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外国の脅威とは一体何か?
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2018年12月 8日 マスコミに載らない海外記事
「友人たち」そのものに由来するアメリカに対する最大の脅威
Philip Giraldi
2018年12月4日
UNZ Review
地元ワシントンのあるテレビ局が、感謝祭直前、我々の兵士の仕事を讃え、典型的な早朝番組を組んだ。彼らが家族と話ができるよう、家から遥か彼方に派遣された兵士がテレビ会議でもてなされ、皆楽しくうなずき、彼らのために素晴らしい休日を祈ることができた。本気で聞いていなかったが、インタビューされている兵士が、ウクライナで感謝祭を過ごしているのを小耳に挟んで関心が湧いた。
軍人が自分の居場所を明らかにして、治安上の失策をしたのかもしれないと思ったが、現地で、共同軍事演習や、アメリカが提供するピカピカの精巧な兵器を「ロシア侵略」から守るため使う方法をウクライナ軍に教える訓練任務で活動しているのを思い出した。
ウクライナはトランプ政権が民主主義推進の任務を拡張している世界の一部にすぎず、キエフだけは、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領が、明らかに彼自身が引き起こした状況を利用しているので、現実は、エセ民主主義プロモーションのように見える。彼はワシントンとの安全保障関係を通して、自分の権力を確立しようという企てで、自分をモスクワの被害者に見せようとしているのだ。彼の世論調査の支持率の数字が、彼の政府で蔓延する収賄のため、現在恥ずかしいほど低くなっているので、これは2019年3月選挙での再選出馬の助けになるだろう。ポロシェンコは報道機関を静かにさせるため既に骨を折っており、ロシアとの間で展開している危機問題で、彼が最も評判の悪いウクライナ東部に戒厳令を宣言することができるようになった。もしすべてうまく行けば、彼は選挙に勝つことを望め、その後、彼は彼自身の行政権力を拡大しようとするだろうと多くが信じている。
ケルチ海峡でのロシア軍との遭遇は、過去数年間、ウクライナ政府に積極的に肩入れしているアメリカ・ネオコンとイスラエル顧問の一団による援助で、ポロシェンコが画策した部分があることを考慮すべきた。タイミングはポロシェンコにとって、彼自身の国内政治的の理由から都合が良かったが、トランプを囲んで、ワシントン・エリートの間で急増するネオコン戦争屋が、アルゼンチンのG20会議で、無防備なドナルド・トランプとウラジーミル・プーチンとの間のあらゆる可能な会談も取りやめるさせる機会でもあった。
トランプの弁護士、マイケル・コーエンの離反は、これかトランプに泥を塗る言説がまもなく大量に流されるだろうという想定と共に、アメリカ大統領のモスクワとのいかなる取引も、今までより一層用心深くなければならず、彼が必要としていたのは、ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官とマイクポンペオ国務長官による、会談キャンセル認可のうなずきだったことを意味している。国家指導者の会議は何も解決しなかったかもしれないが、それは新冷戦への現在の流れよりは確実に良いだろう。もしアメリカに、どれか、ただ一つ非常に重要な関係があるとすれば、それは両国とも自己防衛の名の下で、世界を破壊する用意があり、可能で、どうやら進んでしそうなロシアだ。
アメリカで蔓延している反ロシア・ヒステリーと、マスコミを作動する能力があるネオコンの能力を考えれば、ロシア-ウクライナ衝突事件で、報道機関と政治家が、ホワイトハウスに、クレムリンに対し強硬になるようすぐさま呼びかけたのは驚くべきことではない。アメリカが、もしそれが起こったなら、ロシアとウクライナの間の戦争がもし起きたとしても、それにアメリカが関与することに、実際の国益などないことを指摘するのは重要だ。東欧の二国は隣人で、友情と敵意の双方の長い歴史を持っているが、紛争について唯一明らかなことは、解決するのは彼ら次第で、いくら制裁しようと、懸念する議員がくどくど言ったとて、事態が変わるわけではないことだ。
ロシアと同様な問題を抱えている他の東ヨーロッパ諸国も、同じく、彼らがNATO同盟を通し、彼らにいっそうしっかり、アメリカを縛りつけるため、緊張を引き起こす方法を探している挑発者とみなすべきだ。今日のロシア連邦は、ソ連ではないというのが現実で、ロシアは、かつての同盟国に対して、覇権を切望したり、実行したりする余裕もない。明らかにしている通り、ロシアは欧米に脅迫されない生き方を望んでいるだけなのだ。
ロシアとの国境へのNATO軍隊を配備した上で、ポーランドとリトアニアでの最近の軍事演習や、新ミサイルの東ヨーロッパ配備は、モスクワに対する本物の脅威となる。ロシアが、その境界に沿っての、NATO軍艦や飛行機による侵入に対応すると、攻撃的行動だと言って非難される。もしロシアの航空母艦が東部沿岸に陣取り、偵察飛行を繰り広げたら、アメリカ政府は一体どのように対応するのかと思いたくなる。あるいは、もしロシア軍が軍事演習をキューバと一緒に始めたら? 今誰がピッグズ湾事件を覚えていだろう?
国際紛争の話は、文脈が全てだ。ロシアとウクライナ間の事件を、モスクワの攻撃的天性の例だと、二元論的に見るのは、一部の世界は満足だろうが、どんな意味でも、現場の現実を反映していない。二つの国の内政が、特定の反応が想像できる意図的でっちあげと相まって、国際向けと、自国向けの、ほとんど偽りの言説が作り出されている。不幸にして、そういう言説にはまずい影響があるのだ。今回は、トランプとプーチン間の、有益だった可能性がある会談が犠牲になった。
同じ行為は、ワシントンのもう一つの最も重要な敵イランに対しても機能する。ロシアの場合は、役に立たない「友人」ウクライナの策動だが、イランの場合は、狡猾なイスラエルとサウジアラビアだ。イランは、中東を不安定にするテロの主要支援国家で、イスラエルとヨーロッパを攻撃するために使われる秘密核兵器計画があると非難された。こうした主張のいずれも本当ではない。テロというレッテルは、イスラエルと対立し、イスラエルによる、レバノンへのあらゆるの侵略に抵抗すると誓っているがゆえに、テロ集団とされているに過ぎないヒズボラとイランのつながりに由来する。ワシントンとイスラエルはヒズボラのテロというレッテルを押し進めたが、この集団がレバノン政権の一員になったので、大半のヨーロッパ人は、この呼び方を無視し始めている。
中東の不安定化は、主にアメリカとイスラエルとサウジアラビアがした行動の結果であり、他方イランの核兵器計画と主張されているものは空想だ。もしアメリカ国家安全保障機構内部の誰かに頭脳があれば、長い目で見れば、イランは、そのレッテルをかついで現在走り回っているならず者連中よりずっと良い友人であることが分かるだろうから、アメリカはまもなくイランとの関係を改善しようと努力するはずなのだ。
思いがけない所に、別の友人がいる。窮地に立たされたイギリスのテリーザ・メイ首相はロシアゲートに関連した機密文書を明らかにするというトランプの恫喝で、やかましく泣き叫んでいる。本当の問題は、書類が、どうやらロシアがしたことを何も示していないのだ。むしろ文書は、闇の国家と既成支配体制のお気に入り候補ヒラリー・クリントンに有利なように、2016年選挙の行方を覆そうとしていた、当時のジョン・ブレナンCIA長官と共謀した、イギリス諜報機関と治安機関による陰謀を明らかにするように思われる。それはどう、うまくいったのだったろう?
こういうのはどうだろう? 面倒に巻き込まれたティーンエージャーが、生活を改めるため、良くない友人たちを見捨てなければならないことが良くある。もし我々が、世界中で関係を育んできた良くない友人たち、まずい選択をするよう我々を説得してきた友人たちから距離をおけば、まだアメリカにもチャンスがある。サウジアラビアやイスラエルやウクライナやポーランド、そして、そうイギリスとも、つながりを断ち切るのだ。すべての国と公正に交渉し、全員を平等に扱い、本当に重要な二国との関係 − ロシアと中国があるということを心に留めておくのだ。人々と仲良くやる方法を学び、戦争を回避する真剣な努力をすれば、両国と建国三百年周年を祝うべく、2076年も、アメリカは実際生き残るかもしれない。
記事原文のurl:http://www.unz.com/pgiraldi/what-foreign-threats/
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