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サウジアラビアで現国王の弟がイギリスから帰国、皇太子を交代させるとの噂
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810310000/
2018.11.01 櫻井ジャーナル
サウジアラビア国王の弟、アーマド・ビン・アブドルアジズがイギリスから帰国した。モハンマド・ビン・サルマン皇太子を公然と批判している人物で、帰国前に他の王族と会談し、アメリカやイギリスの情報機関から安全を保証されたと伝えられている。 昨年(2017年)6月から皇太子を務めているビン・サルマンはドナルド・トランプ米大統領やイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と近い人物。前皇太子のムハンマド・ビン・ナーイフはヒラリー・クリントンと近かった。この皇太子交代はアメリカの政治状況が反映されていると言える。 ヒラリーは上院議員時代からロッキード・マーティンなど軍需産業、あるいは巨大金融資本を後ろだとし、投機家のジョージ・ソロスから政策面で指示を受けていたことが漏洩した電子メールで判明している。このソロスはロスチャイルド金融資本と結びついている人物で、ロシア/ソ連制圧の切り込み隊長的な存在だ。ビン・ナーイフの後ろ盾もヒラリーと基本的に同じで、CIAとも関係が深いと言われている。 そのビン・ナーイフをビン・サルマンは軟禁していたと言われているが、その後、昨年11月にビン・サルマン皇太子は大規模な粛清を実施、王族、閣僚や元閣僚、軍人などサルマン皇太子のライバルやその支持者と目される人々が拘束された。その前、サウジアラビア国内で戦闘があったと言われ、クーデターが噂されていた。ビン・ナーイフの拘束はCIAを怒らせたとも言われている。 そうした中、昨年10月に皇太子の父親でもあるサルマン国王はロシアを訪問、防空システムS-400の購入で合意したという。これはアメリカ支配層を怒らせることになった。アメリカの軍需産業がTHAADを買わせようとしていたということだけでなく、サルマン国王/ビン・サルマン皇太子がアメリカ離れしようとしているように見えることも原因だろう。 バラク・オバマ政権が仕掛けたシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒す工作が失敗、すでにトルコやカタールは侵略グループから離脱していたが、サウジアラビアがアメリカ離れを始めるとドルを基軸とするアメリカの支配システムが大きく揺らぐ。トランプ政権は中国に経済戦争を仕掛けているが、カタールは天然ガスを中国へ人民元で売る動きを見せ、その中国はアメリカがやはり経済戦争を仕掛けているイランからエネルギー資源を輸入し続けようとしている。アメリカ支配層は攻撃しているつもりで自分の足下を崩し始めたと言えるだろう。 第2次世界大戦後、アメリカはヨーロッパを支配する仕組みとしてNATOを作り上げた。それを理解していたフランスのシャルル・ド・ゴールは1966年にフランス軍はNATOの軍事機構から離脱、翌年にはSHAPE(欧州連合軍最高司令部)をパリから追い出した。NATO加盟国には「テロ」を目的とする秘密部隊が存在することは本ブログでも繰り返し書いてきた。そのネットワークを背後から操っているのがアメリカとイギリスの情報機関。このネットワークはジョン・F・ケネディ大統領暗殺やド・ゴール暗殺未遂に関係したと疑われている。 昨年5月にトランプ大統領はサウジアラビアやイスラエルを訪れたが、その目的のひとつはNATOをモデルにした組織を中東で作る準備をすることにあったとも言われている。中東を支配する新たな仕組みの構築だ。 ジョージ・W・ブッシュ政権によるイラクへの先制攻撃、バラク・オバマ政権によるジハード傭兵を使ったリビアやシリアの体制転覆工作、そしてトランプ政権による中東版NATO案。中東のエネルギー資源を支配することが大きな目的なのだろうが、その結果、中東の権力バランスは崩れ、アメリカの支配システムが揺らいでいる。ビン・サルマンを排除してもこの状況は基本的に変化しないだろう。 |
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