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米国へのサイバー脅威示すとボルトン補佐官−中国チップハッキングで レノボ大幅下落 米中通商対立の恐怖、中国株は過剰に織込
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/200.html
投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 05 日 15:18:59: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

米国へのサイバー脅威示すとボルトン補佐官−中国チップハッキングで
Toluse Olorunnipa、Billy House
2018年10月5日 9:27 JST
• 中国がマイクロチップを使ってハッキングとブルームバーグ報道
• 大統領が重視する攻撃的サイバー戦略の正しさ裏付け−ボルトン氏
ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は4日、中国による米国へのサイバー攻撃は、トランプ政権が重視する反撃も辞さないサイバー戦略の正しさを裏付けるものだと述べた。ブルームバーグ・ニュースは中国政府がマイクロチップを使って米国のコンピューターネットワークをハッキングしていたと報じた。
  ボルトン補佐官は記者団に、「具体的な機密情報の問題に触れるようなことには言及したくない」と話し、ブルームバーグが報じた中国のハッキングをホワイトハウスが以前から承知していたかどうかの確認を控えた。
 
  その一方で、「サイバー空間や情報技術(IT)分野でわれわれを脅かそうとする中国側の取り組みは、米国にとって対応優先順位が非常に高い。彼らへの反撃、中国がそうしようと考えることさえできないようにする抑止機能の構築は、大統領が承認した攻撃的なサイバー戦略につながるものだ」と指摘した。
原題:Chip Hack a Sign of Chinese Cyber Threats to U.S., Officials Say(抜粋)


 


 


中国、マイクロチップ使ってアマゾンやアップルにハッキング
Jordan Robertson、Michael Riley
2018年10月4日 18:06 JST
• ハッキング攻撃の対象は30社近く、ハードウエアにチップ埋め込み
• アマゾンとアップル、スーパーマイクロはハッキング攻撃否定

Photographer: Victor Prado / Marika Katanuma
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/imzyxM76hGjI/v0/800x-1.jpg

米アマゾン ・ドット・コムは2015年に、エレメンタル・テクノロジーズという新興企業の調査を始めた。今ではアマゾン・プライム・ビデオとして知られる動画ストリーミングサービスを拡大するため、買収することを検討していた。オレゴン州ポートランドを本拠とするエレメンタルは、動画ファイルを圧縮し、異なる機器向けにフォーマットするソフトウエアを作っていた。同社の技術は国際宇宙ステーションとの通信やドローンの映像を中央情報局(CIA)に送ることにも使われていたため、アマゾンの政府関連事業にも役立つと考えられた。
  CIAのために安全性の高いクラウドを構築していたアマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)が、デューデリジェンス(資産評価)の一環としてエレメンタルのセキュリティーを調査した。事情に詳しい関係者が述べた。気になる点が発見され、AWSはエレメンタルの主力製品を詳しく調べることにした。顧客企業が動画圧縮のためにネットワーク内に設置する高性能サーバーだ。これらのサーバーの組み立てをエレメンタルから請け負っていたのがスーパーマイクロ・コンピューターだった。同社はサーバー向けのマザーボードなどの供給で世界最大手の1社。関係者によると、エレメンタルの社員が2015年春の終わりに複数のサーバーを、サードパーティーのセキュリティー会社による検査のためカナダのオンタリオ州に送った。
  

ビジネスウィーク誌(2018年10月8日号)
Photographer: Victor Prado for Bloomberg Businessweek
  すると、サーバーのマザーボード上にコメ粒ほどの大きさのマイクロチップが組み込まれているのが見つかった。ボード本来の設計にはない部品だった。アマゾンが発見を米当局に報告すると、情報関係者の間に衝撃が走った。エレメンタルのサーバーは国防省のデータセンターやCIAのドローンシステム、海軍の艦船間のネットワークに使われていたからだ。しかも、エレメンタルはスーパーマイクロの数百社の顧客の1社にすぎない。
  最高機密の捜査が始まり、3年以上が過ぎた今も完了していないが、捜査官らは問題のチップが操作されたサーバーを含むいかなるネットワークにもアクセスすることを可能にするものだと結論付けた。事情に詳しい複数の関係者によれば、チップの埋め込みは中国の製造下請け会社の工場で成されていた。
  この攻撃は、今では珍しくないウイルスによる攻撃よりも深刻だ。ハードウエアを使ったハッキングは除去するのがより困難な上、被害がより甚大になる場合がある。長期的に密かに相手のネットワークにアクセスできる仕組みは、情報機関が巨額投資と何年をかけても手に入れたいものだ。
  スパイたちがコンピューター機器に変更を加える方法は2つある。1つは製造元から顧客に渡るまでの間に操作すること、もう1つは製造の最初の段階で埋め込むことだ。
  この2番目の方法で特に有利なのが中国だ。世界の携帯電話の75%、パソコンの90%が中国で製造されるているとの見積もりがある。ただ、操作を加えるには製品の設計について十分に理解している人間が工場に入り込んで行わなければならないし、その部品が世界の物流チェーンを通って目標の場所にたどりつかなければ意味がない。ハードウエアハッキングの専門家でグランド・アイデア・スタジオの創業者、ジョー・グランド氏は、国家政府レベルのハードウエアハッキングが成功するのはとても珍しいと述べた。
  しかしこれが、米国の捜査官が発見したことだった。当局者2人よると、チップは製造過程で人民解放軍の1部隊の工作員らによって埋め込まれた。米当局者らはこの事件を、米企業に対して仕掛けられたこれまでで最も重大なサプライチェーン攻撃だとしている。
  1人の当局者によると、最終的に30社近くが攻撃対象となっていたことが分かった。大手銀行1行と政府と契約する業者やアップルも含まれていたという。アップルはスーパーマイクロの重要顧客で、データセンターの新しい世界ネットワークのために2年間で3万台余りのサーバーを注文する計画だった。アップルの社内幹部3人によると、同社も15年夏にスーパーマイクロのマザーボード上に悪質チップを発見。アップルはその翌年、スーパーマイクロとの取引を打ち切ったが、それは別の理由という。
  アマゾンとアップルとスーパーマイクロはブルームバーグ・ビジネスウィークのこの記事について電子メールでコメント。アマゾンは「AWSがサプライチェーン攻撃とハッキング用チップ、ハードウエアへの修正についてエレメンタル買収時に知っていたというのは事実ではない」とし、アップルは「そのようなチップや『ハードウエア操作』、サーバーに意図的に脆弱(ぜいじゃく)性が加えられたと発見したことはないと非常に明確にできる」とした。スーパーマイクロの広報担当、ペリー・ヘイズ氏は「いかなる調査も承知していない」と指摘した。
  中国政府はスーパーマイクロのサーバー操作に関する質問に直接答えることはせず、声明の一部に「サイバースペースでのサプライチェーンの安全性は共通する懸念事項であり、中国も犠牲者だ」と記した。FBIと国家情報長官室(ODNI)はコメントを控えた。
How the Hack Worked, According to U.S. Officials



Illustrator: Scott Gelber
原題:China Used Tiny Chip in Hack That Infiltrated Amazon, Apple(抜粋)


 

レノボ株が09年以来の大幅下落−中国ハッキング報道で
Jeanny Yu
2018年10月5日 11:18 JST

Photographer: Brent Lewin/
中国のPCメーカー、レノボ・グループ株が5日の香港市場で一時23%下げた。2009年1月以来の大きな下落。ブルームバーグは中国がごく小さなチップを使って約30社の米企業を対象にハッキングを図ったと報じた。
原題:Tech Wreck Bleeds Into Asia With Lenovo Tumbling Most Since 2009(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-05/PG3N0B6S972901


 

米中通商対立の恐怖、中国株は過剰に織り込み−ゴールドマン
Christopher Anstey
2018年10月5日 14:56 JST
米国へのエクスポージャーが大きい中国銘柄がアンダーパフォーム
貿易摩擦に対する米国株の反応鈍く、ゴールドマンの見方と整合的
ドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利して以降、米国とビジネス上の関わりが深い中国企業の株価は、現地株式相場を45%アンダーパフォームしている。恐らく貿易摩擦による影響を過剰に織り込んでいると、ゴールドマン・サックス・グループが指摘した。

  ブライアン・チェン、ブレーク・テーラー、デービッド・メリクル各氏らゴールドマンのアナリストは4日のリポートで、米中の通商対立について「より悪い結果による経済的インパクトを踏まえても、中国株の下落が大きくなっているように見える」と分析。「この数カ月は米国へのエクスポージャーを持つ銘柄が著しくアンダーパフォームし、市場全般の反応も強くなっている」と記した。


  米中貿易摩擦が5月に激しくなってから、米国へのエクスポージャーが大きい中国銘柄は市場全般を15%下回っているとゴールドマンは指摘。中国本土株の指標、上海総合指数は6月に弱気相場入りした。

  同行によれば、アジア市場への米中対立の影響も行き過ぎのようだ。「市場の反応は下振れリスクを踏まえた動きのようだが、中国を迂回(うかい)する米国の貿易需要がアジアの輸出を促す潜在的な恩恵を織り込み切れていない可能性がある」と記述した。

  貿易摩擦に対する米国株の反応が薄くなっているほか、中国との結びつきが強い銘柄の伸び悩みもそれほどではなく、ゴールドマンは「米経済へのマクロ経済上の影響は限定的とのわれわれの見通しとおおむね整合的だ」とコメントした。

原題:Goldman Says Trade-Fear Driven Slide in China Has Gone Too Far(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-05/PG41P36JTSEA01  

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コメント
1. 2018年10月05日 15:25:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1602] 報告
WSJ社説】
ロシアのサイバー犯罪者たち
プーチン大統領のスパイたちの行為が世界で暴かれた

記者会見場に置かれた米FBIの指名手配犯のポスター。司法省はロシア人のハッキング容疑者7人を起訴した(4日、ワシントン)

2018 年 10 月 5 日 10:35 JST

 ロシアのサイバー攻撃によるスパイ行為に関して、複数の国の政府は4日、互いに連携して新たな情報を一斉に公表した。この中には、ロシアの情報機関のエージェント7人を米司法省が起訴した件も含まれている。各国当局は通常なら覆い隠されているはずのスパイ防止活動の秘密のベールを取り去ることで、広く警鐘を鳴らした。

 米司法省は起訴状の中で、スポーツ界の複数の反ドーピング機関とウェスティングハウス・エレクトリック社に対するハッキングを行ったとして、ロシアの情報機関、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の7人のエージェントの名を公表した。身体能力を高めるために禁止薬物を使用したロシアのアスリートらへの捜査に対する報復措置として、GRUは何百人もの他のアスリートのオンラインデータを盗み出した。こうした行為の中には、リオデジャネイロにエージェントを派遣し、ある会議で反ドーピング当局者のコンピューターをハッキングしたというものまであった。その後、GRUは秘密情報をリークし、罪のない男女のアスリートらを当惑させた。

 また、オランダ政府は、ロシアのエージェント4人が今年4月、ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)の無線ネットワークをハッキングしようとしたことを明らかにした。この計画は、レンタカー内に高性能機器を設置し、駐車場からビル内のオフィスに設置されたコンピューター間の無線通信を傍受するというものだった。

 当時、OPCWは英国で起きたロシアの元二重スパイ暗殺未遂事件で、ロシアが神経ガスを使用した可能性について捜査していた。この事件では罪のない民間人1人が死亡している。OPCWはまた、ロシアの支援を受けているシリア政府による化学兵器使用についても調査していた。

 オランダ当局がロシアのエージェントを逮捕しなければ、彼らはスイスにあるOPCW傘下の研究機関に向かっていた可能性がある。英国政府によれば、ほぼ同時期に同国外務省と英軍化学兵器研究機関のポートンダウン研究所も、未遂にとどまったもののロシアのサイバー攻撃目標だった。

 当局者は一部の機器についてマレーシアとの関連を指摘、2014年にウクライナ東部の親ロシア派支配地域の上空でマレーシア航空17便がミサイルで撃墜された事件の調査に使用されたコンピューターへのハッキング未遂事件についても、ロシアが関与している可能性を示唆した。明らかにロシアは同国の犯罪活動について他国政府が知っている内容に関心がある。

 スパイ防止活動を一般市民に過度にさらすことについては、以前から嫌悪感が存在し、その感情はしばしば正当な理由のあるものだったが、今回、関係国政府がすべての事例を公表したことは正しい。サイバー犯罪に関する技術面での複雑さは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のようなならず者の指導者に隠れ場所を与え、さらに欧米諸国の同情的な指導者に事態をあいまいにしたり、言い訳したりする余地を提供するからだ。

 4日の関係国による公表は、サイバー空間に広がる脅威の本当の大きさを市民に知らせたいという意思が欧米政府の間で拡大している結果であり、有権者がこれを知るのは重要なことだ。プーチン大統領は厄介者の範囲を超えているが、正体を暴露できないわけではない。

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米司法省がロシア軍士官7人を起訴 サイバー攻撃関与で
2006年11月、GRU本部を視察するロシアのプーチン大統領(前方左)
By Max Colchester and Aruna Viswanatha
2018 年 10 月 5 日 00:30 JST

 米司法省は4日、一連のサイバー攻撃に関与した罪で、ロシア軍士官7人を起訴したと発表した。ロシアの組織的なドーピング疑惑を暴いた機関への攻撃も含まれるとしている。

 被告のうち3人は、2016年の米大統領選を前に、米民主党のサーバーにハッカー攻撃を仕掛け情報を盗んだとして、ロバート・モラー特別検察官からすでに起訴されている。司法省当局者によると、今回の起訴はモラー氏の捜査を受けたものではない。

 これに先立ち、英国とオランダ政府は、ロシア軍の情報機関(通称GRU)によるサイバー攻撃を確認したと発表。オランダ情報当局は、同国ハーグに本部がある化学兵器禁止機関(OPCW)に対するロシアのサイバー攻撃を阻止したとしている。

 英政府はGRUによるサイバー攻撃の事例として、米民主党全国委員会(DNC)の電子メールや、米国など他国のスポーツ選手のドーピング検査結果の流出事件を指摘していた。

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米、新たな対テロ戦略発表 国境管理強化など「米国第一」前面
ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は米国のテロ対策について、非動的手段をより重視していくと述べた

By Warren P. Strobel
2018 年 10 月 5 日 10:16 JST

 【ワシントン】米ホワイトハウスは4日、新たな対テロ戦略を発表した。大規模な新規軍事作戦の実施ではなく、国境管理の強化や暴力的なイデオロギーへの対処を重視する「米国第一主義」的な施策の概要を示した。

 この戦略には、過激派組織「イスラム国(IS)」や国際テロ組織「アルカイダ」、イランが支援する武装組織、米国内で過激化したテロリストなどによる脅威に対し、米国の巨大な軍事・治安機関がどう対処すべきかを規定する狙いがある。

 対テロ戦略をまとめた34ページの文書には「(この戦略は)米国を第一に据え、強固な国境の構築、米国への入口となる全ての港の安全強化、基幹インフラの保護、準備態勢確立への支援など、国土の安全確保に重点を置いている」と記されている。

 トランプ政権は、オバマ前政権が始めたISへの軍事作戦を続け、イラクやシリア、アフガニスタン、西アフリカなどでの米軍駐留を継続している。

 だが、トランプ氏は多額の費用がかかる米軍駐留に批判的で、IS戦闘員の一部が残るシリアに約2000人規模での展開を維持するよう顧問らがトランプ氏を説得する必要があったと関係者らは述べている。


寄稿】米国にとって負けが許されない貿易戦争
中国江蘇省無錫市にある繊維工場(9月16日)

By Jeff Moon
2018 年 10 月 4 日 13:19 JST

――ジェフ・ムーン氏は中国の貿易コンサルタントで、米通商代表部(USTR)の中国担当アシスタントを務めたことがある

***

 ドナルド・トランプ米大統領は、中国との貿易戦争で、賭け金を極めて高くしており、もはや負けは許されない状況にある。仮にトランプ氏が、中国の重商主義的貿易手法の大幅かつ検証可能な改革を保証する合意を何も達成できずに交渉を終えれば、中国における米企業の事業を、今後長年にわたって危険にさらすことになるだろう。

 最近の北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉と似たような、単に現状維持に若干手を加えた程度の合意になれば、政治面、経済面での長期的な破滅を招くだろう。中国側は、トランプ後の米国の大統領が、貿易問題でトランプ氏に匹敵するようなレトリックと政治的関与を示す可能性は小さいことを知っている。中国政府は、トランプ氏の脅しが一部でも実現しない場合には、それを米国の貿易面での要求に屈する必要が全くないことの証しと解釈するだろう。中国が、米国による最大限の経済的圧力に耐えうることを示したと言えるからだ。中国の指導者らは、中国市場をこじ開けようとする米国の最大限の努力に、抗いきったと結論付けるだろう。そして彼らは、その差別的な貿易慣行と産業政策を永遠に継続する自由を得たと考えるだろう。

 歴史はわれわれに教訓を与える。ビル・クリントン元大統領は、天安門事件後、中国の人権問題で進展がない限り、同国に貿易面での最恵国待遇を与えないと脅した。多くの論争を経て、クリントン氏は自分が強く出過ぎたことを実感した。クリントン氏は1994年に折れ、人権をめぐる米国の対中圧力の限界点を明示してしまった。これを受け、この問題は二国間関係の片隅にまで追いやられ、現在は、トランプ政権が人権問題を提起したとしても、付け足し程度になっている。

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 米国の産業界はこの前例を十分に認識していないように見える上に、将来のリスクを過小評価している。産業団体および貿易団体はトランプ氏の関税政策に強く反対しており、大統領に関税撤回の圧力をかけることで、短期的な痛みを回避することを望んでいる。だが、貿易戦争が長期的にもたらし得る利害は今や、大きくなっている。トランプ氏がこの紛争を後戻りできないところにまでエスカレートさせたからだ。トランプ氏が中国に売ったけんかを、何の成果もないまま、あるいはわずかな成果で終わらせれば、同氏はあるシグナルを送ることになる。つまり、中国は長年にわたる要求をいつまでも無視できる、中国市場で米企業が公平な競争の場に立てるよう求めるいかなる脅しも同様だ、というシグナルだ。

 願い事は慎重にすべし、その願いが現実になるかもしれないから。トランプ氏はその格言を地で行っている。自らが強く願っていた貿易戦争に直面するトランプ氏は、米中貿易をめぐる賭けで、最終的な責任を負っている。トランプ氏は勝たなくてはならない。さもなくば――。

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米副大統領、中国を痛烈批判へ 選挙介入巡り
マイク・ペンス米副大統領
マイク・ペンス米副大統領 PHOTO: TASOS KATOPODIS/EPA-EFE/REX/EPA/SHUTTERSTOCK
By Michael C. Bender
2018 年 10 月 4 日 13:47 JST

 【ワシントン】マイク・ペンス米副大統領は4日に予定される演説で、中国政府が米国の中間選挙や世界政治に影響を与えようとしているとして痛烈に批判する。

 ホワイトハウスが提供した演説原稿の抜粋によると、先週ドナルド・トランプ大統領が国連で展開した主張を拡大させるような内容だ。トランプ氏は、米国の厳しい貿易政策を阻止し自身を大統領職から追いやるため、中国が今秋の米中間選挙に介入していると非難していた。

 米政府当局者らによるとペンス氏の演説は、トランプ大統領と習近平国家主席の良好な関係には限界があると中国政府に示すシグナルだという。原稿の抜粋は中国政府に対する新たな措置には言及していないが、世界的に影響力を拡大させようとする国の不気味な様相を表現している。

 ペンス氏は演説で「中国政府は秘密工作員、偽装団体、プロパガンダ機関を動員し、中国政策に対する米国人の見方を変えようとしている」と指摘した上で、「わが国の情報機関高官が最近私に教えてくれたように、中国がこの国のあちこちで行っていることと比べれば、ロシアが行っていることは大したことではない」と述べる。

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グーグルの中国向けアプリに「待った」=米副大統領
マイク・ペンス米副大統領(4日)
マイク・ペンス米副大統領(4日) PHOTO: JOSHUA ROBERTS/BLOOMBERG NEWS
By Michael C. Bender and Dustin Volz
2018 年 10 月 5 日 07:34 JST

 【ワシントン】マイク・ペンス米副大統領は4日、アルファベット傘下グーグルに対し、中国再参入に向けた検索アプリの開発を停止するよう求めた。中国当局による検閲を強化することになると主張している。

 ペンス氏は、ワシントンの保守系シンクタンク、ハドソン研究所で行った講演で、トランプ政権が中国に対して抱える様々な不平不満を表明。知的財産権の強制移管や「中国当局の抑圧ほう助」などに絡み、中国に進出する企業に対し事業慣行を見直すよう求めた。

 その上で「例えば、グーグルは今すぐ、『ドラゴンフライ』アプリの開発を止めるべきだ」とし、ドラゴンフライは「中国共産党の検閲を強化し、中国人顧客のプライバシーを侵害することにつながる」と述べた。

 グーグルは目下、ドラゴンフライと称したプロジェクトの一環として、中国当局の検閲に対応したモバイル向け検索エンジンの試験を行っている。同プロジェクトに関しては、超党派の上院議員団から厳しい追及を受けているが、トランプ政権が公の場で非難するのは、ペンス氏の発言が初めて。

 グーグルの広報担当はペンス氏の発言に関するコメントを控え、まだ検討段階で「中国で検索サービスを立ち上げるには程遠い」とする従来の声明に言及した。

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中国の巨大市場への近道:「代購」ビジネス
本土向けに商品購入を代行する中国人バイヤー、豪州で急増のわけ
「代購ハブ」と銘打ったAuMakeのシドニーの店舗

By Mike Cherney
2018 年 10 月 5 日 07:57 JST

 【シドニー】英蘭系食品・日用品大手ユニリーバは、オーストラリアで販売する即席スープのブランドを、中国市場で売れ筋トップの商品にしたいと考えている。だが北京で広告キャンペーンを展開する代わりに、シドニーで暮らす中国人の住民に無料サンプルを配っている。彼らが商品を購入し、中国の家族や友人、他の消費者に発送することを期待しているのだ。

 豪州に滞在する中国人バイヤーは「代購」と呼ばれる。学生や観光客が不定期に自国へ荷物を送っていたのが始まりだが、そのうちパートタイムやフルタイムで商品購入を代行する仕事へと発展した。高い利益マージンで荒稼ぎするバイヤーも多い。

 今やユニリーバのような企業は、直接「代購」に商品を売り込むようになった。中国国内に倉庫や配送網を持つ必要がなく、低コストの販売ルートとなるからだ。しかし、欧米の著名ブランドでさえ、中国では無名に近い企業も多く、成功が保証されているわけではない。代購や彼らの中国の顧客に対し、自社商品がいかに高品質で本物であるかを納得させる必要がある。

 「代購はここでは卸売業のような役割を果たす」と市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルのシドニー駐在コンサルタント、ジュリア・イレラ氏は指摘。中国で「ブランドを生かすも殺すも」彼ら次第だと話す。

AuMakeの店舗で商品をチェックするウィニー・チエンさん(23)

 代購を通じた正確な売上高を知ることは難しい。食料品店やドラッグストアなどで商品を日々購入するバイヤーが多いからだ。ただ、豪州で中国人観光客と代購に特化した店舗を展開するエーユーメイク・インターナショナルのケオン・チャン会長が示した推計では、年間10億豪ドル(約800億円)を超える可能性がある。

 代購に売り込めば、中国市場で展開する従来型の広告キャンペーンに比べ、すぐに効果が出やすいと考えられる。中国の消費者は、海外から直接出荷したと分かる商品には、より高い金額を払うことをいとわない。2008年に社会問題となった粉ミルクのメラミン混入など相次ぐ不祥事で、国内製品に対する不安が高まったことが背景にある。また中国の消費者は、海外で人気の高い商品についての情報を代購に頼っている。

 ミルク汚染が発覚した後、需要があまりに旺盛なため、豪州のスーパーマーケットは個人が買える粉ミルクの量を制限したほどだ。このほか代購が扱う人気商品には、栄養補助食品(サプリメント)、化粧品、ムートンのブーツやジャケットなどがある。

 一方で、リスクも大きい。ベラミーズ・オーストラリア社製の粉ミルクは中国国内で供給過剰となり、中国の通販サイトは値下げを余儀なくされた。その結果、ベラミーズ社の製品で利ざやを稼げなくなった代購の多くが、他のブランドに切り替えた。これで同社の業績は落ち込み、2016年12月に株価が50%近く急落。最高経営責任者(CEO)はその後辞任した。

市場開拓に熱心なバイヤー

 「代購」は世界中にある仕組みだが、豪州が注目されるのは近年、中国人観光客や留学生が同国に押し寄せているからだ。豪観光局によると、中国から同国を訪れる旅行客は昨年130万人を超え、前年比12%増となった。また2016年の国勢調査によると、中国本土生まれの約51万人が豪州に住んでいる。この数は2011年から60%増えた。

中国の巨大市場への近道:「代購」ビジネス
 チャン氏が経営するエーユーメイクは今年、「代購ハブ」と銘打つ店舗をシドニーに開業した。豊富な品ぞろえの中から商品を購入し、店内で中国向けに発送できる。そのほかカフェを備え、オーガニック化粧品ブランド「ジュリーク」のような豪企業が、講習会や無料サンプルを提供するスペースもある。

 中国語を話すジュリークの従業員が新製品についてプレゼンテーションを行っている最中、2人の参加者がスマートフォンを使って動画を撮影していた。恐らく中国の顧客がオンラインで視聴するためのものだろう。また、ジュリークの従業員と一緒に写真を撮るため、バイヤーたちが列をなす場面もあった。その1人、学生のウィニー・チエンさん(23)は主に中国にいる両親や祖父母のために商品を購入するが、代購ビジネスをもっと広げたいと考えている。

 「顧客に信頼してもらう必要がある」とチエンさんは話す。中国の人気対話アプリ「微信(ウィーチャット)」にここで撮影した写真を投稿するつもりだ。そうすれば「私たちが本物のジュリークを購入していること、商品をよく理解していること」が分かるはずだと話す。

 ユニリーバは「代購」戦略については発言を控えた。だが最近のある午後、シドニー北部の同社オフィスに約10人のバイヤーが集まり、豪州で販売する即席スープ「コンチネンタル」や紅茶ブランドのサンプルを試していた。ある代購はオフィスで働く若者にはこのスープが受けるかもしれないと感想を述べた。一方で、中国の年配者は一から自家製スープを作ることを好むだろうと語った。

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「米国第一主義」の限界、新NAFTAが示す
議会・企業・カナダからの抵抗がトランプ大統領の影響力を抑制
合意に達した新NAFTAについて話す米USTRのライトハイザー代表(1日、ワシントン)
合意に達した新NAFTAについて話す米USTRのライトハイザー代表(1日、ワシントン) PHOTO: ANDREW HARRER/BLOOMBERG NEWS
By Greg Ip
2018 年 10 月 4 日 10:27 JST 更新

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

***

 自由貿易の信奉者にとって、北米自由貿易協定(NAFTA)の改定版は受け入れ難いものだろう。新NAFTAは自動車分野で管理貿易を導入し、企業の海外での権利を弱め、国家安全保障を関税の口実とすることを常態化した。知的財産権や労働者の権利など、新協定に盛り込まれた多くの改善点は、ドナルド・トランプ米大統領が離脱を決めた12カ国の環太平洋経済連携協定(TPP)にもともと含まれていたものだ。

 しかし、別の観点から見れば、評価は異なってくる。その観点とは、記憶する限り最も保護主義的な米政権の下で、世界の貿易システムがいかにして生き延びたのかというものだ。新協定は、トランプ氏の「米国第一主義」のアジェンダの限界と、既存の秩序の潜在的回復力を示した。なぜそうなったのだろうか。トランプ氏が直面した議会、産業界、自らのアドバイザーたち、そして貿易相手国からの抵抗が、同氏の影響力を抑制したからだ。同じことは将来も起こりうる。

 米国は最初の段階から、全てのカードを握っていた。つまり、メキシコとカナダの対米輸出依存度は、逆方向の依存度と比べはるかに大きかった。トランプ氏は、それ以前の大統領らが持っていた貿易協定への愛着を、協定自体の有用性という点でも、外交ツールとしても、共有していなかった。NAFTA、米韓自由貿易協定、そして世界貿易機関(WTO)でさえも見限るという彼の脅しは、見せかけではなかった。彼は、洗濯機、ソーラーパネル、鉄鋼、アルミニウムへの一方的関税によってそれを証明した。米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表が1日、記者団に語ったところによれば、トランプ氏は同代表に対し「歴史上これまでUSTRが享受したことのないような支援を、私は君に与える」と伝えたという。ライトハイザー氏は「そして、彼はそれを実行した」と語った。

 しかし、新たに合意された米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)は、結果的に以前のNAFTAと非常によく似ている。メキシコの唯一の重要な譲歩は、自動車と自動車部品の分野におけるものだ。同分野の新たなルールでは、北米での生産比率をより大きくし、労働者の賃金を上げることと、対米輸出台数が260万台を超えた場合に関税を課す可能性が規定された。

 だが、こうした自動車に関する取り決めは、実質的にほとんど重要性を持たないかもしれない。英調査会社LMCオートモーティブのジェフ・シュスター氏によると、現在フォルクスワーゲン(VW)やマツダ、その他数社のメーカーがメキシコで生産している低価格モデルの一部は、免税輸入の対象でなくなる可能性がある。しかし、これらのメーカーは生産を米国に移すのではなく、単純に2.5%の関税を払う対応を取る可能性があるという。これは、米国の(とりわけ低所得の)消費者に打撃を与える上、米国の労働者を助けることにもならない。

Nafta 2.0: What Is It, What's Different

米国とカナダは9月30日深夜、交渉期限を迎える直前になってNAFTAの改定協議で合意した。新貿易協定では何が変わるのか(英語音声のみ) Photo: Getty Images.
 輸出制限措置は、メーカーにメキシコでの生産能力拡大を思いとどまらせるかもしれないが、現在の出荷には影響しないだろう。米国の自動車需要が停滞しているからだ。カナダも輸出制限に直面するが、現在の輸出台数を大きく超える数字であるため、これに束縛される公算はかなり小さい。これは、韓国との新たな協定を想起させる。韓国との新協定は、韓国の安全基準に従う必要のない米国車の輸入上限を2倍にするという内容だが、それ以前に設定されていた上限に達したメーカーは、これまでもなかった。

 米国は、メキシコとの合意後、カナダに署名を迫り、さもなければ置き去りにされると警告した。しかし、1988年に最初の貿易協定を結んだときから容易に譲歩しないことで知られるカナダの交渉担当者は、屈しなかった。カナダにはまた、米国の州知事、上下両院の議員および産業団体に、粘り強く関係を深めてきた仲間がいた。

 ロン・ジョンソン上院議員(共和、ウィスコンシン州)は、合意にメキシコだけでなく、カナダを含めるべきだとトランプ氏のアドバイザーらに主張していた。同議員は、「鉄鋼とアルミニウムの関税措置によって企業が実際に何を経験したのか、北米で自由貿易圏を維持できなかった場合に何が起こるのか」について語ったという。同議員の選挙区の有権者は、トランプ氏が中国の知的財産権侵害を取り締まったことを称賛したが、カナダとメキシコを中国と同じようには見ていなかった。ウィスコンシン州の農家は昨年、カナダが米国産限外ろ過牛乳(主にチーズの原料となる)の輸入を阻止したことに動揺した。だが、同議員によれば、カナダ大使がウィスコンシン州にあるカナダの加工業者にその牛乳の購入を打診し、米国の農家が売り上げを失わないようにしてくれたという。

 米国の交渉担当者がカナダ抜きで協議を進めても、議会がメキシコのみの合意を承認しないことが真のリスクだった。特に、11月の中間選挙で民主党が下院を支配した場合、その可能性は高かった。

 このリスクが今回の交渉結果にどの程度影響したのかは不明だ。カナダは最終的にこれまで強く保護してきた乳製品市場に米国の参入拡大を認めることで大きな譲歩を行った。しかしカナダは既にTPPでも欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)でもこうした譲歩を行っており、米国との交渉で妥協する準備はできていた。対する米国はこれまで保護してきたピーナツバター、砂糖市場への輸入品の参入拡大を認めた。従ってこれは消費者のためになる自由貿易の真の勝利といえる。

 一方、カナダは(NAFTAに盛り込まれている)2国間の紛争処理制度を維持するという主要優先項目において成功を収めた。同制度は米国の反ダンピング(不当廉売)、報復関税適用決定を覆すことができる。これはライトハイザーUSTR代表が行った注目すべき譲歩だった。同代表はかつて弁護士として同制度に基づく保護措置を求めた複数の企業の代理人を務めたが、(米国での決定)が紛争処理委員会で覆された経験がある。このため以前から同制度が米国の主権を侵害するものだと批判してきた。

 今回の交渉結果は、今後の貿易交渉にとって重要な教訓となった。トランプ大統領は近く、日本、EUとの間で鉄鋼、自動車をめぐる交渉を行う。しかし、交渉に向けての彼の影響力は、自国内でのコスト上昇や海外での報復措置で打撃を受ける米国内の輸出業者とビジネス界からの圧力、これに伴う議会からの抵抗により抑制気味のものとなる(ただし、議会が中国について同情することはほとんどなく、中国との交渉には当てはまらないだろう)。一方、世界貿易機関(WTO)の見直しを要求するトランプ大統領の警告は、米議会からNAFTA撤廃警告の場合以上に強い抵抗を受ける公算が大きい。そしてトランプ大統領は来年のどこかで議会に対し、USMCAの承認を求めなければならない。その時、この種の貿易取り決めをこれまで長期間にわたって攻撃してきたトランプ大統領は、こうした協定を熱心に称賛している自分の姿に気付くだろう。

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新協定は貿易と経済成長にとっては現行協定より劣る内容だ
新NAFTAは貿易と経済成長にとっては現行協定よりも劣る。写真はカナダ・ブリティッシュコロンビア州サリーのフレーザ−・サリー・ドック(9月6日)
新NAFTAは貿易と経済成長にとっては現行協定よりも劣る。写真はカナダ・ブリティッシュコロンビア州サリーのフレーザ−・サリー・ドック(9月6日) PHOTO: JAMES MACDONALD/BLOOMBERG NEWS
2018 年 10 月 3 日 15:30 JST

 米国とメキシコで大筋合意していた北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定にカナダも加わることが決まった。安堵(あんど)感から米国株は上昇した。新協定の主なメリットは、ドナルド・トランプ米大統領の主要な保護主義的な公約の1つが詰め込まれていることだ。ただ、新NAFTAは貿易と経済成長にとっては現行協定よりも劣る内容だ。

 それと新協定をNAFTA 2.0とは呼ばないように。トランプ氏は主要公約の1つを果たしたことを誇示すべく、新協定を「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」と呼んでいる。この点に関して、米国が一方的に協定から離脱していた場合の大損害を避けられたのは良かった。

 しかし、新協定は下記のグラフが示す通り、正当性を裏付けるものというよりも安堵感をもたらすものだ。株価はトランプ氏が世界中で手当たり次第に貿易紛争を仕掛け始める前の1月に付けた最高値をようやく更新した。市場は過去9カ月、トランプ氏の貿易に対する血気盛んな言動に一部呼応して上下してきた。市場が着実に上昇し始めたのは、トランプ氏が欧州との通商協議に合意し、側近らにNAFTA再交渉の妥結を命じてからだ。

 カナダの参加はとりわけ不可欠であり、土壇場での合意は一歩前進だ。米農家にとって大きな収穫は、カナダが特定の乳製品に対する割当枠と価格制度の撤廃に合意したことだ。ただし、カナダの乳製品市場における米国のシェアに対する全体的な割当枠については、増加するのは1ポイントにも満たない程度だ。またカナダの輸出乳製品には新たな税金が課され、生産者は市場価格を下回る輸出価格を設定しにくくなる可能性がある。

 その代わり、トランプ政権はNAFTA第19章と20章に定められた紛争解決制度を維持することには合意した。これは賢明な判断だ。新協定でも近隣国から課された反ダンピング(不当廉売)関税や相殺関税に異議を申し立てる権利は保持される。国家間紛争を解決するパネルも残される。これはカナダにとって不可欠だ。これがあれば、米国の他の法律を利用し、木材など輸入品との競争を阻害しようとする多くの保護主義派の米ロビー団体を避けられる。

S&P500種指数の年初来推移
Source: SIX
メキシコと米国がNAFTA再交渉で合意
トランプ氏がメキシコに貿易代表団を派遣
対中制裁強化をWSJが報道
鉄鋼・アルミ関税
洗濯機・太陽光パネル関税

 3国間協定には8月に米・メキシコ間で合意した協定のほとんどの細目も盛り込まれるが、この多くは新たな経済的現状に基づいて協定を現代化するために重要なものだ。デジタル貿易、金融サービス、知的財産に関する章がそれに当たるほか、メキシコの通信やエネルギーに対する投資規則が明確化されている点も重要だ。

 新協定では遺伝子組み換え作物を区別することが禁じられるほか、バイオ医薬品のデータ保護期間が倍の10年に延長される。またトランプ氏は、5年ごとに更新しなければ協定が自動失効する「サンセット条項」導入を要求していたが、これについても自由貿易擁護派が勝利した。協定の期限を16年間に延長し、6年ごとに見直しを行う案で妥協された。依然として不要な不確定要素は増えるが、新規投資に致命的というほどではないだろう。

 朗報については、だいたいこれで語り尽くした。新協定は大半の外国人投資家にとって、政府の収奪的な態度から身を守るすべを奪うものだ。メキシコでは多国間紛争解決パネルを利用できるのは石油、ガス、電気、通信、輸送、公共事業だけだ。それ以外の当事者は財産が直接没収された場合でない限り、現地の裁判所を通じて解決するしかない。これは現状より悪い内容だ。

 また新協定では新たな原産地規則や労働規制が課され、貿易が大幅に政治的に管理されることになる。輸入乗用車には、最終製品と部品の双方が従来よりも高い北米調達率を満たしていない限り、関税が課される。これは北米で自動車を組み立てるコストと複雑さを増幅させ、最終製品の世界的な競争力を低下させることになる。

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 さらに悪いのは、貿易協定を利用してメキシコの最低賃金と労働政策が決められる可能性があることだ。メキシコに拠点を置く自動車会社は関税を免除されるには生産量の40%について市場賃金を大幅に上回る賃金を払う必要がある。フォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)は甘んじてこれを受け入れており、恐らくうまくやっていけるだろう。しかし、われわれが尊敬する一部の人たちは、最終的に自動車生産は北米から追いやられると考えている。

 メキシコとカナダは、米通商拡大法232条に基づく「国家安全保障」を理由とした自動車関税についても一定の保険を確保した。この関税が発動された場合、メキシコは年間260万台までは非課税で米国に自動車を輸出できる。昨年の乗用車の対米輸出台数は170万台だったため、メキシコが輸出を増やす余地は残る。しかし、関税が懲罰だとすれば、この新規則は輸入制限枠として機能することになる。ところで、新協定で合意したにもかかわらず、トランプ氏がカナダからの輸入鉄鋼製品とアルミニウム製品それぞれに課した25%と10%の関税は引き続き解除されない。

***

 この新協定が米議会を通過できるかどうかは、細則にじっくり目を通してみなければ分からない。トランプ氏が、上院で過半数の賛成票を確保すれば済む貿易促進権限(TPA)法の適用を放棄すれば、年内の批准も可能かもしれない。だが採決は来年にもつれ込む可能性が高い。そのときには民主党が議会を支配しているかもしれない。

 ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表はトランプ氏に対し、新たな賃金・労働組合規則を盛り込むことで労組を引き入れ、民主党をうまく説き伏せたとトランプ氏に伝えてきた。しかし、全米自動車労働組合(UAW)でさえ、判断を保留するとしている。オバマ政権時代に成立したTPA法の延長を巡る下院の採決で、賛成票を投じた民主党議員はほんの一握りだ。下院民主党トップのナンシー・ペロシ院内総務が貿易問題に関する政治的勝利をトランプ氏に与えることなどあるだろうか?

 一方、米企業はNAFTAよりも内容が劣る協定に対して恐らく態度を決めかねるだろう。共和党の自由貿易擁護派も現状を好むだろう。トランプ氏の保護主義に対する考え方からすれば、新協定はもっと悪い内容になっていた可能性がある。しかし、新協定に関して褒める点があるとすれば、せいぜいその程度だ。

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2. 2018年10月05日 15:30:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1603] 報告
ワールド2018年10月5日 / 12:17 / 2時間前更新
中国は米防衛産業への「重大リスク」、米国防総省が警告
2 分で読む

[ワシントン 4日 ロイター] - 米軍にとって重要度の高い物資の供給において中国が「重大かつ高まりつつあるリスク」になっていると考えられていることが、米国防総省が主導してまとめた報告書によって明らかになった。ロイターが4日に報告書の内容を確認した。

150ページ近くにわたる報告書は5日に正式に公表される。報告書は、米軍に必要不可欠な材料・部品に影響を与え得る脆弱性が300近くあると結論付けている。

ロイターは、米国防総省が主導して実施した調査の結果について最初に報じており、米軍が重要部品の調達で中国をはじめとする諸外国に依存している事例が多くあることが明らかになっている。

今回の報告書には、重要度の高い業種での直接投資引き上げなど、米産業を強化するための複数の提言が含まれた。具体策は機密扱いの補足資料に含まれている。

報告書は、米軍で利用されている重要なレアアース(希土類)の世界的な供給を中国が独占していることや、特定の電子製品や米軍の武器で使われる化学物質における中国の国際的な地位に触れるなど、中国に焦点を当てる内容となっている。

報告書は「米国の国家安全保障にとって戦略性があり重要と見なされている材料や技術の供給に対して、中国が重大かつ高まりつつあるリスクになっているというのが主要な結論だ」とした。

報告書は米産業の脆弱性の要因となっている米国側の欠点にも言及。変動の激しい国防予算が企業に政府需要の予測を困難にしているなどの例を挙げた。

防衛コンサルタントのローレン・トンプソン氏は文書で「報告書の分析によって市場が動く可能性は低いが、国内外の要因で引き起こされた米産業の衰退について警鐘を鳴らす内容」とした。

米政権の高官は匿名を条件に記者団に、米軍の調達を強化するための新たな措置について説明。希少物資の備蓄やリチウム海水電池などの重要物資の国内生産能力の引き上げが含まれるという。

報告書によると、世界のプリント基板の90%はアジアで製造されており、その半分以上を中国が占めている。

「高度な基板生産の海外シフトによって(国防総省は)利用する製品の原産地を把握できなくなるリスクがある」と指摘。

同省は従来より、電子回路の内部にあるトランジスタに「キル・スイッチ」と呼ばれる停止機能を埋め込むことで、紛争の際に米国の重要なシステムを停止することが可能になるリスクについて懸念を示してきた。報告書は「『トロイの木馬』チップやウイルスが米防衛システムに潜入するリスク」にも触れている。
https://jp.reuters.com/article/pentagon-china-defense-industry-idJPKCN1MF070

 


 

ペンス副大統領が民主主義に干渉と中国を厳しく非難、マイクロチップを埋め込みで
Toluse Olorunnipa、David Tweed
2018年10月4日 17:02 JST 更新日時 2018年10月5日 5:15 JST
グーグルに「ドラゴンフライ」プロジェクトの中止呼び掛け
貿易摩擦が中間選挙に陰を落とす中、強硬姿勢を強調
ペンス米副大統領は中国が米国の選挙に介入していると主張。米政府高官の発言としては、過去に例を見ない強硬な表現で中国批判を展開した。貿易懸念が11月の米中間選挙に重くのしかかる中、米国は中国に対する強い姿勢を見せようとしている。

  副大統領は4日、ワシントンのハドソン研究所で演説。中国は米国の世論操作を目的に、スパイや関税、強硬措置、宣伝工作など「政府ぐるみの取り組み」に従事していると非難した。

  「疑いの余地はない。中国は米国の民主主義に干渉している」とペンス氏は述べた。


ペンス米副大統領Andrew Harrer / Bloomberg
  「中国政府は、中国の政策に関する米国民の認識を変えるため、密偵や偽装団体、プロパガンダを動員している。中国の全米での行動に比べたら、ロシアのそうした活動は大したことないと、われわれの情報機関の上級職1人が私に語った」と、ペンス氏は述べた。

  ペンス副大統領はさらに、アルファベット傘下のグーグルが計画する「ドラゴンフライ」の中止を呼び掛けた。ドラゴンフライは、中国政府が問題視する検索結果を表示しないモバイル検索アプリを開発するプロジェクトに付けられたコードネーム。「中国共産党の検閲を強化し、中国ユーザーのプライバシーを侵害する」と述べた。

原題:Pence Casts China as Republican Campaign Foe in Harsh Speech(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-04/PG2CS16KLVR401?srnd=cojp-v2

 

東京外為市場ニュース2018年10月5日 / 15:04 / 24分前更新
中国・香港株式市場・前場=香港株一段安、レノボが急落
1 分で読む

[5日 ロイター] -
香港 前場終値 前日比 % 始値
ハンセン指数 26,512.65 - 111.22 - 0.42 26,503.75
前営業日終値 26,623.87
ハンセン中国株指数
前営業日終値 10,547.64

香港株式市場は4日続落して前場の取引を終えた。激化する米中貿易摩擦に巻き込ま
れるのではないかとの懸念から、ハイテク株の売りが強まった。
ハンセン指数前場終値は111.22ポイント(0.42%)安の2万651
2.65。
ハンセン中国企業株指数(H株指数) 前場終値は49.65ポイント(0.
47%)安の1万0497.99。
中国株式市場は国慶節のため、5日まで休場。取引再開は来週8日。
レノボ・グループ(聯想集団)と中興通訊(ZTE)が急落した

ブルームバーグは、中国の諜報機関が米企業や政府機関が使用する機器に悪意のある
チップを組み込み、中国政府が内部ネットワークにアクセスできるようにしたと報道。レ
ノボやZTEの売り上げに影響が出るとの懸念が広がった。
ハンセン中国企業情報技術(IT)指数は2.14%安。ITハードウエ
ア指数は5.45%安。
レノボは商いを伴って17.62%急落。ZTEも11.41%下落した。
商いトップの騰訊控股(テンセント・ホールディングス)は1.4%安。
https://jp.reuters.com/article/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%83%BB%E9%A6%99%E6%B8%AF%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%83%BB%E5%89%8D%E5%A0%B4%EF%BC%9D%E9%A6%99%E6%B8%AF%E6%A0%AA%E4%B8%80%E6%AE%B5%E5%AE%89-%E3%83%AC%E3%83%8E%E3%83%9C%E3%81%8C%E6%80%A5%E8%90%BD-idJPL4N1WL12R?il=0

[18初期非表示理由]:担当:要点がまとまってない長文orスレ違いの長文多数により全部処理

3. 中川隆[-13426] koaQ7Jey 2018年10月05日 16:34:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19024] 報告
ウイグルへの弾圧は何度か書いてきましたが、いま中国が行っているのは民族浄化で、ただ浄化するのではなく、ウイグル人を殺して臓器売買のドル箱としているのです。


参考ページのURL
http://uyghur-j.org/japan/
http://uyghur-j.org/20180908/uyghur_japan_report_20180908.pdf


2018 年 9月 8 日
中国のウイグル人への弾圧状況についてレポート
在日ウイグル人有識者会議
http://uyghur-j.org/20180908/uyghur_japan_report_20180908.pdf


第一章 概要

古代より東トルキスタン(“現新疆ウイグル自治区”)は、ヨーロッパと東アジアをつなぐ要衝
であるだけでなく、石炭、石油、天然ガス等地下資源の豊富な地域だ。1949 年に中国人民解放軍
が東トルキスタンに侵攻し、「新疆ウイグル自治区」として共産党の支配下に組み込んだ。それ以
来、中国当局によるウイグル人への差別的、抑圧的政策がずっと続いてきた。
だが、2 年前から事態が急変し、ウイグル情勢は著しく悪化した。2016 年に元中国共産党チベ
ット自治区委員会の書記で、チベット人の弾圧で手腕を発揮した陳全国が“新疆ウイグル自治区”
の書記に就任してから、独裁的な長期政権を築いた習近平中国共産党総書記をバックにし、東ト
ルキスタン歴史の中で最も酷く露骨な人権弾圧、同化・民族浄化政策を展開し始めた。習近平政
権が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の戦略的要衝とみられる東トルキスタ
ンに、完全な監視・封じ込めた社会を作り上げ、ウイグル人の言語、文化、宗教を完全に絶滅さ
せるような民族浄化政策を実施している。
陳全国が就任して以来、前任の張春賢が推進した「双語教育」(事実上の漢語教育)をさらに露
骨化し、小学校から大学まで全ての教育機関でウイグル語の使用を禁止した。ウイグル語で出版
された教科書、小説、歴史を反映する本、イスラム教に関連する書籍を焼却した。
陳は、1 年も経たない間に、9 万人を越す治安関係ポストを募集し、ウイグル自治区の警察の人
員を2015 年の6 倍に増員し、ウイグル地域において「監視社会」の完成を手掛けた。2017 年第
1 四半期(1〜3 月)のみで、ウイグル自治区で10 億ドル(約1130 億円)以上に相当するセキュ
リティー関連の投資をし(カシュガル市だけで今年3 月、5100 万ドル(約55 億円)以上を投じ
た)、ウイグル全地域に人工知能(AI)の顔認証技術が搭載された監視カメラを設置した。中国政
府はウイグル自治区を最先端の監視技術を試行する実験場にした。
至る所に500m間隔で監視塔付きの交番(検問所)を設け、24 時間体制で検問・監視を始めた。
全てのウイグル人から旅券が没収された。スマートフォンにスパイウェア・アプリのインストー
ルを強要した。GPS の車両搭載が義務付けられた。ウイグル、カザフなど現地住民の政治信頼度
を評価するため、「個人情報採集表、点数表」を配布し、全住民に点数をつけ、身分証明書ID と
連結させた。この点数で拘束対象者を決め、「再教育センター」に収監した。12 歳から65 歳まで
の住民を対象にDNA や血液のサンプル、指紋、虹彩、血液型などの生体データを集めた。
最も酷いのは、2017 年初頭から、「再教育センター」、「教育転化学校」、「技能研修センター」
という名前の「強制収容所」の建設を急ピッチで進め、何も罪のない100 万人以上のウイグル人
(ウイグル人口の約10%)をこれらの収容所に監禁し、共産党の政治思想、宗教転化(非イスラ
ム化)、民族アイデンティティを破壊するための「洗脳教育」を行っている。ウイグル人社会に何
らかの影響を持つ著名人、教育界のエリートたち、著名なイスラム学者、人気のスポーツ選手、
音楽家、経済界で成功した経営者(銀行に100 万円以上貯金のある人)らも続々と強制収容所に
入れられた。両親が拘束され家に残された子供たちが孤児園に送られた。
そして、各収容所から続々死者が出始めた。遺体は家族に返さずに内密に「処分」された。カ
シュガル空港では「人体器官運送通路」、「移植器官航空運送保障プロセス」標識の専用通路やス
ペースが用意され、臓器売買のため国家ぐるみで「臓器狩り」していることが明らかになった。
21 世紀の今この瞬間も、中国政府が行っている「ナチス強制収容所の再現」(ジェノサイド)
とも言える人権弾圧、民族浄化に対し、日本を含む多くの国・政府の沈黙が続いている。納税者
である我々在日のウイグル人は、良心を持つ、正義を求める日本国民・政府に対し以下を呼びか
けたい。沈黙しないでほしい。中国政府を非難し、収容所の閉鎖、全収監者の即時釈放に働きかけ
てほしい。これは単に人権弾圧の問題ではなく、「人道に対する罪」、世界平和への挑発であり、ウ
イグル民族存亡の危機とみてほしい。


第二章 「強制収容所(再教育センター)」の現実

2016 年に元中国共産党チベット自治区委員会の書記で、チベット人の弾圧で手腕を発揮した陳
全国が新疆ウイグル自治区の書記に就任してから、独裁的な長期政権を築いた習近平中国共産党
総書記をバックにし、露骨な人権弾圧・民族浄化政策を展開し始めた。
1.【ウイグル人100 万人以上が強制収容所に】
東トルキスタン(“新疆ウイグル自治区”)において、2017 年初頭以来、「再教育センター」、「教
育転化学校」、「技能研修センター」という名前の「強制収容所」の建設が急ピッチで進められる
と同時に、100 万人以上のウイグル人(ウイグル人口の約10%)がこの収容所に収監されている
ことが最近続々と明らかになった。中国の人権を監視する国際NGO 組織・中国人権擁護(Chinese
Human Rights Defenders)が今年8 月3 日発表した最新の調査報告によると、上記の「再教育セ
ンター」と呼ばれる閉鎖式キャンプ(強制収容所)に110 万人が収監されているほか、開放式キャ
ンプ(食事や寝泊まりに自宅に帰れる)で約220 万人が再教育(洗脳教育)されているという。
合わせると330 万人が「再教育」の対象となっている。東トルキスタンの人口は2300 万人(2014
年統計)で、ウイグル人口は48.5%、約1130 万人だとすると、ウイグル人口の約30%の人が「再
教育」されているのだ『参考資料1-2』。報道によると、2017 年春以来強制収容所に収監された人
で釈放された人がいないという『参考資料3』。
何も罪がなく、「要注意人物点数表(第四章を参照)」でマイナス点数が高い人が収容所送りの
対象者となっている。例えば、(1)ウイグル人である(2)イスラムの礼拝をしている(3)宗
教知識がある(4)(当局が要注意とする中東など)26 カ国に行ったことがある(5)外国に留
学した子供がいる……といった項目に該当すれば要注意人物として対象者となる『参考資料4』。
また、ウイグル人社会に何らかの影響を持つ著名人、教育界のエリートたち、イスラム学者、人
気スポーツ選手、音楽家、経済界で成功した裕福な経営者らも「民族情绪(民族的気持ち)があ
る」、「両面人(裏表がある人物)」として収監対象者となっているのである(第三章を参照)。収
容所の状況は海外メディア、研究者らによって次々と報道されるようになった『参考資料5-10』。


2.【強制収容所の位置・規模が明らかに】

第二章 「強制収容所(再教育センター)」の現実


東トルキスタン(89県あり)の各県に少なくても5つの再教育センターがあるとされ、科学
者の衛星写真やグーグルマップからの調査で既に29 件の収容所位置、その規模が明らかになった
『参考資料11-13』。それぞれ一か所に1000 人から1 万人が収監されている。例えば、2017 年4
月にカシュガル疏附県(コナ・シェヘル)で当時建設予定の収容所(新疆疏附县法制教育转化学
校、位置座標39°21'33.1"N 75°51'50.0"E)の入札募集によると、収容所は3.5万平方メート
ル広さで、政府出資1.4 億元(約29 億円)であった『参考資料14』。同様にカシュガル・疏勒県
巴仁郷(イェニシェヘル・バリン郷、1990 年に有名な「バリン郷事件」発生した場所)座標
39°21'29.2"N 76°03'04.1"E に位置する収容所《疏勒县法制教育转化学校》(上・写真1)は一
年前に何もなかった畑に新しく建てられた収容所で、1 号館〜5 号館の4階建「教学棟」(70.5m
×17.5m)と管理棟があり、それぞれ面積4943.11 uである『参考資料15』。グーグルマップから
も上記座標コードから確認できる。
また、アルトゥシュ(クズルス・キルギス自治州)政府ホームページで、2018 年3 月21 日掲示
された、「アルトゥシュ市職業技能教育研修サービスセンター建設項目の環境への影響報告表に対
する審査意見」(关于《阿图什市职业技能教育培训服务中心建设项目环境影响报告表》的审批意见)
『参考資料16』によると、39°38'28.0"N 75°59'46.0"E に位置する該当教育センターは、9.6 万
u規模(東京ドーム2個分の広さ)、政府投資3 億5000 万元(約60 億円)で、収監者部屋(7.6
万u)、管理用部屋(1.1 万u)、武装警察用部屋(8.5 千u)、有刺鉄線のフェンス付き障壁1292m、
医療室1200 u、8460 人分の食事を作る厨房などから構成されている。名前は技能教育研修セン
ターだが、武装警察、監視塔完備した、8000 人が収容できる強制収容所である『参考資料17』(写
真2)。
最近、さらに規模が大きい収容施設の実態が明らかになった。ウルムチ市達坂城区に位置する
「ウルムチ職業技能教育研修センター」(座標:43°23'01.8"N 88°17'18.2"E)は占用面積52 万
u、建築面積13 万u(東京ドームの約3 倍)であった。この収容施設には収容ビル(監獄)が8
棟あるほか、居留センタービル1 棟、警察備勤ビルが8 棟、警察総合ビル1棟、病院棟、レスト
ラン棟、物資倉庫棟、武装警察宿舎2 棟、監視塔などがある。推測では約1 万人の収監者を収容
できるという『参考資料18』(写真3)。そのほか、カラマイ市に地上5 メートル、地下40 メート
ルの地下収容所が建設されたことが明らかになった。この秘密の地下収容所には少なくとも1 万
人を収容する予定だという『参考資料19』。
これらの収容施設は、新たな政府投資で建設され、調査で分かったものだが、収監者数があま
りにも多いため、入りきれない人たちは、臨時収容所して使っている学校(廃止されたウイグル


小中学校)、党校(共産党学校)、専門学校、病院、体育館、倉庫、まだ特定できていない様々な
施設に収監され、すし詰め状態にあるという。また、ベッドが足りないため、昼班/夜班交代制で、
教育される人と寝る人を入れ替えているという。


3.【収監者及び関係者の証言】
収容所で8 か月収監された経験があり、カザフスタン政府の働きかけで釈放されたカザフスタ
ン国籍のウメル氏の証言『参考資料20-22』によれば、彼はピチャンにある両親を訪ねて行ったと
き、身柄を拘束され、危険分子として「カラマイ市技術研修センター」という収容所に送られた。
この収容所には当時約1000 人が収容され、8 割がウイグル人、2 割がカザフ人だった。環境条件
が大変悪く、狭い一室に20 人以上がすし詰め状態で寝泊まりしていた。食事も、トイレも同室で
済ませたという。毎日早朝から夜遅くまで中国語でプロパガンダ歌謡を歌わせ、共産党の政治思
想、宗教転化(非イスラム化)、民族としてのアイデンティティを破壊するための「洗脳教育」が
行われ、その日のテストで不合格なった者や少しでも不満を表した人は厳しく罰せられる(食事
与えず、手足が絞られた状態でヘッドホンより大音量を流し睡眠できないようにする)という。
イスラム教徒の禁物である酒や豚肉を強要されているとの証言もある『参考資料23』。
また、中国の強制収容所で働いていて、カザフスタンへ不法入国した罪で逮捕されたサイラグ
ル・サウットバイ(Sayragul Sauytbay, 41 歳)が法廷で、中国が存在を否定してきた「再教育キ
ャンプ」について証言した『参考資料24』。証言によると、彼女が働いた「キャンプには2500 人
ほどの収監者がいて、そこは一般に政治キャンプと呼ばれるが、実際は山区の刑務所だった」と
いう。カザフスタン政府は中国からの送還要求を押し切って、サイラグルを無罪釈放し、カザフ
スタンにいる家族の元に返した『参考資料25』。
2018 年7 月19 日NHK-BS1 テレビチャンネルで放送した国際報道番組「中国でウイグル族大
量拘束 今何が?」でも、在日留学生4 名が「家族が収容所に送られ、全く連絡がつかず、安否
状況がわからない」と証言した『参考資料26』(在日ウイグル人の被害状況の詳細は第四章を参照)。


4.【収容所で不明の病気が蔓延】

ウイグル自治区政府衛生局の業績とした記事(ホームページで発表されその後削除された)に
よると、ホータン地区1 市、7 県の収容所で不明の「伝染病が蔓延」したため、2017 年7 月9 日
から8 月3 日の間に自治区の調査チームを派遣し調査に行った結果、「肺結核」だったということ
で、558 人を病院に搬送・隔離したという。しかし、これらの患者が本当に肺結核なのか、その
後どうなったのかは一切明らかにされておらず、政府のよる隠ぺい・情報封鎖が行われたことが
明らかである『参考資料27』。
5.【収容所から死者が続出】
これまでの報道で各収容所から続々死者が出ていて『参考資料28-29、第三章死者リスト参照』、
一部の老人遺体以外は家族に返されず、家族に合わせることもなく、新しく設けられた一般人が
入ることのできない遺体処理・安置所『参考資料30』で焼却処分されていると思われる(ウイグ
ル人の民族習慣では亡くなった人に葬儀を行い、故人を専用墓地に埋葬する)。
臓器売買のため、臓器が抜き取られた痕跡のある遺体もあったという噂がある。そして、それ
を裏付ける写真もあった。
上の写真3は、観光でウイグルに行った日本人により今年1 月にカシュガル空港で撮られた写
真であり、空港では「人体器官運送通路」、「人体寄付、移植器官航空運送保障プロセス」標識の
専用通路やスペースが用意され、国家ぐるみで人の臓器を強盗していることを示す徹底的証拠で
ある。この内容はThe Epoch Times でも報じられた『参考資料31』。
在日ウイグル人一人の証言によると、彼女の弟(24 歳)が今年5月に収容所で亡くなり、遺体
を家族に返さずに当局の監視下で直接処理されたそうだ。死因は何なのか、遺体はどこに、どう
いう方法で処理されたかなどの情報は一切聞かされていない。電話に答えた親族は「党のケアの
元で葬送した、さようなら」と言い他に何も言えなかったという。
6.【ウイグル人口密集地に火葬場】
そして、もっとも不思議なことは、中国当局はイスラム教を信仰するウイグル人が95%以上を
占める県、町、村に急ピッチで数多くの火葬場建設を進めている『参考資料32』。そして、一般人
月給の数倍の賃金で人員(もちろん漢民族)を募集している『参考資料33』。


今後ウイグル人の死体を火葬するつもりなのかと 思うだけでも鳥肌が立つほど恐ろしい!中
国政府は一体何をしようとしているのか! これらの事象は「ナチス強制収容所の再現」(ジェノ
サイド)の予兆とも言えるだろう。
7.【家に残された子供は孤児園に】
また、深刻な問題になっているのは、両親が拘束され、家に残された大勢の幼い子供たちが孤
児園に入れられ、ウイグルアイデンティティーを無くす漢化教育が行われている。「両親は政治的
な問題を抱えているため、子供は通常の子供と一緒に学校に通うことが禁じられている」という
『参考資料34』。若い妻のみ残された家には、漢民族の男性が世話役で寝泊まりするケースもある。


8.【アメリカ政府の見解】
アメリカのペンス副大統領は7 月26 日、首都ワシントンで講演し「中国政府は、数十万人、も
しくは数百万人の規模でイスラム教徒のウイグル族を再教育施設という場所に収容している。宗
教の信仰と文化的な帰属意識を失わせようとしている」と述べて非難したことを、NHK が7 月
27 日朝のTV 番組で伝えた『参考資料35』。
さらに、7月26日ウイグルにおける収容所問題に関して、アメリカ議会で初めてとなる公聴
会が開かれた。昨年に大統領選に候補者となった上院議員・議長のルビオ(Marco Rubio)氏が
この公聴会を招集した。家族20人以上が拘束され、行方不明となったことをアメリカ ラジオ・
フリー・アジアのアナウンサー・記者であるグリチェヒラ・ホジャ(Gulchehre Hoja, アメリカ
国籍のウイグル人)が証言した。また、アメリカ駐国連経済社会理事会大使のケリー・カリー
(Kelley Currie)氏が、「2017 年4月から、習近平指導下の中国当局がウイグル人に対する弾圧程
度は「人を驚かす、ショッキングなものだ」、文化大革命がエスカレートした時期とも比べること
ができないほど酷いのだ。男子髭の禁止、女性の公衆場でのベール着用禁止、そして短いズボン
を着ること、喫煙、お酒を飲むこと、豚肉を食べることを拒むことを犯罪と見なし、政府系公式
テレビを見ることを拒むことさえ罪に問われている」と述べた『参考資料36』。
ナチス式経験しているとも言える「強制収容所」は、ウイグル民族数千年の歴史の中で経験し
ている最も酷く、ウイグル人の言語、文化のみならず、民族が絶滅する危機に直面している重大
な事件である。


『参考資料』

1. China: Massive Numbers of Uyghurs & Other Ethnic Minorities Forced into Re-education
Programs, Chinese Human Rights Defenders, August 3, 2018
https://www.nchrd.org/2018/08/china-massive-numbers-of-uyghurs-other-ethnic-minorities-forc
ed-into-re-education-programs/

2. Survey: Three Million, Mostly Uyghurs, in Some Form of Political ‘Re-Education’ in Xinjiang
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/millions-08032018142025.html

3. ‘No Releases’ of Thousands Held For Years in Xinjiang Township Political ‘Re-education Camps’
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/township-08062018145657.html

4. 水谷尚子,「ウイグル絶望収容所の収監者数は89 万人以上」, Newsweeks 日本版 2018.03.13
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/89-3.php

5. What Really Happens in China’s ‘Re-education’ Camps, The New York Times, May 15, 2018
https://www.nytimes.com/2018/05/15/opinion/china-re-education-camps.html

6. Simon Denyer, Former inmates of China’s Muslim ‘reeducation’ camps tell of brainwashing, torture,
The Washington Post, May. 17, 2018
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/former-inmates-of-chinas-muslim-re-educat
ion-camps-tell-of-brainwashing-torture/2018/05/16/32b330e8-5850-11e8-8b92-45fdd7aaef3c_sto
ry.html?utm_term=.95541c3fd6ad

7. Adrian Zenz, New Evidence for China’s Political Re-Education Campaign in Xinjiang, May 15,

https://jamestown.org/program/evidence-for-chinas-political-re-education-campaign-in-xinjiang/


8. Adrian Zenz, "Thoroughly Reforming them Toward a Healthy Heart Attitude" - China's Political
Re-Education Campaign in Xinjiang, May 15, 2018
https://www.academia.edu/36638456/_Thoroughly_Reforming_them_Toward_a_Healthy_Heart_
Attitude_-_Chinas_Political_Re-Education_Campaign_in_Xinjiang

9. Tara Francis Chan, China is secretly imprisoning close to 1 million people — but they've left 2 big
pieces of evidence behind, May. 30, 2018
http://www.businessinsider.com/how-many-people-are-imprisoned-in-xinjiang-china-government
-documents-2018-5

10. Xinjiang Political ‘Re-Education Camps’ Treat Uyghurs ‘Infected by Religious Extremism’: CCP
Youth League, RFA, Aug 8, 2018.
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/infected-08082018173807.html

11. Shawn Zhang, List of Re-education Camps in Xinjiang 新疆再教育集中营列表, May 20, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/list-of-re-education-camps-in-xinjiang-%E6%96%B0%E7
%96%86%E5%86%8D%E6%95%99%E8%82%B2%E9%9B%86%E4%B8%AD%E8%90%A5%E
5%88%97%E8%A1%A8-99720372419c

12. Shawn Zhang, Detention Camp Construction is Booming in Xinjiang, Jun 19, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/detention-camp-construction-is-booming-in-xinjiang-a2525
044c6b1

13. Shawn Zhang, Xinjiang’s re-education system is a hybrid of Gulag and Indian Residential School,
Jun 13, 2018
https://medium.com/@shawnwzhang/latest-re-education-campaign-in-karshgar-xinjiang-167668a
d5729

14. Shawn Zhang, Satellite Imagery of Xinjiang “Re-education Camp” 3 新疆再教育集中营卫星图3,
May 20, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/satellite-imagery-of-xinjiang-re-education-camp-%E6%96
%B0%E7%96%86%E5%86%8D%E6%95%99%E8%82%B2%E9%9B%86%E4%B8%AD%E8%9
0%A5%E5%8D%AB%E6%98%9F%E5%9B%BE-96691b1a0d62

15. Shawn Zhang, Satellite Imagery of Xinjiang “Re-education Camp” 1 新疆再教育集中营卫星图1,
May 20, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/satellite-imagery-of-xinjiang-re-education-camp-3-%E6%9
6%B0%E7%96%86%E5%86%8D%E6%95%99%E8%82%B2%E9%9B%86%E4%B8%AD%E8%
90%A5%E5%8D%AB%E6%98%9F%E5%9B%BE-3-bae61bef8028

16. 阿图什市人民政府http://www.xjats.gov.cn/ のweb.archive.org バックアップサイト
https://web.archive.org/web/20180706221430/http://www.xjats.gov.cn/P/C/1736.htm

17. Shawn Zhang, Satellite Imagery of Xinjiang “Re-education Camp” 23 新疆再教育集中营卫星图
23, May 20, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/satellite-imagery-of-xinjiang-re-education-camp-1-%E6%9
6%B0%E7%96%86%E5%86%8D%E6%95%99%E8%82%B2%E9%9B%86%E4%B8%AD%E8%
90%A5%E5%8D%AB%E6%98%9F%E5%9B%BE-1-eea378e8ed8b

18. Shawn Zhang, Satellite Imagery of Xinjiang “Re-education Camp” 29 新疆再教育集中营卫星图
29 (Largest Re-education Camp?). 26 Jul, 2018.
https://medium.com/@shawnwzhang/largest-re-education-camp-d7d6ce15e273

19. XINJIANG AUTHORITIES BUILD MASSIVE UNDERGROUND PRISON, Aug 20, 2018
https://bitterwinter.org/massive-underground-prison/

20. Omir Bekali talks about the psychological stress he endured in a Chinese internment camp
http://www.abc.net.au/news/2018-05-18/omir-bekali/9773366
http://www.businessinsider.com/what-is-life-like-in-xinjiang-reeducation-camps-china-2018-5

21. 水谷尚子, 「ウイグル「絶望」収容所──中国共産党のウイグル人大量収監が始まった」Newsweeks
日本版2018.02.18; https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/post-9547.php

22. 水谷尚子「, イスラーム教徒に豚とアルコールを強要する中国・ウイグル「絶望」収容所」、Newsweeks
日本版2018.05.18; https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/post-10194.php

23. Video: ‘This person will simply disappear’: Chinese secretive ‘reeducation camps’ in spotlight at

Kazakh trial
https://www.hongkongfp.com/2018/07/17/person-will-simply-disappear-chinese-secretive-reedu
cation-camps-spotlight-kazakh-trial/

24. Kazakh court frees woman who fled Chinese re-education camp
https://www.theguardian.com/world/2018/aug/01/kazakh-court-frees-woman-who-fled-chinese-r
e-education-camp

25. NHK-BS1 国際報道「中国でウイグル族大量拘束 今何が?」2018.07.19
http://www6.nhk.or.jp/kokusaihoudou/bs22/feature/index.html?i=180719

26. Radio Free Asia, 「ホータンの収容所で558 人が肺の伝染病が明らかになった」
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/siyaset/uyghurda-lager-05282018133938.html?encoding=la
tin

27. Uyghur Teenager Dies in Custody at Political Re-Education Camp, Radio Free Asia news,
2018.03.14
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/teenager-03142018154926.html

28. Uyghur Father of Two Dies After Falling Ill in Xinjiang Re-Education Camp, Radio Free Asia news,
2018.04.11
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/father-04122018153525.html

29. 遺体安置所Radio Free Asia news, 2018.06.25
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/medeniyet-tarix/jeset-bir-terep-qilish-06252018164051.ht
ml?searchterm%3Autf8%3Austring=depne&encoding=latin

30. 「中国では人命はとても安い、臓器のほうが高値だ」元医師の告白
http://www.epochtimes.jp/2017/10/28953.html

31. 中国当局がウイグル地域各地に急ピーチで火葬場建設
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/jeset-koydurush-06122018145148.html?enc
oding=latin

32. ウルムチ沙依巴克区 火葬场保安員の公募
https://m.wlmq.com/0010155185.html

33. 「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部, 中国共産党、ウイグル「絶望収容所」の実態
https://toyokeizai.net/articles/-/212978?page=4

34. 「トランプ政権 中国がウイグル族を不当に収容と非難」, NHK New Web, 2018 年7 月27 日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180727/k10011551041000.html?utm_int=all_side_rankingsocial_
002

35. Hearing on Surveillance, Suppression, and Mass Detention: Xinjiang’s Human Rights Crisis
https://www.youtube.com/watch?v=rE8Ve2nxPds&feature=youtu.be&t=1623

36. 米政権「ウイグル、数十万人を拘束」中国当局を批判、毎日新聞, 2018 年7 月28 日
https://mainichi.jp/articles/20180729/k00/00m/030/079000c


第三章 ウイグル人社会各界のエリートも収容所に

2017 年から大々的に大に行われるようになった思想改造目的の強制収容施設での不当な拘束
が今も続いている。そしてウイグル人社会に何らかの影響を持つ著名人、教育界のエリートたち、
著名なイスラム学者、人気のスポーツ選手、音楽家、経済界で成功した経営者が続々と強制収容
所に入れられている。以下には、代表的な例を挙げる。(ここで挙げた例はメディアなどで公開さ
れた情報のみであって、氷山の一角にすぎない。)


1.【教育界】
1. 自治区教育庁の庁長長 サッタル・サウット (Sattar Sawut)
2017 年、「重大大な規律違反」で拘束され、強制収容施設に送ら
れた。サッタル氏が任期中に編纂したウイグル語教材は、自治区
自治区内で教科書として使われていた。『参考資料』
http://www.sohu.com/a/144868168_260616
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-02/09/c_129473389.ht
m

2. 自治区政府党委員会元秘書官、教育庁副長官長、新疆新聞社 社
長長を務めたアリムジャン・メメットイミン (Alimjan
Memtimin)(59)『参考資料』
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-02/09/c_129473389.ht
m

3. ウイグル自治区社会科学院副院長長や新疆教育出版社 社長長
アブドゥラザク・サイム(Aburazaq Siyim) (61)
『参考資料』
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-02/09/c_129473389.ht
m

上記三名の方はウイグル語の教科書の編集、出版にかかわる人物であった。そのウイグル語
教材は、自治区内で教科書として使われていたが、それらが「文文学、歴史、道徳分野には、
民族分離を煽る内容が含まれており、それを12 年間も現場で使ったため大勢大の若者が深刻
な洗脳を受けた」と糾弾され、ほぼ同時期に収容施設に送られたのである。『参考資料』
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-02/09/c_129473389.htm
http://news.sohu.com/20170209/n480334060.shtml


第三章 ウイグル人社会各界のエリートも収容所に

4. 新疆大学大学 学長長 タシポラット・ティップ (Tashpulat Tiyip, 塔
西甫拉提·特依拜)
自治区最大大の教育機関である新疆大学大学 学長長を2010 年から務
めていたタシポラット・ティップ教授(60)は昨年3 月月に解任され、
それ以降は当局に拘束されていると、今年2 月月にRFA の取材に答え
た大学大学関係者が明かした。新疆大学大学を卒業後、東京理科大学
大学で理学博士号を取得。研究プロジェクトの成果から中国教育省に
賞を与えられたことも多数あり、新疆では著名な学者だった。タシポ
ラット氏は, 1996 年から新疆大学大学の副学長、2010 年から2017 年
まで同大学学長、党副書記と務めていた。
『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/university-president-02202018173959.html


5. 新疆医科大学の元長学長 ハリムラット・グプル (Halmurat Ghopur,
哈木拉提·吾甫尔)
新疆医科大学の元長学長・教授で昨年からは自治区⾷品医薬品監督庁
長だったハリムラット・グプル氏(58)も、今年になってから消息不
明だ。ハリムラットは収容施設で死亡したとの説もある。彼は中国伝
統医療を学ぶ上海中医薬大学を卒業し、ロシアのサンクトペテルブル
ク医科大学で博⼠号を取得。中国全国最優秀研究者の1 人に選ばれる
など、中国全⼟でも名を知られる有名教授だった。医科大学で彼はウ
イグル伝統医学の継承にも力を注ぎ、民族医学教育ではウイグル語に
よる授業をずっと続けてきた。ハリムラット氏は, 1998 年から新疆医
科大学の副学長、2008 年から2017 年まで同大学学長、党副書記と務めていた。


『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/arrest-01122018152937.html

不思議なことに、上記両大学ホームページの歴任学長リスト『参考リンク』から、新疆大学
元長学長タシポラット氏と新疆医科大学の元長学長 ハリムラット氏の名前が消されている。
これは中国が歴史・事実を平気で消すまたは変えてしまうことの証拠でもある。
新疆大学歴任学長 http://www.xju.edu.cn/xxgk/lrxz.htm
新疆医科大学歴任学長http://www.xjmu.org/xqzl/lrld.htm

6. 新疆師範大学教授 アブドゥカディリ・ジャラリディン (Abduqadir
Jalalidin)
知名度の高いウイグル文学者で新疆師範大学教授でもあるアブドゥ
カディリ・ジャラリディン(54)は今年1 月にウルムチ市国家安全
局に拘束された。アブドゥカディリはカシュガル師範学院を卒業後、
ウイグル文学者の道を歩んだ。彼は00 年代初頭、石川県に数カ月滞
在したことがあり、その体験を記した本の一部がウイグル語教科書
に引用された。ウルムチ市の中で最大級と言われている収容施設に
収監されているとされる。『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/scholar-04252018140407.html


7. 新疆大学教授 ラヒレ・ダウット (Rahile Dawut)
ウイグル文化研究の先駆者で新疆大学人類学研究所教授、博士であ
るラヒレ・ダウット(52 歳)が、2017 年12 月北京で消息不明とな
ったとニューヨークタイムズ電子版が8 月10 日に報道した。ダウ
ット氏の家族は、黙っていることで再教育施設、拘留施設から解放
されないことが分かったため、ダウット氏が消えてから8 か月後の
今、これを話すことを決めたと語ったという。ダウット教授は、日
本人研究者の菅原 純と共著で中央ユーラシアにおけるイスラム聖
堂に関する研究をテーマにした、「マザール、MAZAR」という本を
出版していた。『参考資料』
Star Scholar Disappears as Crackdown Engulfs Western China, The New York Times
https://www.nytimes.com/2018/08/10/world/asia/china-xinjiang-rahile-dawut.html
Mazar: Studies on Islamic Sacred Sites in Central Eurasia, Sugawara Jun, Rahile Dawut, 2016
https://www.amazon.co.jp/Mazar-Studies-Islamic-Central-Eurasia/dp/4904575512


2.【宗教界】

8. 著名なウイグル人イスラム学者 ムハンマド・サリヒ (Muhammad
Salih)
著名なウイグル人イスラム学者で、『クルアーン』のウイグル語訳者
として名を知られる82 歳のムハンマド・サリヒ師が17 年12 月中旬、
中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチの自宅から突然何者かに連
行された。サリヒ師は中国共産党の強制収容施設に収監され、約40
日後の18 年1 月24 日に死亡した。『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/scholar-death-012920181
80427.html

9. 全国イスラム協会副主席、ウイグル自治区政協の副主席、ホータンイ
スラム協会主席、ホータンモスクのイマム アブドレティプ・アブド
レヒム・ダモッラ(Abdulletip Abdurehim Damollam)
2017 年に3 年刑で刑務所に入れられた。『参考資料』
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/din/abduletip-abdurehim-dam
olla-tutqun-05102017142750.html?encoding=latin

10. カシュガル・トックズタシモスクのイマム アブリミット・ダモッラ
(Ablimit Damollam)
アブリミット・ダモッラは自宅から突然連行され、収容所に収監され
た2 カ月後の昨年6 月に死亡した。
アブリミット・ダモッラ(81)は、80 年代に新疆ウイグル自治区で
初めて寄宿舎付きの私立学校「カシュガル語学・技術専門学校」を開
校したベテラン教育家でもある。
アブリミットは学校にウイグル語で英語、中国語、アラビア語、トル
コ語を教えるクラスと、看護師・歯科医師を育成するコースを設置。
全日制だけでなく夜間制の学生も受け入れ、経済的に恵まれない人も教育を受けられるよう


にした。付属病院も開設し貧しい者への医療費免除など慈善事業を行って人々の支持を集め
たが、2000 年頃に中国当局が施設を強制的に封鎖していた。アメリカの短波ラジオ放送「ラ
ジオ・フリー・アジア(RFA)」の報道によると、アブリミットは身柄拘束から2 カ月後の昨
年6 月に死亡した。死因は知らされず、葬儀は当局の厳重な監視のもと、弟子たち、周りの
住民の参加が許されず家族だけで行われたという。『参考資料』
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/ablimit-damollam-wapat-boldi-0616201
7193458.html?encoding=latin

11. ケリヤ県政協副主席、県メインモスクのイマム イミン・ダモッラ
(Imin Damollam)
2017 年5 月に18 年の実刑判決で刑務所に監禁さられた。罪は2016
のメッカーへのハッジ(大巡礼)で「ウイグル分裂意識のある」人
にハッジ代行費を渡したことであった。『参考資料』
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/qanun/uyghur-kadir-052120
18160053.html?encoding=latin
12. ニルカ(Nilqa)県 イスラム学者 アブドレシット・ハジム
(Abdureshit Hajim)(65)
アブドレシット氏は強制収容所に監禁されてから9 か月間たった今
年の6 月5 日に、収容所内で死亡し、頭部分が白い布で覆われた遺
体が家族に返された。しかし、家族が遺体の頭・体部分を見ること
も許されず、死因が不明のまま、警察の厳重な監視下で埋葬されて
いたことがRFA の取材で明らかになった。
参考資料:
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/abdureshit-seley-hajining-olumi-060820182
34941.html?encoding=latin

13. ホータン スラーム学者 アブドルエヘッド・メフスム (Abdulehet
Mexsum)(87)
2017 年11 月拘束され、収容施設で死亡していたことが今年5 月に
イスタンブルに住んでいる親戚の調べで分かった。アブドルエヘッ
ド・ハジムは7 人の弟子にイスラム知識を教授したことが拘束の原
因だったという。


『参考資料』:

https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/abdulehed-m
exsum-ghayibane-namaz-06012018225457.html?encoding=latin


3.【スポーツ界】

14. 人気のサッカー選手エリパン・ヘズムジャン (Erpan Hezimjan)
人気のあったウイグル人サッカー選手エリパン・ヘズムジャンの失
踪は、漢人の熱烈なファンたちがソーシャルメディア上で告発して
発覚した。今年19 歳の彼は15 歳から中国のサッカーチームでプレ
ーをし、失踪前は中国スーパーリーグの江蘇省チームに所属してい
た。
今年2 月末頃に里帰りしたが、3 月に南京で行われた試合に姿がな
かったことを心配する書き込みが相次いだ。RFA は4 月、彼の地
元ドルビリジン県へ電話取材をし、同県警察署職員の証言で2 月頃
に強制収容所に送られたことが判明した。
所属チームの主戦力として1〜2 月にかけて、スペインやアラブ首長国連邦で試合に出ていた
が、「外国に行ったこと」を理由に、県中心部から約10 キロ離れたトゥルグン村の強制収容
施設に送られたという。そこにはウイグル人約1000 人が収容されている。
『参考資料』:
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/erpan-hezimjan-terbiyeleshte-04162018153
838.html?encoding=latin
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/footballer-04132018162312.html
https://www.hongkongfp.com/2018/07/07/rising-star-footballer-among-million-uyghurs-sent-ch
inese-re-education-camps/


4.【芸能界】
15. 民謡歌手 アブドゥレヒム・ヘイット (Abdurehim Heyit)
ウイグル人の幅広い年齢層に愛されている民謡歌手でドゥッ
タル奏者(ドゥッタル王)のアブドゥレヒム・ヘイット(56)は、
昨年4 月に公安警察に連行されてから行方不明になった。アブ
ドゥレヒムは北京の中央民族歌舞団や新疆ウイグル自治区歌
舞団で活躍し、数多くのアルバムも発表した。ウイグルの民族
文化に誇りを持ち、前を向いて生きていこうと呼びかけるメッ
セージ性の高い曲が多いこと、特にウイグル人に広く知られる
歌謡「お父さんたち」の歌詞が問題視されたという。『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/musician-11022017162302.html
https://freemuse.org/news/uyghur-dutar-king-detained-in-china/


16. ポップス歌手 アブラジャン・アユップ (Ablajan Ayup)
若くハンサムなポップス歌手も収監されている。若い女性を中心に
熱狂的人気を誇るアブラジャン・アユップ(34)は、「ウイグルの
ジャスティン・ビーバー」と欧米誌に紹介されたこともある。ウイ
グル語のみならず英語や中国語でも歌っていたから漢人にも人気
だった。今年2 月に上海でコンサートを行った2 日後、ウルムチで
拘束された。昨年マレーシアを訪問したことや、民族や故郷への愛
を歌っていたことなどが原因とささやかれている。『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/singer-05182018131924.html
https://freemuse.org/news/uyghur-pop-star-detained-in-china/


5.【メディア関連】
17. ミスラニン・ドットコム(misranim.com)の創設者 アバベキ
リ・ムフタル (Ababekri Muxtar)
インターネットのウイグル語サイトも一昨年から昨年にかけて
続々と閉鎖され、運営者がことごとく拘束された。また、同サ
イト管理人トゥルスンジャン・メメット(Tursunjan Memet)
も行方不明になっている。トゥルスンジャンの父親はRFA の取
材に応えて、「自宅から6 人の公安に連れ去られ、どこに居る
かさえ分からない」と証言した。『参考資料』
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/authorities-detain-uyghuer-web-masters-and-writ
ers-in-chinas-xinjiang-06132016153910.html


18. 「バクダシ(bagdax.cn)」創設者 アクバル・エゼッド (Akbar Eset)、


19. 「ボズキル(bozqir.net)」の創設者で自治区教育庁職員のアデル・リシット (Adil Rishat)、


20. テレビ番組の脚本家として知られるオマルジャン・ヘセン (Omarjan Hesen)


21. 新疆人民ラジオ局記者で新疆教育出版社の教科書編集者でもあったジャ
ーナリストのヤルクン・ルーズ (Yalqun Ruzi)(52)も行方不明になっ
ている『参考資料』。最近の情報では、17年刑で刑務所に入れられたと
いう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10388.php

ウイグル語書籍は粛清のため書店や一般家庭から没収された。新疆ウイグル
自治区文学芸術連合の元会長で、詩人のイミン・アフメディ (Imin Ahmidi)は昨年6 月、RFA の
取材に対し「過去に出版されたウイグル人作家の著作が再検査されている」と語った。ウイグル
人に愛読され、現代ウイグル文学を代表する小説であるアブドゥレヒム・オトキュル (Abdurehim
Otkur)『目覚めた大地』や『足跡』、ゾルドゥン・サビリ (Zordon Sabir)『母なる故郷』なども
規制の対象になった。『参考資料』
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10388.php


6.【経済界】

22. イリ・カザフ自治州 慈善家・不動産開発商 ヌルタイ・アジ(Nurtay Haji、努尔塔依・阿吉)
ChinaAid がイリ・カザフ自治州及びカザフスタン人の商人から得た情報によると、有名な慈善
事業、不動産開発商のヌルタイ・アジが昨年、20 年刑で刑務所に送られたという。ヌルタイ氏は
ヌルタイ氏個人の全額寄付で孤児、貧しい子供たちのための、全寮制の寄宿学校「努尔塔依阿吉
学校」を建設し、これまでに多くの学生を支援していた。
ChinaAid の情報では、ヌルタイ氏と一緒に10 数名のウイグル、カザフ商人が逮捕されたとい
う。ウイグルの他の地域でも銀行に一定額(100 万〜数100 万元)以上の貯金がある人たちも次々
と拘束されている。
http://www.chinaaid.net/2018/07/blog-post_11.html

2017 年5 月に、カシュガル地区で最も成功した経営者ウイグル人の以下4 名が「宗教的過激主義」
という罪で投獄された:


23. カシュガル貿易協会会長 物質運送会社経営者 アブドジェリル・ハジム(Abdujelil Hajim)

24. カシュガル Emin 貿易市場のオーナー ゲニ・ハジ(Gheni Hajim),

25. カシュガルEziz Diyar 市場のオーナー メメット・トルソン・ハジム(Memet Tursun Hajim),

26. カシュガルIbnsina 歯科病院 オーナー イミン・ハジム(Imin Hajim)
以上の4 人いずれにも「ハジム」という名称がついているのは、イスラム聖地のメッカーにハッ
ジに行って来たことを意味する。RFA の電話インタビューに答えた現地の保安員の情報によると、
罪は「承認されていない民間の巡礼に行った」、「宗教的過激派の兆しがあった」という。4 人は8
年から18 年の懲役刑を言い渡された。
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/wealthiest-01052018144327.html


27. カシュガルKasir ホテルのオーナー レストラン経
営者 オブルカスム・ハージ (Obulkasim Haji)
RFA のインタビュー情報によると、67 歳のオブル
カスムは2017 年12 月5 日入院していたウルムチ
市の病院から公安に連行され、再教育キャンプ(強
制収容施設)に送られたそうだが、拘束理由や監禁
場所がいまだに不明。
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/hotelier-05072018130431.html
努尔塔依阿吉学校


7.【官僚・公安関係者】

28. ウイグル自治区林業庁庁長 エズズ・ケユム (Ezir Qeyum)
29. ホータン地区公安局副局長 ニジャティ・アウドン (Nijat Awudon)
30. ホータン地区公安局元副局長 エリ・イミン (Eli Imin)
31. ウイグル自治区特捜部ホータン支部隊長 アブドカデル・アブラ (Abduqadir Abla)
32. ホータン市公安局副書記 政委 ヤリクン・アブドラザク (Yalqun Abdurazaq)
33. カシュガル カラカシ県(Qaraqash)公安局元副書記 政委 アバベキリ・イリ(Ababekri Eli)
34. ホータン地区公安局国保支部課長級捜査員 モハタル・トスン(Muxtar Tursun)
らが「重大な規律違反」で拘束され、最近の状況は不明である。
参考資料:
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-02/09/c_129473389.htm
http://news.sohu.com/20170209/n480334060.shtml


35. ウイグル自治区チャルチャン県公安局政
治委員 アリフ・トルソン(Ghalip Tursun)
8 月18 日の現地新聞が、アリフ氏が「テ
ロリスト、3 種勢力と協力し、庇った」と
し、拘束されたことを報じた。参考資料:
(右写真)
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/qan
un/cherchen-uyghur-08202018153604.ht
ml?encoding=latin


8.【地方の党・政府責任者】

2016 年に元中国共産党チベット自治区委員会の書記で、チベット人の弾圧で手腕を発揮した陳
全国が新疆ウイグル自治区の書記に就任してから、権力を誇示する最初の威圧的行動は、ホータ
ン地区基層の97 名幹部への問責・免職処分を実行することだった。陳の指示で組織された共産党
幹部らの査察グループが2017 年3 月12 日からホータン地区の各町、村に入り、たった一週間ほ
どの調べを行ったあと、3 月26 日各種の理由で97 名幹部(ほとんどウイグル人)に一気に免職
処分を下した。処分内容から人権侵害の典型的な例であることがわかる。例えば、ホータン県の
ブザク郷(布札克乡(郷))党支部書記のジェリリ・マイティニヤズ(Jelil Memetniyaz)は「宗
教師の前でタバコを吸うことに躊躇した」理由で懲戒免職された。97 人の懲戒免職理由には、そ
のほかに、「毎朝の国旗揚げの怠慢、揚げ回数の誤報、住民宅へ走訪・個人情報データの収集を徹
底していない」など様々なレッテルがあった。
参考資料:
http://www.china.com.cn/news/2017-04/10/content_40588424_2.htm
https://www.boxun.com/news/gb/china/2018/01/201801301321.shtml
http://news.sina.com.cn/c/nd/2017-04-09/doc-ifyeceza1781280.shtml


9.【収容所内死亡者リスト】

ここに挙げたリストはメディアに知られた名前のみである。
1.ムハンマド・サリヒ (Muhammad Salih)、82 歳、18 年1 月死亡
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/scholar-death-01292018180427.html

2.アブリミット・ダモッラ (Ablimit Damollam) 、81 歳、18 年6 月死亡
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/ablimit-damollam-wapat-boldi-0616
2017193458.html?encoding=latin

3.アブドレシット・ハジム (Abdureshit Hajim)、65 歳、18 年5 月死亡
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/abdureshit-seley-hajining-olumi-060
82018234941.html?encoding=latin

4.アブドルエヘッド・メフスム (Abdulehet Mexsum)、87 歳、18 年6 月死亡
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/abdulehed-mexsum-ghayibane-nama
z-06012018225457.html?encoding=latin

5.アイハン・メメット(Ayxan Memet)、78 歳、Dolqun Eysa の母、18 年5 月死亡
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/mother-07022018164214.html

6.ヌリマングル・メメット(Nurimangul Memet)、24 歳、18 年6月死亡
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/qanun/yepiq-terbiyelesh-06042018154152.html?enc
oding=latin

7.アブドジャッパル(Abdujappar)、グルジャGhulja Bayandaz

8.アブドガッパル (Abdughappar)、34 歳、グルジャGhulja Bayandaz 18 年6 月死亡
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/father-04122018153525.html

9.ホータン・チンバグ卿 アブドルエヘット・バッカル(37 歳)ら26 名
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/qanun/yepiq-terbiyelesh-06142018181109.html?enc
oding=latin

10. ヤクプジャン・ナマン(17 歳)、カシュガル・ヨプルガ県、18 年3 月死亡
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/teenager-03142018154926.html

11. 在日ウイグル人弟(24 歳)、ウルムチ、18 年5 月死亡

第四章 “新疆のウイグル自治区”:中国高度な監視下の野外刑務所

1.中国当局はウイグル地域を「野外刑務所」化
東トルキスタン(現“新疆ウイグル自治区”)は、古代からヨーロッパと東アジアをつなぐ要衝
であるだけでなく、石炭、石油、天然ガス等地下資源の豊富な地域でもある。1949 年に中国人民
解放軍が東トルキスタンに侵攻し、「新疆ウイグル自治区」として共産党の支配下に組み込んだ。
それ以来、中国当局によるウイグル人への差別的、抑圧的政策がずっと続いている。


1.1【漢民族の大量移住】

中国内陸から漢民族をウイグル地域に大量移住させるのと同時に、多くの若いウイグル人・未
婚女性を労働力として中国内陸の工場などに移送し、ウイグル自治区におけるウイグル人口比率
の減少を図っている。他に少数民族までに適用された“計画生育”制度も功を奏して、1949 年に6%
だった漢民族人口が、2010 年には40.1%に達している(新疆维吾尔自治区2010 年第六次全国人
口普查主要数据公报)『参考資料1』。「新疆軍区」数十万軍人とその家族、300 万人以上とされる
「新疆生産建設兵団」の人口はこれに含まれない。
漢民族がこの地に大挙進出してきて、経
済発展の恩恵を独占した結果でウイグル
族との格差が広がる一方である。中国当局
によりウイグル人に対して差別的政策が
実施され、憲法で定めたウイグル人固有の
言語、文化的・宗教的権利も侵害されてき
た。

1.2【7・5 ウルムチ虐殺】
そんな中、2009 年6 月に中国広東省の
第四章 “新疆ウイグル自治区”:
中国高度な監視下の野外刑務所


玩具工場で労働者として勤務しているウイグル人が中国人に襲撃され多数が殺傷された事件に対
する中国政府の対応への不満がきっかけに、ウイグル人の怒りがさらに高まった。同年7 月5 日
にウルムチ市でウイグル学生らによる大規模なデモが発生した。平和的な抗議行動は、中国当局
の軍、武装警察によって、過剰な武力行使を通して残虐に制圧され、数千人がウルムチの町で殺
害され(中国当局の発表では197 人死亡)、殆どのデモ参加者が逮捕された。これは「7・5 ウル
ムチ騒乱」「7.5 ウルムチ虐殺」と呼ばれる。『参考資料2』


1.3【悪漢・陳全国】
2009 年以降、中国共産党当局によるウイグル人の監視はさらに強まった。特に、元中国共産党
チベット自治区委員会の書記で、チベット人の弾圧で手腕を発揮した陳全国が、2016 年に新疆ウ
イグル自治区の書記に就任してから、ウイグル人への監視・弾圧が特段に強まった。新疆ウイグ
ル自治区は、習近平政権が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の戦略的要衝で
もあり、そこに完全に監視され・封じ込められた社会を作り上げることが習近平政権の謀略と言
えるだろう。
陳は、1 年も経たない間に、9 万人を越す治安関係ポストを募集し、ウイグル地域における「監
視社会」の完成を手掛け、2017 年一年間でウイグル自治区の警察の人員が2015 年の6 倍にまで
膨れあがった『参考資料3』。
ウイグル自治区全地域で、500m間隔で交番(便民警務站)が設置され、一つに8−30 名の武
装警察が配備された。アクト県だけで2017 年10 月以降、68 個の交番を新たに設置したことを現
地で当番中の警察がRFA のインタビューで明らかにした『参考資料4』。
陳全国は、ウイグル全地域で上述した「再教育センター」というナチス式強制収容所や以下で
述べる監視社会を作り上げた首謀者・真犯人である。
1.4【最先端の監視技術の実験場】
中国国内には昨年秋の時点で監視カメラが1 億7000 万台設置されており、今後3 年間でさら
に4 億台が追加されると推定されている。監視カメラの多くには人工知能(AI)が搭載され、顔
認証技術などを備えている。その「最先端の監視技術を試行する実験場」となったのは新疆ウイ
グル自治区である。中国政府は2017 年第1 四半期(1〜3 月)にウイグル自治区で10 億ドル(約
1130 億円)以上に相当するセキュリティー関連の投資計画を発表したとウォール・ストリート・
ジャーナル紙が明らかにした『参考資料5』。
国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は明らかにした情報によると、中国当局
は、問題を起こす危険のある人物を特定し、先んじて拘束するため、新疆ウイグル自治区に大量
のデータを駆使した監視プラットフォームを配備している。この「予測による治安維持」プラッ
トフォームについて、当局が監視カメラの映像や、通話・旅行記録、宗教的志向などの個人情報
を統合・分析し、危険人物を特定するためのものだと説明する。カシュガル市だけで今年3 月、
5100 万ドル(約55 億円)以上を投じて、統合データプラットフォームを含む監視システムを購
入・設置した。この監視カメラシステムは、瞬時にして人の顔と歩き方を識別して個人を特定し、
データベースと照合して年齢、性別、身長、民族アイデンティティを判定。その上、親族や知人
といった人的ネットワークまで割り出すことができるという『参考資料6』。
1.5【政治的信頼度点数表】
ウイグル人の研究者で記者のタヒール・イミン(Tahir Imin)氏は昨年2 月、新疆から米国に
亡命した。同氏はウルムチに住む友人が6 月、当局に拘束されたと話す。定期的な礼拝、パスポ
ートの所持、トルコへの渡航記録が減点の対象となったという。そして「マイナスポイントが70
を上回ると、危険人物と見なされ、警察に通報される。警察はこれを受け、拘束した人物を再教育センターに送る」と明かした『参考資料7』。
以下の「人口個人情報採集表(表1、『参考資料5』)」は、ウイグル自治区全地域で「危険人物」
を割り出すために使われているものである。表の右側に「重要情報」とされた内容は、年齢が(15
〜55 歳)、ウイグル人か、失業者か、パスポート保持者か、毎日礼拝するか、宗教知識があるか、
26 の“センシティブな”国に行ったことがあるか、海外とのつながりがあるかなどである。
また、ウルムチ市の各社区で実際の
登記に使われている「常住戸民族語系
点数表(下表2)『参考資料7』」による
と、各住民一人一人に10 カテゴリーで
10 点ずつ点数付け、ウイグル人の政治
的信頼度を評価している。
例えば、この表の1 番目のイブライ
ム・イスマイル氏(83 歳)には50 点付
けられ、「一般注意人物」とされている。
ウイグル人であれば10 点、パスポート保持者であれば10 点、礼拝していれば10 点、宗教知
識があれば10 点、対象の26 か国のどれかに行ったことがあれば10 点それぞれ引かれ、合計点
数は50 点となっている。この点数が低いほど「危険人物」とされる。もし、この方が55 歳以下
で、海外とのつながりがある人だった場合は、点数が30 点(マイナス70 点)で、即拘束対象と
なり、収容所(再教育センター)に送られることになる。
亡命者の証言によると、誰が礼拝しているか、誰が断食しているか(イスラム・ラマダンの時
期にどの家の人が夜中に起きて明かりをつけているか、職場、学校でお昼ご飯を食べていないか
など)を常にチェックするため、町、村、学校で10 人を1グループにし、相互監視体制を作って
いる。知っている情報を隠した人も罰せられるようになっている。また、政府幹部に住民と「親
戚(双親)」を作らせ、住民の宗教意識、共産党への忠誠心を調べ、人ひとりに点数をつける任務
を与えている。その中で、収容所に入れられた若いウイグル女性がいる家に「親戚」となった漢
族男性が寝泊まりするケースもあるという。


表 1. 人口個人情報採集表 表 2. 常住戸・民族語系

1.6【一般家庭に政府幹部が宿泊】
国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が「ウイグル人家族の家に中国共産党政
府職員がホームステイしている」と5 月13 日に報告を発表した『参考資料8-9』。報告によると、
ウイグル人密集地域の一般家庭が近年、政府幹部による定期的な「ホームステイ」の受け入れを
強いられている。中国政府による「民族団結」を名目とした厳しい監視が目的とみられ、官製メ
ディアの情報として、当局は2017 年に職員100 万人を同地農村へ派遣したと伝えている。職員
をウイグル人家族と「共に食べ、共に住み、共に労働し、共に学習」させるという。
1.7【スマートフォンにスパイウェアを強制装着】
中国にいるウイグル人はまた、2017 年4 月からスマートフォンにスパイウェア・アプリをイン
ストールすることを強制されている。「ラジオ・フリー・アジア」の報道によれば、「百姓安全」、
「Jinwang」と呼ばれるこのアプリは、政府が市民の携帯デバイスをスキャンし、「テロリストや
違法な宗教に関する映像・写真・ファイル類を所持していないか確認する」ためのものだという。
これらのアプリをインストールすると微信(Wechat)やSNS「微博(Weibo)」のログ、SIMカード
情報、Wi-Fi のログイン情報などがサーバーに送信される。インストールを拒否したり、一度イ
ンストールしたアプリを削除したりすると、10 日間拘束されることがあるとのこと『参考資
料10-13』。
今はすべてのウイグル人が24 時間監視され、Wechat などを通して海外にいる親戚と連絡する
ことも一切できなくなっている。我々海外にいる人たちはウイグルにいる親戚から「連絡しない
で」と言われている。公安警察からハラスメントや脅迫を受けていると思われる。
1.8【全車両にGPS を強制装着】
中国当局また、ウイグル地域にあるすべて自動車に対し、中国版全地球測位システム(GPS)
「北斗」の端末の設置を義務付けたと米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝え
た『参考資料14』。昨年の6 月30 日までに全車両への「北斗」の端末設置を終える計画となって
いた。重機や工事用の車両なども対象となり、端末を設置していない車両は、ガソリンスタンド
で給油が拒否されるほか、中古車市場で取引ができない。
1.9【ウイグル人のパスポートを没収】
中国国内でパスポートを持っている全てのウイグル人からパスポートが没収され、観光や留学
のため海外に行くことは非常に難しくなった『参考資料15』。海外留学のため、新しくパスポート
を作ることはできなくなった。両親のことが心配で海外から一時帰国した学生のパスポートも没
収されるほか、再教育センターに入れられたケースもある『参考資料16』
1.10【ウイグル人逮捕者数が全国の21%】
中国の人権を監視する国際NGO 組織・中国人権擁護(Chinese Human Rights Defenders)は、
7月25日にウイグル人逮捕者数を発表した『参考資料17』。中国政府が発表した数字によると、
2017 年に新疆ウイグル自治区で、刑事的罪で逮捕された人数は全国の同じ罪で逮捕された総数の
21%を占めたという。新疆人口は中国全国人口のわずか1.5%を占めているにもかかわらずだ。
中国人権擁護は、2008〜2017 年間にウイグル自治区で逮捕された人数の比較調査を行い、2017
年一年で227,882 人が逮捕されたこと、これは2016 年の逮捕者数27,404 人の8.3 倍だったこと
を明らかにした。報告では、これは中国当局が「三股勢力」(暴力恐怖主義、民族分裂主義、宗教
極端主義)名目の厳打(厳しく取り締まり)運動の結果との認識を示した『参考資料18』。


2.中国当局はウイグル住民からDNA など生体データを採集

2.1【検診名目でDNA 採集】
中国国営の新華社通信は2017 年11 月、衛生当局の統計として、新疆の総人口の9 割に相当す
る約1900 万人がこの「検診」を受けたと伝えた。また、中国最大手インターネットポータルサイ
ト「新浪(Sina)」が2017 年11 月1 日、新疆ウイグル自治区衛生計画生育委員会から入手した情
報として、ウイグル自治区は昨年15.85 億元投資し、全自治区で1884.48 万人、その中、南疆4
地区・州(ウイグル密集地域)で912.71 万人(100%)の検診を終えたと伝えた

『参考資料19』。
国際NGO 人権組織の「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)」は、このよ
うな大規模な強制収集は国際人権規約を踏みにじるものだと批判した。
当局に「全民検診」と呼ばれたこの無料のプロジェクトは、12 歳から65 歳までの住民を対象
にDNA や血液のサンプル、指紋、虹彩、血液型などの生体データを集めている『参考資20-23』。


2.2【臓器狩り】

中国新疆出身の在英の元外科医エンヴァー・トフティ(Enver Tohti)氏は、こうした不合理な
新疆地区住民のDNA 採取について、中国移植権威で富裕層や外国人移植希望者のための移植用
臓器となる「生きた臓器バンク」とし、住民を秘密裏に「ドナー登録」しているのではないかと
の推測を述べた『参考資料19』。

中国衛生部(厚生省)の前副部長・黄潔夫氏は7 月26 日、AP 通信のインタビューで、国内ド
ナー登録者は21 万人を数え、2020 年には、中国は米国を抜いて世界一の移植大国になると主張
した『参考資料24』。

第一章でも述べたが、これまでの報道で各収容所から続々死者が出ていて、家族に返す・見せ
ることなく、新しく設けられた一般人が入ることのできない遺体処理・安置所で処理されている。
臓器売買のため、臓器が抜き取られた痕跡のある遺体もあったという噂がある。
以下の写真1,2 はその証拠である。これは観光でウイグルに行った日本人により今年1 月にカ
シュガル空港で撮られた写真であり、空港では「人体器官運送通路」、「人体寄付、移植器官航空


運送保障プロセス」標識の専用通路やスペースが用意され、国家ぐるみで監禁されている人から
強制的に臓器を摘出していることを示す徹底的証拠である。


3.海外在住のウイグル人(留学生、永住者、帰化者)も監視対象に

3.1【在日ウイグル人の被害】

新疆ウイグル自治区で100 万人を超えるウイグル人が「再教育センター」と呼ばれる収容所に
収監され、著しく人権被害を受けていることをアメリカ、ヨーロッパ各国のメディア、政府機関、
国連などが続々報道し、厳しく非難し始めた(下画:アメリカ政府報道)。しかし、日本ではほと
んど報道されていなかった。
2018 年7 月19 日ついに、NHK-BS1 テレビチャンネルの国際報道番組「中国でウイグル族大
量拘束 今何が?」で、中国のウイグル人への弾圧、収容所の実態を報道した『参考資料25』。こ
れは日本において、主要メディアとして初めての報道であった。在日のウイグル人として、まず
NHKの勇気に感謝したい。本当にありがとうございます!

当番組で在日のウイグル人4 名が「家族が収容所に送られ、全く連絡がつかず、生きているか
死んでいるかもわからない」と証言した。8人がインタビューを受け、証言していたようですが
が、時間の制限により全部伝えきれなかったと思われる。この8 名がいずれも、家族が収容所に
収監され、現在どうなっているか全くわからない状況だという。日本にそれ以外にも多くのウイ
グル人の家族が中国で被害を受けている。しかし、その多くはウイグルにいる家族、親戚がさら
なる被害・弾圧を受けることを恐れて、沈黙しているのが実情である。だが、「今こそ、国で沈黙
せざるを得ない同胞に代わって、国外に住む私たちが声を上げるべきときだ」という在日ウイグ
ル人も増えている。
当NHK 番組でも紹介されたが、在日ウイグル人人権団体である「日本ウイグル協会」の呼び
かけで、7 月1 日東京の中心繁華街である新宿で大規模なデモが行われた。これまでに沈黙して
きたウイグル人100 人以上が参加した。デモでは、「不当な拘束をやめろ」、「強制収容所を閉鎖し
ろ」、「家族を返せ」、「お父さんを返せ」、「ウイグルに自由を」、「日本人は我々を助けてください」
と訴えた。7 月7 日また六本木、中国大使館前で150 人以上のウイグル人によるデモがあった。
これほど多くの在日ウイグル人が中国のウイグル人弾圧を訴え、このようなデモに参加したのは
初めてであった。
私たち有識者会が把握した情報では、例えば、一年前に娘を連れて一時帰国したお母さん(M
さん)は、パスポートが没収され、母子とも日本に戻れていない;在日ウイグル人Gさんの弟(24
歳)が今年5月に収容所で亡くなり、遺体を家族に返してくれなかったという。死因は何なのか、
遺体はどこに、どういう方法で処理されたかなどの情報は一切聞かされていない。電話に答えた
親族は「党のケアの元で葬送した、さようなら」といっただけで、他に何も言えなかったという。
その他、在日ウイグル人で中国パスポートの有効期限が近づき、中国大使館に更新手続きに行
ったところ、中国新疆に帰って現地で更新してくるように言われ、更新できなかった人が何人も
いる。その中にパスポートの有効期限が既に切れ、中国に帰ることもできず(中国に帰ると収容
所に送られることが明白であるため)、困っているウイグル人がいる。また、日本の大学院を卒業
したらウイグルに帰るつもりで、日本で就職活動をやっていなかった人で、中国に帰ることを恐
れて、日本に残らざるを得ない人や日本滞在ビザの心配をしている学生も多数いる。
在日ウイグル人(帰化者を含む)の被害状況をまとめると以下になる。


・日本(海外)にいるウイグル人は中国にいるご家族と連絡が取れなくなっている。
・在日ウイグル人でもご家族が収容所に収監された人が多数いる。
・在日中国大使館がウイグル人のパスポート更新申請を受け付けなくなっている。
・一時帰国者が収容所に入れられたりして日本に戻ってこられなくなっている。
・中国にいる家族が人質に取られて、留学生ら自身は帰国やスパイ活動が強要され、「従わないと
家族を再教育センターに送る」と脅迫されるケースが増えている。
・帰化やビザ申請に必要な書類の中国からの取り寄せができなくなっている。


3.2【海外にいるウイグル人の被害】

中国政府はウイグル弾圧の手を海外まで伸ばしている。例えば、以下のような報道がある。

・エジプトで中国のウイグル族の拘束・強制送還相次ぐ
http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2017/09/0901.html
Uyghur Students in Egypt Detained, Sent Back to China
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/students-07072017155035.html
・海外にいるウイグル人にスパイ活動を強要
Spy for Us — Or Never Speak to Your Family Again
https://www.buzzfeed.com/meghara/china-uighur-spies-surveillance?utm_term=.ndzvJGJgbG
#.aaplb9bgm9
・親族訪問・一時帰国者のパスポート没収、「再教育センター」へ収監
“Uighur graduate student goes missing upon returning to China”
https://www.amnesty.org/en/latest/news/2018/07/uighur-graduate-student-goes-missing-uponreturning-
to-china/


『参考資料』

1. 《新疆维吾尔自治区2010 年第六次全国人口普查主要数据公报》
http://www.stats.gov.cn/tjsj/tjgb/rkpcgb/dfrkpcgb/201202/t20120228_30407.html
2. 2009 年「7・5 ウイグル騒乱」
https://ja.wikipedia.org/wiki/2009%E5%B9%B4%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%82%B0%E3
%83%AB%E9%A8%92%E4%B9%B1
3. 「AI に顔認証……中国がウイグルで実験し始めた監視社会の実態」
https://the-liberty.com/article.php?item_id=13986
4. 500m 間隔で武装警察交番設置, RFA 2017.08.17
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/aqtuda-68-saqchi-ponkiti-08172017213200.
html?encoding=latin
5. 中国「完全監視社会」の実験場、新疆を行く, Josh Chin and Clément Bürge, The Wall Street Journal,
2017.12.22

https://jp.wsj.com/articles/SB11070217722261694869804583589052841366988


6. ビッグデータで危険人物「予測」 中国の治安対策, The Wall Street Journal, 2018.02.28
https://jp.wsj.com/articles/SB12343497592033114173304584071460854064956
7. ウイグル人の信頼度を決める点数表があった、RFA, 2017.12.20
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/siyaset/uyghur-jedwel-07122017141518.html?encoding=la
tin
8. China: Visiting Officials Occupy Homes in Muslim Region, HRW
https://www.hrw.org/news/2018/05/13/china-visiting-officials-occupy-homes-muslim-region
9. Chinese Uyghurs forced to welcome Communist Party into their homes
https://edition.cnn.com/2018/05/14/asia/china-xinjiang-home-stays-intl/index.html
10. 中国、ウイグル族にスパイウェアのインストールを強制, ベンジャミン・フィアナウ, NewsWeek
Japan, 2017.7.26
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-8062.php
11. RFA 独家:新疆强迫居民安装手机监控软件 10 哈族妇女微信发言被拘, 2017.07.13
https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/shaoshuminzu/ql2-07132017112039.html
12. Report: Xinjiang Residents Forced to Download Spyware App, Chinese Regime Can Track and
Censor Users
https://www.ntd.tv/2018/04/13/report-xinjiang-residents-forced-to-download-spyware-app-chin
ese-regime-can-track-and-censor-users/
13. China forces Xinjiang Uyghurs to install mobile spyware, enforces with stop-and-frisk
https://boingboing.net/2017/07/26/jingwang.html
14. Vehicles to Get Compulsory GPS Tracking in Xinjiang, RFA 2017.02.20
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/xinjiang-gps-02202017145155.html
http://www.alertchina.com/archives/2265113.html
15. China confiscates passports of Xinjiang people
https://www.bbc.co.uk/news/world-asia-china-38093370
16. Uighur graduate student goes missing upon returning to China
https://www.amnesty.org/en/latest/news/2018/07/uighur-graduate-student-goes-missing-uponreturning-
to-china/
17. Criminal Arrests in Xinjiang Account for 21% of China’s Total in 2017. NCHRD, Jul 25, 2018
https://www.nchrd.org/2018/07/criminal-arrests-in-xinjiang-account-for-21-of-chinas-total-in-2
017/
18. 人权组织指中国当局2017 年以刑事罪逮捕的穆斯林人数是上一年的7 倍多, RFA, 2018.07.25
https://www.rfa.org/mandarin/Xinwen/d-07252018162042.html
19. 新疆投入15 亿多元完成新一轮全民健康体检工程, 新浪(Sina), 2017.11.01
http://news.sina.com.cn/o/2017-11-01/doc-ifynmnae1006240.shtml
20. 中国当局、新疆で1900 万人のDNA 採集 「無料の全民検診」実施, The Epoch Times, 2017.12.15,
http://www.epochtimes.jp/2017/12/30173.html
21. 中国:少数民族からDNA サンプルを数百万人規模で採取
https://www.hrw.org/ja/news/2017/12/13/312755
22. China collecting DNA, biometrics from millions in Xinjiang: report
https://edition.cnn.com/2017/12/12/asia/china-xinjiang-dna/index.html
23. China Is Vacuuming Up DNA Samples from Xinjiang's Muslims
https://www.buzzfeed.com/meghara/china-is-quietly-collecting-dna-samples-from-millions-of?ut
m_term=.reOnBXBjGX#.mabNxJxZqJ
24. 中国衛生部の前副部長・黄潔夫氏「中国は3 年後世界一の移植大国になると主張」
http://www.epochtimes.jp/2017/08/28097.html
25. NHK-BS1 国際報道「中国でウイグル族大量拘束 今何が?」2018.07.19


http://www6.nhk.or.jp/kokusaihoudou/bs22/feature/index.html?i=180719
その他:
ウイグル人の政治的迫害 - 個別事件の簡単な説明概要
Political Persecution of the Uyghurs—Brief Description of Some Individual Cases
https://freedomsherald.wordpress.com/2018/01/19/political-persecution-of-the-uyghurs-brief-descrip
tion-of-some-individual-cases/


第五章 中国のウイグル言語への侵害状況

1949 年に中国人民解放軍の侵攻により共産党支配下に置かれ、1955 年に設置された新疆ウイ
グル自治区(東トルキスタン)の当初は、東トルキスタン・イリ政府と中国共産党の交渉、平和
条約の約束通り、それまでに展開されてきたウイグル言語など独自の民族言語による教育が継続
された。1950 年初頭からは漢語が選択科目として導入されていた。
しかし、1960 年代に入ると次第に漢語教育が重要視されるようになり、漢語が民族学校におい
て必須科目となる一方、漢語学校に設置されていたウイグル語の選択科目は廃止された(リズワ
ン, 2009)。
1977 年から新疆ウイグル自治区政府は少数民族への漢語教育の強化を政策課題としてさらに
強調するようになった(リズワン, 2009;Mamtimyn 他, 2015)。
1982 年制定の中華人民共和国憲法では、少数民族言語による教育が保護されることになった
(Grose, 2010)が、実際には教育現場における漢語への一元化が推進されていった。
1990 年代末からは少数民族の漢語習得、主流文化の吸収が強く促されるようになる(王, 2006)。
2004 年に交付された「全面的に双語教育を推進することに関する決定(関与大力推進双語教学
的決定)」により、ウイグル語の授業のみをウイグル語で行い、その他の科目はすべて漢語で教え
る「双語教育」に取って代わられることとなった(アナトラ,2013;リズワン他, 2014)。
2010 年からウイグル全地域において幼稚園、小学校一年から「双語教育」が実施されるように
なり、中国内陸からウイグル語が知らない漢族教師が大量に投入された(例えば、2017 年4 月
26 ホータン地区・チラ県政府ウェブサイトでの募集(参考資料8)によると、人口13 万人のこの
県だけで1093 人の教師を中国内陸から募集している;またホータン地区政府からも中国内陸向け
の同様な募集(参考資料9)があり、現地一般教師給与の2 倍以上の賃金が提示されている。これ
により、学校ではウイグル語の授業がほとんど行われなくなり、漢語を習い始めたばかりの子ど
もたちに、すべての授業を漢語で行うようになった。一方、これまでに長年ウイグル語による授
業をやって来たベテランの優秀な教師たちが、漢語水準が満たない理由で「下放」された(教育
現場から追い出された)。教育レベル、学生の知力が著しく落ちていった。
この時、ウイグル言語に対する危機を感じた有志の教育者が私立のウイグル語幼稚園、小学校
の設立を試みた。現在トルコ在住のアブドワリ・アユップ(Abduweli Ayup)氏(参考10)がウ
イグル語学校設立を仕掛けた一人である。アブドワリは2011 年アメリカ留学から帰国したあと、
カシュガルでウイグル語学校を立ち上げた。しかし、2013 年にアブドワリ氏を含む学校設立に関
わった3 人(他Dilyar Obul, Muhemmet Sidik Abdurshit)が、寄付で集まった支援金の「横領罪」
で投獄され(明らかに冤罪である)、ウイグル語学校計画が滅ぼされたのである。(その後、アブ
ドワリ氏は治病のためトルクに渡り、現在もウイグル語保護活動を続けている)。
また、中国でウイグル族が直面している現実への理解と問題解決を訴え、当局の政策に批判的
な声を上げた知識人、中央民族大学(北京)の著名なウイグル族経済学者、イリハム・トフティ
ウイグル語教育 → 「双語」教育 → 漢語のみの教育への転化
→ 幼稚園、小・中・高校、大学でのウイグル語使用全面禁止へ


第五章 中国のウイグル言語への侵害状況

准教授(Ilham Tohti, 伊力哈木·土赫提)が「国家分裂罪」に問われ、2014 年9 月23 日、無期懲
役判決で投獄された(参考資料11)。
2016 年に元中国共産党チベット自治区委員会の書記で、チベット人の弾圧で手腕を発揮した陳
全国が新疆ウイグル自治区の書記に就任してから、ウイグル語の使用禁止、漢語教育のみを実施と
いう重大な人権侵害、同化・民族浄化政策を露骨に展開してきた。これは陳の指示で設置した洗脳
のための「再教育センター、強制収容所」や監視社会体制以外のもう一つ謀略である。
ウイグル語禁止政策は以下の各地区政府の通知・通達の内容から見取れる。
2017 年7 月5 日、ホータン地区政府のホームページに、「ホータン地区双語教育規定5 カ条、
小中学校双語教育強化」(《和田地区制定双语教育五条规定,加强中小学双语教育》(参考資料12))
という規定を発表した。内容は(1)国家通用言語文字(漢語)を全面普及し、民族言語を付加
した双語教育原則を堅持すること、(2)2017 年秋学期から小学校入学前の3 年で国家通用言語
文字教育を徹底し、小学校1 年、中
学校1 年から国家通用言語文字教
学を全面実施、2020 年には国家通
用言語文字教学を全体的に実現す
ること、(3)漢語教師がウイグル
語で研修受けるという間違ったや
り方を止めること、(4)教育系統
内、学校内でウイグル語文字、スロ
ーガン、図画などの使用を断固禁止
すること、(5)教育系統の集団活
動、公共活動、管理ワークの中でウ
イグル語の使用を断固禁止するこ
と。以上の双語教育政策に対しての
怠慢、不履行、小細工などをした人
は、「両面派」、「両面人」として厳
重に懲罰される、であった。
そのほか、「ホータン地区学前(入
学前)教師8 カ条ルール」、「ホータ
ン地区国語教育5 カ条規定」などが
ある(参考資料13)。
2017 年10 月10 日、イリ・カザフ自治州イニン県教育局が、自治区教育庁の「少数民族文字教
材補選使用に関する通知」(《关于少数民族文字教材教辅选用有关工作的通知》)を通達し、当県に
おいて、(1)全てのウイグル語とカザフ語の「国語」教材の使用を停止すること、学校にすでに
ある教材は封存すること、(2)国家統編の教材「道徳と法治」、「歴史」教材の少数民族文字に翻
訳が終わっていないものを含め、使用を停止すること、(3)関連学科少数民族文字の教材・補助
資料の使用を停止すること、(4)この「通知」要求により、各学校が教材・補助教材選択・使用
規定に違反してはいけない、問題発覚時はすぐ報告すること、という内容を発表した(参考資料14)。


ウイグル語使用禁止と同時にウイグル語教科書、文学・歴史に関係する出版物の焼却が各地で
行われた(参考資料15-16)。


『参考資料』

1. 新井 凜子, 大谷 順子, 2016, 「新疆ウイグル自治区の漢語教育に見る言語とアイデンティティの
関係」. 21 世紀東アジア社会学2016-第8 号, 1-18.
2. リズワン・アブリミティ, 2009, 「中華人民共和国成立後の新疆における「民族学校」の漢語教育
をめぐる一考察」『アジア・アフリカ言語文化研究』78, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文
化研究所, 43-77
3. Mamtimyn S., Feng A. and Adamson, B., 2015, “Trilingualism and Uyghur Identity in the People’s
Republic of China” in Evans, D. Eds., Language and Identity Discourse in the World. Bloomsbury.
4. Grose, T.A., 2010, “The Xinjiang Class: Education, Integration, and the Uyghurs” Journal of
Muslim Minority Affairs Vol.30 No.1, The Institute of Muslim Minority Affairs, 97-109.
5. 王柯, 2006, 『20 世紀中国の国家建設と「民族」』東京大学出版社
6. アナトラ・グリジャナティ, 2013, 「中国新疆ウイグル自治区における少数民族双語教育に関する
研究」富士ゼロックス株式会社小林節太郎記念基金
7. リズワン・アブリミティ, 大谷順子, 2014, 「中国新疆におけるウイグル族の学校選択」『21 世紀
東アジア社会学』第6 号, 日中社会学会, 156-171
8. 策勒县人民政府《2017 新疆和田地区策勒县双语教师招聘1093 人公告》,2017 年4 月26 日
http://www.offcn.com/jiaoshi/2017/0426/153572.html
9. 《和田地区于田县面向内地招聘教师简章》2017.08.18
http://www.gzsjyzx.com/client/article/1384
10. ウイグル学校設立者 アブドワリ・アユップ https://en.wikipedia.org/wiki/Abduweli_Ayup
11. ウイグル族経済学者、イリハム・トフティ准教授が「国家分裂罪」で投獄
https://ja.wikipedia.org/wiki/イリハム・トフティ
12. 《和田地区制定双语教育五条规定,加强中小学双语教育》, ホータン地区ウェブサイトより
https://archive.is/nybWu
13. 《新疆禁止幼教信教 教育系统内禁维语》, Radio Free Asia ウェブサイトより
https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/shaoshuminzu/xl1-09252017102937.html
14. 《RFA 独家:新疆全面停用维、哈文字辅选教材》
https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/shaoshuminzu/ql1-10132017100200.html
15. 《新疆伊犁、和田等地收缴民族语言教科书》ChinaAid, 2018.04.02
http://www.chinaaid.net/2018/04/blog-post_2.html?m=1
16. Thousands of Uighur Books burned by Chinese Authorities
http://unpo.org/article/101


第六章 中国のウイグル文化・宗教への侵害状況

ウイグル人は、ユーラシア大陸のほぼ中央に位置し、シルクロードとも言われてきた東トルキ
スタン(現“新疆ウイグル自治区”)を中心に暮らす、独自の歴史と文化を持つイスラム教を信仰
する人々である。
ウイグル人は、8-9世紀に約100 年継続した「ウイグル可汗国」(Oghuz Orkhon Khanate)、
9〜13 世紀に約300 年繁栄した「天山ウイグル王国(Uyghur Kingdom of Qocho, 天山山脈北
麓)」と「カラ・ハン朝 (Kara-Khanids Dynasty, タリム盆地)」、16−17 世紀に165 年繁栄した
「セイディア汗国」(Saidia Khanate, ヤルカンド)などを建国していた。
こうした独立のウイグル国家は18 世紀から清朝の支配下におかれ、1884 年に「新しい領土」
を意味する「新疆」という名前が付けられた。それでも、ウイグルの反抗が途絶えず1933 年と
1944 年に「東トルキスタン共和国」として独立国家を設立していた。しかし、1949 年に再び中
国人民解放軍の侵略により、共産党支配下に置かれた。
ウイグルは、かつて仏教やマニ教も信仰した歴史もあったが、8 世紀からはずっとイスラム教
を信仰してきた平和を愛する農耕民・遊牧民である。
ウイグルは、長い歴史の中でアジア、ヨーロッパ文化も吸収しながら、独自の言語(ウイグル
語)や文化・習慣を培って、守ってきたのである。
ウイグルは、古代から音楽・踊りを生活の一部として、それを発展させながら、非常に明るく
平和に暮らしていた。ウイグルの古典音楽「12ムカム」は歌、ダンス、音楽が一体となったも
ので、その素晴らしさが認められ、「世界無形文化遺産」に登録されたほどである。ウイグル人
は中国で「能歌善舞」(歌も踊りも上手な)民族と呼ばれてきた。
ウイグルは、何千年もの歴史の中で、男性はヒゲを生やすのと伝統的な帽子をかぶり、女性は
ベールをかぶるのと肌脚を露出しないようにロングスカートを着るという習慣を作ってきた。
しかし、今現在、中国共産党の支配下にある、実際に全く「自治」のないこの「新疆ウイグル
自治区」で何が起こっているだろうか。
中国でいま、ウイグルアイデンティティーを破壊する重大な人権侵害、同化・民族浄化が行わ
れているのだ!


1.【ウイグル文化への侵害】

1)ウイグルの男性(老人以外)は髭を生やすことが禁止されている。
https://www.bbc.com/news/world-asia-china-39460538

2)ウイグルの女性はベールやロングスカートを着用することが禁止されている。
新疆ウイグル自治区当局は昨年4月1日から、ひげや公共の場所での顔などを覆うベールの着
用を禁じる新たな法律を発効した。
「新疆ウイグル自治区でひげやベール禁止、過激思想対策」(2017.04.01)
https://www.cnn.co.jp/world/35099111.html


第六章 中国のウイグル文化・宗教への侵害状況

China Uighurs: Xinjiang ban on long beards and veils
https://www.bbc.com/news/world-asia-china-39460538

3)街の中で民族衣装、ワンピースや長めのシャツが強制的にカットされる。
これらの写真は、2018 年7 月13 日ウルムチ市内で撮影され、WeChat に投稿されたもの

4)ウイグル学生に中華漢族衣装を着させ、孔子・漢族思想教育を強要されている。

・ウイグルアイデンティティーの破壊・同化
http://freedomsherald.org/ET/cmp/


5)伝統的ウイグル歌舞の代わりに中国漢族文化の戏剧を強要されている。
ウイグル音楽「十二ムカム」が世界無形文化遺産に登録されているなど、ウイグル音楽・
舞踊が有名であり、ウイグル人は「能歌善舞」(歌も踊りも上手な)民族と呼ばれることがあ
るが、このような文化を漢族文化に置き換えようとしている。


6)ウイグル女性を漢民族の男性と強制結婚させられている。
https://news.so-net.ne.jp/article/detail/1582964/
http://www.atimes.com/article/beijing-accused-of-forcing-uyghur-han-intermarriages/

漢族の男性がウイグル族女性の親族を監禁して強要結婚……涙に濡れる花嫁の姿
http://www.cyzo.com/2018/06/post_164302_entry.html
Beijing accused of forcing Uyghur-Han intermarriages
http://www.atimes.com/article/beijing-accused-of-forcing-uyghur-han-intermarriages/
31


2.【宗教への侵害】

1)モスクの閉鎖、モスクへ中国旗と監視カメラを設置
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/mosques-08032017153002.html
http://america.aljazeera.com/articles/2013/9/18/uighurs-bow-downtochineseflagatxinjiang
mosque.html
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/urumqi-07072010084824.html
https://www.engadget.com/2018/02/22/china-xinjiang-surveillance-tech-spread/
2)モスクに政府系監視係の職員を配置
Xinjiang Authorities Convert Uyghur Mosques Into Propaganda Centers
https://www.rfa.org/english/news/uyghur/mosques-08032017153002.html
3)18 歳以下の全員、学生、教師、職員の礼拝、断食など禁止
https://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/china/5794696/Chinese-authorities-ban
-Uighurs-from-mosques.html
https://www.theepochtimes.com/communist-regime-bans-people-under-18-from-attendingmosques-
in-xinjiang-china_1730829.html
4)モスクで行われて来たウイグル伝統的葬式に家族以外の人々の参加禁止
5)ウイグル人ボランティアの遺体清浄禁止
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/din/meyit-yuyghuchi-ayal-02192018135741.html?enc
oding=latin
6)当局管理下の遺体処理・葬儀場(葬儀サービスセンター)を設立
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/xitay-uyghur-miyit-ishlirigha-qol-tiqti-
04062018235849.html?encoding=latin
7)ウイグル人密集地に火葬場建設
ウルムチ沙依巴克区 火葬场保安員の公募
33
中国のウイグル人への弾圧状況についてレポート
在日ウイグル人有識者会議
https://m.wlmq.com/0010155185.html
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/jeset-koydurush-06122018145148.html
?encoding=latin
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/jeset-koydurush-06132018153137.html
?encoding=latin
https://www.rfa.org/uyghur/xewerler/kishilik-hoquq/jeset-koydurush-06142018151310.html
?encoding=latin
8)新生児にイスラム系の名前を付けることを禁止するほか、一部大人の名前の改名を強要
https://www.voanews.com/a/china-issues-ban-on-many-muslim-names-in-xinjiang/3826118
.html
https://www.telegraph.co.uk/news/2017/04/25/china-bans-islamic-baby-names-muslim-maj
ority-xinjiang-province/
9)収容所でウイグル人に豚肉とアルコールを強要
イスラム教徒に豚とアルコールを強要する中国・ウイグル「絶望」収容所
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/post-10194.php


▲△▽▼


いま中国が行っているのは民族浄化で、ただ浄化するのではなく、ウイグル人を殺して臓器売買のドル箱としているのです。

【ウイグル人収容所から死者が続出】
http://uyghur-j.org/20180908/uyghur_japan_report_20180908.pdf


これまでの報道で各収容所から続々死者が出ていて『参考資料28-29、第三章死者リスト参照』、

一部の老人遺体以外は家族に返されず、家族に合わせることもなく、新しく設けられた一般人が
入ることのできない遺体処理・安置所『参考資料30』で焼却処分されていると思われる
(ウイグル人の民族習慣では亡くなった人に葬儀を行い、故人を専用墓地に埋葬する)。


臓器売買のため、臓器が抜き取られた痕跡のある遺体もあったという噂がある。
そして、それを裏付ける写真もあった。

上の写真3は、観光でウイグルに行った日本人により今年1月にカシュガル空港で撮られた写真であり、空港では「人体器官運送通路」、「人体寄付、移植器官航空運送保障プロセス」標識の専用通路やスペースが用意され、国家ぐるみで人の臓器を強盗していることを示す徹底的証拠である。


在日ウイグル人一人の証言によると、彼女の弟(24 歳)が今年5月に収容所で亡くなり、遺体を家族に返さずに当局の監視下で直接処理されたそうだ。死因は何なのか、遺体はどこに、どういう方法で処理されたかなどの情報は一切聞かされていない。電話に答えた親族は「党のケアの元で葬送した、さようなら」と言い他に何も言えなかったという。


▲△▽▼


「麻酔掛けずに直接摘出」 中国の臓器奪取、凄惨な実態が明らかに  


李荘弁護士の書き込み。中国の臓器奪取の実態をさらした(スクリーンショット)

【大紀元日本10月24日】重慶市元トップの薄煕来氏の暴力団一掃運動に立ち向かったことで1年半の懲役刑に服した北京の弁護士・李荘氏がこのほど、ミニブログ(微博)で、中国の臓器奪取の実態をさらした。

「ある著名な病院の著名な心臓外科の著名な医師らが僕ににこやかに教えたんだ。『重要患者に臓器移植を行う場合、臓器の鮮度を保つために、われわれは麻酔を掛けずに直接摘出するのだ』。僕は、死刑囚に対しても人道的でなければと忠告した」

この書き込みに多くの注目が集まった。ユーザー「虎甲胡威」は、「死刑執行の前に、死刑囚から臓器を摘出し死亡させることは、もはや人道のうんぬんではなく、計画殺人だ」と指摘。また、「中国で臓器売買のピークが法輪功を弾圧した時期だ。アメリカが証拠を持っているようだ」「李弁護士はもっと情報を提供すべきだ」などとさらなる真相の解明を望む声が飛び交った。

中国の臓器移植問題について、米国務省は5月24日に発表した2011年度人権状況報告書の中国関連部分で、メディアや人権団体から法輪功学習者の臓器が奪取され売買された報告が絶えないことに初めて言及した。また、9月12日に米議会で中国の臓器狩りについて公聴会が行われ、中国の囚人から生体臓器奪取の状況が証言された。

さらに、中国国内では9月、これまで最大規模の不法臓器売買事件の訴訟が始まっている。解放軍病院が仲介者を通じて闇の臓器売買を行ったことが明らかになり、死刑囚の臓器提供意思書、親族臓器提供意思書など、すべて偽造されていたことも浮き彫りになった。

闇から少しずつ、その凄惨な実態が浮かび上がっている中国の臓器狩り問題。2006年にすでにこの問題に注目し、調査報告書『戦慄の臓器狩り』を発表した著者の一人、カナダ元外務省アジア太平洋外務担当大臣のデービッド・キルガー氏は10月25日から27日の日程で来日し、会見やシンポジウムを開く予定だ。(翻訳編集・余靜、張凛音)
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/10/html/d68771.html


詳細は

中国人のウイグルでの民族浄化の手口
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/280.html


中国人を街で見つけたら必ず生卵をぶつける様に習慣付けようね


[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

4. 2018年10月05日 18:08:42 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1607] 報告
ベストセラーで読むアメリカ
日焼けマシーンにダイエットコーク……トランプの心身は大丈夫?元大統領補佐官が暴露、笑うに笑えないエピソードの数々
2018/10/05
森川聡一
■今回の一冊■
Unhinged
著者 Omarosa Manigault Newman
出版 Gallery Books

1月に辞任したオマロサ・マニゴールト・ニューマン元大統領補佐官(写真:ロイター/アフロ)
トランプのお気に入りだった
元大統領補佐官による暴露本
 またまたトランプ政権の内幕を暴露するノンフィクションだ。しかし、本コラムでも取り上げてきた先行する類書にはない大きな魅力が本書にはある。まず、書いたのはプロのジャーナリストではない。大統領補佐官を今年1月に辞任したオマロサという名のアフリカ系アメリカ人の女性だ。ジャーナリストが関係者に取材して書いたのではなく、政権内部でトランプ大統領を間近でみてきた経験をもとに書いてる。しかも、オマロサはドナルド・トランプのお気に入りだった。それだけにディテールや迫力、面白さが違う。裏付けの取材がいらないし客観的に書く必要もないからだ。例えば、次のようにズバリ言い切る。
 I realized that something real and serious was going on in Donald's brain. His mental decline could not be denied.
 「間違いなく何か深刻なことがドナルドの脳で進行していることを、わたしは悟った。トランプがボケつつあることはまぎれもなかった」
 Trump's greatest character flaw is his total lack of empathy, which is itself a function of his extreme narcissism.
 「トランプの人格上の最大の欠陥は、他人への思いやりが全くないということだ。これは極端なナルシシズムの裏返しでもある」
 Trump has an affinity for pretty women. He'd rather have a pretty woman with no experience around than a qualified, less-attractive woman.
 「トランプはきれいな女性を特に好む。実力があるものの美しくない女性を部下に持つより、能力が足りなくても美しければそばにおきたがる」
 しかも、このオマロサという人物は、トランプが制作し司会も務めたテレビ番組「アプレンティス(実習生)」の一番最初のシーズンに出演したのを機に、悪役のテレビタレントとして一躍有名になった経歴をもつ。そうした知名度の高さも手伝って、本書はニューヨーク・タイムズ紙の週間ベストセラーリスト(単行本ノンフィクション部門)で9月2日付に1位で初登場した。ランキング入り6週目となった10月7日付リストでも12位につけた。
 トランプのおかげで世に出て、その縁でトランプの選挙陣営にも加わり、そのままホワイトハウス入りした。テレビ番組で一緒に仕事をしていた時から数えると14年にわたりトランプと交流をもってきた。まさに、トランプが最も信頼を寄せていた腹心だった。
日焼けマシーンを愛用するトランプ

『Unhinged』
(Omarosa Manigault Newman,Gallery Books)
 トランプは、ホワイトハウスのスタッフのほとんどがメディアに情報をリークしていると疑っていた。トランプは大統領執務室に、信頼できるオマロサを頻繁に呼びつけては本心を打ち明けていた。だからこそ、暴露話にも説得力がある。プーチン大統領を称賛するようなコメントをするなと幾度となくトランプにアドバイスしても、プーチンをなぜ持ち上げてはいけないのかトランプは理解できなかった、など呆れるエピソードが満載だ。日焼けマシーンを愛用していることなどを明かす、次のようなトランプの健康に関する記述も興味深い。
 I believe that Donald Trump is physically ill. His terrible health habits have caught up with him. His refusal to exercise (except golf). His addiction to Big Macs and fried chicken.His daily tanning bed sessions (he prefers to do it in the morning, so he “looks good” all day). Donald might brag about his superior genes, but even they can't stand up to what he puts his body through.
 「トランプは肉体的にも病んでいると、わたしは思う。トランプの生活習慣はひどいもので、からだに悪い結果をもたらしている。まず、運動をしない(ゴルフを除く)。ビッグマックとフライドチキンが大好物。毎日、日焼けマシーンも使う(午前中に使うのを好む。そうすれば、一日中、『健康にみえる』からだ)。トランプなら自分の遺伝子は優秀だから大丈夫と言うだろうが、いくらなんでも体に悪いだろう」
 The world has yet to learn about the extent of Donald Trump's Diet Coke habit. He always had one in his hand, as far back as I've known him. He's up to eight cans a day, at least. Eight cans a day, for the last fifteen years, is 43,800 cans of Diet Coke, poured into his system.
 「世界のひとびとは、ドナルド・トランプがダイエットコークを異常に好きなことを知るべきだ。わたしが知り合って以来、トランプはいつも片手にダイエットコークを持っていた。1日あたり少なくとも8缶は飲んでる。過去15年間で、1日に8缶飲んでいると、累計で4万3800缶ものダイエットコークがトランプの体内に流れ込んだわけだ」
トランプ帝国における女たちの戦い
 本書では、筆者が女性ならではの読みどころが満載である点も見逃せない。トランプ政権で要職に登用された女性に対しては時に、厳しい評価を下す。ライバル心からだろうか。特に、仕事でも衝突したデボス教育長官には手厳しい。教育長官のBetsy Devosのことを、トランプが日ごろ、ファーストネームを「ばかな(Ditzy )」という意味の単語と入れ替えてDitzy DeVosと呼んでいることを明かしている。とにかく、教育長官として不適格であるとオマロサは本書で攻撃している。仕事を邪魔された一幕も紹介するなど、教育長官のことをよほど嫌いなようだ。トランプ帝国における女たちの戦いを、のぞき見した感じだ。
 メラニア夫人に向ける視線も鋭い。外遊中にトランプが飛行機のタラップで、同行していたメラニア夫人の手を握ろうとした際、夫人が髪を直す仕草をして手をつなぐことを拒んだシーンがあった。本書は次のように解説する。
 Unlike the past, when she had no recourse or influence, she no longer had to accept her powerlessness. I believe that by avoiding Donald's clasp in public, Melania was grasping the full extent of her new power. At any time, if she so desired, she could humiliate him in public with small, ambiguous gestures, just as he’d openly humiliated her with his affairs and lascivious behavior for years. And there was nothing anyone could do to stop her.
 「なんの権限や権利を持たなかった過去とは違い、メラニアはもうトランプに無力なまま従順に従うつもりはない。公の場でトランプの手をとることを拒否したことで、メラニアは自分の思い通りになる新たな権力を手に入れたと思う。メラニアはいつでも、自分が望めば、さりげない些細な仕草をつかってトランプを公の場で侮辱できる。ちょうど、トランプが数年にわたり、不倫やふしだらな行いでメラニアを公然と辱めてきたのと同じように。そして、メラニアを止める手立てはなにもないのだ」
 本書によると、トランプとメラニアはそもそも日ごろ、あまり会話をしないという。そのかわりというわけではないのだろうが、トランプはなにか相談ごとがあると、最初の妻だったイヴァナによく電話してアドバイスを求めるという。
 こうしたこぼれ話は、女たちの戦いに限ったものではない。大統領の就任式で聖書に手をのせ宣誓する儀式で、聖書の代わりに自分が書いた本を使うことを、トランプが真剣に考えていたというエピソードには思わず吹き出した。「大統領就任式、特別エディション」を出版すればかなり売れるのではないかとトランプはオマロサにもらしていた。トランプはホワイトハウスの主となってから数か月は、いろんな部屋に大統領選挙の地域ごとの得票を示すアメリカ地図を掲げ、自分が選挙に勝ったことを繰り返し語り自慢していた様子も滑稽だ。ペンス大統領の取り巻きたちが、副大統領に「大統領」と冗談でわざと間違えて呼びかけているという暴露も、かなり面白い。こんな笑うに笑えないエピソードが満載だ。
 もちろん、トランプ政権の暴露本としてはいま現在は、著名記者のボブ・ウッドワードが上梓したFEARの方がベストセラーリストの1位に入っている。しかし、わたしはまだ読んでいなし、そろそろ飽きてきたので買うつもりもない。これまで出た類書が描きだしてきたトランプ像を根本から変えるような内容ではないだろうと予想できるからだ。今回とりあげた暴露本の方が断然、面白いはずだ。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14099

 

[1]〜大前研一ニュースの視点〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

米通商政策/日米貿易/米韓関係/米中貿易戦争〜中国がトランプ大統領の関税制裁に報復するべきではない理由とは?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

米通商政策 通商は大統領に聞いてくれ
日米貿易 2国間「物品貿易協定」(TAG)交渉開始で合意
米韓関係 米韓FTA改正案に署名
米中貿易戦争 対中制裁関税第3弾を発動

─────────────────────────
▼通商はトランプ大統領のディールを引き出すための道具にされているだけ
─────────────────────────
日経新聞は先月24日、「通商は大統領に聞いてくれ」
と題する記事を掲載しました。
米トランプ政権の閣僚が重要な通商交渉を任されても、
トランプ氏の胸三寸でちゃぶ台返しにあうと紹介。
8月から始まった日米経済協議でも
政権の担当者であるライトハイザー氏が
「案件は大統領に聞いてくれ」と述べたとのことで、
トランプ氏との間合いを心得ているはずの安倍首相にとっても
通商問題は視界不良としています。

今回は安倍首相もちゃぶ台返しにあった格好です。
トランプ大統領は通商を自分の「おもちゃ・面白い道具」
として使っているに過ぎません。そして、
それを使って「ディール」を引き出すことが目的です。

それゆえ、例えば中国をいじめる「道具」として使う一方で、
習近平国家主席と直接会談したときには急に態度を軟化させて、
自分に有利な「ディール」を成立させようとします。

いくらムニューシン米財務長官やライトハイザー氏が
事前に調整していたとしても、最後はトランプ大統領次第です。
これでは二人とも本気になって取り組んでも
意味がないと思うでしょう。日本ではライトハイザー氏と
茂木経済再生担当相が相対していますが、
結局はひっくり返る可能性があります。

トランプ大統領は通商を「道具」として使っているだけで、
本当の「通商」を全く理解していません。
中国との関係性について言えば、
今は喧嘩している場合ではないのですが、
わかっていないのでしょう。また、日本が過去25年間、
米国で何をやってきたのかも全く知りません。
そういうことを何も知らないまま、相手国に難癖をつけて
1つでも2つでも新しい「ディール」を引き出し、
それをアピールしたいだけです。トランプ大統領の興味は
そこにしかありません。はっきり言って、そんな大統領と
まともに付き合ってもしょうがない、と私は思います。

そんなトランプ大統領に、また日本が振り回されています。
安倍首相は先月26日、米トランプ大統領と会談し、
農産品などの関税を含む2国間の「物品貿易協定」(TAG)の交渉を
開始することで合意しました。

これはモノの輸出入にかかる関税に関して定める協定で、
投資やサービスの自由化にも範囲が及ぶ自由貿易協定(FTA)とは別で、
日本政府の説明では、協議中は米政府が
自動車への追加関税は発動しないことで一致した
ということです。しかし、それは嘘です。
実際、ライトハイザー氏は米国の記者に対して
「これはFTAのこと」だと説明しています。

日本は二国間協定(FTA)を受け入れられない姿勢を見せています。
だから、表面的には二国間協定ではないと言いつつ、
日本を引っ張りだしているのでしょう。
今回のTAGは「モノに限られた」物品協定ということですが、
そこで止まるわけがありません。
茂木経済再生担当相は農畜産物の関税に関して、
TPPの水準以上の譲歩はしないと発言しているようですが、
TAGがこのまま終わると考えるのは難しいでしょう。


─────────────────────────
▼韓国とのFTA改正もトランプ大統領による茶番劇に過ぎない
─────────────────────────
トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領は先月24日、
米韓自由貿易協定(FTA)改正案に署名しました。
米国仕様の自動車を韓国で販売できる台数をメーカーあたり
年5万台に倍増するなど、自動車を中心に米国の要求を反映。
韓国のウォン安誘導を禁じる「為替条項」について、
競争的な通貨切り下げを禁じるなど強制力のない付帯協定も加えました。

これもほとんど意味がないことで、
私としてはトランプ大統領に呆れるばかりです。
文在寅大統領としては、トランプ大統領に花を持たせるために、
今回は全てを妥協して受け入れた形をとったのでしょう。
しかし実際には、韓国側が困ることはほぼありません。

これまでも米国仕様の車を韓国仕様にすれば、
韓国国内で販売することはできました。
そして、これまでのFTAでは「米国仕様」の車を
販売できる上限を2.5万台に定めていました。
今回はその上限台数を「5万台に倍増させた」というのが、
トランプ大統領に言わせれば「ディール」なのでしょう。

ところが、そもそも韓国において
「米国仕様」の車は2.5万台すら売れていません。
上限台数を5万台にしたところで、「米国仕様」の車の
販売台数が伸びるわけではありませんから、何の意味もありません。

おそらく韓国側では影で笑っていると思います。
茶番劇もいいところで、これがトランプ大統領の
「ディール」ですから、もういい加減にしてほしいというレベルです。


─────────────────────────
▼中国がトランプ大統領の関税制裁に報復するべきではない理由とは?
─────────────────────────
トランプ米政権は先月24日、
対中制裁関税の第3弾を発動しました。
2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に
10%の追加関税を課すものですが、
これに対して中国政府も即座に報復関税を発動。
これにより両国の貿易戦争は、互いの輸入品の5割〜7割に
高い関税を課す危険水準に入りました。

トランプ大統領は、2019年1月1日以降は
関税率を25%に引き上げる予定であり、
最終的にはその対象を中国からの輸入全体に適応すると、
中国を脅しています。中国からの輸入総額は約60兆円ですから、
そうなれば米国政府は10兆円を超える税収増になります。

これにより、トランプ大統領による富裕層優遇の減税で減った財源を
米国は取り戻すことができます。この税収増加分は、
一般の米国民が中国からの高い輸入品を
購入することで支払うことになるのですが、
国民の中に気づいている人は少ないでしょう。
トランプ大統領が仕掛けた「トリック」です。

それほど高い関税になるなら、米国内で生産するほうが
割安なモノが出てくるのでは?と思う人もいるかも知れませんが、
25%程度であれば、その対象となる商品は少ないと思います。
そして製造する中国企業にしても、インフラ整備、
自動化も進めているため、簡単に他国へ移すことは出来ません。

そうなると、25%の高い関税をかけられても、
中国で生産したものは今まで通り米国へ輸出され、
米国内での生産に切り替わるわけでもないので、
何も変わらず今まで通りです。つまり、
この関税率の引き上げは「中国に対する制裁」にはなっていません。

自らを英雄のように見せるトランプ劇場に
目をくらまされているだけで、結局高くなった商品を
買って割りを食うのは米国の消費者です。

こうした事実を理解していれば、
中国側の態度も変わってくるはずです。
わざわざ報復する意味などないからです。
むしろ、「米国が苦しむのを見ろ」
「これは中国への制裁ではなく、米国の消費者への刃だ」
と言えば良いのです。そうすれば、米国民がいずれ
トランプ大統領に仕掛けられた「トリック」に気づいて、
「トランプは何をやっているんだ」ということになるでしょう。

米国にしても中国にしても、政府関係者が
21世紀の経済=ボーダレス経済を全く理解していないから、
こんな愚かな「報復合戦」が繰り広げられているのだと思います。
パウエルFRB議長などは、このままだと米国が
インフレになるのは間違いないと分かっているので、
早速予防の動きを見せています。

[18初期非表示理由]:担当:要点がまとまってない長文orスレ違いの長文多数により全部処理

5. 2018年10月05日 18:13:24 : RN2LY58yHw : TUDAU1Jc1us[34] 報告

いろいろ貼り付けてご苦労さんだが、表のニュースばかり見てたら染まって

しまうもんでしゅ。トラ習プーが罵りあうほどに実はfallinlove が透けて

見えます。メディア情報はゴミの山。中間選挙過ぎればきりが晴れてくる。

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