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トランプの予測不可能な通商政策は世界もアメリカも貧しくする(ニューズウィーク)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/310.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 6 月 19 日 09:46:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

トランプの予測不可能な通商政策は世界もアメリカも貧しくする
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10402.php
2018年6月18日(月)17時00分 アミト・バタビャル(米ロチェスター工科大学教授) ニューズウィーク


カナダのケベックに集まったG7首脳の中でトランプはまさに壊し屋を演じた(6月9日)  Denzel/REUTERS


<戦後アメリカは合法的で信頼できる貿易体制を作ることで世界を繁栄に導いた。だがトランプのやり方は、G7の同盟国も世界最大の中国も認めていない>

国と国が互いに商品やサービスを売り買いするのは、その方が双方にとって得だからだ。

北国のアイスランドがオレンジを生産するべきでないのは、気候条件を考えれば当然だ。オレンジは安く生産できるスペインから輸入して、アイスランドは近海に豊富な魚をスペインに輸出する方が理にかなっている

19世紀半ばにイギリスとフランスが初の通商条約を締結して以降、自由貿易が爆圧的に増え、世界の人々に空前の富と繁栄をもたらした理由はまさにそこにある。数百の貿易協定が結ばれ、第二次大戦以降はアメリカを中心とした国々が、ルールに基づく自由貿易体制を築いた。

だが今、その体制づくりを主導したアメリカが、先頭に立ってそれを破壊しようとしている。6月上旬にカナダで開催された先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)では、ドナルド・トランプ米政権は首脳宣言に「ルールに基づく国際秩序」という文言を入れることにすら反発し、最終的には宣言の承認を取り消した。

筆者の専門分野である国際経済学は、通商政策を成功させるには、相互に関連する3つの要件を満たす必要がある、と説く。1)不確実性を減らすこと、2)長期的な意思決定を容易にすること、3)合法的で信頼できることだ。

最近のトランプの通商政策は、3つの要件全てにおいて不合格だ。

■近代自由貿易の誕生

イギリスとフランスは1860年1月23日、産業革命以降で初となる通商条約、通称「コブデン・シュバリエ条約」を締結した。

その条約で、英仏両国は貿易障壁を撤廃し、ある国に有利な条件を与えたら同じ待遇を相手国にも与える「最恵国待遇」を認め合った。

それからわずか15年以内に、さまざまな国がさらに56もの2国間の貿易協定を締結した。おかげで1870年から2度の世界大戦が始まる1914年まで、世界にはグローバル化の波が押し寄せた。

戦後の廃墟の中から1948年に発足したのが、ルールに基づく自由貿易体制を目指した関税貿易一般協定(GATT)だ。その目的は、1930年代の世界恐慌中に各国が自国の産業を守ろうとして貿易を行わなくなる「保護主義」を排除し、崩壊した世界経済を一刻も早く回復させることだった。

自由貿易の促進に向けたほぼ半世紀にわたる多国間交渉の末、1995年にGATTの後継として世界貿易機関(WTO)が設立された。ルールに基づく現代版の自由貿易体制の要として、WTOは現在164か国が加盟し、世界貿易総額の96%以上を占める。

■カギを握る3つの要件

このシステムが長年うまくいったのは、WTOとその最大の旗振り役であるアメリカなどの主要国が、3つの要件を自国の通商政策に反映させてきたからだ。つまり、加盟国は、

1)予測可能な通商政策を打ち出すことで不確実性を減らし、

2)消費者や企業が長期的な意思決定もしやすい環境を整え、

3)WTO加盟国も非加盟国もはっきり理解できるような、合法的で信頼性のあるルールを示してきた。

アメリカはGATTとWTO両方の発足の立役者であるにもかかわらず、トランプの通商政策はそれらの指針に従わない。彼は現在の自由貿易体制の存続を保証するより、むしろぶち壊すことの方に興味があるようにみえる。しかもことあるごとに、WTOを脱退するかもしれない、と脅しをかけている。

トランプとしては、輸入関税を発動し、それもやると言ったりやらないと言ったりして予測不可能に振る舞い、同盟国さえビジネス上の敵として扱うことで、有利な条件を引き出せると考えているようだ。だがむしろ、これらの戦術は逆効果だという証拠が揃いつつある。

■不確実性の種をまく

トランプの政策が生んだ最悪のものは、貿易相手国がアメリカの貿易政策に対していだく不確実性だろう。

鉄鋼とアルミニウムへの追加関税がよい例だ。トランプ政権は3月、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を一律に課すと表明。特に中国を念頭に、対米輸出で政府補助金を支給したりダンピング(不当廉売)を行ったりした国を制裁するためだ、と説明した。

カナダ、EU、メキシコなどの同盟国が一斉に反発すると、トランプ政権はそれらの国を一時的に適用除外にした。だが約2カ月後の5月31日、適用除外を撤回して追加関税の適用に踏み切り、大きな混乱を引き起こした。そのわずか1週間後のG7で、トランプは6カ国とのあらゆる貿易を即座に停止するかもしれないと脅迫。そうかと思えば今度は、すべての国が関税を完全に撤廃するよう提案したりもした。

もう1つ、トランプが不確実性を増やした最近の例が、中国の通信機器大手の中興通訊(ZTE)をめぐる一連の騒動だ。米商務省は2017年3月、イランや北朝鮮に米国製品を違法に輸出したとして、ZTEに11億9000万ドルの罰金の支払いを命じた。さらに今年4月、ZTEが依然として違法な輸出を行っていたとして、同社の主力製品の製造に不可欠な部品の調達先である米企業との取引を7年間禁止する制裁措置を発表。ZTEにとって最も打撃が大きかったのは米半導体大手クアルコムとの取引禁止で、1カ月以内に主力製品の生産停止に追い込まれた。

だがトランプは発表の数週間後、突然歩み寄る姿勢を見せ、ツイッターに「(ZTEが)ビジネスに早く戻れるよう、中国の習近平国家主席とともに取り組んでいる」と投稿。「中国であまりに多くの仕事がなくなった。米商務省にはすでに(制裁緩和に向けた)指示をした」と書き込んだ。

そんな風に態度がころころ変われば、不確実性ばかりが増し、貿易は停滞する。

■意思決定が困難に

世界中に輸出先を持つハイテク機器メーカーで働くアメリカ人ビジネスマンの立場になって考えてみよう。

そのメーカーの製品は原料に鉄鋼とアルミを使用しているため、トランプが追加関税を発動したことで、将来的な仕入れ価格の予測が困難になる。そうなれば当然、製品の価格設定にも影響する。顧客も安価な類似品に乗り換えるのか、そうでないかも分からない。

そうした不確実性は、会社全体に悪影響を及ぼす。

決して仮の話などでなく、企業はすでに警戒を強めている。米自動車大手フォード・モーターと北米トヨタはともに、鉄鋼とアルミへの追加関税で輸入コストが上昇し、アメリカでの健全な設備投資の判断に支障が出るとして不満を表明した。

■「追加関税は違法」

トランプが発動した鉄鋼とアルミへの追加関税は、そもそも合法的なのか、と疑問視する声も広がっている。

アンゲラ・メルケル独首相とエマニュエル・マクロン仏大統領はそろって、今回の追加関税は違法だと断言した。EUも同調し、アメリカを相手取ってWTOに提訴した。安全保障を理由にした輸入制限だというアメリカの主張をWTOの判事が認めるかどうかは不透明だ。

G7閉幕後、カナダのジャスティン・トルドー首相は、カナダがアメリカにとって安全保障上の脅威になり得るなどというのは侮辱だ、発言した。ジェームズ・マティス米国防長官でさえ、安全保障は輸入制限の口実として説得力はないと苦言を呈したと伝えられている。

その険悪な雰囲気からは、アメリカの長年の友好国ですら、トランプ政権による最近の措置は違法であり、そうした交渉姿勢は理解不能でお手上げだ、と考えているのが見て取れる。

■重要な教訓

そもそもアメリカが世界一豊かで強い国なのは、現在のルールに基づく自由貿易体制を重視してきたからだ。

トランプの通商政策は、アメリカの長年の成功体験の上に積み上げるどころか、大混乱を起こしている。しかもそのやり方では何ら有利な条件を引き出せていない。

中国は6月16日、米国からの輸入500億ドル(約5兆5300億円)相当に追加関税を課すと発表した。トランプが6月15日に発表した同様の関税に対する報復措置だ。どちらも7月6日から新関税を適用するとしている。

貿易であれ得意の取引であれ、トランプは交渉の際、ルールをぶち破るのが好きなようだ。彼は学習すべきだ。アメリカを偉大にしたのは、そういうやり方ではなかったのだと。

(翻訳:河原里香)

Amitrajeet A. Batabyal, Arthur J. Gosnell Professor of Economics, Rochester Institute of Technology

This article was originally published on The Conversation. Read the original article.


 

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コメント
 
1. 2018年6月19日 19:01:20 : pxgwgovz2Q : W8I8Zx2GSxE[130]
恐慌の 引き金を引く 覚悟見せ

2. 2018年6月19日 23:11:41 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1139]
【社説】移民政策でメルトダウンする米共和党

移民制限の代償として議会過半数を失うリスク


米テキサス州南部マッカレンにある国境警備隊移民収容センターの様子 PHOTO: US CUSTOMS AND BORDER PATROL/HAN/EPA/SHUTTERSTOCK

2018 年 6 月 19 日 16:34 JST

 米共和党は11月の中間選挙で、議会過半数を自ら手放そうとしているのか。そうではないとわれわれは推測するが、移民政策をめぐる党内の対立を見る限り、確信はもてない。不法移民の親子を引き離す政策が、ここに来て「選挙イヤーの悪夢」に急浮上した。こうした現状を招いたのは、移民制限派が共和党の方針を覆す力をもっているためだ。

 民主党はこの週末、トランプ政権の「ゼロ・トレランス(不寛容)」政策が引き起こした混乱に、全米の目が注がれるように努力した。新たに導入された移民政策は不法入国した成人を全員拘束するというものだ。裁判所の判断に基づき、移民の子供を刑務所に入れることはできないため、一緒に入国した子供を親から引き離す措置が講じられた。

 子供は一時的な収容キャンプなどの施設に送られ、その間に親の国外退去手続きが進められる。手続きには数日要することがあり、それだけでも悲惨だが、親が国外退去処分に異議を唱えた場合、それが大幅に長引きかねない。政府当局者は違法な入国を抑止する政策だと擁護するが、彼らも間違いなく、親子を引き離すことは道義的に許し難く、政治的に持続不可能であると理解しているはずだ。

 家族を分離しなくても実施できるようになるまで、ゼロ・トレランス政策を停止することを当面の解決策とすべきだ。さらに議会が行動を起こし、移民を拘束する際は家族向けの施設に子供と一緒に入れるようにすればよい。それが可能になるまでは、犯罪歴のない者を釈放するほうが、強制的な分離を続けるよりもましだ。

 ここで浮き彫りになったのは、幼少時に親に連れられて米国に不法入国した若者「ドリーマー」を巡る議論でも露呈した共和党の機能不全だ。ドリーマーに合法的な滞在資格を与えるバラク・オバマ前大統領の大統領令と、これを撤回したドナルド・トランプ大統領の決定について裁判所が審議している間、ドリーマーが直ちに強制送還される恐れはない。だが来年になれば、再び喫緊の課題として論議を呼ぶのは必至だろう。

 党派を問わず議会の大多数は、未成年者として親と一緒に不法入国し、成人した若者の問題を何とか解決したいと考えている。だが下院共和党の少数派は引き続き、この問題を解決するための妥協を拒み、トランプ政権の国境警備費用の増額を目指している。

 先月、共和党保守派は低所得者向けの食糧配給制度(フードスタンプ)の改革案に反対し、下院司法委員会のボブ・グッドラテ委員長が提出した移民法案の採決を行うように指導部に圧力をかけた。この移民法案には、求職者が合法移民かどうかチェックできるオンラインプログラム「E-ベリファイ」の導入義務づけや、欠陥のある農業労働者のビザ(査証)プログラム、家族ぐるみの移住の大幅削減など、移民制限派の優先課題が盛り込まれている。ヒスパニック系有権者を支持基盤とする穏健派の共和党議員は、ドリーマーを守るために雇用主を裏切らなくてはならない羽目に陥るだろう。

 穏健派議員はこのわなを回避するため、ディスチャージペティション(下院議員の過半数の署名があれば、委員会の法案を本会議で採決できる措置)を利用し、グッドラテ法案を含む4つの移民法案の採決を強行することも辞さないと警告した。そうなれば4つのうち最多の票を獲得した法案が上院で審議される運びとなる。

 下院指導部はディスチャージペティションの阻止に動いた。まずグッドラテ法案、およびトランプ氏の主張に歩み寄った内容の法案の採決を今週行うと約束した。その内容とは、国境の壁に250億ドル(約2兆7200億円)を投入し、家族ぐるみの移住を制限し、移住希望者に抽選で永住権(グリーンカード)を与える「移民多様化ビザ抽選プログラム」を打ち切ることだ。そのうえで、移民多様化プログラムおよび他の方法で発給している8万8000人分のビザを、能力に基づくグリーンカード制度に移行させることとした。そうすればドリーマーは市民権を得る手段としてこの制度に申請できるようになる。別の6万5000人分のビザは家族優先とし、雇用に基づくカテゴリーに割り当てるという。

 この内容ならば穏健派も容認できるはずだ。スティーブン・ミラー大統領補佐官は保守派に対し、この法案を支持するよう促した。ところがスティーブ・バノン前首席戦略官・上級顧問はこの歩み寄りを「アムネスティ(恩赦)」(不法滞在者に在留資格を与えること)だと強く非難し、移民制限派をいら立たせた。11月の中間選挙で移民問題をテコに保守派の支持を広げようとする移民制限派は、どの法案も議会通過を望まないだろう。

 これは自滅的な駆け引きとなる。今年は共和党にとって移民制度改革の10年に1度のビッグチャンスだ。仮に共和党が下院の過半数を失えば、連邦最高裁がドリーマーの法的地位について判断を下す際、共和党が与える影響力は低下するだろう。またオバマ前政権下で導入されたドリーマー救済制度(DACA)が維持されるならば、トランプ氏は国境の壁建設などの費用を得られないことになる。

 中間選挙に関して言えば、共和党が下院の主導権を守れるかどうかは、ドリーマー合法化への支持が高く、家族を分離する政策への支持が低い「スイング選挙区」での勝敗にかかっている。スティーブ・ナイト議員(カリフォルニア州)やカルロス・クルベーロ議員(フロリダ州)らは有権者に対し、ドリーマー問題の解決を図ろうと努力する姿を見せなくてはならない。

 さらに望ましいのは、ドリーマーの法的地位を認め、家族を引き離す政治の失策に終止符を打ち、トランプ氏の主張の一部を盛り込んだ下院指導部の妥協案を議会が可決することだろう。共和党は問題を解決すると同時に、民主党から有望な争点を奪うことができる。

 ただこれが実現するためには、トランプ氏が説得に乗り出すしかない。移民政策に関してこれまでトランプ氏は混乱を絵に描いたような状態だった。ある日はドリーマーへの思いやりを説き、次の日には「アムネスティ」だと非難するありさまだ。いま取るべき賢明な策は、共和党が移民問題の少なくとも一部を解決する能力があると示すことだ。

 下院の主導権を譲り渡し、弾劾される危険を冒すことがトランプ氏の望みであるならば、バノン氏のまずい助言を聞き入れ、子供が親から引き離される写真を毎日、民主党に届ければよい。

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3. 2018年6月20日 07:59:52 : t0d8xKZmac : @YcoXvDldXA[12]

ニュースウイーク: アメリカのサンケイ。ゴミというかクソというか。



4. 2018年6月20日 14:59:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[855]


トランプ氏、交渉による米中摩擦解消に懐疑的−世界中で株安の連鎖
Jenny Leonard、Enda Curran、Saleha Mohsin
2018年6月20日 7:49 JST
中国との交渉では簡単に事は運ばないようだとトランプ大統領
米中貿易摩擦は非常に深刻な心理的影響及ぼす恐れ−サマーズ氏
世界の2大経済大国、米国と中国は互いに報復関税を振りかざし、一歩も引かない構えだ。トランプ大統領が18日、中国が報復措置を実施すれば同国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当に追加関税を適用すると警告した後、中国は米国が新たな関税リストを公表するなら「強力な」報復措置を取ると表明した。摩擦緩和に向け交渉が行われる兆候は見られず、世界的に株価は下落した。

  トランプ大統領は19日、ワシントンで開かれた全米自営業連盟(NFIB)の記念式典で演説し、協議を通じた対立解消に懐疑的な見方を示した。大統領は「これに関してわれわれは何かをする必要がある。中国が『われわれは同意する。この25年間、ずっと不公正だった』と歩み寄るなら、何かが起こるかもしれない。しかしそんなに簡単に事は運ばないようだ。それでもわれわれは不公正の是正に努める」と語った。

  トランプ大統領は18日夜の声明で、10%の追加関税の対象とする2000億ドルの中国製品を特定するよう通商代表部(USTR)に指示したと発表した。また、この新たな関税を実施して中国が再び報復措置を講じた場合は、さらに2000億ドル相当の中国からの輸入品に関税を課すとしている。15日に発表した計500億ドルの制裁関税では主として工業製品が対象だったが、新たな関税は玩具や道具類、Tシャツなどの品目に課される見通しで、米消費者の懐を直撃することになりそうだ。

  中国商務省は19日の声明で、「米国が正気を失い、そのようなリストを公表すれば、中国は包括的な量的・質的措置を講じ、強力に報復せざるを得ないだろう」と表明した。

  貿易戦争突入が現実味を増したことから、世界中に株安の流れが広がった。19日のS&P500種株価指数は前日比0.4%安となり、大豆などの農産物は2%余り下げた。中国株は4%近く下落。他のアジア市場も下げた。ドルや米国債など安全資産は買われた。

  サマーズ元米財務長官はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「この心理的影響、すなわち不安を増幅させる影響は非常に深刻なものになる可能性がある。そしてわれわれは深刻化のサイクルの後半に差し掛かっている」と分析した。

原題:U.S., China Rattle Trade-War Sabers in Vowing Harsh Tariffs (2)(抜粋)


トランプ氏の対中関税実施なら中国成長率最大0.5ポイント押し下げか
Bloomberg News
2018年6月20日 14:53 JST
UBSやドイツ銀、オックスフォードが試算
トランプ大統領は22兆円相当の中国製品に追加関税課すと警告

2000億ドル(約22兆円)相当の中国からの輸入品に追加関税を適用するとのトランプ米大統領の警告が実施された場合、中国の経済成長率は最大0.5ポイント下振れし得るとの見通しをエコノミストらが示した。

  米中貿易摩擦が長期間の貿易戦争につながる恐れがある中、経済規模世界2位で、世界経済成長に最も寄与している中国が既に減速している兆候が見られる。昨年の成長率は6.9%で、政府の掲げる今年の成長目標は6.5%にとどまる。

  UBSは500億ドル相当の中国製品への米制裁関税が実施されれば、その後1年間に中国成長率は0.1ポイント押し下げられ、さらに1000億ドル相当の追加関税が導入された場合の下振れ幅は0.3−0.5ポイントになると予測している。

  ドイツ銀行の予測では、2500億ドル相当の中国からの輸入品への関税が実施された場合の下振れ幅は適用後最初の1年で0.2−0.3ポイント。オックスフォード・エコノミクスは2019−20年に約0.3ポイント押し下げられるとみている。

  関税の影響に関する分析には幅があり、詳細が最終的にどのように決まるかに大きく左右される。また中国当局には、金融・財政政策を活用して貿易関連の景気鈍化に対応する力がある。

原題:Trump’s Tariffs Could Deliver a Sizable Hit to China’s Economy(抜粋)


ゴールドマンCEO、米国は中国との貿易摩擦で「心中」回避へ
Sridhar Natarajan
2018年6月20日 8:21 JST
関税賦課方針は交渉戦術としては意味を成す−ゴールドマンCEO
交渉パターンの一部であり経済の崩壊を引き起こしはしないと予想

ゴールドマン・サックスのブランクファインCEO Photographer: Mark Kauzlarich/Bloomberg
米ゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)は、トランプ政権が中国に関税を賦課すると脅す姿勢について、交渉戦術としては意味を成すと述べ、壊滅的な貿易戦争を引き起こすことはないだろうとの見方を示した。

  ブランクファイン氏は19日にニューヨークのエコノミック・クラブでインタビューに応じ、「交渉上の立場であって、どれだけの威力を持つかを交渉相手に思い出させたいのなら、あのような行動を取るだろう」と指摘。「これについて心中の約束とは思わない。経済の崩壊を引き起こしはしないと思う」と述べた。

ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファインCEO

(出所:Bloomberg)
  中国はトランプ米大統領が計画する新たな関税に対抗措置を講じると表明し、米中貿易摩擦が激化しつつある。既に工業品を中心に500億ドル(約5兆5000億円)相当の中国製品に対して関税が発表されているが、トランプ大統領は新たに2000億ドルの中国製品を標的にしており、米国内での玩具やTシャツの値上がりにつながりかねない。

  ブランクファイン氏はブルームバーグ・ニュースのジョン・ミクルスウェイト編集主幹とのインタビューで、「一部で指摘されているとおり、交渉パターンの一部だと思う。それが私の最善の解釈だ」と語った。

原題:Blankfein Sees U.S. Avoiding ‘Suicide Pact’ on China Trade Feud(抜粋)


 

農産物市場は「パニックモード」−米中貿易摩擦の激化懸念で急落
Megan Durisin、Shruti Date Singh
2018年6月20日 6:31 JST
大豆先物11月限は一時7.2%下落、中心限月では16年3月以来の安値
トウモロコシや小麦、綿、大豆ミールも値下がり
米中貿易摩擦が激化する影響に懸念が高まる中、穀物市場に先行きへの不安が広がっている。

  19日の商品市場では大豆を中心に農産物の先物相場が急落。トランプ米大統領が新たに2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に関税を賦課する方針を示したのに対し、中国が「強力な」報復措置を取ると表明したのが嫌気された。中国は先週、米国の農産物に対する関税計画を実行すると発表している。

  アレンデールのチーフストラテジスト、リチャード・ネルソン氏は「現時点でトレーダーは輸出の変化の可能性を正確に見極める合理的な議論を行うよりも、パニックモードにある」と指摘した。


  大豆先物11月限は一時7.2%下落し、1ブッシェル当たり8.645ドルと、中心限月としては2016年3月以来の安値。大豆は米農産物の対中輸出でトップ。小麦と綿花の先物も急落し、トウモロコシと大豆ミールなども値下がりした。


原題:‘Panic Mode’ for Crop Markets as Prices Plunge on Trade Fear (1)(抜粋)

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中国人民銀総裁、投資家に冷静さ促す−「包括的」に金融政策活用する
Bloomberg News
2018年6月19日 14:45 JST 更新日時 2018年6月20日 10:28 JST
上海証券報とのインタビューが人民銀のウェブサイトに掲載された
当局は外部からの衝撃に備えている、投資家は理性的な対応を−総裁
貿易を巡る米中の対立激化に伴い19日の中国本土株が急落したことを受け、中国人民銀行(中央銀行)は投資家に冷静さを保つよう呼び掛けるとともに、全ての金融政策手段を「包括的」に活用していくと表明した。

  人民銀の易綱総裁は同行ウェブサイトに同日遅く掲載された中国紙、上海証券報とのインタビューで、政策当局は外部からの衝撃に備えており、投資家は理性的な対応をすべきだと促した。


人民銀の易総裁写真家:Qilai Shen / Bloomberg
  易総裁は「われわれは先を見据え、関連政策を準備し、あらゆる種類の金融政策手段を包括的に活用する」と明言。株式相場の混乱は「大半がセンチメントに突き動かされている」と説明し、中国はいかなる種類の貿易摩擦にも対応する余力があると述べた。


原題:PBOC to Use Tools ‘Comprehensively’ as Trade War Sparks Sell-Off(抜粋)

 


中国株の下落続く、「悪循環」との指摘も−当局は冷静保つよう促す
Bloomberg News
2018年6月20日 13:59 JST
上海総合指数は一時、1.2%安−その後、下げ幅縮小
米中の貿易を巡る紆余曲折がセンチメントの重しになり続ける可能性
20日の中国株式相場は下落。前日大きく売られた流れが続いている。米国が引き続き追加関税を課す方針を示したことから、中国当局は市場の動揺を抑えるため冷静さを保つよう呼び掛けた。

  上海総合指数は一時、前日比1.2%安となった。その後、下げ幅は縮小した。  


  チャイナ・ビジョン・キャピタル・マネジメントの孫建波社長(北京在勤)は「米中間の貿易を巡る紆余曲折(うよきょくせつ)がセンチメントの重しになり続ける可能性があり、相場はまだ底を打っていない」との見方を示し、「株安が投資家にレバレッジ縮小を促し、それがさらなる株安を招くことになる。悪循環だ」と述べた。

  中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は同行ウェブサイトに19日遅く掲載された中国紙、上海証券報とのインタビューで、政策当局は外部からの衝撃に備えており、投資家は理性的な対応をすべきだと促した。同日の本土株急落に対応した。

原題:Chinese Stocks Extend Slump as Authorities Appeal for Calm(抜粋)


 

円全面高、米中報関税合戦激化でリスク回避−対ドルで1週間ぶり高値
小宮弘子
2018年6月19日 11:26 JST 更新日時 2018年6月19日 15:48 JST
トランプ大統領が2000億ドルの対中追加関税を警告、中国も報復示唆
ドル・円は109円台半ば、豪ドル・円は4月以来の80円台に突入
東京外国為替市場では円が全面高。米中による関税の報復合戦激化を背景にリスク回避の動きが加速し、ドル・円相場は約1週間ぶりとなる1ドル=109円台半ばまで円高が進んだ。

  19日午後3時37分現在のドル・円は前日比0.8%安の109円64銭。トランプ米大統領が2000億ドルの対中追加関税を警告したことを受け、110円台半ばから110円ちょうど付近まで下落。さらに、中国が米国の追加関税に対し強硬な対抗措置を取る可能性を示唆すると円買いが加速し、午後には109円55銭と11日以来の円高値を付けた。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純チーフマーケットアナリストは、「年初からあった米国の税制改革による盛り上がり、楽観的な見方が吹き飛んでいる。米中の貿易戦争の話でリスクは確実に取りにくくなっている」と指摘し、「新興国にとっても良くなる地合いではない。リスク回避の円買いというのがマーケットを支配するのではないか」と話した。


  トランプ大統領は18日夜の声明で、10%の追加関税の対象とする2000億ドルの中国製品を特定するよう通商代表部(USTR)に指示したと発表。この新たな関税を実施して中国が再び報復措置を講じた場合は、さらに2000億ドル相当の中国からの輸入品に関税を課すとした。中国商務省は19日、米国が新たな関税の製品リストを公表すれば、「強力な」報復措置を取るだろうとの声明を発表した。

  米中貿易摩擦激化への懸念から19日のアジア市場ではリスク回避の動きが広がった。アジア株はほぼ全面安となり、上海総合指数は2年ぶり安値を付け、日経平均株価は401円安で取引を終えた。また、米10年債利回りは時間外取引で一時2.86%と5ベーシスポイント(bp)低下。外国為替市場では円やスイス・フランが買われる一方、新興国通貨や資源国通貨が売られ、南アフリカランドは対円、対ドルで昨年11月以来の安値を更新した。

  豪ドル・円は前日比1%以上円高が進み、4月以来となる1豪ドル=80円台。ユーロ・円は前日比で1円を超える円高で、5月末以来の水準となる1ユーロ=127円11銭を付けた。

  この日はポルトガルのシントラで開かれている欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムでドラギECB総裁の講演が予定されている。野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストはリポートで、「ドラギ総裁は昨年のこのフォーラムでの『デフレ脱却宣言』で急激なユーロ高を招いただけに、今回は安全運転に終始する公算が大きい」と指摘した。

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