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米国と朝鮮の首脳会談に気をとられている間に中国と米国の軍事的な緊張が高まる
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201806070000/
2018.06.09 櫻井ジャーナル
ドナルド・トランプ米大統領は6月12日にシンガポールで朝鮮の金正恩労働党委員長との会談を行う予定だが、南シナ海では中国を軍事的に威嚇、緊張が高まっている。台湾やフィリピンも焦臭い。第2次世界大戦以降、アメリカ支配層にとって朝鮮半島の問題は中国問題にほかならない。米中関係を見なければアメリカの意図はわからないだろう。
朝鮮戦争の直前、半島で暗躍していたアメリカの情報機関員は中国に国民党政権を樹立するための工作を実行していた。朝鮮戦争の最中、1951年4月にCIAは国民党軍2000名を率いて中国領内へ侵攻、人民解放軍の反撃にあって追い返され、52年8月にもCIAと国民党軍は中国へ攻め入り、撃退されている。朝鮮戦争が休戦になるのは1953年7月だ。その半年後、ジョン・フォスター・ダレス国務長官はNSC(国家安全保障会議)でベトナムにおけるゲリラ戦の準備を提案、CIAはSMM(サイゴン軍事派遣団)を編成した。アメリカは「転進」したのだ。
経済的なつながりを深めているロシア、中国、韓国の3カ国にとって朝鮮半島の安定は重要なテーマ。今回、米朝会談を実現する上で韓国政府の果たした役割は大きいが、その背後ではロシアと中国が後押ししていた。シンガポールでの会談をアメリカと朝鮮の問題だと考えるべきではない。トランプ大統領が閣内の強硬派の反対を押し切る形で会談を決意したのもそうした背景があるからだろう。勿論、強硬派がこのまま東アジアの平和を容認するとは思えない。「検証可能で不可逆的な非核化」などは国が消滅しないかぎり無理な話だ。
ロシア、中国、韓国、そして朝鮮もそうしたことは当然、承知しているはず。この4カ国の協力関係が形成され、経済活動が盛んになれば他の国も参加してくる可能性が高い。すでにロシアはEEF(東方経済フォーラム)で種をまいている。
ロシアは以前から天然ガスや石油のパイプラインやシベリア鉄道を中国や朝鮮半島へ延ばし、そのまま半島を南下させたいと計画していた。そのためには朝鮮政府を説得する必要があり、2011年夏には110億ドル近くあったソ連時代の負債の90%を棒引きにし、鉱物資源の開発などに10億ドルを投資すると金正日に提案している。
2011年12月に金正日が急死するが、この計画は消えていないようで、翌年の4月にはロシア議会がこれを承認している。この計画を金正恩体制も受け入れるなら、東アジアの情勢は大きく変化する。これに中国の一帯一路(海のシルクロードと陸のシルクロード)がつながる可能性もある。勿論、これはアメリカにとって好ましくない状況だ。
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