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G20サミットの最重要議題:さようならアメリカ帝国
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2018年12月 2日 マスコミに載らない海外記事
Finian CUNNINGHAM
2018年11月30日
Strategic Culture Foundation
G20サミットは、名目上、世界の最も大きな経済の国々が、世界成長を押し上げるための協力方法が主題だ。だが今年の会合は、かつてないほど、アメリカと中国間のライバル関係が注目を浴びている。
ライバル意識は、かつての権力を取り戻そうと死に物狂いで狙っている、寿命が完全に尽きたアメリカ帝国の現れだ。去りゆく覇権国アメリカの様々な音や激怒や気取り、しかし平穏かつ幸福な日々は過去の時代の帝国なのが不可避の現実だ。
アルゼンチンでこの週末行われているサミットに先立ち、トランプ政権は「その行動を変える」ため、中国に対して、怒り狂った最後通牒を出していた。もし北京が経済政策で、アメリカの要求に従わないなら、ワシントンは貿易戦争をエスカレートすると警告している。
トランプ大統領は、不公平な貿易や為替操作や知的所有権盗用に対し、北京を厳しく非難し、ポイントを沸かすことへの中国についての長時間煮えたぎっているアメリカの苦情をとった。中国はその経済の慣習のこの軽べつ的なアメリカの特徴描写を拒絶する。
にもかかわらず、もし北京がアメリカの絶対的命令に従わないなら、トランプ政権は、中国の輸出に対し、更なる関税を課すつもりと言っている。
今週、事態の重大さは、「歴史の教訓」が、貿易戦争は大惨事の銃撃戦になりかねなことを示していると警告した崔天凱駐アメリカ中国大使発言によって浮き彫りにされた。彼はトランプ政権に、合理的な話し合いによる紛争解決を強く促した。
問題はワシントンが不可能を要求していることだ。かつてアメリカが強固な資本主義だった、いずれかの時代に、中国が時計を戻すことを望むのと同じことだ。だが、中国はそうする立場ではない。世界経済は構造上、アメリカ支配から移行している。生産と成長の車輪は、中国の勢力範囲、ユーラシアにあるのだ。
何十年間も、中国は基本的な消費財の安い生産のための巨大市場の役割を果たした。今習近平大統領の下、中国は精巧な技術、高品質の製造と投資を含め、開発の新段階に移行している。
これは世界が、かつてヨーロッパで、アメリカで、今ユーラシアで目にする経済発展だ。第二次世界大戦後何十年も、1970年代まで、争う者のない世界の指導者だったのはアメリカ資本主義だった。その軍事力と合わせて、戦後の国際秩序は、ワシントンによって定義され、具体化された。時々紛らわしく、パックス・アメリカーナ(米国の力による平和)と呼ばれたが、アメリカに率いられた国際秩序に、平和的なものは何もなかった。それはしばしばワシントンによる指導の下、大規模な暴力行為と抑圧的体制によって贖われた相対的安定の秩序だった。
アメリカ神話では、アメリカは帝国ではない。アメリカは、自由と、民主主義と法による統治という「例外的」美徳を通して世界の国々を率い、古いヨーロッパ宗主国権力とは異なるはずだった。実は、アメリカの世界支配は無情な帝国権力の使用に頼っていた。
資本主義について不思議なことは、それが常にその国民基盤に合わないほど大きくなることだ。市場は最終的にあまりにも小さくなり、利益追求は飽くことを知らない。アメリカ資本は、まもなく中国新興市場で一層儲かる機会を見いだした。1980年代からずっと、アメリカ企業がアメリカから脱出し、安い労働力を搾取し、ますます不完全就業のアメリカ消費者に彼らの商品を逆輸出し、中国で事業を展開した。この構図は、部分的に、見かけ上果てしない消費者負債によって支えられていた。
それはもちろん全容ではない。アメリカ資本から独立して、中国は革新し、発展した。中国が国家に率いられた資本主義なのか社会主義の例なのかは議論の余地がある。 中国当局は後者を支持すると主張するだろう。いずれにせよ、中国の経済発展は全ユーラシア半球を変えた。人々が好きか否かにかかわらず、北京は世界経済の発電機だ。一つの指標は、アジア太平洋中の国々が将来の成長のために、どれほど中国に従っているかだ。
ワシントンは憤慨し、中国の拡張主義とされるものがアメリカ同盟国を「恫喝する」ことに関し、アジア太平洋で文句ばかり言いたがる。だが現実には、ワシントンが栄光の過去で暮らしているということなのだ。アジア太平洋経済協力会議(APEC)のような通商圏が彼らのパンは、もうアメリカではなく、中国にバターを塗られているのを悟っている。「中国に立ち向かう」というワシントン言説はそれだけだ − 空しい言説だ。それは経済開発への関心と、中国投資の利益にひかれた国々にとって多くを意味しない。
一例が台湾だ。 ワシントンの標語「自由な台湾」とは対照的に、益々多くのアジア諸国が、島を反逆的な国と見なす中国の立場を尊重して、台湾とのつながりをトーンダウンしている。アメリカの立場は言葉であるのに対し、他の国々の関係は物質的な経済上の要求に基づいている。そして北京の感情に敬意を払うことは、彼らにとって慎重な選択だ。
「ニューヨーク・タイムズ」による最近の報告が、変化する世界経済秩序の輪郭を殺風景に実証した。他の多くの人たちが既に見ている通り、中国が世界のトップ経済としてアメリカを上回る途上にあるのを確認したのだ。1980年代、NYタイムズによれば、中国国民のおよそ75パーセントが「極端な貧困」で暮らしていた。今、そのカテゴリーにあるのは人口の1パーセント以下だ。アメリカにとっては、軌跡は逆転し、より多数の国民が貧困状態にさらされている。
中国の戦略的経済計画、一帯一路構想は、その指導力と金融の下、地域開発の統合、アメリカ資本が戦後数十年で達成したことに類似した世界秩序を既にもたらしている。
アメリカの専門家やマイク・ペンス副大統領のような政治家は、他の国々のための「負債わな」を作っていると、中国の経済政策をけなすかもしれない。だが他の国々が中国のダイナミックな指導力に引き寄せられているというのが現実だ。
おそらく、経済発展のための北京構想は、かつてアメリカとヨーロッパによって提供されたものより一層賢明で、持続可能だ。中国の中心思想は、ロシアとともに、多極的発展と互恵的パートナーシップだ。世界経済は、一つの覇権国アメリカから、別の親方帝国、中国へと単に移行するだけではない。
一つ、避けられないように思われることがある。アメリカ帝国の日々は終わったのだ。その資本主義の活力は何十年も前に消滅した。ワシントンと北京関係の大変動とえん恨にまつわる全ては、かつての活気という若干の甘い夢を再生しようとしているアメリカ支配階級の問題だ。ワシントンは、アメリカ社会を活気づけるため、中国が何らかの方法で、それ自身の発達を犠牲にするのを望んでいる。そうはなるまい。
アメリカ社会が決して再び活気づくことができないと言っているわけではない。ヨーロッパが、そうできたように、アメリカもそうできる。だがそれには、民主的再生を伴う経済体制の建て直しが必要だろう。資本主義の「古き良き日々」は去ったのだ。アメリカ帝国は、ヨーロッパ帝国と同様、時代遅れなのだ。
それがG20サミットで語られない第一番の議題だ。さようなら、アメリカ帝国。
アメリカがすべきことは、社会的経済秩序の作り替え、少数エリート資本家の個人的利益によってではなく、民主的発展によって推進される再生だ。
そうでなければ、無益な選択肢は、アメリカの破綻した政治的指導者連中が、中国や他の国々を自国の未来を犠牲にさせる強制だ。そういうやり方は戦争を招く。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/11/30/g20-summit-top-agenda-item-bye-bye-american-empire.html
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