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トランプ大統領、イラン核合意離脱を表明 制裁再開、中東情勢緊張へ
http://www.sankei.com/world/news/180509/wor1805090007-n1.html
【ワシントン=加納宏幸】トランプ米大統領は8日、欧米など6カ国が2015年にイランと結んだ核合意から「離脱する」とする声明をホワイトハウスで発表するとともに、合意に基づいて同国が核開発を制限する代わりに解除していた制裁を全て再開することを明らかにした。反発したイランは核開発に関連する活動の再開を示唆しており、軍拡競争により中東地域のさらなる不安定化につながる恐れもある。
トランプ氏はオバマ前政権が結んだ核合意が、イランによる弾道ミサイル開発や世界各地でのテロ組織支援に対する制限を対象としていないことが問題であると指摘し、25年以降に段階的に核開発制限が解除されるなどの欠陥があるとし、「ひどく、一方的な合意であり結ばれるべきではなかった」と批判した。
イランの中央銀行と取引する金融機関やイランの石油輸出に関わる一部の制裁解除を継続するかを判断する次の期限が12日に迫っていたが、トランプ氏はその他の核合意関連の制裁も含めて「最高レベルの経済制裁を科す」と強調し、全面的な制裁となるとした。
米財務省によると、制裁対象によって8月まで90日、11月まで180日の猶予期間が設けられており、その間にイランとの取引を中止しない企業などは制裁の対象となる。
トランプ氏はその一方で、弾道ミサイル開発などを含めた新たな合意を目指す考えも強調した。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は記者団に、そのための協議を米国の核合意離脱に反対した英仏独との間で始めることを明らかにした。
ただ、英仏独の首脳は核合意の履行を続けるとの共同声明を発表した。イランのロウハニ大統領も米国以外と合意にとどまると述べるとともに、ウラン濃縮活動の再開を示唆した。
米政府高官は核合意離脱を決めたことが、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に不十分な非核化合意は受け入れられないとの明確なメッセージを送ることになるとの認識を示した。
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