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(回答先: これまでになく鮮明に対中強硬姿勢を示す台湾・蔡総統 財新の10月中国サービス部門PMIは50.8、13カ月ぶり低水準 投稿者 うまき 日時 2018 年 11 月 05 日 18:07:44)
海野素央の Love Trumps Hate
民主党がトランプの岩盤支持層を切り崩せない本当の理由
2018/11/05
海野素央 (明治大学教授、心理学博士)
トランプ大統領の熱狂的な支持者(筆者撮影@アリゾナ州メサ)
今回のテーマは「なぜ民主党はトランプ大統領の岩盤支持層を切り崩せないのか」です。ドナルド・ト
ランプ米大統領の支持率は、2017年1月の就任以来、低空飛行ですが実に安定しています。米政治情報サ
イト「リアル・クリア・ポリティックス」によれば、トランプ大統領の就任当初の支持率(17年1月29日
)は43.8%でした。今回の中間選挙直前の支持率(18年11月2日)は44.1%で、ほとんど変化がありま
せん。
トランプ大統領の岩盤支持者は、なぜ減らないのでしょうか。その回答はトランプ集会にありました。
9月及び10月に西部モンタナ州とアリゾナ州で、同大統領が共和党候補の応援演説を行うために開いた集
会に参加しました。そこで本稿では、現地の様子を交えながらそのナゾを解きます。
赤い帽子
トランプ集会に登場したトランプグッズの店(筆者撮影@アリゾナ州メサ)
確かに、トランプ大統領に熱狂的なトランプ信者は同大統領から逃げていきません。モンタナ州ミズ―
ラ在住で開催された集会は18時半開始でしたが、筆者が午前8時前に会場に到着すると、すでに列ができ
ていました。
トランプ信者の一人でミズーラ在住のジニー・ジョセリンさんは、「7月にモンタナ州グレートフォー
ルスで行われたトランプ集会に正午から並びましたが、入場できませんでした。今日は8時前に来ました
」と語っていました。60代前半に見える白人女性のジニーさんは、開門時間が近付くとバックから「米国
を再び偉大にする」という字句が入った赤い帽子を取り出して被りました。
筆者は研究の一環として、オバマ及びクリントン陣営に参加し、多くの集会に足を運びましたが、陣営
の帽子を被った支持者をほとんど見かけませんでした。一方、トランプ集会では赤い帽子を被った熱狂的
な支持者が目につきます。つまり、民主党がトランプ大統領の岩盤支持層を切り崩せない第1の理由は、
彼らが同大統領と心情的に一体化していることです。
フェイク(偽)ニュースの力
熱狂的な岩盤支持層(筆者撮影@モンタナ州ミズ―ラ)
第2の理由は、岩盤支持層がトランプ大統領にとって不都合な報道をフェイクニュースとして片づけて
しまうことです。例を挙げてみましょう。
米政府高官と名乗る匿名人物が9月5日、トランプ大統領が政権内部で抵抗に遭っていると、米ニューヨ
ーク・タイムズ紙に寄稿しました。その寄稿文についてモンタナ州ビリングスのトランプ集会に参加した
40代後半とみられる白人男性は、こう語っていました。
「あの寄稿文は政府高官が書いていない。ニューヨークタイムズが書いたんだ。完全なフェイクニュー
ス。まあ、寄稿文が話題になってもせいぜい一週間ぐらいだろう」
彼は根拠を示さずにニューヨーク・タイムズ紙の自作自演だと断言し、寄稿文の内容をまったく信じて
いませんでした。これでは、岩盤支持者は減少しません。
Qアノンの役割
第3の理由は、昨年10月28日からネット上で陰謀論を展開している匿名の謎の人物「Qアノン」の役割
です。Qアノンはトランプ大統領に対する不都合な事実を陰謀や策略とみなし、同大統領を守る役割を果
たしています。
「我々はQだ」の看板のあるテントに集まるQアノンのフォロアーたち(筆者撮影@アリゾナ州メサ)
率直に言ってしまえば、Qアノンはトランプ大統領のプロパガンダです。11月6日(現地時間)の米中
間選挙では、熱意の面で民主党支持者が共和党支持者を上回っているといわれています。その勢いを民主
党のシンボルカラーである青色を使って「ブルーウエーブ(青の波)」と呼び、専門家は選挙でその波が
押し寄せると予想しています。
ところが、Qアノンはフォロアーに向かって、「ブルーウエーブを信じるな。レッドウエーブ(赤い波
)を信じろ」と投稿しています。ちなみに、赤色は共和党のシンボルカラーです。
トランプ大統領はQアノンと歩調を合わせたかのように、選挙応援集会で「ブルーウエーブは消滅した」
と強調しています。
トランプ集会には、「Q」の文字が印刷されたTシャツを着用したQアノンのフォロアーが参加していま
す。モンタナ州及びアリゾナ州で彼らを対象にヒアリング調査を行いましたが、Qアノンに対して狂信的
で、「岩盤の中の岩盤」という印象を強く持ちました。
Qアノンのフォロアー(筆者撮影@モンタナ州ミズ―ラ)
岩盤支持層の作り方
では、トランプ大統領はどのようにして強固で崩しがたい岩盤支持層を作ったのでしょうか。岩盤支持
層の形成過程を説明しましょう(図表)。簡単に言ってしまえば、「掘り起こす」「火をつける」「固め
る」の3つのプロセスから構成されています。
写真を拡大
まず、16年米大統領選挙の共和党候補予備選挙でトランプ大統領は、ワシントンのエスタブリッシュメ
ント(既存の支配層)から無視されてきた有権者の掘り起こしに成功しました。その中には、モンタナ州
ミズ―ラでの選挙応援集会に駆け付けた金属加工に携わるトムさん(43)のような白人労働者がいます。
彼らはトランプ大統領が白人労働者の気持ちを理解し、彼らのために働いていると信じています。
自転車にトランプ支持の旗を掲げる支持者(筆者撮影@モンタナ州ミズ―ラ)
次に、トランプ大統領は支持者の気持ちに火をつけ、熱意を高めます。その際、「白人労働者対不法移
民」という対立構図を作り、白人労働者に対する敵対勢力を明確化し、対立を煽ります。「不法移民が白
人労働者の職を奪った」とし、その問題解決を図るために、米国とメキシコとの国境における壁の建設と
製造業の復活を公約に掲げました。
そのうえで、支持者を固める作業に入ります。これが岩盤支持層形成の最終プロセスです。
同大統領は支持者が敏感に反応する争点を選択します。今回の中間選挙で、トランプ大統領は16年の大
統領選挙と同様、彼らの心に最も響く不法移民問題を争点化しました。それが、中米諸国から徒歩で米国
とメキシコの国境を目指して北上している移民集団の問題です。移民集団の中に犯罪者が含まれており、
彼らが米国に流入すれば、支持者の生活や生命が危機に直面すると警告を繰り返し発しています。
金属加工会社で働く白人労働者のトムさん(筆者撮影@モンタナ州ミズ―ラ)
加えて、トランプ大統領が最高裁判事に指名したブレット・カバノー氏を利用しています。カバノー氏
は、無実であるにもかかわらず、性的暴行疑惑をかけられ、「民主党からひどい目にあった」と支持者に
訴えています。
つまり、トランプ大統領は恐怖心、不安及び怒りといった心理的要因を用いて、支持者を岩盤にしてい
るのです。
銃の所持に賛成するトランプ支持者の女性(筆者撮影@モンタナ州ミズ―ラ)
「異文化連合軍」対「岩盤支持層」
Qアノンの女性フォロアー(筆者撮影@アリゾナ州メサ)
それでは、民主党はどのようにしてトランプ大統領の岩盤支持層に対抗していけるのでしょうか。結論
から言えば、同大統領の岩盤支持層を切り崩すことは、前でみてきたようにかなりハードルが高いといえ
ます。
前回の米大統領選挙で、ヒラリー・クリントン元国務長官はバーニー・サンダース上院議員(無所属・
バーモント州)に若者を奪われ、彼らを動員することができませんでした。ヒスパニック系(中南米系)
及びアフリカ系もクリントン氏に対して熱意が高かったとは決していえません。
結局クリントン陣営は、若者、ヒスパニック系、アフリカ系及びアジア系を含めた「異文化連合軍」を
形成することができなかったのです。民主党は20年の大統領選挙に向けて、トランプ大統領の岩盤支持層
に対抗する「異文化連合軍」の形成が急務になるといえます。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14425
危ういプーチン政権「やつは国の裏切り者だ」 (ルポ迫真)
2018/11/5 6:52日本経済新聞 電子版
「米国のワシはオリーブを食べつくしたのか」。10月23日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン(66)は米国と旧ソ連が結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を通告するためモスクワを訪れた米大統領補佐官ジョン・ボルトン(69)に問いかけた。米国の国章でオリーブはワシが右足に握る平和の象徴。「オリーブは持ってこなかった」とボルトンが切り返すと「思った通りだ」と笑い声を上げた。
プーチン大統領の工作に欧米は身構える(10月23日、モスクワ)=ロイター
プーチン大統領の工作に欧米は身構える(10月23日、モスクワ)=ロイター
米大統領ドナルド・トランプ(72)は10月20日、冷戦後の核軍縮も支えた同条約をロシアの違反を理由に破棄すると表明、世界に衝撃を与えた。それでも会談は異様なほど和やかな雰囲気で進む。プーチンは11月に首脳会談を開いて協議しようと提案。ボルトンはすかさず「トランプも楽しみにしている」と応じた。
パリで11日に予定する第1次世界大戦終結100年行事でトランプと接触し、首脳会談を定例化する――。ロシア政府は9月からこんなシナリオを模索していた。問題はトランプの対ロ融和姿勢に批判的な米世論を納得させる材料だった。
米国ではトランプとロシアの不透明な関係を巡る疑惑の捜査が続く。7月にヘルシンキで開かれた前回会談では2016年の米大統領選への介入を否定したプーチンにトランプが同調し、世論の集中砲火を浴びた。プーチンに一貫して甘いトランプの言動が疑惑を深め、首脳会談もおいそれと開けない状態だった。
INF問題が潮目を変えた。「核条約を修復するためにプーチンと交渉せよ」。軍拡競争再燃の危機も意識されるなか、ロシア批判の急先鋒(せんぽう)、米紙ワシントン・ポストですら社説で首脳間の協議を促した。
ボルトンは10月26日、国内反応を確かめるのを待ったかのように明かした。「プーチンを来年ワシントンに招待した」
プーチンはかねて核軍縮を米ロ対話の呼び水にしようとしてきた。ロシア政府は10月28日、「戦略的安定に関する新たな条約」の協議を提案した。「やはりプーチンとトランプの間には何かある」。そんな臆測を呼ぶほどプーチンの思惑通りに事が進みつつある。
「シュレーダリゼーション」。欧州外交官の間ではこんな言葉が飛び交う。欧米の制裁対象であるロシア国営石油会社ロスネフチ会長に就任したドイツ前首相ゲアハルト・シュレーダー(74)を引き合いに、各国の有力者がロシアに取り込まれる様を指す。
急速に親ロに傾くオーストリア。与党・国民党の元首相と前財務相はそれぞれロシア大手企業の役員と顧問に就任した。欧州連合(EU)の対ロ制裁の解除を主張するチェコ大統領ミロス・ゼマン(74)の顧問はロシア石油大手の元幹部だ。ロシア主要企業の役員には20人近い欧米の政財界人が名を連ねる。
「対欧米でサイバー攻撃や情報工作を仕掛けてきたロシアは現在、各国で政治家らの取り込みに注力している」。欧州の情報機関当局者が9月、重い口を開いた。ウクライナ侵攻を巡る制裁の解除、19年の欧州議会選もにらんでいるという。「情報機関が協調してロシアの工作を暴き、抑止すべき段階に来ている」。秘密主義で知られる情報機関も声を上げ始めた。
英当局は9月、英南部ソールズベリーで3月に起きたロシア人元スパイ・セルゲイ・スクリパリ(67)の毒殺未遂事件をロシア軍の情報機関(GRU)の犯行と断定し、容疑者2人を公表した。続いて米英、オランダの当局は10月、一斉に毒殺未遂やロシアの組織的なドーピングを調査する国際機関を狙ったサイバー攻撃の実態を公開した。
これが効くかどうか。プーチンはスクリパリを襲った容疑者2人について「民間人だ」「犯罪的なことは何もない」と反論した。その翌日、ロシア国営テレビに出演した2人は仕事はフィットネス関連で、たまたま事件当日に現地を観光で訪れただけだと主張した。
2人の身元はほどなく英調査報道機関により暴かれた。プーチンに最高位の勲章を授与されたGRU大佐とGRU所属の軍医だった。
「(メディアは)スクリパリをまるで人権活動家のように扱っている」。GRU関与が濃厚になるとプーチンは開き直るようにうそぶいた。「やつは(国を裏切った)くそ野郎だ」。プーチンが手を緩める兆しはない。(敬称略)
◇
サイバー攻撃や情報機関の暗躍の疑惑……。世界を揺さぶるプーチン政権の暗部を追った。
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