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イギリス 10年に及ぶ緊縮策 終了へ/nhk
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181030/k10011691051000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_015
2018年10月30日 8時12分
イギリスのハモンド財務相は来年度の予算案の概要を発表し、およそ10年にわたって続けてきた緊縮策を終わらせると約束する一方、EU=ヨーロッパ連合との離脱交渉が合意に至らない場合などに備え予算を確保する考えを示しました。
イギリスのハモンド財務相は29日、来年度の予算案の概要について議会で演説しました。
この中でハモンド財務相は、2008年の金融危機以降、緊縮策を続けてきた結果、財政赤字が大幅に改善したなどとして「国民の大変な努力は報われようとしている。緊縮財政の時代は終わりに近づいている」と緊縮策を終わらせることを約束しました。
そして、向こう5年間で国民保険サービスに2050億ポンド、29兆円余りの予算を投じることなどを明らかにしました。
一方、EUからの離脱については「交渉が終わり、先が見通せない状態から抜け出せれば経済的な恩恵も生まれる」としながらも、政府として合意に至らないなどあらゆる可能性に備えるとして、20億ポンド、2800億円余りを離脱予算として用意する考えを示しました。
議会では、今週この予算案について審議が行われますが、メイ政権に閣外協力する政党など政府の離脱交渉の方針に不満を持つ勢力が対決姿勢を強める可能性もあり、緊迫した議論が行われることになりそうです。
大手IT企業にデジタル課税を導入へ
イギリス政府は今回の予算案で大手IT企業を対象にした「デジタル課税」を2020年から導入する方針を明らかにしました。
発表によりますと対象になるのは全世界での売り上げが年間5億ポンド、日本円でおよそ700億円以上の企業で、イギリス向けのデジタル事業の収入に2%の税を課すとしています。
この税は2020年から導入するとしており、狙いについてイギリス政府は「税制を持続可能で公正なものにするためで、イギリスの利用者を対象とした事業に見合う税金を企業が確実に払うようにするため」としています。
対象となる具体的な企業の名前は出していませんが、現地メディアはアマゾンやグーグル、それにフェイスブックなどを標的にしたものだと伝えています。
大手IT企業をめぐっては課税が十分でなく税負担に不公平が生じているとの指摘が出ていて、EU=ヨーロッパ連合もことし3月、EU域内に事業所がなくても売り上げなどが一定の規模を超えた企業に課税する案を発表し、検討を進めています。
米IT企業「イギリスは見直しを」
アマゾンやグーグル、それにフェイスブックなどアメリカの大手IT企業が加盟するロビー団体は29日、コメントを出し「イギリス政府が今回の予算案にデジタル課税を含めたことに失望した。デジタル課税の導入はイギリスへの投資を冷え込ませることになり、多くの企業の雇用に影響しかねない」として、イギリス政府に見直しを求めています。
- ユーロ圏のGDP 減速傾向強まる 英離脱や米中摩擦が背景に〜中央銀行は金融政策で難しいかじ取りを/nhk 仁王像 2018/10/31 06:31:51
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