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外交はタレントのライブショーではない!
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2018/05/13 07:06 半歩前へ
▼外交はタレントのライブショーではない!
日本でも一部の熱狂的な北朝鮮ファンは、まるで天使が舞い降りたかのように金正恩をほめそやす。これに「アベ憎し」の反動から、呼応する者が加わって大変な騒ぎだ。
だが、外交はタレントのライブショーではない。重要な課題であればあるほど、冷静でなくてはならない。舞い上がることなく、私たちを取り巻く状況を見つめたい。
韓国の新聞、朝鮮日報がこんな一文を載せた。
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トランプと金正恩の名前が挙がると、小学生の5人中4人が「金正恩!」と叫んだ。先月の南北首脳会談が童心にも影響を与えたのだろう。
ネットはもっとすごい。金正恩について、「かわいい」「好印象だ」「今まで誤解していた」といった擁護コメントが相次いだ。「金正恩を愛する会」まで誕生しそうだ。一部からは「統一後の大統領候補だ」といった賛辞が聞かれる。金正恩の写真やグッズも人気だという。不思議な「金正恩シンドローム」だ。
今月4日のギャラップの調査によれば、金正恩に対する考えが「以前よりも良くなった」との回答が65%に上った。コリアリサーチの調査では金正恩に対する信頼度が77.5%に達した。
政府・与党も先頭に立っている。文在寅は「金委員長はざっくばらんで礼儀正しかった」と述べた。与党の代表は「金正恩の姿に感激した」と語った。
金正恩はわずか数カ月前まで大陸間弾道ミサイルを撃ちまくり、韓国を「核の火の海」にすると脅していた人物だ。
今回板門店での共同宣言では非核化の「核」の字もなかった。ところが、会談が終わるや、まるで金正恩が「平和の伝道者」にでもなったかのように韓国側が先に持ち上げている格好だ。
非核化会談に向けては、相手に対する礼遇は必要だ。しかし、相手がどんな人物なのかを冷徹に見抜かなければ、交渉は成功しない。
北朝鮮の政権はこれまで何度も核開発と挑発の中断を約束しながら一度も守らなかった。金正恩は4回の核実験、60回以上の弾道ミサイル発射の末、「核保有国」を宣言した。
叔父を殺害し、実の兄まで生化学兵器で殺した。玄永哲元人民武力部長を、「居眠り」を理由に銃殺するなど、政府幹部100人以上を粛清する残酷さも見せてきた。
「独裁者・金正恩」をいつしか忘れてしまったようだ。皆が「集団忘却症」にでもかかったようだ。
一部からは既に「在韓米軍撤退論」も出ており、北朝鮮との経済協力推進を主張する意見も相次いでいる。非核化が始まってもいないのに、気が早いと言うほかない。
これは非核化交渉で致命的な毒になり得る。
金正恩が南北、米朝首脳会談に臨んだのは、国際的な制裁で袋小路に追い込まれたからだ。
最近、朝鮮総連の幹部は韓国政府関係者に対し、非核化交渉が実現した背景について、「中国による制裁同調が痛かった」と明かしたという。
「人はなかなか変わらない」−。3代世襲に加え、核を持つ独裁者が自ら変わるというのは難しい。
しっかりと見据えなければ、過去の北朝鮮との交渉と同様、再びだまされかねない。
非核化は長く険しい道だ。相手を前にして、我々が内面から進んで武装解除してはならない。 (以上 朝鮮日報)
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