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国内のファシズム化と国外での侵略戦争の引き金になった9/11(その1)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809090000/
2018.09.10 櫻井ジャーナル
今から17年前の9月11日、ニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アリーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された。この衝撃的な出来事を目にして冷戦な判断ができなくなった人は少なくない。
そうした雰囲気の中、ジョージ・W・ブッシュ政権は詳しい調査を始める前に「アル・カイダ」が実行したと宣言、反イスラムの雰囲気を広めて中東を軍事侵略する態勢が整えられていく。国内では「治安」を名目としたファシズム化が進められた。
この攻撃は支配層が1980年代の前半、ロナルド・レーガン政権から始められた計画を始動させる役割を果たすことになる。その計画とは国内のファシズム化と国外での侵略戦争。
アメリカではソ連に対する先制核攻撃計画が作成された1950年代から緊急時に地下政府を編成することになっていた。世紀の政府が機能不全になった場合を想定、「アイゼンハワー10」と呼ばれる人びとで構成される地下政府へ権限を委譲することになっていた。その延長線上にFEMA、そしてCOGがある。COGは政府の存続を目的とした計画で、レーガン大統領が1982年に出したNSDD(国家安全保障決定指令)55で承認された。(Andrew Cockburn, “Rumsfeld”, Scribner, 2007)
当初、COGは核戦争を前提にしていたのだが、1988年に出された大統領令12656によってその対象は「国家安全保障上の緊急事態」に変更され、核戦争が勃発しなくても、支配階級が国家安全保障上の緊急事態だと判断すれば憲法の機能を停止できるようになる。
本ブログでも指摘したように、1980年代にソ連ではCIA人脈とKGBの中枢が手を組んで国家乗っ取りを目論んだ。1985年3月に心臓病で死亡したコンスタンチン・チェルネンコを引き継いだミハイル・ゴルバチョフがクーデターの環境を作り、ボリス・エリツィンが黒幕たちの命令にしたがってソ連を消滅させたのだ。これがいわゆるハンマー作戦。
ソ連は1991年12月に消滅、アメリカやイギリスをはじめとする西側諸国の好戦派は自分たちが冷戦に勝利したと考え、ネオコンを中心に世界制覇の野望を一気に達成しようとする。
そこで、リチャード・チェイニー国防長官やポール・ウォルフォウィッツ国防次官のネオコン・ラインが動き、1992年2月に世界制覇計画を国防総省のDPG草案として作成した。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。1990年代以降のアメリカを理解するためには、このドクトリンを知る必要がある。
そのウォルフォウィッツはソ連でクーデター騒動があり、ゴルバチョフが失脚してエリツィンが実権を握る1991年の夏頃、イラク、シリア、イランを殲滅すると発言したという。この話は2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が語っている。(3月、10月)
ソ連を消滅させ、ロシアや旧ソ連圏を属国化することに成功したと判断したアメリカ支配層は次のターゲットを経済的に成長著しい中国に定める。それが東アジア重視。さらに、ヨーロッパ、東アジア、中東、南西アジア、旧ソ連圏が潜在的ライバルとして挙げられ、その他の国々も破壊の対象になる。
このCOGとウォルフォウィッツ・ドクトリンを始動させたのが2001年9月11日の攻撃だった。ネオコンが担ぐジョージ・W・ブッシュが大統領に就任した年。絶妙のタイミングだ。(つづく)
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