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米国のネット集団「Q」とは何者? 掲示板に陰謀論投稿
2018年11月6日09時04分
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「Q」の投稿を集めたサイトの画像。関連動画などが豊富にアップされている
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「Q」とは昨年10月、インターネット掲示板に突如登場した正体不明の投稿者のことだ。「匿名」を意味する「anonymous」の略語「anon」を「Q」につけた「QAnon」(キューアノン)という陰謀論を信じる集団が、「Q」の主張を解釈し、インターネットを通じて世界に発信している。
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キューアノンは、「Q」のことをトランプ米政権の中枢にいる人間だと信じている。その根幹の主張は、「トランプ大統領は、世界の政財界、メディアに巣くう邪悪なディープステート(影の政府)と闘う救世主」というものだ。キューアノンはトランプ氏に批判的な人々を「影の政府」のメンバーとみている。
「影の政府」という表現は、トランプ氏自身を含むトランプ政権の高官が好んで使うようになり、米国で新たな政治用語として定着した。
「Q」は日本の「2ちゃんねる」に似た「8chan」という掲示板に投稿する。その内容は暗号めいている。例えば直近では、「POTUS(米大統領)がPUTIN(プーチン大統領)と11月11日に会う。何が奇妙か Q」などがある。
Qの関連サイトでは、キューアノンが解釈したり、補足したりする形がとられ、双方向的なコミュニティーになっている。「Q」の投稿とそれに対する反応のまとめを制作する人は「ベイカー」(パン職人)、まとめは「ブレッド」(パン)、さらにまとめに対する「Q」の反応は「クラム」(パンくず)と呼ばれる。
キューアノンの規模は不明だが、ユーチューブには関連動画が13万件以上も投稿されている。関連サイトの一つには月800万件以上のアクセスがあり、米タイム誌は今年6月、「ネットで最も影響力のある世界の25人」に、トランプ氏ら実在の著名人とともに「Q」を選んだ。
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アメリカ版2ちゃんねらーが熱狂する「Qアノン」現象の恐怖
カギとなるのは「秘数17」
海野 素央明治大学教授
プロフィール
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フォロー・ザ・ホワイトラビット
最近、ドナルド・トランプ米大統領の支持者が集まる集会に、不吉な兆候が現れています。
米南部フロリダ州(現地時間7月31日)と東部ペンシルべニア州(同8月2日)で開催された集会で、“We are Q”という字句が印刷されたTシャツを着用したトランプ支持者が多数出現しました。
“Q”の文字を切り抜いたプラカードを掲げる支持者もいます。いったいQとは何を意味し、彼らはどのような信念を持っているのでしょうか。
“Q”とは、日本でいう「5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)」にあたる米国の巨大匿名掲示板“4chan”と“8chan”で、昨年10月28日から匿名で投稿を続けている「Qアノン」を指しています。
「アノン」は英語の“anonymous”(匿名の)の略です。
Qは、米エネルギー省の情報セキュリティに関する最高クリアランス“Q”に由来するとされています。このQクリアランスを有すると認められた職員には、核兵器に関する最高機密情報へのアクセス権が与えられるのです。
実際に、匿名掲示板での「Qアノン」の発言には、トランプ政権の中枢にアクセスできる人物でなければ知り得ない情報が含まれています。どの政府組織に属しているのかは不明ですが、「Qアノン」の正体は政権のインサイダーという見方が有力です。
「Qアノン」の投稿内容に共感する人々が、冒頭で触れた「Qフォロワー」です。これまではもっぱらネット上で活動してきたQフォロワーが、この夏からついに、トランプ大統領の集会に姿を現すようになったわけです。
Photo by gettyimages
Qフォロワーの中には、メジャーリーグのファンならばご存知の、ボストンレッドソックスで活躍したカート・シリング元投手など、著名人もいます。彼らの合言葉は “Follow the White Rabbit”(白ウサギを追え)。
Qフォロワーが着ているTシャツには様々な種類がありますが、その中に“Q”の文字と白ウサギの絵が印刷されたものがあります。白ウサギは、「不思議の国のアリス」でも登場したように、「案内役」の象徴です。Qフォロワーは、「白ウサギが、この歪んだ暗い洞窟(=現在の“陰謀だらけの”米国)から、温かくてフワフワした巣穴(=真実の世界)へ導いてくれる」と信じているのです。
「ロシアゲート」は、トランプの策略だ
「Qアノン」が発信する情報は、「陰謀論」とレッテルを貼られても仕方ない内容です。
たとえば、ジョン・F・ケネディ元大統領の長男ジョン・F・ケネディ・ジュニア氏が、1999年に自家用機墜落事故で死亡した事件についてです。「Qアノン」は、「ジュニア氏は、ヒラリー・クリントンの政治的キャリアを作るために殺された」と主張します。ジュニア氏が連邦上院議員に意欲を見せていたので、クリントン氏を推す仲間が、彼をミサイルで殺害する陰謀を企てたというのです。
結局、「Qアノン」は米中央情報局(CIA)が誘導ミサイルでジュニア氏の自家用機を爆破したと結論づけています。この飛行機事故の後、クリントン氏は2000年に米上院選に立候補し、大統領候補となるまでの政治的キャリアを積んだ――というのが、「Qアノン」の主張です。
さらに、「Qアノン」はトランプ陣営とロシア政府との共謀疑惑、いわゆる「ロシアゲート」についても数多く投稿しています。「ロバート・モラー特別検察官は、実はトランプ大統領を捜査していない」と断言したうえで、「本当は、オバマ元大統領やヒラリーなどの民主党幹部とロシアの関係や、民主党と小児性愛者の関係について捜査しているのだ」と主張するのです。
地球温暖化も左翼のでっち上げだ
地球温暖化も、左翼のでっち上げだ
どうして、少なからぬ米国民がこのような陰謀論を信じるのでしょうか。なぜ「Q現象」が起こったのでしょうか。それには種々の要因があります。
まず、既存の権力者に対する不信感です。先ほど触れたように、「Qアノン」は民主党と小児性犯罪を執拗に関連づけようとしています。
これには伏線があります。2015年、共和党の下院議員デニス・ハスタート氏が、1970年代に高校でレスリングを教えていたとき、生徒に対して性的虐待を行っていたことが発覚しました。米国民にとって、連邦下院議長まで務めたハスタート氏の悪行が明らかになったのは衝撃的でした。
このことによって、党派に関係なく、「政治家は小児性犯罪者だ」というイメージが一部で醸成されました。そして、やがて「クリントン氏やオバマ氏、有力な民主党議員が小児性犯罪の組織と結びついている」というデマが生まれたのです。
米国社会の分断も大きな要因になっています。その萌芽は、オバマ政権時代からありました。
例えば、筆者が2012年の米大統領選挙の際、南部サウスカロライナ州チャールストンに住む保守系市民団体「ティーパーティー(茶会)」の活動家に、地球温暖化についてインタビューしたとき、彼は「地球温暖化は、リベラルのでっち上げだ」と述べていました。
社会の分断が進むと、社会悪や自分にとって不都合な事象の背後に、なんらかの陰謀や策略が存在するのではないか、と懐疑的になる人が増えるのです。トランプ政権後に加速した米社会の分断が、Q現象の土壌を作ったと言えるでしょう。
“8chan”に書き込まれたQの投稿
メディアに対する米国民の不信感の高さも要因です。世論調査会社ギャラップの調査(2018年6月20日発表)によれば、62%が「新聞、テレビ、ラジオの報道は偏向している」、44%が「不正確である」と回答しました。
不都合な事実を「フェイクニュース」と呼び、「報道の裏には、常にメディアの陰謀・策略がある」という印象を与えるトランプ大統領の手法は、周知の通り一定の成果を得ています。
一般に、陰謀論を信じやすいのは社会的弱者や、権力を持たない人々とされています。2016年の米大統領選挙の際、筆者がアイオワ州で戸別訪問したトランプ支持者の退役軍人は、「不法移民が職を奪っている」とかたく信じていました。
実際に(不法移民が原因ではありませんが)、白人労働者の中には企業の海外移転や業務のIT化で、仕事を失った労働者が少なくありません。彼らは「移民受け入れに賛成するリベラル連中や、自由貿易推進派のグローバリストの陰謀に、自分たちは搾取されている」と認識しています。
トランプ大統領は、こうした支持者の心理状態をきわめて巧みに把握しているのです。
秘数17
秘数17
「Qアノン」の正体に関して、政府高官のほかに、「実は、トランプ大統領本人ではないか」という憶測があります。ホワイトハウスのスティーブン・ミラー大統領補佐官(政策担当)、ケリーアン・コンウェイ大統領顧問だという見解や、ロシアのプーチン大統領ではないか、という指摘さえあります。
「Qフォロワー」が注目するのが、トランプ大統領のある発言です。
トランプ大統領は昨年10月6日、ホワイトハウスに米軍幹部とその配偶者を招いた際、記者団を前に「嵐の前の静けさだ」と語りました。当時は筆者も含め、記者団や専門家はその発言を、北朝鮮に対する軍事行動の示唆か牽制と解釈しました。
「Qアノン」も、最初の書き込みに「嵐の前の静けさ」というフレーズを使いました。Qフォロワーは、そこに「Qアノン」とトランプ大統領の共通点を見出しているのです。
Photo by gettyimages
Qフォロワーは「17」という数字にも注目しています。トランプ大統領は自身のツイッターで、モラー特別検察官が率いるロシアゲートの捜査チームのメンバーに「17人の怒れる民主党員がいる。彼らの捜査は偏向している」と繰り返し投稿しています。
「Q」はアルファベットの17番目の文字。Qフォロワーは、「モラー特別検察官による捜査には、裏がある」というトランプ大統領のメッセージを、この「17」から読み取っているのです。
どっちが「陰謀」なのやら…
大統領自ら陰謀論のタネをばら撒き、支持者を煽り、分断を加速する――このような手法を大っぴらにとったのは、米国史上でもトランプ大統領が初めてです。彼はきわめて陰謀論の活用に長けた人物と言えるでしょう。
オバマ前大統領は、グローバリゼーションの時代に生き残るために、白人労働者や退役軍人に「スキルと専門知識を持つこと」を勧めました。一方のトランプ大統領は、彼らに向かって「みなさんが苦境に直面しているのは、陰謀や策略をめぐらす、反国家的な売国奴がワシントンにはびこっているからだ。我々は彼らと戦い、必ず打ち負かす」というメッセージを送り続けています。
トランプ支持者の目には、グローバリスト、オバマ氏、クリントン氏、民主党やメディアはみな悪の手先であり、トランプ大統領はそうした悪人を駆逐するヒーローと映っているのです。
このように「Qアノン」やトランプ大統領は、現実とは異なる「もう一つの現実」を作り出し、意図する方向へ有権者を導いています。こちらのほうがよっぽど、本物の「陰謀」に見えるのですが…。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57119
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