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ロシアとの関係を正常化するには、ヨーロッパは洗脳されすぎているのだろうか?
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2018年6月15日 マスコミに載らない海外記事
2018年6月12日
Paul Craig Roberts
最近の会合で、G-7指導者たちが出した声明から判断して、ワシントンがイスラエル以外の、あらゆる国々の利益を無視したと同様、トランプ大統領が、アメリカ経済制裁を、ヨーロッパにも適用し、ヨーロッパの利益を軽視しても、ワシントンのロシアに対する敵意から、ヨーロッパが離れることにはなっていない。
イギリス首相は、G7は“必要とあらば、ロシアに対して更なる制限措置をとるする用意ができていることに合意した”と述べた。フランスのアメリカ傀儡、マクロンは、ミンスク合意を遵守しようとしている唯一の国ロシアを、ミンスク合意違反だとぬれぎぬを着せた。50年間の借地契約のもと、クリミアをロシア海軍基地にして、ロシア軍が長年クリミアに駐留している事実にもかかわらず、フランス大統領は、ロシアがウクライナを侵略し、クリミアを併合したというぬれぎぬも着せた。フランス大統領が確実に知っている通り、ロシアがしたのは、ロシアに復帰するというクリミア人の全員一致の投票を受け入れただけだ。違法にウクライナに引き渡されるまで、クリミアは、アメリカの存在期間より長い三世紀にわたりロシアの一部だった。
G7政治家連中は、プーチンを“民主的制度を傷つける”“不安定化行為”と“シリアを支援している”かどで非難した。
ワシントン傀儡のヨーロッパに屈辱を与える、あらゆることを、トランプがしているのに、ヨーロッパは、ワシントンに従属したままでいる。
“創造的おしゃべり”とプーチンが呼んだものに対する彼の対応は、ヨーロッパは共通の利益を実現させ、ロシアと協力すべきだというものだった。
共通の利益は存在し、プーチンにはそれが見えているが、G7声明が明らかにしている通り、G7はロシアを敵としか見ていない。
欧米の観点からすれば、ロシアの主権を主張するがゆえに、プーチンが問題なのだ。欧米がロシアを“安定化行為”のかどで非難する際、欧米は、ワシントンの世界秩序を不安定化させているのは、ロシアの自立だといっているのだ。プーチンが、ワシントンの覇権を受け入れないので、ロシアは不安定化させる存在と見なされている。プーチンは、譲歩と理性的な行動で、ロシアに対するこの態度を克服することはできない。はねつけられた覇権の怒りを、甘い言葉で鎮められると思い込むのは、ロシアにとって致命的な錯覚になりかねない。
侮辱や、挑発や、ウクライナのロシア人の死や、ロシアが脅威ではないことをヨーロッパ人に実証すべく、ワシントン“反政府派”から解放するため資源を費やした国、シリアへのイスラエル攻撃を、プーチンは甘受している。G7やG6の声明から判断して、ヨーロッパ政治家は、脅威はロシアではなく、ワシントンだあることなど、どうでも良いように見える。ワシントンがヨーロッパにロシア茶番脚本を手渡し、ヨーロッパは、ロシアの振る舞いや、ヨーロッパに対するワシントンの扱いとは無関係に、台本どおりに演じているように見える。イラン核合意を破壊しようとするトランプの取り組みに、ヨーロッパが反対し、最近のG-7会議で示された、ロシアに対する一体化した敵意で、結局ヨーロッパが自立を主張するようになるという希望は打ち砕かれた。
プーチンの戦略は、二つの理由で機能しない可能性がある。一つはヨーロッパが、75年間、自立して存在してこなかったためだ。ヨーロッパ諸国は、主権国家であることが一体どういうことなのか知らないのだ。ワシントンがいないと、ヨーロッパ政治家は途方に暮れるので、連中はワシントンについて離れない可能性が高い。
プーチンのもう一つの問題は、ロシアはヨーロッパの一員になる必要があるという彼の思い込みだ。アメリカ人は、エリツィン時代に、この思い込みを強化した。ロシア人経済学者とロシア中央銀行は、実際、ロシアは欧米の参加無しには発展できないと思い込んでいる。そのおかげで、ロシアは欧米金融帝国による不安定化の影響を受けやすくなっている。外国の参加で、ワシントンがルーブルを操作し、ロシアの経済的剰余を債務返済で流出させることを可能になる。グローバリズムを推進するため、ワシントンは、民族主義的経済政策を好むロシア政治家たちの信頼を傷つけるべく動いている。マイケル・ハドソンと私は、事実上、新自由主義のロシア人経済学者は、ロシア国内のアメリカ第五列であることを説明してきた。
欧米グローバリズムに自らを開放する国々は自国経済政策を制御できなくなる。彼らの通貨の交換価値や、国債や商品の価格は、先物市場での空売りで押し下げられる。たった一人の人物-ジョージ・ソロス-が、イギリス・ポンドを崩壊させることができたのを想起願いたい。現在、ワシントンは、連邦準備金制度理事会、欧州中央銀行、イングランド銀行と日本銀行とで攻撃を組織し、通貨に対する協調行動を仕組むことができる。中国とロシアのように巨大な国々でさえ、そのような攻撃には耐えられない。自立した政策をとりたいと願っているロシアと中国のような国々が、欧米の通貨・決済制度に依存して、自らを敵による支配にさらしているのは驚くべきことだ。
マイアー・アムシェル・ロートシルトが言ったとされる言葉には真実がある。“私に国の金を支配させてくれれば、誰が法律を作るかなど気にしない 。”あるオックスフォード大学教授が、フランクリン・D・ルーズベルト大統領図書館で入手した、1933年11月21日に、ルーズベルト大統領がエドワード・ マンデル・ハウス大佐宛に書いた手紙の写しを送ってくれたが、ルーズベルトは、こう書いている。
“実のところ、君も私も知っての通り、アンドリュー・ジャクソン以来、ウッドロー・ウィルソン政権も完全な例外ではなく、大都市の金融集団が、ずっと政府を支配している。アメリカは、ジャクソンの合衆国銀行との戦いを、遥かに大規模かつ広範な形で、繰り返し体験しつつあるのだ。”
道理をわきまえた人間味ある人物、ウラジーミル・プーチンは、衝突を避けることに注力している。プーチンが、イギリスのように軍事的に取るに足らない国の無礼な恫喝を無視するには忍耐が必要だが、プーチンには忍耐という長所がある。
しかしながら、忍耐は、平和の役にたったり、逆効果になったりする。プーチンの忍耐は、ロシアに対して敵対的非難や行動を継続しても何の犠牲も必要でないとヨーロッパに、思わせ、一層攻撃的な挑発や行動をするようネオコンをつけあがらせてしまう。忍耐しすぎると、ロシアが窮地におちいることになりかねない。
ロシアにとって危険なのは欧米の一員になりたいという願望からの譲歩が、更なる挑発を誘発し、グローバリズムへの傾倒が、ロシアの経済主権を損なうことだ。
対テロ戦争で、欧米と団結したいというロシアの希望は、テロが、一極世界を受け入れない自立した国々を不安定化するための欧米の武器であることを見過ごしている。
ロシアが欧米を離れ、東との統合に注力すれば、おそらく戦争の脅威は低下するだろう。遅かれ早かれ、ヨーロッパは言い寄るはずだ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/06/12/europe-brainwashed-normalize-relations-russia/
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引用されたルーズベルト大統領の手紙全文は、下記で読めるようだ。
https://www.metabunk.org/context-a-financial-element-in-the-larger-centers-has-owned-the-government-fdr.t338/
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