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好戦派の意向で米大統領は朝鮮との話し合い取りやめを発表したが、反発
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2018.05.27 櫻井ジャーナル
6月12日に予定していた金正恩朝鮮労働党委員長との会談を取りやめるとドナルド・トランプ米大統領は5月24日に発表したが、それに対する反発が韓国で高まっているようだ。ソウルのアメリカ大使館周辺に抗議のために集まった人たちだけでなく、韓国、そしておそらく朝鮮でもアメリカに対する怒りが高まっている可能性がある。そうした中、5月26日に韓国の文在寅大統領と金正恩委員長が2度目の会談をしたと伝えられている。
本ブログでは繰り返し書いてきたが、アメリカ政府は一貫して朝鮮半島を含む東アジアでの軍事的な緊張を高める仕掛けの重要なファクターとして朝鮮を必要としてきた。朝鮮半島の軍事的な緊張は中国に対する脅しになる。アメリカの手口を考えると、彼らが朝鮮半島の統一を許すのは、半島全域がアメリカの属国になるときだけだろう。
しかし、ロシアや中国と連携した韓国が朝鮮半島の安定化を画策、それがある程度成功したことも事実。アメリカは台湾周辺で軍事的な緊張を高める動きをみせているが、朝鮮半島の情勢と関係があるかもしれない。
朝鮮半島に平和をもたらそうとする動きをアメリカ政府が露骨に壊した場合、韓国がロシアや中国との関係をさらに強めることも考えられる。勿論、そうした動きが出てきたとしても、韓国の軍や情報機関はアメリカのシステムに組み込まれているので抑えにかかるだろうが、成功するとはかぎらない。
アメリカ支配層の基本戦術は脅せば屈する。屈しなければ破壊する。何をしでかすかわからない国だと思わせれば自分たちが望む方向へ世界を導けるとリチャード・ニクソンは考え、イスラエルは狂犬のようにならなければならないと同国のモシェ・ダヤン将軍は語ったが、それをネオコンのような好戦派は信じている。
この戦術を脅しに屈しないロシアや中国に対しても使っているのが現在のアメリカ支配層。その結果、世界は全面核戦争へ向かって走り続けている。膝掛け椅子にふんぞり返っている文民の好戦派は気にしていないようだが、ここにきてアメリカ軍の好戦派は不安を強めているようだ。
客観的な判断のできる軍人たちは以前からそうした戦術を懸念していたが、文民好戦派はそうした人々を排除して戦争ビジネスに取り込まれたような軍人に入れ替えてきた。そうした軍人好戦派の代表格のひとりがNATO欧州連合軍最高司令官を2013年から16年まで務めたフィリップ・ブリードラブ。このブリードラブはNATO軍にロシア軍と全面戦争する十分な準備はできていないと語った。現状では勝てないということだ。これは以前から指摘されていたことだが、ブリードラブの口からそうした発言が出てきたことは興味深い。文民好戦派の暴走についていけなくなっている可能性がある。この文民好戦派に最後まで付き合いそうなのはカルト的な思考をする軍人だ。
アメリカは正規軍やジハード傭兵を使って侵略を続けてきたが、中国やロシアでは難しいだろう。今後、1980年代のように「第5列」を使おうとするかもしれない。「経済制裁」はその布石だとみることもできる。
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