http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/417.html
Tweet |
朝鮮半島の和平交渉で主導権を握れない米国が強圧的な主張
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201807060001/
2018.07.08 15:36:30 櫻井ジャーナル
アメリカのマイク・ポンペオ国務長官が7月5日から7日にかけて朝鮮を訪問、非核化について話し合ったようだ。ポンペオ長官は「建設的だった」と評価したが、朝鮮側はアメリカの姿勢を遺憾だと批判している。
4月27日に板門店で韓国の文在寅大統領と朝鮮の金正恩労働党委員長は「朝鮮半島の非核化」で合意、6月12日にシンガポールでドナルド・トランプ米大統領と金労働党委員長で会談した際にもこの合意を再確認していたのだが、今回、ポンペオ長官は朝鮮の一方的な核の放棄、つまりアメリカへの降伏を主張したようだ。アメリカ政界の主流の意見に沿った発言をしたと言える。
朝鮮の一方的な核の放棄を朝鮮側が受け入れないだろうということをアメリカ側も理解しているはずで、ポンペオ長官が今回、そうした主張をしたとするならば、6月12日の米朝首脳会談で進み始めたかに見えた和平の動きにブレーキをかけ、場合によっては潰そうとしていると思われても仕方がない。
トランプ米大統領の朝鮮に対する表現が6月22日には変化している。朝鮮を「尋常でない脅威」だとし、制裁を続けるとしたのである。その日、韓国の文大統領はロシアでウラジミル・プーチン大統領と会談、平和的な朝鮮半島の非核化を目指すことで一致、国境を越えたエネルギー・プロジェクトを推進し、FTA(自由貿易協定)に関する話し合いを始めることで合意したという。
朝鮮が核兵器の爆破実験やミサイルの発射実験を繰り返し、東アジアの軍事的な緊張を高めていた当時から文政権はロシアとの経済交流を発展させようとしていた。朝鮮の行動はアメリカ支配層にとって好ましいもので、韓国政府の動きは逆だったと言える。
現在、アメリカは関税の引き上げで各国を脅している。トランプ大統領は国内製造業が落ち込んだ原因を外国にあると主張しているが、真の原因がアメリカの新自由主義的な政策による製造業の国外への移転にあることは本人も理解しているだろう。アメリカの支配システムを立て直そうとしているようにも見える。
アメリカが世界を支配する道具はいくつかある。例えばドル、石油、軍事力。麻薬の重要なファクターだ。ドル体制から離脱する意思を示していたイラクやリビアは軍事力で破壊したが、現在は中国やロシアがドル離れの中心的な存在。この両国に対し、必死に圧力を加えているが、思惑通りに進んでいるとは思えない。
ドル体制を守る重要な仕組みのひとつがペトロダラーだということは本ブログでも書いてきた。その中心的な国がサウジアラビア。そのアメリカに対してアメリカ政府は石油の増産を強要、その一方でイランからの石油輸入をゼロにするよう各国を脅している。
イランはロシアと同盟関係にあり、イスラエルやサウジアラビアが敵視している。アメリカは韓国や日本に対してもイランからの石油輸入を止めるように要求しているが、そう簡単にはいかない。韓国はイランからの輸入を止めると報道されたが、これは韓国政府が否定した。
アメリカはEUへの圧力を強めるため、ロシアからの天然ガス輸送を断ち切ろうとしてきた。2014年にウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターが実行されたひとつの理由はそこにある。現在、ノード・ストリーム2プロジェクトを止めようとしている。
クーデターの結果、そのウクライナではネオ・ナチが跋扈する破綻国家だ。そのウクライナでふたつのネオ・ナチ政党、「ウクライナ社会ナショナル党(後にスボボダへ改名)」や「ウクライナ愛国者党」を創設、クーデター時には狙撃を指揮していたと言われるアンドレイ・パルビーが国会議長としてアメリカを訪問、議員たちに歓迎された。
もし、朝鮮半島の和平が実現したなら、天然ガスや石油のパイプラインやシベリア横断鉄道が朝鮮半島を南下してくる。そうなると中国の海上輸送ルートを押さえてもロシアの影響力が増すだけ。軍隊や情報機関をアメリカ支配層が押さえているとはいうものの、韓国は自立へ向かうだろう。アメリカの政策で経済が落ち込んでいる日本もどうなるかわからない。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。