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ジャマル・カショーギ行方不明事件でトルコへ矛先を向けさせる動き(その1)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810150000/
2018.10.16 櫻井ジャーナル
ジャーナリストのジャマル・カショーギがトルコのイスタンブールにあるサウジアラビア領事館へ入ったのは今年(2018年)10月2日のことだった。それ以来、行方がわからなくなっている。カショーギは領事館で殺され、細かく解体されて運び出されたとトルコの警察当局は主張、それを示す音声を入手していという。伝えられているところによると、カショーギのアップル・ウォッチで録音され、外にいた婚約者へiPhoneで送信されたと言われている。本ブログでも書いたことだが、カショーギが危険な状態にあることをCIAは知っていたが、それを本人に伝えていなかった可能性が高い。
行方不明になる直前、カショーギはワシントン・ポスト紙のコラムニストだったが、その経歴や背景には情報機関が存在している。20歳代の頃、サウジアラビアやアメリカの情報機関、つまりGIP(総合情報庁)やCIA(中央情報局)のエージェントとして活動、ムスリム同胞団のメンバーでもあった。1979年から2001年、9/11の10日前までGIPの長官だったタルキ・ファイサル・アル・サウドの下で活動してたわけだ。
そうした関係からジミー・カーター政権の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーが始めたサウジアラビアでの秘密工作に参加、オサマ・ビン・ラディンとも知り合いになったカショーギはサウジアラビアの奴隷制を支持、ダーイッシュ(イスラム国、IS、ISIS、ISILとも表記)による斬首も賞賛している。
このカショーギはロッキード事件でも登場したサウジアラビアの富豪、アドナン・カショーギの一族に属していると伝えられている。アドナンもGIPやCIAと緊密な関係にあり、父親はサウジアラビア国王だったイブン・サウドの主治医。アドナンの甥にあたるドディ・ファイードはウェールズ公妃ダイアナの恋人として有名だ。ファイードとダイアナは1997年8月31日に自動車事故で死亡した。
ジャマル・カショーギがサウジアラビアを出国した2カ月後、サウジアラビアでは大規模な粛清が行われた。王族、閣僚や元閣僚、軍人などサルマン皇太子のライバルやその支持者と目される人々が拘束されているのだが、その中には1983年から2005年まで駐米大使を務め、05年10月から15年1月にかけて国家安全保障会議事務局長、12年から14年までGIP長官を務めたバンダル・ビン・スルタンも含まれている。この人物はブッシュ家と親しく、「バンダル・ブッシュ」と呼ばれるほどだ。
今回の行方不明事件で責任者だとされているモハメド・ビン・サルマンが皇太子に就任したのは2017年6月。それまではヒラリー・クリントンと近いホマメド・ビン・ナイェフだった。この交代はアメリカにおける大統領選挙の結果が影響したと見られている。(つづく)
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