ閉鎖的で人種差別的
――フランスには左派にも右派にもEU懐疑派がいますね。
アスリノ:しかし、他の政党はEUの改革を掲げているに過ぎません。極右政党である「国民連合(旧国民戦線)」のマリーヌ=ルペン党首も、「立ち上がれフランス」のニコラ=デュポン=エニャン党首も、今ではEU離脱を公約から外しています。EUの存在自体を疑問視していて、EUからの離脱、つまりフレグジットを公約しているのは我が党だけです。
EUは機能不全に陥っている。「出るしかない」というのが私の主張です。欧州統合のプロジェクトはそもそも実現不可能でした。言語や宗教、経済が異なる28か国を統治するには、各国の利益に合わず、市民が望まない政策を押しつけるという反民主的で独裁的な手法にならざるを得ない。
つまり、ブリュッセル官僚がEUの実権を握り、市民が望みもしない政策を押しつけてくるのです。フランスはアフリカ諸国などとグローバルな関係を築いてきたのに、白人のキリスト教国が集まるのは閉鎖的で人種差別的とも言えますね。
さらに、仏独の和解で欧州の平和が保たれてきたと皆が言いますが、21世紀の今日、対独戦争はあり得ません。逆に欧州が一つにまとまることで、中東やロシアとの亀裂が生まれているのが現状です。
ユーロからの離脱は、最も有効な経済再興策
――それにしても、なぜにEUからの離脱・フレグジットなのでしょう。
アスリノ:経済学者ジャック=サピールの試算をもとにすると、ユーロからの離脱はもっとも有効な経済再興策です。同時にきわめて有効な失業対策であるのです。理由を説明しましょう。ユーロからの離脱によって独自通貨が発行でき、フランスが自由な通貨政策を取ることが可能となれば、現在ある400万人規模の失業者を200万人以下に減らすことができるのです。
アベノミクスが異次元の金融緩和をやったように、フランスでも通貨発行権を取り戻して金融緩和し、刷ったお金で財政出動して失業対策や社会保障にお金をまわせばよいのです。ユーロ圏は対GDP比の3%以下しか赤字国債を発行できない。金融緩和もフランス独自には出来ない。EUにいる限り、緊縮財政・増税路線にならざるを得ないのです。だからこそフレグジットなのです。
失われてしまった政治・経済・外交上の主権と自由を回復する
――最後にうかがいます。これから、どのようなEUを目指していくのでしょうか?
アスリノ:多様な文化、社会、歴史を持つEU諸国が、独自の特性を活かしながら、互いの連携と協力を進めていける国際関係が重要なのです。一律に均質化する必要はないのです。それこそが多様性の尊重ではないでしょうか。
民主的な意志を無視し、一律のルールによって縛られてしまう現在のブリュッセル官僚による中央集権・ユーロ体制から離脱する必要があります。2016年6月のイギリスの有権者によるEU離脱を決めた国民投票の結果に従ってイギリス政府によって進められているブレグジット(Brexit=イギリスの離脱)へ向けての歩みは、フランスが見習うべき民主的な手続きです。
通貨発行権だけではありません。現在失われてしまった政治、経済、外交上の主権と自由を回復しなければなりません。だからこそフレグジットなのです。安倍首相は再登板するとき、「日本を取り戻す」とおっしゃったそうですね。それに倣えば「フランスを取り戻す」のが私たちの目標です。
財政・金融・外交・安全保障の主権を取り戻す必要があるのです。フレグジットは排他的でもなく、きわめて現実主義的な政策です。徹底したリアリズムに基づきます。フランスが主権を回復してこそ、明るい未来が見えてきます。
<質問/及川健二(日仏共同テレビ局France10日本支局長)、翻訳/荻野文隆(東京学芸大学特任教授)>
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— ハーバー・ビジネス・オンライン (@hboljp) 2018年12月10日
欧州の“智の巨人”が警告「EUは崩壊する!」
— 🌸大ちゃんママ🌸 (@yobu_dai) 2018年12月10日
日本の背後にはOEDCがあります。この機関は、新自由主義の経済政策を実行するよう加盟国に圧力をかける役割を担っています。そしてOECDの背後には米国の意向によって作り出されたグローバル戦略が働いているのです。
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日本のデフレ、経済問題も正確に理解されてます!
— バケツリレー (@barutaromero) 2018年12月10日
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欧州は第二次大戦の惨禍からEUっていう理想を求めたっていうのはわかる、いわばフランク王国の再興ですね。でもそこに必要なカール大帝はいなかったというわけです。> 欧州の“智の巨人”が警告「EUは崩壊する!」 https://t.co/GAKjoZwmaP
— Sasaki (@music2go) 2018年12月10日
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