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スリランカ大統領 議会解散を宣言、違憲との見方も
2018/11/11 16:20日本経済新聞 電子版
【ニューデリー=黒沼勇史】スリランカのシリセナ大統領は9日夜、議会を解散し、1月5日に総選挙を実施すると発表した。シリセナ大統領は10月下旬、ウィクラマシンハ首相を突然解任し、前大統領で親中派のラジャパクサ前大統領を首相に指名し、ウィクラマシンハ氏が解任無効を主張。11月14日に議会で信任投票を予定していたが、シリセナ大統領は解任の是非を直接、民意に訴える戦略に切り替えた。
シリセナ大統領(右)は、ラジャパクサ前大統領(左)との連立を狙い、議会解散を宣言した(5日、コロンボ)=ロイター
シリセナ大統領(右)は、ラジャパクサ前大統領(左)との連立を狙い、議会解散を宣言した(5日、コロンボ)=ロイター
今回の大統領による解散は、スリランカの政治混乱に拍車をかけそうだ。2015年に改正した現行憲法下では、2020年より前に議会を解散するには、国民投票や議員の3分の2の賛同が必要で、条件を満たしていないからだ。10月26日のウィクラマシンハ首相解任も、憲法改正後は大統領に原則、権限がないとして、同首相側は憲法違反と主張していた。解散の是非は司法闘争に発展する可能性もある。
スリランカではシリセナ大統領の一派と、ウィクラマシンハ首相の政党「統一国民党(UNP)」が15年から連立を組んできた。ラジャパクサ前大統領による強権政治への反省から、シリセナ大統領らは15年、大統領権限を弱める憲法改正を実施していた。
ただ2月の地方選で、ラジャパクサ氏の新党に7割の行政区議会を奪われ、連立与党側の勢力は大きく後退し、シリセナ大統領とウィクラマシンハ首相の足並みは大きく乱れ始めた。シリセナ大統領はウィクラマシンハ氏からラジャパクサ氏に連立相手を切り替えて、政治生命の延命を図っている。
スリランカではラジャパクサ前大統領時代に中国から資金を借り入れて、多額の港湾や空港を整備し対外債務が膨張した。「債務のワナ」からの脱却をめざし、「シリセナ大統領=ウィクラマシンハ首相」の連立与党は、国際通貨基金(IMF)の財政支援を受ける一方で、南部のハンバントタ港の99年間の運営権を中国企業に譲渡するなど、綱渡りの資金繰りを迫られていた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37634030R11C18A1000000/?
スリランカの地政学リスク
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スリランカの政局が混迷を深めている。2015年以来、連立政権を率いてきたシリセナ大統領が10月末、最大与党の党首でもあるウィクラマシンハ首相を解任し、中国と親密な前大統領のラジャパクサ氏を後任に指名した。
だが、大統領に首相の罷免権があるかどうかで憲法の解釈が定まらず、大統領派と前首相派の対立が続く。不測の事態に発展する懸念もあり、今後の同国の政治の姿は極めて不透明だ。
インド洋の島国スリランカは、東アジアと中東・欧州を結ぶ海路の要衝にある。その政情不安は、アジア全体の安定を揺るがす地政学的な危機でもある。日本をはじめ各国は緊張感をもって注視し、事態の収拾に向けた努力を同国の政治指導者に促したい。
新首相になるラジャパクサ氏はカリスマ性がある大物政治家で、国民の人気が根強い。今年2月の統一地方選では同氏が率いる政党が圧勝し、シリセナ政権の連立与党は惨敗した。ラジャパクサ氏は形の上ではシリセナ大統領の下で首相の座に就くが、政権内で実権を握る可能性が大きい。
気になるのは、中国の動きだ。習近平政権は経済圏構想「一帯一路」で、スリランカを戦略的に重視している。ラジャパクサ氏が大統領だった05〜15年に蜜月関係を築き、中国の資金で集中的に港湾や空港などを建設することで同氏を支援した。
政権に復帰すれば、中国は再びスリランカへの介入を強めようとするだろう。だが、スリランカが中国からの借入金の返済ができなくなり、港湾を中国に差し押さえられる「債務のわな」に陥った過去の経緯を、世界各国は忘れてはいない。
安倍晋三首相は10月の日中首脳会談で、両国の関係を「競争から協調」に転じる意志を表明した。スリランカについても、支援と影響力を競い合うだけでは同国の政情安定につながらない。支援策で中国を透明な国際協調の路線に導く努力を惜しむべきではない。
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https://www.nikkei.com/article/DGXKZO37347350T01C18A1EA1000/
海洋安保の連携強化 日スリランカ首脳会談 中国にらみインフラ支援
2018/3/14 22:00日本経済新聞 電子版
安倍晋三首相は14日、首相官邸でスリランカのシリセナ大統領と会談した。海洋安全保障分野での連携強化で一致。首相が掲げるアジア・アフリカ地域の平和と発展をめざす「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進し、スリランカの港湾や道路などインフラ整備の支援で合意した。会談後、保健・医療分野で総額約106億円の円借款を供与する覚書を結んだ。
南アジアの島国のスリランカはインド洋と太平洋をつなぐシーレーン(海上交通路)の要衝だ。中国も広域経済圏構想「一帯一路」でインド洋を重視し、スリランカの重要港湾の権益を確保している。日本はスリランカと経済や海洋安全保障の協力を強め、この地域で存在感を増す中国に対抗する狙いがある。
首相は会談後の共同記者発表で「両国は手を携え、インド太平洋をいずれの国にも分け隔てなく平和と繁栄をもたらす国際公共財としていく」と表明。シリセナ氏は「既存のパートナーシップの上に、さらに関係を強化する」と語った。
会談では、日本が港湾や道路、エネルギー分野でスリランカのインフラ整備を支援すると確認した。保健・防災分野の人材育成を進めるため、専門家の派遣や研修にも乗り出す。両国の防衛交流の促進も申し合わせた。
スリランカは北朝鮮と国交をもつため、首相は北朝鮮の核・ミサイルの放棄に向け最大限の圧力を継続する必要性を確認。日本人拉致問題の解決に向けた協力を求めた。
円借款では、スリランカ国内の国立病院の整備や、カテーテルなど医療機器の導入を後押しする。医師ら医療分野の人材育成にも活用し、住民の健康状態の向上を促す。
河野太郎外相は14日、スリランカのマーラパネ外相と都内で約70分間、会談した。北朝鮮への最大限の圧力の継続が不可欠との認識で一致した。
スリランカでは、シリセナ氏が日本やインドとのバランス外交を進める。一方、親中派のラジャパクサ前大統領が復権へ攻勢をかけている。日本は関係強化で現政権の外交戦略を側面支援する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28115610U8A310C1PP8000
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