http://www.asyura2.com/18/kokusai22/msg/417.html
Tweet |
フェイスブックのCEOが議会証言している時、シリアでは米露が軍事衝突する危機
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804110000/
2018.04.11 櫻井ジャーナル
ファイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOがアメリカ議会の公聴会で「情報流出」の問題で証言しているが、この会社に限らずインターネットやコンピュータに関連した巨大企業はアメリカの情報機関や治安機関と密接な関係にある。そうした監視システムの中枢にはふたつの電子情報機関が存在する。アメリカのNSAとイギリスのGCHQだ。両機関を軸にUKUSAというアングロ・サクソン系諸国の情報機関連合も重要な役割を果たしてきた。この監視システムは世界規模で、監視の対象はコンピュータ化が進むにつれて広がっている。監視システムは1970年代から問題になっているが、フェイスブックは2004年に創設されて以来、監視の道具になっていると批判されてきた。
その証言に少なからぬ人が注目しているようだが、その一方、シリアではアメリカとロシアとの間で軍事的な緊張が高まっている。シリアでの戦乱は2011年3月から始まるが、本ブログでは何度も書いてきたように、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、オスマン帝国の復活を夢想していたトルコ、天然ガスのパイプライン建設をシリア政府に拒否されたカタールなどが侵略の黒幕。
2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAがバラク・オバマ政権へ報告しているように、侵略の手先はサラフィ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団を主要メンバーとするアル・カイダ系武装集団。当時、そうした集団としてアル・ヌスラが知られていたが、DIAはAQI(イラクのアル・カイダ)と実態は同じだとしている。ちなみに、オバマ大統領がNATO軍/アメリカ軍による直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言したのも2012年8月。このシナリオはドナルド・トランプ政権も踏襲している。
シリア侵略より1カ月早くリビアも侵略され、2011年10月にはリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は倒され、カダフィ自身は惨殺された。その際、NATO軍とアル・カイダ系武装勢力が連携していること、戦闘員や武器/兵器がリビアからシリアへ運ばれたことなどが判明した。そうした中、オバマ大統領は「穏健派」なるタグを持ち出して体制転覆工作を正当化しようとした。
しかし、2012年にDIAがオバマ政権へシリア情勢に関する報告をした後もマイケル・フリンDIA局長はジハード勢力を支援するべきでないと主張していたが、オバマ大統領は無視する。そして2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月にはファルージャやモスルが制圧された。このときにアメリカ軍はダーイッシュの制圧作戦、示威行進を黙認している。
ファルージャやモスルが制圧された2カ月後にフリンはDIA局長の職を解かれた。当時の統合参謀本部もDIAと基本的に同じ考え方をしていたのだが、2015年9月25日に統合参謀本部議長はマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードに交代になった。同年2月には国防長官も戦争に消極的だったチャック・ヘイゲルから好戦派のアシュトン・カーターへ入れ替えられている。
バラク・オバマ大統領はそうした勢力を支援していた。そこでシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとDIAは報告書の中で警告している。これはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。
こうしたジハード傭兵を使った侵略は2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入してから揺らぎはじめ、そうした武装集団は現在、崩壊寸前だ。新たな手先として選ばれた勢力がクルドだが、風向きが怪しくなっている。そこで再浮上したのが化学兵器話だ。
アル・カイダ系武装集団が支配、ダマスカス攻撃の拠点になってきた東グータをシリア政府軍はほぼ制圧、人質になっていた住民も解放された。そうした住民の口から西側の政府や有力メディアが言う「穏健派」の実態が明らかにされている。西側の有力メディアは無視しているようだが、完全に封印することはできていない。(例えばココ。英語字幕付きはココ)時間の経過にともない、侵略勢力にとって都合の悪い事実が明らかになってくる。アメリカ帝国の崩壊も確実に進む。侵略勢力にとって時間は敵だ。情勢は切迫しているとも言える。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。