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中間選挙後に激しくなりそうな米国の権力抗争で事実は重視されない(その2)
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2018.11.09 櫻井ジャーナル
本ブログでは繰り返し説明してきたように、「ロシアゲート」に根拠はない。アメリカの電子情報機関NSAで最高の分析官のひとりと言われ、NSAの不正を内部告発したことでも知られているウィリアム・ビニーも指摘しているが、「ロシアゲート」が事実ならNSAから通信の傍受記録を取り寄せるだけで決着が付く。特別検察官を任命する必要はないということだ。特別検察官を任命したということはロシアゲートがインチキであることを示しているとも言える。この作り話はトランプを攻撃するだけでなく、2016年に発覚したヒラリー・クリントン陣営のスキャンダルを隠蔽するためにも使われている。 バラク・オバマ政権はジハード傭兵を使ってシリアやリビアを侵略、政権を転覆させて傀儡体制を築こうとした。リビアの政権転覆は成功したが、シリアはロシア政府が阻止する。アメリカ支配層はロシアの再属国化を目論んでいることもあり、ロシアとの関係を悪化させていった。 ネオコンをはじめとするアメリカ支配層の基本戦術は「脅して屈服させる」だが、ロシアも中国も屈しない。そこで脅しをエスカレートさせるのだが、その先には全面核戦争が待ち受けている。そうした道をヒラリー・クリントンも歩もうとしていた。それに反対、ロシアとの関係修復を訴えたのがトランプだ。 現在、アメリカでロバート・マラー特別検察官がロシアゲート疑惑を調べている。このマラーは2001年9月4日から13年9月4日かけてFBI長官を務めた。ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたのはFBI長官就任の1週間後。この攻撃では詳しい調査が行われていないが、この事件の真相を隠蔽したとマラーは批判されている。 特別検察官の任命への道を切り開く動きは2017年3月から始まる。アメリカ下院情報委員会でアダム・シッフ議員がロシア政府による選挙介入を主張する声明を出したのが始まりだ。その根拠になったのは「元MI6」のクリストファー・スティールが作成した報告書なのだが、根拠薄弱だということはスティール自身も認めている。 スティールに調査を依頼したのはフュージョンなる会社で、そのフュージョンを雇ったマーク・エリアス弁護士はヒラリー・クリントン陣営や民主党全国委員会の法律顧問を務めていた。 フュージョンを創設したひとりであるグレン・シンプソンによると、同社は2016年秋にネリー・オーなる人物にドナルド・トランプの調査と分析を依頼している。その夫であるブルース・オーは司法省の幹部で、このオーとシンプソンは2016年11月に会っている。その直後にブルースは司法省のポストを失い、フュージョンはスティールに調査を依頼することになる。 こうした根拠のない話でターゲットを有罪にする手段がアメリカでは整備されている。司法取引だ。誰かを無関係の事件、場合によってはでっち上げで逮捕し、目的を達成するために偽証を強いるのだ。つまり、無実でも有罪にすることは難しくない。それがアメリカにおける「法の支配」だ。(つづく) |
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