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米国の政策に対抗して中国は廃棄物の受け入れ拒否、対立が深まるが、経済戦争は前から始まっている
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2018.03.26 櫻井ジャーナル
廃棄されたプラスチックや紙の受け入れ拒否を実行しないよう、アメリカ政府は中国政府に求めたという。ドナルド・トランプ米大統領が3月8日に鉄鋼とアルミニウムへ輸入関税を課すことを命じる文書に署名、22日に中国からの輸入に関税を課す大統領令に署名したことに対する報復を懸念しているとみられている。
貿易戦争の勃発を懸念する人もいるが、すでに経済戦争は始まっている。その核心は基軸通貨の問題。中国やロシアを中心に世界ではドル離れが進んでいるのだ。
現在の通貨システムは1971年8月に始まっている。ドルと金の交換を停止するとリチャード・ニクソン米大統領は発表、ブレトン・ウッズ体制は崩壊したのである。金という裏付けをなくしたドルの価値を維持するため、発行したドルを実社会から吸い上げる仕組みが考えられ、その中心的なったのが投機市場とペトロダラー。金融規制の規制を大幅に緩和してカジノ化を進め、石油取引をドル決済に限定したのだ。
1962年から86年までサウジアラビアの石油鉱物資源大臣を務めていたシェイク・アーメド・ザキ・ヤマニはイギリスのオブザーバー紙の2001年1月14日付け紙面に掲載された記事の中で、1973年5月にスウェーデンで開かれた「ある秘密会議」でアメリカとイギリスの代表は400%の原油値上げを要求、認められたと語っている。その秘密会議とはビルダーバーグ・グループが開催したもので、この仕組みはペトロダラーと呼ばれるようになった。この値上げを実現させたのは1973年10月に勃発した第4次中東戦争。その直後にOPECは価格を4倍に引き上げている。
その後、アメリカは自らが発行したドルで外国から商品を購入、支払ったドルでアメリカの財務省証券や高額兵器を買わせたり、投機市場やオフショア市場へ資金を誘導したりする。実際に人々が生活している社会からドルを吸い上げ、新たなドル発行を可能にするわけだ。経済活動ではなく、コロガシだと言えるだろう。
勿論、日本もこの仕組みに組み込まれた。巨大企業がアメリカへの輸出で儲け、庶民の資金を利用してドルをアメリカへ循環させている。必然的に巨大企業は大儲け、日本国内は不景気になり、庶民は貧困化。巨大企業や富裕層は課税を逃れるため、儲けをオフショア市場へ隠している。
安倍晋三首相は黒田東彦日銀総裁と組んで「量的・質的金融緩和」を実施してきたが、それによって流れ出た資金も投機市場へ向かう。投機市場が収縮し始めると資金を吸い上げないだけでなく、放出しはじめるため、どうしても投機市場は拡大させなければならないことから、そうした政策を強引に進めたと言えるだろう。そのため、ETF(上場投資信託)やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も利用されている。こうした政策で日本の景気が回復しないことは安倍首相も黒田総裁も認識しているだろう。
しかし、ドルの循環システムは機能しなくなってきた。アメリカの支配層が夢見てきたパックス・アメリカーナは実現が難しくなっている。そうした状況を作り上げた大きな原因である中国やロシアを屈服させるか破壊して当初の日程に合わせようともがき、全面核戦争の可能性を高めているのがアメリカの支配層だ。
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