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ハンガリー議会選 「反難民・移民」の与党が圧勝/nhk
4月9日 9時21分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180409/k10011395881000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_007
ヨーロッパ中部のハンガリーで議会選挙が行われ、「反難民・移民」を掲げEU=ヨーロッパ連合にも反発してきたオルバン首相の与党が、改選前を上回る議席を獲得して圧勝し、オルバン首相は今後一層強権的な姿勢を強め、EUへの批判も先鋭化させるものと見られます。
ハンガリーの議会選挙は8日、投開票が行われ、選挙管理委員会によりますと、開票はほぼ終わり、オルバン首相が率いる右派の与党「フィデス」が改選前を上回る議会の3分の2にあたる133議席を獲得する見通しとなりました。
オルバン首相は支持者を前に、「われわれは歴史的な勝利を収めた。祖国を守る闘いはさらに続く」と述べ、勝利を宣言しました。
ハンガリーでは3年前に中東などから40万人以上の難民や移民が押し寄せましたが、オルバン首相は国境沿いにフェンスを設け、EUが定めた難民の受け入れ政策にも反対して、選挙でもこうした主張が国民の幅広い支持を集めた形です。
一方、オルバン首相が政権に批判的な大学やメディアに圧力をかけるなど強権的な姿勢を強めていることに若い世代を中心に反発が広がっていましたが、選挙制度が与党に有利に改められたこともあって、野党は議席を増やすことができませんでした。
選挙結果を受けて、オルバン首相は一層強権的な姿勢を強め、EUへの批判も先鋭化させるものとみられ、ヨーロッパの中部や東部で進む右傾化や排外的な動きを勢いづけることが予想されます。
中東欧に広がる反難民の動き
2015年に内戦が続くシリアなど中東やアフリカからヨーロッパを目指す難民や移民が急速に増えて以降、ヨーロッパの中部や東部の国々では、難民や移民の受け入れに厳しい姿勢をとり、EU=ヨーロッパ連合の難民政策にも反対する動きが広がっています。
このうち、ハンガリーでは、オルバン政権が隣国との国境沿いに電流が流れるフェンスを設置して難民の受け入れに抵抗し、今回の選挙期間中も、難民や移民について「さびのようなものでゆっくりと着実にハンガリーを食い尽くす」などと国民の不安や警戒心に訴え、支持を広げてきました。
また、ポーランドやチェコ、スロバキアの政権も、難民や移民の受け入れに反発し、EUが難民などの到着が相次いだイタリアやギリシャの負担を軽減するため加盟国に難民の受け入れ人数を割り当てる措置をとったことに強く反対してきました。
このほか、オーストリアでも、去年12月に極右政党も参加する連立政権が発足し、クルツ首相がことしに入ってEUの難民政策への批判に転じました。
このうち、ハンガリー、ポーランド、チェコについて、EUの執行機関にあたるヨーロッパ委員会は、EUが決めた難民の受け入れ政策を拒否しているとして、EU司法裁判所に提訴することを決めています。
選挙制度見直しで与党有利に
オルバン首相が率いる与党「フィデス」は、憲法の改正が可能な議会の3分の2を超す議席を獲得した2010年以降、多くの選挙制度を見直してきました。
ハンガリーの議会は、オルバン政権になって、定数が以前の半分近い199議席にまで削減され、106の小選挙区と93の比例代表の並立制で争われます。
このうち小選挙区では、選挙区の区割りを見直し、それによって「フィデス」の候補が勝利しやすくなったと指摘されています。
また、小選挙区で当選した候補の得票数から次点の候補の得票数を引いた票数が、比例代表で当選候補者の政党に上積みされる仕組みに変え、これも与党に有利に働いたとされています。
さらに、政党が比例代表に届け出る要件を緩和したことで、今回は8年前のおよそ4倍に上る23の政党が乱立することになりましたが、得票率が5%に満たない政党には議席が配分されないことから、上位の政党の獲得議席が増える傾向にあります。
オルバン首相 右傾化の象徴的存在
ハンガリーの首相を務めるヴィクトル・オルバン氏は、1963年5月31日生まれの54歳。1988年に政党「フィデス」を設立してのちに党首に就任し、1998年、35歳の若さでハンガリーの首相に就任しました。
最初の任期では、EU=ヨーロッパ連合やNATO=北大西洋条約機構への加盟に向けた交渉を推し進めるなど、国際社会との協調を重視する政策をとりました。しかし、2002年の議会選挙で敗北し野党になったのをきっかけに、国益を第一に掲げる政策に転じ、2008年の金融危機以降は当時の政権への不満の受け皿となって、2010年の議会選挙で再び首相に返り咲きました。
フィデスが議会で3分の2の議席を獲得したことで、オルバン首相は憲法や法令を次々と改正して司法や行政の要職を与党が独占できるようにし、権力を集中させます。また、政権に批判的なメディアに対する統制も強め、一部を廃業に追い込んだほか、大学やNGOに対しても法令を改正するなどして圧力をかけるなど、強権的な姿勢を強めてきました。
3年前に中東などから40万人を超える難民・移民がハンガリーに押し寄せると、国境沿いにフェンスを設けて難民の受け入れに抵抗し、EUが定めた難民受け入れ枠にも反対してきました。今回の選挙でも難民や移民に対する国民の不安や警戒心に訴えるキャンペーンを展開し、幅広い支持を集めました。
オルバン首相はヨーロッパの中部や東部で進む右傾化や排外的な動きを象徴する存在とされ、ドイツやフランスなど大国主導で進むEUの合意形成にもしばしば異議を唱えてきました。
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