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Ｇ７ “米関税引き上げ”で対立のまま閉幕〜独財務相「米の説明理解できる人 欧州に一人もいない」／nhk
6月3日 11時16分米 鉄鋼輸入制限
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180603/k10011462901000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_005
カナダで開かれていたＧ７＝主要７か国の財務相・中央銀行総裁会議が３日未明に閉幕しました。アメリカ・トランプ政権が決定した関税の引き上げにＧ７の各国が激しく反発して対立が鮮明になり、議論は８日から開かれるＧ７サミットに引き継がれることになりました。
Ｇ７の会議は３日間の日程を終え、日本時間の３日午前３時すぎに閉幕しました。今回の会議はトランプ政権が日本や中国に続いて、ＥＵ＝ヨーロッパ連合やカナダの鉄鋼製品などにも高い関税をかける措置を決めたことに各国が激しく反発し、討議は大荒れとなりました。
討議を終え、議長国のカナダが発表した文書では、「アメリカの一方的な関税措置はマイナスの影響を及ぼす」とアメリカを名指しで非難しました。そのうえで、「すべての国が関税措置に懸念をもち、失望していることをトランプ大統領に伝えるよう要請した」と明記し、アメリカに関税の引き上げを撤回するよう迫りました。
会議を終えて記者会見した麻生副総理兼財務大臣は「これだけ全会一致でアメリカへの反論を打ち出すのは珍しい」と述べました。
さらに、フランスのルメール経済相も今回の会議は「Ｇ７というより、むしろＧ６＋１だった」と述べました。
アメリカとほかの６か国が激しく対立し、アメリカを非難する声が各国からあからさまに上がったＧ７の会議はほとんど例がありません。
しかし、こうした厳しい声にアメリカのムニューシン財務長官は「公正でバランスのとれた貿易の確保がわれわれの目的だ。アメリカは世界経済をリードする役割を放棄するつもりはない」と反論し、自国経済を最優先に不均衡の是正を目指す姿勢を変えませんでした。
アメリカは鉄鋼製品にとどまらず、日本などからの輸入車にも高い関税を課す構えを示しています。実際に発動されれば日本経済への影響は避けられず、貿易摩擦は抜き差しならない状況になるおそれがあります。
今回、決定的になったＧ７内の対立は、今月８日から安倍総理大臣やトランプ大統領らが出席するＧ７サミットに引き継がれます。Ｇ７の亀裂は修復できるのか、日本経済にとっても極めて重要な会議になります。
米財務長官「公正でバランスとれた貿易の確保が目的」
今回のＧ７＝主要７か国の財務相・中央銀行総裁会議は、アメリカのトランプ政権が、会議が始まる直前に、ＥＵ＝ヨーロッパ連合やカナダに対しても鉄鋼製品などに高い関税を課す異例の措置の発動を決めたことから、各国から激しい反発を受けました。
アメリカのムニューシン財務長官は、会議の終了後の会見で、各国から出た意見をすでにトランプ大統領に伝えたとしたうえで、「公正でバランスがとれた貿易を確保することがわれわれの目的だ。アメリカは世界経済をリードしていく役割を放棄するつもりはない」と述べ、各国からの反発はあってもあくまで貿易の不均衡の是正を目指していく姿勢を強調しました。
カナダ財務相「Ｇ７サミットで進展すること願う」
Ｇ７の閉幕後、記者会見したカナダのモルノー財務相は「アメリカの関税措置は私たちの経済を破壊するものであり、アメリカを除く６か国がアメリカのムニューシン財務長官に懸念を伝えた。Ｇ７各国が関税措置を残念に思い失望しているというメッセージを持ち帰ってくれるだろう」と述べました。
そのうえで、「今月８日から始まるＧ７サミットで貿易に関する問題が進展することがわれわれの願いだ」と述べて、Ｇ７の首脳間で解決に向けた議論が進むよう期待したいという考えを示しました。
仏経済相「Ｇ７というよりＧ６＋１だった」
フランスのルメール経済相は記者団に対し、「緊迫した厳しい議論となり、Ｇ７というより、むしろＧ６＋１だった」と述べて、Ｇ７の中でアメリカとアメリカ以外の６か国の間で大きな溝が広がっていることを明らかにしました。
そのうえで、「われわれがアメリカに伝えたことは、関税の引き上げは全く理解できないこと、アメリカが改めるなら報復は避けたいこと、そして、ボールはアメリカの手にあるということだ」と述べました。
そして、ＥＵ＝ヨーロッパ連合が今月２０日にも日本円で３５００億円余りに上るアメリカからの輸入品に報復関税を課す方針であることに関連して、「貿易戦争を望んでいるわけではない。ＥＵとアメリカの貿易戦争を避ける時間はまだ残されており、それはアメリカ政府の行動しだいだ」と述べて、関税引き上げの撤回を強く求めました。
独財務相「米の説明理解できる人 欧州に一人もいない」
ドイツのショルツ財務相は会議のあと記者会見し、「ＥＵ＝ヨーロッパ連合はアメリカにとって最も重要な安全保障のパートナーであり、安全保障上の脅威を理由に関税を引き上げるというアメリカの説明を理解できる人はヨーロッパに一人もいない」と述べて、アメリカの決定を激しく非難しました。
そのうえで、「この問題がいつ解決できるかわからないが、時間がかかっても努力を続けなくてはならない」と述べて、来週のＧ７サミットだけでなく、それ以降になっても粘り強くアメリカと議論を続ける考えを強調しました。
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